JP2017129233A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フューエルカット状態でのコースト走行中にダウンシフトする際に、フューエルリカバーによる入力トルクの急変を回避する。【解決手段】コースト走行中に、トルクコンバータ2をロックアップ状態にしてフューエルカットを行ない、フューエルカット中にエンジン回転数がフューエルリカバー回転数まで低下すると、フューエルリカバーを行なう。フューエルカット中にタービン回転数がダウンシフト回転数まで低下すると、摩擦係合要素の掛け替えによる自動変速機構のダウンシフト制御を実施する変速制御手段10Aとを有し、変速制御手段10Aは、ダウンシフトと前記フューエルリカバーとが重なると推定するとフューエルリカバーを優先して実施する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に装備され、ロックアップ可能なトルクコンバータと自動変速機構を備えた自動変速機を制御する、自動変速機の制御装置に関するものである。
車両に装備され、複数の係合要素を有する有段の自動変速機において、車両のコースト走行中に、トルクコンバータをロックアップしエンジンをフューエルカット状態にして燃費を向上させる技術が開発されている。コースト走行中には車速が次第に低下していくため、車速が変速線を横切り、何れかの係合要素の掛け替えによるダウンシフト(コーストダウンシフト)を実施する必要が生じる。
また、フューエルカット状態でのコースト走行中に、エンジン回転数がフューエルリカバー回転数まで低下すると、フューエルカットを終了してエンジンへの燃料供給を再開するフューエルリカバー(FCR)を行なう。すなわち、コースト走行中に車速が低下すると、エンジン回転数がフューエルリカバー回転数まで低下してフューエルリカバーを実施する。このため、フューエルカット状態でのコースト走行中に、ダウンシフトを実施すると同時にフューエルリカバーを実施する状況が生じる場合がある。
これに関連して、特許文献1には、フューエルカット状態でのコースト走行中に、コーストダウンシフトを実施する際に、同時に、強制的にフューエルリカバーを実施してエンジン回転数を上昇させることで変速機入力側回転数を上昇させ、エンジン回転数がロックアップ解除回転数まで低下する虞を緩和し、ロックアップ時間の延長で燃費を向上させようとする技術が記載されている。
特開2010−78124号公報
ところで、特許文献1では着目されていないが、フューエルカット状態でのコースト走行中に、ダウンシフトを実施すると同時にフューエルリカバーを実施すると、ダウンシフトにおけるトルクフェーズ中(クラッチの掛け替え中)にフューエルリカバーによって入力トルクが急変して車両挙動が変化し、運転者に違和感を与えてしまう場合がある。
本発明は、このような課題に着目して創案されたもので、フューエルカット状態でのコースト走行中にダウンシフトを行なう際に、トルクフェーズ中にフューエルリカバーによって入力トルクが急変することを回避できるようにした、自動変速機の制御装置を提供することを目的としている。
(1)本発明の自動変速機の制御装置は、エンジンを無負荷状態にしたコースト走行中に、トルクコンバータをロックアップ状態にすると共に、前記エンジンへの燃料供給を中止するフューエルカットを行ない、前記フューエルカット中に、前記エンジンの回転数がフューエルリカバー回転数まで低下すると、前記フューエルカットを終了させてエンジンへの燃料供給を再開するフューエルリカバーを行なう車両に装備され、前記トルクコンバータと、前記トルクコンバータを介して前記エンジンからの回転を入力される有段式の自動変速機構と、を有する自動変速機を制御する制御装置であって、前記フューエルカット中に、前記トルクコンバータのタービン回転数がダウンシフト回転数まで低下するとダウンシフト要求を判定し、摩擦係合要素の掛け替えによる前記自動変速機構のダウンシフト制御を実施する変速制御手段を備え、前記変速制御手段は、ダウンシフトと前記フューエルリカバーとが重なると推定すると、前記フューエルリカバーを優先することを特徴としている。
前記変速制御手段は、前記トルクコンバータをスリップロックアップ状態にしながら、摩擦係合要素の掛け替えによる前記自動変速機構のダウンシフト制御を実施することも好ましい。
(2)前記変速制御手段は、前記ダウンシフト要求を判定したら、前記ダウンシフト制御した場合にダウンシフト中に前記フューエルリカバーが開始されるか否かを推定する推定手段と、前記推定手段が、ダウンシフト中に前記フューエルリカバーが実施されると推定すると、前記フューエルリカバーが完了するまで前記ダウンシフト制御の開始を遅らせるダウンシフト遅延手段と、を有していることが好ましい。
(3)前記推定手段は、前記ダウンシフト中のイナーシャフェーズが開始されるまでに前記フューエルリカバーが開始されるか否かを推定することが好ましい。
(4)前記ダウンシフト遅延手段は、前記フューエルリカバーの完了後に前記ダウンシフト制御を実施して前記ダウンシフトが完了したときにも、前記タービン回転数が前記エンジン回転数を上回らないと見込める状態になるまでダウンシフト制御の開始を遅らせることが好ましい。
(5)前記ダウンシフト遅延手段は、前記フューエルリカバーの完了後にエンジ回転が安定するまでダウンシフト制御の開始を遅らせることが好ましい。
ことが好ましい。
