JP2017128063A - 不燃化粧板 - Google Patents

不燃化粧板 Download PDF

Info

Publication number
JP2017128063A
JP2017128063A JP2016009958A JP2016009958A JP2017128063A JP 2017128063 A JP2017128063 A JP 2017128063A JP 2016009958 A JP2016009958 A JP 2016009958A JP 2016009958 A JP2016009958 A JP 2016009958A JP 2017128063 A JP2017128063 A JP 2017128063A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
meth
decorative board
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016009958A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6620568B2 (ja
Inventor
裕揮 齊藤
Hiroki Saito
裕揮 齊藤
賢吾 穂積
Kengo Hozumi
賢吾 穂積
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2016009958A priority Critical patent/JP6620568B2/ja
Publication of JP2017128063A publication Critical patent/JP2017128063A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6620568B2 publication Critical patent/JP6620568B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Finishing Walls (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】付与される型押し加工性良好で、不燃性を有する化粧板の提供。
【解決手段】不燃基材2の表面に接着剤3を介して化粧シート1が設けられ、化粧シート1は、合成樹脂からなる基材層10と、基材層10の上に形成された絵柄印刷層11と、絵柄印刷層11の上に形成された表面保護層12とを有し、基材層10は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂から構成され、基材層10の厚さが60μm以下であり、表面保護層12は、第1コート層13と、その上に形成された第2コート層14との2層を少なくとも有し、表面保護層12は、乾燥した状態で10g/m以下である、不燃化粧板100。第1コート層12は、2液硬化型ウレタン樹脂100質量部に対し、反応型シリコーン樹脂を10〜50質量部を含有し、艶調剤が添加されている。不燃基材2はメガボード、ダイライト等の無機質系基材、又はアルミ板等の金属板から構成されている不燃化粧板100。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の内装、外装、家具、建具、車両の内装等の表面に用いられる不燃性を有する化粧板に関し、特に、後工程である型押し成形によって、表面に手触り感や立体感を与える事が可能な凹凸が形成される不燃化粧板に好適な技術である。
近年、建築物の壁面や天井等の住宅内装に使用される化粧板には、火災等が生じた際の安全性確保のため不燃性の要請が高まっている。その不燃性を有した化粧板として、従来から不燃基材に、絵柄模様が形成された紙質系シートを積層し、その上から透明樹脂塗料を塗布または含浸させた化粧板や、不燃基材に絵柄模様と表面保護層が形成された合成樹脂基材層を積層した化粧板が知られている。
また基材に貼り付ける化粧シートとしては、例えば特許文献1〜3に記載のような化粧シートがある。この化粧シートを使用した場合には、意匠性に優れる化粧板を提供することができる。
又、意匠性を付与するために、化粧板の表面に対し、加熱高圧下による型押し成形によって凹凸を形成することも行われる。
特開2008−087158号公報 特許第4690071号公報 特開2013−123863号公報
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、後工程で付与される型押し加工性も良好で、且つ不燃性を有する化粧板を提供することを目的としている。
課題を解決するために、本発明の一態様は、不燃基材の表面に化粧シートが設けられた不燃化粧板であって、上記化粧シートは、合成樹脂からなる基材層と、その基材層の上に形成された絵柄印刷層と、その絵柄印刷層の上に形成された表面保護層とを有し、上記基材層は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂から構成されると共に、その基材層の厚さが60μm以下であり、上記表面保護層は、第1コート層と、その上に形成された第2コート層との2層を少なくとも有し、且つ上記表面保護層は、乾燥した状態で10g/m以下となっていることを特徴とする。
上記の不燃基材としては、メガボード、ダイライト、アルミ板を例示出来る。
ここで本発明の化粧板が有する不燃性は、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験に準拠し、上記不燃化粧板の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた際に、(i)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、かつ(iii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを満たす不燃性である。
