JP2017129802A - ホログラム構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、偽造防止性および意匠性に優れたホログラム構造体を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録された反射型ホログラム形成領域を有するホログラム層と、上記ホログラム層の上記反射型ホログラム形成領域の凹凸表面に接するように形成された蒸着層と、を有し、上記光像が、上記反射型ホログラム形成領域に対して点光源とは異なる方向からのみ観察可能な第1光像を含むことを特徴とするホログラム構造体を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図2

Description

本発明は、偽造防止性および意匠性に優れたホログラム構造体に関するものである。
ホログラムは、波長の等しい二つの光(物体光と参照光)を干渉させることによって、物体光の波面が干渉縞として感光材料に記録されたものであり、干渉縞記録時の参照光と同一波長の光が当てられると干渉縞によって回折現象が生じ、元の物体光と同一の波面が再生することが可能である。ホログラムは、外観が美しく、複製が比較的困難である等の利点を有することから偽造防止用途等に多く使用されている。
ホログラムの使用方法としては、ホログラムに対して参照光を透過または反射させることで、光像として再生する方法が知られている。
例えば、特許文献1では、レーザー反射型ホログラムで反射した回折光をスクリーンに投影することで再生された光像を用いて、真贋判定を行うことが記載されている。
特許第4872964号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるようなスクリーンに投影した光像のみでは高度な偽造防止効果および意匠の付与が困難であるといった問題がある。
このような問題に対して、本発明者等は、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録されたホログラム形成領域を有するホログラム層を有するホログラム構造体を提案している。
このようなホログラム構造体によれば、例えば、点光源をホログラム形成領域上に配置した状態で、ホログラム形成領域を正面から平面視した場合にのみ、ホログラム形成領域内に光像を観察可能となる。このため、上記ホログラム構造体は、例えば、点光源を配置した場合のみ光像が観察可能となることを知っている者のみが観察可能とすることができる等、偽造防止性および意匠性に優れたものとなる。
また、上記ホログラム構造体は、点光源をホログラム形成領域上に配置することで、ホログラム形成領域内に、ホログラム形成領域の正面から観察可能な光像を再生することができる。このため、上記ホログラム構造体は、光像を投影するスクリーン等を別途準備することなく、真贋判定および意匠性の発現等を容易に行うことができる。
一方で、上記ホログラム構造体は、ホログラム形成領域をその正面から平面視することで容易に光像が観察可能であることで、偽造防止性が不十分となる場合や、意匠性が不十分となる場合もある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、偽造防止性および意匠性に優れたホログラム構造体を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録された反射型ホログラム形成領域を有するホログラム層と、上記ホログラム層の上記反射型ホログラム形成領域の凹凸表面に接するように形成された蒸着層と、を有し、上記光像が、上記反射型ホログラム形成領域に対して点光源とは異なる方向からのみ観察可能な第1光像を含むことを特徴とするホログラム構造体を提供する。
本発明によれば、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録された反射型ホログラム形成領域(以下、単にホログラム形成領域と称する場合がある。)を有するホログラム層を用いることで、上記ホログラム構造体は、点光源により平面視上ホログラム形成領域内に光像を再生できる。
また、上記光像は、上記反射型ホログラム形成領域に対して点光源とは異なる方向からのみ観察可能な第1光像を含むものであることにより、偽造防止性および意匠性に優れたものとなる。
本発明においては、上記光像が、上記反射型ホログラム形成領域に対して点光源と同一方向から観察可能な第2光像を含むことが好ましい。上記ホログラム構造体は、第1光像および第2光像を用いることで、偽造防止性および意匠性により優れたものとなるからである。
本発明においては、上記ホログラム層の上記反射型ホログラム形成領域には、点光源から入射した光を上記光像へ変換可能なホログラムセルと、上記ホログラムセルと同一平面上に形成され、平面視上パターン状に配置されることにより回折格子図柄を描画する回折格子セルと、が配置されていることが好ましい。上記ホログラム構造体は、第1光像および回折格子図柄を用いることで、偽造防止性および意匠性により優れたものとなるからである。
本発明においては、上記回折格子図柄が、平面的に図柄を再生可能な平面回折格子図柄であることが好ましい。平面回折格子図柄と光像とを組み合わせることが可能となることで、ホログラム構造体は偽造防止性および意匠性に優れたものとなるからである。また、平面回折格子図柄は高輝度なものとすることが容易であり、視認性に優れた回折格子図柄を再生できるからである。
本発明においては、上記回折格子図柄が、立体的に図柄を再生可能な立体回折格子図柄であることが好ましい。立体回折格子図柄と光像とを組み合わせることが可能となることで、ホログラム構造体は偽造防止性および意匠性に優れたものとなるからである。
本発明においては、上記蒸着層の上記ホログラム層とは反対側の表面に形成されたヒートシール層と、上記ホログラム層の上記蒸着層とは反対側の表面に形成された剥離容易層と、上記剥離容易層の上記ホログラム層とは反対側の表面に形成された剥離用基材と、を有し、ホログラム転写箔として用いられることが好ましい。ホログラム転写箔として用いられることで、ホログラム構造体は、被着体に容易に偽造防止性および意匠性を付与できるからである。例えば、上記ホログラム構造体は、紙基材の裏面に接着層および剥離シートを有するラベルの紙基材表面に転写することで、偽造防止性および意匠性に優れたラベルを容易に得ることができる。
本発明においては、上記蒸着層の上記ホログラム層とは反対側の表面に形成されたヒートシール層と、上記ヒートシール層の上記蒸着層とは反対側の表面に形成された紙基材と、上記紙基材の上記ヒートシール層とは反対側の表面に形成された接着層と、上記接着層の上記紙基材とは反対側の表面に形成された剥離シートと、を有し、ラベルとして用いられることが好ましい。ラベルとして用いられることで、ホログラム構造体は、被着体に容易に偽造防止性および意匠性を付与できるからである。
本発明は、偽造防止性および意匠性に優れたホログラム構造体を提供できるという効果を奏する。
本発明のホログラム構造体の一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面図である。 ホログラム構造体を用いた光像の再生方法を説明する説明図である。 ホログラム構造体を用いた光像の再生方法を説明する説明図である。 ホログラム構造体を用いた光像の再生方法を説明する説明図である。 ホログラム構造体を用いた光像の再生方法を説明する説明図である。 ホログラム形成領域の形成方法を説明する説明図である。 ホログラム構造体を用いた光像の再生方法を説明する説明図である。 ホログラム形成領域の形成方法を説明する説明図である。 ホログラム構造体を用いた光像の再生方法を説明する説明図である。 本発明におけるホログラム形成領域を説明する説明図である。 本発明におけるホログラム形成領域を説明する説明図である。 本発明のホログラム構造体の他の例を示す概略平面図および概略断面図である。 本発明における回折格子図柄を説明する説明図である。 本発明における回折格子セルを説明する説明図である。 本発明における画像表示層を説明する説明図である。 本発明のホログラム構造体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラム構造体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラム構造体の他の例を示す概略平面図である。
以下、本発明のホログラム構造体について詳細に説明する。
本発明のホログラム構造体は、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録された反射型ホログラム形成領域を有するホログラム層と、上記ホログラム層の上記反射型ホログラム形成領域の凹凸表面に接するように形成された蒸着層と、を有し、上記光像が、上記反射型ホログラム形成領域に対して点光源とは異なる方向からのみ観察可能な第1光像を含むことを特徴とするものである。
このような本発明のホログラム構造体について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のホログラム構造体の一例を示す概略平面図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。図1および図2に示すように、本発明のホログラム構造体10は、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録された反射型ホログラム形成領域11を有するホログラム層1と、上記ホログラム層1の上記反射型ホログラム形成領域11の凹凸表面1aに接するように形成された蒸着層2と、を有し、上記光像が、上記反射型ホログラム形成領域11に対して点光源とは異なる方向からのみ観察可能な第1光像を含むものである。
なお、この例では、ホログラム層1の蒸着層2とは反対側の表面に透明基材3が積層する例を示すものである。
また、図1は説明の容易のため、透明基材の記載を省略するものである。また、図1では、破線で囲まれた領域がホログラム形成領域11である。
本発明によれば、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録されたホログラム形成領域を有するホログラム層を用いることで、上記ホログラム構造体は、点光源により平面視上ホログラム形成領域内に光像を再生できる。
また、上記光像は、上記ホログラム形成領域に対して点光源とは異なる方向からのみ観察可能な第1光像を含むものである。
例えば、図3(a)に例示するように、点光源21をホログラム形成領域11の中心点から垂直方向に配置した際に、点光源21と同一方向からホログラム形成領域11を観察する観察者31aは、ホログラム形成領域11内に光像を観察することができない(図3(b))が、図3(a)において点光源とは異なる方向からホログラム形成領域11を観察する観察者31bは、ホログラム形成領域11内に第1光像12の画像である「1」を観察可能とすることができる(図3(c))。
さらに、光像が、上記反射型ホログラム形成領域に対して点光源と同一方向から観察可能な第2光像を有するものである場合には、図4(a)に例示するように、点光源21をホログラム形成領域11の中心点から垂直方向に配置した際に、点光源21と同一方向からホログラム形成領域11を観察する観察者31aは、ホログラム形成領域11内に第2光像13の画像である「OK」のみを観察することができ(図4(b))、図4(a)において点光源21とは異なる方向からホログラム形成領域11を観察する観察者31bは、ホログラム形成領域11内に第1光像12の画像である「1」のみを観察可能とすることができる(図4(c))。
このように、点光源とは異なる所定の方向からのみ第1光像を観察可能であるため、上記ホログラム構造体は、例えば、第1光像が記録されていることを知っている者のみが、第1光像を観察可能なものとすることができる。したがって、上記ホログラム構造体は、偽造防止性に優れたものとなる。
また、上記ホログラム構造体は、点光源とは異なる方向からのみ観察可能な第1光像により意外性を観察者に与えることができる。したがって、上記ホログラム構造体は、意匠性に優れたものとなる。
