JP2017129986A - 信号制御パラメータの更新装置及び更新方法、コンピュータプログラムの記録媒体 - Google Patents

信号制御パラメータの更新装置及び更新方法、コンピュータプログラムの記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータを適切に更新する。
【解決手段】交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータの更新装置であって、前記交差点の交通需要と相関する交通指標の算出に用いる元データを、所定の統計期間に亘って収集する収集部と、収集された前記元データに基づいて、前記交通指標の統計値を算出する算出部と、算出された前記統計値に基づいて、前記交差点の地点制御を行う交通信号制御機が記憶する前記信号制御パラメータの標準値を別の標準値に更新する更新部と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、信号制御パラメータの更新装置及び更新方法と、コンピュータプログラムの記録媒体に関する。
より具体的には、本発明は、交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータを適切に更新する技術に関する。
交通信号制御の方式には、交通管制センターの中央装置によって各交差点の交通信号制御機の動作を一括制御する集中制御方式(遠隔制御)と、各々の交通信号制御機が単独で動作する地点制御方式とがある。
従来の地点制御方式の交通信号制御機は、使用すべき信号制御パラメータの標準値が時間帯ごとに定義された時限テーブルを参照して、時間帯に応じて信号制御パラメータの切り替えを行っている。
しかし、例えば、大きな商業施設の新設などが原因で交通状況が変化すると、信号制御パラメータの標準値に対応する青時間では、流入路において定常的に渋滞が生じるなどの不都合が生じる可能性がある。
そこで、車両から受信したプローブ情報に含まれる車両位置及び時刻に基づいて車両の停止位置を特定し、特定した停止位置に基づいて各流入路についての青時間の過不足を判定する信号制御装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2012−133576号公報
上記従来の信号制御装置では、プローブ情報の取得頻度が低い場合に、青時間が不足する流入路に対して例えば2秒だけ青時間を増加させ、各流入路で青時間に余裕が出ると、青時間を元の標準値に戻す動的な制御を行っている。
しかし、取得頻度の低いプローブ情報に応答して青時間を少しずつ増減させる制御では、依然として流入路に渋滞が発生し易く、変更後の青時間が必ずしも交通流の円滑化に寄与するとは言えない可能性がある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータを適切に更新することができる更新装置等を提供することを目的とする。
(1) 本発明の一態様に係る装置は、交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータの更新装置であって、前記交差点の交通需要と相関する交通指標の算出に用いる元データを、所定の統計期間に亘って収集する収集部と、収集された前記元データに基づいて、前記交通指標の統計値を算出する算出部と、算出された前記統計値に基づいて、前記交差点の地点制御を行う交通信号制御機が記憶する前記信号制御パラメータの標準値を別の標準値に更新する更新部と、を備える。
(5) 本発明の一態様に係る記録媒体は、交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータの更新装置として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムの記録媒体であって、前記コンピュータプログラムは、前記交差点の交通需要と相関する交通指標の算出に用いる元データを、所定の統計期間に亘って収集するステップと、収集された前記元データに基づいて、前記交通指標の統計値を算出するステップと、算出された前記統計値に基づいて、前記交差点の地点制御を行う交通信号制御機が記憶する前記信号制御パラメータの標準値を別の標準値に更新するステップと、を含む。
(6) 本発明の一態様に係る方法は、交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータの更新方法であって、前記交差点の交通需要と相関する交通指標の算出に用いる元データを、所定の統計期間に亘って収集するステップと、収集された前記元データに基づいて、前記交通指標の統計値を算出するステップと、算出された前記統計値に基づいて、前記交差点の地点制御を行う交通信号制御機が記憶する前記信号制御パラメータの標準値を別の標準値に更新するステップと、を含む。
本発明によれば、交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータを適切に更新することができる。
交通管制システムの全体構成を示す斜視図である。 路側制御装置が設置された交差点の道路平面図である。 路側制御装置の内部構成の一例を示すブロック図である。 信号制御パラメータの標準値が定義された標準テーブルの一例を示す図である。 パターン切り替えの時限テーブルの一例を示す図である。 信号制御パラメータの更新処理の概要を示す説明図である。 信号制御パラメータの更新処理の具体例を示すフローチャートである。
