JP2017128063A - 不燃化粧板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不燃基材2の表面に接着剤3を介して化粧シート1が設けられ、化粧シート1は、合成樹脂からなる基材層10と、基材層10の上に形成された絵柄印刷層11と、絵柄印刷層11の上に形成された表面保護層12とを有し、基材層10は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂から構成され、基材層10の厚さが60μm以下であり、表面保護層12は、第1コート層13と、その上に形成された第2コート層14との2層を少なくとも有し、表面保護層12は、乾燥した状態で10g/m2以下である、不燃化粧板100。第1コート層12は、2液硬化型ウレタン樹脂100質量部に対し、反応型シリコーン樹脂を10〜50質量部を含有し、艶調剤が添加されている。不燃基材2はメガボード、ダイライト等の無機質系基材、又はアルミ板等の金属板から構成されている不燃化粧板100。
【選択図】図1
Description
また基材に貼り付ける化粧シートとしては、例えば特許文献1〜3に記載のような化粧シートがある。この化粧シートを使用した場合には、意匠性に優れる化粧板を提供することができる。
又、意匠性を付与するために、化粧板の表面に対し、加熱高圧下による型押し成形によって凹凸を形成することも行われる。
ここで本発明の化粧板が有する不燃性は、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験に準拠し、上記不燃化粧板の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた際に、(i)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、かつ(iii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを満たす不燃性である。
ここで、建材用途に用いられる化粧シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン等などの樹脂から構成されることが一般的である。しかし、これらの化粧シートは、発熱量が高く、不燃性能が確保出来ないおそれがあるという問題がある。
発熱量を下げる方法として化粧シートの薄膜化が考えられるが、薄膜化したポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂は延伸し易く、その上にアクリル系の塗膜を塗布した場合、硬化収縮、熱による縮みによって化粧シートの製造が困難となるおそれがある。
特に本発明では、基材シートの厚さを60μまで薄膜とすると共に表面保護層も10g/m2以下とすることで、不燃性能と共に、型押し成型における型追従性に優れた化粧板となり、確実に不燃性、及び型押し成型においても耐熱性にすぐれ型追従性も良好となる。
ここで、型押し成形で凹凸を形成する際に、シャープで深い凹凸を得るためには、100℃以上の加熱状態での加圧成形が必要である。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の不燃化粧板100は、図1に示すように、木質基材2の表面に化粧シート1を、接着剤層3を介して貼り付けることで構成される。
また木質基材2の裏面に、無機酸化物蒸着フィルムなどからなる防湿シート層(不図示)を設けることが好ましい。
木質基材2と化粧シート1とを接着する接着剤層3は、木質基材2と化粧シート1との接着性を向上するものであれば特に限定するものではなく、適用可能である。具体的にはウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系などの接着剤が好適に用いられる。
木質基材2は、例えばメガボード、ダイライトなどの無機質系基材からなる。その無機質系基材は、用途に応じて公知にものを使用すればよい。木質基材2としては、たとえば、珪酸カルシウム板、ロックウール、火山性ガラス質複層板(JIS A5440「不燃火山性ガラス質複層板」に準拠)、石綿スレート板、石膏の板、石膏ボード、ダイライトやタイガーグラスロック〔吉野石膏(株):商品名〕等の石膏ボード系基材、セメント、陶磁器、硝子、金属等の板を挙げることができる。その厚さとしては、材質にもよるが、通常2〜15mmであり、発熱性や取り回し性などの観点から、2mm以上9mm以下のものが好ましい。また、これら無機質基材には他の層との密着性を高める為に、シーラー塗布やサンダー等の表面処理が行われていても良い。
本実施形態の化粧シート1は、図1に示すように、基材層10の上に絵柄模様層11、透明な表面保護層12がこの順に形成されて構成される。表面保護層12は、第1コート層を構成する透明な艶調整層13と、第2コート層を構成する透明なトップコート層14との2層から構成されている。トップコート層14の上に、適宜、透明な耐汚染樹脂層(不図示)を設けても良い。また、基材層10の裏面に裏面プライマー層を設けても良い。
