JP2017128714A - 硬化性シリコーン樹脂組成物およびその硬化物、並びにこれらを用いた光半導体装置 - Google Patents

硬化性シリコーン樹脂組成物およびその硬化物、並びにこれらを用いた光半導体装置 Download PDF

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勝宏 秋山
Katsuhiro Akiyama
勝宏 秋山
亘 河合
Wataru Kawai
亘 河合
佑 松野
Tasuku Matsuno
佑 松野
惇也 中辻
Junya Nakatsuji
惇也 中辻
真 情野
Makoto Seino
真 情野
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Abstract

【課題】柔軟性を有する硬化物を与えるシリコーン樹脂組成物、その硬化物、およびこれらを用いた光半導体装置を提供する。【解決手段】下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を少なくとも含む、硬化性シリコーン樹脂組成物。(A)成分: 所定の方法によって得られる、H−Si基を含有するシリコーン樹脂、(B)成分: 所定の方法によって得られる、Vi−Si基を含有するシリコーン樹脂、(C)成分: ヒドロシリル化触媒。【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオードなどの光半導体素子の封止材の原料、接着剤の原料として好適に用いることができる硬化性シリコーン樹脂組成物およびその硬化物、並びにこれらを用いた光半導体装置に関する。
発光ダイオード(略称:LED)などの光半導体素子を利用した発光装置の封止材には、シリコーン樹脂組成物などの硬化物が用いられる。例えば、H−Si基とアルケニル基との付加反応(ヒドロシリル化反応)を利用する付加硬化型シリコーン樹脂組成物を原料とし、これを硬化させて封止材として用いることが報告されている(特許文献1、特許文献2)。
LEDなどの光半導体素子を利用した発光装置の使用において、点灯中のチップの温度は130℃付近まで上昇し、スイッチを切るとその温度は室温まで低下する。このため、この光半導体素子の封止材には、長期間の使用において、熱サイクルで封止材がパッケージから剥離しない密着性が要求される。
一般的にシリコーン樹脂の硬化物は剥離性が良く、線熱膨張率(CTE)が他の樹脂に比べて高いことから、熱サイクルでの硬化物の伸縮が大きい。このため、シリコーン樹脂の硬化物のパッケージに対する密着性とともに、硬化物の柔軟性が求められる。柔軟性(伸び)が良く、弾性率の低い硬化物であれば、硬化物が温度変化によって伸縮する際にパッケージとの接着面において応力がかかりにくくなり、硬化物がパッケージから剥離しにくくなる。
このように、LED封止材においては、柔軟性を有するシリコーン樹脂組成物が望まれている。
特開2000−198930号公報 特開2014−159561号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、柔軟性を有する硬化物を与えるシリコーン樹脂組成物、その硬化物、およびこれらを用いた光半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。その結果、所定の硬化性シリコーン樹脂組成物を用いることにより、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の各発明を含む。
[発明1]
下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を少なくとも含む、硬化性シリコーン樹脂組成物。
(A)成分: 下記第1工程〜第3工程を少なくとも含む方法によって得られる、ケイ素原子に結合する水素原子(H−Si基)を含有するシリコーン樹脂、
(B)成分: 下記第4工程を少なくとも含む方法によって得られる、ケイ素原子に結合するビニル基(Vi−Si基)を含有するシリコーン樹脂、
(C)成分: ヒドロシリル化触媒。
第1工程: 有機溶媒の非存在下で、下記一般式[1]で示されるジアルコキシシランと、下記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランと、下記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランと、水と、酸触媒とを少なくとも含む反応液を調合する工程。
第2工程: 前記反応液を加熱して加水分解重縮合物を得る工程。
第3工程: 前記加水分解重縮合物と、下記一般式[4]、[5]または[6]で示されるシラン化合物とを酸性条件下で反応させて、(A)成分を得る工程。
(式[1]中、Meはメチル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、2つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[2]中、Phはフェニル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、3つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、4つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[4]〜[6]中、Meはメチル基を示し、式[5]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
第4工程: 前記加水分解重縮合物と、下記一般式[7]、[8]または[9]で示されるシラン化合物とを酸性条件下で反応させて、(B)成分を得る工程。
(式[7]〜[9]中、Viはビニル基を示し、式[8]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
[発明2]
前記一般式[1]で示されるジアルコキシシランと前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランと、前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランとを、
前記一般式[1]で示されるジアルコキシシランのモル数:前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランのモル数が80:20〜20:80となり、
前記一般式[1]で示されるジアルコキシシラン、前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランおよび前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランの合計100モルに対して、前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランが1〜50モルとなるように用いる、発明1に記載の組成物。
[発明3]
前記酸触媒が、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロ酢酸またはクエン酸である、発明1または2に記載の組成物。
[発明4]
前記加熱を40〜120℃で1〜24時間行う、発明1乃至3のいずれかに記載の組成物。
[発明5]
第3工程の反応を、強酸条件下で行う、発明1乃至4のいずれかに記載の組成物。
[発明6]
硬化遅延剤、酸化防止剤、光安定剤、接着付与剤、蛍光体、無機粒子、離型剤、樹脂改質剤、着色剤、希釈剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤およびタレ防止剤からなる群より選ばれる少なくとも一種をさらに含む、発明1乃至4のいずれかに記載の組成物。
[発明7]
下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を少なくとも調合する、硬化性シリコーン樹脂組成物の製造方法。

(A)成分: 下記第1工程〜第3工程を少なくとも含む方法によって得られる、ケイ素原子に結合する水素原子(H−Si基)を含有するシリコーン樹脂、
(B)成分: 下記第4工程を少なくとも含む方法によって得られる、ケイ素原子に結合するビニル基(Vi−Si基)を含有するシリコーン樹脂、
(C)成分: ヒドロシリル化触媒。

第1工程: 有機溶媒の非存在下で、下記一般式[1]で示されるジアルコキシシランと、下記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランと、下記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランと、水と、酸触媒とを少なくとも含む反応液を調合する工程。

第2工程: 前記反応液を加熱して加水分解重縮合物を得る工程。

第3工程: 前記加水分解重縮合物と、下記一般式[4]、[5]または[6]で示されるシラン化合物とを酸性条件下で反応させて、(A)成分を得る工程。
(式[1]中、Meはメチル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、2つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[2]中、Phはフェニル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、3つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、4つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[4]〜[6]中、Meはメチル基を示し、式[5]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)

第4工程: 前記加水分解重縮合物と、下記一般式[7]、[8]または[9]で示されるシラン化合物とを酸性条件下で反応させて、(B)成分を得る工程。
(式[7]〜[9]中、Viはビニル基を示し、式[8]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
[発明8]
前記一般式[1]で示されるジアルコキシシランと前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランと、前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランとを、
前記一般式[1]で示されるジアルコキシシランのモル数:前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランのモル数が80:20〜20:80となり、
前記一般式[1]で示されるジアルコキシシラン、前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランおよび前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランの合計100モルに対して、前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランが1〜50モルとなるように用いる、発明7に記載の製造方法。
[発明9]
前記酸触媒が、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロ酢酸またはクエン酸である、発明7または8に記載の製造方法。
[発明10]
前記加熱を40〜120℃で1〜24時間行う、発明7乃至9のいずれかに記載の製造方法。
[発明11]
第3工程の反応を、強酸条件下で行う、発明7乃至10のいずれかに記載の製造方法。
[発明12]
硬化遅延剤、酸化防止剤、光安定剤、接着付与剤、蛍光体、無機粒子、離型剤、樹脂改質剤、着色剤、希釈剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤およびタレ防止剤からなる群より選ばれる少なくとも一種をさらに調合する、発明7乃至11のいずれかに記載の製造方法。
[発明13]
発明1乃至6のいずれかに記載の組成物を硬化してなる硬化物。
[発明14]
発明13に記載の硬化物で、半導体素子が少なくとも封止された半導体装置。
[発明15]
下記第1工程および第2工程を少なくとも含む、加水分解重縮合物の製造方法。
第1工程: 有機溶媒の非存在下で、下記一般式[1]で示されるジアルコキシシランと、下記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランと、下記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランと、水と、酸触媒とを少なくとも含む反応液を調合する工程。
第2工程: 前記反応液を加熱して加水分解重縮合物を得る工程。
(式[1]中、Meはメチル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、2つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[2]中、Phはフェニル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、3つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、4つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよい。)
