JP2017128763A - 高強度機械構造用鋼および無限軌道履帯用トラックリンク - Google Patents
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Abstract
【課題】耐遅れ破壊特性に優れた高強度機械構造用鋼であって、無限軌道履帯用トラックリンクの材料として好適な高強度機械構造用鋼と、それを用いた無限軌道履帯用トラックリンクの提供。
【解決手段】本発明の高強度機械構造用鋼は、化学組成が、重量%で、C 0.30〜0.45、Si 0.15〜0.50、Mn 0.15〜0.85、P 0.030以下、S 0.030以下、Cu 0.30以下、Cr 0.65〜1.35、Ti 0.010〜0.070、Al 0.015〜0.070、V 0.05〜0.20、B 0.0005〜0.0050で、残部が実質的に鉄および不可避的不純物からなり、耐遅れ破壊特性に優れる。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の高強度機械構造用鋼は、化学組成が、重量%で、C 0.30〜0.45、Si 0.15〜0.50、Mn 0.15〜0.85、P 0.030以下、S 0.030以下、Cu 0.30以下、Cr 0.65〜1.35、Ti 0.010〜0.070、Al 0.015〜0.070、V 0.05〜0.20、B 0.0005〜0.0050で、残部が実質的に鉄および不可避的不純物からなり、耐遅れ破壊特性に優れる。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば無限軌道履帯用トラックリンクの材料として好適な鋼に関し、特に耐遅れ破壊特性に優れた鋼に関する。
従来の無限軌道履帯用トラックリンクでは、耐摩耗性が要求されるローラー踏み面の硬度を高周波焼入れなどにより高くして(例えばHRC50程度)高強度化し、その他の素地部は硬度を高くしない様に(例えばHRC35程度に)している。
しかし、素地部には捻り等に対する強度が必要であり、従来の無限軌道履帯用トラックリンクでは上述した様に低い硬度にしているため、高負荷な作業環境では疲労破壊等が生じる恐れがある。
しかし、素地部には捻り等に対する強度が必要であり、従来の無限軌道履帯用トラックリンクでは上述した様に低い硬度にしているため、高負荷な作業環境では疲労破壊等が生じる恐れがある。
一方、素地部の硬度をHRC50程度に高くしてしまうと、特にトラックピンやトラックブッシュを圧入している部位で遅れ破壊を生じ易くなるという問題が存在する。
その他の従来技術として、耐遅れ破壊特性に優れたばね鋼が提案されているが特許文献1)、高い弾性限界と破壊靭性が要求されることから、Si(ケイ素)を過剰に添加しているため、熱間変形抵抗が増加してしまい、熱間鍛造により成形を行うトラックリンク用構造用鋼には適さない。また、疲労寿命、耐摩耗性および寸法安定性に優れた転がり軸受部品も提案されているが(特許文献2)、耐熱性の向上を図るためSi(ケイ素)含有量を高めており、成形性に問題がある。
上述の従来技術は何れも無限軌道履帯用トラックリンクとは別分野の技術であり、その組成を決定する際の設計思想がトラックリンクの場合とは根本的に異なっている。
そのため、上述した従来技術(特許文献1、特許文献2)は、上述したトラックリンクに関する諸問題を解決することが出来ない。
上述の従来技術は何れも無限軌道履帯用トラックリンクとは別分野の技術であり、その組成を決定する際の設計思想がトラックリンクの場合とは根本的に異なっている。
そのため、上述した従来技術(特許文献1、特許文献2)は、上述したトラックリンクに関する諸問題を解決することが出来ない。
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、耐遅れ破壊特性に優れた高強度機械構造用鋼であって無限軌道履帯用トラックリンクの材料として好適な高強度機械構造用鋼と、それを用いた無限軌道履帯用トラックリンクの提供を目的としている。
本発明の高強度機械構造用鋼は、化学組成が、重量%で、
C 0.30〜0.45