さらに、点光源からの光照射を受けているときのみ光像を再生できることから、上記ホログラム構造体は、偽造防止性および意匠性に優れたものとなる。
また、上述のような点光源とは異なる方向からのみ観察可能な第1光像は、ホログラム形成領域よりも面積が広く、ホログラム形成領域の外側に形成される仮想ホログラム形成領域に、第1光像の画像が再生されるように設計することで得ることができる。つまり、上記第1光像は、本来大面積のホログラム形成領域で再生可能な光像を、小さい面積のホログラム形成領域に記録することで、点光源とは異なる方向からのみ観察可能な第1光像が再生されることになるのである。
このため、例えば、ホログラム形成領域が小さい場合であっても、ホログラム層を介して光像を効果的に再生することができ、偽造防止性および意匠性を高めることができるのである。
本発明のホログラム構造体は、ホログラム層および蒸着層を有するものである。
以下、本発明のホログラム構造体における各構成について説明する。
1.ホログラム層
本発明におけるホログラム層は、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録された反射型ホログラム形成領域を有するものである。
(1)光像
上記光像は、少なくとも第1光像を含むものである。
(a)第1光像
上記第1光像は、上記反射型ホログラム形成領域に対して点光源とは異なる方向からのみ観察可能なものである。
ここで、点光源とは異なる方向とは、ホログラム形成領域の中心点と第1光像を観察可能な方向とを結ぶ方向が、ホログラム形成領域の中心点と点光源とを結ぶ方向(以下、単に点光源と同一方向または点光源方向と称する場合がある。)とは異なることをいうものである。
したがって、上記反射型ホログラム形成領域に対して点光源とは異なる方向からのみ観察可能であるとは、例えば、点光源をホログラム形成領域の中心点から垂直方向に配置した際には、ホログラム形成領域の中心点から垂直方向とは異なる方向からのみ観察可能であるが、ホログラム形成領域の中心点から垂直方向の方向からは観察することができないものとすることができる。
つまり、第1光像は、点光源をホログラム形成領域の中心点から垂直方向に配置した場合には、反射型ホログラム形成領域を平面視した際に、点光源と観察者とが重ならない状態でのみ観察されるものである。
また、点光源方向とは異なる方向とは、具体的には、上記ホログラム形成領域の中心点において、上記点光源方向と、反射型ホログラム形成領域に対する仰角が1°以上異なる方向とすることができる。
つまり、点光源をホログラム形成領域の中心点から垂直方向に配置した際に、上記ホログラム形成領域の中心点を通過する第1光像が観察可能な方向の反射型ホログラム形成領域に対する仰角(以下、単に第1光像の仰角と称する場合がある。)としては、89°以下とすることができ、15°〜85°の範囲内であることが好ましく、なかでも25°〜80°の範囲内であることが好ましい。上記第1光像の仰角が上記範囲内であることにより、本発明のホログラム構造体は、例えば、点光源方向とは異なる方向からのみ反射型ホログラム形成領域内に第1光像を観察可能とすることが容易となるからである。また、本発明のホログラム構造体は、例えば、ホログラム形成領域の凹凸表面、例えば、格子ピッチ等の形成が容易なものとなるからである。
なお、点光源をホログラム形成領域の中心点から垂直方向に配置するとは、点光源とホログラム形成領域の中心点とを結ぶ直線と、ホログラム形成領域表面との間の角度である仰角(例えば図3(a)中のθ0)が90°となるように配置することをいうものである。
また、既に説明した図3(a)では、第1光像の仰角は、例えば、既に説明した図3(a)中のθ1をいうものである。
さらに、ホログラム形成領域の中心点とは、ホログラム形成領域が正方形、長方形等の矩形の場合には、2本の対角線の交点である。
上記第1光像の数としては、少なくとも1つが含まれるものであればよいが、2以上であること、すなわち、上記光像が仰角および方位角の少なくとも一方が異なる方向から観察可能な2以上の異なる第1光像を含むものであってもよい。光像が2以上の異なる第1光像を含むことにより、本発明のホログラム構造体は、点光源とは異なる2以上の方向から、それぞれ異なる第1光像の画像を観察可能となる。その結果、上記ホログラム構造体は、偽造防止性および意匠性により優れたものとなるからである。
なお、異なる方向から観察可能であるとは、それぞれの第1光像の画像のみをそれぞれ別方向から観察可能であることをいうものである。
ここで、光像が異なる方位角から観察可能な2以上の第1光像を含む例としては、例えば、図5(a)および(b)に例示するように、点光源をホログラム形成領域の中心点から垂直方向に配置した際に、点光源方向であるホログラム形成領域の中心点から垂直方向とは異なる方向から観察する第1の観察者31bが図5(c)に示される第1光像12aの画像である「1」のみを観察可能であり、図5(a)および(b)において第1の観察者31bとは90°または180°異なる方位角から観察する第2〜第4の観察者31c〜31eが、それぞれ、図5(d)〜(f)に示されるように第1光像12b〜12dの画像である「2」、「3」および「4」のみを観察可能であるものとすることができる。
また、光像が異なる仰角から観察可能な2以上の第1光像を含む例としては、例えば、図6(a)に例示するように、点光源をホログラム形成領域の中心点から垂直方向に配置した際に、点光源方向であるホログラム形成領域の中心点から垂直方向とは異なる方向から観察する第1の観察者31bが図6(b)に示される第1光像12aの画像である「1」のみを観察可能であり、図6(a)において第1の観察者31bとは同一の方位角であり、かつ、異なる仰角から観察する第2の観察者31cが、図6(c)に示されるように第1光像12bの画像「2」のみを観察可能であるものとすることができる。
なお、図5(b)は、図5(a)の第1の観察者31bおよび第3の観察者31dを通過する方向での概略断面図を示すものである。また、図5において、第1〜第4の観察者31b〜eは、いずれも、ホログラム形成領域11に対して所定の仰角をとる方向から観察するものである。
なお、方位角とは、例えば、ホログラム形成領域を平面視した際に、ホログラム形成領域の中心点と、観察者とホログラム層とが平面視上重なる位置と、を結ぶ直線のホログラム形成領域表面における上記中心点からの方向をいうものである。
例えば、第1の観察者31bの方位角を0°とすると、図5(a)および(b)において、第2〜第4の観察者31c〜31eの方位角は、それぞれ90°、180°、270°となる。
光像が異なる方位角から観察可能な2以上の異なる第1光像を含む場合、それぞれの第1光像の画像のみを観察可能な方位角の差としては、例えば、30°以上とすることができ、なかでも45°〜180°の範囲内であることが好ましく、特に、90°〜180°の範囲内であることが好ましい。上記方位角の差が上述の範囲内であることにより、本発明のホログラム構造体は、それぞれの第1光像のみを別角度で観察可能とすることが容易となるからである。
なお、それぞれの画像のみを観察可能な方位角の差は、上記方位角の差の最小値をいうものである。例えば、ホログラム形成領域を平面視した際に、ホログラム形成領域内の点光源位置を通過する任意の方位角を0°とした場合に、1つ目の第1光像のみ観察可能な方位角が30°〜60°の範囲内であり、2つ目の第1光像のみ観察可能な方位角が90°〜150°の範囲内である場合、上記方位角の差の最小値は、30°となる。
光像が異なる仰角から観察可能な2以上の異なる第1光像を含む場合、それぞれの第1光像の画像のみを観察可能な仰角の差としては、例えば、10°以上とすることができ、なかでも15°〜80°の範囲内であることが好ましく、特に、20°〜45°の範囲内であることが好ましい。上記仰角の差が上述の範囲内であることにより、本発明のホログラム構造体は、それぞれの第1光像のみを別角度で観察可能とすることが容易となるからである。
なお、それぞれの画像のみを観察可能な仰角の差は、上記仰角の差の最小値をいうものである。例えば、1つ目の第1光像のみ観察可能な仰角が60°〜80°の範囲内であり、2つ目の第1光像のみ観察可能な仰角が30°〜50°の範囲内である場合、上記仰角の差の最小値は、10°となる。
上記第1光像により表示される画像としては、具体的には、本発明のホログラム構造体の用途等に応じて、適宜設定することができ、例えば、パターン、線画、文字、図形、記号等を挙げることができる。
(b)第2光像
上記光像は、少なくとも第1光像を含むものであればよいが、上記反射型ホログラム形成領域に対して点光源と同一方向から観察可能な第2光像を含むものであることが好ましい。上記ホログラム構造体は、第1光像および第2光像を用いることで、偽造防止性および意匠性により優れたものとなるからである。
このような第2光像を観察可能なホログラム構造体としては、例えば、既に説明した図4および図6を挙げることができる。図4および図6では、ホログラム構造体10が、点光源方向から観察する観察者31aにより第2光像13の画像である「OK」を観察可能な例を示すものである(図4(b)および図6(d))。
ここで、上記反射型ホログラム形成領域に対して点光源と同一方向から観察可能であるとは、例えば、点光源をホログラム形成領域の中心点から垂直方向に配置した際には、点光源方向であるホログラム形成領域の中心点から垂直方向の方向から観察可能であることをいうものである。
また、点光源方向から観察可能であるとは、少なくとも点光源方向から観察可能であることであり、第1光像のみおよび第2光像のみをそれぞれ別方向から観察可能なものであれば、点光源方向とは異なる方向からも観察可能なものであってもよい。
上記第2光像のみを観察可能な方向、すなわち、第2光像と共に第1光像を同時に観察できない方向の反射型ホログラム形成領域に対する仰角としては、例えば、60°以上であることが好ましく、なかでも70°以上であることが好ましく、特に、80°以上であることが好ましい。上記仰角が上述の範囲内であることにより、本発明のホログラム構造体は、第1光像および第2光像を別角度でそれぞれ観察可能とすることが容易となるからである。
なお、第2光像のみを観察可能な方向の反射型ホログラム形成領域に対する仰角は、例えば、既に説明した図3(a)中のθ2とすることができる。
上記第2光像により表示される画像としては、上記第1光像により表示される画像と同様とすることができる。
(c)第1光像の形成方法
第1光像の形成方法、すなわち第1光像を含む光像を再生可能なホログラム形成領域の形成方法としては、例えば、本発明のホログラム構造体のホログラム形成領域よりも面積の広い仮想ホログラム形成領域において原画像の全体を点光源方向から観察可能に格子ピッチを設計し、次いで、設計により得られた格子ピッチで仮想ホログラム形成領域よりも面積の狭いホログラム形成領域を形成する方法を挙げることができる。
上記形成方法は、より具体的には、既に説明した図4のように点光源方向からは「OK」の画像のみが観察され、点光源方向とは異なる方向からは「1」の画像のみが観察されるものとする場合には、点光源方向から観察した際に仮想ホログラム形成領域内において中央部分に「OK」の画像が配置され、中央部分より右側に外側に「1」の画像が配置された原画像の全体を再生可能とするように、以下の式(1)が成り立つ格子ピッチを設計する。
より具体的には、図7(a)に例示するように、幅L2の仮想ホログラム形成領域22に対して、仮想ホログラム形成領域22の中心点から垂直方向に所定の距離L3の位置に点光源21が配置され、仮想ホログラム形成領域22の中心点から垂直方向に所定の距離L4の位置から仮想ホログラム形成領域22を観察する場合、観察者31aが、図7(b)に例示するように仮想ホログラム形成領域22内に原画像の全体を観察可能とするように、以下の式(1)が成り立つ格子ピッチを設計する。
次いで、設計により得られた格子ピッチで、幅L2より狭い幅L1のホログラム形成領域を形成する。より具体的には、図7(b)に示すように、「OK」の画像のみが観察され、「1」の画像が含まれないものとなる幅L1で、ホログラム形成領域を形成する方法を挙げることができる。