本発明の態様によれば、不燃性を有しつつ、後から型押し加工がなされても良好なエンボスが形成される不燃化粧板を提供することが出来る。
ここで、建材用途に用いられる化粧シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン等などの樹脂から構成されることが一般的である。しかし、これらの化粧シートは、発熱量が高く、不燃性能が確保出来ないおそれがあるという問題がある。
発熱量を下げる方法として化粧シートの薄膜化が考えられるが、薄膜化したポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂は延伸し易く、その上にアクリル系の塗膜を塗布した場合、硬化収縮、熱による縮みによって化粧シートの製造が困難となるおそれがある。
これに対し、本発明では、ポリブチレンテレフタレート系の基材層(基材シート)を採用している。ポリブチルテレフタレート系の化粧シートは薄膜化しても延伸しづらく、硬化収縮、熱による影響を受けにくい。また型押し成型においても耐熱性にすぐれ型追従性も良好である。
特に本発明では、基材シートの厚さを60μまで薄膜とすると共に表面保護層も10g/m以下とすることで、不燃性能と共に、型押し成型における型追従性に優れた化粧板となり、確実に不燃性、及び型押し成型においても耐熱性にすぐれ型追従性も良好となる。
ここで、型押し成形で凹凸を形成する際に、シャープで深い凹凸を得るためには、100℃以上の加熱状態での加圧成形が必要である。
本発明に基づく実施形態に係る不燃化粧板を説明する断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の不燃化粧板100は、図1に示すように、木質基材2の表面に化粧シート1を、接着剤層3を介して貼り付けることで構成される。
また木質基材2の裏面に、無機酸化物蒸着フィルムなどからなる防湿シート層(不図示)を設けることが好ましい。
〈接着剤層3〉
木質基材2と化粧シート1とを接着する接着剤層3は、木質基材2と化粧シート1との接着性を向上するものであれば特に限定するものではなく、適用可能である。具体的にはウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系などの接着剤が好適に用いられる。
〈木質基材2〉
木質基材2は、例えばメガボード、ダイライトなどの無機質系基材からなる。その無機質系基材は、用途に応じて公知にものを使用すればよい。木質基材2としては、たとえば、珪酸カルシウム板、ロックウール、火山性ガラス質複層板(JIS A5440「不燃火山性ガラス質複層板」に準拠)、石綿スレート板、石膏の板、石膏ボード、ダイライトやタイガーグラスロック〔吉野石膏(株):商品名〕等の石膏ボード系基材、セメント、陶磁器、硝子、金属等の板を挙げることができる。その厚さとしては、材質にもよるが、通常2〜15mmであり、発熱性や取り回し性などの観点から、2mm以上9mm以下のものが好ましい。また、これら無機質基材には他の層との密着性を高める為に、シーラー塗布やサンダー等の表面処理が行われていても良い。
また木質基材2は、アルミ板などの金属板から構成されていても良い。
本実施形態の化粧シート1は、図1に示すように、基材層10の上に絵柄模様層11、透明な表面保護層12がこの順に形成されて構成される。表面保護層12は、第1コート層を構成する透明な艶調整層13と、第2コート層を構成する透明なトップコート層14との2層から構成されている。トップコート層14の上に、適宜、透明な耐汚染樹脂層(不図示)を設けても良い。また、基材層10の裏面に裏面プライマー層を設けても良い。
ここで、本実施形態において、透明とは、化粧シート1表面から下層の絵柄模様層11の絵柄模様が視認可能なだけの透明度を指す。
〈基材層10〉
基材層10は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の基材シートから構成される。ポリブチレンテレフタレート系樹脂性の基材層は、延伸されることで、厚さが60μm以下、好ましくは50μm未満の厚さに調整されている。厚さの下限値は特に無いが、使用するポリブチレンテレフタレート系樹脂の耐久性などの諸元によって延伸加工可能な最小の厚さが実質、厚さの下限値となる。
基材層10には、必要に応じ、公知の充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの各種の添加剤を添加しても構わない。基材層10の厚さは、用途などによるが、50μm以上100μm以下が好ましい。
〈絵柄模様層11〉
絵柄模様層11は、化粧シート1に絵柄による意匠性を付与するために基材層10の上に印刷によって設けられる。絵柄模様層11は、一般に、染料または顔料等の着色剤を適当なバインダー樹脂と共に適当な希釈溶媒中に溶解または分散してなる印刷インキまたは塗料等を使用して、例えばグラビア印刷法またはオフセット印刷法等の各種印刷法や、グラビアコート法またはロールコート法等の各種塗工法などによって形成される。バインダー樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、硝化綿等またはそれらの混合物等がよく使用されるが、勿論これらに限定されるものではない。絵柄の種類は、例えば木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様、文字または記号、それらの組み合わせ等、所望により任意に設定でき、また単色無地であっても良い。また、化粧シート1の隠蔽性を向上するために、絵柄模様層11の裏面側に、二酸化チタンや酸化鉄等の不透明顔料を多く含む不透明な印刷インキまたは塗料による隠蔽層が併設される場合もある。