本明細書において、Viはビニル基を示し、Meはメチル基を示し、Etはエチル基を示し、Phはフェニル基を示す。
本発明によれば、柔軟性を有する硬化物を与える硬化性シリコーン樹脂組成物、その硬化物、およびこれらを用いた光半導体装置を提供することができる。
本発明の光半導体装置の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[1.硬化性シリコーン樹脂組成物]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」と称することがある。)は、(A)〜(C)成分を少なくとも含む。以下、本発明の組成物に含まれる各成分について説明する。
<(A)成分>
本発明に係る(A)成分は、下記第1工程〜第3工程を少なくとも含む方法によって得られる、ケイ素原子に結合する水素原子(H−Si基)を含有するシリコーン樹脂である。
「第1工程」
有機溶媒の非存在下で、下記一般式[1]で示されるジアルコキシシランと、下記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランと、下記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランと、水と、酸触媒とを少なくとも含む反応液を調合する工程。
「第2工程」
前記反応液を加熱して加水分解重縮合物を得る工程。
「第3工程」
前記加水分解重縮合物と、下記一般式[4]で示されるシラン化合物、下記一般式[5]で示されるシラン化合物または下記一般式[6]で示されるシラン化合物とを、酸性条件下で反応させて、(A)成分を得る工程。
式[1]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、2つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよい。
式[2]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、3つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよい。
式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、4つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよい。
式[5]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。
本発明に係る(A)成分はケイ素原子に結合する水素原子(H−Si基)を少なくとも含有し、その量は特に限定されない。一分子中に2個以上含有することが好ましい。良好な硬化物が得られることから、0.5〜4.0mmol/gであることが特に好ましい。
本発明に係る(A)成分の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されない。500〜10,000が好ましく、800〜3,500が特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の組成物は良好な成形性を有し、また、良好な樹脂強度を有する硬化物を与える。
ここで、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(略称:GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線により換算して得られる値である(本明細書において、以下同じ。)。
本発明に係る(A)成分の粘度は特に限定されない。取扱作業性の観点から、25℃において10,000,000cP(センチポイズ)以下であることが好ましく、500,000cP以下がさらに好ましい。粘度が10,000,000cP超だと成形性が劣ることがあるが、加温して粘度を下げる処置をすることもできる。
ここで、(A)成分の粘度は回転粘度計などにより測定する。具体的には、JIS Z8803(2011)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、回転粘度計(ANTON PAAR製、品名:PHYSICA MCR51、測定範囲200〜1,000,000cP)と温度制御ユニット(ANTON PAAR製、品名:P−PTD200)を使用して、25℃の温度においてせん断速度30[1/s]で測定し、測定開始から1分後に得られた値を(A)成分の粘度とする。
本発明に係る(A)成分に含有されるHO−Si基の量は特に限定されない。0.5〜4.5mmol/gが好ましく、1.0〜3.5mmol/gが特に好ましい。4.5mmol/g超だと、硬化物に気泡が観測されることがある。
ここで、(A)成分のHO−Si基の含有量は、核磁気共鳴装置を用いて(A)成分の29Si−NMRスペクトルとH−NMRスペクトルを測定し、これらを用いて算出する。
第1工程〜第3工程については、後述の(A)成分の製造方法において説明する。
<(B)成分>
本発明に係る(B)成分は、下記第4工程を少なくとも含む方法によって得られる、ケイ素原子に結合するビニル基(Vi−Si基)を含有するシリコーン樹脂である。
「第4工程」
前記加水分解重縮合物と、下記一般式[7]、[8]または[9]で示されるシラン化合物とを酸性条件下で反応させて、(B)成分を得る工程。
式[8]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。
本発明に係る(B)成分はケイ素原子に結合するビニル基(Vi−Si基)を少なくとも含有し、その量は特に限定されない。一分子中に2個以上含有することが好ましい。良好な硬化物が得られることから、0.5〜4.0mmol/gであることが特に好ましい。
本発明に係る(B)成分の質量平均分子量は、特に限定されない。500〜10,000が好ましく、800〜3,500が特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の組成物は良好な成形性を有し、また、良好な樹脂強度を有する硬化物を与える。
本発明に係る(B)成分の粘度は特に限定されない。取扱作業性の観点から、25℃において10,000,000cP(センチポイズ)以下であることが好ましく、500,000cP以下がさらに好ましい。粘度が10,000,000cP超だと成形性が劣ることがあるが、加温して粘度を下げる処置をすることもできる。
ここで、(B)成分の粘度は(A)成分の粘度と同様の方法により測定する。
本発明に係る(B)成分に含有されるHO−Si基の量は特に限定されない。0.5〜4.5mmol/gが好ましく、1.0〜3.5mmol/gが特に好ましい。4.5mmol/g超だと、硬化物に気泡が観測されることがある。
ここで、(B)成分のHO−Si基の含有量は、(A)成分のHO−Si基の含有量と同様の方法により算出する。
第4工程については、後述の(B)成分の製造方法において説明する。
<(C)成分>
(C)成分であるヒドロシリル化触媒は、後述する(A)成分中のH−Si基と(B)成分中のVi−Si基とのヒドロシリル化反応(付加硬化反応)を促進するために配合される。
(C)成分の種類は上記ヒドロシリル化反応を促進させるものであれば特に限定されない。白金系触媒、ロジウム系触媒およびパラジウム系触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を用いることが好ましい。中でも、封止材の透明性を高くすることができるため、白金系触媒を用いることが特に好ましい。
この白金系触媒としては、白金粉末、塩化白金酸、塩化白金酸等の白金成分とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金−アルケニルシロキサン錯体、白金−カルボニル錯体などが挙げられる。白金−カルボニルビニルメチル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(カーステッド触媒)、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド錯体、白金−ホスフィン錯体、ジカルボニルジクロロ白金などが挙げられる。
中でも、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体などが好ましい。
<その他の添加物>
本発明の組成物には、上記(A)〜(C)成分に加えて、その他の添加物を配合させてもよい。
((D)成分:硬化遅延剤)
その他の添加物としては、例えば、本発明の組成物には、当該組成物の保存安定性・取扱作業性を向上させること、硬化過程でのヒドロシリル化反応性を調整することなどを目的として、硬化遅延剤(以下、(D)成分と称することがある)を配合してもよい。
本発明の組成物は、比較的低温で硬化物とすることができるため、熱に弱い光半導体部材への塗布・封止に好適に採用することができる。一方で、塗布・封止の作業環境によっては、本発明の組成物の保存経時安定性や取扱作業性の観点から、硬化速度を調整するために硬化遅延剤を配合することが好ましいこともある。
(D)成分の種類としては、(C)成分に対して硬化遅延効果を有する化合物であれば特に限定されない。従来公知の硬化遅延剤を用いることができ、例えば、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、窒素含有化合物、有機硫黄化合物、有機過酸化物などが挙げられる。これらの化合物は単種類を用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、例えば、プロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類などが挙げられる。具体的には、プロパギルアルコール類としては、2−メチル−3−ブチン−2−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールなどが挙げられる。マレイン酸エステル類としては、マレイン酸ジメチルなどが挙げられる。
有機リン化合物としては、具体的にはトリオルガノホスフィン類、ジオルガノホスフィン類、オルガノホスフォン類、トリオルガノホスファイト類などが挙げられる。
窒素含有化合物としては、例えば、N,N,N’,N’−四置換アルキレンジアミン類、N,N−二置換アルキレンジアミン類、三置換アミン、ベンゾトリアゾール、2,2’−ビピリジンなどが挙げられる。具体的には、N,N,N’,N’−四置換アルキレンジアミン類としては、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミンなどが挙げられる。N,N−二置換アルキレンジアミン類としては、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミンなどが挙げられる。三置換アミンとしては、トリブチルアミンなどが挙げられる。
有機硫黄化合物としては、具体的にはオルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイドなどが挙げられる。
有機過酸化物としては、具体的にはジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、過安息香酸tert−ブチルなどが挙げられる。
これらの硬化遅延剤の中でも、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、窒素含有化合物が好ましく、具体的には、マレイン酸エステル類、プロパギルアルコール類、N,N,N’,N’−四置換アルキレジアミン類が好ましく、マレイン酸ジメチル、2−メチル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンが特に好ましい。
本発明の組成物における(D)成分の含有量は、特に限定されない。通常、組成物に含有される(C)成分中の金属原子1当量に対して、硬化遅延剤を20〜200当量添加すればよい。硬化遅延剤による硬化遅延効果の度合は、その硬化遅延剤の化学構造によって異なる。したがって、使用する硬化遅延剤の種類によって、その配合量を最適な量に調整することが好ましい。最適な量の硬化遅延剤を添加することにより、本発明の組成物は室温(特に加熱または冷却しない雰囲気温度を言い、通常、15〜30℃である。以下同じ。)での長期貯蔵安定性及び加熱硬化性に優れたものとなる。
((E)成分:接着付与剤)
本発明の組成物には、その接着性を向上させることを目的として、上述した(A)〜(C)成分に加えて接着付与剤(以下、(E)成分と称することがある)を配合してもよい。
(E)成分の種類としては、シランカップリング剤やその加水分解縮合物等が例示される。
シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤等、公知のものが例示される。
本発明の組成物における(E)成分の含有量は、特に限定されない。(A)〜(C)成分の合計質量に対して1〜20質量%配合することが好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
((F)成分:酸化防止剤)
硬化物の着色、酸化劣化などの発生を抑えるために、本発明の組成物に酸化防止剤(以下、(F)成分と称することがある)を添加してもよい。