(6)前記エンジン回転数が低下してロックアップ解除回転数を下回ると、前記トルクコンバータのロックアップクラッチを解放するロックアップ制御手段を更に有し、前記ロックアップ解除回転数はフューエルリカバー回転数よりも高い値に設定されていることが好ましい。
(7)前記ロックアップ制御手段は、前記推定手段が前記フューエルリカバーの開始前に前記ダウンシフトが完了すると判断すると、前記ロックアップ解除回転数を前記フューエルリカバー回転数まで一時的に低下させることが好ましい。
(8)前記推定手段は、前記ダウンシフト中のイナーシャフェーズが開始されるまでに前記エンジン回転数が前記ロックアップ解除回転数を下回るか否かによって前記フューエルリカバーが開始されるか否かを推定することも好ましい。
本発明によれば、フューエルカット状態でのコースト走行中にダウンシフトが要求される際に、ダウンシフトが完了するよりも前にフューエルリカバーが実施されるなどダウンシフトとフューエルリカバーとが重なって行なわれることが推定されると、フューエルリカバーが完了するまでダウンシフト制御の開始を遅らせるので、フューエルリカバーによる入力トルクの急変がダウンシフト中に発生することを回避することができ、変速ショックを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る車両のパワートレーンをその制御系とともに示す全体システム構成図である。 本発明の一実施形態に係る自動変速機の構成を示すスケルトン図である。 本発明の一実施形態に係る自動変速機の変速段ごとの各摩擦係合要素の締結作動表である。 本発明の一実施形態に係る自動変速機の変速線図である。 本発明の一実施形態に係る自動変速機の制御装置による制御を説明するタームチャートであり、本制御を行なわなかった場合を示す。 本発明の一実施形態に係る自動変速機の制御装置による制御を説明するタームチャートであり、本制御を行なった場合を示す。 本発明の一実施形態に罹る自動変速機の制御装置による制御を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することや適宜組み合わせることが可能である。
[1.全体システム構成]
図1に示すように、本実施形態に係る車両のパワートレーンは、エンジン1と、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ2及び有段式の自動変速機構3からなる自動変速機4と、自動変速機4の出力軸と駆動輪6との間に設けられた動力伝達機構5と、を備えている。
有段式の自動変速機構3は、ロックアップクラッチ20を備えたトルクコンバータ2を介してエンジン1と接続され、種々の摩擦係合要素(クラッチ又はブレーキ)を備え、これらの摩擦係合要素を締結又は解放することにより各変速段が達成される。種々の摩擦係合要素の締結又は解放やトルクコンバータ2のロックアップクラッチの係合状態は、油圧回路ユニット7に設けられた所要のソレノイドバルブを制御して油の供給状態を切り替えることによって行なう。
このような油圧回路ユニット7を制御するために、自動変速機コントローラ(変速機制御手段)10が設けられ、また、エンジン1を制御するために、エンジンコントローラ100が設けられている。自動変速機コントローラ10では種々のセンサ類11〜15からの情報に基づいて油圧回路ユニット7を制御する。なお、自動変速機コントローラ10とエンジンコントローラ100とは、互いに情報伝達できるように接続されており、自動変速機構3とエンジン1とを連携して制御できるようになっている。
[2.自動変速機の構成]
図2に示すように、自動変速機構3は、第1プラネタリギヤ機構(PG1)31,第2プラネタリギヤ機構(PG2)32,第3プラネタリギヤ機構(PG3)33,第4プラネタリギヤ機構(PG4)34の4つのプラネタリギヤ機構が、同軸上に直列に配置され、第1速〜第9速の前進9段及び後退段の変速段を有している。なお、各プラネタリギヤ機構31〜34は、サンギヤ31S〜34S,キャリア31C〜34C,リングギヤ31R〜34Rを備えて構成される。
自動変速機構3は、トルクコンバータ2を介してエンジン1から回転が入力される入力軸30Aと、動力伝達機構5を介して駆動輪へ回転を出力する出力軸30Bと、プラネタリギヤ機構31〜34の特定の要素間を連結する中間軸30C,30Dとを備えている。各プラネタリギヤ機構31〜34の所要の要素が選択的に組み合わされることにより、所要の動力伝達経路が構成され対応する変速段が達成される。
つまり、自動変速機構3の入力軸30Aには、第1プラネタリギヤ機構31のサンギヤ31S及び第4プラネタリギヤ機構34のキャリア34Cが直接結合されている。したがって、第1プラネタリギヤ機構31のサンギヤ31S及び第4プラネタリギヤ機構34のキャリア34Cは、入力軸30Aと常に一体回転する。また、自動変速機構3の入力軸30Aには、第2クラッチC2を介して第1プラネタリギヤ機構31のキャリア31Cが結合されている。
自動変速機構3の出力軸30Bには、第3プラネタリギヤ機構33のキャリア33Cが直接結合されている。したがって、第3プラネタリギヤ機構33のキャリア33Cは、出力軸30Bと常に一体回転する。また、自動変速機構3の出力軸30Bには、第1クラッチC1を介して第4プラネタリギヤ機構34のリングギヤ34Rが結合されている。