本実施形態の表面保護層12は、上述のように艶調整層13とトップコート層14との2層からなる。この表面保護層12は、不燃性を考慮して、塗布後、乾燥した状態で10g/m以下となっている。
〈艶調整層13〉
艶調整層13は、表面の光沢を調整するために形成される。艶調整層13は、少なくとも透明な樹脂に艶調整剤が添加されている。更に耐汚染性を向上される為に、反応型シリコーン樹脂を含有することが好ましい。
透明な樹脂としては、アクリル系樹脂や2液硬化型ウレタン樹脂(バインダ樹脂)などが使用可能である。
例えば、艶調整層13は、アクリルゴムとアクリル樹脂を含む熱可塑性アクリル系樹脂からなり、そのアクリルゴムとアクリル樹脂との質量比が30:70〜60:40である。また艶調整層13の厚さは、不燃性の観点からは20μm以上55μm以下の範囲が好ましい。適宜、公知の紫外線吸収剤などの添加剤が添加されていても良い。
アクリルゴムと該アクリル樹脂との質量比が30:70〜60:40とすることで、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験により、上記化粧シート1と金属からなる基板とを貼着してなる化粧板100の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた際に、(i)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、かつ(iii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを満たす不燃性を確保可能となる。
ここで、質量比が30:70よりも小さい、すなわちアクリルゴムの量が少なすぎると、優れた不燃性が得られず、また折り曲げ加工性が低下してしまう。一方、質量比が60:40よりも大きい、すなわちアクリルゴムの量が多すぎると、艶調整層13の形成が困難となり、また耐候性が低下してしまう。このような観点から、アクリルゴムとアクリル樹脂との質量比は、30:70〜60:40が好ましい。
アクリルゴムを含むことで、優れた折り曲げ加工性が得られる。
熱可塑性アクリル系樹脂は、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主成分として単独又は共重合させて得られる熱可塑性樹脂であり、必要に応じて例えば(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸等のアクリル系単量体や、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系単量体等が共重合成分として添加されていたり、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体等のゴム成分がグラフト共重合、ブロック共重合又はブレンドされていたりしても良い。中でも、メタクリル酸メチルを主成分とするものが、耐候性や透明性、加工性、機械的物性や表面物性等の各種物性面で最も望ましく用いられる。
アクリルゴムは、特に制限されないが、好ましくは少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマーを構成単位とする重合体からなる合成ゴムである。該アクリルゴムは、該構成単位を60質量%以上含むものが好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上を含むものである。(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数1〜8のアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらのなかでも(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、炭素数2〜8のアルコキシアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル及び(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、多官能性の(メタ)アクリル酸エステルモノマーも好ましく挙げられる。
多官能性の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸などの不飽和モノカルボン酸とアリルアルコールなどの不飽和アルコールとのエステル、該不飽和モノカルボン酸とエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどのグリコールとのジエステル、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸などのジカルボン酸と該不飽和アルコールとのエステルなどが好ましく挙げられる。より具体的には、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メタリル、桂皮酸アリル、桂皮酸メタリル、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、アクリルゴムは、架橋点を有する構成単位を含有する共重合体であることが好ましい。かかる共重合体をアクリルゴムとして用いたゴム組成物は、成形時に効果的に架橋を行うことができるので弾性のある架橋物を得ることができる。架橋点を有する構成単位としては、カルボキシル基、ハロゲン原子、エポキシ基または水酸基を有するものなどが挙げられる。