(F)成分の種類としては、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸加防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。中でも、フェノール系酸化防止材、チオエーテル系酸化防止剤が好ましく、チオエーテル系酸化防止剤が特に好ましい。これらの酸化防止剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フェノール系酸化防止剤としては、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、4,4’,4’−(1−メチルプロパニル−3−イリデン)トリス(6−tert−ブチル−m−クレゾール、6,6’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ブチリデン−ジ−m−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−
ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデセン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−2,4,6−トリメチルベンゼンなどが挙げられる。
チオエーテル系酸化防止剤としては、2,2−ビス({[3−(ドデシルチオ)プロピオニル]オキシ}メチル)−1,3−プロパンジイル=ビス[3−(ドデシルチオ)プロピオナート]、ジ(トリデシル)3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、3,9−ビス(オクタデシロキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデセン、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデセン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、トリス(2,4−ジtert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラ−C12−15−アルキル(プロパン−2,2−ジイルビス(4,1−フェニレン))ビス(ホスファイト)、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイト、イソデシルジフェニルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどが挙げられる。
これらの酸化防止剤は、市販品を用いてもよいし、合成したものを用いてもよい。市販品としては、アデカスタブ(アデカ社製):AO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−50F、AO−60、AO−60G、AO−80、AO−330、AO−412S、AO−503、PEP−8、PEP−8W、PEP−36、PEP−36A、HP−10、2112、2112RG、1178、1500、C、135A、3010、TPPなどを例示することができる。
本発明の組成物における(F)成分の含有量は、本発明の硬化物の透明性などの特徴を損なわない範囲で、かつ酸化防止剤としての有効量であれば特に限定されない。(A)〜(C)成分の合計質量に対して0.001〜2質量%配合してもよく、0.01〜1質量%配合することが好ましい。この範囲内であれば、酸化防止能力が十分発揮されるため、着色、白濁、酸化劣化などの発生を抑制しつつ、かつ工学的特性に優れた硬化物を得ることができる。
((G)成分:光安定剤)
太陽光線、蛍光灯などの光エネルギーによる光劣化に抵抗性を付与するために、本発明の組成物に光安定剤(以下、(G)成分と称することがある。)を添加してもよい。
(G)成分の種類としては、従来から公知のものを用いることができる。中でも、光酸化(光劣化)で生成するラジカルを捕捉するヒンダードアミン系安定剤が好適に用いられ、前述の酸化防止剤と併用することで、酸化防止効果をより向上させることもできる。この光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート、ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネートなどが挙げられる。中でも、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートが好ましい。
(G)成分は、市販品を用いてもよいし、合成したものを用いてもよい。市販品としては、アデカスタブ(アデカ社製):LA−77Y、LA−77G、LA−82などを例示することができる。
本発明の組成物における(G)成分の配合量は、本発明の硬化物の透明性などの特徴を損なわない範囲で、かつ光安定剤としての有効量であれば特に限定されない。(A)〜(C)成分の合計質量に対して0.01〜5質量%配合してもよく、0.05〜0.5質量%配合することが好ましい。
((H)成分:蛍光体)
本発明の組成物には、任意の成分として、蛍光体(以下、(H)成分と称することがある。)を配合してもよい。
(H)成分の種類としては従来公知のものを用いることができる。例えば、発光ダイオード(LED)に広く利用されている、酸化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体、窒化物系蛍光体、硫化物系蛍光体、酸硫化物系蛍光体などからなる、黄色、赤色、緑色、青色発光蛍光体が挙げられる。
酸化物系蛍光体としては、セリウムイオンを包含するイットリウム、アルミニウム、ガーネット系のYAG系緑色〜黄色発光蛍光体、セリウムイオンを包含するテルビウム、アルミニウム、ガーネット系のTAG系黄色発光蛍光体、セリウムやユーロピウムイオンを包含するシリケート系緑色〜黄色発光蛍光体などが挙げられる。酸窒化物蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するケイ素、アルミニウム、酸素、窒素系のサイアロン系赤色〜緑色発光蛍光体などが挙げられる。窒化物系蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するカルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、ケイ素、窒素系のカズン系赤色発光蛍光体などが挙げられる。硫化物系としては、銅イオンやアルミニウムイオンを包含するZnS系緑色発色蛍光体などが挙げられる。酸硫化物系蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するYS系赤色発光蛍光体などが挙げられる。これらの蛍光体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物を用いてもよい。
(H)成分の配合量は、本発明の硬化物の透明性などの特徴を損なわない範囲で、かつ蛍光体としての有効量であれば特に限定されない。(A)〜(C)成分の合計質量に対して10〜70質量%配合することが好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
((I)成分:無機粒子)
本発明の組成物には、その硬化物における光学的特性や作業性、機械的特性、物理化学的特性を向上させることを目的として、無機粒子(以下、(I)成分と称することがある。)を配合してもよい。(I)成分の種類は目的に応じて選択すればよく、また、単種類を配合してもよく、複数種類を組み合わせて配合してもよい。また、分散性を改善するために、無機粒子はシランカップリング剤などの表面処理剤で表面処理されていてもよい。
(I)成分の種類としては、シリカ、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化イットリウムなどの無機酸化物粒子や、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウムなどの窒化物粒子や、炭素化合物粒子、ダイヤモンド粒子などが例示されるが、目的に応じて他の物質を選択することもでき、これらに限定されるものではない。
(I)成分の形態は、紛体状、スラリー状等、目的に応じていかなる形態であってもよい。要求される透明性に応じて、本発明の硬化物と屈折率が可及的に同等となるように本発明の組成物に配合することが好ましい。また、水系・溶媒系の透明ゾルとして本発明の組成物に配合することが好ましい。
配合する(I)成分の平均粒子径は特に限定されず、目的に応じた平均粒子径のものが用いられる。通常、前述の蛍光体の粒子径の1/10以下程度である。なお、粒子径は、SEM(走査型電子顕微鏡)観察により、粒子の短径および長径を測定し、(短径+長径)/2を計算して得られた値である。この作業を、SEM画像中の一定区画中の粒子について行い、得られた各々の粒子径の算術平均値を(I)成分の平均粒子径とする。
(I)成分の配合量は、本発明の硬化物の耐熱透明性などの特徴を損なわない限り、任意である。(I)成分の配合量が少なすぎると所望の効果が得られなくなることがあり、多すぎると硬化物の耐熱透明性、密着性、透明性、成形性、硬度などの諸特性に悪影響を及ぼすことがある。(A)〜(C)成分の合計質量に対して1〜50質量%程度配合してもよく、5〜35質量%程度配合することが好ましい。
(D)〜(I)成分の他にも、本発明の組成物には、硬化物の透明性などの特徴を損なわない範囲で、離型剤、樹脂改質剤、着色剤、希釈剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、タレ防止剤などを配合させてもよい。
<(A)成分、(B)成分および(C)成分の配合比>
本発明の組成物における(A)成分と(B)成分の配合比は、特に限定されない。基本的には、(A)成分に含有されるH−Si基と、(B)成分に含有されるVi−Si基のモル比を基準として配合する。具体的には、(A)成分に含有されるH−Si基のモル数/(B)成分に含有されるVi−Si基のモル数=1〜4の範囲にすることが好ましく、1〜2.5が特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の組成物は良好な成形性を示し、また、優れた耐熱透明性を有する硬化物を与える。
本発明の組成物における(C)成分の配合量は特に限定されない。(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量に基づいて、(C)成分中の金属原子が質量単位で0.003〜30ppmの範囲内となる量であることが好ましい。中でも、得られる硬化物は優れた耐熱透明性を有する傾向があることから、0.003〜5.0ppmがより好ましく、0.003〜3.0ppmがさらに好ましく、0.003〜2.0ppmが特に好ましい。(C)成分の配合量が0.003〜30ppmであれば(A)成分と(B)成分のヒドロシリル化反応は円滑に進行する。
本発明の組成物の粘度は特に限定されない。取扱作業性の観点から、25℃において10,000,000cP(センチポイズ)以下であることが好ましく、500,000cP以下がさらに好ましい。粘度が10,000,000cP超だと成形性が劣ることがあるが、加温して粘度を下げる処置をすることもできる。
ここで、本発明の組成物の粘度は(A)成分の粘度と同様の方法により測定することができる。
本発明の組成物における(A)成分と(B)成分中のHO−Si基の総含有量は特に限定されない。0.5〜5.0mmol/gであってもよく、1.0〜4.5mmol/gが好ましく、1.5〜4.5mmol/gが特に好ましい。この範囲内であれば、組成物の硬化が十分に進行し、所望の硬化物が得られやすい。
<硬化性シリコーン樹脂組成物の調製>
本発明の組成物は、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを調合し、必要に応じてその他の添加物をさらに調合することで調製することができる。
(A)成分、(B)成分、(C)成分、必要に応じて加えた添加物は混合により、実質的に均一に分散していることが好ましい。混合方法は特に限定されず、従来公知の混合方法を採用することができる。例えば、万能混練機、ニーダーなどの混合装置を用いる混合方法を採用することができる。
また、(C)成分は予め(A)成分および/または(B)成分と混合させてもよい。また、安定に長期間貯蔵するために、(B)成分と(C)成分を別途の容器に保存し、例えば、(A)成分の一部と(C)成分とを含む第一組成物と、(A)成分の残部と(B)成分とを含む第二組成物を、それぞれ別の容器に保存しておき、使用直前に混合して本発明の組成物を調製して使用に供してもよく、調製した組成物をさらに減圧で脱泡して使用に供してもよい。
((A)成分の製造方法)
前述の第1工程〜第3工程について詳細に説明する。
「第1工程」
第1工程では、まず、一般式[1]で示されるジアルコキシシラン(以下、「ジアルコキシシラン[1]」と称することがある。)と、一般式[2]で示されるトリアルコキシシラン(以下、「トリアルコキシシラン[2]」と称することがある。)と、一般式[3]で示されるテトラアルコキシシラン(以下、「テトラアルコキシシラン[3]」と称することがある。)とを、室温にて反応容器内に所定量入れ、加水分解重縮合するための水を加え、縮合反応を円滑に進行させるための触媒を加え、反応液を調合する。
このときの反応資材の投入順序は特に限定されず、任意の順序で投入して反応液とすることができる。