P=nλ/(sinθa+sinθb) (1)
なお、λは回折光の波長、Pは凹凸表面の格子ピッチ、θaは光源からホログラム形成領域の端部まで到達するための入射角、θbはホログラム形成領域の端部からの回折光が観察者に到達するための回折角、nは回折の次数である。
なお、図8(a)に例示するように、設計により得られた格子ピッチで仮想ホログラム形成領域と同一幅L2のホログラム形成領域11を形成した場合、点光源方向から観察する観察者31aは、図8(b)に例示するように、ホログラム形成領域11内に、「OK」の画像および「1」の画像の両者を含む原画像の全体を観察することができる。
一方、図8(a)に示すように、点光源方向とは異なる方向から観察する観察者31bは、図8(c)に例示するように、ホログラム形成領域11内に、光像を観察することができないものとすることができる。
また、例えば、図9(a)に例示する原画像を、幅L2の仮想ホログラム形成領域22内にその全体が表示されるように格子ピッチを設計した上で、幅L1でホログラム形成領域を形成した場合には、既に説明した図5に示すように90°ずつ異なる方位角から第1光像の画像である「1」、「2」、「3」および「4」をそれぞれ観察可能とすることができる。
さらに、例えば、図9(b)に例示する原画像を、幅L2の仮想ホログラム形成領域22内にその全体が表示されるように格子ピッチを設計した上で、幅L1でホログラム形成領域を形成した場合には、既に説明した図6に示すように、異なる仰角から第1光像の画像である「1」および「2」をそれぞれ観察可能とすることができる。
(d)光像の観察方法
上記光像は、点光源をホログラム層の蒸着層とは反対側の表面上に配置して、観察されるものである。
このような点光源の反射型ホログラム形成領域との距離としては、本発明のホログラム構造体の種類および用途等に応じて適宜設定できるものである。
上記点光源の反射型ホログラム形成領域との距離としては、例えば、ホログラム構造体またはこれを有する物品を観察者が手で掴んで第1光像を観察容易とする観点からは、1cm〜50cmの範囲内とすることができ、5cm〜30cmの範囲内であることが好ましく、なかでも、5cm〜20cmの範囲内であることが好ましい。
第1光像の観察者の反射型ホログラム形成領域との距離としては、本発明のホログラム構造体の種類および用途等に応じて適宜設定できるものである。
このような第1光像の反射型ホログラム形成領域との距離としては、例えば、ホログラム構造体またはこれを有する物品を観察者が手で掴んで第1光像を観察容易とする観点からは、5cm〜70cmの範囲内とすることができ、10cm〜50cmの範囲内であることが好ましく、なかでも、20cm〜50cmの範囲内であることが好ましい。
なお、点光源の反射型ホログラム形成領域との距離および第1光像の観察者の反射型ホログラム形成領域との距離としては、それぞれ点光源および観察者と反射型ホログラム形成領域の中心点との距離とすることができ、具体的には、図3および図7中のL3およびL4の距離とすることができる。
また、本発明のホログラム構造体は、光像として点光源とは異なる方向からのみ観察可能な第1光像を含むものである。
このような第1光像の観察方法としては、点光源をホログラム形成領域の中心点から垂直方向に配置して観察する方法に限定されず、点光源方向のホログラム形成領域に対する仰角(以下、単に点光源方向の仰角と称する場合がある。)を90°未満となる方向に点光源を配置して観察する方法であってもよい。
例えば、図10(a)に例示するように、既に説明した図4のホログラム構造体10のように、点光源21をホログラム形成領域11の中心点から垂直方向に配置した際に、点光源方向、すなわち、ホログラム形成領域11の中心点から垂直方向とは異なる方向からのみ第1光像12を観察可能なホログラム構造体10について、点光源21を点光源方向の仰角が90°未満となる方向に配置して観察する場合、点光源21と同一方向からホログラム形成領域11を観察する観察者31bは、ホログラム形成領域11内に第2光像13の画像である「OK」のみを観察することができ(図10(b))、図10(a)において点光源21とは異なる方向からホログラム形成領域11を観察する観察者31aは、ホログラム形成領域11内に第1光像12の画像である「1」のみを観察可能とすることができる(図10(c))。
なお、図10(a)は、第1光像12の画像を観察する観察者31aがホログラム形成領域11の中心点から垂直方向の方向(θ1が90°)から観察する例を示すものである。
また、図10(a)において第2光像13の画像を観察する観察者31bは、既に説明した図4において第1光像12の画像を観察する観察者31bとは180°方位角が異なる方向から観察する例を示すものである。
(2)反射型ホログラム形成領域
反射型ホログラム形成領域は、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録された領域である。
ここで、位相型フーリエ変換ホログラムが記録されるとは、原画像のフーリエ変換を介して得られたフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録されることをいうものである。したがって、位相型フーリエ変換ホログラムが記録されたホログラム層のホログラム形成領域には、凹凸表面が形成される。
上記ホログラム層は、ホログラム形成領域の凹凸表面を構成する凹凸形状の高低差により、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、すなわちフーリエ変換レンズとして機能するものである。このような機能により、任意の点光源から入射する光が所定の複数の方向に回折され所定のイメージが光像として形成されるものである。なお、上述の機能のことを「フーリエ変換レンズ機能」と称する場合がある。
上記ホログラム形成領域は、反射型であり、点光源をホログラム層の蒸着層とは反対側の面側である観察面側に配置して、観察面側からホログラム層を平面視した際に、ホログラム形成領域内に光像を再生可能なものである。
上記ホログラム形成領域は、点光源から入射した光を所望の光像へ変換可能な領域をいうものであり、具体的には、上記光像へ変換可能なホログラムセルの全てを含むことができる最小面積の長方形で囲まれる領域である。
上記ホログラム形成領域の平面視サイズとしては、点光源とは異なる方向からのみ第1光像を観察可能なものであればよい。
上記平面視サイズは、例えば、ホログラム構造体またはこれを有する物品を観察者が手で掴んで第1光像を観察容易とする観点からは、2mm角以上とすることができ、なかでも、5mm角以上30mm角以下の範囲内であることが好ましく、特に、10mm角以上20mm角以下の範囲内であることが好ましい。上記平面視サイズが上述のサイズであることにより、本発明のホログラム構造体は、小さな視点移動で第1光像を観察できる等、第1光像を観察容易とすることができるからである。
なお、ホログラム形成領域の平面視サイズが5mm角以上であるとは、上記ホログラム形成領域が、5mm角の正方形の範囲を少なくとも含む平面視形状であることをいうものである。したがって、ホログラム形成領域が長方形状である場合には、その短辺の長さが5mm以上であることをいうものであり、ホログラム形成領域が正方形状である場合には、その1辺の長さが5mm以上であることをいうものである。
上記ホログラム形成領域の平面視形状としては、例えば、正方形状であってもよく、長方形状であってもよいが、長方形状であることが好ましい。例えば、第1光像の観察可能な方位角を、ホログラム形成領域の中心点から、長方形状の短辺に平行な方向とすることで、わずかな視点移動で第1光像を観察可能とすることができるからである。
また、例えば、第1光像の観察可能な方位角を、ホログラム形成領域の中心点から、長方形状の長辺に平行な方向とすることで、大きく視点移動をしないと、第1光像を観察できないことを知っている者のみが、第1光像を観察可能とすることが容易だからである。
本発明において、上記ホログラム形成領域は、図11(a)で示されるように、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録された1つのホログラムセル11a(以下、単に、ホログラムセルと称する場合がある。)からなるホログラム形成領域11(以下、単に、単一ホログラム領域と称する場合がある。)であってもよいが、通常、図11(b)で示されるようにホログラムセル11aを複数配列させて拡大させたホログラム形成領域11(以下、大判ホログラム領域と称する場合がある。)である。
なお、図11中の「1」は、単一、または大判ホログラム領域においてそれぞれ発現される第1光像12の画像である。
上記ホログラム形成領域が大判ホログラム領域である場合、ホログラム形成領域を構成する個々のホログラムセルの平面視サイズとしては、精度良くホログラム形成領域を形成可能なものであればよい。
上記平面視サイズは、0.25mm角以上5mm角以下の範囲内であることが好ましい。上記平面視サイズが上述の範囲内であることにより、上記ホログラム構造体は、ホログラム形成領域内への光像の再生が容易なものとなるからである。
なお、上記平面視サイズは、上記ホログラムセルを含むことができる最小の正方形の大きさをいうものである。したがって、ホログラムセルが1辺1mmの正方形である場合の平面視サイズは1mm角となる。また、ホログラムセルの平面視形状が直径1mmの円形状である場合の平面視サイズは1mm角となる。
上記ホログラムセルの上記ホログラム形成領域に占める平面視上の面積の割合としては、所望の光像を再生可能なものであれば特に限定されるものではないが、25%以上であることが好ましく、なかでも、50%以上であることが望ましい。上記面積割合が上述の範囲であることより、ホログラム構造体は、光像を鮮明に再生可能なものとなるからである。
上記ホログラムセルの平面視形状としては、所望の平面視形状のホログラム形成領域を形成可能なものであればよく、任意の形状とすることができる。具体的には、上記平面視形状は、正方形状、長方形状等の矩形状、台形状、三角形状、五角形状、六角形状等の多角形状、円形状、楕円形状、星型形状、ハート型形状等とすることができるが、ホログラム形成領域の形成容易の観点から、通常、矩形状が用いられる。
本発明において、ホログラム形成領域の凹凸表面の凹凸形状は、光像として表示させる原画の画像データをもとに形成される多値化されたフーリエ変換像を、縦横方向に所望の範囲まで複数個配列させたときの、フーリエ変換像のパターンに相当するものである。
このような凹凸表面のホログラム形成領域へ形成方法としては、点光源から入射した光を所望の光像へ変換可能な凹凸表面を形成可能な方法であればよく、一般的なフーリエ変換ホログラムの形成方法を用いることができる。
上記形成方法は、具体的には、フーリエ変換像に対応した凹凸パターンを有するマスター原版を形成し、PET等の基材上に形成した紫外線硬化樹脂等の樹脂材料の塗膜に当該原版の凹凸パターンを転写することでホログラム形成領域の凹凸表面を形成する方法を挙げることができる。
また、マスター原版の凹凸パターンの転写を1回のみ行うことにより、ホログラム形成領域として、1つのホログラムセルからなる単一ホログラム領域を形成することができる。そして、マスター原版の凹凸パターンの転写を複数回行うことにより、ホログラム形成領域として、複数のホログラムセルが配列された所望の大きさの大判ホログラム形成領域を有するホログラム層を形成することができる。
マスター原版の形成方法としては、表示させる原画の画像データをもとに、計算によりフーリエ変換像を形成する。次に、上記フーリエ変換像のデータを二値以上に多値化したものを電子線描画用データへ変換し、上記電子線描画用データを希望の範囲まで配列させる。例えば、電子線描画用データを縦、横方向に各10個ずつ配列させる。次いで、配列した電子線描画用データをもとに電子線描画装置でマスター原版を作成する方法を用いることができる。
電子線描画用データとして上記フーリエ変換後のデータを二値化したものを用いた場合には、上記凹凸表面の凹凸形状は、図12(a)に示すように2段の凹凸形状となり、四値化したものを用いた場合には、図12(b)に示すように4段の凹凸形状となる。