アクリルゴムの形状は、特に制限はないが、作業性を考慮すると粒子状のものが好ましい。アクリルゴムが粒子状の場合、その平均粒子径は、透明性なアクリル樹脂層の成形加工性を考慮すると、30〜150nmが好ましく、40〜120nmがより好ましい。アクリル樹脂層で使用されるアクリル樹脂は、特に制限されないが、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマーを構成単位とする重合体であることが好ましい。より具体的には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、あるいは(メタ)アクリル酸エステルモノマーと他のモノマーとの共重合体が好ましい。
ここで、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸セカンダリーブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸イソボニル、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられ、折り曲げ加工性や耐候性を考慮すると、(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。
2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体としては、上記例示されたものから選ばれる2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が例示され、これらの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合体を形成する他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なものであれば特に限定されないが、本発明では、(メタ)アクリル酸、スチレン、(無水)マレイン酸、フマル酸、ジビニルベンゼン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニルアルコール、アクリロニトリル、アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ノルボルネン類などの脂環式オレフィンモノマー、ビニルカプロラクタム、シトラコン酸無水物、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド類、ビニルエーテル類などが好ましく挙げられ、特にスチレン及び(無水)マレイン酸が共重合成分として好適である。すなわち、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン又は(無水)マレイン酸の二元共重合体、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン及び(無水)マレイン酸の三元共重合体が好適である。なお、(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
また各種の透明熱可塑性樹脂層との接着の汎用性、化粧シート1を導管溝内へ湾曲させる際の変形追従性、及び耐擦傷性の点から、その樹脂成分(バインダー樹脂)として2液硬化型ウレタン樹脂を含むことが好ましい。
2液硬化型ウレタン樹脂としては、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2、4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートが用いられる。或いはまた、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等がある。尚、上記イソシアネートに於いて脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートは耐候性、耐熱黄変性も良好に出来る点で好ましく、具体的には例えば1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどが使用できる。
艶調整剤は、マット剤或いは艶消剤とも呼称され、化粧シート1表面に与える艶に応じて添加される。艶調整剤としてはシリカ、アルミナ(α−アルミナ等)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト、アルミノシリケート等の無機物、或いはポリカーボネート、ナイロン、ウレタン樹脂等の有機物(樹脂)の微粒子が挙げられる。このうち、シリカが好ましい。
艶調整剤の平均粒径は、1μm以上10μm以下が好ましい。艶調整剤の添加量は、所望の光沢に応じて適宜選択するが、通常は、艶調整層13を構成する樹脂100質量部に対し、粒径が10μm以下の粒状粒子の形で20質量部以上30質量部以下範囲で添加される。 ここで、本明細書において粒径は、平均粒径を指す。
本実施形態においては、艶調整剤を構成する粒状粒子として、粒径が3μm以下の第1の粒状粒子と、粒径が5μm以上の第2の粒状粒子との2種類の粒状粒子を使用する。
即ち、相対的に粒径が小さい第1の粒状粒子と、相対的に粒径の大きな第2の粒状粒子とを使用する。
また、第1の粒状粒子と第2の粒状粒子との配合比は、相対的に第1の粒状粒子の方が多くなるように配合する。第1の粒状粒子と第2の粒状粒子との配合比は、好ましくは6:4〜8:2の範囲とすると良い。
ここで、発明者らは、次のことを確認して本発明に到った。
すなわち艶調整剤の粒径を3μm以下まで小さくすると、艶調整層13での白濁を抑えられ、粒径が3μmより大きく且つ5μm未満の粒径の艶調整剤が多いほど白濁の発生が発生しやすいことを確認した。このため、本実施形態では、粒径が3μmより大きく且つ5μm未満の粒径の艶調整剤を抑制する為に、艶調整剤として、粒径が3μm以下の第1の粒状粒子と、粒径が5μm以上の第2の粒状粒子との2種類の粒状粒子を使用する。但し、平均粒径であるので、粒径が3μmより大きく且つ5μm未満の粒径の艶調整剤もわずかに混入する可能性はあるものの、上記の2種類の粒状粒子を使用することで、粒径が3μmより大きく且つ5μm未満の粒径の艶調整剤を大幅に減少させることが可能となる。