この反応液の調合は、有機溶媒の非存在下で行うことが本発明の特徴の一つである。この反応液に有機溶媒を含有しないことで、本発明に係る加水分解重縮合物が得られ、ひいては柔軟性のある硬化物を与える硬化性シリコーン樹脂組成物を得ることができる。
この有機溶媒の種類としては、具体的には、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、その他の化合物が挙げられ、アルコール類としてはメタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられ、芳香族炭化水素類としてはベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、エーテル類としてはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどが挙げられ、その他の化合物としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどが挙げられる。
なお、後述の第2工程におけるジアルコキシシラン[1]と、トリアルコキシシラン[2]と、テトラアルコキシシラン[3]との加水分解重縮合反応の過程でアルコールが副生するが、本発明に係る加水分解重縮合物を得るための反応に影響を与えない程度の副生量であるため、特に除去することなく反応を進行させて、本発明に係る加水分解重縮合物を得ることができる。
この反応液には、有機溶媒以外の成分をさらに含有させてもよい。
第1工程において、反応原料に用いるジアルコキシシラン[1]と、トリアルコキシシラン[2]と、テトラアルコキシシラン[3]との組み合わせは、特に限定されない。中でも、ジアルコキシシラン[1]は式[1]中の2つのRが互いに同じ種類である化合物から選択され、トリアルコキシシラン[2]は式[2]中の3つのRが互いに同じ種類である化合物から選択され、テトラアルコキシシラン[3]は式[3]中の4つのRが互いに同じ種類である化合物から選択されることが好ましく、特に好ましくは、Rがメチル基またはエチル基である化合物から選択され、Rがメチル基またはエチル基である化合物から選択され、Rがメチル基またはエチル基である化合物から選択される。
具体的には、ジアルコキシシラン[1]は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソポロポキシシランが好ましく、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが特に好ましい。
トリアルコキシシラン[2]は、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリイソポロポキシシランが好ましく、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが特に好ましい。
テトラアルコキシシラン[3]は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシランが好ましく、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが特に好ましい。
第1工程において、ジアルコキシシラン[1]、トリアルコキシシラン[2]およびテトラアルコキシシラン[3]の使用量は、特に限定されない。(A)成分の物性の観点から、ジアルコキシシラン[1]:トリアルコキシシラン[2]はモル比で表して80:20〜20:80で配合することが好ましく、60:40〜40:60で配合することが特に好ましい。ジアルコキシシラン[1]のモル比が20を下回ると、所望の分子量よりも高くなることがあり、80を超えると、加水分解重縮合反応が進行しにくく、所望の分子量よりも低くなることがある。
また、テトラアルコキシシラン[3]の使用量は、ジアルコキシシラン[1]、トリアルコキシシラン[2]およびテトラアルコキシシラン[3]の合計100モルに対して、1〜50モルであることが好ましく、1〜30モルであることが特に好ましい。
第1工程において、水の使用量は、特に限定されない。反応効率の観点から、原料化合物のアルコキシシラン化合物に含有されるアルコキシ基の合計モル当量、すなわち、ジアルコキシシラン[1]、トリアルコキシシラン[2]およびテトラアルコキシシラン[3]に含有されるアルコキシ基の合計モル当量に対して、1.5倍以上、5倍以下であることが好ましい。1.5倍モル当量より少ないと、原料のアルコキシシラン化合物の加水分解が効率よく行われないことがあり、また、5倍モル当量より多く加える必要はない。
第1工程において、使用する酸触媒の種類は特に限定されない。例えば、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸などが挙げられる。中でも、反応終了後の酸触媒の除去処理が容易なことから、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸が好ましく、より好ましくは酢酸である。
この酸触媒の使用量は特に限定されない。使用する原料のアルコキシシラン化合物および水の合計量に対して、0.001〜5質量%が好ましく、特に好ましくは0.005〜1質量%である。
「第2工程」
第2工程では、第1工程で調合した反応液を加熱して、ジアルコキシシラン[1]と、トリアルコキシシラン[2]と、テトラアルコキシシラン[3]との加水分解重縮合反応を進行させて、本発明に係る加水分解重縮合物を得る。
この際、反応液を攪拌しながら所定時間、所定温度で反応を行うことが好ましい。また、反応系中の未反応原料のアルコキシシラン化合物、水および/または酸触媒が、反応系外へ留去されることを防ぐため、反応容器には還流装置を具備することが好ましい。
第2工程において、反応時間、反応温度は特に限定されない。反応時間は通常1〜24時間である。反応温度は、通常40〜120℃であり、60〜100℃が好ましい。
反応後は、本発明に係る加水分解重縮合物のハンドリングの観点から、反応系内から本発明に係る加水分解重縮合物を分離して精製することが好ましい。この分離方法は特に限定されない。分離方法としては、例えば抽出する方法が挙げられる。具体的には、前述の反応後の反応液を室温まで降温させた後、抽出溶媒として非水溶性有機溶媒と接触させることで反応系中に存在する本発明に係る加水分解重縮合物を抽出する。次いで、抽出後の溶液に含まれる酸触媒の除去を行う。酸触媒の除去方法は、特に限定されない。例えば、使用した酸触媒(例えば、酢酸)が水溶性であれば、抽出後の溶液を水で洗浄することでこの触媒を除去することができる。次いで、酸触媒を除去した後の溶液に乾燥剤を加えて、系中に溶解している水を除去する。さらに、乾燥剤の除去、抽出溶媒の減圧除去を経ることで、本発明に係る加水分解重縮合物を高純度で分離することができる。このとき、乾燥剤を用いずに、触媒を除去した後の溶液から抽出溶媒を減圧除去する過程で水を同時に減圧除去してもよい。
前記抽出溶媒としては、非水性有機溶媒を用いることができる。この非水性有機溶媒の種類は、特に限定されない。例えば、芳香族炭化水素類、エーテル類などが挙げられる。具体的には、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
前記乾燥剤としては、系中から水を除去し、本発明に係る加水分解重縮合物と分離することができれば特に限定されない。このような乾燥剤としては、固体乾燥剤が好ましく用いられる。具体的には、硫酸マグネシウムなどが挙げられるが、これに限定されない。
「第3工程」
第3工程では、本発明に係る加水分解重縮合物と、上記一般式[4]で示されるシラン化合物(以下、「シラン化合物[4」と称することがある。)、上記一般式[5]で示されるシラン化合物(以下、「シラン化合物[5]」と称することがある。)または上記一般式[6]で示されるシラン化合物(以下、「シラン化合物[6]」と称することがある。)とを、酸性条件下で反応させて、(A)成分を得る。
第3工程において、本発明に係る加水分解重縮合物は、第2工程で反応系から分離していないものを用いることもできるが、反応系に多量の水が含まれると第3工程における反応が効率的に進行しないことがあるため、反応系から分離したものを用いることが好ましい。
第3工程では、具体的には、本発明に係る加水分解重縮合物と、シラン化合物[4]、シラン化合物[5]またはシラン化合物[6]と、所望により反応溶媒とを、室温にて反応容器内に所定量加えた後、縮合反応を進行させるための酸触媒を加えて反応液とする。このときの投入順序はこれに限定されず、任意の順序で投入して反応液とすることができる。
次いで、この反応液を攪拌しながら所定時間、所定温度で反応を進行させることで(A)成分を得ることができる。この際、反応系中の未反応原料、反応溶媒および/または酸触媒が、反応系外へ留去されることを防ぐため、反応容器には還流装置を具備することが好ましい。
シラン化合物[5]は、具体的には以下の化合物が挙げられる:
ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルイソプロポキシシラン。
これらの中でも、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシランが好ましい。
第3工程において、本発明に係る加水分解重縮合物と、シラン化合物[4]、シラン化合物[5]またはシラン化合物[6]の使用量は特に限定されない。(A)成分の物性の観点から、本発明に係る加水分解重縮合物1gに対して、使用するシラン化合物[4]、シラン化合物[5]、シラン化合物[6]におけるH−Si基の総量が0.2〜10mmolとなる範囲で使用することが好ましい。
第3工程で使用する酸触媒の種類は、(A)成分を得るための反応を促進する作用があれば、特に限定されない。例えば、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸などが挙げられる。中でも、塩酸、硝酸、硫酸などが好ましい。なお、第1工程で使用する酸触媒と同種類のものであっても別種類のものであってもよい。
第3工程における酸触媒の使用量は、(A)成分を得るための反応を促進する有効量であれば、特に限定されない。本発明に係る加水分解重縮合物1gに対して、0.0001〜10mmolが好ましく、特に好ましくは0.005〜5mmolである。
第3工程において、反応を終了させる方法は特に限定されない。通常、反応系に水(好ましくはイオン交換水)を加えて攪拌することで反応を終了させる。反応後は、(A)成分のハンドリングの観点から反応系内から(A)成分を分離して精製することが好ましい。この分離精製方法は特に限定されない。例えば、抽出する方法が挙げられる。具体的には、前述の反応後の溶液から有機層を分取する。次いで、その有機層を水(好ましくは、イオン交換水)で洗浄し、さらに乾燥剤を加えて、系中に溶解している水を除去する。その後、有機層中から乾燥剤を除去し、非水溶性有機溶媒の減圧除去を経ることで、(A)成分を高純度で分離することができる。このとき、乾燥剤を用いずに、非水性有機溶媒を減圧除去する過程で、水を同時に減圧除去してもよい。分離後の(A)成分は、無溶媒、減圧下で加熱攪拌することで、(A)成分中に含まれる水分をさらに除去することが好ましい。このときの加熱温度は特に限定されないが、通常、70〜200℃である。
((B)成分の製造方法)
前述の第4工程について詳細に説明する。
「第4工程」
第4工程では、本発明に係る加水分解重縮合物と、上記一般式[7]で示されるシラン化合物(以下、「シラン化合物[7]」と称することがある。)、上記一般式[8]で示されるシラン化合物(以下、「シラン化合物[8]」と称することがある。)または上記一般式[9]で示されるシラン化合物(以下、「シラン化合物[9]」と称することがある。)とを、酸性条件下で反応させて、(B)成分を得る。
第4工程において、本発明に係る加水分解重縮合物は、第1工程および第2工程を少なくとも含む方法により得られる加水分解重縮合物であれば、特に制限されない。前述の第3工程に供するために製造した加水分解重縮合物の一部を第4工程に供する加水分解重縮合物としてもよいし、別途新たに製造した加水分解重縮合物であってもよい。
第4工程において、本発明に係る加水分解重縮合物は、第2工程で反応系から分離していないものを用いることもできるが、反応系に多量の水が含まれると第4工程における反応が効率的に進行しないことがあるため、反応系から分離したものを用いることが好ましい。
第4工程では、具体的には、本発明に係る加水分解重縮合物と、シラン化合物[7]、シラン化合物[8]またはシラン化合物[9]と、所望により反応溶媒とを、室温にて反応容器内に所定量加えた後、縮合反応を進行させるための酸触媒を加えて反応液とする。このときの投入順序はこれに限定されず、任意の順序で投入して反応液とすることができる。
次いで、この反応液を攪拌しながら所定時間、所定温度で反応を進行させることで(A)成分を得ることができる。この際、反応系中の未反応原料、反応溶媒および/または酸触媒が、反応系外へ留去されることを防ぐため、反応容器には還流装置を具備することが好ましい。
シラン化合物[8]は、具体的には以下の化合物が挙げられる:
ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルプロポキシシラン、ビニルジメチルイソプロポキシシラン。
これらの中でも、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシランが好ましい。
