JP2017130835A - 無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような高度道路交通システムにおいて、路側通信機は、当該路側通信機を管理する中央装置と通信可能に接続されている。路側通信機は、車載通信機が送信する無線信号を受信し、この無線信号から種々の交通情報を含んだ受信データを取得し、中央装置に与える。中央装置は、与えられた受信データに基づいてシステムを管理するための処理を実行する。
一方、車載通信機は、自機が送信する任意タイミングの直前にキャリアセンスを行い、他通信機の送信キャリアや路側機の送信タイムスロットがない場合に無線信号の送信を行う。車載通信機は、無線フレーム間隔で周期的に送信を行うことから、車載通信機ごとに無線フレーム内の特定のタイミングで無線信号を送信する傾向がある。
しかしこの場合、車載通信機が無線フレーム内の特定のタイミングで無線送信を繰り返せば、同じ車載通信機からの受信データばかりを繰り返し特定してしまうおそれが生じる。
つまり、路側通信機は、特定の車載通信機が送信した無線信号による受信データばかりを繰り返し特定し、他の車載通信機からの無線信号による受信データについては特定せずに、破棄してしまう可能性がある。
最初に実施形態の内容を列記して説明する。
(1)一実施形態である無線通信装置は、移動無線通信装置からの無線信号を受信する無線通信装置であって、前記無線信号から取得される受信データの中から、データ処理の対象とする対象データを特定する特定部を備え、前記特定部によって前記対象データを特定するための基準が、所定周期の期間ごとに可変とされている。
このため、所定周期の期間の内、ある一の期間において移動無線通信装置の受信データが対象データとして特定されなかったとしても、その後の他の期間においては対象データを特定するための基準が異なるように設定されるので、一の期間において特定されなかった受信データが他の期間において対象データとして特定される可能性を高めることができる。
この結果、処理対象として特定される対象データの送信元の車載通信機に偏りが生じるのを抑制することができる。
この場合、開始タイミングを変更すれば対象データを特定するための基準を変更することができ、対象データを特定するための基準を容易に変更することができる。
この場合、取得数を基準として期間ごとに開始タイミングを異ならせることができる。
この場合、期間ごとに確実に開始タイミングを異ならせることができる。
この場合、時間を基準として期間ごとに開始タイミングを異ならせることができる。
(6)上記(5)の場合、前記特定部は、前記期間が切り替わるごとに、前記期間の切り替わる前の前記所定時間に一定の調整値を加算してもよい。
この場合、期間ごとに確実に開始タイミングを異ならせることができる。
この場合、特定部は、時間を計時するための機能を備えることなく、時間を基準として期間ごとに開始タイミングを設定することができる。
この場合、一の期間内において、調整値が必要以上に加算された場合や移動無線通信装置からの受信データが減少した場合に、開始タイミングを初期値に戻すことができ、移動無線通信装置からの受信データを増加させる機会とすることができる。
この場合、特定部は、受信データ数に応じて適切な基準を設定することができる。
この場合、特定部は、直前の期間における受信データ数に基づいて適切な基準を設定することができる。また、一の期間における受信データ数に基づいて、次の期間で用いる基準を設定するので、次の期間の開始時点から前記基準を用いて対象データの特定を行うことができ、速やかな処理が可能となる。
前記特定部は、前記割合に基づいて、次の前記期間において特定する前記対象データの数を制限することが好ましい。
この場合、特定部は、一の前記期間における前記受信データ数に応じて次の期間における対象データの数を制限することができる。
このため、前記基準は、前記無線信号の送信元である前記移動通信機と自装置との位置関係を認識可能な情報に基づいて前記特定部が設定することが好ましい。
この場合、特定部は、移動通信機と自装置との位置関係を認識可能な情報に応じて適切な基準を設定することができる。
(15)この場合、前記特定部は、一の前記期間における前記無線信号の受信強度に基づいて、一の前記期間が切り替わった後の次の前記期間における前記基準を設定してもよい。
この場合、特定部は基準を適切に設定することができる。また、一の期間における無線信号の受信強度に基づいて、次の期間で用いる基準を設定するので、次の期間の開始時点から前記基準を用いて対象データの特定を行うことができ、速やかな処理が可能となる。
(17)この場合、前記特定部は、一の前記期間で取得される前記受信データに含まれている前記距離を示す情報に基づいて、一の前記期間が切り替わった後の次の前記期間における前記基準を設定してもよい。