また、第1の粒状粒子が多くなるほど白濁の効果は有ることを見出したが、第1の粒状粒子だけでは艶があがりすぎる事も確認したため、所望の艶調整を行うと言う観点から、相対的に粒径が大きな第2の粒状粒子も含有した。但し、第1の粒状粒子の方が多くなるように配合する。更に、第1の粒状粒子と第2の粒状粒子との配合比を6:4〜8:2の範囲に設定することが好ましい。ここで艶調整剤を添加して、マット部分の艶が反射光沢係数値で3から5程度とするのが意匠的に好ましい。
ここで、第1の粒状粒子の吸油率が、相対的に第2の粒状粒子の吸油率よりも高いことが好ましい。
吸油性は、多孔性の、つまりポーラス状の粒状粒子を使用することで実現可能である。そして単位面積当たりの開口率が多いほど吸油率が高くなる。
そして、発明者らが確認したところ、第1の粒状粒子の吸油率が、相対的に第2の粒状粒子の吸油率よりも高い方が、白濁防止に寄与していることを確認したため上記のように規定した。
艶調整層13に、樹脂100質量部に対し反応型シリコーン樹脂を10質量部以上50質量部以下含有することが好ましい。艶調整層13は、反応型シリコーン樹脂を含有することで、耐汚染性を備えるようになる。
反応型シリコーン樹脂としては、主鎖にシリコン骨格をもった材料、剥型剤等に使用されるシリコーンオイル、などが挙げられるが、特には耐汚染性の点から側鎖にシリコン骨格をもった紫外線効果型アクリレート樹脂が好適である。反応型シリコーン樹脂の含有量が10質量部より少ないと、耐汚染性が悪くなる傾向であり、50質量部より多いとシリコーンのブリードアウトによる基材層10との接着不良等の不具合が起こる可能性がある。
ここで、発明者らが確認したところ、艶調整層13に反応型シリコーン樹脂が満遍なく混入せず、偏析して混在している場合には、白濁し易い傾向があることを見出した。このため、反応型シリコーン樹脂の攪拌を良く行い、反応型シリコーン樹脂を艶調整層13中に70%以上、好ましくは80%以上の分散率で分散して混合されていると、反応型シリコーン樹脂の偏析が抑えられ、白濁抑制に寄与することを確認した。
また、床材としての硬さを確保する意味で粒径10μm以下のガラスビーズを適宜混入すると良い。
ここで、上記説明では、艶調整層13の樹脂成分として、アクリル樹脂と2液硬化型ウレタン樹脂(バインド樹脂)とを使用する場合を例示しているが、樹脂成分を2液硬化型ウレタン樹脂だけにしても良い。
また、第1コート層を構成する艶調整層13は、塗布乾燥時で5.0g/m以下、好ましくは4.0g/m以下となるように塗布量を調整することが好ましい。また、第1コート層が艶調整層13を構成せずにクリア層を構成しても良い。
第2コート層を構成するトップコート層14についても、例えば、上述の艶調整層13と同じ、アクリル樹脂と2液硬化型ウレタン樹脂を樹脂成分として含む。トップコート層14においても、樹脂成分を2液硬化型ウレタン樹脂だけにしても良い。
このトップコート層14には、紫外線硬化型樹脂など電離放射線硬化型樹脂を含むことが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂としては、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来又は電離放射線もしくは紫外線硬化性樹脂組成物として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
また電離放射線硬化型樹脂を含むトップコート層14には、所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤などが挙げられる。
またトップコート層14にも、反応型シリコーン樹脂を10質量部以上50質量部以下含有させても良い。反応型シリコーン樹脂としては、主鎖にシリコン骨格をもった材料、剥型剤等に使用されるシリコーンオイル、などが挙げられるが、特には耐汚染性の点から側鎖にシリコン骨格をもった紫外線効果型アクリレート樹脂が好適である。反応型シリコーン樹脂の含有量が10質量部より少ないと、耐汚染性が悪くなる傾向であり、50質量部より多いとシリコンのブリードアウトによる基材との接着不良等の不具合が起こる可能性がある。あるいは後述する耐汚染薄膜コーティング樹脂層に用いる樹脂と同様ものであれば表面が同様の樹脂からなり、好ましいものとなる。
また、第2コート層を構成するトップコート層14は、塗布乾燥時で5g/m以下、好ましくは4g/m以下となるように塗布量を調整することが好ましい。
〈耐汚染薄膜コーティング樹脂層〉
耐汚染薄膜コーティング樹脂層は、層厚0.5〜1.5μmの耐汚染材料から構成される。耐汚染薄膜コーティング樹脂層に用いる樹脂としては、特に限定しないが、ブロックイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。層厚が0.5μmより薄いと十分な耐汚染の効果が得られず、層厚が1.5μmより厚いと立体感と意匠性を損なうものとなる。
〈裏面プライマー層〉
裏面プライマー層は設けなくても良い。
ただし、化粧シート1は、例えば木質基材や無機質系基材等の各種の基材の表面に貼着(ラミネート)して使用されるものであり、一般的には該貼着の際には例えばウレタン系や酢酸ビニル系等の適宜の接着剤が使用される。このとき、基材層10の材質によっては(例えばオレフィン系樹脂フィルムである場合等)、係る一般的なラミネート用接着剤との接着性が不十分である場合もある。その様な場合には、基材層10の裏面に、一般的なラミネート用接着剤との接着性に優れた樹脂組成物からなる裏面プライマー層を設けておくことが好ましい。