本発明においては、上記フーリエ変換像のデータの多値化が、四値以上に多値化するもの、すなわち、上記凹凸形状が4段以上の凹凸形状であることが好ましい。複雑な形状の光像を再生可能となるからである。また、ホログラム形成領域内に第1光像を大面積で表示可能となるからである。
上記凹凸表面の格子ピッチとしては、点光源から入射した光を所望の光像へ変換可能なものであればよい。
具体的には、上記格子ピッチは、1.0μm〜80.0μmの範囲内であることが好ましい。上記格子ピッチが上述の範囲内であることにより、上記ホログラム構造体は、ホログラム形成領域内への光像の再生の容易なものとなるからである。
なお、格子ピッチは、例えば、図12中のPで示される幅をいうものである。
ここで、格子ピッチの設計方法については、上記「(1)光像」の「(c)第1光像の形成方法」の項に記載とおり、既に説明した図7に示すように、ホログラム構造体のホログラム形成領域より面積の広い仮想ホログラム形成領域22に対して所定の距離L3の位置に光源が配置され、仮想ホログラム形成領域22から所定の距離L4の位置で観察者31aがホログラム形成領域22を観察する場合、観察者31aが仮想ホログラム形成領域22の全領域で第1光像を含む光像の全体像を観察できるように、格子ピッチについて上記の式(1)が成り立つものとすることができる。
上記格子ピッチの具体的な計算例としては、仮想ホログラム形成領域が1辺の幅L2が15mmの正方形状であり、L3が50mm、L4が300mmであり、波長550nmの光である場合、sinθb=0.025であり、sinθa=0.148と計算され、観察者が仮想ホログラム形成領域の全領域で光像の全体像を観察するために必要な格子ピッチPは、最短で3179nmと計算される。
また、仮想ホログラム形成領域が1辺の幅L2が15mmの正方形状であり、L3が1990mm、L4が2000mmであり、波長550nmの光である場合、sinθb=0.00374であり、sinθa=0.00377と計算され、上記格子ピッチPは、最短で73236nmと計算される。
さらに、仮想ホログラム形成領域が1辺の幅L2が10mmの正方形状であり、L3が60mm、L4が60mmであり、波長550nmの光である場合、sinθb=0.083であり、sinθa=0.083と計算され、上記格子ピッチPは、最短で3313nmと計算される。
ホログラム形成領域の仮想ホログラム形成領域に対する面積比率(ホログラム構造体のホログラム形成領域の面積/仮想ホログラム形成領域の面積)については、第1光像の仰角、画像の大きさ等に応じて適宜設定することができる。
上記面積比率は1未満であればよく、例えば、1/3以上とすることができる。
上記凹凸形状の深さは、4段の凹凸構造の場合0.1μm〜0.3μmの範囲内程度とすることができる。
なお、深さは、例えば、図12中のDで示されるものである。
上記ホログラム形成領域において、上述のフーリエ変換レンズ機能を発現できる点光源の波長としては特に限定されるものではなく、所望の波長を対象とすることができる。また、点光源の波長としては、一波長の単色光に限られず、多波長を含む光であってもよく、さらには白色光であってもよい。
(3)回折格子セル
上記ホログラム形成領域は、点光源から入射した光を上記光像へ変換可能なホログラムセルのみが配置されるものであってもよいが、点光源から入射した光を上記光像へ変換可能なホログラムセルと、上記ホログラムセルと同一平面上に形成され、平面視上パターン状に配置されることにより回折格子図柄を描画する回折格子セルと、が配置されているものであってもよい。
ホログラム形成領域に、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録されたホログラムセルと、回折格子図柄を描画する回折格子セルとが配置されていることにより、上記ホログラム形成領域内に上記光像および上記回折格子図柄の両者を再生することができる。
例えば、反射型ホログラム形成領域が反射型セルと回折格子セルとを有する場合には、反射型ホログラム形成領域内に上記光像および上記回折格子図柄の両者を再生することができる。
また、上記ホログラム構造体は、ホログラム形成領域内に、点光源からの光の入射前に、回折格子図柄を再生可能であり、点光源からの光の入射時には上記光像を再生可能となる。このため、上記ホログラム構造体は、ホログラム形成領域には回折格子図柄が記録され、光像が記録されていないものであると装うことができ、情報の秘匿性に優れたものとすることもできる。
したがって、上記光像および上記回折格子図柄を組み合わせることにより、ホログラム構造体は、偽造防止性および意匠性に優れたものとなるからである。
ホログラム形成領域にホログラムセルと回折格子セルとが配置されているホログラム構造体を図を参照して説明する。
図13(a)は、ホログラム形成領域11にホログラムセル11aおよび回折格子セル15aの両者を有する場合のホログラム構造体の一例を示す概略平面図であり、図13(b)は、図13(a)のB−B線断面図である。
図13では、回折格子図柄15が「F」の文字である例を示すものである。
ここで、同一平面上に形成されるとは、上記ホログラムセルおよび上記回折格子セルが上記ホログラム層の同一表面に形成されることをいうものである。すなわち、上記ホログラム層の同一表面にホログラムセルの凹凸表面および回折格子セルの凹凸表面の両者が形成されることをいうものである。
上記回折格子図柄は、参照光として可視光を照射することにより、回折格子セルが配置されたパターン形状の図柄が再生されるものである。
ここで、回折格子図柄は、平面視上パターン状に配置された回折格子セルにより描画された図柄であり、原図柄を例えば碁盤目状の微細セルに分割し、分割された微細セルを回折格子セルに置き換えて描画されたものである。
既に説明した図13は、回折格子セル15aが「F」の文字のパターン状に配置されることにより回折格子図柄15を描画する例を示すものであり、上記回折格子図柄15に対して参照光を照射することで、上記ホログラム形成領域11内に回折格子図柄15として「F」の文字が再生される。
上記図柄としては、具体的には、本発明のホログラム構造体の用途等に応じて、適宜設定することができ、例えば、パターン、線画、文字、図形、記号等を挙げることができる。
また、上記光像と組み合わせることで、光像単独の場合と比較して、偽造防止性および意匠性を特に向上できる図柄としては、具体的には、図14(a)および(b)に例示するように、光像の再生箇所を指し示す矢印、光像の再生箇所を囲む枠、光像の再生箇所であることを示す文字等の光像の認識に用いられる図柄、図14(c)および(d)に例示するように上記光像が図形の一部を表わすものである場合に、図形の他の部分を表わす図柄、図14(e)および(f)に例示するように上記光像が文字列または数列の一部を表わす画像である場合に、文字列または数列の他の部分を表わす図柄、上記光像が太陽を表わす画像である場合に、太陽の周囲に配置される雲や空等の背景を表わす図柄等の上記ホログラム形成領域内に再生される光像との組み合わせで1つの統一感のある画像を形成する図柄等を挙げることができる。
なお、図14(a)、(c)および(e)は、それぞれ、光像再生前の状態を示し、図14(b)、(d)および(f)は、それぞれ光像再生時の状態を示すものである。より具体的には、図14(b)、(d)および(f)は、光像として第1光像12の再生時の状態を示すものである。
また、図14(a)および(b)では、回折格子図柄15は、ホログラム形成領域11内の光像の再生箇所を指し示す矢印である。図14(c)および(d)では、回折格子図柄15は、楕円の一部であり、光像により示される楕円の他の部分と組み合わせて1つの楕円を表示可能なものである。図14(e)および(f)では、回折格子図柄15は、文字列「ホンモノ」の一部であり、光像により示される文字列「ホンモノ」の他の部分と組み合わせて1つの意味のある文字列「ホンモノ」を表示可能なものである。
上記回折格子図柄は、平面的に図柄を再生可能な平面回折格子図柄であってもよく、立体的に図柄を再生可能な立体回折格子図柄であってもよい。
上記回折格子図柄が平面回折格子図柄であることにより、平面回折格子図柄と上記光像とを組み合わせることが可能となることで、ホログラム構造体は偽造防止性および意匠性に優れたものとなるからである。また、平面回折格子図柄は高輝度なものとすることが容易であり、視認性に優れた回折格子図柄を再生できるからである。
上記回折格子図柄が立体回折格子図柄であることにより、立体回折格子図柄と光像とを組み合わせることが可能となることで、ホログラム構造体は偽造防止性および意匠性に優れたものとなるからである。
上記回折格子図柄は、平面回折格子図柄または立体回折格子図柄であってもよく、両者を組み合わせたものであってもよい。
上記平面回折格子図柄の形成方法としては、回折格子図柄が回折光の振幅が同程度の回折格子セルを用いて描画する方法を挙げることができる。
また、回折光の振幅を同程度とする方法としては、特許第4984938号公報に記載されるように、回折格子セルの回折格子が形成されている領域(以下、単に回折格子形成領域と称する場合がある。)の面積を同程度とする方法が挙げられる。すなわち、平面回折格子図柄は、回折格子形成領域の面積が同程度の回折格子セルを敷き詰めることで描画されたものとすることができる。また、同程度の回折格子形成領域の面積として、どの程度の回折格子形成領域の面積の回折格子セルを用いるかについては、平面回折格子図柄が再生可能なものであればよく、再生される平面回折格子図柄のサイズ、カラー表示の有無等に応じて適宜設定されるものである。
上記立体回折格子図柄の形成方法としては、上記回折格子図柄の端部側より中央部側に回折光の振幅が大きい回折格子セルを配置する方法が挙げられる。
より具体的には、図13(a)では、「F」の文字が回折格子セルを幅方向に3個配置した描画線により描画されている(例えば、15a1、15a2および15a3)。この場合、描画線の幅方向の端部側に配置される回折格子セル15a1および15a3より、中央部側に配置される回折格子セル15a2を回折光の振幅が大きい回折格子セルとすることで、参照光を照射した際に「F」の文字が立体的に浮かび上がるように再生することが可能となる。
また、回折光の振幅を端部側より中央部側を大きくする方法としては、特許第4984938号公報に記載されるように、端部側より中央部側に回折格子形成領域の面積が広い回折格子セルを配置する方法を挙げることができる。すなわち、立体回折格子図柄は、回折格子図柄の端部側より中央部側に回折格子形成領域の面積が広い回折格子セルが配置されたものとすることができる。
例えば、図13(a)中の回折格子セル15a1〜15a3の拡大図である図15に例示するように、描画線の幅方向の端部側に配置される回折格子セル15a1および15a3より、中央部側に配置される回折格子セル15a2を、回折格子形成領域15bの面積が広い回折格子セルとすることができる。
上記回折格子セルの上記ホログラム形成領域に占める平面視上の面積の割合としては、所望の回折格子図柄を描画可能なものであれば特に限定されるものではない。
上記ホログラム形成領域内の上記ホログラムセルの合計面積に対する上記回折格子セルの合計面積の割合(回折格子セルの合計面積/ホログラムセルの合計面積)は、光像および回折格子図柄の両者を鮮明に再生できるものであれば特に限定されるものではないが、上記回折格子図柄が平面回折格子図柄である場合には、1/4〜3/2の範囲内であることが好ましく、なかでも、1/2〜1の範囲内であることが好ましく、特に、5/8〜7/8の範囲内であることが好ましい。上記面積の割合が上述の範囲内であることにより、ホログラム構造体は、光像および平面回折格子図柄の両者の視認性に優れたものとなるからである。
また、上記合計面積割合は、上記回折格子図柄が立体回折格子図柄である場合には、1/3〜4の範囲内であることが好ましく、なかでも、2/3〜3の範囲内であることが好ましく、特に、1〜2の範囲内であることが好ましい。上記面積の割合が上述の範囲内であることにより、ホログラム構造体は、光像および立体回折格子図柄の両者の視認性に優れたものとなるからである。
