以下、本発明の一実施形態である印刷装置1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の左下方向、右上方向、右下方向、左上方向、上方向、及び下方向を、それぞれ、印刷装置1の第一方向、第二方向、第三方向、第四方向、第五方向、及び第六方向と称す。第一方向と第二方向は、互いに反対の方向である。第三方向と第四方向は、互いに反対の方向である。第五方向と第六方向は、互いに反対の方向である。以下、第一方向と第二方向を総称する場合、「深さ方向」と称し、第三方向と第四方向を総称する場合、「横方向」と称し、第五方向と第六方向を総称する場合、「縦方向」と称す。深さ方向と横方向は、互いに直交する。縦方向は、深さ方向と横方向のそれぞれに対して直交する。
図1を参照し、印刷装置1の概略構成を説明する。印刷装置1は、ユーザが持ち運び可能なモバイルプリンタであり、例えば水平方向に延びる載置台(図示略)に載置される。印刷装置1は、一例として、縦方向が鉛直方向と平行になる姿勢で載置台に載置される。印刷装置1は、本体ケース10の内部で、印刷媒体(図示略)にキャラクタを印刷する。キャラクタは、文字、図形、及び記号等である。印刷装置1は、キャラクタを印刷した印刷媒体を、本体ケース10の外部へ排出する。本例の印刷媒体は、シート材である。
図1〜図10を参照し、印刷装置1の構成を説明する。図1、図2に示すように、印刷装置1は、箱状の本体ケース10を備える。深さ方向に沿って見た場合の本体ケース10の形状は、四隅の角部が丸みを帯びた略正方形状である。本体ケース10の横方向及び縦方向における中心部を通過して深さ方向に延びる軸線は、中心線10Aである。中心線10Aを基準とした径方向における本体ケース10の端面は、深さ方向に沿って略面一に形成される。
本体ケース10の第三方向の端部には排出開口部16が設けられる。排出開口部16は、深さ方向に長い略楕円形状の開口部である。排出開口部16は、キャラクタが印刷された印刷媒体を、本体ケース10の外部へ向けて排出する。後述のように、排出開口部16は、筐体30の排出開口部16Aと、第一カバー100の排出開口部16Bとによって形成される。
本体ケース10の第四方向の端部には、円形状に形成された第一穴部17が設けられる。後述のように、第一穴部17は、筐体30の第一穴部17Aと、第二カバー200の第一穴部17Bとによって形成される。第一穴部17は、本体ケース10の内部に配置された操作ボタン15を、第四方向へ露出させる。ユーザは、操作ボタン15を操作して、各種の情報を印刷装置1に入力できる。
第一穴部17の第六方向側には、円形状に形成された第二穴部18が設けられる。後述のように、第二穴部18は、筐体30の第二穴部18Aと、第二カバー200の第二穴部18Bとによって形成される。第二穴部18は、本体ケース10の内部に配置される給電部(図示略)を、第四方向へ露出させる。ユーザによって給電部に接続された電源アダプタ(図示略)は、印刷装置1に電力を供給する。
図2〜図5に示すように、本体ケース10は、筐体30、第一カバー100、二つの第一ヒンジ部150(図6参照)、第一係合部91(図8参照)、第二カバー200、二つの第二ヒンジ部250(図6参照)、及び第二係合部92(図8参照)を備える。筐体30は、印刷媒体が印刷される空間を内側に形成する。筐体30は周壁部34を備える。周壁部34は、印刷媒体が印刷される空間を、中心線10A(図1参照)を基準とした円周方向に沿って囲む壁部である。周壁部34の第三方向側且つ第五方向側の角部には、開口部71が設けられる。開口部71は、筐体30の内部に設けられたカッタレバー70を、中心線10Aを基準とした径方向へ露出させる。カッタレバー70については後述する。
周壁部34の第三方向の端部は、第一筐体壁部34Aである。第一筐体壁部34Aは、縦方向に延びる略矩形状の板状である。第一筐体壁部34Aには、排出開口部16の第二方向の部位を形成する排出開口部16Aが形成される。排出開口部16Aは、第一筐体壁部34Aを横方向に貫通する。
図6に示すように、周壁部34の第四方向の端部を形成する部位は、第二筐体壁部34Bである。第二筐体壁部34Bは、縦方向に延びる略矩形状の板状である。第二筐体壁部34Bは特定筐体面34Cを備える。特定筐体面34Cは、平面状に形成された面であり、第四方向を向く。「面が特定の方向を向く」とは、面の法線ベクトルが特定方向の成分を含むことを示す。即ち、特定の方向を向く面は、平面状であっても湾曲していてもよい。
第二筐体壁部34Bには、第五方向から第六方向に向けて順に、第一穴部17Aと第二穴部18Aが設けられる。第一穴部17Aと第二穴部18Aは、それぞれ、略半円形状の穴部である。第一穴部17Aと第二穴部18Aは、いずれも、第二筐体壁部34Bを横方向に貫通する。