裏面プライマー層としては、例えばウレタン系、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の各種のプライマー剤が知られており、これらの中から基材層10の材質に合わせたものを選んで使用すればよい。なお、裏面プライマー層に例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の粉末を添加しておくと、裏面プライマー層の表面が粗面化することによって、化粧シート1の巻取保存時のブロッキングが防止できると共に、投錨効果による上記ラミネート用接着剤との接着性の向上を図ることもできる。
本実施形態の不燃化粧板100にあっては、印刷などによって手触り感のある絵柄模様層11を設けたのちに、凹凸があるように見せるために、絵柄模様層11の上に艶調整層13を設けることで立体感を与えた。
更に本実施形態の化粧板100にあっては、高圧力で且つ100℃以上などに加熱しながら型押し成形を行うことで、表面に対して、例えば、絵柄模様に同調させた物理的な凹凸を形成して、より立体感を与えることが可能である。
すなわち、本実施形態の化粧板100によれば、不燃性を有しつつ、後から型押し加工がなされても良好なエンボスが形成される不燃化粧板100を提供することが出来る。
ここで、本実施形態では、基材層10の厚さを60μm以下の薄膜化とし、更に表面保護層12を10g/m以下に抑えることで、発熱量を下げることで、当該化粧シート1を用いた化粧板100に不燃性が付与されている。
ここで不燃とは、下記加熱試験の結果、各試験体が次の基準を満足する仕様である。
(1)加熱開始後20分間の総発熱量が、8MJ/m以下であること。
(2)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと。
(3)加熱開始後20分間、最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/mを超えないこと
また、基材層10をポリブチレンテレフタレート系樹脂から構成することで、化粧シート1を薄膜化しても延伸しづらく、硬化収縮、熱による影響を受けにくい。また型押し成型においても耐熱性にすぐれ型追従性も良好となる。これによって、コート層からなる表面保護層12を、アクリル系の塗膜を塗布して構成しても、硬化収縮、熱による縮みが抑制されて、シャープな凹凸形状を、型押し成形で付与可能となる。
ここで、型押し成形は、例えば高圧プレス機に高低差2mmの波形金型をセットし、上下の熱源から100℃の加熱を行いつつ、30Kg/mの高圧で45秒圧縮した場合で確認したものである。
また、ウレタン系の塗膜で形成した場合、90℃前後で艶変化や型離れが悪くなるといった問題がある。このため、第1コート層である艶調整層13をウレタン系樹脂で形成した場合、第2コート層を耐熱性があるアクリル系の塗膜で形成することが好ましい。
また、艶調整層13に添加する艶調整剤の粒径を特定することで、艶調整剤として例えばシリカを使用したとしても、艶調整剤を添加することによる白濁を抑制して、透明感を中心とした意匠性を損なうこと無く、立体感を確保することが可能となる。すなわち、シート表面に所望の艶状態を確保しつつ、シート表面の白濁発生を抑制可能となる。
ここで、発明者らは、白濁が、光沢度の試験や色彩色差の試験では有意な差を検出できないことを確認し、目視外観官能試験で検出できることを確認している。
以上のような不燃化粧板100は、不燃性を有しつつも、上述のように化粧シート1の構成を限定する事で、表面の耐汚染性など各種耐性に優れ、かつ絵柄と同調した凹凸を、後工程である型押し加工によって表面に付与する事で、意匠性と手触り感に優れた不燃化粧板100を提供することが可能となる。
次に本発明の実施例について説明する。
〈実施例1〉
基材層10として、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂(大倉工業株式会社製の60OK0802)を76.2g/m使用して形成した。基材層10の厚さは60μmである。
その基材層10の上に、絵柄模様層11を印刷によって形成した。印刷のインキとしては、ウレタン・塩酢ビ系樹脂(東洋インキ株式会社製V351UR−T)をして使用し、インキの塗布量を1.8g/mに調整した。
更に、絵柄模様層11の上(絵柄がない部分については基材層10の表面)に対し、艶調整層13を形成した。
艶調整層13は、DICグラフィックス株式会社製UV178ハイマット(アクリル系樹脂と艶調整剤としてのシリカを含有)に対し、DICグラフィックス株式会社製の2液硬化型ウレタン樹脂G−XA、及びDICグラフィックス株式会社製の添加剤WGRNTを含有した液を塗布量4.1g/mで塗布・乾燥して形成した。
以上により、実施例1の艶調整層13では、アクリル系樹脂:2液硬化型ウレタン樹脂:ガラスビーズの質量比を100:10:5となった。なお、ガラスビーズの粒径は6〜7μmである。
上記の艶調整剤としてのシリカは、粒径が2μm〜3μmのAタイプと粒径5μm〜6μmのBタイプの二種類だけからなり、AタイプとBタイプの質量比を2:1にした。主剤樹脂全体に対し、Aタイプが8〜9%、Bタイプが4〜5%含有していた。
ここで、艶調整4を構成するUV178ハイマットには、主剤樹脂にG−UV315STを15部含む。更に添加剤EX40205を5部添加した。上記添加剤は、反応型シリコーン樹脂を含み、艶調整層13内に70%以上の分散率で分散されている。
更に、艶調整層13の上に、トップコート層14を形成した。
トップコート層14は、DICグラフィックス株式会社製のUV117グロス(アクリル系樹脂)/UV117ハイマット(アクリル系樹脂+シリカ等)/添加剤G−UV315ST(シリコーン変性ウレタンアクリレート系樹脂等、消泡剤)/添加剤G−UV120GRをそれぞれ、33.3質量部/66.7質量部/10質量部/20質量部の割合で混合した液を、塗布量4.0g/mで塗布することで形成した。