Si 0.15〜0.50
Mn 0.15〜0.85
P 0.030以下
S 0.030以下
Cu 0.30以下
Cr 0.65〜1.35
Ti 0.010〜0.070
Al 0.015〜0.070
V 0.05〜0.20
B 0.0005〜0.0050
残部が実質的に鉄および不可避的不純物からなり、耐遅れ破壊特性に優れることを特徴としている。
C 0.30〜0.45
Si 0.15〜0.50
Mn 0.15〜0.85
P 0.030以下
S 0.030以下
Cu 0.30以下
Cr 0.65〜1.35
Ti 0.010〜0.070
Al 0.015〜0.070
V 0.05〜0.20
B 0.0005〜0.0050
残部が実質的に鉄および不可避的不純物からなり、耐遅れ破壊特性に優れることを特徴としている。
また、本発明の無限軌道履帯用トラックリンク(1)は、上述した本発明の高強度機械構造用鋼を用いている。
ここで本発明の無限軌道履帯用トラックリンク(1)は、上述した本発明の高強度機械構造用鋼を用いて、素地部(1A)の硬度をHRC50(一般的な業界規格ではHRC48〜54を含む)に熱処理するのが好ましい。
或いは本発明の無限軌道履帯用トラックリンク(1)は、上述した本発明の高強度機械構造用鋼を用いて、素地部(1A)の硬度をHRC35(一般的な業界規格ではHRC30〜40を含む)に調質するのが好ましい。
ここで本発明の無限軌道履帯用トラックリンク(1)は、上述した本発明の高強度機械構造用鋼を用いて、素地部(1A)の硬度をHRC50(一般的な業界規格ではHRC48〜54を含む)に熱処理するのが好ましい。
或いは本発明の無限軌道履帯用トラックリンク(1)は、上述した本発明の高強度機械構造用鋼を用いて、素地部(1A)の硬度をHRC35(一般的な業界規格ではHRC30〜40を含む)に調質するのが好ましい。
本発明によれば、強度が要求されるが、遅れ破壊が問題になり強度を上げることが出来ない場合において、例えば引張強度が約1100MPa(HRC35)を1800MPa(HRC50)に強度を上げても、従来品(強度を上げない現行トラックリンク)と同等の耐遅れ破壊特性が得られる。
本発明の無限軌道履帯用トラックリンク(1)における素地部(1A)の硬度をHRC50にすれば、従来の硬度を上げない素地部と同等の耐遅れ破壊特性が得られるとともに、ローラー踏み面部(1B)に対する熱処理(焼入れ、低温焼戻し)を省略することが出来るので、製造コストを低く抑えられる。
さらに本発明の無限軌道履帯用トラックリンク(1)における素地部(1A)の硬度をHRC35にすれば、素地部の耐遅れ破壊特性がさらに向上する。
さらに本発明の無限軌道履帯用トラックリンク(1)における素地部(1A)の硬度をHRC35にすれば、素地部の耐遅れ破壊特性がさらに向上する。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本発明の第1実施形態に係る高強度機械構造用鋼は、下表1で示す組成を有している。
なお、表1に記載されていない組成は、実質的に鉄および不可避的不純物から成る。
表1
本発明の第1実施形態に係る高強度機械構造用鋼は、下表1で示す組成を有している。
なお、表1に記載されていない組成は、実質的に鉄および不可避的不純物から成る。
表1
表2で示す鋼材で、No.2が本発明に係る高強度機械構造用鋼に該当する真空溶解にて試験製造された鋼材(本発明の実験例に係る鋼材)である。
また、No.1及びNo.3は新規に真空溶解にて試験製造された鋼材であるが、本発明に係る構造用鋼には該当しない鋼材である。
さらに、現行材は比較例として真空溶解にて試験製造された既存の鋼材である。
また、No.1及びNo.3は新規に真空溶解にて試験製造された鋼材であるが、本発明に係る構造用鋼には該当しない鋼材である。
さらに、現行材は比較例として真空溶解にて試験製造された既存の鋼材である。
ここで、発明者が開発しようとする高強度機械構造用鋼では、「Ti/N」が3.5以上であることが要求される。N(窒素)にボロン(B)を吸収されて焼入れ性が低下する(B添加の効果が低下する)ことを防止するため、Ti(チタン)を添加して鋼中にTiNを存在させて結晶粒界のピン止め効果により粒成長を抑制し、細粒化する必要があるためである。