第4工程において、本発明に係る加水分解重縮合物と、シラン化合物[7]、シラン化合物[8]またはシラン化合物[9]の使用量は特に限定されない。(B)成分の物性の観点から、本発明に係る加水分解重縮合物1gに対して、使用するシラン化合物[7]、シラン化合物[8]、シラン化合物[9]におけるVi−Si基の総量が0.2〜10mmolとなる範囲で使用することが好ましい。
第4工程で使用する酸触媒の種類は、(B)成分を得るための反応を促進する作用があれば、特に限定されない。例えば、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸などが挙げられる。中でも、塩酸、硝酸、硫酸などが好ましい。なお、第1工程で使用する酸触媒と同種類のものであっても別種類のものであってもよい。
第4工程における酸触媒の使用量は、(B)成分を得るための反応を促進する有効量であれば、特に限定されない。本発明に係る加水分解重縮合物1gに対して、0.0001〜10mmolが好ましく、特に好ましくは0.005〜5mmolである。
第4工程において、反応を終了させる方法は特に限定されない。通常、反応系に水(好ましくはイオン交換水)を加えて攪拌することで反応を終了させる。反応後は、(B)成分のハンドリングの観点から反応系内から(B)成分を分離して精製することが好ましい。この分離精製方法は特に限定されない。例えば、抽出する方法が挙げられる。具体的には、前述の反応後の溶液から有機層を分取する。次いで、その有機層を水(好ましくは、イオン交換水)で洗浄し、さらに乾燥剤を加えて、系中に溶解している水を除去する。その後、有機層中から乾燥剤を除去し、非水溶性有機溶媒の減圧除去を経ることで、(B)成分を高純度で分離することができる。このとき、乾燥剤を用いずに、非水性有機溶媒を減圧除去する過程で、水を同時に減圧除去してもよい。分離後の(B)成分は、無溶媒、減圧下で加熱攪拌することで、(B)成分中に含まれる水分をさらに除去することが好ましい。このときの加熱温度は特に限定されないが、通常、70〜200℃である。
[2.硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物(以下、「本発明の硬化物」と称することがある。)は、本発明の組成物を加熱して得られる。
本発明の硬化物は、半導体装置用の封止材として利用することができ、中でも光半導体装置用、パワー半導体装置用の封止材として好適である。光半導体装置用の封止材としては、LED用光学部材の封止材や半導体レーザー用光学部材の封止材などとして好適に利用することができ、中でも、LED用光学部材の封止材として特に好適である。
一般的に、光半導体装置は各種の技術によりその光取り出し効率が高められているが、光半導体素子の封止材の透明度が低いと、当該封止材が光を吸収してしまい、これを用いた光半導体装置の光取り出し効率が低下する。その結果、高輝度な光半導体装置製品を得にくくなる傾向にある。さらに、光取り出し効率が低下した分のエネルギーは熱に変わり、光半導体装置の熱劣化の原因となるため好ましくない。
前述のとおり、本発明に係る加水分解重縮合物は、有機溶媒を含有しない反応液から製造される。この加水分解重縮合物から得られる(A)成分と(B)成分を原料として用いることで、柔軟性を有する硬化物を得ることができる。
なお、本発明の硬化物の柔軟性は、引張試験により算出される破断点ひずみの値から評価される。この破断点ひずみは、具体的には、JIS K6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じてダンベル8号型のサンプルを作製し、引っ張り試験機(AUTOGRAPH AG−IS、(株)島津製作所製)により引張試験を行うことで、算出される。
本発明の硬化物は透明性に優れる。具体的には、本発明の硬化物は、通常300nm以上、好ましくは350nm以上、また、通常900nm以下、好ましくは500nm以下の領域の波長において良好な光線透過率を有する。したがって、この領域に発光波長を有する光半導体装置に、本発明の硬化物を上記の封止材として用いれば、高輝度な光半導体装置を得られるため好ましい。なお、このことは、上記の領域外に発光波長を有する光半導体装置に、本発明の硬化物を封止材として用いることを妨げない。なお、上記の光線透過率は、紫外/可視分光光度計による透過率測定によって測定することができる。
本発明の硬化物は、長時間の紫外線照射後においても、優れた透明性を有する。具体的には、本発明の硬化物は、長時間の紫外線照射後においても、通常300nm以上、好ましくは350nm以上、また、通常900nm以下、好ましくは500nm以下の領域の波長において良好な光線透過率を有する。そのため、紫外線発光装置(紫外線LEDなど)の封止材としても好適に用いることができる。なお、このことは、上記の領域外に発光波長を有する光半導体装置に、本発明の硬化物を封止材として用いることを妨げない。なお、上記の光線透過率は、紫外/可視分光光度計による透過率測定によって測定することができる。本発明の硬化物は、1000時間の紫外線照射後において、365nmの光波長領域における透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることが特に好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
本発明の組成物を硬化させる方法は、特に限定されない。例えば、本発明の組成物を、使用すべき部位に注入、滴下、流延、注型、容器からの押出しなどの方法により、またはトランスファー成形や射出成形による一体成形によって、LEDのような封止対象物と組み合わせ、通常、45〜300℃、好ましくは60〜200℃で加熱することで、該組成物を硬化させて硬化物とし、該封止対象物を封止することができる。加熱温度が45℃以上であれば、得られる硬化物に粘着性が観測され難く、300℃以下であれば、得られる硬化物に発泡が観測され難く、実用的である。加熱時間は特に限定されない。通常0.5〜12時間程度であり、1〜10時間程度が好ましい。加熱時間が0.5時間以上であれば、硬化が充分に進行するが、LED封止用など精度が要求される場合は、硬化時間を長めにすることが好ましい。
[3.封止材]
本発明の硬化物は柔軟性に優れ、半導体装置用の封止材として用いることができる。特に光半導体装置用、パワー半導体装置用などの封止材として好適である。本発明の硬化物からなる封止材は、上述のように透明性も優れ、従来の付加硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物と同様に、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性に優れる。
[4.光半導体装置]
本発明の光半導体装置は、光半導体素子を少なくとも備える光半導体装置であって、本発明の硬化物によって該光半導体素子が少なくとも封止されてなる。本発明の光半導体装置におけるその他の構成は特に限定されず、光半導体素子のほかにも部材を備えていてもよい。そのような部材の一例としては、例えば、ベース基板、引き出し配線、ワイヤー配線、制御素子、絶縁基板、反射材、ヒートシンク、導電部材、ダイボンド材、ボンディングパッドなどが挙げられる。また、光半導体素子に加えて、部材の一部または全部が、本発明の硬化物で封止されていてもよい。
本発明の光半導体装置としては、具体的には、発光ダイオード(LED)装置、半導体レーザー装置およびフォトカプラなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の光半導体装置は、例えば、液晶ディスプレイなどのバックライト、照明、各種センサー、プリンターおよびコピー機などの光源、車両用計測器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライトならびにスイッチング素子などに好適に用いられる。
本発明の光半導体装置の一例を図1に示す。図1に例示するように、光半導体装置10は、封止材1と、光半導体素子2と、ボンディングワイヤー3とを光半導体基板6上に少なくとも備える。光半導体基板6は、リードフレーム5からなる底面と、反射材4からなる内周側面とから構成される凹部を有する。
光半導体素子2は、リードフレーム5上に、ダイボンド材(図示せず)を用いて接続されている。光半導体素子2に備えられたボンディングパッド(図示せず)とリードフレーム5とは、ボンディングワイヤー3により電気的に接続されている。反射材4は、光半導体素子2からの光を所定方向に反射させる作用を有する。光半導体基板6が有する上記凹部の領域内には、光半導体素子2を少なくとも封止するように封止材1が充填されている。このとき、ボンディングワイヤー3をも封止するように、封止材1が充填されていてもよい。封止材1は、本発明の硬化物からなる。封止材1の内部には、前述の蛍光体(図示せず)が含まれていてもよい。封止材1により、湿気、塵埃などから光半導体素子2を保護し、長期間に渡って信頼性を維持することができる。さらに、封止材1がボンディングワイヤー3をも封止することで、同時に、ボンディングワイヤー3が外れたり、切断したり、短絡したりすることによって生じる電気的な不具合を防止することができる。
本発明の硬化物は、後述するように、半導体用接着剤として用いることができる。したがって、上述のダイボンド材などとして採用することもできる。
光半導体装置10において、本発明の硬化物からなる封止材1によって封止される光半導体素子2としては、例えばLED、半導体レーザー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、CCD(電荷結合素子)などが挙げられる。なお、図1に示す構造は、本発明の光半導体装置の一例にすぎず、反射材の構造、リードフレームの構造、光半導体素子の実装構造などは適宜変形され得る。
図1で示される光半導体装置10を製造する方法は、特に限定されない。例えば、反射材4を備えたリードフレーム5に光半導体素子2をダイボンドし、この光半導体素子2とリードフレーム5とをボンディングワイヤー3によりワイヤーボンドし、次いで、光半導体素子の周囲に設けられた反射材の内側(リードフレームと反射材からなる凹部)に本発明の組成物を充填した後、50〜250℃で加熱することにより硬化させて封止材1とする方法が挙げられる。
[5.半導体装置用接着剤]
本発明の組成物は、良好な密着性を有するため、半導体装置用接着剤として用いることができる。具体的には、例えば、半導体素子とパッケージを接着する場合、半導体素子とサブマウントを接着する場合、パッケージ構成要素同士を接着する場合、半導体装置と外部光学部材とを接着する場合などに、本発明の組成物を塗布、印刷、ポッティングなどすることにより用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
1.原料の物性評価方法
[シリコーン樹脂の組成比決定およびHO−Si基含有量の定量]
シリコーン樹脂200mgに、0.5mLの重クロロホルムを加えて溶解させ、緩和剤としてクロム(III)アセチルアセトナート錯体を10mg加えた。これにより調製した溶液を29Si−NMRで測定した。検出したシグナルを、表1に示すように、ピーク(a)〜(k)に分類し、それぞれのピークを全積分値の和から百分率(積分比)として算出した。なお、シリコーン樹脂の29Si−NMR測定には、共鳴周波数400MHzの核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製、型番:JNM−AL400)を使用した。
上記式[10]におけるa、b、c、dの値を下記式から算出し、合成した各種(A)成分の組成比をこれらの値より決定した:
a=ピーク(i)面積/全ピーク面積の和、
b=(ピーク(a)面積+ピーク(b)面積)/全ピーク面積の和、
c=(ピーク(c)面積+ピーク(d)面積+ピーク(e)面積)/全ピーク面積の和、
d=(ピーク(f)面積+ピーク(g)面積+ピーク(h)面積)/全ピーク面積の和。
上記式[11]におけるe、f、g、hの値を下記式から算出し、合成した各種(B)成分の組成比をこれらの値より決定した:
e=ピーク(j)面積/全ピーク面積の和、
f=(ピーク(a)面積+ピーク(b)面積)/全ピーク面積の和、
g=(ピーク(c)面積+ピーク(d)面積+ピーク(e)面積)/全ピーク面積の和、
h=(ピーク(f)面積+ピーク(g)面積+ピーク(h)面積)/全ピーク面積の和。
29Si−NMRの測定結果において、Me−Si基、Ph−Si基、H−Si基、Vi−Si基(CH=CH−Si基)またはその他の基のピークが重なった場合は、H−NMRの測定結果におけるMe−Si基、Ph−Si基、H−Si基、Vi−Si基またはその他の基のピークの積分面積に基づいて算出した。
また、29Si−NMRの測定結果において、ピーク(i)、およびピーク(j)が、ピーク(a)と重なるときは、H−NMRの測定結果によりPh−SiとH−Siの積分比、およびPh−SiとVi−Si、その他のピークがあればその他のピークの積分比の百分率をそれぞれ求め、29Si−NMRのピーク(c)積分比+ピーク(d)積分比+ピーク(e)積分比を算出し、H−NMRの積分比からピーク(i)およびピーク(j)の29Si−NMRの積分比を求め、ピーク(a)とピーク(i)およびピーク(j)との重なった積分値から算出したピーク(i)およびピーク(j)の積分比を差引き、ピーク(a)の積分値を算出した。その他のケースで29Si−NMRのピークが重なった場合は、上記の方法と同様にH−NMRの積分比をもとに算出した。