この場合、特定部は基準を適切に設定することができる。また、一の期間で取得される受信データに含まれている距離を示す情報に基づいて、次の期間で用いる基準を設定するので、次の期間の開始時点から前記基準を用いて対象データの特定を行うことができ、速やかな処理が可能となる。
この場合、無線通信装置において、処理可能な対象データの数以上に対象データが特定されるのを防止することができる。
この場合、一つの期間において制限値を超えないようにしつつ、特定の移動通信機が送信元である受信データを優先的に対象データとして特定することができる。
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔通信システムの構成について〕
図1は、実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、車載通信機(移動通信機)3、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
なお、本実施形態において特に説明しない点については、非特許文献1に準拠する。
中央装置4は、自身が管轄するエリアの交通信号機1および路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
また、各路側通信機2は、自己の送信波が到達する所定範囲内に位置する他の路側通信機2とも無線通信(路路間通信)が可能である。
また、同じく無線通信システムを構成する車載通信機3は、キャリアセンス方式で路側通信機2との間で無線通信(車路間通信)を行うとともに、他の車載通信機3と無線通信(車車間通信)が可能である。
また、路車間通信とは、路側通信機2と車載通信機3との間で行われる通信であり、路側通信機2が車載通信機3に向けて送信パケット(路車間通信情報)をブロードキャスト送信することによって行われる。
また、車車間通信とは、車載通信機3同士で行われる通信であり、キャリアセンス方式によって送信パケット(車車間通信情報)を送信することによって行われる。
また、車路間通信とは、車載通信機3と路側通信機2との間で行われる通信であり、車載通信機3が路側通信機2に向けてキャリアセンス方式で送信パケット(車路間通信情報)を送信することによって行われる。
路側通信機2は、図2に示すように、無線通信のためのアンテナ20が接続されるとともに有線通信回線7を介して中央装置4に接続されている通信処理装置25を備えている。
通信処理装置25は、無線通信及び有線通信の通信に関する処理を行う通信処理部23と、路車もしくは車路間通信や、路路間通信及び車車間通信の傍受によって授受される各種データに関する処理を行うデータ処理部24とを機能的に備えている。
また、通信処理部23は、アンテナ20や有線通信回線7を介して与えられる受信信号から受信データを取得し、データ処理部24に与える機能を有している。
また、通信処理部23は、データ処理部24から与えられる送信データを、中央装置4や、他の路側通信機2、車載通信機3に向けて送信可能な送信信号に変換する。さらに、通信処理部23は、これら送信信号をアンテナ20や有線通信回線7を介して他の機器に送信する機能を有している。
通信処理装置29は、路側通信機2の通信処理装置25と同様の構成であり、通信処理部(図示省略)と、データ処理部(図示省略)とを備えている。これにより、通信処理装置29は、車車間通信や路車間通信に関する通信処理を行う機能を有している。また、通信処理装置29は、記憶部(図示省略)を備えており、車車間通信や、路車間通信のために必要な情報や、後述する各種処理を実行するためのアプリケーション等がインストールされている。
図3(a)に示すように、無線フレーム(スーパーフレーム)は、その時間軸方向の長さ(フレーム長)が100msに設定されている。また、無線フレームは、時間軸方向に並べて配置されている。つまり、無線フレームは、1秒間に10フレーム配置される。
無線フレームは、例えば、路側通信機2が有するGPS受信機(図示せず)によって受信したGPS信号に含まれる1PPS(One Pulse Per Second)信号(1秒周期の信号)に基づいて設定される。
タイムスロット30は、路側通信機2に割り当てられる通信用のタイムスロット(路側機通信期間)であり、タイムスロット30のいずれかに送信期間が割り当てられている路側通信機2は、その割り当てられているタイムスロット30内に、当該路側通信機2が無線送信する送信期間を設定する。タイムスロット30は、一つの無線フレーム(100ms)内に最大16個まで設定可能である。
各路側通信機2は、割り当てられたタイムスロット30で定まる送信期間で無線送信を行う。
路側通信機2のアプリケーションが生成する送信データには、本システムが車載通信機3に対して提供される安全運転支援等の情報(サービスデータ)が含まれている。