第1プラネタリギヤ機構31のリングギヤ31R及び第2プラネタリギヤ機構32のキャリア32Cは何れも中間軸30Cに直接結合されている。したがって、第1プラネタリギヤ機構31のリングギヤ31Rと第2プラネタリギヤ機構32のキャリア32Cとは常に一体回転する。
第2プラネタリギヤ機構32のリングギヤ32R,第3プラネタリギヤ機構33のサンギヤ33S及び第4プラネタリギヤ機構34のサンギヤ34Sは何れも中間軸30Dに直接結合されている。したがって、第1プラネタリギヤ機構31のリングギヤ32Rと第3プラネタリギヤ機構33のサンギヤ33Sと第4プラネタリギヤ機構34のサンギヤ34Sとは常に一体回転する。
第1プラネタリギヤ機構31のキャリア31Cは、第3クラッチC3を介して中間軸30Dに結合されている。さらに、第1プラネタリギヤ機構31のキャリア31Cは、第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース3Aに結合されている。また、第2プラネタリギヤ機構32のサンギヤ32Sは第3ブレーキB3を介して、第3プラネタリギヤ機構33のリングギヤ33Rは第2ブレーキB2を介して、それぞれトランスミッションケース3Aに結合されている。
このように構成された自動変速機構3においては、第1クラッチC1,第2クラッチC2,第3クラッチC3,第1ブレーキB1,第2ブレーキB2,第3ブレーキB3といった各摩擦係合要素の締結の組み合わせによって、第1速〜第9速の前進9段及び後退段の内の何れかの変速段が達成される。
図3は自動変速機構3について変速段ごとの各摩擦係合要素の締結状態を示す締結作動表である。図3において、○印は当該摩擦係合要素が締結状態となることを示し、空欄は当該摩擦係合要素が解放状態となることを示す。段数の1〜9は前進第1速〜第9速を示し、段数のRevは後退段を示す。
図3に示すように、第1速を達成するには、第2ブレーキB2,第3ブレーキB3,第3クラッチC3を締結し、他の摩擦係合要素は解放する。第2速を達成するには、第2ブレーキB2,第2クラッチC2,第3クラッチC3を締結し、他の摩擦係合要素は解放する。第3速を達成するには、第2ブレーキB2,第3ブレーキB3,第2クラッチC2を締結し、他の摩擦係合要素は解放する。
第4速を達成するには、第2ブレーキB2,第3ブレーキB3,第1クラッチC1を締結し、他の摩擦係合要素は解放する。第5速を達成するには、第3ブレーキB3,第1クラッチC1,第2クラッチC2を締結し、他の摩擦係合要素は解放する。第6速を達成するには、第1クラッチC1,第2クラッチC2,第3クラッチC3を締結し、他の摩擦係合要素は解放する。
また、第7速を達成するには、第3ブレーキB3,第1クラッチC1,第3クラッチC3を締結し、他の摩擦係合要素は解放する。第8速を達成するには、第1ブレーキB1,第1クラッチC1,第3クラッチC3を締結し、他の摩擦係合要素は解放する。第9速を達成するには、第1ブレーキB1,第3ブレーキB3,第1クラッチC1を締結し、他の摩擦係合要素は解放する。後退段を達成するには、第1ブレーキB1,第2ブレーキB2,第3ブレーキB3を締結し、他の摩擦係合要素は解放する。
[3.自動変速機の変速制御]
このような自動変速機構3の各摩擦係合要素の締結や解放による変速制御は自動変速機コントローラ10によって行なわれる。図4はDレンジ選択時に変速制御に用いられる変速線図である。図4において実線はアップシフト線を、破線はダウンシフト線を示している。なお、図1に示すように、自動変速機コントローラ10には、アクセル開度センサ11,エンジン回転数センサ12,インヒビタスイッチ13,タービン回転数センサ14,出力軸回転数センサ(車速センサ)15からの各情報が入力される。
自動変速機コントローラ10は、変速制御部(変速制御手段)10Aとロックアップ制御部(ロックアップ制御手段)10Bとを備えている。変速制御部10Aでは、インヒビタスイッチ13のレンジ選択情報からDレンジの選択を判断し、Dレンジ選択時には、出力軸回転数センサ15からの変速機出力軸回転数Noから得られる車速VSPと、アクセル開度センサ11からのアクセル開度APOとに基づき決まる運転点が、変速線図上において存在する位置を検索する。そして、運転点が動かない、あるいは、運転点が動いても図4の変速線図上で1つの変速段領域内に存在したままであれば、そのときの変速段をそのまま維持する。
一方、運転点が動いて図4の変速線図上でアップシフト線を横切ると、横切る前の運転点が存在する領域が示す変速段から横切った後の運転点が存在する領域が示す変速段へのアップシフト指令を出力する。また、運転点が動いて図4の変速線図上でダウンシフト線を横切ると、横切る前の運転点が存在する領域が示す変速段から横切った後の運転点が存在する領域が示す変速段へのダウンシフト指令を出力する。
例えば、ダウンシフト指令が出力されると、ダウンシフト線を横切る前の運転点が存在する領域の変速段が第n速であれば、ダウンシフト操作によって、ダウンシフト線を横切った後の運転点が存在する領域の第n−1速へと切り換わる。また、アップシフト指令が出力されると、変速段は第n−1速から第n速へと切り換わる。nはここでは9から2までの自然数である。
なお、コースト走行時には、アクセル開度APOは0であり、運転点は車速変化のみに応じて移動する。車速はその時点の自動変速機構3の入力回転数(つまり、トルクコンバータ2のタービン回転数Nt)と変速段とにより決まるので、例えば、運転点がダウンシフト線を横切ることは、タービン回転数Ntがダウンシフト線に対応したダウンシフト回転数を横切るまで低下することに相当する。