シリコーン樹脂におけるHO−Si基の含有量(mmol/g)は、上述の方法で算出した積分比から以下の式に従って決定した:
[A]= ピーク(a)積分比+2×ピーク(c)積分比+ピーク(d)積分比+2×ピーク(f)積分比+ピーク(g)積分比、
[B]=ピーク(a)積分比×83.16+ピーク(b)積分比×74.15+ピーク(c)積分比×147.2+ピーク(d)積分比×138.2+ピーク(e)積分比×129.2+ピーク(f)積分比×78.10+ピーク(g)積分比×69.09+ピーク(h)積分比×60.08+ピーク(i)積分比×67.16+ピーク(j)積分比×93.20、
HO−Si基の含有量(mmol/g)=([A]/[B])×1000。
また、合成したシリコーン樹脂におけるHO−Si基の含有量(wt%)は、上述の方法で算出した積分比から下記式に従って決定した。ここで、下記式中、17.01はOH基の質量である:
HO−Si基の含有量(wt%)=([A]×17.01/[B])×100。
なお、上記2つのHO−Si基の含有量を表す(mmol/g)と(wt%)については、以下の関係式が成り立つ:
HO−Si基の含有量量(wt%)=HO−Si基の含有量(mmol/g)×17.01/10。
[H−Si基の定量とVi−Si基の定量]
6mLのサンプル管にシリコーン樹脂を20〜30mg秤量し、0.8mLの重ジクロロメタンを加え、シリコーン樹脂を溶解させた。その溶液に2.0μLのジメチルスルホキシド(0.0282mmol)をマイクロシリンジで添加し、サンプル管を閉じ、溶液を攪拌して均一にして測定試料とした。その試料をH−NMRで測定し、ジメチルスルホキシドのプロトン比と、H−Si基またはVi−Si基のプロトン比とを算出して、測定試料中のH−Si基またはVi−Si基のモル数を決定した。次いで、下記式に従って、測定試料1g中の各官能基の含有量を算出した:
シリコーン樹脂中の官能基のモル数(mmol)/測定試料量(mg)×1000=測定試料1g中の官能基量(mmol/g)。
なお、シリコーン樹脂のH−NMR測定には、共鳴周波数400MHzの核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製、型番:ECA−400)を使用した。シリコーン樹脂中の各官能基のケミカルシフトを以下に示す:
Me−Si: 0.0〜0.5ppm(3H)、
H−Si: 4.0〜5.0ppm(1H)、
Vi−Si: 5.5〜6.5ppm(3H)、
Ph−Si: 7.0〜8.0ppm(5H)。
[トルエン含有量の定量]
前述のH−NMRの測定結果において、ジメチルスルホキシドのプロトン積分比とトルエンのメチル基のプロトン積分比から、測定試料中のトルエンのモル数(mmol)を算出した。次いで、下記式に従って、測定試料中のトルエン量(wt%)を算出した:
試料中のトルエンのモル数(mmol)×トルエンの分子量(92.14)/測定試料量(mg)×100=測定試料中のトルエン量(wt%)。
[シリコーン樹脂におけるMeSi/PhSi]
前述のH−NMRの測定結果から、MeSi(6H)、とPhSi(5H)の積分値からMeSi/PhSiを算出した。
[質量平均分子量(Mw)測定]
シリコーン樹脂の質量平均分子量(Mw)は、下記条件のゲル透過クロマトグラフィ(略称:GPC)法により、ポリスチレンを基準物質として検量線を作成して値を算出した:
装置:東ソー株式会社製、製品名:HLC−8320GPC、
カラム:東ソー株式会社製、製品名:TSK gel Super HZ 2000x4、3000x2、
溶離液:テトラヒドロフラン。
[屈折率]
シリコーン樹脂の屈折率は、屈折率計(京都電子工業株式会社製、型式:RA−600)を使用して測定した。
[粘度測定]
シリコーン樹脂の粘度は、具体的には、JIS Z8803(2011)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、回転粘度計(ANTON PAAR製、品名:PHYSICA MCR51、測定範囲200〜1,000,000cP)と温度制御ユニット(ANTON PAAR製、品名:P−PTD200)を使用して、25℃の温度においてせん断速度30[1/s]で測定し、測定開始から1分後に得られた値を採用した。
[透明性]
紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製、型番:UV−3150)を使用して、405nm、365nmの波長領域における樹脂の透過率を測定した。測定セルは石英製を使用し、セルの厚みは1cmのものを使用した。
2.原料化合物および比較合成例
[原料合成例1−1] 加水分解重縮合物(I−1)の合成
フッ素樹脂製の撹拌翼、ジムロート型還流器を具備した容積2Lの3口フラスコに、240.4g(2.0mol)のMeSi(OMe)、396.6g(2.0mol)のPhSi(OMe)、130.2g(0.63mol)のSi(OEt)を採取した。次いで462.5gの水および0.30gの酢酸を該フラスコ内に加えて、該フラスコ内を6時間、連続的に100℃にて加温し、加水分解および縮合反応を行った。その後、反応液を室温に戻し、2Lの分液ロートに移し、1000mLのトルエンおよび1000mLの水を加え、分液操作を行った後、水層を除去した。次いで1000mLの水により有機層の洗浄操作を2回行った。その後、有機層を回収し、エバポレーターにて、トルエンを減圧留去し、無色の粘性液体として加水分解重縮合物(I−1)を得た。
加水分解重縮合物(I−1)の収量は491.0gであり、収量中のトルエン含有量は32.0wt%であり、質量平均分子量(Mw)は1,800であり、生成物の組成比は(MeSiO2/20.41(PhSiO3/20.46(SiO4/20.13であり、HO−Si基の含有量は6.3mmol/g(10.7wt%)であった。
[原料合成例1−2] シリコーン樹脂(A1)の合成
324.0gの加水分解重縮合物(I−1)、557.5gのトルエン、220.4gのメタノール、32.5gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンおよび0.76gの70%濃硝酸をフラスコ内に加え、室温で攪拌を行った。4時間攪拌後、分液ロートに反応溶液を移し、661gの水を加え、抽出操作をした後、有機層を回収した。同様の操作を3回繰り返すことにより、有機層を洗浄した。エバポレーターにより有機層からトルエンを留去した後、加熱による減圧留去を150℃にて1時間行い、さらに、170℃にて2時間行った。その結果、無色透明な粘性液体としてシリコーン樹脂(A1)を得た。
シリコーン樹脂(A1)の収量は198.0gであり、質量平均分子量(Mw)は2,400であり、粘度は33,000cPであり、組成比は(H(Me)SiO1/20.20(MeSiO2/20.19(PhSiO3/20.47(SiO4/20.14であり、H−Si基の含有量は1.6mmol/gであり、HO−Si基の含有量は3.1mmol/g(5.4wt%)であった。
[原料合成例1−3] シリコーン樹脂(B1)の合成
162.0gの加水分解重縮合物(I−1)、278.8gのトルエン、110.2gのメタノール、22.5gの1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンおよび7.62gの70%濃硝酸をフラスコ内に加え、室温で攪拌を行った。4時間攪拌後、分液ロートに反応溶液を移し、330.6gの水を加え、抽出操作をした後、有機層を回収した。同様の操作を4回繰り返すことにより、有機層を洗浄した。エバポレーターにより有機層からトルエンを留去した後、加熱による減圧留去を150℃にて1時間行い、さらに、170℃にて2時間行った。その結果、無色透明な粘性液体としてシリコーン樹脂(B1)を得た。
シリコーン樹脂(B1)の収量は97.5gであり、質量平均分子量(Mw)は2,000であり、粘度は21,000cPであり、組成比は(Vi(Me)SiO1/20.18(MeSiO2/20.26(PhSiO3/20.45(SiO4/20.11であり、CH=CH−Si基の含有量は1.6mmol/gであり、HO−Si基の含有量は2.0mmol/g(3.4wt%)であった。
[原料合成例2−1] 加水分解重縮合物(I−2)の合成
240.4g(2.0mol)のMeSi(OMe)、396.6g(2.0mol)のPhSi(OMe)、130.2g(0.63mol)のSi(OEt)4、462.5gの水、0.30gの酢酸の代わりに、
192.3g(1.6mol)のMeSi(OMe)、396.6g(2.0mol)のPhSi(OMe)、130.2g(0.63mol)のSi(OEt)、433.8gの水、0.30gの酢酸を用いた以外は、原料合成例1−1と同様の方法により、無色の粘性液体として加水分解重縮合物(I−2)を得た。
シリコーン樹脂(I−2)の収量は488.8gであり、収量中のトルエン含有量は28.7wt%であり、質量平均分子量(Mw)は1,400であり、生成物の組成比は(MeSiO2/20.37(PhSiO3/20.52(SiO4/20.10であり、HO−Si基の含有量は6.3mmol/g(10.7wt%)であった。
[原料合成例2−2] シリコーン樹脂(A2)の合成
324.0gの加水分解重縮合物(I−1)、557.5gのトルエン、220.4gのメタノール、32.5gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、0.76gの70%濃硝酸の代わりに、
320.0gの加水分解重縮合物(I−2)、619.2gのトルエン、228.2gのメタノール、33.8gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、0.79gの70%濃硝酸を用いた以外は、原料合成例1−2と同様の方法により、反応を行った。
その後、661gの水の代わりに、684.7gの水を用いた以外は、原料合成例1−2と同様の操作を行った。
その結果、無色透明な粘性液体としてシリコーン樹脂(A2)を得た。
シリコーン樹脂(A2)の収量は224.8gであり、質量平均分子量(Mw)は2,500であり、粘度は49,000cPであり、組成比は(H(Me)SiO1/20.19(MeSiO2/20.20(PhSiO3/20.47(SiO4/20.14であり、H−Si基の含有量は1.6mmol/gであり、HO−Si基の含有量は3.1mmol/g(5.3wt%)であった。
[原料合成例2−3] シリコーン樹脂(B2)の合成
162.0gの加水分解重縮合物(I−1)、278.8gのトルエン、110.2gのメタノール、22.5gの1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、7.62gの70%濃硝酸の代わりに、
160.0gの加水分解重縮合物(I−2)、309.6gのトルエン、114.1gのメタノール、23.5gの1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、7.93gの70%濃硝酸を用いた以外は、原料合成例1−3と同様の方法により、反応を行った。
その後、330.6gの水の代わりに、342.3gの水を用いた以外は、原料合成例1−3と同様の操作を行った。
その結果、無色透明な粘性液体としてシリコーン樹脂(B2)を得た。
シリコーン樹脂(B2)の収量は117.7gであり、質量平均分子量(Mw)は2,700であり、粘度は59,000cPであり、組成比は(Vi(Me)SiO1/20.18(MeSiO2/20.23(PhSiO3/20.45(SiO4/20.14であり、CH=CH−Si基の含有量は1.5mmol/gであり、HO−Si基の含有量は2.0mmol/g(3.3wt%)であった。
[原料合成例3−1] 加水分解重縮合物(I−3)の合成
240.4g(2.0mol)のMeSi(OMe)、396.6g(2.0mol)のPhSi(OMe)、130.2g(0.63mol)のSi(OEt)4、462.5gの水、0.30gの酢酸の代わりに、
240.4g(2.0mol)のMeSi(OMe)、317.3g(1.6mol)のPhSi(OMe)、130.2g(0.63mol)のSi(OEt)、407.3gの水、0.30gの酢酸を用いた以外は、原料合成例1−1と同様の方法により、無色の粘性液体として加水分解重縮合物(I−3)を得た。
加水分解重縮合物(I−3)の収量は386.4gであり、収量中のトルエン含有量は9.3wt%であり、質量平均分子量(Mw)は1,600であり、生成物の組成比は(MeSiO2/20.44(PhSiO3/20.42(SiO4/20.14であり、HO−Si基の含有量は6.1mmol/g(10.4wt%)であった。
[原料合成例3−2] シリコーン樹脂(A3)の合成
324.0gの加水分解重縮合物(I−1)、557.5gのトルエン、220.4gのメタノール、32.5gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、0.76gの70%濃硝酸の代わりに、
250.0gの加水分解重縮合物(I−3)、656.7gのトルエン、226.7gのメタノール、32.5gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、0.76gの70%濃硝酸を用いた以外は、原料合成例1−2と同様の方法により、反応を行った。
その後、661gの水の代わりに、680gの水を用いた以外は、原料合成例1−2と同様の操作を行った。