上述のように、路側通信機2に割り当てられているタイムスロット30以外の期間が、車載通信機3によるキャリアセンス方式の無線送信用として割り当てられる。つまり、全てのタイムスロット30が路側通信機2に割り当てられている図3(c)の場合、各タイムスロット30に対応する期間が送信禁止期間となっている。
車載通信機3は、これら送信禁止期間以外の期間において、キャリアセンス方式で無線送信を行う。
なお、上述したように、路側通信機2に割り当てられているタイムスロット30以外の期間が車載通信機3の無線送信用の期間として割り当てられるので、タイムスロット30の内、いずれの路側通信機2にも割り当てられず、使用されていないタイムスロット30があれば、その期間については車載通信機3の無線送信に割り当てられる。
なおこの受信データには、種々の交通情報の他、当該受信データの送信元の通信機に固有の機器IDや、暗号鍵のID、当該受信データが送信されたときの送信元の通信機の位置情報が含まれている。
通信処理部23は、データ処理の処理対象として特定したデータ(対象データ)については、データ処理部24に与え、それ以外の受信データについては破棄する。
より具体的に、通信処理部23は、一つの無線フレームの期間で取得される複数の受信データの中から、原則として100個の対象データを特定し、それ以外の受信データについては破棄する。
図4(a)は、第1実施形態に係る通信処理部23が行う、対象データを特定するための処理を示す図である。
図4(a)において、横軸は時間であり、複数の無線フレームF1、F2、F3が時間軸方向に並んでいる状態を示している。
本実施形態の通信処理部23は、各無線フレームにおける一部の期間の間に取得された受信データを対象データとして特定するように構成されている。
また、通信処理部23は、通信処理部23は、対象データとして特定を行う期間の開始タイミングを無線フレームごとに変化させる。
このため、時間軸に並ぶ複数の無線フレームの内、ある一の無線フレームにおいて車載通信機3の受信データが対象データとして特定されなかったとしても、その後の他の無線フレームにおいては前記開始タイミングが異なるように設定されるので、一の無線フレームにおいて特定されなかった受信データが他の無線フレームにおいて対象データとして特定される可能性を高めることができる。
この結果、処理対象として特定される対象データの送信元の車載通信機3に偏りが生じるのを抑制することができる。
次いで、通信処理部23は、現在のタイミングにおいて、無線フレームが次の無線フレームに切り替わったか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2において、現在のタイミングにおいて無線フレームが切り替わったタイミングであると判定すると、通信処理部23は、ステップS3に進み、out_cntが100より小さいか否かを判定する(ステップS3)。
ステップS4において、通信処理部23は、cnt_offsetを0に設定し、さらに、ステップS5に進み、rcv_cntとout_cntとを0に設定する。
通信処理部23は、前回受信データを取得したか否かを確認してから現時点までの間に受信データを取得したか否かを確認し、受信データを取得していないと判定すると、ステップS2に戻る。
ここではcnt_offsetが0であるので、通信処理部23は、ステップS9に進む。
通信処理部23は、ステップS9において、out_cntが100より小さいか否かを判定する(ステップS9)。
ここでは、out_cntは0であるので、通信処理部23は、ステップS10に進み、直前に取得した受信データを対象データとして特定し、特定した対象データをデータ処理部24に与える(ステップS10)。
このように、タイミングT1(図4(a))は、無線フレームF1における対象データの特定を開始する開始タイミングとなる。
つまり、out_cntが100となるまでにまでカウントアップされたタイミングは、対象データを100個特定した直後であるタイミングT2(図4(a))に相当する。
ステップS12において、通信処理部23は、直近に取得した受信データを破棄する(ステップS12)。
以上のようにして、通信処理部23は、図4(a)中の無線フレームF1の部分に相当する処理を行う。
ステップS3において、通信処理部23は、out_cntが100より小さいか否かを判定する(ステップS3)。ここでは、out_cntが100なので、通信処理部23は、out_cntが100より小さくないと判定し、ステップS13に進む。
ステップS13において、通信処理部23は、cnt_offsetに10を加算し(ステップS13)、ステップS5に進む。
通信処理部23は、ステップS8において、rcv_cntがcnt_offset以上であるか否かを判定する(ステップS8)。
ここではcnt_offsetが10である一方、rcv_cntは1であるので、通信処理部23は、ステップS12に進み、直近に取得した受信データを破棄する(ステップS12)。