表2に示す通り、本発明の実験例における鋼材No.1〜No.3および現行材は、「Ti/N≧3.5」という条件を充足している。
表2に示す通り、本発明の実験例における鋼材No.1〜No.3および現行材は、「Ti/N≧3.5」という条件を充足している。
表2で示す鋼材の各々について、引張強度及びシャルピー衝撃試験の試験結果を、図1に示す。
図1の横軸にNo.1〜No.3の各鋼材と、現行材が示されている。鋼材No.1〜No.3と現行材の各々について、2本ずつ示している棒グラフは、左側が引張強度を示し、右側がシャルピー衝撃値を示している。
図1から明らかなように、実験例に係るNo.2の鋼材は現行材に比較して、引張強度は向上しているが、シャルピー衝撃値は低下している。しかし、シャルピー衝撃値の低下は許容されるレベルである。
図1の横軸にNo.1〜No.3の各鋼材と、現行材が示されている。鋼材No.1〜No.3と現行材の各々について、2本ずつ示している棒グラフは、左側が引張強度を示し、右側がシャルピー衝撃値を示している。
図1から明らかなように、実験例に係るNo.2の鋼材は現行材に比較して、引張強度は向上しているが、シャルピー衝撃値は低下している。しかし、シャルピー衝撃値の低下は許容されるレベルである。
また、表2で示す鋼材と現行材について、硬さ、結晶粒度試験結果を、図2に示す。
図2の横軸にNo.1〜No.3と現行材の各鋼材の試験結果を示している。鋼材No.1〜No.3と現行材の各々について、2本ずつ示されている棒グラフは、左側が硬さを示し、右側が結晶粒度(粒度番号、No.)を示している。
図2において、本発明の実験例である鋼材No.2は、現行材に比較して、硬さ、結晶粒度ともに実用的であることが確認された。
図2の横軸にNo.1〜No.3と現行材の各鋼材の試験結果を示している。鋼材No.1〜No.3と現行材の各々について、2本ずつ示されている棒グラフは、左側が硬さを示し、右側が結晶粒度(粒度番号、No.)を示している。
図2において、本発明の実験例である鋼材No.2は、現行材に比較して、硬さ、結晶粒度ともに実用的であることが確認された。
ここで、図1、図2に示す試験結果は、鋼材No.1、No.2、No.3については、熱間鍛造して試験を行うのに必要な形状に成型した後、焼入れ、低温焼戻し(200℃前後)を実施して、機械加工を行ってから実施した。
現行材については、熱間鍛造して実験試験を行うのに必要な形状に成型した後、焼入れを行い、高温焼戻し(460℃前後)を実施して、機械加工を行ってから実施した。
現行材については、熱間鍛造して実験試験を行うのに必要な形状に成型した後、焼入れを行い、高温焼戻し(460℃前後)を実施して、機械加工を行ってから実施した。
さらに発明者は、表2で示す鋼材の各々および実際に量産されている現行トラックリンクについて、限界拡散性水素量と硬さを計測した。計測された限界拡散性水素量と硬さの実験結果が、図3において示されている。図3に示される実験では、上記鋼材それぞれについて焼入れ後の焼戻し温度を変えることにより、硬さを変えた試験片を用いて測定している。また、現行トラックリンクは現行材と同等の成分の量産鋼材に鍛造を施してトラックリンク形状とし、ついでトラックリンク形状とした素材の全体に焼入れ・焼戻しから成る全体熱処理を行った量産トラックリンクに機械加工を施した試験片を用いて測定している。
ここで、限界拡散性水素量は鋼材が遅れ破壊を起こさない上限の拡散性水素量であり拡散性水素量が多いほど遅れ破壊を起こしにくく、遅れ破壊特性が向上する。限界拡散性水素量が遅れ破壊に対する特性の指標となることは周知である。
ここで、鋼材の硬さ(横軸)と限界拡散性水素量(縦軸)とは負の相関関係があり、硬さが大きくなるにしたがって限界拡散性水素量は減少することが知られている。すなわち、鋼材の強度を高めるため硬度を高くすると、耐遅れ破壊特性は悪化する。