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態の更新装置は、交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータの更新装置であって、前記交差点の交通需要と相関する交通指標の算出に用いる元データを、所定の統計期間に亘って収集する収集部と、収集された前記元データに基づいて、前記交通指標の統計値を算出する算出部と、算出された前記統計値に基づいて、前記交差点の地点制御を行う交通信号制御機が記憶する前記信号制御パラメータの標準値を別の標準値に更新する更新部と、を備える。
本実施形態の更新装置によれば、収集部が、交差点の交通需要と相関する交通指標の算出に用いる元データを、所定の統計期間に亘って収集し、算出部が、収集された元データに基づいて、交通指標の統計値を算出する。
このため、統計期間を適切な期間(例えば、1か月以上)に設定することにより、元データの取得頻度が低い場合でも、交通指標の統計値を正確に算出でき、更新部が、信号制御パラメータの標準値を正確に更新可能となる。従って、交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータを適切に更新することができる。
(2) 本実施形態の更新装置は、前記交通信号制御機とは別装置よりなり、現状の前記信号制御パラメータの標準値を前記交通信号制御機から受信し、更新後の前記信号制御パラメータの標準値を前記交通信号制御機に送信する通信部を、更に備えることが好ましい。
この場合、本実施形態の更新装置を交差点に設置して既設の交通信号制御機と通信可能に接続することにより、交通信号制御機の信号制御パラメータを自動的に更新できるようになる。
(3) 本実施形態の更新装置において、前記元データには、前記交差点の流入路を通行する車両が送信した当該車両のプローブ情報が含まれる。
この場合、プローブ情報を元データとして交通指標の統計値を算出できるので、例えば車両感知器などの路側センサが設置されていない交差点についても、地点制御に用いる信号制御パラメータを更新することができる。
(4) 本実施形態の更新装置において、前記交通指標には、前記交差点の流入交通量、渋滞長、旅行時間、車両の平均速度、車両の停止位置及び停止回数、信号制御履歴、及び、プローブ車両の流入交通量のうちの少なくとも1つが含まれる。
上記に例示する交通指標は、交差点の交通需要と相関する交通指標であるから、交差点での適切な信号制御パラメータの標準値の算出に利用することができる。
(5) 本実施形態の記録媒体は、コンピュータプログラムの記録媒体であって、そのコンピュータプログラムは、上述の(1)〜(4)に記載の更新装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
従って、本実施形態の記録媒体は、上述の(1)〜(4)に記載の更新装置と同様の作用効果を奏する。
(6) 本実施形態の更新方法は、交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータの更新方法であって、上述の(1)〜(4)に記載の更新装置が実行する方法である。
従って、本実施形態の更新方法は、上述の(1)〜(4)に記載の更新装置と同様の作用効果を奏する。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔用語の定義〕
本実施形態の詳細を説明するに当たり、まず、本明細書で用いる用語の定義を行う。
「車両」:道路を通行する車両全般、例えば、道路交通法上の車両のことをいう。道路交通法上の車両は、自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスを含む。自動車には、自動二輪車などの四輪車以外の車も含まれる。本実施形態では、単に「車両」というときは、プローブ情報を送信可能な車載機を有するプローブ車両と、その車載機を有しない通常の車両の双方を含む。
「車車間通信情報」:道路を走行する車両同士が無線通信によって送受信する情報のことをいう。車車間通信情報には、次のプローブ情報などが含まれる。
「プローブ情報」:実際に道路を走行するプローブ車両の車載機から得られる車両に関する各種情報のことをいう。プローブデータ或いはフローティングカーデータと称されることもある。車両ID、車両位置、車両速度、車両方位及びこれらの発生時刻などのデータがこれに含まれる。
「交通信号制御機」:交通信号機の信号灯器を所定の灯色切り替えタイミングにて点灯及び消灯させる制御機のことをいう。
本実施形態の交通信号制御機は、後述の地点制御及び遠隔制御の制御方式を実行可能である。交通信号制御機は、通常は、自機に対応する交差点について地点制御を実行している。後述の路側制御装置から信号制御パラメータを受信すると、受信した信号制御パラメータに従って自機に対応する交差点の信号灯器の灯色切り替えタイミングを決定する。
「信号制御パラメータ」:一般には、後述のサイクル長、スプリット及びオフセットのことをいう。本実施形態では、交差点の信号灯器の灯色切り替えタイミング(各灯色の開始時刻及び表示時間など)も、これに含まれてもよいものとする。
「サイクル長」:交通信号機の青(又は赤)開始時刻から次の青(又は赤)開始時刻までの1サイクルの時間のことをいう。
「スプリット」:各現示に割り当てられる時間(青信号時間や赤信号時間等)のサイクル長に対する割合のことをいう。
「オフセット」:隣接する交差点間の青信号開始時刻のずれのことをいう。1サイクルの時間に対するパーセント又は秒で表される。
「路側センサ」:道路の交通状況をセンシングするために設置されたセンサ機器のことをいう。路側センサには、車両感知器、監視カメラ及び光ビーコンなどが含まれる。