上記回折格子セルの格子ピッチ、格子角度、格子密度(図柄に対して回折格子セルが占める平面視上の面積割合)は、参照光が照射された際に再生される図柄に応じて適宜設定されるものである。
例えば、格子ピッチをそれぞれ1.2μm程度、1.0μm程度および0.8μm程度とすることで、それぞれ波長600nm用(赤色用)、500nm用(緑色用)、400nm(青色用)の光を回折するものとすること等が可能となり、カラー画像を再生可能なものとすることができる。
また、さらに格子角度および格子密度により様々な図柄を表現可能なものとすることができる。
上記回折格子セルの平面視サイズとしては、再生される回折格子図柄に応じて適宜設定できるものであるが、例えば、5μm角以上100μm角以内とすることができる。上記平面視サイズであることにより、高精細な回折格子図柄を描画できるからである。また、回折格子図柄を描画する個々の回折格子セルの存在を隠ぺいできるからである。
上記回折格子セルの平面視形状としては、再生される回折格子図柄に応じて適宜設定できるものであるが、例えば、ホログラムセルと同様とすることができる。
上記回折格子セルの凹凸表面のホログラム形成領域への形成方法については、一般的な回折格子図柄の形成方法と同様とすることができる。
上記回折格子図柄の再生に用いられる参照光については特に限定されるものではなく、一般的なホログラムに用いられるものを使用できる。
上記参照光としては、具体的には、可視光を含む光を用いることができる。
例えば、参照光は、上記ホログラム層のホログラムセルに記録された光像の再生に用いられる点光源と同一とすることができる。
上記参照光の光源は、点光源に限らず、太陽光等の平行光等であってもよい。
上記ホログラム構造体は、例えば、上記点光源以外の光源からの参照光が照射される明所に配置することで回折格子図柄を再生でき、さらにその明所において、上記点光源をホログラム形成領域上に配置することで光像も再生可能となる。
(4)その他
上記ホログラム層を構成する材料としては、ホログラム形成領域において上述したフーリエ変換レンズ機能を発現するための凹凸形状を形成でき、かつ、所定の屈折率を示すものであれば特に限定されない。上記ホログラム層を構成する材料が示す屈折率としては、特に限定されるもではなく、本発明のホログラム構造体の用途に応じて適宜設定が可能である。
また、上記屈折率の基準となる波長も特に限定されず、400nm〜750nmの範囲内から適宜選択すればよい。中でも本発明においては、波長555nmにおける屈折率が1.3〜2.0の範囲内であることが好ましく、特に1.33〜1.8の範囲内であることが好ましい。ここで、上記屈折率は分光エリプソメーターにより測定することができる。
上記ホログラム層の材料としては、従来からレリーフ型ホログラム等の形成に使用されている樹脂材料、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂の硬化物、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、上記熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独重合体であっても2種以上の構成成分からなる共重合体であってもよい。また、これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂は、各種イソシアネート化合物、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の有機過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱あるいは紫外線硬化剤を含んでいてもよい。
また、上記電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等が挙げられ、中でもウレタン変性アクリレート樹脂が好ましく、特に特開2007−017643号公報で示される化学式で表わされるウレタン変性アクリル系樹脂が好ましい。
上記電離放射線硬化性樹脂を硬化させる際には、架橋構造、粘度の調整等を目的として、単官能または多官能のモノマー、オリゴマー等を併用することができる。上記単官能モノマーとしては、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート等のモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、2官能以上のモノマーとしては、骨格構造で分類するとポリオール(メタ)アクリレート(例えば、エポキシ変性ポリオール(メタ)アクリレート、ラクトン変性ポリオール(メタ)アクリレート等)、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、その他ポリブタジエン系、イソシアヌール酸系、ヒダントイン系、メラミン系、リン酸系、イミド系、ホスファゼン系等の骨格を有するポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに、紫外線、電子線硬化性である種々のモノマー、オリゴマー、ポリマーが利用できる。
更に詳しくは、2官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。3官能のモノマー、オリゴマー、ポリマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。4官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、5官能以上のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、ホスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。官能基数は特に限定されるものではないが、官能基数が3より小さいと耐熱性が低下する傾向があり、また、20を超える場合には柔軟性が低下する傾向があるため、特に官能基数が3〜20の範囲内のものが好ましい。
上記のような単官能または多官能のモノマー、オリゴマーの含有量としては適宜調整することができるが、通常、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して50重量部以下とすることが好ましく、中でも0.5重量部〜20重量部の範囲内が好ましい。
また、上記ホログラム層は必要に応じて、光重合開始剤、重合禁止剤、劣化防止剤、可塑剤、滑剤、染料や顔料などの着色剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤等の添加剤を、適宜加えてもよい。
上記ホログラム層の膜厚としては、上記ホログラム層が自己支持性を有する場合、0.05mm〜5mmの範囲内が好ましく、中でも0.1mm〜3mmの範囲内であることが好ましい。一方、上記ホログラム層が自己支持性を有さず、後述する透明基材上に形成される場合は、ホログラム層の膜厚としては、0.1μm〜50μmの範囲内が好ましく、中でも2μm〜20μmの範囲内とすることが好ましい。
なお、上記ホログラム層の膜厚は、具体的には、既に説明した図2のaで示される距離である。
また、ホログラム層の平面視上の大きさ等については、本発明のホログラム構造体の用途に応じて適宜設定することができる。
本発明におけるホログラム層は、ホログラム形成領域を少なくとも有するものであるが、上記ホログラム形成領域の他に、凹凸形状が形成されていない領域(非ホログラム形成領域)を有してもよい。
上記ホログラム層において上記各領域が占める割合については、特に限定されるものでは無く、用途に応じて適宜選択することができる。
2.蒸着層
本発明における蒸着層は、ホログラム層のホログラム形成領域の凹凸表面に接するように形成されるものである。
上記蒸着層は、透明性を有していてもよく、反射性を有するものであってもよい。
上記蒸着層が透明性を有する透明蒸着層である場合には、ホログラム構造体は、平面視した際にホログラム形成領域が光沢を有しないものとなる。このため、上記ホログラム構造体は、上記ホログラム形成領域が隠ぺいされたものとなり、上記ホログラム構造体は、偽造防止性および意匠性に優れたものとなる。
一方、上記蒸着層が反射性を有する反射性蒸着層である場合には、ホログラム構造体は、ホログラム形成領域内に鮮明に光像を再生可能となる。このため、上記ホログラム構造体は、偽造防止性および意匠性に優れたものとなる。
上記透明蒸着層は、全光線透過率(以下、単に光透過率とする場合がある。)が80%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることがより好ましい。上記光透過率であることにより、ホログラム構造体は、ホログラム形成領域がより隠ぺいされたものとなるからである。
なお、上記光透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定した値である。
上記蒸着層を構成する材料としては、ホログラム層との間で屈折率差を生じる材料であれば特に限定されるものではない。上記反射性蒸着層を形成可能な材料としては、例えば、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Rb、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Au、Pb、もしくはBi等の金属を挙げることができる。
また、上記透明蒸着層を形成可能な材料としては、例えば、上記金属の酸化物を挙げることができる。
上記材料は、単独でまたは2以上の材料を組み合わせたものも用いることができる。
上記蒸着層の厚みは、所望の反射性、色調、デザイン、用途等の観点から適宜に設定でき、例えば、50Å〜1μmの範囲内であることが好ましく、なかでも100Å〜1000Åの範囲内であることが好ましい。
なお、上記蒸着層の厚みは、具体的には、既に説明した図2のbで示される距離である。
上記蒸着層の形成箇所は、少なくともホログラム形成領域内の全ての凹凸表面と平面視上重なるものであればよく、ホログラム層の凹凸表面側の全表面を覆うものであってもよい。
上記蒸着層の形成方法としては、一般的な蒸着層の形成方法を用いることができ、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を挙げることができる。
3.その他の構成
本発明のホログラム構造体は、ホログラム層および蒸着層を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであってもよい。
(1)透明基材
本発明のホログラム構造体は、上記ホログラム層の蒸着層とは反対側の表面に形成された透明基材を有するものであってもよい。透明基材を有することにより、本発明のホログラム構造体の熱的または機械的強度を高めることができるからである。
上記透明基材は、上記ホログラム層と直接接するように形成されるものであってもよく、他の層を介して形成されるものであってもよい。
例えば、透明基材は、後述する層間接着層を介してホログラム層表面に接着されたものとすることができる。
上記透明基材の光透過率は、80%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることがより好ましい。透明基材の光透過率を上述の範囲内とすることにより、ホログラム構造体は、光像の視認が容易なものとなるからである。
また、上記透明基材はヘイズ値が低いものほど好ましく、具体的にはヘイズ値が0.01%〜5%の範囲内であるものが好ましく、中でも0.01%〜3%の範囲内であるものが好ましく、特に0.01%〜1.5%の範囲内であるものが好ましい。透明基材のヘイズ値を上記範囲内とすることにより、視認性を阻害することなくホログラム形成領域において発現する光像の表示が可能となるからである。なお、上記透明基材のヘイズ値は、JIS K7136に準拠して測定した値とする。
上記透明基材の構成材料としては、上述の光透過率およびヘイズ値を示すものであれば特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂等の樹脂フイルム、石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等のガラスを用いることができる。中でも、上記透明基材としては、軽量且つ破損等の危険性が少ないという点から、樹脂フイルムを用いることが好ましく、複屈折性の面からポリカーボネートが最適である。
