JP2017132526A - 電子レンジ加熱調整材 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子レンジ加熱時、加熱調整材の膨張や破裂、加熱後の導電性のゲルの漏れが抑制される構造の電子レンジ加熱調整材を提供する。
【解決手段】本発明は、導電性のゲルが封入された包装体において、当該包装体は、不織布2と多孔性で非吸液のフィルムまたはシート1とを積層した積層体で構成される水蒸気透過部位と、無孔性で非吸液のフィルムまたはシート3とを含む、電子レンジ加熱調整材4である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、導電性のゲルが封入された包装体において、当該包装体は、不織布2と多孔性で非吸液のフィルムまたはシート1とを積層した積層体で構成される水蒸気透過部位と、無孔性で非吸液のフィルムまたはシート3とを含む、電子レンジ加熱調整材4である。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷凍もしくは冷蔵された複数の異なる食材を電子レンジで同時に加熱した際、各食材のマイクロ波吸収特性の違いにより生じる温度差に対して、加熱を抑制したい食材の近くに導電性液体を含む加熱調整材を配置することにより、電子レンジ庫内の食材を均一温度に加熱することができる電子レンジ加熱調整材に関する。
電子レンジは、食材を簡便かつ安全に加熱できる調理機器として我々の生活に必要不可欠なものとなっている。しかし、電子レンジ庫内の電界強度の不均一さや、食材の形状や大きさ等の違いよってマイクロ波が吸収しやすい部分に偏りが生じるため、同一食材であっても全体を均一に加熱することは困難である。
さらに、電子レンジに異なる食材を入れて加熱をする際は、各食材のマイクロ波吸収特性の違いにより、仮にマイクロ波の照射が均一であっても、各食材の昇温挙動が異なるという特徴がある。この場合、加熱されにくい食材が適温になるまで加熱を続けると、加熱されやすい食材は過加熱になるため、その食材は乾燥、変色し、食感が悪くなる。
食材の昇温挙動の差異を改善する方法として、特許文献1に、冷凍食材の加熱されやすい部位の表面に食塩水を噴霧する方法が開示されているが、食味に影響をあたえる為、好ましくはない。
特許文献2、3においても、食品用途ではないが、電磁波吸収および電磁波の被照射体に対する照射抑制材料として塩化ナトリウム水溶液等の電解質を使用する例が開示されている。
しかし、これら特許文献2、3については、アルコールを含んでいることや包装体に通気する部分を設けていない為に、電子レンジ加熱時に、揮発分により包装体が破裂してしまう危険性がある。
本発明は、冷凍もしくは冷蔵された複数の異なる食材を電子レンジで同時に加熱した際、各食材のマイクロ波吸収特性の違いによって生じる温度差に対して、加熱を抑制したい食材の近くに導電性液体を含む加熱調整材を配置することにより、電子レンジ庫内の食材を均一温度に加熱することができる。また、電子レンジ加熱時、加熱調整材の膨張や破裂、加熱後の導電性のゲルの漏れが抑制される構造の電子レンジ加熱調整材を提供する。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)導電性のゲルが封入された包装体において、当該包装体は、不織布単体または不織布と多孔性で非吸液のフィルムまたはシートとを積層した積層体で構成される水蒸気透過部位と、無孔性で非吸液のフィルムまたはシートとを含む、電子レンジ加熱調整材。
(2)前記水蒸気透過部位は、目付が10〜250g/m2の繊維不織布単体で構成される、(1)に記載の電子レンジ加熱調整材。
(3)前記水蒸気透過部位は、不織布と、1.5〜5.0mmの間隔で径が0.05〜4.0mmの孔を有し、かつ、開口率が0.5〜25%である非吸液のフィルムまたはシートとから形成された積層体である、(1)に記載の電子レンジ加熱調整材。
(4)前記導電性のゲルの化合物の濃度が0.1〜9質量%であり、かつ、前記ゲルの厚みが0.5〜7.0mmである、(1)〜(3)のいずれかに記載の電子レンジ加熱調整材。
(5)前記導電性のゲルが一価もしくは二価の金属塩化合物のいずれかを一種または二種以上を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の電子レンジ加熱調整材。
(6)冷凍もしくは冷蔵された食材の電子レンジ加熱に使用することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の電子レンジ加熱調整材。
(7)電子レンジ加熱調理時に、温度がより上昇する食材付近に、(1)〜(6)のいずれかに記載の電子レンジ加熱調整材を設置し、食材の加熱温度を調節することを特徴とする電子レンジ加熱調理方法。
(8)前記食材は、それぞれマイクロ波吸収特性の異なる複数の食材であり、前記電子加熱調整材を、加熱を抑制しようとする食材の近辺に設置することを特徴とする(7)に記載の方法。
(9)(1)〜(6)のいずれかに記載の電子レンジ加熱調整材を装着した電子レンジ加熱調理用容器。
(1)導電性のゲルが封入された包装体において、当該包装体は、不織布単体または不織布と多孔性で非吸液のフィルムまたはシートとを積層した積層体で構成される水蒸気透過部位と、無孔性で非吸液のフィルムまたはシートとを含む、電子レンジ加熱調整材。
(2)前記水蒸気透過部位は、目付が10〜250g/m2の繊維不織布単体で構成される、(1)に記載の電子レンジ加熱調整材。
(3)前記水蒸気透過部位は、不織布と、1.5〜5.0mmの間隔で径が0.05〜4.0mmの孔を有し、かつ、開口率が0.5〜25%である非吸液のフィルムまたはシートとから形成された積層体である、(1)に記載の電子レンジ加熱調整材。