rcv_cntが10となると(図4(a)中、タイミングT4)、通信処理部23は、ステップS8からステップS9、及びステップS10に進み、直前に取得した受信データを対象データとして特定し、特定した対象データをデータ処理部24に与える(ステップS10)。
このように、タイミングT4(図4(a))は、無線フレームF2における開始タイミングとなる。
通信処理部23は、対象データを100個特定してデータ処理部24に与えると(図4(a)中、タイミングT5)、次に無線フレームが切り替わるまで、取得した受信データを破棄する(ステップS2、ステップS6、ステップS12)。
以上のようにして、通信処理部23は、図4(a)中の無線フレームF2の部分に相当する処理を行う。
これにより、rcv_cntを基準として無線フレームごとに開始タイミングを異ならせることができる。
よって、通信処理部23は、切り替わる前の無線フレームにおいて特定された対象データの数が100個より少なければ、ステップS4に進み、cnt_offsetを0に設定する。
図4(b)では、無線フレームF4において、cnt_offsetは10に設定されており、通信処理部23は、無線フレームF4の間に取得される受信データの内、無線フレームF4の先頭のタイミングから順次取得される受信データを10個破棄する。その後、通信処理部23は、80個の対象データを特定し、データ処理部24に与えた場合を示している。
よって、無線フレームF5では、先頭のタイミングから順次取得される受信データを対象データとして特定する。つまり、開始タイミングが無線フレームの先頭に戻される。
これにより、通信処理部23は、次の無線フレームの先頭のタイミングから順次取得される受信データを破棄する個数を0にリセットする。
このように、開始タイミングを無線フレームの先頭に戻すことで、減少した車載通信機3からの受信データの数を増加させる機会とすることができる。
図6(a)は、第2実施形態の通信処理部23が行う、対象データを特定するための処理を示す図である。
図6(a)において、横軸は時間であり、複数の無線フレームF11、F12、F13が時間軸方向に並んでいる状態を示している。
次の無線フレームF13においては、通信処理部23は、無線フレームF13の先頭のタイミングから20ms経過後に開始タイミングを設定する。
これによって、通信処理部23は、無線フレームにおいて対象データを特定する際の開始タイミングを、無線フレームごとに変化させる。
この結果、処理対象として特定される対象データの送信元の車載通信機に偏りが生じるのを抑制することができる。
図6(b)では、無線フレームF14において、無線フレームの先頭のタイミングと、開始タイミングとの間の所定時間が10msに設定されている。また、通信処理部23は、無線フレームF14の間に取得される受信データの内、無線フレームの先頭のタイミングと、開始タイミングとの間で取得される受信データを破棄する。その後、通信処理部23は、80個の対象データを特定し、データ処理部24に与えた場合を示している。
よって、無線フレームF15では、無線フレームF15の先頭のタイミングが開始タイミングとなっている。
これにより、通信処理部23は、開始タイミングを異ならせる前の初期状態(初期値)である無線フレームの先頭のタイミングに開始タイミングをリセットする。
この場合においても、開始タイミングを初期値に戻すことで、減少した車載通信機3からの受信データを増加させる機会とすることができる。
この変形例では、通信処理部23は、無線フレームにおけるタイムスロットのタイミングに応じて、開始タイミングを設定するように構成されている。
また、無線フレームF22では、開始タイミングがスロット番号n=3のタイムスロットの開始時点と一致するように設定されている。
本実施形態の通信処理部23は、各無線フレームにおける開始タイミングをタイムスロットの開始時点に対応させることにより、無線フレームにおいて対象データを特定する際の開始タイミングを、無線フレームごとに変化させている。
この点、本変形例では、通信処理部23は、自装置2及び他の路側通信機2の通信周期であるタイムスロットに基づいて、開始タイミングを設定するので、時間を計時するためのタイマ等を備える必要がない。このため、簡易な構成とすることができ、コスト面で有利となる。
図8(a)は、第3実施形態の通信処理部23が行う、対象データを特定するための処理を示す図である。
図8(a)において、横軸は時間であり、複数の無線フレームF31、F32、F33、F34、F35が時間軸方向に並んでいる状態を示している。
例えば、無線フレームF31では、受信データ数が150個であり、通信処理部23は、50個の受信データを破棄していたとする。
通信処理部23は、この割合Rに基づいて、無線フレームにおいて特定する対象データの数を制限する。
つまり、本実施形態では、一つの無線フレーム内で通信処理部23が対象データを特定するための基準として、割合Rを含んでいる。