また基材層10の裏面に対して、2液硬化型ウレタン樹脂(シリカ添加)を1.2g/mで塗布して裏面プライマー層を形成した。
上記のように形成した化粧シート1をエチレン酢酸ビニル系接着剤15g/mを介して木質基材2に貼り合わせて、実施例1の不燃化粧板100を得た。
ここでは、木質基材2としてメガボードを使用した。
<比較例1>
基材層の厚さを75μmに設定した以外は、実施例1と同じ構成として比較例1の化粧板100を作製した。
〈評価について〉
実施例1及び比較例1の化粧板100に対し、下記の条件で型押し成形を実施して、波形の凹凸を表面に形成した後に、以下の評価判定を実施した。
(型押し成形)高圧プレス機に高低差2mmの波形金型をセットし、上下の熱源から100℃の加熱を行いつつ、30Kg/mの高圧で45秒圧縮して凹凸の成形を行った。
「表面光沢測定」
JIS Z 8741:1997「鏡面光沢度−測定方法」により、60°表面光沢度を測定した。
測定は、各試料に対し、実施例1及び比較例1における絵柄模様の位置が同位置となるように調整して、10箇所の位置で測定し、平均値を求めた。
しかし、測定結果からは、光沢度では有意な差が検出出来なかった。
「色彩色差の測定」
L*a*b*表色系(国際照明委員会ICE1976)に基づき、色彩色差計CR―300測定ヘッド口径80mmφを使用して測定した。
測定は、各試料に対し、実施例1及び比較例1,2における絵柄模様の位置が同位置となるように調整して、10箇所の位置で測定し、平均値を求めた。
しかし、測定結果から、色彩色差では有意な差が検出出来なかった。
「目視外観官能試験」
各試料に対し、10人の目視確認を行った。
評価は、次の通りとした。
○ 白濁がほとんどない 合格
△ 白濁がわずかに把握できる 合格
× 白濁している
評価結果は、実施例1及び比較例2とも、評価が「○」となっていた。
ここで、実施例1は、粒径が3〜4μmのCタイプのシリカを排除してAタイプのシリカを多くしたものであるが、CタイプのシリカをAタイプと同じ割合で混合した場合には、実施例1とは異なり、白濁が把握できるだけ発生していたことを確認している。この場合でも、分散率が60%以下のシリコーンの量を減らすことで、若干、白濁が抑えられることも確認している。 これに対し、実施例1では、耐汚染性の効果があるシリコーンの量を減らすことなく、白濁を抑えられている。
ここで、実施例1では、AタイプのシリカとBタイプのシリカの配合を2:1に調整した場合であるが、AタイプのシリカとBタイプのシリカの配合を6:4とした場合、及び8:2とした場合であっても、Cタイプのシリカを混合する場合に比べて、白濁が大幅に抑えられたことを確認している。
<燃焼試験>
実施例1で作成した不燃化粧板100について、ISO5660−1に準拠したコーンカロリーメーター試験機を用いて燃焼試験を行った。
そして、実施例1の不燃化粧板100では、次の条件を満足し、更に、比較例1の場合の80%程度の発熱量まで抑えられていることを確認した、
・加熱開始後20分の総発熱量:8MJ/m以下であった。
・加熱開始後20分間の最大発熱速度:200kW/mを超える時間0秒であった。
・加熱開始後20分間の試験終了後の基材について、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂や穴が無かった。
このように、本発明に基づく不燃化粧板100は、不燃認定を取得し得る性能を有している結果が得られた。
100 不燃化粧板
1 化粧シート
10 基材層
11 絵柄模様層
12 表面保護層
13 艶調整層
14 トップコート層
2 木質基材
3 接着剤層

Claims (10)

  1. 不燃基材の表面に化粧シートが設けられた不燃化粧板であって、
    上記化粧シートは、合成樹脂からなる基材層と、その基材層の上に形成された絵柄印刷層と、その絵柄印刷層の上に形成された表面保護層とを有し、
    上記基材層は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂から構成されると共に、その基材層の厚さが60μm以下であり、
    上記表面保護層は、第1コート層と、その上に形成された第2コート層との2層を少なくとも有し、且つ上記表面保護層は、乾燥した状態で10g/m以下となっていることを特徴とする不燃化粧板。
  2. 上記第1コート層は、2液硬化型ウレタン樹脂を含み、
    上記第2コート層は、2液硬化型ウレタン樹脂若しくはアクリル樹脂を含むこと特徴とする請求項1に記載した不燃化粧板。
  3. 上記第1コート層は、艶調整剤が添加されて艶調整層を構成し、
    上記艶調整剤は、上記艶調整層を構成する樹脂100質量部に対し、粒径が10μm以下の粒状粒子の形で20質量部以上30質量部以下含有し、
    上記艶調整剤を構成する粒状粒子は、粒径が3μm以下の第1の粒状粒子と、粒径が5μm以上の第2の粒状粒子との2種類の粒状粒子からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した不燃化粧板。
  4. 上記第1の粒状粒子と上記第2の粒状粒子との配合比が6:4〜8:2の範囲であることを特徴とする請求項3に記載した不燃化粧板。
  5. 上記第1の粒状粒子の吸油率は、上記第2の粒状粒子の吸油率よりも高いことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載した不燃化粧板。
  6. 上記第1コート層に、2液硬化型ウレタン樹脂100質量部に対し反応型シリコーン樹脂を10質量部以上50質量部以下含有したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  7. 上記反応型シリコーン樹脂は、上記第1コート層中に70%以上の分散率で分散して混合されていることを特徴とする請求項6に記載した不燃化粧板。