(4)前記導電性のゲルの化合物の濃度が0.1〜9質量%であり、かつ、前記ゲルの厚みが0.5〜7.0mmである、(1)〜(3)のいずれかに記載の電子レンジ加熱調整材。
(5)前記導電性のゲルが一価もしくは二価の金属塩化合物のいずれかを一種または二種以上を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の電子レンジ加熱調整材。
(6)冷凍もしくは冷蔵された食材の電子レンジ加熱に使用することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の電子レンジ加熱調整材。
(7)電子レンジ加熱調理時に、温度がより上昇する食材付近に、(1)〜(6)のいずれかに記載の電子レンジ加熱調整材を設置し、食材の加熱温度を調節することを特徴とする電子レンジ加熱調理方法。
(8)前記食材は、それぞれマイクロ波吸収特性の異なる複数の食材であり、前記電子加熱調整材を、加熱を抑制しようとする食材の近辺に設置することを特徴とする(7)に記載の方法。
(9)(1)〜(6)のいずれかに記載の電子レンジ加熱調整材を装着した電子レンジ加熱調理用容器。
本発明によれば、導電性のゲルを封入する一つの包装体の中に、水蒸気を透過する部位と、透過しない部位とを設けて部位ごとで包装材質を変えることによって、電子レンジ加熱中にパッケージの膨張や破裂が起こらず、かつ、導電性のゲルの漏れが起こりにくい電子レンジ加熱調整材が提供される。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の電子レンジ加熱調整材は、導電性のゲルが封入された包装体において、当該包装体は、不織布単体、または不織布と多孔性で非吸液のフィルムまたはシートと積層した積層体で構成される水蒸気透過部位と、無孔性で非吸液のフィルムまたはシート、または遮水性のある断熱性素材のフィルムまたはシートとを含む。
本発明の電子レンジ加熱調整材は、導電性のゲルが封入された包装体において、当該包装体は、不織布単体、または不織布と多孔性で非吸液のフィルムまたはシートと積層した積層体で構成される水蒸気透過部位と、無孔性で非吸液のフィルムまたはシート、または遮水性のある断熱性素材のフィルムまたはシートとを含む。
図1は、本発明の電子レンジ加熱調整材の実施の形態を示すものである。図1において、本発明の電子レンジ加熱調整材4は導電性のゲル2を、吸液シートを貼付した、通気孔を有するフィルムまたはシート1、および通気孔を有さない非吸液のフィルムまたはシート3から形成される包装体に封入して構成される。なお、通気孔を有するフィルムまたはシート1は、例えば熱可塑性樹脂の非吸液のフィルムまたはシートで構成され、水蒸気透過部位として機能する。また、通気孔を有するフィルムまたはシート1に貼付する吸液シートは、不織布が好適に使用される。なお、通気孔を有するフィルムまたはシート1は、熱可塑性樹脂の非吸液フィルムまたはシートを使用せず、不織布単体で構成してもよい。なお、図1においては、電子レンジ加熱調整材4は、前記通気孔を有するフィルムまたはシート1と、前記通気孔を有さないフィルムまたはシート3とをそれぞれの端部同士にてヒートシール処理したヒートシール部4aを有する例が示されるが、通気孔を有するフィルムまたはシート1と、通気孔を有さないフィルムまたはシート3とを一体的に袋状に成形してもよい。
本発明を構成する水蒸気透過部位としての通気孔を有するフィルムまたはシートは、不織布単体もしくは、多孔性で非吸液のフィルムやシートより形成される。不織布単体で使用する場合、目付は10〜250g/m2が好ましい。より好ましくは、40〜150g/m2である。この目付が小さすぎるとゲルの離水により、パッケージが濡れる可能性がある。一方で目付が大きすぎると、厚みや強度が増し、二次加工性が低下することがある。
以上の観点から、導電性のゲルを封入する包装体として、不織布と多孔性で非吸液のフィルムやシートとの積層体を用いることが、ゲルからの離水や加熱後に生じる水蒸気の凝縮水によるパッケージからの水漏れを抑制することになるため、より好ましい。
以上の観点から、導電性のゲルを封入する包装体として、不織布と多孔性で非吸液のフィルムやシートとの積層体を用いることが、ゲルからの離水や加熱後に生じる水蒸気の凝縮水によるパッケージからの水漏れを抑制することになるため、より好ましい。
ここで好適に使用される不織布としては、特に限定されないが、例えば合成繊維、天然繊維、天然の植物繊維や動物性のタンパク質繊維などを一旦溶解してから化学的に処理して繊維化した再生繊維などが選択できる。さらに、不織布を構成するのに親水性の繊維を用いる場合、当該繊維は少なくとも表面が親水性樹脂で構成されていればよく、例えば、疎水性樹脂の表面を親水化処理した樹脂や、内部が疎水性樹脂で構成された複合繊維などであってもよい。
不織布を構成する合成繊維としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基などの親水性基(特に水酸基)を分子中に有する樹脂、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、(メタ)アクリルアミド単位を含む(メタ)アクリル系共重合体などで構成された合成繊維が挙げられる。これらの合成繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
不織布を構成する天然繊維としては、例えば、綿又はコットン、絹、麻、シルク、ウールなどが挙げられる。これらの天然繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、綿などが汎用される。