ここでは、割合Rは2/3であるので、通信処理部23は、無線フレームF32において順次取得される受信データについて、連続して2個対象データとして特定すると、その後に取得した受信データについては1個破棄するといった手順を繰り返し実行し、取得される受信データの内、2/3を対象データとして特定し、1/3を破棄する。
これにより、受信データの中から対象データを特定するにあたって、無線フレーム内における受信データの受信タイミングに関わらず、無線フレーム内で均一に対象データを特定することができる。
無線フレームF32において受信データ数が150個であったとすると、通信処理部23は、上記処理の結果、対象データとして100個特定し、残りの50個を破棄する。
無線フレームF33において受信データ数が120個であったとすると、通信処理部23は、対象データとして80個特定し、残りの40個を破棄する。
無線フレームF34において受信データ数が90個であったとすると、通信処理部23は、対象データとして75個特定し、残りの15個を破棄する。
よって、無線フレームF34における受信データ数が、一つの無線フレーム内で対象データを特定可能な個数の上限値である100個を下回っている。
この場合、通信処理部23は、次の無線フレームF35で用いられる割合Rを、1/1とする。
無線フレームF35において受信データ数が90個であったとすると、通信処理部23は、取得した受信データ全てを対象データとして特定する。
従って、対象データを特定するための基準である割合Rを無線フレームごとに異なるように設定することができる。
また、受信データの中から対象データを特定するにあたって、無線フレーム内における受信データの受信タイミングに関わらず、無線フレーム内で均一に対象データを特定することができる。
この結果、無線フレームごとに適切に対象データを特定することができ、処理対象として特定される対象データの送信元の車載通信機に偏りが生じるのを抑制することができる。
この場合、通信処理部23は、大きな変動が生じないと考えられる直前の無線フレームにおける受信データ数に基づいて、次の無線フレームで用いる割合Rを適切に設定することができる。さらに、直前の無線フレームにおける受信データ数に基づいて、次の無線フレームで用いる割合Rを設定するので、次の無線フレームの開始時点から割合Rを用いて対象データの特定を行うことができ、速やかな処理が可能となる。
つまり、一の無線フレームにおける受信データ数に基づいて、一の無線フレームで用いる割合Rを求めようとすると、一の無線フレームが終了するのを待ってから割合Rを求め、さらにその後、求めた割合Rを用いて対象データの特定を行うこととなる。
これに対して本実施形態では、次の無線フレームの終了を待つことなく、次の無線フレームの開始時点から割合Rを用いて対象データの特定を行うことができるので、速やかな処理が可能となる。
図8(b)では、通信処理部23が、無線フレームF37において、対象データを100個特定し、50個の受信データを破棄していたとする。
しかし、本実施形態の通信処理部23は、特定される対象データの数が、データ処理部24が遅延なく処理可能な対象データの個数の上限値を超える場合、残りの受信データについては、割合Rに基づく制限に関わらず破棄し、上限値を超えないように対象データの特定を制限する。
しかし、本実施形態の通信処理部23は、上限値を超えないように対象データの特定を制限するので、上限値である100個を対象データとして特定し、110個の受信データを破棄する。つまり、通信処理部23は、対象データを100個特定すると、残りの受信データについては破棄する。
この場合、路側通信機2において、処理可能な対象データの数以上に対象データが特定されるのを防止することができる。
割合R = 2/3 = 0.6666・・・
通信処理部23は、割合Rから得た値である7に基づき、一の無線フレームにおいて順次取得される受信データについて、連続して7個対象データとして特定すると、その後に取得した受信データについては3個破棄するといった手順を繰り返し実行する。
割合R = 100/113 = 0.8849・・・ ≒ 0.9
通信処理部23は、割合Rから得た値である9に基づき、一の無線フレームにおいて順次取得される受信データについて、連続して9個対象データとして特定すると、その後に取得した受信データについては1個破棄するといった手順を繰り返し実行する。
ステップS102において、現在のタイミングが、無線フレームが切り替わったタイミングであると判定すると、通信処理部23は、ステップS103に進み、rcv_cntが100以上であるか否かを判定する(ステップS103)。
ここでは、直前の無線フレームの受信データ数が160であるとする。
通信処理部23は、ステップS104において、filter_cntを設定する(ステップS104)。
図10は、通信処理部23が有する設定テーブルの一例である。