  8. 上記第2コート層は、電離放射線硬化型樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  9. 上記表面保護層は、上記第2コート層の上に透明な汚染樹脂層を有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  10. 型押し成形によって化粧板表面に凹凸が形成される原版としての請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載した不燃化粧板。
JP2016009958A 2016-01-21 2016-01-21 不燃化粧板 Active JP6620568B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016009958A JP6620568B2 (ja) 2016-01-21 2016-01-21 不燃化粧板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016009958A JP6620568B2 (ja) 2016-01-21 2016-01-21 不燃化粧板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017128063A true JP2017128063A (ja) 2017-07-27
JP6620568B2 JP6620568B2 (ja) 2019-12-18

Family

ID=59396530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016009958A Active JP6620568B2 (ja) 2016-01-21 2016-01-21 不燃化粧板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6620568B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019027160A (ja) * 2017-07-31 2019-02-21 株式会社熊谷組 耐火主要構造部
JP2020147748A (ja) * 2019-03-08 2020-09-17 凸版印刷株式会社 不燃シート、複合シート、吸収性物品、不燃性化粧板

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019027160A (ja) * 2017-07-31 2019-02-21 株式会社熊谷組 耐火主要構造部
JP7025855B2 (ja) 2017-07-31 2022-02-25 株式会社熊谷組 耐火主要構造部
JP2020147748A (ja) * 2019-03-08 2020-09-17 凸版印刷株式会社 不燃シート、複合シート、吸収性物品、不燃性化粧板
JP7581632B2 (ja) 2019-03-08 2024-11-13 Toppanホールディングス株式会社 不燃シート、複合シート、吸収性物品、及び不燃性化粧板

Also Published As

Publication number Publication date
JP6620568B2 (ja) 2019-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5630161B2 (ja) 不燃性化粧シート及びこれを用いた不燃性化粧鋼板
JP6561614B2 (ja) 化粧シート及び化粧板
JP6349914B2 (ja) 多層光沢化粧シート
JP5222684B2 (ja) 不燃性鏡面化粧板
JP2013123863A (ja) 化粧シート
WO2006035880A1 (ja) 化粧材
JP2012206377A (ja) 熱転写フィルムの製造方法
JP2008062452A (ja) 不燃化粧板
JP7201123B1 (ja) 化粧シート及び化粧材
JP6413699B2 (ja) 同調グロスマット化粧シート、同調グロスマット化粧材および同調グロスマット化粧シートの製造方法
JP6620568B2 (ja) 不燃化粧板
JP2006198980A (ja) 化粧材
JP4923622B2 (ja) 化粧タックシート
JP6503886B2 (ja) 化粧シート
JP6503885B2 (ja) 不燃化粧板
JP6586746B2 (ja) 化粧シート及び化粧材
JP6720591B2 (ja) 化粧シート
JP4735171B2 (ja) 化粧材
JP6476993B2 (ja) 不燃化粧板
JP2022151531A (ja) 化粧シート及び化粧材
KR101319374B1 (ko) 내스크래치성 및 굴곡가공성이 우수한 하이그로시 데코시트
JP4922060B2 (ja) 化粧シート
JP6950155B2 (ja) 化粧シートおよび化粧板
JP6586750B2 (ja) 化粧シート及び化粧材
JP7613492B2 (ja) 転写シート、転写シートの製造方法、外装部材の製造方法および外装部材

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160603

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160622

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6620568

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250