上記透明基材は、必要に応じて、添加剤が含まれていてもよい。
上記添加剤としては、例えば、分散剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等を挙げることができる。
上記透明基材の膜厚としては、ホログラム層等を支持するための剛性および強度を有することが可能な厚さであればよく、例えば0.005mm〜5mm程度であることが好ましく、中でも0.02mm〜1mmの範囲内であることが好ましい。また、上記透明基材の形状については特に限定されるものではなく、本発明のホログラム構造体の使用形態に応じて適宜選択することができる。
上記透明基材は、他の層との密着性を向上させるために、例えば表面にコロナ処理等が行われていてもよい。
(2)画像表示層
本発明のホログラム構造体は、上記光像と組み合わせて用いられる画像を表示する画像表示層を有することが好ましい。
上記画像表示層が表示する画像と、上記ホログラム形成領域内に再生される光像とを組み合わせることが可能となり、上記ホログラム構造体は、偽造防止性および意匠性に優れたものとなるからである。
ここで、上記画像としては、光像と組み合わせることで、偽造防止性および意匠性を向上できるものであれば特に限定されるものではない。
上記画像としては、具体的には、本発明のホログラム構造体の用途等に応じて、適宜設定することができ、例えば、パターン、線画、文字、図形、記号等のみならず、単に全面が着色された態様も含むものである。
また、上記光像と組み合わせることで偽造防止性および意匠性をより向上できる画像としては、例えば図16(a)および(b)に例示するように、上記ホログラム形成領域の形成箇所を指し示す矢印、上記形成箇所を囲む枠、上記形成箇所であることを示す文字等のホログラム形成領域の認識に用いられる画像、図16(c)および(d)に例示するように上記光像が図形の一部を表わすものである場合に、図形の他の部分を表わす画像、図16(e)および(f)に例示するように上記光像が文字列または数列の一部を表わす画像である場合に、文字列または数列の他の部分を表わす画像、上記光像が太陽を表わす画像である場合に、太陽の周囲に配置される雲や空等の背景を表わす画像等の上記ホログラム形成領域内に再生される光像との組み合わせで1つの統一感のある画像を形成する画像等を挙げることができる。
なお、図16(a)、(c)および(e)は、それぞれ、光像再生前の状態を示し、図16(b)、(d)および(f)は、それぞれ光像再生時の状態を示すものである。より具体的には、図16(b)、(d)および(f)は、光像として第1光像12の再生時の状態を示すものである。
また、図16(a)および(b)では、画像16は、ホログラム形成領域11の形成箇所を指し示す矢印であり、ホログラム形成領域11内に光像として「ホンモノ」を表わす文字列を再生可能なものである。図16(c)および(d)では、画像16は、楕円の一部であり、光像により示される楕円の他の部分と組み合わせて1つの楕円を表示可能なものである。図16(e)および(f)では、画像16は、文字列「ホンモノ」の一部であり、光像16により示される文字列「ホンモノ」の他の部分と組み合わせて1つの意味のある文字列「ホンモノ」を表示可能なものである。
上記画像表示層は、所望の画像を表示できるものであればよく、例えば、着色材および樹脂材料を有する印刷層、平面視上パターン状に配置された回折格子セルにより描画された回折格子図柄を有する第2ホログラム層等を挙げることができる。
上記印刷層は、様々な色およびパターンの画像を容易に描画できる。上記第2ホログラム層は、参照光を照射した場合にのみ画像を表示できる。このため、上記印刷層等は、偽造防止性および意匠性に優れたホログラム構造体を容易に形成できるからである。
上記画像表示層は、1種類のみであってもよく、2種類以上を組み合わせて用いるものであってもよい。例えば、画像表示層は、複数の印刷層を含むもの、印刷層および第2ホログラム層を含むもの等とすることができる。
以下、印刷層および第2ホログラム層について説明する。
(a)印刷層
上記印刷層は、着色材および樹脂材料を有するものである。
上記樹脂材料としては、例えばポリカーボネート類、ポリエステル類、セルロース誘導体、ノルボルネン系樹脂、ポリ塩化ビニル類、ポリ酢酸ビニル類、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリプロピレン系類、ポリエチレン系類、スチレン系類等の樹脂を用いることができる。
上記着色材としては、印刷層として一般的に用いられるものを使用でき、無機顔料および有機顔料等の顔料、酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含金属油溶性染料、および昇華性色素等の染料等を挙げることができる。
また、上記着色材としては、紫外線または赤外線を吸収することにより蛍光を発する紫外線発光材料および赤外線発光材料等の蛍光発光材料、偏光コレステリック高分子液晶顔料、ガラスビーズなど反射鏡となる粒子も用いることができる。
上記印刷層の形成方法、すなわち、印刷方法としては、一般的な印刷層の形成方法と同様の方法を用いることができる。上記印刷方法としては、具体的には、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等の各種印刷法を挙げることができる。
また、上記印刷層に用いられるインクとしては、一般的な印刷層の形成に用いられるものを使用でき、上記樹脂材料および着色材を溶媒中に分散または溶解したものを用いることができる。
上記印刷層の形成位置としては、ホログラム形成領域内での光像の再生および視認を妨げない位置であれば特に限定されるものではなく、ホログラム層の蒸着層とは反対側の表面上、ホログラム層と同一平面上、蒸着層のホログラム層とは反対側の表面上等とすることができる。
上記印刷層は、上記ホログラム形成領域と平面視上重なるものであってもよいが、通常、重ならないものである。
図17(a)は、上記印刷層4が、透明基材3のホログラム層1とは反対側の表面上に形成される例を示すものである。
(b)第2ホログラム層
上記第2ホログラム層は、平面視上パターン状に配置された回折格子セルにより描画された回折格子図柄を有し、参照光を照射することにより、回折格子セルが配置されたパターン形状の図柄が再生されるものである。
このような回折格子図柄、回折格子セルおよび参照光については上記「1.ホログラム層」に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記第2ホログラム層を構成する材料としては、回折格子セルに含まれる回折格子として機能する凹凸形状を形成できるものであれば特に限定されるものではない。
このような材料としては、上記「1.ホログラム層」の項に記載のホログラム層の構成材料と同様とすることができる。
上記第2ホログラム層の膜厚としては、安定的に回折格子の凹凸形状を形成可能なものであればよく、上記「1.ホログラム層」の項に記載のホログラム層と同様とすることができる。
上記第2ホログラム層の形成位置としては、ホログラム形成領域内での光像の再生および視認を妨げない位置であれば特に限定されるものではなく、ホログラム層の凹凸表面とは反対側の表面上、ホログラム層と同一平面上、ホログラム層の凹凸表面上等とすることができる。
図17(b)は、第2ホログラム層6および第2ホログラム層6の回折格子図柄の凹凸表面に接するように形成される第2蒸着層7が、ホログラム層1の凹凸表面上に、ホログラム形成領域11と平面視上重ならないように形成される例を示すものであり、蒸着層2および層間接着層5を介して形成されるものである。
また、図17(c)は、第2ホログラム層6がホログラム層1と同一平面上に配置される例を示すものである。また、図17(c)では、第2ホログラム層6およびホログラム層1が一体として形成され、さらに、第2ホログラム層6の回折格子の凹凸形状形成面が、ホログラム層1の凹凸表面の形成面と同一である例を示すものである。
本発明のホログラム構造体は、第2ホログラム層の回折格子図柄の凹凸表面に接するように形成される第2蒸着層を有するものとすることができる。
このような第2蒸着層としては、第2ホログラム層を反射型として機能可能とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、反射型ホログラムに一般的に用いられるものとすることができる。具体的には、上記第2蒸着層は、上記「2.蒸着層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、既に説明した図17(b)は、ホログラム構造体10が、第2ホログラム層6のホログラム層1とは反対側の表面に第2ホログラム層の凹凸表面に接するように形成された第2蒸着層7を有する例を示すものである。また、図17(c)は、第2ホログラム層6の回折格子図柄の凹凸表面に接するように形成された第2蒸着層7が、蒸着層2と一体として形成される例を示すものである。
(3)層間接着層
本発明のホログラム構造体は、各構成間を接着する層間接着層を有するものであってもよい。
なお、層間接着層については、ホログラム構造体に一般的に用いられるものを使用することができ、上記透明基材およびホログラム層等を構成する材料に応じて適宜選択されるものである。
上記層間接着層としては、例えば、2液硬化型接着剤層、紫外線硬化型接着剤層、熱硬化型接着剤層、熱溶融型接着剤層等の公知の接着剤層を用いることができる。
上記層間接着層の厚みについては、接着する構成の大きさ等により適宜設定されるものである。
(4)接着層
本発明のホログラム構造体は、蒸着層のホログラム層とは反対側の表面に形成された接着層を有していてもよい。接着層を有することにより、上記ホログラム構造体は被着体に容易に貼付可能となるからである。
上記接着層は透明性を有するものであってもよく、遮光性を有するものであってもよい。
上記接着層は、粘着性を有する粘着剤層であってもよく、密着性および再剥離性の双方の特性を有する再剥離密着層であってもよい。
なお、上記接着層は、上記層間接着層と同様に2液硬化型接着剤層、紫外線硬化型接着剤層、熱硬化型接着剤層、熱溶融型接着剤層等の接着剤層であってもよい。
上記接着層が粘着剤層である場合、本発明のホログラム構造体を所望の部材に強固に貼りあわせることができ、被着体からホログラム構造体が剥がれにくいものとすることが可能となる。
また、上記接着層が再剥離密着層である場合、再剥離密着層と被着体との間に空気が入らないよう密着させることにより、本発明のホログラム構造体を所望の部材に貼りあわせることができる。このような再剥離密着層は、被着体に粘着剤等による跡を残すことなく容易に密着および剥離を繰り返し行うことが可能であり、被着体へのダメージを抑えることができる。
上記接着層が粘着剤層である場合、上記粘着剤層に用いられる樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、ラテックス系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタンエステル系樹脂、またはフッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂等を挙げることができる。上記樹脂は、中でもアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、ラテックス系樹脂であることが好ましい。
また、上記接着層が再剥離密着層である場合、上記再剥離密着層に用いられる樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等を挙げることができる。上記樹脂は、中でもアクリル系樹脂、シリコーン樹脂であることが好ましい。アクリル系樹脂は、被着体の表面に多少の凹凸がある場合であっても接着が可能であるからである。また、シリコーン樹脂は、密着および剥離を繰り返し行っても接着強度が低下しにくいからである。