図3に示すように、筐体30の第一方向の端面は、第一筐体面31である。第一筐体面31は、第一方向を向く平面であり、印刷媒体が印刷される空間よりも第一方向側に設けられる。第一筐体面31には、テープカセット60が収容される第一穴29を形成される。第一穴29は、印刷媒体が印刷される筐体30の内部の空間に、連通する。テープカセット60は、巻回された印刷媒体を内蔵するケースである。テープカセット60は、巻回された印刷媒体を、伸張した姿勢で露出させる開口部60A(図10参照)を形成する。第一筐体面31のうち、第一穴29よりも第五方向側には、矩形穴33が設けられる。矩形穴33は、印刷媒体が印刷される筐体30内部の空間に連通する。
図4に示すように、筐体30の第二方向方の端面は、第二筐体面32である。第二筐体面32は、第二方向を向く平面であり、印刷媒体が印刷される空間よりも第二方向側に設けられる。第二筐体面32には、横方向に沿う複数の電池8を収容する第二穴37が設けられる。第二穴37に収容された電池8は、筐体30の内部で装着される。電池8は、印刷装置1に対して給電可能である。
図3〜図4を参照し、第一カバー100の構成を説明する。第一カバー100は、筐体30に対して着脱可能な板状部材である。以下では、筐体30に装着された状態を基準にして、第一カバー100の構成を説明する。第一カバー100は、後述の第一ヒンジ部150(図6参照)によって、第一被覆位置(図1参照)と第一開放位置(図3参照)との間を、縦方向に延びる軸線(図示略)を中心として回転可能に保持される。第一カバー100の回転中心となる縦方向に延びる軸線は、第一穴29よりも第四方向側にある。本例の第一被覆位置は、第一筐体面31の全体を覆う第一カバー100の回転位置である。本例の第一開放位置は、第一筐体面31の全体を第一方向に向けて開放する第一カバー100の回転位置である。第一カバー100は、第一開放位置にある場合、筐体30に対して着脱可能である。
以下、第一開放位置から第一被覆に向かう方向を「第一閉方向」と称し、第一被覆位置から第一開放位置に向かう方向を「第一開方向」と称す。第一開方向と第一閉方向は、互いに反対の方向である。第一閉方向は、図3等で示される矢印A1が向く方向であり、第一開方向は、図3等で示される矢印A2が向く方向である。
第一カバー100は、第一対向壁部110、第一突出壁部105、及び、第一周壁部140を含む。第一対向壁部110は、第一開方向から第一筐体面31に対向する、略正方形状の壁部である。第一突出壁部105は、第一対向壁部110から第一閉方向に延びる壁部である。第一突出壁部105は接触面105Aを備える。接触面105Aは、第一閉方向に向かうにつれて第五方向へ向かうように、平面状に延びる。即ち、接触面105Aは、第一開方向と第一閉方向とに対して傾斜して延びる。接触面105Aは、第一カバー100の第一開放位置から第一被覆位置への回転に伴って、第一筐体面31の矩形穴33を通過して、筐体30の内部に進入可能である。
第一周壁部140は、第一対向壁部110の周端部から第一閉方向に延びる壁部である。第一閉方向から見た場合の第一周壁部140の形状は、第一突出壁部105を取り囲む矩形且つ枠状である。第一カバー100が第一被覆位置にある場合、第一周壁部140は筐体30の周壁部34と深さ方向に並ぶ(図1参照)。
第一カバー100が第一被覆位置にある場合において、第一周壁部140のうち第一筐体壁部34Aと深さ方向に並ぶ壁部は、第一延設壁部140Aである。第一延設壁部140Aは、縦方向に延びる略矩形状の板状である。第一カバー100が第一被覆位置にある場合、第一延設壁部140Aは、第一対向壁部110の第三方向の端部から第二方向へ延びる壁部となる。第一カバー100が第一被覆位置にある場合、第一延設壁部140Aは、第一穴29よりも第三方向側に配置される。第一延設壁部140Aは、第一カバー100の回転中心に対して離隔する方向と近接する方向のそれぞれ方向に、可撓性を有する。
第一延設壁部140Aのうち、第一カバー100の回転中心から離隔する方向の端面は、第一延設面140Bである。第一延設面140Bは、平面状に形成され、縦方向に延びる。第一延設面140Bのうちで、縦方向における中央部には、第一マーク108が設けられる。第一マーク108は、第一延設面140Bから、第一カバー100の回転中心に対して離隔する方向へ突出する凸部である。第一マーク108は、後述の第一係合爪120を示す。
第一延設壁部140Aには、排出開口部16Bが設けられる。排出開口部16Bは、第一マーク108よりも第五方向側にある。排出開口部16Bは第一延設壁部140Aを厚さ方向に貫通する。第一カバー100が第一被覆位置にある場合に、排出開口部16Bは、排出開口部16Aと共に、排出開口部16を形成する。
図6、図7を参照し、第一ヒンジ部150を説明する。本例の第一ヒンジ部150は、第一穴29(図3参照)から第四方向に離隔した位置、且つ、特定筐体面34Cから第三方向に離隔した位置に、二つ設けられる。二つの第一ヒンジ部150は、縦方向に沿って間隔を空けて設けられる。二つの第一ヒンジ部150の縦方向における離間距離は、寸法L1に相当する。