ここで、限界拡散性水素量は鋼材が遅れ破壊を起こさない上限の拡散性水素量であり拡散性水素量が多いほど遅れ破壊を起こしにくく、遅れ破壊特性が向上する。限界拡散性水素量が遅れ破壊に対する特性の指標となることは周知である。
ここで、鋼材の硬さ(横軸)と限界拡散性水素量(縦軸)とは負の相関関係があり、硬さが大きくなるにしたがって限界拡散性水素量は減少することが知られている。すなわち、鋼材の強度を高めるため硬度を高くすると、耐遅れ破壊特性は悪化する。
図3で示す実験結果において、現行トラックリンク(○でプロット)および現行材(●でプロット)では、硬さがHRC30〜40は限界拡散性水素量が0.3〜1.0ppmを示しているが、硬度を高めてHRC50にすると限界拡散性水素量は0.1ppm位まで低下して、耐遅れ破壊特性が大きく悪化している。
それに対して、実験例に係る鋼材No.2(▲でプロット)では耐遅れ破壊特性が大きく改善されており、HRC50において限界拡散性水素量は約0.8ppmの値を示し、この値は従来の鋼材において硬さHRC35前後で示す値と同程度である。また、鋼材No.2は硬さHRC35近傍においては限界拡散性水素量が約1.4ppmという非常に優れた数値であり、耐遅れ破壊特性が非常に向上していることを示している。
なお、本発明に該当しない鋼材No.1、No.3(■でプロット)については、HRC50近傍の領域において、No.2の様な優れた耐遅れ破壊特性を示さなかった。
それに対して、実験例に係る鋼材No.2(▲でプロット)では耐遅れ破壊特性が大きく改善されており、HRC50において限界拡散性水素量は約0.8ppmの値を示し、この値は従来の鋼材において硬さHRC35前後で示す値と同程度である。また、鋼材No.2は硬さHRC35近傍においては限界拡散性水素量が約1.4ppmという非常に優れた数値であり、耐遅れ破壊特性が非常に向上していることを示している。
なお、本発明に該当しない鋼材No.1、No.3(■でプロット)については、HRC50近傍の領域において、No.2の様な優れた耐遅れ破壊特性を示さなかった。
図1〜図3で示す結果から、以下の作用効果が確認された。
高強度機械構造用鋼を用いれば、現行材と同等の量産鋼材を用いた現行トラックリンクに比較してさらに強度が要求される場合に、現行トラックリンクと同等の耐遅れ破壊特性を維持した上で、強度を上げることが出来る。
例えば硬度をHRC50(引張強度を約1800MPa)程度まで向上しても、硬度HRC30〜40の現行トラックリンク(引張強度を約1100MPa)と同等の耐遅れ破壊特性が得られる。
また、現行トラックリンクでは耐遅れ破壊特性が低い場合でも、本発明の高強度機械構造用鋼を用いて、前記現行トラックリンクと同じ硬度に素地部を調質すれば、現行トラックリンクに比較して遥かに耐遅れ破壊特性が向上したトラックリンクが得られる。
高強度機械構造用鋼を用いれば、現行材と同等の量産鋼材を用いた現行トラックリンクに比較してさらに強度が要求される場合に、現行トラックリンクと同等の耐遅れ破壊特性を維持した上で、強度を上げることが出来る。
例えば硬度をHRC50(引張強度を約1800MPa)程度まで向上しても、硬度HRC30〜40の現行トラックリンク(引張強度を約1100MPa)と同等の耐遅れ破壊特性が得られる。
また、現行トラックリンクでは耐遅れ破壊特性が低い場合でも、本発明の高強度機械構造用鋼を用いて、前記現行トラックリンクと同じ硬度に素地部を調質すれば、現行トラックリンクに比較して遥かに耐遅れ破壊特性が向上したトラックリンクが得られる。
次に、上記表1の化学組成について説明する。発明者は種々の実験結果から、表1の化学組成を決定した。
C(炭素)は、機械特性を維持するために一定量必要な元素である。発明者の実験では、含有量が0.30%(中炭素レベル)より少ないと、必要な硬さ・強度を確保できず、従来の機械特性を維持することが出来なかった。
一方、含有量が0.45%より多いと、延性・靭性・耐食性及び耐遅れ破壊特性が低下してしまった。また熱間圧延・熱間鍛造時の変形抵抗が増加してしまった。
したがって必要な硬さ・強度を維持した上で、延性・靭性・耐食性等の特性を確保し、耐遅れ破壊特性を満足させるため、C(炭素)の含有量を0.30〜0.45%とした。