[4.コースト走行時の制御]
エンジンコントローラ100は、アクセル開度センサ11やエンジン回転数センサ12やクランク角センサ(図示略)等の検出情報に基づいてエンジン1の燃料噴射や点火を制御する。本車両では、アクセル開度が0(又は、微小値未満)であること、及び、エンジン回転数Neがフューエルリカバー回転数Nrec以上であることをアンド条件として、エンジン1への燃料供給を中止するフューエルカットを行なうようになっている。なお、制御ハンチングの防止を考慮すると、フューエルリカバー回転数Nrecよりも大きいフューエルカット回転数Ncutを設定し、エンジン回転数Neがこのフューエルカット回転数Ncut以上であることを、アンド条件の後者の条件とすることが好ましい。
つまり、アクセルペダルが踏み込まれずにエンジン1を無負荷状態にしてコースト(惰性)走行しているときに、エンジン回転数Neがフューエルリカバー回転数Nrec以上の場合には、エンジンコントローラ100はフューエルカットを行なう。このとき、自動変速機コントローラ10は、これと連携して、ロックアップ制御部10Bがトルクコンバータ2をロックアップ状態に制御する。
なお、トルクコンバータ2をロックアップ状態にするには、トルクコンバータ2のポンプインペラ側とタービンランナ側との間に介装されたロックアップクラッチ20を係合させることによって行なう。この場合のロックアップクラッチ20の係合には、ポンプインペラ側とタービンランナ側とを一体回転させる完全係合(即ち、締結)と、ポンプインペラ側とタービンランナ側との滑りを許容しながら係合させるスリップ係合とがある。
また、エンジン回転数Neがロックアップ解除回転数Noff未満になったら、自動変速機コントローラ10の制御によって、ロックアップクラッチ20が解放され、トルクコンバータ2のロックアップが解除される。
なお、上記のフューエルリカバー回転数Nrecは、ロックアップ解除回転数Noffよりも低い値に設定されている。これは、フューエルリカバーによりエンジン1への燃料供給を再開すると、エンジントルクの急な立ち上がりが生じ、トルクコンバータ2がロックアップ状態のままだと、急上昇したエンジントルクがロックアップ状態のトルクコンバータ2等を経てそのまま駆動輪6に達して大きなショックを発生するので、これを回避するためである。
コースト走行中に、トルクコンバータ2をロックアップ状態にしてフューエルカットを行なっていると、当然ながら車速が低下し、エンジン回転数Neもトルクコンバータ2のタービン回転数Ntも低下していく。このため、まず、エンジン回転数Neがロックアップ解除回転数Noff未満となって、自動変速機コントローラ10によってトルクコンバータ2のロックアップが解除される。その後、エンジン回転数Neがフューエルリカバー回転数Nrec未満となると、エンジンコントローラ100によってフューエルカットを終了させてエンジンへの燃料供給を再開するフューエルリカバーが実施される。このように燃料供給の再開時には、トルクコンバータ2のロックアップが解除されているので、エンジン1は円滑に完爆して始動する。
ところで、フューエルカットを行ないながらコースト走行しているときに、車速の低下によって運転点が動いて、図4の変速線図上でダウンシフト線を横切る場合がある。このときには、自動変速機コントローラ10の制御によってダウンシフト(コーストダウンシフト)が実施されるが、このダウンシフト中に、フューエルリカバーが並行して実施される場合も想定される。本実施形態の自動変速機構3の場合、フューエルリカバーが並行して実施されるダウンシフトとして、例えば、第3速から第2速へのダウンシフトや第4速から第3速へのダウンシフトを想定することができる。
コーストダウンシフトでは、変速開始指令後、解放側摩擦係合要素を解放すると共に締結側摩擦係合要素を締結する、摩擦係合要素の掛け替えを行なう。このとき、解放側摩擦係合要素の締結容量が減少を開始し、その後、締結側摩擦係合要素が締結容量を持ち始め、この締結容量が増大する。締結容量が増大していく過程で、実ギヤ比の変動が開始し、実ギヤ比が変速前変速段のギヤ比から変速後変速段のギヤ比まで変動する。
締結側摩擦係合要素が締結容量を持ち始めた時点から実ギヤ比の変動が開始する時点までは、出力軸トルクのみが変化するトルクフェーズ(TF)であり、その後、実ギヤ比が変速前変速段のギヤ比から変速後変速段のギヤ比に変動するまでは、駆動源系のイナーシャの変化を伴って変速機入力回転数が変化するイナーシャフェーズである。
図5はコーストダウンシフト中にフューエルリカバーが実施される場合を例示するタイムチャートである。図5において、(a)は指示変速段Gpの変化を示し、(b)はエンジン回転数Ne,タービン回転数Ntの変化をロックアップ解除回転数Noff,フューエルリカバー回転数Nrecと共に示し、(c)はトルクコンバータ2のタービントルクTtの変化を示し、(d)は締結側摩擦係合要素の油圧の変化を示す。
図5(a)に示すように、時点t1でダウンシフトが指示されると、解放側摩擦係合要素の油圧は瞬時に低下されるのに対して(図示せず)、締結側摩擦係合要素の油圧は、図5(d)に鎖線で示すように、初期にステップ状に高められた後に低下されその後ランプ状に上昇される。初期にステップ状に高められることにより、締結側摩擦係合要素のガタ詰が行われる。