第一ヒンジ部150は、第一壁部151、第一突部152、及び第一開口部35を備える。第一壁部151は、第一突出壁部105(図3参照)よりも第一カバー100の回転中心側で、第一対向壁部110から第一閉方向に延びる。第一突部152は、第一壁部151の第二方向の端部から第四方向へ突出する。第一開口部35は、第一筐体面31に設けられた開口部であり、第一壁部151と縦方向及び横方向において略同じ位置に配置される。
第一開口部35は、第一突部152が進入する第一進入穴35Aを形成する。第一開口部35は、第一進入穴35Aに進入する第一突部152に対して、第一方向から接触する接触部35Bを備える。接触部35Bに接触する第一突部152は、第一方向への移動を規制される。第一壁部151は、第一突部152と第一開口部35とが互いに接触する位置を支点として、回転可能である。よって、第一カバー100は、二つの第一ヒンジ部150によって、第一被覆位置と第一開放位置との間を回転可能に保持される。
図7、図8を参照し、第一係合部91を説明する。第一係合部91は、第一係合爪120と第一筐体係合部12を備える。第一係合爪120は、第一延設面140Bよりも第四方向側に設けられる。第一係合爪120は、第一突出部121と第一突部122を備える。第一突出部121は、第一延設壁部140Aの第一部位140Cに設けられる。第一部位140Cは、縦方向に沿って均等に三等分された第一延設壁部140Aのうちで、中央の部位である。第一突出部121は、第一部位140Cのうちで、第一カバー100の回転中心側の端面から、第一閉方向へ突出する。第一カバー100が第一被覆位置にある場合、第一突出部121は、第一マーク108と横方向に並ぶ。
第一突部122は、第一突出部121の第一閉方向の端部から、第一カバー100の回転中心側とは反対側へ突出する。即ち、第一カバー100が第一被覆位置にある場合、第一突部122は、第一突出部121から第三方向へ突出する。第一突部122は、摺動面122Aを備える。摺動面122Aは、第一閉方向に向かうほど第四方向へ向かうように、平面状に延びる。摺動面122Aは、第一閉方向と第一開方向のそれぞれの方向に対して傾斜して延びる。
第一筐体係合部12は、第一筐体面31に設けられた開口部である。第一筐体係合部12は、第一突部122が進入可能な穴である第一係合穴5を形成する。第一筐体係合部12は接触部13を備える。接触部13が、第一係合穴5に進入した第一突部122に対して、第一方向から接触することで、第一係合部91は、第一被覆位置にある第一カバー100を筐体30に係合する。接触部13は摺動面13Aを備える。摺動面13Aは、第二方向に向かうほど、第四方向へ向かうように平面状に延びる。摺動面13Aは、摺動面222Aに対して摺動可能である。
図2〜図5を参照し、第二カバー200の構成を説明する。第二カバー200は、筐体30に対して着脱可能な板状部材である。以下では、筐体30に装着された状態を基準にして、第二カバー200の構成を説明する。第二カバー200は、後述の第二ヒンジ部250(図9参照)によって、第二被覆位置(図1参照)と第二開放位置(図4参照)との間を、縦方向に延びる軸線(図示略)を中心として回転可能に保持される。第二カバー200の回転中心となる縦方向に延びる軸線は、第一穴29(図3参照)よりも第四方向側にある。本例の第二被覆位置は、第二筐体面32の全体を覆う第二カバー200の回転位置である。本例の第二開放位置は、第二筐体面32の全体を第二方向に向けて開放する第二カバー200の回転位置である。第二カバー200は、第二開放位置にある場合、筐体30に対して着脱可能である。
以下、第二開放位置から第二被覆に向かう方向を「第二閉方向」と称し、第二被覆位置から第二開放位置に向かう方向を「第二開方向」と称す。第二開方向と第二閉方向は、互いに反対の方向である。第二閉方向は、図3等で示される矢印B1が向く方向であり、第二開方向は、図3等で示される矢印B2が向く方向である。
第二カバー200は、第二対向壁部210、二つの第二突出壁部205、及び第二周壁部240を備える。第二対向壁部210は、第二開方向から第二筐体面32に対向する、略正方形状の壁部である。二つの第二突出壁部205は、それぞれ、第二対向壁部210から第二閉方向に向けて突出する。二つの第二突出壁部205は、第二カバー200の回転中心から離隔する方向に沿って、並んで設けられる。第二カバー200が第二被覆位置にある場合、二つの第二突出壁部205は、第二開方向(換言すると第二方向)から複数の電池8に対向する。
第二周壁部240は、第二対向壁部210の周端部から第二閉方向に延びる壁部である。第二閉方向から見た場合の第二周壁部240の形状は、二つの第二突出壁部205を取り囲む矩形且つ枠状である。第二カバー200が第二被覆位置にある場合、第二周壁部240は、筐体30の周壁部34と深さ方向に並ぶ(図2参照)。