C(炭素)は、機械特性を維持するために一定量必要な元素である。発明者の実験では、含有量が0.30%(中炭素レベル)より少ないと、必要な硬さ・強度を確保できず、従来の機械特性を維持することが出来なかった。
一方、含有量が0.45%より多いと、延性・靭性・耐食性及び耐遅れ破壊特性が低下してしまった。また熱間圧延・熱間鍛造時の変形抵抗が増加してしまった。
したがって必要な硬さ・強度を維持した上で、延性・靭性・耐食性等の特性を確保し、耐遅れ破壊特性を満足させるため、C(炭素)の含有量を0.30〜0.45%とした。
Si(ケイ素)は、溶製時の脱酸材として作用する。発明者の実験では、含有量が0.15%より少ないと脱酸が不充分なため、鋼材中に欠陥が形成され、酸化物が生成されてしまった
一方、含有量が0.50%より多いと、焼入れ性は低下し、熱間変形抵抗は上昇し圧延及び熱間鍛造時の負荷が増加してしまった。
したがって必要な脱酸性、焼入れ性を維持した上で、熱間変形抵抗を上昇させないため、Si(ケイ素)の含有量を0.15〜0.50%とした。
一方、含有量が0.50%より多いと、焼入れ性は低下し、熱間変形抵抗は上昇し圧延及び熱間鍛造時の負荷が増加してしまった。
したがって必要な脱酸性、焼入れ性を維持した上で、熱間変形抵抗を上昇させないため、Si(ケイ素)の含有量を0.15〜0.50%とした。
Mn(マンガン)は、発明者の実験では、含有量が0.15%より少ないと、必要な脱酸性、強靭性が得られず、熱処理における焼入れ性が低下してしまった。
一方、含有量が0.85%より多いと、不純物元素(P、S)との化合物MnP、MnSを形成し、粒界偏析が助長され、耐遅れ破壊特性が低下してしまった。さらに被削性が低下し、焼き戻し軟化抵抗が増加してしまった。
したがって必要な脱酸性、強靭性、焼入れ性を維持した上で、耐遅れ破壊特性を満足させる(低下させない)ため、Mn(マンガン)の含有量を0.15〜0.85%とした。
一方、含有量が0.85%より多いと、不純物元素(P、S)との化合物MnP、MnSを形成し、粒界偏析が助長され、耐遅れ破壊特性が低下してしまった。さらに被削性が低下し、焼き戻し軟化抵抗が増加してしまった。
したがって必要な脱酸性、強靭性、焼入れ性を維持した上で、耐遅れ破壊特性を満足させる(低下させない)ため、Mn(マンガン)の含有量を0.15〜0.85%とした。
P(リン)は、有害な不可避的不純物元素として含有される。そして発明者の実験では、含有量が0.030%より多いと、粒界に偏析し耐遅れ破壊特性が低下してしまった。
したがってP(リン)の含有量は、上限のみを設定し、0.030%以下とした。ただし、P(リン)を含有しない場合を含む。
したがってP(リン)の含有量は、上限のみを設定し、0.030%以下とした。ただし、P(リン)を含有しない場合を含む。
S(硫黄)は、不可避的不純物元素として含有される。そして発明者の実験では、含有量が0.030%より多いと、非金属介在物MnS等を生成し、延性、靭性が低下すると共に、耐遅れ破壊特性も低下してしまった。
したがってS(硫黄)の含有量は上限のみを設定し、0.030%以下とした。ただし、S(硫黄)を含有しない場合を含む。
したがってS(硫黄)の含有量は上限のみを設定し、0.030%以下とした。ただし、S(硫黄)を含有しない場合を含む。
Cu(銅)は、電気炉では除去できず蓄積する元素であり、添加することにより耐食性を向上させ耐遅れ破壊特性を向上させる。しかし発明者の実験では、含有量が0.30%より多いと、熱間加工割れなどにより鋼材の表面性状が劣化してしまった。
したがってCu(銅)の含有量は、上限のみを設定し、0.30%以下とした。
したがってCu(銅)の含有量は、上限のみを設定し、0.30%以下とした。
Ni(ニッケル)は、焼入れ性、靭性の向上に有効な元素であり、且つ耐食性を向上させ、耐遅れ破壊特性を向上させるが、高コストであり、前記添加の効果も含有量の増加により飽和するため、不可避分として、包含することを許容する。