時点t1の直後に締結側摩擦係合要素が締結容量を持ち始めトルクフェーズとなるが、このトルクフェーズ中に、図5(b)に示すように、エンジン回転数Neがロックアップ解除回転数Noffまで低下した場合、ロックアップが解除される。ロックアップが解除され駆動輪6から切り離されたエンジン1は、エンジン回転数Neがフューエルリカバー回転数Nrecまで低下してフューエルリカバーが実施される。
この場合、トルクコンバータ2のタービンに入力されるタービントルクTt(自動変速機構3に入力されるトルク)の大きさ(絶対値)が急激に減少(時点t2)して、締結側摩擦係合要素の締結容量が過多になって急締結して車両が減速し運転者に違和感を与えるおそれが発生する。
つまり、コースト走行中には、駆動輪6の回転エネルギ(車両の走行による運動エネルギ)によってエンジン1が回転している状態であり、図5(c)に示すように、トルクコンバータ2のタービントルクTtは負の状態にある。この状態の時点t2で、フューエルリカバーが実施されてエンジントルクが立ち上がると、トルクコンバータ2のタービントルクTtは正の方向に変化するため、タービントルクTtの大きさ(絶対値)が急激に減少する。
したがって、タービントルクTtは締結側摩擦係合要素の締結容量よりも大きい状態から小さい状態へと変化し、タービン回転数Ntが、図5(b)に実線で示すように時点t3から急上昇していることからわかるように、時点t3から締結側摩擦係合要素が急締結し、実ギヤ比が急変動する。このため、車両は一時的に減速し、減速によるショック(引きショック)が発生する。この場合、時点t1の直後から時点t3までがトルクフェーズTP´となり、時点t3から時点t4までがイナーシャフェーズIP´となる。
一方、トルクフェーズ中にロックアップが解除されなければ、エンジン回転数Neがフューエルリカバー回転数Nrecまで低下せずにフューエルリカバーは実施されない。この場合、図5(c)に破線で示すように、タービントルクTtは変化しないので、締結側摩擦係合要素の締結容量が過多にならず、タービン回転数Ntが図5(b)に破線で示すように低下した時点t5から、実ギヤ比がダウンシフト先の変速段のギヤ比に向けて変動を開始し、タービン回転数Ntが上昇側に変動していく。この場合には、締結側摩擦係合要素の締結が緩やかに行なわれ、引きショックを招くことはない。
このように、コーストダウンシフトを開始してもイナーシャフェーズの開始までにフューエルリカバーが実施されなければ、コーストダウンシフト中にフューエルリカバーが実施されることなく、イナーシャフェーズが完了する。
そこで、本制御装置では、車速の低下による運転点の変動からダウンシフトを実施することが判定されたら、ダウンシフトを実施した場合に、ダウンシフトが完了するよりも前にフューエルリカバーが開始されるか否かを推定し、ダウンシフトが完了するよりも前にフューエルリカバーが開始されること、即ち、ダウンシフトとフューエルリカバーとが重なって実施されることが推定されたら、変速制御部は、ダウンシフトとフューエルリカバーとが重なると推定すると、フューエルリカバーをダウンシフト制御よりも優先して実施し、フューエルリカバーが完了するまでダウンシフト制御の開始を遅らせるようにしている。
自動変速機コントローラ10の変速制御部10Aには、タービン回転数Ntがダウンシフト回転数まで低下したら、この時点で、もしもダウンシフト制御を実施した場合にダウンシフトが完了するよりも前にフューエルリカバーが開始される(即ち、ダウンシフトとフューエルリカバーとが重なって実施される)か否かを推定する推定部(推定手段)10Cと、推定部Aが、ダウンシフトが完了するよりも前にフューエルリカバーが実施されると推定すると、フューエルリカバーをダウンシフト制御よりも優先して実施し、フューエルリカバーが完了するまでダウンシフト制御の開始を遅らせるダウンシフト遅延部(ダウンシフト遅延手段)10Dと、が設けられている。
推定部10Cでは、上述のように、イナーシャフェーズの開始までにフューエルリカバーが実施されなければ、コーストダウンシフト中にフューエルリカバーが実施されることはないとの考えを用いて推定する。つまり、コーストダウンシフトを開始してからイナーシャフェーズが開始されるまでの時間を推定し、このイナーシャフェーズの開始時点でフューエルリカバーが開始されるか否かを推定する。
本実施形態では、イナーシャフェーズが開始される時点で、まず、フューエルリカバーの前提となるロックアップ解除が開始されるか否か、即ち、エンジン回転数Neがロックアップ解除回転数Noff未満に低下するか否かに基づいて判定している。つまり、イナーシャフェーズが開始される時点で、タービン回転数Ntがロックアップ解除回転数Noff以上であると判定できれば、イナーシャフェーズが開始される時点でフューエルリカバーは開始されないと判定することができる。
ここでは、この判定に、図5(b)に示すように、エンジン回転数Neに関する判定回転数Njudを用いている。この判定回転数Njudは、ダウンシフト判定時に、その時点でのエンジン回転数Neと、その時点でのエンジン回転数Neの減少ランプ状態(減速度)と、イナーシャフェーズの開始までの時間とから設定する。つまり、ダウンシフト判定時のエンジン回転数Neの減少ランプ状態と、ダウンシフト判定時からイナーシャフェーズの開始までの時間とから、イナーシャフェーズの開始時点までに低下するエンジン回転数低下量ΔNtを推定でき、ロックアップ解除回転数Noffにエンジン回転数低下量ΔNtを加算した回転数を判定回転数Njudとする。