ここで、本実施形態において、透明とは、化粧シート1表面から下層の絵柄模様層11の絵柄模様が視認可能なだけの透明度を指す。
基材層10は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の基材シートから構成される。ポリブチレンテレフタレート系樹脂性の基材層は、延伸されることで、厚さが60μm以下、好ましくは50μm未満の厚さに調整されている。厚さの下限値は特に無いが、使用するポリブチレンテレフタレート系樹脂の耐久性などの諸元によって延伸加工可能な最小の厚さが実質、厚さの下限値となる。
基材層10には、必要に応じ、公知の充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの各種の添加剤を添加しても構わない。基材層10の厚さは、用途などによるが、50μm以上100μm以下が好ましい。
絵柄模様層11は、化粧シート1に絵柄による意匠性を付与するために基材層10の上に印刷によって設けられる。絵柄模様層11は、一般に、染料または顔料等の着色剤を適当なバインダー樹脂と共に適当な希釈溶媒中に溶解または分散してなる印刷インキまたは塗料等を使用して、例えばグラビア印刷法またはオフセット印刷法等の各種印刷法や、グラビアコート法またはロールコート法等の各種塗工法などによって形成される。バインダー樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、硝化綿等またはそれらの混合物等がよく使用されるが、勿論これらに限定されるものではない。絵柄の種類は、例えば木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様、文字または記号、それらの組み合わせ等、所望により任意に設定でき、また単色無地であっても良い。また、化粧シート1の隠蔽性を向上するために、絵柄模様層11の裏面側に、二酸化チタンや酸化鉄等の不透明顔料を多く含む不透明な印刷インキまたは塗料による隠蔽層が併設される場合もある。
本実施形態の表面保護層12は、上述のように艶調整層13とトップコート層14との2層からなる。この表面保護層12は、不燃性を考慮して、塗布後、乾燥した状態で10g/m2以下となっている。
艶調整層13は、表面の光沢を調整するために形成される。艶調整層13は、少なくとも透明な樹脂に艶調整剤が添加されている。更に耐汚染性を向上される為に、反応型シリコーン樹脂を含有することが好ましい。
透明な樹脂としては、アクリル系樹脂や2液硬化型ウレタン樹脂(バインダ樹脂)などが使用可能である。
例えば、艶調整層13は、アクリルゴムとアクリル樹脂を含む熱可塑性アクリル系樹脂からなり、そのアクリルゴムとアクリル樹脂との質量比が30:70〜60:40である。また艶調整層13の厚さは、不燃性の観点からは20μm以上55μm以下の範囲が好ましい。適宜、公知の紫外線吸収剤などの添加剤が添加されていても良い。
ここで、質量比が30:70よりも小さい、すなわちアクリルゴムの量が少なすぎると、優れた不燃性が得られず、また折り曲げ加工性が低下してしまう。一方、質量比が60:40よりも大きい、すなわちアクリルゴムの量が多すぎると、艶調整層13の形成が困難となり、また耐候性が低下してしまう。このような観点から、アクリルゴムとアクリル樹脂との質量比は、30:70〜60:40が好ましい。
アクリルゴムを含むことで、優れた折り曲げ加工性が得られる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数1〜8のアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらのなかでも(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましい。
アクリルゴムの形状は、特に制限はないが、作業性を考慮すると粒子状のものが好ましい。アクリルゴムが粒子状の場合、その平均粒子径は、透明性なアクリル樹脂層の成形加工性を考慮すると、30〜150nmが好ましく、40〜120nmがより好ましい。アクリル樹脂層で使用されるアクリル樹脂は、特に制限されないが、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマーを構成単位とする重合体であることが好ましい。より具体的には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、あるいは(メタ)アクリル酸エステルモノマーと他のモノマーとの共重合体が好ましい。
2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体としては、上記例示されたものから選ばれる2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が例示され、これらの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