Cr(クロム)は、焼入れ性、耐食性(耐候性)及び耐遅れ破壊特性を向上させる元素である。Cr(クロム)は、熱処理時に生成されるスケールをCr(クロム)の濃化した緻密なスケールとし、スケール及びスケールの内側の鋼表面層が腐食される過程で発生する水素量を低減させることで、耐遅れ破壊特性を向上させる。しかし発明者の実験では、含有量が0.65%より少ないと、前記特性が低下してしまった。
一方、含有量が1.35%より多いと、靭性が低下してしまった。
したがってCr(クロム)の含有量を0.65〜1.35%とした。
一方、含有量が1.35%より多いと、靭性が低下してしまった。
したがってCr(クロム)の含有量を0.65〜1.35%とした。
Ti(チタン)は、不可避的不純物元素として混入するN(窒素)と結合(TiN)することで、B(ボロン)がBN(窒化ボロン)を形成してBの効果を消失するのを防止する元素である。そして発明者の実験では、含有量が0.010%より少ないと、前記B(ボロン)添加の効果が得られなかった。
一方、Ti(チタン)添加の効果は含有量の増加により飽和し、含有量が0.070%より多いと前記効果は向上しなかった。
そのためTi(チタン)の含有量を0.010〜0.070%とした。
一方、Ti(チタン)添加の効果は含有量の増加により飽和し、含有量が0.070%より多いと前記効果は向上しなかった。
そのためTi(チタン)の含有量を0.010〜0.070%とした。
Al(アルミニウム)は、溶製時の脱酸材であり、上述のTi(チタン)と共に、N(窒素)を固定して(AlN:窒化アルミニウム)、B(ボロン)添加の効果(強度・靭性の向上)を生じるために有効な元素である。発明者の実験では、含有量が0.015%より少ないと、B(ボロン)がBN(窒化ボロン)を形成してB添加の効果は得られなかった。
一方、含有量が0.070%より多いと、延性・靭性が低下してしまった。
したがって、Al(アルミニウム)の含有量を0.015〜0.070%とした。
一方、含有量が0.070%より多いと、延性・靭性が低下してしまった。
したがって、Al(アルミニウム)の含有量を0.015〜0.070%とした。
V(バナジウム)は、VN(窒化バナジウム)として析出して粒内フェライト変態を促進すると共に、VC(炭化バナジウム)としてフェライト内に微細に析出して鋼を強化する元素である。また拡散性水素をトラップする効果があると共に結晶粒を微細化し、粒界強化により靭性・延性を向上させ、耐遅れ破壊特性を向上させる元素である。そして発明者の実験では、含有量が0.05%より少ないと、結晶粒が微細化せず、耐遅れ破壊特性が向上しなかった。
一方、V(バナジウム)添加の効果は含有量の増加により飽和し、含有量が0.20%より多いと前記効果は向上しなかった。
そのため、V(バナジウム)の含有量を0.05〜0.20%とした。
一方、V(バナジウム)添加の効果は含有量の増加により飽和し、含有量が0.20%より多いと前記効果は向上しなかった。
そのため、V(バナジウム)の含有量を0.05〜0.20%とした。
B(ボロン)は、粒界部に濃化して粒界強度を向上させ、粒界強化に伴い耐遅れ破壊特性を大きく向上させる元素である。また焼入れ性向上にも有効である。そして発明者の実験では、含有量が0.0005%より少ないと、耐遅れ破壊特性向上及び焼入れ性向上の効果が得られなかった。
一方、B(ボロン)添加の効果は含有量の増加により飽和し、含有量が0.0050%より多いと前記効果は向上しなかった。
そのため、B(ボロン)の含有量を0.0005〜0.0050%とした。
一方、B(ボロン)添加の効果は含有量の増加により飽和し、含有量が0.0050%より多いと前記効果は向上しなかった。
そのため、B(ボロン)の含有量を0.0005〜0.0050%とした。
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
図4には、本発明の第1実施形態に係る高強度機械構造用鋼で製造した無限軌道履帯用トラックリンク1を示す。
図5で示す作業機械の走行装置は無限軌道履帯を含んでおり、トラックリンク1は当該無限軌道履帯の構成要素である。図5において、符号4はローラー踏み面(ローラーと接触する面)を示し、符号6はローラーを示している。