その結果、無色透明な粘性液体としてシリコーン樹脂(A3)を得た。
シリコーン樹脂(A3)の収量は192.1gであり、質量平均分子量(Mw)は2,400であり、粘度は14,000cPであり、組成比は(H(Me)SiO1/20.19(MeSiO2/20.28(PhSiO3/20.40(SiO4/20.13であり、H−Si基の含有量は1.5mmol/gであり、HO−Si基の含有量は3.0mmol/g(5.0wt%)であった。
[原料合成例3−3] シリコーン樹脂(B3)の合成
162.0gの加水分解重縮合物(I−1)、278.8gのトルエン、110.2gのメタノール、22.5gの1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、7.62gの70%濃硝酸の代わりに、
120.0の加水分解重縮合物(I−3)、343.2gのトルエン、115.8gのメタノール、22.8gの1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、7.71gの70%濃硝酸を用いた以外は、原料合成例1−3と同様の方法により、反応を行った。
その後、330.6gの水の代わりに、347.4gの水を用いた以外は、原料合成例1−3と同様の操作を行った。
その結果、無色透明な粘性液体としてシリコーン樹脂(B3)を得た。
シリコーン樹脂(B3)の収量は98.6gであり、質量平均分子量(Mw)は2,300であり、粘度は12,000cPであり、組成比は(Vi(Me)SiO1/20.19(MeSiO2/20.29(PhSiO3/20.37(SiO4/20.15であり、CH=CH−Si基の含有量は1.6mmol/gであり、HO−Si基の含有量は1.8mmol/g(3.1wt%)であった。
[比較合成例1−1] 加水分解重縮合物(PI−1)の合成
462.5gの水、0.30gの酢酸を加える際に、さらに、600gの2−プロパノールを加える以外は、原料合成例1−1と同様の方法により、無色の粘性液体として加水分解重縮合物(PI−1)を得た。
加水分解重縮合物(PI−1)の収量は458.5gであり、収量中のトルエン含有量は23.7wt%であり、質量平均分子量(Mw)は1,100であり、生成物の組成比は(MeSiO2/20.33(PhSiO3/20.53(SiO4/20.14であり、HO−Si基の含有量は7.8mmol/g(11.5wt%)であった。
[比較合成例1−2] シリコーン樹脂(PA1)の合成
324.0gの加水分解重縮合物(I−1)、557.5gのトルエン、220.4gのメタノール、32.5gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、0.76gの70%濃硝酸の代わりに、
195.0gの加水分解重縮合物(PI−1)、433.3gのトルエン、155.0gのメタノール、28.8gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、0.67gの70%濃硝酸を用いた以外は、原料合成例1−2と同様の方法により、反応を行った。
その後、661gの水の代わりに、465gの水を用いた以外は、原料合成例1−2と同様の操作を行った。
その結果、無色透明な粘性液体としてシリコーン樹脂(PA1)を得た。
シリコーン樹脂(PA1)の収量は131.4gであり、質量平均分子量(Mw)は2,400であり、粘度は42,000cPであり、組成比は(H(Me)SiO1/20.23(MeSiO2/20.14(PhSiO3/20.52(SiO4/20.11であり、H−Si基の含有量は2.1mmol/gであり、HO−Si基の含有量は3.2mmol/g(5.4wt%)であった。
[比較合成例1−3] シリコーン樹脂(PB1)の合成
162.0gの加水分解重縮合物(I−1)、278.8gのトルエン、110.2gのメタノール、22.5gの1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、7.62gの70%濃硝酸の代わりに、
200.0の加水分解重縮合物(I−1)、421.9gのトルエン、152.7gのメタノール、38.8gの1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、13.10gの70%濃硝酸を用いた以外は、原料合成例1−3と同様の方法により、反応を行った。
その後、330.6gの水の代わりに、458.0gの水を用いた以外は、原料合成例1−3と同様の操作を行った。
その結果、無色透明な粘性液体としてシリコーン樹脂(PB1)を得た。
シリコーン樹脂(PB1)の収量は147.1gであり、質量平均分子量(Mw)は1,700であり、粘度は11,000cPであり、組成比は(Vi(Me)SiO1/20.22(MeSiO2/20.21(PhSiO3/20.44(SiO4/20.13であり、CH=CH−Si基の含有量は2.0mmol/gであり、HO−Si基の含有量は2.1mmol/g(3.5wt%)であった。
[比較合成例2−1] 加水分解重縮合物(PI−2)の合成
462.5gの水、0.30gの酢酸を加える際に、さらに、300gの2−プロパノールを加える以外は、原料合成例1−1と同様の方法により、無色の粘性液体として加水分解重縮合物(PI−2)を得た。
加水分解重縮合物(PI−2)の収量は533.8gであり、収量中のトルエン含有量は33.9wt%であり、質量平均分子量(Mw)は1,200であり、生成物の組成比は(MeSiO2/20.35(PhSiO3/20.51(SiO4/20.14であり、HO−Si基の含有量は6.7mmol/g(11.5wt%)であった。
[比較合成例2−2] シリコーン樹脂(PA2)の合成
324.0gの加水分解重縮合物(I−1)、557.5gのトルエン、220.4gのメタノール、32.5gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、0.76gの70%濃硝酸の代わりに、
350.0gの加水分解重縮合物(PI−2)、574.8gのトルエン、231.2gのメタノール、36.6gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、0.86gの70%濃硝酸を用いた以外は、原料合成例1−2と同様の方法により、反応を行った。
その後、661gの水の代わりに、693gの水を用いた以外は、原料合成例1−2と同様の操作を行った。
その結果、無色透明な粘性液体としてシリコーン樹脂(PA2)を得た。
シリコーン樹脂(PA2)の収量は202.4gであり、質量平均分子量(Mw)は2,200であり、粘度は120,000cPであり、組成比は(H(Me)SiO1/20.21(MeSiO2/20.17(PhSiO3/20.49(SiO4/20.13であり、H−Si基の含有量は1.6mmol/gであり、HO−Si基の含有量は3.1mmol/g(5.2wt%)であった。
[比較合成例2−3] シリコーン樹脂(PB2)の合成
162.0gの加水分解重縮合物(I−1)、278.8gのトルエン、110.2gのメタノール、22.5gの1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、7.62gの70%濃硝酸の代わりに、
175.0のシリコーン樹脂(I−5)、287.4gのトルエン、115.6gのメタノール、25.4gの1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、8.58gの70%濃硝酸を用いた以外は、原料合成例1−3と同様の方法により、反応を行った。
その後、330.6gの水の代わりに、346.8gの水を用いた以外は、原料合成例1−3と同様の操作を行った。
その結果、無色透明な粘性液体としてシリコーン樹脂(PB2)を得た。
シリコーン樹脂(PB2)の収量は108.6gであり、質量平均分子量(Mw)は1,700であり、粘度は47000cPであり、組成比は(Vi(Me)SiO1/20.19(MeSiO2/20.22(PhSiO3/20.45(SiO4/20.14であり、CH=CH−Si基の含有量は1.7mmol/gであり、HO−Si基の含有量は2.0mmol/g(3.4wt%)であった。
原料合成例と比較合成例における原料資材の混合比率(モル比)、合成した加水分解重縮合物(I−1)〜(I−3)と加水分解重縮合物(PI−1)〜(PI−2)におけるMeSi基のモル数/PhSi基のモル数の比、HO−Si基の含有量、質量平均分子量について表2に示す。
合成したシリコーン樹脂(A1)〜(A3)、シリコーン樹脂(B1)〜(B3)における組成比および各物性値(MeSi基のモル数/PhSi基のモル数の比、HO−Si基の含有量、H−Si基またはVi−Si基の含有量、質量平均分子量、粘度、屈折率、透明性)について、表3に示す。また、合成したシリコーン樹脂(PA1)〜(PA2)、シリコーン樹脂(PB1)〜(PB2)における組成比および各物性値(MeSi基のモル数/PhSi基のモル数の比、HO−Si基の含有量、H−Si基またはVi−Si基の含有量、質量平均分子量、粘度、屈折率、透明性)について、表4に示す。

3.硬化性シリコーン樹脂組成物の調製
後述する実施例1〜3、比較例1〜2において、
シリコーン樹脂(A1)、(A2)、(A3)、(PA1)および(PA2)からなる群より選ばれる一種を(A)成分とし、
シリコーン樹脂(B1)、(B2)、(B3)、(PB1)および(PB2)からなる群より選ばれる一種を(B)成分とし、
(A)成分と(B)成分とを、(A)成分の質量:(B)成分の質量=2:1となるように混合し、さらに、(C)成分として白金触媒と混合して、組成物1〜5を調製した。ここで、白金触媒としては、組成物全体量に対して、白金原子の含有量が質量単位で0.03ppmとなるように白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を用いた。
調製した組成物1〜5の各組成を表5に示す。
4.組成物およびその硬化物の物性評価方法
[組成物の粘度]
調製した組成物の粘度について、具体的には、JIS Z8803(2011)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、回転粘度計(ANTON PAAR製、品名:PHYSICA MCR51、測定範囲200〜1,000,000cP)と温度制御ユニット(ANTON PAAR製、品名:P−PTD200)を使用して、25℃の温度においてせん断速度30[1/s]で測定し、測定開始から1分後に得られた値を採用した。
[SMD3528型PPA樹脂パッケージ接着試験(3528型PKG接着試験)]
調製した組成物をSMD3528型PPA樹脂パッケージ(表面実装部品3528型ポリフタルアミド樹脂パッケージ)3.5mm×2.8mm×0.9mmに流し込み、空気中90℃で1時間加熱し、さらに150℃で4時間加熱して硬化物とした検体を24検体作製した。これらの検体を光学顕微鏡(倍率:3−30倍)で確認し、硬化物がパッケージから剥離していたものを「剥離」、剥離していなかったものを「密着」と評価した。24検体中、「密着」と評価した検体の数を「合格数」として「合格数」/24として表記した。
[硬化物の接着強度]
調製した組成物と、直径50μmのジルコニアボールとを混合したものを、ガラスチップ(5.0mm×5.0mm×1.1mm)との間に挟んだ状態で空気中90℃で1時間加熱し、さらに150℃で4時間加熱して硬化させた。作製した試料の接着強度をボンドテスター(デイジ・ジャパン株式会社製、型式:Dage4000Plus)により測定し、単位を「MPa」として算出した。硬化物の強度が弱く、測定時に硬化物が破壊され接着強度の値が得られなかったものを「凝集破壊」と表記した。
[硬化物のショア硬度]
調製した組成物を型に流し込み、90℃で1時間加熱し、さらに150℃で4時間加熱して厚さが4mmの硬化物を作製した。この硬化物のショアAまたはショアDの硬度を、デュロメーター(株式会社テクロック製、型式:GS−719R、GS−720R)を用いて、JIS K 7215「プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法」に規定の方法により測定した。
[硬化物の線熱膨張率(CTE)]
調製した組成物を90℃で1時間加熱し、さらに150℃で4時間加熱して硬化物を作製した。この硬化物の線熱膨張率を、ThermoPlusTMA8310(リガク株式会社製)を用いて、硬化物を空気中、5℃/分の昇温速度で25℃から200℃まで加熱して測定した。この測定は2回行った。測定値は2回目のものを採用した。
[5%重量減少温度(Td5)]
調製した組成物を90℃で1時間加熱し、さらに150℃で4時間加熱して硬化物を作製した。この硬化物を、熱重量−示差熱同時測定装置(Thermogravimetric/Differential Thermal Analysis、略称:TG−DTA)としてThermoPlusTG8120(リガク株式会社製)を用いて、空気中、5℃/分の昇温速度で25℃から500℃まで加熱し、5%重量減少するときの温度(Td5)を測定した。
[弾性率、破断点応力、破断点ひずみ]
JIS K6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じてダンベル8号型のサンプルを作製し、引っ張り試験機(AUTOGRAPH AG−IS、(株)島津製作所製)により引張試験を行った。引張速度を1mm/分として5検体について測定し、平均値と標準偏差(σ値)を算出した。