また各種の透明熱可塑性樹脂層との接着の汎用性、化粧シート1を導管溝内へ湾曲させる際の変形追従性、及び耐擦傷性の点から、その樹脂成分(バインダー樹脂)として2液硬化型ウレタン樹脂を含むことが好ましい。
艶調整剤の平均粒径は、1μm以上10μm以下が好ましい。艶調整剤の添加量は、所望の光沢に応じて適宜選択するが、通常は、艶調整層13を構成する樹脂100質量部に対し、粒径が10μm以下の粒状粒子の形で20質量部以上30質量部以下範囲で添加される。 ここで、本明細書において粒径は、平均粒径を指す。
即ち、相対的に粒径が小さい第1の粒状粒子と、相対的に粒径の大きな第2の粒状粒子とを使用する。
また、第1の粒状粒子と第2の粒状粒子との配合比は、相対的に第1の粒状粒子の方が多くなるように配合する。第1の粒状粒子と第2の粒状粒子との配合比は、好ましくは6:4〜8:2の範囲とすると良い。
すなわち艶調整剤の粒径を3μm以下まで小さくすると、艶調整層13での白濁を抑えられ、粒径が3μmより大きく且つ5μm未満の粒径の艶調整剤が多いほど白濁の発生が発生しやすいことを確認した。このため、本実施形態では、粒径が3μmより大きく且つ5μm未満の粒径の艶調整剤を抑制する為に、艶調整剤として、粒径が3μm以下の第1の粒状粒子と、粒径が5μm以上の第2の粒状粒子との2種類の粒状粒子を使用する。但し、平均粒径であるので、粒径が3μmより大きく且つ5μm未満の粒径の艶調整剤もわずかに混入する可能性はあるものの、上記の2種類の粒状粒子を使用することで、粒径が3μmより大きく且つ5μm未満の粒径の艶調整剤を大幅に減少させることが可能となる。
ここで、第1の粒状粒子の吸油率が、相対的に第2の粒状粒子の吸油率よりも高いことが好ましい。
そして、発明者らが確認したところ、第1の粒状粒子の吸油率が、相対的に第2の粒状粒子の吸油率よりも高い方が、白濁防止に寄与していることを確認したため上記のように規定した。
艶調整層13に、樹脂100質量部に対し反応型シリコーン樹脂を10質量部以上50質量部以下含有することが好ましい。艶調整層13は、反応型シリコーン樹脂を含有することで、耐汚染性を備えるようになる。
ここで、発明者らが確認したところ、艶調整層13に反応型シリコーン樹脂が満遍なく混入せず、偏析して混在している場合には、白濁し易い傾向があることを見出した。このため、反応型シリコーン樹脂の攪拌を良く行い、反応型シリコーン樹脂を艶調整層13中に70%以上、好ましくは80%以上の分散率で分散して混合されていると、反応型シリコーン樹脂の偏析が抑えられ、白濁抑制に寄与することを確認した。
ここで、上記説明では、艶調整層13の樹脂成分として、アクリル樹脂と2液硬化型ウレタン樹脂(バインド樹脂)とを使用する場合を例示しているが、樹脂成分を2液硬化型ウレタン樹脂だけにしても良い。
また、第1コート層を構成する艶調整層13は、塗布乾燥時で5.0g/m2以下、好ましくは4.0g/m2以下となるように塗布量を調整することが好ましい。また、第1コート層が艶調整層13を構成せずにクリア層を構成しても良い。
このトップコート層14には、紫外線硬化型樹脂など電離放射線硬化型樹脂を含むことが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂としては、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来又は電離放射線もしくは紫外線硬化性樹脂組成物として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
またトップコート層14にも、反応型シリコーン樹脂を10質量部以上50質量部以下含有させても良い。反応型シリコーン樹脂としては、主鎖にシリコン骨格をもった材料、剥型剤等に使用されるシリコーンオイル、などが挙げられるが、特には耐汚染性の点から側鎖にシリコン骨格をもった紫外線効果型アクリレート樹脂が好適である。反応型シリコーン樹脂の含有量が10質量部より少ないと、耐汚染性が悪くなる傾向であり、50質量部より多いとシリコンのブリードアウトによる基材との接着不良等の不具合が起こる可能性がある。あるいは後述する耐汚染薄膜コーティング樹脂層に用いる樹脂と同様ものであれば表面が同様の樹脂からなり、好ましいものとなる。
また、第2コート層を構成するトップコート層14は、塗布乾燥時で5g/m2以下、好ましくは4g/m2以下となるように塗布量を調整することが好ましい。
耐汚染薄膜コーティング樹脂層は、層厚0.5〜1.5μmの耐汚染材料から構成される。耐汚染薄膜コーティング樹脂層に用いる樹脂としては、特に限定しないが、ブロックイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。層厚が0.5μmより薄いと十分な耐汚染の効果が得られず、層厚が1.5μmより厚いと立体感と意匠性を損なうものとなる。