再び図4を参照して、第2実施形態に係るトラックリンク1の製造工程では、熱間鍛造の後、全体焼入れと200℃程度にて低温焼戻しを行い、その後、ローラー踏み面4、シュー取付け面5、の加工を行なった上、トラックピン孔2、トラックブッシュ孔3の加工を行う。
図4には、本発明の第1実施形態に係る高強度機械構造用鋼で製造した無限軌道履帯用トラックリンク1を示す。
図5で示す作業機械の走行装置は無限軌道履帯を含んでおり、トラックリンク1は当該無限軌道履帯の構成要素である。図5において、符号4はローラー踏み面(ローラーと接触する面)を示し、符号6はローラーを示している。
再び図4を参照して、第2実施形態に係るトラックリンク1の製造工程では、熱間鍛造の後、全体焼入れと200℃程度にて低温焼戻しを行い、その後、ローラー踏み面4、シュー取付け面5、の加工を行なった上、トラックピン孔2、トラックブッシュ孔3の加工を行う。
そして、前記熱処理(全体焼入れ、低温焼戻し)によりトラックリンク1全体を、従来、ローラー踏み面部1Bの熱処理(再焼入れ、低温焼戻し)で得られる硬度(HRC50程度:一般的な業界規格では、HRC50はHRC48〜54を含んでいる)と同程度の硬度に熱処理することが出来る。その結果、素地部1Aも硬度HRC50程度に向上する。すなわち第2実施形態においては、図4に示されるローラー踏み面部1Bも素地部1Aも、共に硬度がHRC50程度に熱処理されている。
発明者の実験では、HRC48未満では、ローラー踏み面部1Bの摩耗量が大きかった。一方、HRC54よりも大きいと遅れ破壊特性が低下した。そのため、素地部1Aの硬度を、一般的な業界規格通りにHRC48〜54を含むHRC50にした。
発明者の実験では、HRC48未満では、ローラー踏み面部1Bの摩耗量が大きかった。一方、HRC54よりも大きいと遅れ破壊特性が低下した。そのため、素地部1Aの硬度を、一般的な業界規格通りにHRC48〜54を含むHRC50にした。
素地部1AをHRC50程度(HRC48〜54を含む)にすることにより、トラックリンク全体の疲労破壊強度が向上する。
さらに、HRC50程度(HRC48〜54を含む)にしても、限界拡散性水素量すなわち遅れ破壊特性は、既存の素地部の硬度HRC35程度のトラックリンクと同程度である(図3参照)。
それに加えて、ローラー踏み面部1Bに対する熱処理(再焼入れ、低温焼戻し)を省略できるため、係る熱処理の分だけ製造コストを低く抑えることが出来る。
さらに、HRC50程度(HRC48〜54を含む)にしても、限界拡散性水素量すなわち遅れ破壊特性は、既存の素地部の硬度HRC35程度のトラックリンクと同程度である(図3参照)。
それに加えて、ローラー踏み面部1Bに対する熱処理(再焼入れ、低温焼戻し)を省略できるため、係る熱処理の分だけ製造コストを低く抑えることが出来る。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
第3実施形態に係る無限軌道履帯用トラックリンク1は、第1実施形態に係る高強度機械構造用鋼を用いて製造され、その製造工程では、熱間鍛造の後、全体焼入れと高温焼戻し(約460℃)を行い、その後、(ローラー踏み面4、シュー取付け面5の加工の後)ローラー踏み面部1Bについて熱処理(再焼入れ、低温焼戻し)を行う(その後トラックピン孔2、トラックブッシュ孔3の加工を行う)。
第3実施形態では、トラックリンク1のローラー踏み面部1Bは従来のトラックリンクと同程度の硬度HRC50程度(HRC48〜54を含む)に熱処理されるので、摩耗量が増加してしまうことはない。
第3実施形態に係る無限軌道履帯用トラックリンク1は、第1実施形態に係る高強度機械構造用鋼を用いて製造され、その製造工程では、熱間鍛造の後、全体焼入れと高温焼戻し(約460℃)を行い、その後、(ローラー踏み面4、シュー取付け面5の加工の後)ローラー踏み面部1Bについて熱処理(再焼入れ、低温焼戻し)を行う(その後トラックピン孔2、トラックブッシュ孔3の加工を行う)。