車両感知器は、直下を通行する車両を超音波などで1台ずつ感知する超音波式車両感知器などよりなり、監視カメラは、道路の動画像を撮影するCCDカメラなどよりなる。光ビーコンは、光通信対応の車載機と道路の所定位置で光通信を行い、インフラ側と所定の情報をやり取りする光通信装置である。
「遠隔制御装置」:後述の遠隔制御を実行可能な交通信号制御装置のことをいう。本実施形態の遠隔制御装置は、自装置が管理するエリアに含まれる交差点の交通信号制御機に、後述の遠隔制御を実行させるか否かの判定処理も行う。
遠隔制御装置は、エリアに含まれる交差点の交通信号機に遠隔制御を実行させる場合には、遠隔制御の実行指令を含むダウンリンク情報や信号制御パラメータを含むダウンリンク情報を、当該交差点に対応する路側制御装置に送信する。
「路側制御装置」:路側に設置された制御装置であって、外部との有線又は無線による通信機能と、外部から受信した情報を用いて交通指標の算出や信号情報の分析などの情報処理を実行する機能を備えた制御装置のことをいう。
路側制御装置は、車載通信機などの移動通信機と無線通信する路側通信機(以下、「RSU(Road Side Unit)」ともいう。)としての機能を備えていてもよい。本実施形態の路側制御装置は、当該路側通信機の機能を併有する。
「地点制御」:1つの交差点の通行権を制御対象とする交通信号制御の制御方式のことをいう。具体的には、他の交差点とは無関係に、1つの交差点の交通信号機の灯色切り替えタイミングを独立して制御する交通信号制御のことをいう。単独制御ともいう。
地点制御では、通常、所定のタイムスケジュールに従って信号灯色を切り替える定周期制御が行われる。地点制御が実行される交差点において、歩行者押しボタン制御、リコール制御及び右折感応制御などの地点感応制御が行われる場合もある。
「系統制御」:1つの路線に沿って連続する複数の交差点について、信号表示に時間遅れが生じるように信号灯器の灯色切り替えタイミングを互いに関連づけて制御する交通信号制御のことをいう。系統制御を行う路線を「系統区間」という。
例えば、系統制御には、サブエリアの系統区間に含まれる交差点間のオフセットを調節することにより、系統区間の特定方向を青信号で通過し易くしたり(優先オフセット)、逆に赤信号で停止し易くしたりする制御が含まれる。
「面制御」:面的に広がる道路網に含まれる複数の交差点について、信号灯器の灯色切り替えタイミングを互いに関連づけて制御する交通信号制御のことをいう。具体的には、系統制御を道路網に拡張した広域な交通信号制御のことをいう。
「遠隔制御」:複数の交差点の通行権を制御対象とする交通信号制御の制御方式のことをいう。具体的には、所定のエリアに含まれる複数の交差点について、交通信号機の灯色切り替えタイミングを関連づけて制御する交通信号制御のことをいう。
従って、上記の系統制御と面制御はいずれも遠隔制御に該当する。所定のエリアが系統区間である遠隔制御は、系統制御であり、所定のエリアが面的に広がる道路網である遠隔制御は、面制御である。
「移動体」:公道、私道及び駐車場などの通行可能な領域を通行する物体の総称である。本実施形態の移動体には、上述の「車両」及び歩行者などが含まれる。
「無線通信機」:所定のプロトコルに則った通信フレームを無線で送受信する通信機能を有し、無線通信の送受信主体となる機器のことである。無線通信機には、前述の路側通信機や後述の移動通信機などが含まれる。なお、本実施形態の路側制御装置は、無線通信を行うことができるので無線通信機の一種でもある。
「移動通信機」:移動体に搭載(搭乗者や歩行者の場合は「携帯」)された無線通信機のことをいう。本実施形態の移動無線機には、後述の車載通信機と携帯端末が含まれる。
「車載通信機」:車両に恒久的又は一時的に搭載された無線通信機のことをいう。「車載機」と略記することもある。路側通信機との無線通信が可能であれば、搭乗者が車両に持ち込んだ携帯電話機やスマートフォンなどの携帯端末も車載無線機に該当する。
「携帯端末」:車両の搭乗者や歩行者が携帯する無線通信機のことをいう。具体的には、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノートパソコンなどがこれに該当する。
「通信フレーム」:無線通信機の無線通信に用いるPDU(Protocol Data Unit)と、路側無線機を含む路側通信装置の有線通信に用いるPDUの総称である。
「制御履歴情報」:所定の期間に交通信号制御機がどのように信号灯器を制御したかを表す履歴情報のことであり、例えば、所定の期間におけるサイクル長、スプリット、ステップ秒数、オフセット、感応制御の結果等の情報が含まれる。所定の期間は、例えば、交差点を想定する場合には、主道路側の信号が青になってから、再び青になるまでの1サイクルでもよいし、予め設定される所定の時間でもよい。
「交通需要」:ある交差点又は流入路ごと、或いは交通の方路別を対象として、一定時間内に流入路の停止線へ到着する交通量又は交通流率のことである。
〔交通管制システムの全体構成〕
図1は、路側制御装置5を含む交通管制システムの全体構成を示す斜視図である。
図1では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定しているが、これに限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態の交通管制システムは、遠隔制御装置12、路側制御装置5、交通信号機41、車載通信機42(図2参照)を搭載した車両43、及び路側センサ44などを含む。
