JP2017127913A - 自動旋盤装置 - Google Patents

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【課題】主軸を後退させてワークを供給する際に、ワークを精度良くチャックに装着させることができるようにした自動旋盤装置を提供する。【解決手段】チャック23に装着されたワーク7を回転させる主軸2と、当該主軸2を軸方向にスライドさせる主軸移動機構26と、主軸移動機構26を介して壁面部3の穴部31から突出するようにチャック23に装着されたワーク7を移動させて、刃物32でワーク7を切削加工する自動旋盤装置1において、主軸2を後方に退避させた状態で壁面部3との間に空間を形成し、その空間内でワーク7を装着させる。そして、主軸2を前進させてワーク7を穴部31から突出させ、その壁面部3の穴部31の前方に設けられた位置決め部材5にワーク7を当接させ、チャック23からの突出量を整えた状態でワーク7を把持させるようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、ワークを加工する自動旋盤装置に関するものであり、より詳しくは、短尺状のワークを効率的かつ精度良くチャックに装着させるようにした自動旋盤装置に関するものである。
一般的な自動旋盤装置の構造を図6に説明する。
図6において、符号9は主軸であり、スピンドル・ヘッドストックの内側に設けられたスピンドル91と、そのスピンドル91の先端側に設けられたチャック92とを備えてなるものであって、そのチャック92にワーク7を把持させてスピンドル91を回転させるようにしたものである。このようなワーク7の両端部分を加工する場合、加工室の左側と右側に主軸を設けるようにしており、左側の主軸9で加工されたワーク7を右側の主軸9に移し替えて、ワーク7の反対側を加工できるようにしている。また、符号93は刃物であって、回転するワーク7に接触させることによってワーク7を切削できるようにしたものである。
ところで、このような旋盤装置でワークをチャックに装着する場合、加工室の空間が狭いとチャックの前方からワークを装着するのが難しくなる。
そこで、下記の特許文献1には、主軸を一旦後方に退避させて壁面部との間に空間を形成し、その空間内でワークを装着させるようにした方法が提案されている。
この特許文献1に示される構造を図7に説明する。図7において、符号9は主軸であって、主軸移動機構94によって軸方向にスライド可能に取り付けられるものである。また、符号95は、壁面部であり、主軸移動機構94を介して主軸9を前方にスライドさせることによってチャック92に把持されたワーク7を穴部96の前方側に突出させ、その壁面部95に設けられた刃物93で加工させるようにしたものである。そして、このような装置でワーク7を装着する場合、主軸9を一旦後方に退避させて壁面部95とチャック92との間に空間を形成し、上方からワーク供給装置97によってワーク7をチャック92の前方まで移動させる。そして、その状態で主軸移動機構94によって主軸9を前方に移動させてワーク7をチャック92に装着させ、再び主軸9を後退させるとともにワーク供給装置97のアームを上方に移動させた後、主軸9を壁面部95に当接させるまで前進させて加工させるようにしている。このような方法によれば、加工室の空間が狭い場合であっても、主軸9を後退させて形成された空間内でワーク7を装着することができるため、特に、既に工場に設置されている加工室の狭い旋盤装置に対しても若干の改良を加えるだけでワーク7を自動的に装着させることができるようになるというメリットがある。
国際公開2008/050912号公報
しかしながら、このように主軸を退避させてワークを装着させる場合、次のような問題がある。
すなわち、このように後退させ主軸と壁面部との隙間を利用してワークを装着させるようにする場合であっても、その隙間を大きく確保することができず、精度良くワークをチャックに装着することができない場合がある。具体的には、ワークをチャックに装着させる場合、ワークがチャックに斜めに装着されて図2(a)に示すような状態で把持される場合があり、また、このような底部がない貫通穴に装着させる場合(図2(b))、ワークの突出量が不均一になって精度よく加工することができなくなるといった問題がある。このような問題を解決するために、ワーク供給装置を高精度なものにすることもできるが、このようなワーク供給装置を用いるとコストが高くついてしまうといった問題があった。