第3実施形態では、トラックリンク1のローラー踏み面部1Bは従来のトラックリンクと同程度の硬度HRC50程度(HRC48〜54を含む)に熱処理されるので、摩耗量が増加してしまうことはない。
第3実施形態では、素地部1AはHRC35(一般的な業界規格ではHRC30〜40を含んでいる)に調質されている。そのため図3で示す様に、既存のトラックリンクに比較して限界拡散性水素量が遥かに多く、耐遅れ破壊特性が大幅に向上している。
発明者の実験によれば、素地部1AがHRC30未満の場合には、トラックリンクとしての製品強度が不十分であった。一方、素地部1Aの硬度がHRC40よりも大きいと製品強度や疲労強度の増加に対し、被削性の低下が大きいことが発明者の実験で明らかになった。そのため、素地部1Aの硬度を、一般的な業界規格通りにHRC30〜40を含むHRC35とした。
発明者の実験によれば、素地部1AがHRC30未満の場合には、トラックリンクとしての製品強度が不十分であった。一方、素地部1Aの硬度がHRC40よりも大きいと製品強度や疲労強度の増加に対し、被削性の低下が大きいことが発明者の実験で明らかになった。そのため、素地部1Aの硬度を、一般的な業界規格通りにHRC30〜40を含むHRC35とした。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
1・・・トラックリンク
1A・・・素地部
1B・・・ローラー踏み面部
2・・・トラックピン孔
3・・・トラックブッシュ孔
4・・・ローラー踏み面
5・・・シュー取付け面
6・・・ローラー
1A・・・素地部
1B・・・ローラー踏み面部
2・・・トラックピン孔
3・・・トラックブッシュ孔
4・・・ローラー踏み面
5・・・シュー取付け面
6・・・ローラー
Claims (4)
- 化学組成が、重量%で、
C 0.30〜0.45
Si 0.15〜0.50
Mn 0.15〜0.85
P 0.030以下
S 0.030以下
Cu 0.30以下
Cr 0.65〜1.35
Ti 0.010〜0.070
Al 0.015〜0.070
V 0.05〜0.20
B 0.0005〜0.0050
残部が実質的に鉄および不可避的不純物からなり、耐遅れ破壊特性に優れることを特徴とする高強度機械構造用鋼。 - 請求項1記載の高強度機械構造用鋼を用いた無限軌道履帯用トラックリンク。
- 素地部の硬度をHRC50に熱処理した請求項2記載の無限軌道履帯用トラックリンク。
- 素地部の硬度をHRC35に調質した請求項2記載の無限軌道履帯用トラックリンク。
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JP2016008459A JP2017128763A (ja) | 2016-01-20 | 2016-01-20 | 高強度機械構造用鋼および無限軌道履帯用トラックリンク |
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---|---|
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---|---|---|---|---|
CN107739977A (zh) * | 2017-09-30 | 2018-02-27 | 邯郸钢铁集团有限责任公司 | 低成本高端销套用钢及其生产方法 |
CN109930063A (zh) * | 2019-03-11 | 2019-06-25 | 江苏利淮钢铁有限公司 | 一种工程机械履带底盘轮体用钢及其生产方法 |
CN112080686A (zh) * | 2020-08-07 | 2020-12-15 | 江苏联峰实业有限公司 | 一种高淬透性合金结构钢及其生产方法 |
CN112593148A (zh) * | 2020-11-19 | 2021-04-02 | 南京钢铁股份有限公司 | 大节距链轨节用钢及其制备方法 |
-
2016
- 2016-01-20 JP JP2016008459A patent/JP2017128763A/ja active Pending
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