遠隔制御装置12は、交通管制センター11に設置されたコンピュータ装置(「中央装置」ともいう。)よりなる。交通管制センター11は、国又は地方自治体の交通事業者が管理する専用設備であってもよいし、IaaS(Infrastructure as a Service)事業者が運営するクラウドシステムのデータセンターであってもよい。
後者の場合、遠隔制御装置12は、仮想化ソフトウェアによってデータセンターのサーバコンピュータの内部に構築される仮想マシンよりなる。
図1中のAiは、遠隔制御装置12が制御を管轄するエリアAiである。遠隔制御装置12は、エリアAiに含まれる交通信号機41に対して面制御及び系統制御などの遠隔制御を実行することができる。
交通信号機41と路側制御装置5は、エリアAiに含まれる交差点Jk(図1では、k=1〜12)にそれぞれ設置されている。各交差点Jkの路側制御装置5は、インターネットなどの公衆通信網4を介して遠隔制御装置12と通信することができる。
路側制御装置5は、交差点Jkから分岐する道路を通行する車両43と無線通信できるように、交差点Jkの近傍に設置されている。従って、路側制御装置5は、道路上で車車間通信を行う車両43の車載通信機42が送信する電波を受信することができる。
路側センサ44は、例えば所定の通信回線45(図2参照)を介して、路側制御装置5と接続されている。交通信号機41の交通信号制御機47(図2参照)も、所定の通信回線45を介して路側制御装置5と接続されている。
路側センサ44は、主として交差点Jkに流入する車両台数をカウントする目的で、エリアAi内の道路の適所に設置されている。
路側センサ44には、直下を通行する車両43を超音波等で感知する車両感知器、車両43の通行状況を時系列に撮影する監視カメラ、及び車両43と近赤外線による光通信を行う光ビーコンなどのうちの少なくとも1つが含まれる。
エリアAiを管轄する遠隔制御装置12は、遠隔制御の「実行指令」又は「解除指令」や、信号制御パラメータなどを含む「ダウンリンク情報S1」を、エリアAiに含まれる各交差点Jkの路側制御装置5にダウンリンク送信することができる。
遠隔制御装置12がダウンリンクした交差点Jk用のダウンリンク情報S1は、公衆通信網4や移動体通信網などを経由して、当該交差点Jkに対応する路側制御装置5に伝送される。
遠隔制御装置12は、渋滞情報及び交通規制情報などの交通情報をダウンリンク情報S1に含めて、路側制御装置5に送信することもできる。
路側制御装置5は、遠隔制御装置12から交通情報を含むダウンリンク情報S1を受信すると、受信した交通情報を含む通信フレームを生成し、生成した通信フレームを路車間通信によって車載通信機42にブロードキャスト送信することができる。
エリアAiに含まれる路側制御装置5は、遠隔制御の「実行要求」又は「解除要求」や、プローブ情報及びセンサ情報などから算出した交通指標を含む「アップリンク情報S2」を、遠隔制御装置12にアップリンク送信することができる。
路側制御装置5がアップリンクしたアップリンク情報S2は、移動体通信網や公衆通信網4などを経由して遠隔制御装置12に伝送される。
路側センサ44の計測結果であるセンサ情報には、車両感知器の感知情報、監視カメラの画像データなどがこれに含まれる。これらのセンサ情報は、対応する交差点Jkの路側制御装置5が収集する。
エリアAi内の道路を通行する車両43の車載通信機42は、プローブ情報を車車間通信によって互いに送受信している。路側制御装置5は、車両43の車載通信機42が送信するプローブ情報を受信することができる。
路側制御装置5は、車載通信機42から受信したプローブ情報を遠隔制御装置12に中継する、高度道路交通システム(ITS)の無線通信機(路側通信機)としての機能を併有している。
このため、以下の説明では、本実施形態の路側制御装置5のことを「RSU」(Road Side Unit)5と記載することがある。
〔交差点付近のインフラ設備〕
図2は、路側制御装置5が設置された交差点Jkの道路平面図である。図2では、左側通行の道路が例示されているが、右側通行の道路であってもよい。
図2に示すように、交通信号機41は、交差点Jkの各流入路に通行権の有無を表示する複数の信号灯器46と、信号灯器46が点灯及び消灯するタイミングを制御する交通信号制御機47とを備える。信号灯器46は、所定の信号制御線48を介して交通信号制御機47に接続されている。
路側センサ44及び交通信号制御機47は、通信回線45を介して路側制御装置5と通信可能に接続されている。路側センサ44は、交通信号制御機47を介して路側制御装置5と接続してもよい。
路側制御装置5は、ダウンリンク情報S1に遠隔制御の実行指令が含まれる場合は、交差点Jkの制御方式を遠隔制御に切り替える。路側制御装置5は、ダウンリンク情報S1に遠隔制御の解除指令が含まれる場合は、交差点Jkの制御方式を地点制御に戻す。
路側制御装置5は、遠隔制御装置12から信号制御パラメータを含むダウンリンク情報S1を受信すると、その信号制御パラメータを交通信号制御機47に転送する。
路側制御装置5は、受信したダウンリンク情報S1に含まれる信号切り替えタイミングと交通情報を車両43に提供するために、それらの情報をブロードキャストで車両43に無線送信することもできる。
遠隔制御装置12は、エリアAiに含まれる路側制御装置5がアップリンク送信するアップリンク情報S2の収集と、その情報S2に基づく交通信号制御及び制御結果の情報提供などを統括的に行う。
具体的には、遠隔制御装置12は、エリアAiに属する交差点Jkの交通信号機41に対して、同一道路上の交通信号機41群を調整する「系統制御」や、この系統制御を道路網に拡張した「面制御」などを行うことができる。
なお、遠隔制御装置12は、面制御などの遠隔制御の演算周期(例えば2.5分)ごとに制御データを含むダウンリンク情報S1をダウンリンク送信するとともに、所定周期(例えば5分)ごとに交通情報を含むダウンリンク情報S1をダウンリンク送信する。