第二周壁部240のうち、筐体30の第一筐体壁部34Aと深さ方向に並ぶ壁部は、第二延設壁部240Aである。第二延設壁部240Aは、縦方向に延びる略矩形状の板状である。第二カバー200が第二被覆位置にある場合、第二延設壁部240Aは、第二対向壁部210の第三方向の端部から第一方向へ延びる壁部となる。即ち、第二カバー200が第二被覆位置にある場合において、第二延設壁部240Aは、第一穴29(図3参照)よりも第三方向側に配置される。第二延設壁部240Aは、第二カバー200の回転中心に対して離隔する方向と近接する方向のそれぞれの方向に、可塑性を有する。
第二延設壁部240Aのうちで、第二カバー200の回転中心から離隔する方向の端面は、第二延設面242である。第二延設面242は、縦方向に延びる略矩形状の平面である。第二延設面242の第六方向側の部位には、第二マーク208が設けられる。第二マーク208は、第二延設面242から第二カバー200の回転中心に対して離隔する方向へ突出する凸部である。第二マーク208は、後述の第二係合爪220を示す。
図6に示すように、第二周壁部240のうち、第二延設壁部240Aとは反対側の壁部は、特定壁部240Bである。特定壁部240Bは、縦方向に延びる板状である。特定壁部240Bは、特定筐体面240Cを備える。第二カバー200が第二被覆位置にある場合、特定筐体面240Cは、特定壁部240Bの第四方向の端面となる。特定壁部240Bには、第一穴部17B、第二穴部18Bが、第五方向から第六方向に順に設けられる。第二カバー200が第二被覆位置にある場合、第一穴部17Bは、第一穴部17Aと共に第一穴部17を形成し、第二穴部18Bは、第二穴部18Aと共に第二穴部18を形成する。
図6、図9を参照し、第二ヒンジ部250を説明する。本例の第二ヒンジ部250は、第一穴29(図3参照)から第四方向に離隔した位置、且つ、特定筐体面34Cから第三方向に離隔した位置に、二つ設けられる。二つの第二ヒンジ部250は、縦方向に沿って間隔を空けて設けられる。本例では、二つの第二ヒンジ部250は、いずれも、縦方向において二つの第一ヒンジ部150の間に配置される。二つの第二ヒンジ部250の縦方向における離間距離は、寸法L2に相当する。寸法L2は、寸法L1よりも短い。
第二ヒンジ部250は、第二壁部251、第二突部252、及び第二開口部25を備える。第二壁部251は、第二対向壁部210(図3参照)から第一方向に延びる。第二突部252は、第二壁部251の第一方向の端部から第四方向へ突出する。第二開口部25は、第二筐体面32に設けられた開口部であり、第二壁部251と縦方向及び横方向において略同じ位置に配置される。
第二開口部25は、第二突部252が進入する第二進入穴25Aを形成する。第二開口部25は、第二進入穴25Aに進入する第二突部252に対して、第二方向から接触する接触部25Bを備える。接触部25Bに接触する第二突部252は、第二方向への移動を規制される。第二壁部251は、第二突部252と第二開口部25とが互いに接触する位置を支点として、回転可能である。よって、第二カバー200は、二つの第二ヒンジ部250によって、第二被覆位置と第二開放位置との間を回転可能に保持される。
図8、図9を参照し、第二係合部92を説明する。第二係合部92は、縦方向において、第一係合部91よりも第六方向側に配置される。第二係合部92は、第二係合爪220と第二筐体係合部22を備える。第二係合爪220は、第二突出部221と第二突部222を備える。第二突出部221は、第二延設壁部240Aのうちで第二部位240Dよりも第六方向にずれた部位に設けられる。第二部位240Dは、縦方向に沿って均等に三等分された第二延設壁部240Aのうちで、中央の部位である。第二部位240Dは、第一カバー100の第一部位140Cと深さ方向に並ぶ。第二突出部221は、第二部位240Dのうちで、第二カバー200の回転中心側の端面から、第二閉方向へ突出する。第二カバー200が第二被覆位置にある場合、第二突出部221は、第二マーク208と横方向に並ぶ。
第二突部222は、第二突出部221の第二閉方向の端部から、第二カバー200の回転中心側とは反対側へ突出する。即ち、第二カバー200が第二被覆位置にある場合、第二突部222は、第二突出部221から第四方向へ突出する。第二突部222は、摺動面222Aを備える。摺動面222Aは、第二閉方向に向かうほど第三方向へ向かうように、平面状に延びる。摺動面222Aは、第二閉方向と第二開方向のそれぞれの方向に対して傾斜して延びる。
第二筐体係合部22は、第二筐体面32に設けられた開口部である。第二筐体係合部22は、第二突部222が進入可能な穴である第二係合穴6を形成する。第二筐体係合部22は、接触部23を備える。接触部23は、第二係合穴6に進入した第二突部222に対して、第二方向から接触する。接触部23が、第二係合穴6に進入した第二突部222に対して第二方向から接触することで、第二係合部92は、第二被覆位置にある第二カバー200を筐体30に係合する。接触部23は摺動面23Aを備える。摺動面23Aは、第一方向に向かうほど、第四方向へ向かうように平面状に延びる。摺動面23Aは、摺動面122Aに対して摺動可能である。