5.実施例および比較例
[実施例1〜3、比較例1〜2]
調製した組成物1〜3を用いて、上述の物性評価試験を行った(実施例1〜3)。同様にして、調製した組成物4〜5を用いて、上述の物性評価試験を行った(比較例1〜2)。これらの結果を表5に示す。
3528型PKG接着試験では、どの組成物においても、全ての検体で密着していることが確認された。
接着強度は全ての硬化物において4.0MPa超を示し、高い接着性を示した。
ショア硬度は、実施例1、3の硬化物は柔く、実施例2と比較例2の硬化物は同等の硬度であった。比較例1の硬化物がもっとも硬かった。
線熱膨張率(CTE)の値はショア硬度と相関し、柔い硬化物では値が高く、硬い硬化物では値が低かった。実施例2と比較例2は同等の硬度であるため同等の値であった。
5%重量減少温度(Td5)は全ての硬化物において390℃超を示し、高い耐熱性を示した。
弾性率について、実施例1〜3の硬化物は、比較例1〜2の硬化物と比較して3倍以上低い値を示し、硬化物の伸縮に際し応力が小さいといえる。
破断点応力について、比較例1〜2の硬化物は、実施例1〜3の硬化物と比較して高い値を示した。
破断点ひずみについて、実施例1〜3の硬化物は、比較例1〜2の硬化物と比較して値が大きく、柔軟性を有する硬化物であることを示した。
以上から、本発明の範疇にある実施例1〜3の硬化物は、比較例1〜2の硬化物よりも、破断点ひずみが大きく、柔軟性を有する硬化物を与えることがわかった。
[紫外線照射後の硬化物に係る光透過率測定]
紫外線発光LEDチップ(日亜化学社製、型番:NC4U133A)から5.0mm離れた位置に、アルミ製板と該アルミ製板上に硬化物(厚さ:2mm)を設置した。このアルミ製板を40℃に維持されるようにヒーターで加熱しながら、前記紫外線発光LEDチップを点灯させて、前記硬化物に光照射した。前記硬化物を設置した位置の照度は1990〜2010mW/cmであった。光照射開始から300時間、600時間経過したときの硬化物について、365nm波長領域における透過率をそれぞれ測定した。ここで、硬化物として実施例1の硬化物、比較例1の硬化物を用い、透過率の測定には、紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製、型番:UV−3150)を使用した(ブランクとして空気を測定)。この測定結果を表6に示す。
表6に示されるように、実施例1の硬化物は、比較例1の硬化物と同様に、長時間紫外線を照射した後であっても高い光透過率を維持していた。
1…封止材、 2…光半導体素子、 3…ボンディングワイヤー、 4…反射材、 5…リードフレーム、 6…光半導体基板、 10…光半導体装置。

Claims (15)

  1. 下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を少なくとも含む、硬化性シリコーン樹脂組成物。
    (A)成分: 下記第1工程〜第3工程を少なくとも含む方法によって得られる、ケイ素原子に結合する水素原子(H−Si基)を含有するシリコーン樹脂、
    (B)成分: 下記第4工程を少なくとも含む方法によって得られる、ケイ素原子に結合するビニル基(Vi−Si基)を含有するシリコーン樹脂、
    (C)成分: ヒドロシリル化触媒。
    第1工程: 有機溶媒の非存在下で、下記一般式[1]で示されるジアルコキシシランと、下記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランと、下記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランと、水と、酸触媒とを少なくとも含む反応液を調合する工程。
    第2工程: 前記反応液を加熱して加水分解重縮合物を得る工程。
    第3工程: 前記加水分解重縮合物と、下記一般式[4]、[5]または[6]で示されるシラン化合物とを酸性条件下で反応させて、(A)成分を得る工程。
    (式[1]中、Meはメチル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、2つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[2]中、Phはフェニル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、3つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、4つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[4]〜[6]中、Meはメチル基を示し、式[5]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
    第4工程: 前記加水分解重縮合物と、下記一般式[7]、[8]または[9]で示されるシラン化合物とを酸性条件下で反応させて、(B)成分を得る工程。
    (式[7]〜[9]中、Viはビニル基を示し、式[8]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
  2. 前記一般式[1]で示されるジアルコキシシランと前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランと、前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランとを、
    前記一般式[1]で示されるジアルコキシシランのモル数:前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランのモル数が80:20〜20:80となり、
    前記一般式[1]で示されるジアルコキシシラン、前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランおよび前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランの合計100モルに対して、前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランが1〜50モルとなるように用いる、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記酸触媒が、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロ酢酸またはクエン酸である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記加熱を40〜120℃で1〜24時間行う、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 第3工程の反応を、強酸条件下で行う、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 硬化遅延剤、酸化防止剤、光安定剤、接着付与剤、蛍光体、無機粒子、離型剤、樹脂改質剤、着色剤、希釈剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤およびタレ防止剤からなる群より選ばれる少なくとも一種をさらに含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を少なくとも調合する、硬化性シリコーン樹脂組成物の製造方法。
    (A)成分: 下記第1工程〜第3工程を少なくとも含む方法によって得られる、ケイ素原子に結合する水素原子(H−Si基)を含有するシリコーン樹脂、
    (B)成分: 下記第4工程を少なくとも含む方法によって得られる、ケイ素原子に結合するビニル基(Vi−Si基)を含有するシリコーン樹脂、
    (C)成分: ヒドロシリル化触媒。
    第1工程: 有機溶媒の非存在下で、下記一般式[1]で示されるジアルコキシシランと、下記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランと、下記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランと、水と、酸触媒とを少なくとも含む反応液を調合する工程。
    第2工程: 前記反応液を加熱して加水分解重縮合物を得る工程。
    第3工程: 前記加水分解重縮合物と、下記一般式[4]、[5]または[6]で示されるシラン化合物とを酸性条件下で反応させて、(A)成分を得る工程。
    (式[1]中、Meはメチル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、2つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[2]中、Phはフェニル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、3つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、4つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[4]〜[6]中、Meはメチル基を示し、式[5]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
    第4工程: 前記加水分解重縮合物と、下記一般式[7]、[8]または[9]で示されるシラン化合物とを酸性条件下で反応させて、(B)成分を得る工程。
    (式[7]〜[9]中、Viはビニル基を示し、式[8]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
  8. 前記一般式[1]で示されるジアルコキシシランと前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランと、前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランとを、
    前記一般式[1]で示されるジアルコキシシランのモル数:前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランのモル数が80:20〜20:80となり、
    前記一般式[1]で示されるジアルコキシシラン、前記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランおよび前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランの合計100モルに対して、前記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランが1〜50モルとなるように用いる、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記酸触媒が、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロ酢酸またはクエン酸である、請求項7または8に記載の製造方法。
  10. 前記加熱を40〜120℃で1〜24時間行う、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 第3工程の反応を、強酸条件下で行う、請求項7乃至10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 硬化遅延剤、酸化防止剤、光安定剤、接着付与剤、蛍光体、無機粒子、離型剤、樹脂改質剤、着色剤、希釈剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤およびタレ防止剤からなる群より選ばれる少なくとも一種をさらに調合する、請求項7乃至11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物を硬化してなる硬化物。
  14. 請求項13に記載の硬化物で、半導体素子が少なくとも封止された半導体装置。
  15. 下記第1工程および第2工程を少なくとも含む、加水分解重縮合物の製造方法。
    第1工程: 有機溶媒の非存在下で、下記一般式[1]で示されるジアルコキシシランと、下記一般式[2]で示されるトリアルコキシシランと、下記一般式[3]で示されるテトラアルコキシシランと、水と、酸触媒とを少なくとも含む反応液を調合する工程。
    第2工程: 前記反応液を加熱して加水分解重縮合物を得る工程。
    (式[1]中、Meはメチル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、2つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[2]中、Phはフェニル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、3つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよく、式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、4つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよい。)
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