また、不織布を構成するのに疎水性の繊維を用いる場合、当該繊維として、熱可塑性のポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維等が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
不織布は、以上のような合成繊維、天然繊維等の繊維を用いて、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボンド、ケミカルボンドの公知の製法によって製造されたものを使用することができ、特に限定されない。
また、通気孔を有するフィルムまたはシート1は、導電性のゲルから水分が著しく蒸散しない素材であれば特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂等のフッ素樹脂、ナイロン樹脂等を単体もしくは混合して使用することができる。
多孔性で非吸液のフィルムまたはシートには、必要に応じて種々の添加剤、例えば、安定剤(リン系、硫黄系またはヒンダーフェノール系の酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等)、可塑剤(ミネラルオイル等)、帯電防止剤、滑剤(ステアリン酸、脂肪酸エステル等)、離型剤、顔料、染料等を含有しても良い。更に、必要であれば、無機粒子(リン酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、ゼオライト、シリカ等)を添加しても良い。
本発明を構成する通気孔を有するフィルムまたはシート1に設ける通気孔は、0.8mm以上、好ましくは1.5mm以上、かつ、5.0mm以下、好ましくは4.0mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下の間隔であることが好ましい。通気孔の間隔が小さすぎると通気孔の数が増え、耐水性が低下し、ゲルの離水や水蒸気の凝縮水による包装体の濡れと漏れが生じる。一方で通気孔の間隔が大きすぎると通気孔の数が減り、加熱時に包装体が破裂や膨張を起こす。また、通気孔の孔径は0.05mm以上、好ましくは0.8mm以上であり、かつ、4.0mm以下、好ましくは2.0mm以下であることが適当である。通気孔の孔径が小さすぎると、加熱時に上手く水蒸気が逃げず、包装体の破裂や膨張が生じる。一方で、通気孔の孔径が大きすぎると耐水性が低下し、ゲルの離水や水蒸気の凝縮水による濡れや漏れが起こる。上記を踏まえ、通気孔によるフィルムまたはシート上での開口率は0.5%以上、好ましくは3%以上、かつ、25%以下、好ましくは10%以下であることが好ましい。開口率が小さすぎると包装体の膨張、破裂を起こし、一方で大きすぎると漏れを起こしやすくなる。通気孔、通気孔の孔径、通気孔による開口率が、上述した範囲にあることにより、包装体からの水分の漏れと、適切な水蒸気の排出ができないことによる包装体の破裂、膨張との両者をバランスよく回避することが可能になる。
通気孔の付与方法は、成形後のフィルムまたはシートを穿孔する方法が挙げられる。穿孔する方法としては、レーザー等の熱エネルギーによる方法、キリや針などの押圧による方法、加熱エンボスロールと加熱フラットロールの間を通過させて加熱と押圧で孔を開ける方法などあるが、特に限定されない。
また、不織布と非吸液のフィルムまたはシートとの貼付には、接着剤、または、超音波接合や熱プレス接合等の熱融着の技術を利用することができる。接着剤には、ホットメルト型接着剤、アクリル系接着剤、ゴム系接着剤を使用することができ、熱可塑性ホットメルト接着剤が好ましい。ホットメルト接着剤はエチレン酢酸ビニル、スチレン、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルが挙げられる。ホットメルト接着剤は、散点状の他に、直状、波状、スパイラル状、格子状の各種公知のパターンで塗付されていてよい。ただし、通気孔からの水蒸気発散を阻害しない為に、面全体に塗付されていないことが望ましい。
次に、通気孔を有さない非吸液のフィルムまたはシート3について説明する。
この部分は、非通気性であれば特に規定されない。例えば単層で構成する場合、無孔性で非吸液である熱可塑性樹脂のフィルムやシート、又は遮水性のある断熱性素材のフィルムやシートを用いることができる。二層以上の積層体で構成する場合、無孔性で非吸液の熱可塑性樹脂のフィルムやシートと断熱性素材のフィルムやシートとから形成される積層体を用いることができる。断熱性素材としては、遮水性であるが、不織布又は多孔質状の空隙を持った樹脂シート、布、紙などが挙げられる。また、水蒸気透過部位以外を積層体で構成することが、電子レンジ加熱後に触れた際の火傷を防止するため、より好ましい。
この部分は、非通気性であれば特に規定されない。例えば単層で構成する場合、無孔性で非吸液である熱可塑性樹脂のフィルムやシート、又は遮水性のある断熱性素材のフィルムやシートを用いることができる。二層以上の積層体で構成する場合、無孔性で非吸液の熱可塑性樹脂のフィルムやシートと断熱性素材のフィルムやシートとから形成される積層体を用いることができる。断熱性素材としては、遮水性であるが、不織布又は多孔質状の空隙を持った樹脂シート、布、紙などが挙げられる。また、水蒸気透過部位以外を積層体で構成することが、電子レンジ加熱後に触れた際の火傷を防止するため、より好ましい。