図10を参照し、筐体30の内部の概略構成を説明する。図10は、筐体30の第一筐体面31の図示を省略する。筐体30の内部には、ヘッドホルダ76が固定される。ヘッドホルダ76は、縦方向に厚さを有する、略矩形状の板状部材である。ヘッドホルダ76の第五方向の端面には、サーマルヘッド73が設けられる。サーマルヘッド73は、筐体30の内部に収容されており、第一穴29(図3参照)によって第一方向に露出される。横方向において、サーマルヘッド73は、第一係合部91と第二係合部92よりも第四方向側、且つ、第一ヒンジ部150と第二ヒンジ部250よりも第三方向側に配置される。サーマルヘッド73は、テープカセット60の開口部60Aを通過する印刷媒体(図示略)に対して第六方向から対向する。
テープカセット60よりも第五方向側には、ローラホルダ74が設けられる。ローラホルダ74は保持部74Aを備える。保持部74Aは、テープカセット60側に向けて開口する略箱状である。保持部74Aのうちでテープカセット60とは反対側の端部は、当接部75である。当接部75は、第二方向に向かうほど、第五方向に向かうように延びる壁部である。当接部75は、第一カバー100の第一閉方向に対して傾斜する方向に延びる。当接部75は、第一カバー100の第一突出壁部105の接触面105A(図3参照)と接触可能である。保持部74Aは、当接部75よりも第四方向側で、プラテンローラ81を保持する。プラテンローラ81は、深さ方向に沿うローラであり、深さ方向に延びる第一軸線Sを中心に回転可能である。プラテンローラ81は、筐体30内部に設けられた駆動モータ(図示略)に連結する。駆動モータの駆動に伴って、プラテンローラ81は第一軸線Sを中心に回転する。
ローラホルダ74は、プラテンローラ81よりも第四方向側で深さ方向に延びる第二軸線Wを中心に、挟持位置(図示略)と離隔位置(図10参照)との間を揺動可能である。ローラホルダ74が挟持位置にある場合、プラテンローラ81は、開口部60Aにある印刷媒体をサーマルヘッド73との間で挟持する。ローラホルダ74が離隔位置にある場合、プラテンローラ81は、開口部60Aにある印刷媒体を間にして、サーマルヘッド73から第五方向に離隔する(図10参照)。また、ローラホルダ74が離隔位置にある場合、当接部75は矩形穴33の第二方向側にある。
以下、第一方向から見た場合における第二軸線Wを中心とした時計回り方向を、第一揺動方向と称し、第一揺動方向とは反対方向を第二揺動方向と称す。第一揺動方向は、矢印M1が向く方向であり、第二揺動方向は、矢印M2が向く方向である。挟持位置は、離隔位置よりも第一揺動方向側にある。
ローラホルダ74が挟持位置にある場合、プラテンローラ81が印刷媒体を間にしてサーマルヘッド73に接触する。これにより、ローラホルダ74は、挟持位置から第一揺動方向へ揺動するのを規制される。この状態で、駆動モータ(図示略)が駆動することで、プラテンローラ81は、サーマルヘッド73との間で挟んだ印刷媒体を、排出開口部16(図1参照)に向けて搬送できる。
ローラホルダ74が離隔位置にある場合、保持部74Aは、筐体30の内部に設けられた当接部材(図示略)に当接する。これにより、ローラホルダ74は、離隔位置から第二揺動方向へ揺動するのを規制される。尚、ローラホルダ74は、ホルダバネ(図示略)によって、第二揺動方向に向けて付勢されている。
ローラホルダ74はストッパ74Bを備える。ストッパ74Bは、深さ方向に厚さを有する板状の壁部であり、保持部74Aから第五方向側(即ち、サーマルヘッド73とは反対側)へ延びる。ストッパ74Bは、後述のカッタレバー70の接触部70Bと当接可能である。
テープカセット60の第三方向側には、受台180が設けられる。受台180には、プラテンローラ81によって搬送される印刷媒体に対して、第六方向側から対向する。受台180の第五方向側には、カッタホルダ185が設けられる。カッタホルダ185は、収容するカッタ(図示略)を第六方向に向けて露出させる箱状体である。カッタホルダ185は、切断位置(図示略)と切断待機位置(図10参照)との間を、縦方向に沿って移動可能である。カッタホルダ185が切断位置にある場合、カッタは、受台180との間で印刷媒体を挟み込んで切断する。カッタホルダ185が切断待機位置にある場合、カッタは、印刷媒体を間にして受台180から第五方向に離隔する。
カッタホルダ185の第五方向側には、カッタレバー70が設けられる。カッタレバー70は、深さ方向に厚さを有する板状である。カッタレバー70は、受台180の第三方向側で深さ方向に延びる支持軸79を中心に、回転可能である。カッタレバー70は、開口部71に収容される。より詳細には、カッタレバー70は、中心線10A(図1参照)を基準とした径方向における筐体30の端面よりも、筐体30の内側に位置する。
カッタレバー70は、接触部70A、70Bを備える。接触部70Aは、カッタホルダ185に対して第五方向側から対向する。ユーザが、例えば人指し指でカッタレバー70を、第一回転方向に回転させた場合、接触部70Aは、カッタホルダ185に接触する。第一回転方向は、第一方向から見た場合における、支持軸79を中心とした反時計回り方向である。受台180に接触する接触部70Aは、カッタホルダ185を切断待機位置から切断位置まで移動させることができる。