ダウンシフト判定時に、エンジン回転数Neが判定回転数Njud以上であれば、イナーシャフェーズの開始時点ではエンジン回転数Neがロックアップ解除回転数Noff以上であって、トルクコンバータ2はロックアップ解除されておらず、フューエルリカバーも開始されていないものと推定することができる。
なお、このイナーシャフェーズの開始時点でフューエルリカバーが開始されるか否かの推定は、判定回転数Njudを用いずに、ダウンシフト判定時に、その時点でのエンジン回転数Neと、その時点でのエンジン回転数Neの減少ランプ状態(減速度)と、イナーシャフェーズの開始までの時間とから、イナーシャフェーズの開始時点のエンジン回転数Neを推定し、この推定したエンジン回転数Neとロックアップ解除回転数Noffとを比較して行なっても良い。この場合、推定したエンジン回転数Neがロックアップ解除回転数Noff以上であれば、イナーシャフェーズの開始時点ではフューエルリカバーは開始されていないものと推定することができる。
なお、コーストダウンシフトを開始してからイナーシャフェーズが開始されるまでの時間は、コースト走行中のトルク(コーストトルク)の状態と、締結側摩擦係合要素の油圧を込めるスケジュールとにより決まるので、これらに基づいて推定することができる。例えば、コーストトルク(負のトルク)が大きいほど、また、油圧の増加が緩やかなほどイナーシャフェーズが開始されるまでの時間は長くなり、コーストトルクが小さいほど、また、油圧の増加が急なほどイナーシャフェーズが開始されるまでの時間は短くなる。
ダウンシフト遅延部10Dでは、フューエルリカバーが完了するまでダウンシフト制御の開始を遅らせるが、このとき、ダウンシフト制御を開始する条件に、更に、フューエルリカバー後、エンジン回転数Neが安定すること、及び、ダウンシフト制御を実施してダウンシフトが完了した後でも、タービン回転数Ntがエンジン回転数Ntを上回らないと見込める状態になることの2つの条件を加えている。
つまり、ダウンシフト遅延部10Dでは、フューエルリカバーが完了して(条件1)、エンジン回転数Neが安定し(条件2)、且つ、ダウンシフト制御を実施してダウンシフトが完了した後でも、タービン回転数Ntがエンジン回転数Ntを上回らないと見込める状態になる(条件3)まで、ダウンシフト制御の開始を遅延させる。
図6は推定部10Cによりコーストダウンシフト中にフューエルリカバーが実施されると推定された場合のダウンシフト遅延部10Dによる遅延制御を説明するタイムチャートである。図6は図5に対応し、図6において、(a)は指示変速段Gpの変化を示し、(b)はエンジン回転数Ne,タービン回転数Ntの変化をロックアップ解除回転数Noff,フューエルリカバー回転数Nrecと共に示し、(c)はトルクコンバータ2のタービントルクTtの変化を示し、(d)は締結側摩擦係合要素の油圧の変化を示す。
図6(b)に示すように、コーストダウンシフトを判定した際に、エンジン回転数Neが判定回転数Njud未満であれば、推定部10Cが、イナーシャフェーズの開始時点でフューエルリカバーが開始されるものと推定するので、ダウンシフト遅延部10Dでは、ダウンシフト制御の開始を遅らせる。
フューエルリカバーを優先させてダウンシフト制御の開始を遅らせると、フューエルリカバーによって、エンジン回転数Neがタービン回転数Ntを上回る状況になる。ここで、フューエルリカバーが完了したことを条件にダウンシフト制御の開始することとすると、例えば時点t7´でダウンシフト制御を開始した場合、タービン回転数Ntは、図6(b)に鎖線で示すように上昇し、エンジン回転数Neを超えることになる。
エンジン回転数Neがタービン回転数Ntを上回る状況では、トルクコンバータ2ではエンジン1側(ポンプインペラ側)から自動変速機構3側(タービンランナー側)にトルクが伝達されるが、タービン回転数Ntがエンジン回転数Neを上回る状況では、トルクコンバータ2では逆にエンジン1側から自動変速機構3側にトルクが伝達されるようになり、トルク伝達方向が逆転する。このように、トルク伝達方向が逆転すると、動力伝達経路内に介装された動力伝達ギヤのガタによるショックが発生し、運転者に違和感を与えてしまう場合がある。
そこで、ダウンシフト制御を遅延させる場合のダウンシフト制御の開始条件に、フューエルリカバーの完了(条件1)に、エンジン回転数Neが安定すること(条件2)、及び、ダウンシフト制御を実施してダウンシフトが完了した後でも、タービン回転数Ntがエンジン回転数Ntを上回らないと見込める状態になること(条件3)を加えて、ダウンシフト遅延部10Dでは、条件1〜3の全ての上件が成立したらダウンシフト制御の開始を許可するようにしている。
条件1のフューエルリカバーの完了は、エンジン回転数Neが判定回転数に達したことから判定することができる。また、条件2のエンジン回転数Neの安定は、周期的に取得するエンジン回転数Neの検出値の変化から判定しても良く、又、フューエルリカバーの完了判定後の経過時間が所定時間に達したことから判定しても良い。条件3は、タービン回転数Ntの減少ランプ状態(減速度)とダウンシフトによるタービン回転数Ntの増加量とから各変速タイミングでのダウンシフト後のタービン回転数Ntを求め、安定しているエンジン回転数Neとの比較により判定することができる。