裏面プライマー層は設けなくても良い。
ただし、化粧シート1は、例えば木質基材や無機質系基材等の各種の基材の表面に貼着(ラミネート)して使用されるものであり、一般的には該貼着の際には例えばウレタン系や酢酸ビニル系等の適宜の接着剤が使用される。このとき、基材層10の材質によっては(例えばオレフィン系樹脂フィルムである場合等)、係る一般的なラミネート用接着剤との接着性が不十分である場合もある。その様な場合には、基材層10の裏面に、一般的なラミネート用接着剤との接着性に優れた樹脂組成物からなる裏面プライマー層を設けておくことが好ましい。
更に本実施形態の化粧板100にあっては、高圧力で且つ100℃以上などに加熱しながら型押し成形を行うことで、表面に対して、例えば、絵柄模様に同調させた物理的な凹凸を形成して、より立体感を与えることが可能である。
すなわち、本実施形態の化粧板100によれば、不燃性を有しつつ、後から型押し加工がなされても良好なエンボスが形成される不燃化粧板100を提供することが出来る。
ここで不燃とは、下記加熱試験の結果、各試験体が次の基準を満足する仕様である。
(1)加熱開始後20分間の総発熱量が、8MJ/m2以下であること。
(2)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと。
(3)加熱開始後20分間、最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/m2を超えないこと
ここで、型押し成形は、例えば高圧プレス機に高低差2mmの波形金型をセットし、上下の熱源から100℃の加熱を行いつつ、30Kg/m2の高圧で45秒圧縮した場合で確認したものである。
また、ウレタン系の塗膜で形成した場合、90℃前後で艶変化や型離れが悪くなるといった問題がある。このため、第1コート層である艶調整層13をウレタン系樹脂で形成した場合、第2コート層を耐熱性があるアクリル系の塗膜で形成することが好ましい。
ここで、発明者らは、白濁が、光沢度の試験や色彩色差の試験では有意な差を検出できないことを確認し、目視外観官能試験で検出できることを確認している。
以上のような不燃化粧板100は、不燃性を有しつつも、上述のように化粧シート1の構成を限定する事で、表面の耐汚染性など各種耐性に優れ、かつ絵柄と同調した凹凸を、後工程である型押し加工によって表面に付与する事で、意匠性と手触り感に優れた不燃化粧板100を提供することが可能となる。
〈実施例1〉
基材層10として、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂(大倉工業株式会社製の60OK0802)を76.2g/m2使用して形成した。基材層10の厚さは60μmである。
その基材層10の上に、絵柄模様層11を印刷によって形成した。印刷のインキとしては、ウレタン・塩酢ビ系樹脂(東洋インキ株式会社製V351UR−T)をして使用し、インキの塗布量を1.8g/m2に調整した。
艶調整層13は、DICグラフィックス株式会社製UV178ハイマット(アクリル系樹脂と艶調整剤としてのシリカを含有)に対し、DICグラフィックス株式会社製の2液硬化型ウレタン樹脂G−XA、及びDICグラフィックス株式会社製の添加剤WGRNTを含有した液を塗布量4.1g/m2で塗布・乾燥して形成した。
以上により、実施例1の艶調整層13では、アクリル系樹脂:2液硬化型ウレタン樹脂:ガラスビーズの質量比を100:10:5となった。なお、ガラスビーズの粒径は6〜7μmである。
ここで、艶調整4を構成するUV178ハイマットには、主剤樹脂にG−UV315STを15部含む。更に添加剤EX40205を5部添加した。上記添加剤は、反応型シリコーン樹脂を含み、艶調整層13内に70%以上の分散率で分散されている。
更に、艶調整層13の上に、トップコート層14を形成した。
また基材層10の裏面に対して、2液硬化型ウレタン樹脂(シリカ添加)を1.2g/m2で塗布して裏面プライマー層を形成した。
上記のように形成した化粧シート1をエチレン酢酸ビニル系接着剤15g/m2を介して木質基材2に貼り合わせて、実施例1の不燃化粧板100を得た。
ここでは、木質基材2としてメガボードを使用した。
基材層の厚さを75μmに設定した以外は、実施例1と同じ構成として比較例1の化粧板100を作製した。
〈評価について〉
実施例1及び比較例1の化粧板100に対し、下記の条件で型押し成形を実施して、波形の凹凸を表面に形成した後に、以下の評価判定を実施した。
(型押し成形)高圧プレス機に高低差2mmの波形金型をセットし、上下の熱源から100℃の加熱を行いつつ、30Kg/m2の高圧で45秒圧縮して凹凸の成形を行った。
JIS Z 8741:1997「鏡面光沢度−測定方法」により、60°表面光沢度を測定した。
測定は、各試料に対し、実施例1及び比較例1における絵柄模様の位置が同位置となるように調整して、10箇所の位置で測定し、平均値を求めた。
しかし、測定結果からは、光沢度では有意な差が検出出来なかった。