そこで、本発明は上記課題を解決するために、主軸を後退させてワークを供給する際に、ワークを精度良くチャックに装着させることができるようにした自動旋盤装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、チャックに装着されたワークを回転させる主軸と、当該主軸を軸方向にスライドさせる主軸移動機構と、主軸移動機構を介して壁面部の穴部から突出するようにチャックに装着されたワークを移動させて、刃物でワークを切削加工する自動旋盤装置において、前記壁面部の穴部の前方に、ワークに当接する位置決め部材を設け、当該位置決め部材にワークを当接させることでチャックからの突出量を整えた状態でチャックに把持させるようにしたものである。
このように構成すれば、主軸を移動させることによって位置決め部材に当接させてワークを位置決めすることができるため、簡単なワーク供給装置を用いた場合であっても、正確にワークを位置決めして装着させることができるようになる。
また、このような自動旋盤装置において、主軸を後退させた状態から前方にスライドさせることによってワークを把持させ、その後、ワーク供給装置のアームを側方に退避させた後に、さらに前方に主軸をスライドさせるようにする。
このように構成すれば、主軸を前方にスライドさせる途中でワークを把持させることができるため、主軸を一旦後退させて再び前進させる場合と比べて、加工時間を短縮化することができるようになる。
さらに、前記チャックが、ワークを位置決めする底部を有するものである場合に、前記穴部の前方に設けられた位置決め部材を、ワークに当接することによって軸方向に退避する弾性部材を設けるように構成する。
このように構成すれば、底部に斜めになった状態でチャックに装着されている場合に、弾性部材で押圧して正常な姿勢に整えることができ、正常な状態でワークを装着させることができるようになる。
本発明によれば、チャックに装着されたワークを回転させる主軸と、当該主軸を軸方向にスライドさせる主軸移動機構と、主軸移動機構を介して壁面部の穴部から突出するようにチャックに装着されたワークを移動させて、刃物でワークを切削加工する自動旋盤装置において、前記壁面部の穴部の前方に、ワークに当接する位置決め部材を設け、当該位置決め部材にワークを当接させることでチャックからの突出量を整えた状態で把持させるようにしたので、簡単なワーク供給装置を用いた場合であっても、ワークを位置決め部材に当接させて正確に位置決めした状態で装着させることができるようになる。
本発明の一実施の形態を示す自動旋盤装置の全体概略図 同形態におけるチャックの把持状態を示す図 同形態におけるワークのローディングの状態を示す図 同形態におけるワークの移動状態を示す図 同形態におけるワークの移動状態を示す図 従来例を示す図 従来例を示す図
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
この実施の形態における自動旋盤装置1は、図1に示すように、チャック23に装着されたワーク7を回転させる主軸2と、この主軸2を軸方向に沿ってスライドさせる主軸移動機構26と、壁面部3の穴部31から突出した状態で回転するワーク7を切削する刃物32とを有するように構成されるものである。そして、特徴的に、ワーク供給装置4を用いてチャック23にワーク7を装着させる際に、主軸移動機構26を用いて壁面部3から主軸2を後退させて壁面部3と主軸2との間に空間を形成し、その後、ワーク供給装置4のアーム42を下方に延出させてワーク7をチャック23に装着させるとともに、そのワーク7を壁面部3まで前進させ、その際に、主軸2の前方に設けられた位置決め部材5にワーク7を当接させてチャック23からの突出量を整えて把持させるようにしたものである。以下、本実施の形態における自動旋盤装置1の構造について説明する。