図10において、設定テーブルは、直前の無線フレームの受信データ数と、filter_cntとが対応付けられて登録されており、直前の無線フレームの受信データ数に対応してfilter_cntを設定することができる。
例えば、直前の無線フレームの受信データ数が99以下である場合、filter_cntは0に設定され、この場合、受信データを破棄する割合が0%となる。
また、直前の無線フレームの受信データ数が200である場合、filter_cntは5に設定され、この場合、受信データを破棄する割合が50%となる。
上述したように、ここでは、直前の無線フレームの受信データ数が160であるので、通信処理部23は、filter_cntを4に設定する(ステップS104)。
次いで、通信処理部23は、ステップS105に進み、rcv_cntとout_cntとを0に設定し、ステップS106に進む。
通信処理部23は、前回受信データを取得したか否かを確認してから現時点までの間に受信データを取得したか否かを確認し、受信データを取得していないと判定すると、ステップS102に戻る。
ステップS112において、通信処理部23は、直近に取得した受信データを破棄し(ステップS112)、ステップS102に戻る。
ここでは、out_cntは0であるので、通信処理部23は、ステップS110に進み、直前に取得した受信データを対象データとして特定し、特定した対象データをデータ処理部24に与える(ステップS110)。
図11では、例えば、filter_cntが4、rcv_cntが50から59までの場合における、各値と判定結果を示している。
同様に、rcv_cntが51及び53の場合、いずれも、rcv_cnt%10は、filter_cntより小さいので、判定結果はNoとなり、受信データは破棄される。
以降、rcv_cntが55から59の場合、いずれも、rcv_cnt%10は、filter_cntより大きくなるので、判定結果はYesとなり、受信データを対象データとして特定する。
直前の無線フレームの受信データ数が100以上でなければ、通信処理部23は、filter_cntを0に設定し、ステップS105に進む。この場合、通信処理部23は、filter_cntが0なので、取得される受信データの全てを対象データとして特定する。
通信処理部23は、この求めた割合に基づいて、受信データを破棄するとともに、対象データを特定する処理を行う。
図12は、第4実施形態の通信処理部23が行う、対象データを特定するための処理を示す図である。
図12において、横軸は時間であり、複数の無線フレームF41、F42、F43、F44、F45が時間軸方向に並んでいる状態を示している。
本実施形態の通信処理部23は、アンテナ20によって受信された無線信号から受信データを取得する際、この受信データを含んでいた無線信号を受信したときのRSSIを記憶する機能を有している。通信処理部23は、受信データと、RSSIとを対応付けて記憶する機能を有している。
通信処理部23は、基準RSSI以上のRSSIの受信データについては対象データとして特定し、基準RSSIより低いRSSIの受信データについては破棄する。
無線フレームF43において受信データ数が150個であり、これら受信データの内、120個の受信データが無線フレームF42にて設定した基準RSSI以上であるとすると、通信処理部23は、対象データとして120個特定し、残りの30個を破棄することとなる。
次の無線フレームF44に切り替わると、無線フレームF43にて設定した基準RSSIに基づいて、無線フレームF44にて特定する対象データの数を制限する。
無線フレームF44において受信データ数が90個であり、これら受信データの内、全ての受信データが無線フレームF43にて設定した基準RSSI以上であるとすると、通信処理部23は、対象データとして90個全てを特定する。
なお、無線フレームF45において、受信データ数が100個より多ければ、通信処理部23は、受信データの内、上限値である100個を対象データとして特定する。
このため、本実施形態では、前記基準としての基準RSSIは、受信データのRSSIに基づいて通信処理部23が設定する。
ここで、RSSIが相対的に高ければ、無線信号の送信元である車載通信機3と自装置との距離が相対的に短いことが推定でき、RSSIが相対的に低ければ、車載通信機3と自装置との距離が相対的に長いことが推定できる。つまり、RSSIは、無線信号の送信元である車載通信機3と自装置との距離を推定可能な情報(車載通信機3と自装置との位置関係を認識可能な情報)である。
本実施形態では、車載通信機3と自装置との位置関係を認識可能な情報である受信データのRSSIに応じて適切に基準RSSIを設定することができる。