接触部70Bは、ストッパ74Bの第五方向側に配置される。カッタホルダ185が第一回転方向へ回転することで、接触部70Bは、離隔位置にあるローラホルダ74のストッパ74Bに対して、接触可能である。この場合、離隔位置にあるローラホルダ74は、カッタレバー70の第一回転方向への回転を規制し、接触部70Aとカッタホルダ185との接触を規制する。これにより、カッタホルダ185の切断位置に向けた移動は、規制される。一方、カッタレバー70が挟持位置にある場合、ストッパ74Bは、接触部70Bとは接触しない。この場合、カッタレバー70の第一回転方向への回転が許容され、接触部70Aとカッタホルダ185との接触は許容される。これにより、カッタホルダ185の切断位置に向けた移動は、許容される。
図7、図10、及び図11を参照し、筐体30に装着されたテープカセット60を、別のテープカセット60に交換する方法を説明する。第一カバー100は、第一被覆位置にて筐体30に係合され、第二カバー200は、第二被覆位置にて筐体30に係合されている。また、挟持位置にあるローラホルダ74の当接部75は、第一カバー100の接触面105A(図3参照)に接触している。
ユーザは、印刷装置1の本体ケース10を、例えば、第三方向が上方向と一致するように、両手で保持する(図11参照)。ユーザは、第一マーク108を例えば親指で第四方向に押す。第一カバー100の第一延設壁部140Aが、第四方向に撓むことで、第一突出部121は、第四方向(図7の矢印H1方向)に撓む。第一突部122は、第一筐体係合部12の接触部13と接触する位置(図7参照)から、接触部13よりも第四方向側となる位置まで変位する。即ち、第一突部122は、第一筐体係合部12に係合する位置から、第一筐体係合部12との係合を解除する位置まで移動する。第一カバー100は、第一開方向に向けて回転可能となる。
ユーザは、第一カバー100を第一被覆位置から第一開放位置まで回転させる。第一カバー100の回転に伴い、接触面105A(図3参照)は第一開方向へ回転する。ローラホルダ74は、ホルダバネ(図示略)の付勢力によって、挟持位置から離隔位置まで揺動する。ユーザは、第一開放位置まで回転させた第一カバー100を、第三方向(図7の矢印N1方向)に変位させる。第一突部152は、第一開口部35の接触部35Bよりも第三方向側へ変位する。これにより、第一カバー100は、筐体30から離脱可能となる。ユーザは、第一カバー100を第一方向へ変位させることで、第一カバー100を筐体30から取り外す。テープカセット60は、第一方向に向けて露出される。ユーザは、本体ケース10に装着されたテープカセット60を、他のテープカセット60に交換する。
テープカセット60が交換された後、ユーザは、第一カバー100の二つの第一突部152をそれぞれ、筐体30の二つの第一進入穴35Aに進入させる(図示略)。ユーザは、各第一突部152を各接触部35Bに第二方向から接触させた後(図7参照)、第一カバー100を第一閉方向へ回転させる。第一カバー100の回転に伴って、接触面105A(図3参照)が、矩形穴33を通過して、ローラホルダ74の当接部75に接触する。接触面105Aは、ホルダバネの付勢力に抗って、ローラホルダ74を離隔位置から挟持位置まで揺動させる。
また、第一カバー100の第一閉方向への回転に伴って、第一突部122の摺動面122Aが、第一筐体係合部12の摺動面13Aに対して摺動する(図示略)。第一突出部121が第四方向(矢印H1方向)に撓みながら第一閉方向に回転することで、第一突部122は接触部13よりも第二方向側へ回転する。撓んでいた第一突出部121は、第三方向に変位し、元の姿勢に戻る。第一係合部91は、第一被覆位置にある第一カバー100を、筐体30に係合する。
図4、図9、及び図11を参照し、複数の電池8(図4参照)を、他の複数の電池8(図示略)に交換する方法を説明する。第一カバー100は、第一被覆位置にて筐体30に係合され、第二カバー200は、第二被覆位置にて筐体30に係合されている。
ユーザは、印刷装置1の本体ケース10を、例えば、第三方向が上方向と一致するように、両手で保持する(図11参照)。ユーザは、第二マーク208を例えば親指で第四方向に押す。第二カバー200の第二延設壁部240Aが、第四方向に撓むことで、第二突出部221は、第四方向(図9の矢印H2方向)に撓む。第二突部222は、第二筐体係合部22の接触部23と接触する位置(図9参照)から、接触部23よりも第四方向側となる位置まで変位する。即ち、第二突部222は、第二筐体係合部22に係合する位置から、第二筐体係合部22との係合を解除する位置まで移動する。第二カバー200は、第二開方向に向けて回転可能となる。