上記接着層の厚みとしては、本発明のホログラム構造体の種類や用途等に応じて適宜選択されるが、通常1μm〜500μmの範囲内とすることが好ましく、中でも2μm〜50μmの範囲内とすることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、接着層は、接着性に優れたものとなるからである。
(5)剥離シート
また、本発明のホログラム構造体は、上述した接着層上に剥離シートが配置されていてもよい。本発明のホログラム構造体を接着層を介して所望の被着体に貼り合せる直前に、剥離シートと接着層とを剥離して使用することが可能となる。これにより、接着層と被着体との間に異物が付着することを防止できる。
上記剥離シートとしては、接着層を保護することができ、且つ上記接着層から容易に剥離することが可能なものであれば、特に限定されるものではない。このような剥離シートとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等からなる層とすることができる。
上記剥離シートの厚さは、本発明のホログラム構造体の種類や用途等に応じて適宜選択される。
また、上記剥離シートの接着層と接する側の面には、接着層との剥離操作を容易とするために、剥離処理が施されていることが好ましい。このような処理方法としては、例えばシリコーン処理、アルキッド処理等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
(6)任意の部材
さらに、本発明のホログラム構造体は、上記透明基材上や上記ホログラム層の非ホログラム形成領域上に紫外線吸収層や赤外線吸収層、反射防止層等を有していてもよい。この様な層を有することにより、上記ホログラム構造体に紫外線吸収機能や赤外線吸収機能、反射防止機能等を付与することができ、本発明のホログラム構造体を各種フィルタ等としても用いることが可能となる。
なお、これらの層については、一般的に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
4.ホログラム構造体
本発明のホログラム構造体は、ホログラム構造体を被着体に接着して使用するものであってもよく、被着体に接着せずに使用するものであってもよい。
上記被着体に接着して使用する態様としては、被着体との接着に用いられる接着層を有するものであれば特に限定されるものではなく、上記蒸着層の上記ホログラム層とは反対側の表面に形成された接着層を有し、ホログラムシールとして用いられる態様(第1使用態様)、上記蒸着層の上記ホログラム層とは反対側の表面に形成されたヒートシール層と、上記ホログラム層の上記蒸着層とは反対側の表面に形成された剥離容易層と、上記剥離容易層の上記ホログラム層とは反対側の表面に形成された剥離用基材と、を有し、ホログラム転写箔として用いられる態様(第2使用態様)、上記蒸着層の上記ホログラム層とは反対側の表面に形成されたヒートシール層と、上記ヒートシール層の上記蒸着層とは反対側の表面に形成された紙基材と、上記紙基材の上記ヒートシール層とは反対側の表面に形成された接着層と、上記接着層の上記紙基材とは反対側の表面に形成された剥離シートと、を有し、ラベルとして用いられる態様(第3使用態様)等を挙げることができる。
また、上記被着体に接着せずに使用する態様としては、上記ホログラム構造体が、情報記録媒体として用いられる態様(第4使用態様)等を挙げることができる。
(1)第1使用態様
本発明のホログラム構造体の第1使用態様は、上記蒸着層の上記ホログラム層とは反対側の表面に形成された接着層を有し、ホログラムシールとして用いられるものである。
このような本態様のホログラム構造体について図面を参照して説明する。図18(a)は、本態様のホログラム構造体の一例を示す概略断面図である。図18(a)に例示するように、本態様のホログラム構造体10は、上記蒸着層2の上記ホログラム層1とは反対側の表面に形成された接着層31を有し、ホログラムシールとして用いられるものである。
なお、図18(a)中の符号については、図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、ホログラム構造体10は、接着層31の蒸着層2とは反対側の表面に剥離シート32を有するものである。
本態様によれば、上記接着層を有することにより、接着層を用いてホログラム構造体を被着体に接着させることが容易であり、上記ホログラム構造体は、被着体に容易に偽造防止性および意匠性を付与できる。
このような本態様のホログラム構造体の具体的な用途としては、チケット、ブランド品、製品の品質管理番号ラベル等に貼り付けて、点光源をホログラム形成領域上に配置することでホログラム形成領域内に再生される光像を用いて真贋判定を行う用途、意匠性を付与する用途等を挙げることができる。
本態様のホログラム構造体は、接着層を有するものである。
なお、接着層については、上記「3.その他の構成」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、必要に応じて、上記「3.その他の構成」の項に記載のその他の構成等を有するものであってもよい。
(2)第2使用態様
本発明のホログラム構造体の第2使用態様は、上記蒸着層の上記ホログラム層とは反対側の表面に形成されたヒートシール層と、上記ホログラム層の上記蒸着層とは反対側の表面に形成された剥離容易層と、上記剥離容易層の上記ホログラム層とは反対側の表面に形成された剥離用基材と、を有し、ホログラム転写箔として用いられるものである。
このような本態様のホログラム構造体について図面を参照して説明する。図18(b)は、本態様のホログラム構造体の一例を示す概略断面図である。図18(b)に例示するように、本態様のホログラム構造体10は、上記蒸着層2の上記ホログラム層1とは反対側の表面に形成されたヒートシール層33と、上記ホログラム層1の上記蒸着層2とは反対側の表面に形成された剥離容易層34と、上記剥離容易層34の上記ホログラム層1とは反対側の表面に形成された剥離用基材35と、を有し、ホログラム転写箔として用いられるものである。
なお、図18(b)中の符号については、図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、ホログラム構造体10は、ヒートシール層33の蒸着層2とは反対側の表面に剥離シート32を有するものである。
本態様によれば、ヒートシール層を用いて上記ホログラム構造体を被着体に接着させることが容易であり、上記ホログラム構造体は、被着体に容易に偽造防止性および意匠性を付与できる。
また、ホログラム層の蒸着層とは反対側に剥離層を介して剥離用基材が形成されていることにより、被着体に貼付する前にホログラム構造体が損傷することを防ぐことができる。
このような本態様のホログラム構造体の具体的な用途としては、チケット、ブランド品、製品の品質管理番号ラベル等に所望のパターン形状で転写して、点光源をホログラム形成領域上に配置することでホログラム形成領域内に再生される光像を用いて真贋判定を行う用途、意匠性を付与する用途等を挙げることができる。
本態様のホログラム構造体は、ヒートシール層、剥離容易層および剥離用基材を有するものである。
以下、本態様のホログラム構造体の各構成について詳細に説明する。
上記ヒートシール層は、ホログラム層および蒸着層と被着体とを接着させる機能を有するものである。
このようなヒートシール層としては、ホログラム層と被着体とを接着できるものであれば特に限定されるものではなく、本態様のホログラム構造体からホログラム層および蒸着層が転写される被着体の種類に応じて適宜設定されるものである。
上記ヒートシール層としては、例えば、特開2014−16422号公報等に記載の熱可塑性樹脂を含むヒートシール層を用いることができる。
上記剥離用基材は、ホログラム層および蒸着層等を支持するものである。
また、上記剥離用基材は、本態様のホログラム構造体を被着体に接着した後にホログラム構造体から剥離されるものである。
このような剥離用基材としては、透明性を有するものであってもよく、遮光性を有するものであってもよい。
上記剥離用基材を構成する材料および膜厚としては、例えば、上記「3.その他の構成」の項に記載の透明基材と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記剥離容易層は、ホログラム層を接着層を介して被着体に接着した後に、剥離用基材およびホログラム層を容易に分離するために設けられるものである。
このような剥離容易層としては、上記「3.その他の構成」の項に記載の再剥離密着層を用いることができる。
上記剥離容易層の平面視上の形成箇所としては、剥離用基材をホログラム層に対して容易に剥離可能とするものであれば特に限定されるものではない。
本態様のホログラム構造体は、必要に応じて、上記「3.その他の構成」の項に記載のその他の構成等を有するものであってもよい。
(3)第3使用態様
本発明のホログラム構造体の第3使用態様は、上記蒸着層の上記ホログラム層とは反対側の表面に形成されたヒートシール層と、上記ヒートシール層の上記蒸着層とは反対側の表面に形成された紙基材と、上記紙基材の上記ヒートシール層とは反対側の表面に形成された接着層と、上記接着層の上記紙基材とは反対側の表面に形成された剥離シートと、を有し、ラベルとして用いられるものである。
このような本態様のホログラム構造体について図面を参照して説明する。図18(c)は、本態様のホログラム構造体の一例を示す概略断面図である。図18(c)に例示するように、本態様のホログラム構造体10は、上記蒸着層2の上記ホログラム層1とは反対側の表面に形成されたヒートシール層33と、上記ヒートシール層33の上記蒸着層2とは反対側の表面に形成された紙基材36と、上記紙基材36の上記ヒートシール層33とは反対側の表面に形成された接着層31と、上記接着層31の上記紙基材36とは反対側の表面に形成された剥離シート32と、を有し、ラベルとして用いられるものである。
なお、図18(c)中の符号については、図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本態様によれば、上記ホログラム層および蒸着層を有するものであることにより、偽造防止性および意匠性に優れたラベルとすることができる。
また、蒸着層のホログラム層とは反対側に紙基材を有することにより、本態様のホログラム構造体は、紙基材の蒸着層およびホログラム層が形成された側の表面に、例えば印刷層等を容易に形成できる。
このような本態様のホログラム構造体の具体的な用途としては、工業製品の品質管理番号ラベル等を挙げることができ、ホログラム形成領域内に再生される光像を用いて真贋判定を行う用途、意匠性を付与する用途等を挙げることができる。
本態様のホログラム構造体は、ヒートシール層、紙基材、接着層、剥離シートを有するものである。
以下、本態様のホログラム構造体の各構成について詳細に説明する。
なお、ヒートシール層については、上記「(2)第2使用態様」の項に記載のヒートシール層と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、接着層および剥離シートについては、上記「3.その他の層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記紙基材を構成する紙としては、印刷層の形成に一般的に用いられるものを使用でき、例えば、上質紙、純白ロール紙、クラフト紙、模造紙、コート紙、アルミニウム蒸着紙、合成紙、耐水紙、コートボール、マニラボール等の板紙、カード紙、アイボリー紙、ミルクカートン紙、カップ原紙等を用いることができる。
上記紙基材の厚みとしては、例えば、50μm〜200μmの範囲内とすることができる。
上記ホログラム構造体は、長尺状に作成され、巻き取り可能な形態(リール状)であってもよい。上記ホログラム構造体を、リール状のラベル等とすることで、被着体に貼付する際に、適宜必要な長さ分を切り出して、使用することができる。