〔路側制御装置の内部構成〕
図3は、路側制御装置5の内部構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、路側制御装置5は、外部装置との通信インタフェースとして、車両用通信部51、歩行者用通信部52、及びインフラ用通信部53を備える。
路側制御装置5は、信号制御及び道路交通に関する情報処理を行う制御部として、メイン制御部54、DSSS(Driving Safety Support Systems)制御部55、及び歩行者用制御部56を備える。また、路側制御装置5は、記憶部57を備える。
車両用通信部51は、車車間通信の通信規格(例えば、Wireless Access in Vehicle Environment:WAVE)に則って、車載通信機42との無線通信が可能な通信インタフェースよりなる。車両用通信部51は、車両用受信部58と車両用送信部59を含む。
車両用受信部58は、車載通信機42が送信したプローブ情報を含む通信フレームを受信することができる。車両用送信部59は、車両向けの情報を格納した通信フレームを、車載通信機42にブロードキャストで送信することができる。
歩行者用通信部52は、所定の通信規格(例えば、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、WAVEなど)に則って、歩行者の携帯端末49との無線通信を行う通信インタフェースよりなる。
インフラ用通信部53は、インフラ側の他の制御装置との通信を行う通信インタフェースである。インフラ用通信部53には、第1送受信部60及び第2送受信部61が含まれている。
第1送受信部60は、所定の通信規格に則って、遠隔制御装置12との通信を行う通信インタフェースよりなる。
第1送受信部60は、例えば、無線によるIP通信が可能な通信インタフェースであってもよいし(図1参照)、専用回線を通信媒体として遠隔制御装置12との間で有線通信を行う通信インタフェースであってもよい。
第2送受信部61は、所定の通信規格に則って、交通信号制御機47との通信を行う通信インタフェースよりなる。
第2送受信部61は、例えば、専用の通信回線45を通信媒体として有線通信を行う通信インタフェースであってもよいし(図2参照)、交通信号制御機47との間で無線通信が可能な通信インタフェースであってもよい。
制御部54〜56は、1又は複数のCPU(Central Processing Unit)を含む制御装置によりなる。記憶部57は、1又は複数のRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などのメモリを含む記憶装置よりなる。
記憶部57は、制御部54〜56に実行させるための各種のコンピュータプログラムや、外部装置から受信した情報処理のための各種のデータの、一時的又は非一時的な記録媒体として機能する。
このように、路側制御装置5は、コンピュータを備えて構成され、路側制御装置5の各機能は、前記コンピュータの記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムが前記コンピュータのCPUによって実行されることで発揮される。
かかるコンピュータプログラムは、CD−ROMやUSBメモリなどの一時的又は非一時的な記録媒体に記憶させることができる。
路側制御装置5の制御部54〜56は、記憶部57に格納されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、交通管理者やドライバにとって有用な種々の制御機能を実現することができる。
例えば、メイン制御部54は、プローブ情報などを用いた交通情報の生成、感知パルスの生成及び信号制御パラメータの更新処理などの制御を実行可能である。なお、信号制御パラメータの更新処理については後述する。
DSSS用制御部55は、路側センサ44から取得したセンサ情報を用いて、車両43のドライバに対する安全運転支援を行うことができる。
例えば、DSSS制御部55は、脇道から本線に流入する車両43の感知信号を路側センサ44から取得すると、車両流入を通知する警告情報を生成し、生成した警告情報を車両用送信部59に送信させる。これにより、本線を通行する車両43と脇道の車両43との出会い頭衝突を防止することができる。
歩行者用制御部56は、歩行者の要求に応じて灯色切り替えタイミングを変更したり、交通信号制御機47が保持する信号情報を歩行者に提供したりするなど、歩行者向けのサービスに関する制御を実行する。
例えば、歩行者用制御部56は、歩行者の携帯端末49(図2参照)が送信した青信号の「延長要求」を歩行者用通信部52から受信すると、受信した延長要求を、第2送受信部61を介して交通信号制御機47に送信する。
また、歩行者用制御部56は、交通信号制御機47が実行中の信号情報を第2送受信部61から取得すると、取得した信号情報を含む携帯端末49宛の通信フレームを、歩行者用通信部52に送信させる。
上述の通り、遠隔制御装置12は、エリアAiに含まれる交通信号制御機47に対して面制御及び系統制御などの遠隔制御を行うことができる。
もっとも、所定の交差点Jkの交通信号制御機47に対する遠隔制御が解除された場合、或いは、遠隔制御装置12と路側制御装置5との通信断によって交通信号制御機47に対する遠隔制御が行えない場合には、当該交差点Jkの交通信号制御機47は、地点制御を実行する。
以下、交通信号制御機47が実行する地点制御の一例を説明する。なお、本実施形態の交通信号制御機47は、遠隔制御装置12と通信しない制御機、すなわち、遠隔制御装置12による遠隔制御の対象ではない制御機であってもよい。