L*a*b*表色系(国際照明委員会ICE1976)に基づき、色彩色差計CR―300測定ヘッド口径80mmφを使用して測定した。
測定は、各試料に対し、実施例1及び比較例1,2における絵柄模様の位置が同位置となるように調整して、10箇所の位置で測定し、平均値を求めた。
しかし、測定結果から、色彩色差では有意な差が検出出来なかった。
各試料に対し、10人の目視確認を行った。
評価は、次の通りとした。
○ 白濁がほとんどない 合格
△ 白濁がわずかに把握できる 合格
× 白濁している
評価結果は、実施例1及び比較例2とも、評価が「○」となっていた。
ここで、実施例1では、AタイプのシリカとBタイプのシリカの配合を2:1に調整した場合であるが、AタイプのシリカとBタイプのシリカの配合を6:4とした場合、及び8:2とした場合であっても、Cタイプのシリカを混合する場合に比べて、白濁が大幅に抑えられたことを確認している。
実施例1で作成した不燃化粧板100について、ISO5660−1に準拠したコーンカロリーメーター試験機を用いて燃焼試験を行った。
そして、実施例1の不燃化粧板100では、次の条件を満足し、更に、比較例1の場合の80%程度の発熱量まで抑えられていることを確認した、
・加熱開始後20分の総発熱量:8MJ/m2以下であった。
・加熱開始後20分間の最大発熱速度:200kW/m2を超える時間0秒であった。
・加熱開始後20分間の試験終了後の基材について、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂や穴が無かった。
このように、本発明に基づく不燃化粧板100は、不燃認定を取得し得る性能を有している結果が得られた。
1 化粧シート
10 基材層
11 絵柄模様層
12 表面保護層
13 艶調整層
14 トップコート層
2 木質基材
3 接着剤層
Claims (10)
- 不燃基材の表面に化粧シートが設けられた不燃化粧板であって、
上記化粧シートは、合成樹脂からなる基材層と、その基材層の上に形成された絵柄印刷層と、その絵柄印刷層の上に形成された表面保護層とを有し、
上記基材層は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂から構成されると共に、その基材層の厚さが60μm以下であり、
上記表面保護層は、第1コート層と、その上に形成された第2コート層との2層を少なくとも有し、且つ上記表面保護層は、乾燥した状態で10g/m2以下となっていることを特徴とする不燃化粧板。 - 上記第1コート層は、2液硬化型ウレタン樹脂を含み、
上記第2コート層は、2液硬化型ウレタン樹脂若しくはアクリル樹脂を含むこと特徴とする請求項1に記載した不燃化粧板。 - 上記第1コート層は、艶調整剤が添加されて艶調整層を構成し、
上記艶調整剤は、上記艶調整層を構成する樹脂100質量部に対し、粒径が10μm以下の粒状粒子の形で20質量部以上30質量部以下含有し、
上記艶調整剤を構成する粒状粒子は、粒径が3μm以下の第1の粒状粒子と、粒径が5μm以上の第2の粒状粒子との2種類の粒状粒子からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した不燃化粧板。 - 上記第1の粒状粒子と上記第2の粒状粒子との配合比が6:4〜8:2の範囲であることを特徴とする請求項3に記載した不燃化粧板。
- 上記第1の粒状粒子の吸油率は、上記第2の粒状粒子の吸油率よりも高いことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載した不燃化粧板。
- 上記第1コート層に、2液硬化型ウレタン樹脂100質量部に対し反応型シリコーン樹脂を10質量部以上50質量部以下含有したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した不燃化粧板。
- 上記反応型シリコーン樹脂は、上記第1コート層中に70%以上の分散率で分散して混合されていることを特徴とする請求項6に記載した不燃化粧板。
- 上記第2コート層は、電離放射線硬化型樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した不燃化粧板。
- 上記表面保護層は、上記第2コート層の上に透明な汚染樹脂層を有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載した不燃化粧板。
- 型押し成形によって化粧板表面に凹凸が形成される原版としての請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載した不燃化粧板。
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JP6620568B2 (ja) | 2019-12-18 |
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