さらに、自装置の近傍に位置する車載通信機3が送信元である受信データについては、有用な情報を含んでいるため対象データとして特定し、自装置から相対的に離れた車載通信機3が送信元である受信データについては、有用な情報含んでいる可能性が低いので破棄する、といったように、有用な情報を含む受信データを選択的に対象データとして特定することができる。
この場合、通信処理部23は、大きな変動が生じないと考えられる直前の無線フレームにおける受信データのRSSIに基づいて、次の無線フレームで用いる基準RSSIを適切に設定することができる。また、直前の無線フレームにおける受信データのRSSIに基づいて、次の無線フレームで用いる基準RSSIを設定するので、次の無線フレームの開始時点から基準RSSIを用いて対象データの特定を行うことができ、速やかな処理が可能となる。
この結果、無線フレームごとに適切に対象データを特定することができ、処理対象として特定される対象データの送信元の車載通信機に偏りが生じるのを抑制することができる。
この場合、通信処理部23は、大きな変動が生じないと考えられる直前の無線フレームにおける受信データに含まれる位置情報に基づいて、次の無線フレームで用いる基準距離を適切に設定することができる。また、直前の無線フレームにおける受信データに含まれる位置情報に基づいて、次の無線フレームで用いる基準距離を設定するので、次の無線フレームの開始時点から基準距離を用いて対象データの特定を行うことができ、速やかな処理が可能となる。
図13は、第5実施形態の通信処理部23が行う、対象データを特定するための処理を示す図である。
図13において、横軸は時間であり、複数の無線フレームF51、F52、F53が時間軸方向に並んでいる状態を示している。
上記特定の車載通信機3とは、車載通信機3の内、消防車や救急車といった緊急車両等に搭載された車載通信機3をいう。
このような特定の車載通信機3からの受信データについては、他の受信データよりも緊急性が高いため、他の車載通信機3からの受信データよりも優先して処理する必要性がある。このため、通信処理部23は、特定の車載通信機3が送信元である受信データについては、優先的に対象データとして特定する。
通信処理部23が一つの無線フレームの間に特定すべき対象データの個数は、前記上限値の100個に設定されている。よって、通信処理部23は、対象データを100個特定すると、それ以降に取得する受信データを破棄する。
図13に示すように、無線フレームF51の間に、特定受信データを3個カウントしたとすると、通信処理部23は、次の無線フレームF52において特定すべき対象データの個数(対象データ数)を97個に設定する。
つまり、通信処理部23は、上限値(100個)から、無線フレームF51の間にカウントされた特定受信データの個数(3個)を減算し、減算した値(97個)を次の無線フレームF52において特定すべき対象データの個数に設定する。
さらに、通信処理部23は、無線フレームF52において取得される特定受信データについては、非特定受信データの内、対象データとして特定された個数に関わらず、3個まで特定する。つまり、本実施形態の通信処理部23は、非特定受信データよりも、特定受信データを優先して対象データとして特定する。
図13に示すように、無線フレームF52の間に、特定受信データを4個カウントしたとすると、通信処理部23は、次の無線フレームF53において特定すべき対象データの個数を96個に設定する。
さらに、通信処理部23は、無線フレームF52において取得される特定受信データについては、非特定受信データの内、対象データとして特定された個数に関わらず、4個まで特定する。
以降、通信処理部23は、同様の処理を繰り返す。
上記第1実施形態及び第2実施形態においては、通信処理部23は、一つの無線フレームの期間で取得される複数の受信データの中から、原則として100個の対象データを特定し、それ以外の受信データについては破棄するように構成されている。
この100個という値は、データ処理部24が遅延なく処理可能な対象データの個数の上限値であり、第1及び第2実施形態の通信処理部23は、一つの無線フレーム内で、100個を超えて対象データを特定するのが制限されている。
また、第3実施形態及びその変形例においても、無線フレームごとに対象データの特定をする個数が上限値である100個で制限されるように構成されている。
このように、上記各実施形態は、対象データの数に対して予め設定された上限値(制限値)に基づいて、無線フレームごとに対象データの特定を制限している。
これにより、処理可能な対象データの数以上に対象データが特定されるのを防止できる。
また、通信処理部23と、データ処理部24との間に、これら処理を行う処理部を介在させてもよい。
本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 路側通信機
3 車載通信機
4 中央装置
5 車両
6 路側センサ
7 有線通信回線
8 ルータ
20 アンテナ
23 通信処理部
24 データ処理部
25 通信処理装置
27 アンテナ
29 通信処理装置