〔交通信号制御機による地点制御〕
図3に示すように、交通信号制御機47は、2種類のテーブルT1,T2を記憶している。これらは、対応する交差点Jkに関する地点制御(定周期制御)に用いられる。
2種類のテーブルT1,T2のうち、図4は、信号制御パラメータの標準値が定義された標準テーブルT1の一例を示す図であり、図5は、パターン切り替えの時限テーブルT2の一例を示す図である。
図4に示すように、標準テーブルT1は、信号制御パラメータの種別(図例では、サイクル長とスプリット)が列方向に並び、信号制御パラメータのパターンの種別(図例では、3つのパターンPa〜Pc)が行方向に並ぶテーブルである。
図4において、スプリットの欄で定義されるパーセンテージは、サイクル長に対する東西方向の道路と南北方向の道路に割り当てられる青信号時間の割合を示す。
具体的には、パターンPaでは、サイクル長の標準値が120秒であり、スプリットの標準値が60%:40%に設定されている。
パターンPbでは、サイクル長の標準値が140秒であり、スプリットの標準値が60%:40%に設定されている。
パターンPcでは、サイクル長の標準値が120秒であり、スプリットの標準値が50%:50%に設定されている。
図5に示すように、パターン切り替えの時限テーブルT2は、日種(図例では、平日、土曜日及び日曜日・祝日)が列方向に並び、1日の時間帯の種別(図例では、下記の3種類の時間帯1〜3)が行方向に並ぶテーブルである。
時間帯1:AM7:00〜9:00(朝方の混雑予想時間帯)
時間帯2:PM5:00〜7:00(夕方の混雑予想時間帯)
時間帯3:時間帯1及び2以外の時間帯
具体的には、平日においては、時間帯1がパターンPbであり、時間帯2がパターンPaであり、時間帯3がパターンPcに設定されている。
土曜日においては、時間帯1がパターンPaであり、時間帯2がパターンPaであり、時間帯3がパターンPcに設定されている。
日曜日・祝日においては、時間帯1がパターンPcであり、時間帯2がパターンPcであり、時間帯3がパターンPcに設定されている。
交通信号制御機47は、ローカル時刻を計時するタイマー(時計)を有し、現在時刻が時限テーブルT2に定義された日種におけるどの時間帯に属するかを、ほぼリアルタイムに判定することができる。
交通信号制御機47は、現在時刻が時限テーブルT2のどの日種でかつどの時間帯に属するかに応じて、交差点Jkの信号制御パラメータを、当該時限テーブルT2で予め定められたいずれかのパターンPa〜Pcに切り替える。これが地点制御のうちの1つの手法であるパターン選択制御である。
例えば、交通信号制御機47は、現在時刻が時限テーブルT2中の「平日」の「時間帯1」に属する場合は、交差点Jkの信号制御パラメータをパターンPbに設定する。
交通信号制御機47は、現在時刻が時限テーブルT2中の「平日」の「時間帯2」に属する場合は、交差点Jkの信号制御パラメータをパターンPaに設定する。
同様に、交通信号制御機47は、現在時刻が時限テーブルT2中の「平日」の「時間帯3」に属する場合は、交差点Jkの信号制御パラメータをパターンPcに設定する。
交通信号制御機47は、現在時刻が時限テーブルT2中の「土曜日」又は「日曜日・祝日」である場合においても、上記と同様に、現在時刻がどの時間帯1〜3に属するかに応じて、交差点Jkの信号制御パラメータを、時限テーブルT2に定義されたパターンPa〜Pcのいずれかに設定する。
〔信号制御パラメータの更新処理の概要〕
図6は、路側制御装置5が行う信号制御パラメータの更新処理の概要を示す説明図である。図6(a)は、信号制御パラメータの更新前における交差点Jkの交通状態を示し、図6(b)は、信号制御パラメータの更新後における交差点Jkの交通状態を示す。図6では、右側通行の道路が例示されているが、左側通行の道路であってもよい。
図6において、ハッチング有りの車両43Aは、車載通信機42を搭載した車両43(以下、「搭載車両43A」ともいう。)であり、ハッチングなしの車両43Bは、車載通信機42を搭載していない車両43(以下、「非搭載車両43B」ともいう。)である。
RSU5は、搭載車両43Aから受信するプローブ情報や、搭載車両43Aと非搭載車両43Bの区別なく計測される車両感知器のセンサ情報などを元データとして用いて、自身が担当する交差点Jkの交通指標を、所定の統計期間に亘ってモニタリングしている。
RSU5がモニタリングする交通指標は、例えば、交差点Jkの流入交通量、渋滞長、旅行時間、車両43の平均速度、車両43の停止位置及び停止回数、信号制御履歴、及び、プローブ車両(搭載車両43A)の流入交通量のうちの少なくとも1つが含まれる。
ここで、交差点Jkの交通信号制御機47は、ある時間帯(例えば、図5における「平日」の「時間帯2」)において、パターンPa(図4参照)の信号制御パラメータを選択して信号灯器46の制御を実行中であるとする(ステップS1)。
RSU5は、パターンPaでは交差点Jkの流入路(例えば、東西方向)に渋滞が発生すると判定すると(ステップS2)、パターンPaの標準値を変更して別のパターンPdを生成し、そのパターンPdを交通信号制御機47に送信する(ステップS3)。
この場合、RSU5は、東西方向の渋滞が捌ける程度の青時間を算出し、算出した青時間が確保されるように、サイクル長及びストリップのうちの少なくとも1つの標準値を決定することにより、新たなパターンPdを生成する。
交通信号制御機47は、RSU5からパターンPdを受信すると、標準テーブルT1中のパターンPaをパターンPdに更新し、更新後のパターンPdを用いて信号灯器46の制御を実行する(ステップS4)。
