JP2017133228A - ウインドレギュレータ - Google Patents
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Description
詳しくは、ガイドレールの案内面に塗布されたグリースが、スライダの摺接部によって除去されてしまうことを抑制することにより、ガタツキや異音の発生を長期間に渡って抑制できるようにしたウインドレギュレータに関する。
本発明は、ガイドレールの案内面とスライダの摺接部との良好な接触状態を維持するとともに、出荷から長期間経過後においても十分な量のグリースが除去されずに残置されるようにして、ガタツキや異音の発生を抑制できるようすることを目的とする。
[1]構成1
ガイドレール1の案内部の案内面11/12/13/14に弾力的に当接する摺接部35を備えたスライダ3をワイヤ9(9a/9b)で牽引して前記案内面11/12/13/14の長手方向へ摺動させることにより、前記スライダ3に支持されているウインドガラスを昇降させるウインドレギュレータであって、
前記ガイドレール1の案内部と前記スライダ3の摺接部35により、該摺接部35の非当接部分35bと前記案内部とで画定され、前記案内面11/12/13/14上に塗布されているグリース4を前記摺動に伴い受け入れて残置し、該残置したグリース4を当該摺接部35が通過した後の前記案内面11/12/13/14上に偏在させる受入残置部39が構成される、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。
摺接部35と案内面11/12/13/14が当接する部位では、グリースは概ね案内面11/12/13/14上から除去されるが、薄い油膜は残る。
グリース4の偏在は摺接部35の通過後に現出されるため、案内面11/12/13/14の幅方向で実現され、長手方向では筋状となる。偏在位置は、幅方向の略中央位置でもよく、何れかの縁寄り位置でもよい。また、偏在するに際し、グリースは案内面上を移動してもよく、移動しなくてもよい。
弾力的な当接は、例えば、摺接部を延設片の先端に設けて該延設片の弾力で実現してもよく、また、摺接部の付近を弾性樹脂やゴムで形成することで実現してもよい。
構成1に於いて、
前記摺接部35の前記案内面との当接部分35aは、前記長手方向に交差する方向に少なくとも2箇所が離間して前記案内面11/12/13/14に当接する、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。
[3]構成3
構成2に於いて、
前記当接部分35aは、前記長手方向において同位置で当接する、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。
[4]構成4
構成3に於いて、
前記当接部分35aの間に位置する非当接部分35bは、前記案内面11/12/13/14とは反対側へ向けて幅狭となるテーパを成す、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。
案内面とは反対側とは、案内面から遠ざかる側を言う。
構成1に於いて、
前記摺接部35は、前記案内面11/12との対向面に設定されており、該対向面から前記案内面側へ突設され面状に当接する当接面部37aと、該当接面部37aを前記長手方向にて分かつ溝部37bを有する、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。
摺接部の非当接部分である溝部37bの側壁面及び底面と、摺接部が沿っている案内面11/12とで、受入残置部が画定される。
溝部37bに受け入れられたグリースは、摺接部35の通過後、溝部37bの出口側の位置で決まる部位に偏在する。
[6]構成6
構成5に於いて、
前記溝部37bは直線状を成し前記当接面部37aを前記長手方向に非平行に分かつ、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。
構成2は、構成1に於いて、前記摺接部35の前記案内面との当接部分35aは、前記長手方向に交差する方向に少なくとも2箇所が離間して前記案内面11/12/13/14に当接するため、使用につれて摺接部35が徐々に磨耗して、受入残置部39内の容積が徐々に小さくなる。その結果、通過時にグリースが押圧されて摺接部35の当接部分35aと案内面11/12/13/14との間に押し出すように供給される。このため、ガタツキや異音の発生を十分に抑制することができる。
構成3〜構成4では、さらに良好な作用を奏することができる具体的な構成例を提供できる効果がある。
構成5は、構成1に於いて、前記摺接部35は、前記案内面11/12との対向面に設定されており、該対向面から前記案内面側へ突設され面状に当接する当接面部37aと、該当接面部37aを前記長手方向にて分かつ溝部37bを有するため、グリースの偏在位置を案内面の幅方向(長手方向と交差する方向)で移動させることができ、さらに良好な作用を奏することができる。
図4に示すウインドレギュレータは、ガイドレール1と、ガイドレール1に摺動可能に設けられてガイドレール1の案内で上昇/下降するスライダ3と、スライダ3を昇降させるべく牽引するワイヤ9(上ワイヤ9a,下ワイヤ9b)と、ワイヤ9を牽引し/繰り出すための駆動力を付与する駆動源(モータ等)90とを有する。ガイドレール1は金属製であり、スライダ3は一体成形された硬質な樹脂製である。ガイドレール1の金属としては、一般的に用いられているSUS等に代えて、例えば、アルミニウムを用いることもできる。また、スライダ3は一体成形の硬質樹脂製に限定されず、例えば、ガイドレール1と摺接する部位を樹脂製とし、ウインドガラスを保持する部位を金属製のブラケットで構成する等、各種の変形が可能である。