通気孔を有さない非吸液のフィルムまたはシート3の成形方法としては、押出法(Tダイ法等)、テンター方式、チュブラー方式、インフレ方式等による延伸法(一軸延伸法、二軸延伸法等)等が挙げられる。前記フィルムまたはシートは、単層フィルムまたはシートであっても良く、同じ種類の熱可塑性樹脂で添加剤などの組成が異なる熱可塑性樹脂で構成された複数の樹脂層による積層フィルムまたはシートや、異なる熱可塑性樹脂で構成された層同士(例えば、スチレン系樹脂とポリエチレン、ポリオレフィン等のオレフィン系樹脂との組合せ等)の積層フィルムまたはシートであっても良い。積層フィルムまたはシートは、共押出法、ヒートラミネーションやドライラミネーション、押出ラミネーション等の手法により調整できる。
また、通気孔を有さない非吸液のフィルムやシートには、多孔性で非吸液である熱可塑性樹脂のフィルムやシートと同様に導電性のゲルから水分が著しく蒸散しない素材を含んでいてもよい。また、不織布や多孔質状の空隙を持った樹脂シートは、前述の通気孔を有さない非吸液のフィルムやシートと同じく、材質は制限されず、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレンなどいずれのものでも良く、共重合物であったり、着色剤、結晶核剤などの有機や無機の添加物を含んでいても差し支えない。さらに、布、紙については、それ自身の材質に制限されず、多種多様の組み合わせを用いることができる。通気孔を有さない無孔性で非吸液のフィルムやシートと、不織布又は多孔質状の空隙を持った樹脂シート、布、紙とから積層体を形成するに際して、接着剤を用いる方法であってもよく、また加熱カレンダーロール上で両者を熱接着させる方法であってもよい。
導電性のゲルを封入し包装体を得る方法は、特に限定されるものではないが、例えば前述の通気孔を有するフィルムまたはシート1と前述の通気孔を有さない非吸液である熱可塑性樹脂のフィルムまたはシート3との互いに向かい合う3辺をヒートシールした後に、導電性のゲルを入れ、残り1辺をヒートシールする方法が挙げられる。製袋時に用いられる装置としては、一般に市販されているヒートシーラーや、連続ヒートシール加工の為のロール型ヒートシーラーを使用することができる。
本発明で用いられる導電性のゲルに用いるゲル化剤としては、主として液体を円滑、且つ大量に吸水してゲル化し、化学的、物理的に架橋して保型性を発現する高分子材料であれば特に制限されない。具体的には、例えばポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸デンプン、無水マレイン酸共重合物などの合成高分子系物質、カルボキシメチルセルロースの如き半合成系化合物等が挙げられる。食品用途への使用が許可されているゲル化剤であればより好ましく、例えば、カラギナン、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、寒天、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グァーガム、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩等)、グルコマンナン、ゼラチン、カードラン、タマリンドシードガム、タラガム、サイリウムシードガム、ラムザンガム、発酵セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等を1種、もしくは2種以上混合して使用できる。
本発明の導電性のゲルに好適に用いられる化合物は、一価もしくは二価の金属塩化合物である。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。その中でも、価格、食品安全性の観点から塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムが好ましく、特に塩化ナトリウムが好ましい。
導電性のゲルに用いられる化合物の濃度は、0.1〜9質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。この化合物の濃度が小さすぎると、導電性液体のマイクロ波抑制効果が低くなるため、食材の加熱抑制効果が乏しくなる。一方で化合物の濃度が大きすぎると、水溶性高分子の塩析や架橋反応の制御が難しくなるため、導電性液体含有ゲルを作製することが困難になる。以上の観点から、この化合物の濃度を上述した範囲にすることにより、これら特性のバランスに優れた加熱調整材を得やすくなる。
本発明で用いられる導電性のゲルには、必要に応じて防腐剤等の品質安定剤を添加した状態としても良い。防腐剤としては特に限定されるものではなく、一般的なものの中から1種単独でも2種以上でも用いることができる。
導電性ゲルからなる部分の厚みは、0.5〜7.0mmが好ましい。厚みが小さすぎると加熱抑制効果が乏しくなる。一方、厚みが大きすぎると包装体のヒートシール性などの二次加工適性が低くなると共に、加熱調整材に含まれる導電性のゲルの重量が増すため、マイクロ波を吸収する物質の総重量が増加し、全体の加熱時間が長くなるので好ましくない。そこで、この厚みを上述した範囲にすることにより、これらバランスに優れたものとなる。
本発明の電子レンジ加熱調整材は、食品容器内にて使用する可能性があることから、構成される各材料は、食品添加物公定書やポリオレフィン等衛生協議会のポジティブリストに登録されている等、公に安全性が認められていることが好ましい。
図2〜4は、本発明の電子レンジ加熱調整材の使用実施形態を表し、被加熱物を収納する容器5、電子レンジ加熱調整材4、被加熱物(食材)6、7を電子レンジ庫内に配置した例を示す。図中、二つの被加熱物として加熱を抑制したい方を被加熱物6とし、その必要のない方を被加熱物7としている。