このように、本実施形態のRSU5は、現状のパターンPaの標準値では交差点Jkに渋滞が発生する場合に、渋滞を解消し得る標準値に更新された別のパターンPdを生成し、生成したパターンPdを交通信号制御機47に送信する。
このため、交通管制センターの技術者が、交通信号制御機47の標準テーブルT1に格納する標準値を人手で更新する必要がなくなり、地点制御の一種であるパターン選択制御に用いる信号制御パラメータの更新作業を自動的に行うことができる。
本実施形態のRSU5は、交通信号制御機47とは別装置よりなり(図3参照)、現状の信号制御パラメータの標準値を交通信号制御機47から受信し、更新後の信号制御パラメータの標準値を交通信号制御機47に送信する通信部53を備えている。
このため、本実施形態のRSU5を交差点Jkに設置して既設の交通信号制御機47と通信可能に接続するだけで、交通信号制御機47の信号制御パラメータを自動的に更新できるようになる。
本実施形態のRSU5では、メイン制御部54が取り扱う元データにとして、交差点Jlの流入路を通行する搭載車両43Aが送信した当該車両のプローブ情報が含まれる。
この場合、メイン制御部54が、プローブ情報を元データとして交通指標の統計値を算出することにすれば、例えば車両感知器などの路側センサ44が設置されていない交差点Jkについても、地点制御に用いる信号制御パラメータを更新できるようになる。
〔信号制御パラメータの更新処理の具体例〕
図7は、RSU5のメイン制御部54が実行する、信号制御パラメータの更新処理の具体例を示すフローチャートである。
図7に示すように、RSU5のメイン制御部54は、プローブ情報及びセンサ情報の少なくとも1つである交通指標の元データを所定の統計期間(例えば、1か月、3か月及び6か月など)に亘って収集し、記憶部57に蓄積する(ステップST11)。
次に、メイン制御部54は、1日(=24時間)における所定の観測周期ごとの交通指標(ここでは、一例として「流入交通量」を想定する。)の統計値を算出する(ステップST12)。
所定の観測周期は、例えば、2.5分、5分又は10分など、時限テーブルT2の時間帯1〜3の単位時間(例えば、1時間)よりも十分に短い時間長であればよい。また、算出する統計値は、平均値であってもよいしパーセンタイル値であってもよい。
次に、メイン制御部54は、算出した観測周期ごとの流入交通量を用いて、時限テーブルT2における各日種の時間帯1〜3にそれぞれ定義されたパターンPa〜Pcの標準値の適否を判定する(ステップST13)。
具体的には、メイン制御部54は、流入交通量の統計値が所定閾値(=飽和交通流率×青時間)を超える観測周期を抽出し、抽出された観測周期が時限テーブルT2のどの日種及び時間帯1〜3に属するかにより、パターンPa〜Pcの標準値の適否を判定する。
次に、メイン制御部54は、標準値が不適である時間帯1〜3が存在する場合(ステップST14でYes)には、当該時間帯1〜3で採用されているパターンPa〜Pcを別のパターンPdに更新する(ステップST15)。
例えば、平日のAM8:00を含む観測周期において、東西方向の流入交通量が所定閾値を超える場合には、時限テーブルT2の「平日」及び「時間帯1」に定義されたパターンPbの信号制御パラメータでは、東西方向の青時間が不足していると判断できる。
そこで、メイン制御部54は、東西方向の渋滞を解消可能な青時間を算出し、算出した青時間に対応するスプリット(例えば、70%:30%)を算出する。そして、メイン制御部54は、サイクル長が140秒でかつスプリットが70%:30%であるパターンPdを生成し、「平日」及び「時間帯1」に用いるパターンとする。
そして、メイン制御部54は、更新後のパターンPdを交通信号制御機47に送信し(ステップST16)、信号制御パラメータのパターンを更新させる。
上述の更新処理(図7)では、メイン制御部54が既存のパターンPa〜Pcとは別のパターンPdを生成しているが、既存のパターンPa〜Pcに変更して上書きすることにしてもよい。例えば、標準テーブルT1に記録されたパターン数が限界に達しているため、新しいパターンPdを標準テーブルT1に記録できない場合は、メイン制御部54は、過去の一定期間(例えば1ヶ月)で最も使用頻度が低いパターンを別のパターンPdに変更すればよい。
〔本実施形態の効果〕
ところで、特許文献1に記載の信号制御装置(以下、「従来装置」という。)では、プローブ情報の取得頻度が低い場合に、青時間が不足する流入路に対して例えば2秒だけ青時間を増加させ、各流入路で青時間に余裕が出ると、青時間を標準値に戻す動的な制御を行っている(特許文献1の段落0052〜0054)。
その理由は、少ないプローブ情報を用いるため、青時間の調整幅を大きくし過ぎるのを防止するためである。
しかし、取得頻度の低いプローブ情報に応答して青時間を少しの時間だけ増減させる従来装置の制御では、依然として流入路に渋滞が発生し易く、変更後の青時間が必ずしも交通流の円滑化に寄与するとは言えない可能性がある。
これに対して、本実施形態のRSU5によれば、メイン制御部54が、交差点Jkの渋滞と相関する交通指標の算出に用いる元データ(プローブ情報及びセンサ情報の少なくとも1つ)を、所定の統計期間に亘って収集し、収集した元データに基づいて、交通指標の統計値を算出するので、元データの取得頻度が低い場合でも、交通指標の統計値を正確に算出することができる。
このため、信号制御パラメータの標準値を正確に更新可能となり、交差点Jkの地点制御に用いる信号制御パラメータを適切に更新することができる。
青時間が不足する流入路の青時間を増加させ、各流入路で青時間に余裕が出ると、青時間を標準値に戻す、従来装置による動的な制御では、青時間の増加と減少がサイクルごとに繰り返される(ハンチング)可能性がある。