ユーザは、第二カバー200を第二被覆位置から第二開放位置まで回転させる。ユーザが、第二開放位置にある第二カバー200を、第三方向(図9の矢印N2方向)に変位させることで、第二突部252は、第二開口部25の接触部25Bよりも第三方向側へ変位する。これにより、第二カバー200は、筐体30から離脱可能となる。ユーザは、第二カバー200を第二方向へ変位させることで、第二カバー200を筐体30から取り外す。ユーザは、複数の電池8を他の複数の電池8に交換する。
電池8が交換された後、ユーザは、第二カバー200の二つの第二突部252をそれぞれ、筐体30の二つの第二進入穴25Aに進入させる(図示略)。ユーザは、各第二突部252を各接触部25Bに第一方向から接触させた後(図9参照)、第二カバー200を第二閉方向へ回転させる。
第二カバー200の第二閉方向への回転に伴って、第二突部222の摺動面222Aが、第二筐体係合部22の摺動面23Aに対して摺動する(図示略)。第二突出部221が第四方向(矢印H2方向)に撓みながら第二閉方向に回転することで、第二突部222は接触部25Bよりも第一方向側へ回転する。撓んでいた第二突出部221は、第三方向に変位し、元の姿勢に戻る。第二係合部92は、第二被覆位置にある第二カバー200を、筐体30に係合する。
図8、図10を参照し、第一カバー100と第二カバー200が取り外された本体ケース10を、ユーザが保持する場合を説明する。この場合、ローラホルダ74は、離隔位置にあり、ローラホルダ74のストッパ74Bは、接触部70Bに対して第六方向側から対向する。ユーザが、本体ケース10を誤って落とした場合、本体ケース10は、例えば地面に衝突する。この場合であっても、カッタレバー70は開口部71に収容されているので、地面に衝突しにくい。即ち、カッタレバー70が地面に衝突することに伴い、カッタレバー70がストッパ74Bに対して衝突するのを、印刷装置1は抑制できる。よって、印刷装置1は、カッタレバー70とストッパ74Bのそれぞれの破損を抑制できる。
以上、説明したように、第一被覆位置にある第一カバー100は、第一係合部91によって筐体30に係合され、第二被覆位置にある第二カバー200は、第二係合部92によって筐体30に係合される。ユーザは、第一マーク108を例えば親指で第四方向へ付勢することで、第一カバー100と筐体30との係合を解除できる。筐体30との係合が解除された第一カバー100は、第一被覆位置から第一開放位置まで回転できる。また、ユーザは、第二マーク208を例えば親指で第四方向へ付勢することで、第二カバー200と筐体30との係合を解除できる。筐体30との係合が解除された第二カバー200は、第二被覆位置から第二開放位置まで回転できる。第二係合部92は、縦方向において、第一係合部91とは異なる位置に設けられる。これにより、ユーザが、第一カバー100と筐体30との係合を解除する場合において、第二カバー200と筐体30との係合は、解除されにくい。ユーザが第一カバー100と筐体30の係合を解除する操作性は、向上する。よって、印刷装置1は、所定の回転位置で筐体30に係合する第一カバー100と第二カバー200を備え、第一カバー100と筐体30との係合を解除する操作性を向上できる。
ユーザが第一マーク108を第四方向に付勢するだけで、第一カバー100と筐体30の係合との係合は解除され、ユーザが第二マーク208を第四方向に付勢するだけで、第二カバー200と筐体30との係合は解除される。よって、印刷装置1は、第一カバー100と筐体30の係合との係合を解除する操作性と、第二カバー200と筐体30との係合を解除する操作性とを、向上できる。
第一係合爪120は、第一部位140Cに設けられ、第二係合爪220は、第二延設壁部240Aのうち第二部位240Dから第六方向にずれた部位に設けられる。ユーザは、本体ケース10を両手で保持した場合、第一部位140Cと第二部位240Dとに触り易い。従って、第二カバー200と筐体30との係合が解除される場合に比べて、第一カバー100と筐体30との係合は、解除され易い。よって、印刷装置1は、第一カバー100と筐体30との係合を解除する操作性を向上できる。また、本例では、電池8が交換される頻度よりも、テープカセット60が交換される頻度の方が高い。よって、印刷装置1は、第一カバー100と筐体30との係合を解除させ易くすることで、印刷装置1の保守作業の操作性を向上できる。
第一延設面140Bには第一マーク108が設けられ、第二延設面242には第二マーク208が設けられる。本例では、第一カバー100と第二カバー200がそれぞれ第一被覆位置と第二被覆位置にある場合、ユーザは、第一係合爪120と第二係合爪220を視認できない。この場合であっても、第一マーク108と第二マーク208はそれぞれ、ユーザに、第一係合爪120と第二係合爪220の配置位置を視認させることができる。よって、印刷装置1は、第一カバー100と筐体30との係合を解除する操作性と、第二カバー200と筐体30との係合との係合を解除する操作性とを、向上できる。