図6(b)にタービン回転数Ntを実線で示すように、条件1〜3が全て成立した時点t6でダウンシフト制御を開始した場合、タービン回転数Ntは、ダウンシフトが完了して最も上昇した場合にもエンジン回転数Neを超えることはない。したがって、トルク伝達方向が逆転することはなく、動力伝達経路内に介装された動力伝達ギヤのガタによるショックが発生することもない。
一方、推定部10Cにより、エンジン回転数Neがロックアップ解除回転数Noffを下回ってもロックアップ解除をしないままダウンシフトを実施すれば、エンジン回転数Neがフューエルリカバー回転数Nrecを下回ることなくダウンシフトが完了し、コーストダウンシフト中にフューエルリカバーが実施されないと推定された場合には、直ぐにコーストダウンシフトを開始する。この際には、ロックアップ制御部10Bは、ロックアップ解除回転数Noffをフューエルリカバー回転数Nrecへコーストダウンシフトが終了するまで一時的に低下させる。
フューエルリカバーが実施されない状況では、ロックアップ解除をしなくても、フューエルリカバーによる入力トルク急変の影響がないので、フューエルカット及びロックアップの継続による燃費改善が図れる。また、ダウンシフトが完了すると、変速比が上昇しタービン回転数Ntが上昇するので、エンジンの回転数の低下も防止され、エンストの発生のおそれが回避される。
[5.作用及び効果]
本発明の一実施形態にかかる自動変速機の制御装置は、上述のように構成されているので、フューエルカット状態でのコースト走行中に、例えば図7に示すように、自動変速機の制御を、エンジン制御と連携させて行なうことができる。
図7に示すように、コースト走行中(燃料カットを伴う)であるか否かを判定し(ステップS10)、コースト走行中であれば、ダウンシフトが判定されたか否かを判定する(ステップS20)。コースト走行中でない場合や、ダウンシフトが判定されない場合には、この制御周期の処理を終え、次の制御周期で再びステップS10から処理を実施する。
ステップS20でダウンシフトが判定されたら、その時点でダウンシフトを開始した場合に想定されるイナーシャフェーズ開始までの時間(IP開始時間)を推定し、IP開始時間後のエンジン回転数Neがロックアップ解除回転数(LU解除回転数)Noff未満であるか否かを判定する(ステップS30)。この判定は、前記判定回転数Njudを用いて行なってもよい。
IP開始時間後のエンジン回転数Neがロックアップ解除回転数Noff未満であると判定されたら、IP開始時間後のエンジン回転数Neがフューエルリカバー回転数Nrec未満であるか否かを判定する(ステップS32)。IP開始時間後のエンジン回転数Neがフューエルリカバー回転数Nrec未満であると判定されたら、ダウンシフト指令をディレーさせて(ステップS40)、ロックアップを解除する(ステップS42,LU解除)。
そして、フューエルリカバーが実施され、フューエルリカバー後の回転が安定したか否かを判定し(ステップS50)、回転が安定したら、その時点でダウンシフトをした場合にダウンシフト終了後のタービン回転数Ntがエンジン回転数Neを上回らないか否かを判定する(ステップS60)。
ダウンシフト指令をディレーさせている間には、ステップS50及びS60で何れも肯定判定がされるまで、制御周期毎に、ステップS40,S50及びS60を実施する。そして、フューエルリカバー後の回転が安定したと判定し、且つ、ダウンシフト終了後のタービン回転数Ntがエンジン回転数Neを上回らないと判定したら、ダウンシフト指令によってダウンシフトを実施する(ステップS90)。
一方、ステップS30で、IP開始時間後のエンジン回転数Neがロックアップ解除回転数Noff以上であると判定すると、直ぐにダウンシフトを実施する(ステップS90)。
また、ステップS32で、IP開始時間後のエンジン回転数Neがフューエルリカバー回転数Nrec以上であると判定すると、ロックアップ解除回転数Noffをフューエルリカバー回転数Nrecまで(フューエルリカバー回転数Nrecに対するマージン分だけ)コーストダウンシフトが終了するまで一時的に低下させる(ステップS70)。そして、フラグFRを1にセットして(ステップS80)、直ぐにダウンシフトを実施する(ステップS90)。フラグFRは、ロックアップ解除回転数Noffを一時的に低下させている際には1とされ、他の場合には0とされる。
ダウンシフトを実施した場合には、ダウンシフトが完了したか否かを判定し(ステップS100)、ダウンシフトが完了したらフラグFRが1か否かを判定し(ステップS110)、フラグFRが1なら、低下させていたロックアップ解除回転数Noffをフューエルリカバー回転数Nrecまで(フューエルリカバー回転数Nrecに対するマージン分だけ)上昇させ(ステップS120)、フラグFRを0にセットする(ステップS130)。
このようにして、IP開始時間後のエンジン回転数Neがロックアップ解除回転数Noff未満であると判定されたら、ダウンシフト指令をディレーさせるので、フューエルリカバーと、ダウンシフト(特に、トルクフェーズ)とが同時に実施されることはなく、トルクフェーズ中にフューエルリカバーによって入力トルクが急変することを回避することができ、運転者に違和感を与えないようにすることができる。
また、フューエルリカバー後の回転が安定したと判定し、且つ、ダウンシフト終了後のタービン回転数Ntがエンジン回転数Neを上回らないと判定したら、ダウンシフト指令によってダウンシフトを実施するので、トルクコンバータ2でのトルク伝達方向が逆転することがなく、トルク伝達方向の逆転に起因した、動力伝達経路内に介装された動力伝達ギヤのガタによるショックの発生を防止でき、運転者に違和感を与えないようにすることができる。