本発明の電子レンジ加熱調整材4を、加熱を抑制したい被加熱物6の近くに配置する必要がある。その場合、図2のように加熱を抑制したい被加熱物6の入った容器5の下方に電子レンジ加熱調整材4を配置する方法や、図3のように被加熱物6の上に電子レンジ加熱調整材4を直接接触する様に設置しても良い。また図4のように、電子レンジ加熱調整材4を被加熱物6に対して上下方向に配置しても良い。また、容器5に蓋が有る場合は、その蓋材の上方に配置しても良い。
また、本発明の電子レンジ加熱調整材を使用するに際して、加熱抑制したい食材のマイクロ波昇温挙動の状況に応じて、配置および調整材の濃度、厚みは、適宜調整される。
本発明の電子レンジ加熱調整材は、凍結された状態で使用することができるため、食品の入った食品容器ともに冷凍し、冷凍後の食品容器と一緒に電子レンジ加熱しても良い。
実施例及び比較例における調整材の製造方法を説明する。
<実施例1>
[水蒸気透過部の作製]
厚み50μmのポリプロピレンフィルムを、レーザーを使用して4mm間隔で孔径0.8mmの開口率3%の多孔性フィルムを得た。多孔性フィルムにエチレン酢酸ビニル接着剤を2mm間隔で線状に設け、目付60g/m2のパルプ不織布と貼り合わせて水蒸気透過部位である通気孔を有するフィルムまたはシートとしての第一の積層体を得た。
[水蒸気透過部以外の部位作製]
ポリエステルをTダイから50μm厚みに溶融押出しながら、冷却ロールに120g/m2目付のポリエステル不織布を沿わせて、通気孔を有さない非吸液のフィルムまたはシートを含む第二の積層体を得た。
[導電性液体含有ゲルの作製]
水にジェランガム粉末1.0wt%を入れ、常温にて15分間、400rpmにて撹拌させた。90℃に昇温し、10分撹拌した後、塩化ナトリウム0.5wt%、硫酸カルシウム0.15wt%を入れさらに10分撹拌した。100mm×150mmの成形型に入れ冷却し、導電性液体含有ゲル2得た。
[加熱調整材の作製]
第一および第二の積層体を110mm×160mm、ゲル2を厚み3mmのサイズに調整し、第一および第二の積層体でゲル2を挟み込んだ後、端5mm4辺をヒートシールし熱融着させ、加熱調整材4を得た。
[水蒸気透過部の作製]
厚み50μmのポリプロピレンフィルムを、レーザーを使用して4mm間隔で孔径0.8mmの開口率3%の多孔性フィルムを得た。多孔性フィルムにエチレン酢酸ビニル接着剤を2mm間隔で線状に設け、目付60g/m2のパルプ不織布と貼り合わせて水蒸気透過部位である通気孔を有するフィルムまたはシートとしての第一の積層体を得た。
[水蒸気透過部以外の部位作製]
ポリエステルをTダイから50μm厚みに溶融押出しながら、冷却ロールに120g/m2目付のポリエステル不織布を沿わせて、通気孔を有さない非吸液のフィルムまたはシートを含む第二の積層体を得た。
[導電性液体含有ゲルの作製]
水にジェランガム粉末1.0wt%を入れ、常温にて15分間、400rpmにて撹拌させた。90℃に昇温し、10分撹拌した後、塩化ナトリウム0.5wt%、硫酸カルシウム0.15wt%を入れさらに10分撹拌した。100mm×150mmの成形型に入れ冷却し、導電性液体含有ゲル2得た。
[加熱調整材の作製]
第一および第二の積層体を110mm×160mm、ゲル2を厚み3mmのサイズに調整し、第一および第二の積層体でゲル2を挟み込んだ後、端5mm4辺をヒートシールし熱融着させ、加熱調整材4を得た。
[電子レンジ加熱評価]
中央部に仕切り板があり二つの食材が接触しないように収納できるサイズ200mm×250mm、高さ30mmのポリプロピレン製の弁当容器の片方の収納部に被加熱材としての「セブンプレミアム・ごはん」(商品名:たかの製)180gを、もう一方に被加熱材としての「セブンゴールド・金のハンバーグステーキ」(商品名:日本ハム製)170gを設置し、二軸延伸ポリスチレンシートにて作製した透明蓋をかぶせた。弁当容器のごはん側の収納部の下面に加熱調整材を設置し、−18℃の冷凍庫(SHARP社製SJ−55W−B)にて12時間冷凍した。
こうして被加熱材および加熱調整材を配置した弁当容器をSANYO社製のターンテーブルレスタイプの電子レンジEM−1500型の中央に置き、表示出力600Wにて10分間加熱した。各食材の温度を接触式温度計(タスコジャパン製、TNA−110)にて測定し、更に加熱後の各食材および電子レンジ加熱調整材の状態を評価した。
中央部に仕切り板があり二つの食材が接触しないように収納できるサイズ200mm×250mm、高さ30mmのポリプロピレン製の弁当容器の片方の収納部に被加熱材としての「セブンプレミアム・ごはん」(商品名:たかの製)180gを、もう一方に被加熱材としての「セブンゴールド・金のハンバーグステーキ」(商品名:日本ハム製)170gを設置し、二軸延伸ポリスチレンシートにて作製した透明蓋をかぶせた。弁当容器のごはん側の収納部の下面に加熱調整材を設置し、−18℃の冷凍庫(SHARP社製SJ−55W−B)にて12時間冷凍した。
こうして被加熱材および加熱調整材を配置した弁当容器をSANYO社製のターンテーブルレスタイプの電子レンジEM−1500型の中央に置き、表示出力600Wにて10分間加熱した。各食材の温度を接触式温度計(タスコジャパン製、TNA−110)にて測定し、更に加熱後の各食材および電子レンジ加熱調整材の状態を評価した。
なお、評価項目、評価基準は以下の通りとし、評価結果を表1に示した。
・加熱前の加熱調整材の状態
○: 状態変化なし
△: 調整材の表面から内容物、水が浸み出す
×: 調整材の表面から内容物、水が漏れ出す
・加熱調整材の取扱いやすさ
〇: 容器形状に合わせて固定できる
×: 容器形状に合わせて固定できない
・加熱後の加熱調整材の状態
−包装体の膨張、破裂
○:状態変化なし