第一マーク108は、第一延設面140Bから第三方向に突出する凸部であり、第二マーク208は、第二延設面242から第三方向に突出する凸部である。本体ケース10を保持するユーザは、第一マーク108と第二マーク208のそれぞれに指を引っ掛けることができる。よって、印刷装置1は、第一カバー100と筐体30との係合を解除する操作性と、第二カバー200と筐体30との係合との係合を解除する操作性とを、向上できる。
第一穴部17Aによって露出される操作ボタン15は、第一ヒンジ部150と第二ヒンジ部250のそれぞれに対して、第四方向側にあるので、第一係合部91の第一係合爪120と、第二係合部92の第二係合爪220から離隔する。従って、第一カバー100と第二カバー200がそれぞれ、回転する場合に、第一係合爪120と第二係合爪220は、いずれも、操作ボタン15に接触しにくい。よって、印刷装置1は、誤動作を抑制できる。
第二カバー200が第二被覆位置にある場合、第二突出壁部205は、第二方向から複数の電池8に対向する。これにより、第二突出壁部205は、電池8が、第二穴37から第二方向に変位するのを抑制する。印刷装置1は筐体30に装着された電池8が外れるのを抑制できる。
第一ヒンジ部150と第二ヒンジ部250は、縦方向において、互いに異なる位置に設けられる。第一カバー100と第二カバー200が筐体30から外れている場合において、第一カバー100の二つの第一突部152は、それぞれ、筐体30の二つの第二進入穴25Aに進入できない。同様に、第二カバー200の二つの第二突部252は、それぞれ、筐体30の第一進入穴35Aに進入できない。よって、印刷装置1は、第一カバー100と第二カバー200がそれぞれ、誤った位置で筐体30に取り付けられることを抑制できる。
ユーザは、第一カバー100を第一開放位置から第一被覆位置に回転させるだけで、ローラホルダ74を、離隔位置から挟持位置まで揺動させることができる。従って、印刷装置1は、ローラホルダ74を離隔位置から挟持位置まで揺動させる操作性を向上できる。
上記実施形態において、サーマルヘッド73は、本発明の「ヘッド」の一例である。第一穴部17Aは、本発明の「穴部」の一例である。第二突出壁部205は、本発明の「突出部」の一例である。ローラホルダ74は、本発明の「保持部材」の一例である。第一突出壁部105は、本発明の「突出壁部」の一例である。縦方向は、本発明の「所定方向」の一例である。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。第一方向を向く第一筐体面31と第二方向を向く第二筐体面32は、いずれも、平面状に形成される代わりに、湾曲して形成されていてもよい。第一被覆位置にある第一カバー100は、第一筐体面31の一部のみを覆う構成であってもよい。同様に、第二被覆位置にある第二カバー200は、第二筐体面32の一部のみを覆う構成であってもよい。
第一マーク108は、凸部に代えて、第一部位140Cに設けられた開口部であってもよいし、第一延設面140Bから第三方向に向けて凹む凹部であってもよいし、所定の情報を表示するシールであってもよい。同様に、第二マーク208は、凸部に代えて、第二延設壁部240Aに設けられた開口部であってもよいし、第二延設面242から第三方向に向けて凹む凹部であってもよいし、所定の情報を表示するシールであってもよい。
第一突部152は、第一壁部151から第四方向へ突出する代わりに、第一壁部151から第三方向へ突出していてもよい。この場合、第一開口部35の接触部35Bは、第一壁部151に対して第三方向側に設けられる。同様に、第二突部252は、第二壁部251から第四方向へ突出する代わりに、第二壁部251から第三方向へ突出していてもよい。この場合、第二開口部25の接触部25Bは、第二壁部251に対して第三方向側に設けられる。
第一係合部91と第二係合部92は、それぞれ複数設けられてもよい。図12では、印刷装置1の第一変形例である印刷装置2を示す。印刷装置2は、第一係合部91と第二係合部92をそれぞれ二つ備える点を除いて、印刷装置1と同様の構成である。各第一係合部91と各第二係合部92は、略深さ方向に並ぶ。換言すると、二つ第一係合部91のいずれか一方は、二つの第二係合部92のいずれか一方と、縦方向において異なる位置に設けられる。この場合であっても、印刷装置2は、ユーザが第一カバー100と筐体30との係合を解除させようとした場合に、第二カバー200と筐体30との係合が解除されるのを、抑制できる。
また、図13では、印刷装置1の第二変形例である印刷装置3を示す。印刷装置3は、二つの第一係合部91と二つの第二係合部92を備える。印刷装置3は、二つの第一係合部91のいずれもが、二つの第二係合部92と縦方向において異なる位置に設けられている点を除いて、印刷装置2と同様の構成である。印刷装置3では、第一カバー100と筐体30との係合を解除する操作性と、第二カバー200と筐体30との係合を解除する操作性とに、差が生じ易くなる。これにより、印刷装置3は、ユーザが第一カバー100と筐体30との係合を解除させる場合において、第二カバー200と筐体30との係合が解除されるのを抑制できる。