30 タイムスロット
A1〜A5 交差点
B1〜B5 交差点
C1〜C5 交差点
D1〜D5 交差点
Claims (19)
- 移動無線通信装置からの無線信号を受信する無線通信装置であって、
前記無線信号から取得される受信データの中から、データ処理の対象とする対象データを特定する特定部を備え、
前記特定部によって前記対象データを特定するための基準が、所定周期の期間ごとに可変とされている
無線通信装置。 - 前記基準は、前記期間ごとに設定された、前記対象データの特定を開始する開始タイミングを含む請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記特定部は、前記期間内で順次取得される受信データの取得数をカウントし、前記取得数が所定数に達するタイミングを前記開始タイミングに設定するとともに、前記所定数を前記期間ごとに設定する請求項2に記載の無線通信装置。
- 前記特定部は、前記期間が切り替わるごとに前記所定数に一定の調整値を加算する請求項3に記載の無線通信装置。
- 前記開始タイミングは、前記期間の先頭から所定時間が経過した時点であり、
前記特定部は、前記期間ごとに前記所定時間を設定することで前記開始タイミングを設定する請求項2に記載の無線通信装置。 - 前記特定部は、前記期間が切り替わるごとに、前記期間の切り替わる前の前記所定時間に一定の調整値を加算する請求項5に記載の無線通信装置。
- 前記特定部は、自装置及び他の無線通信装置に割り当てられる通信スロットのタイミングに応じて、前記開始タイミングを設定する請求項2に記載の無線通信装置。
- 前記特定部は、前記期間において特定される前記対象データの数が所定の基準値未満になると、前記開始タイミングを当該開始タイミングの初期値に戻す請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の無線通信装置。
- 前記基準は、前記期間にて取得される受信データの総数である受信データ数に基づいて前記特定部が設定する請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記特定部は、一の前記期間における前記受信データ数に基づいて、一の前記期間が切り替わった後の次の前記期間における前記基準を設定する請求項9に記載の無線通信装置。
- 次の前記期間における前記基準は、一の前記期間で取得される複数の前記受信データの中から前記対象データを特定する際の当該対象データの割合を含み、
前記特定部は、前記割合に基づいて、次の前記期間において特定する前記対象データの数を制限する請求項10に記載の無線通信装置。 - 次の前記期間における前記割合は、一の前記期間における前記受信データ数と、一の前記期間内で特定された前記対象データの数と、に基づいて設定される請求項11に記載の無線通信装置。
- 前記基準は、前記無線信号の送信元である前記移動通信機と自装置との位置関係を認識可能な情報に基づいて前記特定部が設定する請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記移動通信機と自装置との位置関係を認識可能な情報は、前記無線信号を自装置が受信したときの当該無線信号の受信品質である請求項13に記載の無線通信装置。
- 前記特定部は、一の前記期間における前記無線信号の受信強度に基づいて、一の前記期間が切り替わった後の次の前記期間における前記基準を設定する請求項14に記載の無線通信装置。
- 前記移動通信機と自装置との位置関係を認識可能な情報は、前記無線信号を送信した前記移動通信機と、自装置との間の距離である請求項13に記載の無線通信装置。
- 前記特定部は、一の前記期間で取得される前記受信データに含まれている前記距離を示す情報に基づいて、一の前記期間が切り替わった後の次の前記期間における前記基準を設定する請求項16に記載の無線通信装置。
- 前記特定部は、前記対象データの数に対して予め設定された制限値に基づいて、前記期間ごとに特定すべき前記対象データの数を制限する請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の無線通信装置。
- 前記特定部は、前記期間における前記受信データの内、特定の前記移動通信機が送信元である受信データの数をカウントし、前記制限値から特定の前記移動通信機が送信元である受信データの数を減算することで前記期間で特定すべき対象データ数を設定するとともに、
特定の前記移動通信機以外の他の移動通信機が送信元である受信データよりも、特定の前記移動通信機が送信元である受信データを優先して対象データとして特定し、
前記他の移動通信機が送信元である受信データに対しては、前記対象データ数に基づいて特定する請求項18に記載の無線通信装置。
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