ワイヤ方式のウインドレギュレータ自体は従来から知られており、例えば、ワイヤ9を牽引し/繰り出す機構や、プーリー等を介してワイヤ9の端部をスライダ3に良好に連結する機構等は周知であるため、これ以上の説明は割愛する。
摺接部35は、スライダ3の上端側のガイドシュー381の内面(案内面11/12との対向面)、下端側のガイドシュー382の内面(案内面11/12との対向面)、弾性リップ361の先端部分の表面(案内面12との対向面)、弾性リップ362の先端部分の裏面(案内面11との対向面)、弾性リップ363の先端部分の表面(案内面12との対向面)、弾性リップ365の先端部分の表面(案内面14との対向面)、及び、弾性リップ366の先端部分の裏面(案内面13との対向面)に、それぞれ設定されている。
一方、弾性リップ361,362,363,365,366は、ガイドレール1の湾曲に沿って摺動するスライダ3の摺動方向と、スライダを移動させるべく印加されるワイヤ9の牽引方向とに微細な差異が有り、そのことに起因して摺動時にガタツキや異音が生じ易くなるため、それらを軽減するべく設けられた部位である。つまり、ガイドレール1の案内面11,12,13,14を両面側から挟み込むように押圧することにより、ガタツキや異音を抑制する機能を奏させるようにした部位である。
このように、スライダ3は、ガイドレール1に、摺動可能に設けられている。
なお、非当接部分35bにテーパ部35b−t(図2(c)に示すように、案内面14の反対側(案内面14から遠ざかる側)へ向けて幅狭となるテーパ部)を設けると、グリースを微小量ずつ供給する作用効果を、さらに良好に発揮させることができる。
以下に述べるガイドシュー381,382では、ガイドレール1側の案内面11/12と、スライダ3側の摺接部35とは、面状に接触する。即ち、各ガイドシュー381,382の当接面部37aが、案内面11/12に当接する。
これらに限定されず、当接面部や溝部は適宜の形状に構成することができる。
また、上記した実施の形態では、案内面を備えた案内部を、断面が略角形のC字を成すガイドレール1の各端部(各縁)から幅方向の外側へ向けて一定幅で延設した部位(縁部位)に構成した場合を説明したが、案内部はかかる両縁の延設部位に限定されない。例えば、ガイドレール1の中央部位100(図7(b)参照)や、縁部位と中央部位100を繋ぐ側壁部位101(図7(b)参照)に案内部を構成し、該案内部に、スライダを前記実施の形態と同様に摺接させるようにしてもよい。
11 案内面(右表側;図2基準)
12 案内面(右裏側;図2基準)
13 案内面(左表側;図2基準)
14 案内面(左裏側;図2基準)
3 スライダ
30 本体部
35 摺接部
35a 当接部分(線分箇所)
35b 非当接部分
35b−t テーパ部
350 突設部分
361 弾性リップ(延設片,振り止め部/右上;図1(a)基準)
3610 弾性リップ(延設片,振り止め部/右上;図1(a)基準)
362 弾性リップ(延設片,振り止め部/右中;図1(a)基準)
3620 弾性リップ(延設片,振り止め部/右中;図1(a)基準)
363 弾性リップ(延設片,振り止め部/右下;図1(a)基準)
3630 弾性リップ(延設片,振り止め部/右下;図1(a)基準)
365 弾性リップ(延設片,振り止め部/左上;図1(a)基準)
365a〜365h 弾性リップ(延設片,振り止め部/左上;図1(a)基準)
366 弾性リップ(延設片,振り止め部/左下;図1(a)基準)
37a 当接面部
37a1〜37a6 当接面部
37b 溝部
37b1〜37b6 溝部
381 ガイドシュー(ガイドレール受部/上:図6(a)(b)基準)
382 ガイドシュー(ガイドレール受部/下:図6(a)(b)基準)
39 受入残置部
4 グリース
9 ワイヤ
90 駆動源
9a 上ワイヤ
9b 下ワイヤ
Claims (6)
- ガイドレールの案内部の案内面に弾力的に当接する摺接部を備えたスライダをワイヤで牽引して前記案内面の長手方向へ摺動させることにより、前記スライダに支持されているウインドガラスを昇降させるウインドレギュレータであって、
前記ガイドレールの案内部と前記スライダの摺接部により、該摺接部の非当接部分と前記案内部とで画定され、前記案内面上に塗布されているグリースを前記摺動に伴い受け入れて残置し、該残置したグリースを当該摺接部が通過した後の前記案内面上に偏在させる受入残置部が構成される、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。 - 請求項1に於いて、
前記摺接部の前記案内面との当接部分は、前記長手方向に交差する方向に少なくとも2箇所が離間して前記案内面に当接する、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。 - 請求項2に於いて、
前記当接部分は、前記長手方向において同位置で当接する、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。 - 請求項3に於いて、
前記当接部分の間に位置する非当接部分は、前記案内面とは反対側へ向けて幅狭となるテーパを成す、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。 - 請求項1に於いて、
前記摺接部は、前記案内面との対向面に設定されており、該対向面から前記案内面側へ突設され面状に当接する当接面部と、該当接面部を前記長手方向にて分かつ溝部を有する、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。 - 請求項5に於いて、
前記溝部は直線状を成し前記当接面部を前記長手方向に非平行に分かつ、
ことを特徴とするウインドレギュレータ。
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