×:膨張、破裂あり
−包装体からの内容物(導電性のゲル)の漏れ、濡れ
○:状態変化なし
△:包装体表面から染み出しあり
×:包装体から内容物漏れ、表面の濡れあり
・電子レンジ加熱評価
−ごはんの温度
○: 45〜65℃
△: 30〜45、65〜95℃
×: 30℃以下、95℃以上
−加熱後のごはんの状態
○: 全体が均一に加熱され、加熱前の色相、硬度と大きく変化なく、食感良好であり、風味を損なわない状態。
×: 過加熱による乾燥、焦げ、変色、食感低下が起きた。または、解凍もしくは加熱されていない。
−ハンバーグの温度
○: 45〜65℃
△: 30〜45、65〜95℃
×: 30℃以下、95℃以上
−加熱後のハンバーグの状態
○: 全体が均一に加熱され、加熱前の色相、硬度と大きく変化なく、食感良好であり、風味を損なわない状態。
×: 過加熱による乾燥、焦げ、変色、食感低下が起きた。または、解凍もしくは加熱されていない。
−ごはんとハンバーグの温度差
〇: 10℃未満(加熱抑制効果あり)
△: 10℃以上20℃未満(加熱抑制効果低い)
×: 20℃以上(加熱抑制効果なし)
・加熱前の加熱調整材の状態
○: 状態変化なし
△: 調整材の表面から内容物、水が浸み出す
×: 調整材の表面から内容物、水が漏れ出す
・加熱調整材の取扱いやすさ
〇: 容器形状に合わせて固定できる
×: 容器形状に合わせて固定できない
・加熱後の加熱調整材の状態
−包装体の膨張、破裂
○:状態変化なし
×:膨張、破裂あり
−包装体からの内容物(導電性のゲル)の漏れ、濡れ
○:状態変化なし
△:包装体表面から染み出しあり
×:包装体から内容物漏れ、表面の濡れあり
・電子レンジ加熱評価
−ごはんの温度
○: 45〜65℃
△: 30〜45、65〜95℃
×: 30℃以下、95℃以上
−加熱後のごはんの状態
○: 全体が均一に加熱され、加熱前の色相、硬度と大きく変化なく、食感良好であり、風味を損なわない状態。
×: 過加熱による乾燥、焦げ、変色、食感低下が起きた。または、解凍もしくは加熱されていない。
−ハンバーグの温度
○: 45〜65℃
△: 30〜45、65〜95℃
×: 30℃以下、95℃以上
−加熱後のハンバーグの状態
○: 全体が均一に加熱され、加熱前の色相、硬度と大きく変化なく、食感良好であり、風味を損なわない状態。
×: 過加熱による乾燥、焦げ、変色、食感低下が起きた。または、解凍もしくは加熱されていない。
−ごはんとハンバーグの温度差
〇: 10℃未満(加熱抑制効果あり)
△: 10℃以上20℃未満(加熱抑制効果低い)
×: 20℃以上(加熱抑制効果なし)
<実施例2>
実施例1において、水蒸気透過部位を目付が10g/m2とした不織布単体とした以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて、塩化ナトリウム濃度1質量%のゲルを厚み3.0mmになるように配置して挟み、熱融着させて加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例1において、水蒸気透過部位を目付が10g/m2とした不織布単体とした以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて、塩化ナトリウム濃度1質量%のゲルを厚み3.0mmになるように配置して挟み、熱融着させて加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例3>
実施例1において、水蒸気透過部位を目付が250g/m2とした不織布単体とした以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて、塩化ナトリウム濃度1質量%のゲルを厚み3.0mmになるように配置して挟み、熱融着させて加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例1において、水蒸気透過部位を目付が250g/m2とした不織布単体とした以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて、塩化ナトリウム濃度1質量%のゲルを厚み3.0mmになるように配置して挟み、熱融着させて加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例4>
実施例1において、水蒸気透過部位を不織布単体とし、かつ、その他の部位はポリプロピレンフィルム単体とした以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて、塩化ナトリウム濃度1質量%のゲルを厚み3.0mmになるように配置して挟み、熱融着させて加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例1において、水蒸気透過部位を不織布単体とし、かつ、その他の部位はポリプロピレンフィルム単体とした以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて、塩化ナトリウム濃度1質量%のゲルを厚み3.0mmになるように配置して挟み、熱融着させて加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例5>
孔径が0.05mm、間隔が1.5mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
孔径が0.05mm、間隔が1.5mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例6>
孔径が4.0mm、間隔が5.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