上記ホログラム構造体は、リール状である場合、ホログラム層、蒸着層およびヒートシール層の積層体が、紙基材の全面を覆うように配置されるものであってもよいが、紙基材を部分的に覆うように配置されるものであることが好ましく、なかでも、図19に例示するように、リール状の長手方向Yに沿って、上記積層体の幅方向Xの端部が紙基材の幅方向端部に接するように形成されていることが好ましい。上記積層体をこのように配置することで、ホログラム層の位置ずれを防止することができる。より具体的には、本態様のホログラム構造体を、紙基材の裏面に接着層および剥離シートを有するラベルの紙基材表面に、上記「(2)第2使用態様」のホログラム構造体を転写することで製造する場合に、転写される第2使用態様のホログラム構造体の位置ずれを防止することができる。
なお、図19は、リール状に形成された上記ホログラム構造体を有するラベルの一部を表す概略平面図である。図19においては、X方向をホログラム構造体の幅方向とし、Y方向をホログラム構造体の長手方向(巻き取り方向)とするものである。
上記紙基材は、ホログラム層が配置されない露出箇所に形成された印刷層を有するもの、すなわち、紙基材表面に印字されたものであってもよい。
なお、このような印刷層については、上記「3.その他の構成」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本態様のホログラム構造体は、必要に応じて、上記「3.その他の構成」の項に記載のその他の構成等を有するものであってもよい。
(4)第4使用態様
本発明のホログラム構造体の第4使用態様は、上記ホログラム構造体が、情報記録媒体として用いられるものである。
このような本態様のホログラム構造体について図面を参照して説明する。図18(d)は、本態様のホログラム構造体の一例を示す概略断面図である。図18(d)に例示するように、本態様のホログラム構造体10は、蒸着層2のホログラム層1とは反対側の表面に形成された裏面側保護層37と、ホログラム層1の蒸着層2とは反対側の表面に形成された表面側保護層38と、ホログラム層1および表面側保護層38の間に形成された中間基材39と、を有し、情報記録媒体として用いられるものである。
なお、図18(d)中の符号については、図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本態様によれば、情報記録媒体として用いられることで、偽造防止性および意匠性に優れた情報記録媒体とすることができる。
本態様のホログラム構造体の具体的な用途としては、例えば、クレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード等のカード、社員証、運転免許所等の身分証明書、通帳、パスポート等を挙げることができる。
本態様のホログラム構造体は、ホログラム層および蒸着層を有するものであるが、情報記録媒体用の種類に応じてその他の構成を有するものであってもよい。
このようなその他の構成としては、例えば、蒸着層のホログラム層とは反対側の表面に形成された裏面側保護層と、ホログラム層の蒸着層とは反対側の表面に形成された表面側保護層と、ホログラム層および表面側保護層の間に形成された中間基材と、を挙げることができる。
上記表面側保護層は、ホログラム層の蒸着層とは反対側の表面に形成され、ホログラム層を保護するものであり、少なくとも、上記ホログラム形成領域と平面視上重なる領域が透明性を有するものが用いられる。
上記裏面側保護層は、蒸着層のホログラム層とは反対側の表面に形成され、ホログラム層および蒸着層を保護するものである。
上記中間基材は、ホログラム層および表面側保護層の間に形成され、ホログラム層、表面側保護層および裏面側保護層を支持するものであり、少なくとも、上記ホログラム形成領域と平面視上重なる領域が透明性を有するものが用いられる。なお、中間基材は透明基材と兼用されるものであってもよい。
このような表面側保護層、裏面側保護層および中間基材の構成材料および膜厚については、例えば、上記「3.その他の構成」の項に記載の透明基材と同様とすることができる。より具体的には、表面側保護層および裏面側保護層の構成材料としてポリカーボネートを用いることができ、中間基材の構成材料としてポリエチレンテレフタレートを用いることができる。
また、表面側保護層、裏面側保護層および中間基材の形成箇所としては、ホログラム層等を保護できるものであればよいが、ホログラム層および蒸着層の全面を覆うものとすることができる。
上記その他の構成としては、情報を記録する情報記録層等を挙げることができる。
上記情報記録層としては、印刷により情報が記録された印刷層、磁気等により情報が記録された磁気層、集積回路(IC)チップを含むICチップ層等を挙げることができる。
上記その他の構成としては、アンテナを含むアンテナ層等の機能層を含むことができる。
これらの情報記録層および機能層等の形成箇所としては、ホログラム形成領域内での光像の再生および視認を妨げない位置であれば特に限定されるものではなく、例えば、ホログラム層の蒸着層とは反対側の表面上、ホログラム層と同一平面上、蒸着層のホログラム層とは反対側の表面上等とすることができる。
5.製造方法
本発明のホログラム構造体の製造方法は、上記各構成を含むホログラム構造体を精度良く製造できる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的なホログラム構造体の形成方法と同様の方法を用いることができる。
上記製造方法としては、具体的には、透明基材を準備し、ホログラム層および蒸着層をこの順で形成する方法を挙げることができる。
6.用途
本発明のホログラム構造体の用途としては、偽造防止用途に用いられるものとすることができ、クレジットカード、キャッシュカード等のカード等を含む情報記録媒体を挙げることができる。
また、ホログラム構造体を他の被着体に接着可能な接着層を有するものとし、被着体に貼付可能なホログラム構造体シール等として用いられるものであってもよい。
さらに、ホログラム構造体として、ヒートシール層を有するものとし、被着体に転写可能なホログラム構造体転写箔等として用いられるものであってもよい。
さらにまた、ホログラム構造体として、紙基材および接着層を有するものとし、被着体に貼付可能なラベル等として用いられるものであってもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
<原版およびホログラム構造体の形成>
合成石英の基板上に表面低反射クロム薄膜が積層されたフォトマスクブランク板のクロム薄膜上に、ドライエッチング用レジストをスピンナーにより回転塗布した。ドライエッチング用レジストとしては日本ゼオン(株)製ZEP7000を使用し、400nmの厚みとなるように形成した。このレジスト層に対し、電子線描画装置(MEBES4500:ETEC社製)を用い、仮想ホログラム形成領域のサイズを10mm角の領域として、この仮想ホログラム形成領域内で、既に説明した図7(b)の原画像の全体を観察できるように、事前に計算機で作成したパターンを露光し、レジスト樹脂の露光部分を易溶化した。その後、現像液を噴霧し(スプレー現像)して易溶化部分を除去し、レジストパターンを形成した。
なお、パターンの格子ピッチは、最短で3313nmとした。
続いて、形成されたレジストパターンを利用して、ドライエッチングによりレジストで被覆されていない部分のクロム薄膜をエッチング除去し、石英基板を露出させた。次いで、露出した石英基板をエッチングし、石英基板に凹部を形成した。その後、レジスト薄膜を溶解除去することにより、石英基板がエッチングされて生じた凹部と、石英基板およびクロム薄膜がエッチングされずに残存している凸部とを有する原版を得た。また、原版のサイズ、すなわち、ホログラムセルのサイズを0.25mmとした。
厚み0.5mmのポリカーボネートシート(透明基材)に、ホログラム層形成用組成物(UV硬化性アクリレート樹脂:屈折率1.52 測定波長633nm)を滴下し、上記組成物の塗膜を形成した。次いで、上記塗膜上に凹凸を有する原版を積置し、押圧した。次に、活性放射線を照射して上記塗膜を硬化させた後剥離させ、原版の凹凸型を反転させた凹凸表面を有するホログラムセルを形成した。その後、原版の積置、押圧、硬化および剥離を繰り返し、ホログラムセルが敷き詰められた5mm角のホログラム形成領域を有する厚さ2μmのホログラム層を形成した。
次いで、ホログラム層の凹凸表面側の全面に膜厚100nmのAl層をスパッタリング法により形成し、ホログラム構造体を得た。
<評価>
ホログラム構造体のホログラム層表面から60mmの位置であり、ホログラム形成領域の中心点と平面視上重なる位置に点光源を配置し、ホログラム層表面から60mm離れた点光源方向から観察したところ、5mm角のホログラム形成領域内にフーリエ変換された所定の第2光像の画像「OK」を視認性良く観察することができた。
また、点光源の位置を変えず、観察者のホログラム形成領域の観察方向を、ホログラム形成領域の点光源位置からの距離を同一とし、点光源位置であるホログラム形成領域の中心点を通過し、ホログラム形成領域に対する仰角が60°となる方向から観察したところ、第2光像の画像「OK」は観察されず、第1光像の画像である「1」のみを観察することができた。
1 … ホログラム層
1a … 凹凸表面
2 … 蒸着層
3 … 透明基材
4 … 印刷層
5 … 層間接着層
6 … 第2ホログラム層
7 … 第2蒸着層
10 … ホログラム構造体
11 … ホログラム形成領域
11a … ホログラムセル
12 … 第1光像
13 … 第2光像
15 … 回折格子図柄
15a … 回折格子セル
32 … 剥離シート
33 … ヒートシール層
34 … 剥離容易層
35 … 剥離用基材
36 … 紙基材
37 … 裏面側保護層
38 … 表面側保護層

Claims (7)

  1. 点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録された反射型ホログラム形成領域を有するホログラム層と、
    前記ホログラム層の前記反射型ホログラム形成領域の凹凸表面に接するように形成された蒸着層と、
    を有し、
    前記光像が、前記反射型ホログラム形成領域に対して点光源とは異なる方向からのみ観察可能な第1光像を含むことを特徴とするホログラム構造体。
  2. 前記光像が、前記反射型ホログラム形成領域に対して点光源と同一方向から観察可能な第2光像を含むことを特徴とする請求項1に記載のホログラム構造体。
  3. 前記ホログラム層の前記反射型ホログラム形成領域には、点光源から入射した光を前記光像へ変換可能なホログラムセルと、前記ホログラムセルと同一平面上に形成され、平面視上パターン状に配置されることにより回折格子図柄を描画する回折格子セルと、が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホログラム構造体。
  4. 前記回折格子図柄が、平面的に図柄を再生可能な平面回折格子図柄であることを特徴とする請求項3に記載のホログラム構造体。
  5. 前記回折格子図柄が、立体的に図柄を再生可能な立体回折格子図柄であることを特徴とする請求項3に記載のホログラム構造体。
  6. 前記蒸着層の前記ホログラム層とは反対側の表面に形成されたヒートシール層と、
    前記ホログラム層の前記蒸着層とは反対側の表面に形成された剥離容易層と、
    前記剥離容易層の前記ホログラム層とは反対側の表面に形成された剥離用基材と、
    を有し、
    ホログラム転写箔として用いられることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のホログラム構造体。
  7. 前記蒸着層の前記ホログラム層とは反対側の表面に形成されたヒートシール層と、
    前記ヒートシール層の前記蒸着層とは反対側の表面に形成された紙基材と、
    前記紙基材の前記ヒートシール層とは反対側の表面に形成された接着層と、
    前記接着層の前記紙基材とは反対側の表面に形成された剥離シートと、
    を有し、
    ラベルとして用いられることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のホログラム構造体。
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