これに対して、本実施形態のRSU5によれば、メイン制御部54が、交通指標の統計値に基づいて、信号制御パラメータの標準値そのものを書き換えるため、青時間のハンチングが発生しない。
特許文献1では、青時間を上限値まで増加させた後は、次の日に上限値をそのまま保持するのか、或いは、次の日には青時間を標準値に戻すのかが記載されていないが、本実施形態のRSU5は、そのいずれの場合に対しても有意性がある。
すなわち、従来装置において、上限値まで増加させた青時間を次の日に標準値に戻す場合には、次の日の交通状況が本日と同じような傾向であると、いったん渋滞が発生してから青時間を再度同じように増加させていく必要がある。
これに対して、本実施形態のRSU5によれば、メイン制御部54が、交通指標の統計値に基づいて、信号制御パラメータの標準値そのものを書き換えるため、次の日に青時間を増加させる必要がない。
また、従来装置において、上限値まで増加させた青時間を次の日に保持したままにする場合には、次の日の交通状況が本日と異なる傾向(例えば、金曜日と土曜日で傾向が違う場合など)であると、上限値の青時間が次の日には不適切であり、再度青時間を調整する必要がある。
これに対して、本実施形態のRSU5によれば、メイン制御部54が、交通指標の統計値に基づいて、信号制御パラメータの標準値そのものを書き換えるため、次の日に青時間を再度調整する必要がない。
〔その他の変形例〕
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態では、路側制御装置5が交通信号制御機47と別装置であったが、路側制御装置5が交通信号制御機47の機能を併有することにしてもよい。
上述の実施形態では、道路を通行する移動体が原動機を有する「車両」の場合を例示したが、道路を通行する移動体には、原動機を有する車両の他に、原動機を有しない自転車などが含まれていてもよい。なお、上述の実施形態において、車両を移動体と読み替える場合には、「車載通信機(車載機)」を「移動通信機」と読み替えればよい。
4 公衆通信網
5 路側制御装置
12 遠隔制御装置
41 交通信号機
42 車載通信機
43 車両
43A 搭載車両
43B 非搭載車両
44 路側センサ
45 通信回線
46 信号灯器
47 交通信号制御機
48 信号制御線
49 携帯端末
51 車両用通信部
52 歩行者用通信部
53 インフラ用通信部
54 メイン制御部(収集部、算出部、更新部)
55 DSSS制御部
56 歩行者用制御部
57 記憶部
58 車両用受信部
59 車両用送信部
60 第1送受信部
61 第2送受信部
Ai エリア
T1 標準テーブル
T2 時限テーブル

Claims (6)

  1. 交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータの更新装置であって、
    前記交差点の交通需要と相関する交通指標の算出に用いる元データを、所定の統計期間に亘って収集する収集部と、
    収集された前記元データに基づいて、前記交通指標の統計値を算出する算出部と、
    算出された前記統計値に基づいて、前記交差点の地点制御を行う交通信号制御機が記憶する前記信号制御パラメータの標準値を別の標準値に更新する更新部と、を備える信号制御パラメータの更新装置。
  2. 前記交通信号制御機とは別装置よりなり、
    現状の前記信号制御パラメータの標準値を前記交通信号制御機から受信し、更新後の前記信号制御パラメータの標準値を前記交通信号制御機に送信する通信部を、更に備える請求項1に記載の信号制御パラメータの更新装置。
  3. 前記元データには、前記交差点の流入路を通行する車両が送信した当該車両のプローブ情報が含まれる請求項1又は請求項2に記載の信号制御パラメータの更新装置。
  4. 前記交通指標には、前記交差点の流入交通量、渋滞長、旅行時間、車両の平均速度、車両の停止位置及び停止回数、信号制御履歴、及び、プローブ車両の流入交通量のうちの少なくとも1つが含まれる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の信号制御パラメータの更新装置。
  5. 交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータの更新装置として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムの記録媒体であって、
    前記コンピュータプログラムは、
    前記交差点の交通需要と相関する交通指標の算出に用いる元データを、所定の統計期間に亘って収集するステップと、
    収集された前記元データに基づいて、前記交通指標の統計値を算出するステップと、
    算出された前記統計値に基づいて、前記交差点の地点制御を行う交通信号制御機が記憶する前記信号制御パラメータの標準値を別の標準値に更新するステップと、を含むコンピュータプログラムの記録媒体。
  6. 交差点の地点制御に用いる信号制御パラメータの更新方法であって、
    前記交差点の交通需要と相関する交通指標の算出に用いる元データを、所定の統計期間に亘って収集するステップと、
    収集された前記元データに基づいて、前記交通指標の統計値を算出するステップと、
    算出された前記統計値に基づいて、前記交差点の地点制御を行う交通信号制御機が記憶する前記信号制御パラメータの標準値を別の標準値に更新するステップと、を含む信号制御パラメータの更新方法。
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