孔径が4.0mm、間隔が5.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例7>
開口率0.5%の多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
開口率0.5%の多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例8>
開口率25%の多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
開口率25%の多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例9>
実施例1において、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度0.1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例1において、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度0.1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例10>
実施例1において、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度9質量%の水溶液を厚み3.0mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例1において、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度9質量%の水溶液を厚み3.0mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例11>
実施例1において、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み0.5mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例1において、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み0.5mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例12>
実施例1において、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み7.0mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例1において、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み7.0mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例13>
孔径が2.0mm、間隔が4.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
孔径が2.0mm、間隔が4.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<比較例1>
孔径が0.8mm、間隔が1.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
孔径が0.8mm、間隔が1.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
<比較例2>
孔径が0.8mm、間隔が7.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
孔径が0.8mm、間隔が7.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
<比較例3>
孔径が0.05mm、間隔が4.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
孔径が0.05mm、間隔が4.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
<比較例4>
孔径が5.0mm、間隔が6.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
孔径が5.0mm、間隔が6.0mmとなる多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
<比較例5>
開口率0.4%の多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
開口率0.4%の多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
<比較例6>
開口率28%の多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
開口率28%の多孔性フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み3.0mmになるよう入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
<比較例7>
実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、純水を厚み3.0mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、純水を厚み3.0mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
<比較例8>
実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度10質量%の水溶液を厚み3.0mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度10質量%の水溶液を厚み3.0mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
<比較例9>
実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み0.4mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度1質量%の水溶液を厚み0.4mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
<比較例10>
実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度10質量%の水溶液を厚み10mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
実施例1と同様にして得られた第一および第二の積層体を用いて熱融着させた包装体に、塩化ナトリウム濃度10質量%の水溶液を厚み10mmになるように入れて、加熱調整材を作製した他は、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示した。
表1、2から判るとおり、本発明の電子レンジ加熱調整材によって、複数の食材を同時に加熱した際に、加熱調整材を設置した食材を選択的に加熱抑制することができた。
1 通気孔を有するフィルムまたはシート
2 導電性のゲル
3 通気孔を有さない非吸液のフィルムまたはシート
4 電子レンジ加熱調整材
4a ヒートシール部
5 被加熱物を収納する容器
6 加熱抑制したい被加熱物
7 加熱抑制する必要のない被加熱物
2 導電性のゲル
3 通気孔を有さない非吸液のフィルムまたはシート
4 電子レンジ加熱調整材
4a ヒートシール部
5 被加熱物を収納する容器
6 加熱抑制したい被加熱物
7 加熱抑制する必要のない被加熱物
Claims (9)
- 導電性のゲルが封入された包装体において、当該包装体は、不織布単体または不織布と多孔性で非吸液のフィルムまたはシートとを積層した積層体で構成される水蒸気透過部位と、無孔性で非吸液のフィルムまたはシートとを含む、電子レンジ加熱調整材。
- 前記水蒸気透過部位は、目付が10〜250g/m2の繊維不織布単体で構成される、請求項1に記載の電子レンジ加熱調整材。
- 前記水蒸気透過部位は、不織布と、1.5〜5.0mmの間隔で径が0.05〜4.0mmの孔を有し、かつ、開口率が0.5〜25%である非吸液のフィルムまたはシートとから形成された積層体である、請求項1に記載の電子レンジ加熱調整材。
- 前記導電性のゲルに用いられる化合物の濃度が0.1〜9質量%であり、かつ、前記ゲルの厚みが0.5〜7.0mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子レンジ加熱調整材。
- 前記導電性のゲルが一価もしくは二価の金属塩化合物のいずれかを一種または二種以上を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子レンジ加熱調整材。
- 冷凍もしくは冷蔵された食材の電子レンジ加熱に使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子レンジ加熱調整材。
- 電子レンジ加熱調理時に、温度がより上昇する食材付近に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子レンジ加熱調整材を設置し、食材の加熱温度を調節することを特徴とする電子レンジ加熱調理方法。
- 前記食材は、それぞれマイクロ波吸収特性の異なる複数の食材であり、前記電子加熱調整材を、加熱を抑制しようとする食材の近辺に設置することを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子レンジ加熱調整材を装着した電子レンジ加熱調理用容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016016015A JP2017132526A (ja) | 2016-01-29 | 2016-01-29 | 電子レンジ加熱調整材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016016015A JP2017132526A (ja) | 2016-01-29 | 2016-01-29 | 電子レンジ加熱調整材 |
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JP2017132526A true JP2017132526A (ja) | 2017-08-03 |
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JP2016016015A Pending JP2017132526A (ja) | 2016-01-29 | 2016-01-29 | 電子レンジ加熱調整材 |
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