また、IP開始時間後のエンジン回転数Neがロックアップ解除回転数Noff以上であると判定して、直ぐにダウンシフトを実施する場合も、ロックアップ解除回転数Noffを一時的に低下させているので、エンストの発生のおそれを回避しつつロックアップ解除を防止して、ロックアップを継続させて燃費の向上を図ることができる。
[6.その他]
以上、本発明の一実施形態にかかる自動変速機の制御装置について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨(ダウンシフトとフューエルリカバーとが重なることが推定されると、フューエルリカバーの方をダウンシフト制御よりも優先して実施する)を逸脱しない範囲で上記実施形態を適宜変更して実施してもよい。
例えば、上記実施形態では、前進9段の変速段を有する有段式の自動変速機構を例示したが、有段式の自動変速機構の変速段数はこれに限るものではない。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 自動変速機構
4 自動変速機
5 動力伝達機構
6 駆動輪
7 油圧回路ユニット
10 自動変速機コントローラ(変速機制御手段)
10A 変速制御部(変速制御手段)
10B ロックアップ制御部(ロックアップ制御手段)
10C 推定部(推定手段)
10D ダウンシフト遅延部(ダウンシフト遅延手段)
20 ロックアップクラッチ
100 エンジンコントローラ(エンジン制御手段)

Claims (8)

  1. エンジンを無負荷状態にしたコースト走行中に、トルクコンバータをロックアップ状態にすると共に、前記エンジンへの燃料供給を中止するフューエルカットを行ない、前記フューエルカット中に、前記エンジンの回転数がフューエルリカバー回転数まで低下すると、前記フューエルカットを終了させてエンジンへの燃料供給を再開するフューエルリカバーを行なう車両に装備され、
    前記トルクコンバータと、前記トルクコンバータを介して前記エンジンからの回転を入力される有段式の自動変速機構とを有する自動変速機を制御する制御装置であって、
    前記フューエルカット中に、前記トルクコンバータのタービン回転数がダウンシフト回転数まで低下するとダウンシフト要求を判定し、摩擦係合要素の掛け替えによる前記自動変速機構のダウンシフト制御を実施する変速制御手段を備え、
    前記変速制御手段は、ダウンシフトと前記フューエルリカバーとが重なると推定すると、前記フューエルリカバーを優先して実施する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記変速制御手段は、
    前記ダウンシフト要求を判定したら、前記ダウンシフト制御した場合にダウンシフト中に前記フューエルリカバーが開始されるか否かを推定する推定手段と、
    前記推定手段が、ダウンシフト中に前記フューエルリカバーが実施されると推定すると、前記フューエルリカバーが完了するまで前記ダウンシフト制御の開始を遅らせるダウンシフト遅延手段と、を有している
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記推定手段は、前記ダウンシフト中のイナーシャフェーズが開始されるまでに前記フューエルリカバーが開始されるか否かを推定する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記ダウンシフト遅延手段は、前記ダウンシフト制御を実施して前記ダウンシフトが完了した後でも、前記タービン回転数が前記エンジン回転数を上回らないと見込める状態になるまでダウンシフト制御の開始を遅らせる
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記ダウンシフト遅延手段は、前記フューエルリカバーの完了後にエンジ回転が安定するまでダウンシフト制御の開始を遅らせる
    ことを特徴とする請求項4記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記エンジン回転数が低下してロックアップ解除回転数を下回ると、前記トルクコンバータのロックアップクラッチを解放するロックアップ制御手段を更に有し、
    前記ロックアップ解除回転数はフューエルリカバー回転数よりも高い値に設定されている
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の自動変速機の制御装置。
  7. 前記ロックアップ制御手段は、前記推定手段が前記フューエルリカバーの開始前に前記ダウンシフトが完了すると判断すると、前記ロックアップ解除回転数を前記フューエルリカバー回転数まで一時的に低下させる
    ことを特徴とする請求項6記載の自動変速機の制御装置。
  8. 前記推定手段は、前記ダウンシフト中のイナーシャフェーズが開始されるまでに前記エンジン回転数が前記ロックアップ解除回転数を下回るか否かによって前記フューエルリカバーが開始されるか否かを推定する
    ことを特徴とする請求項6又は7記載の自動変速機の制御装置。
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