まず、主軸2は、スピンドル・ヘッドストック21の内側に設けられたスピンドル22と、そのスピンドル22の先端側に設けられたチャック23とを備えて構成されるものであって、スピンドル22を回転させることにより、そのチャック23に装着されたワーク7を回転させるように構成されている。このチャック23は、図2(a)(b)に示すように、主軸2の軸線に沿ってワーク7を挿入させるための空間を有しており、外周方向からワーク7を押圧することでスピンドル22と一体的に回転させるようにしている。なお、このチャック23については、図2(a)に示すように、空間の奥方にワーク7の外形に対応した底部24を設けるようにしたものや、あるいは、そのような底部24を設けることなく、図2(b)に示すように、貫通穴を有するものなどを用いることができる。
この主軸2は、主軸台25に載置された状態で、主軸移動機構26を介して軸線方向に沿った方向に往復運動できるように構成されている。この主軸2の移動は、ワーク7をチャック23に装着させる際や、ワーク7を加工する際に行われ、コンピュータプログラムによってその移動幅が決定される。
この主軸2の先端側は、壁面部3に設けられた穴部31を通ってワーク7を前面側に突出させるようになっており、これによって壁面部3の前方側に設けられた刃物32にワーク7を接触させて切削できるようにしている。なお、この刃物32は主軸2と直交する方向や主軸2の軸方向に移動し、プログラミングされた寸法に従って前後左右上下方向に制御される。
このような主軸2や主軸移動機構26、刃物32や壁面部3については、図1に示すように、加工室を挟んで左右に設けられており、加工室に設けられた受渡装置8を用いて左側の主軸2から右側の主軸2へとワーク7を受け渡し、これによってワーク7の両端側を加工させるようにしている。このように加工されたワーク7については、シューター6に落下させて回収されるようになっている。
このような構成において、左側の主軸2にはワーク供給装置4が設けられる。このワーク供給装置4は、主軸2を後退させることによって壁面部3との間に空間を形成し、その空間内でワーク7をチャック23に把持させるようにしたものであって、搬送されてきたワーク7を把持部41で両側面を挟み込み、その状態でアーム42をチャック23の前方まで下降させるようにしている(図3(a)など)。なお、図3などにおいてはワーク7を下降させる場合について説明するが、側方や下方からワーク7を供給させるようにしてもよい。このワーク7の両側面を把持する場合、可能な限りワーク7の先端側を把持してチャック23へ挿入させるようにしておく。ただし、このようにワーク7をチャック23に挿入する場合、加工時におけるチャック23からの突出寸法よりも若干長く突出させるようにしておく。そして、その後、そのアーム42を上方に移動させて、主軸移動機構26を介して主軸2を壁面部3に当たるまで前進させる(図4(d))。
このようにチャック23に装着されたワーク7は、主軸移動機構26を介して壁面部3の前方に突出するようになり、そこで位置決め部材5に当接する。この位置決め部材5は、チャック23の前方と側方との間でアーム52や駆動機構を介して往復動できるようになっており、これによって加工時やワーク7を右側の主軸2に受け渡す際などに邪魔にならないようにしている。また、この位置決め部材5には、図2(a)に示すように、ワーク7が当接した際にワーク7をチャック23の底部24に押圧させるようにするためのバネ51が設けられており、これによって前進してきたワーク7の先端側を押圧してワーク7をチャック23の底部24に押し込んで傾斜状態を修正させるようにしている。なお、この位置決め部材5にワーク7を当接させる際、チャック23の把持状態を一旦軽く解除し、位置決め部材5に当接させた後、再び強く把持させるようにしておく。
一方、チャック23に底部24がない場合(図2(b)の場合)、このような位置決め部材5にバネ51が設けられていると、その押圧力によってワーク7がチャック23の奥方に押し込まれて突出寸法が短くなる可能性があるため、チャック23に底部24が設けられていない場合はバネ51を設けないようにしておく。そして、同様に、ワーク7を位置決め部材5に当接させた後、再び強く把持させるようにする。
このような構成における自動旋盤装置の一連の動作について、図3から図5を用いて説明する。
まず、短尺状のワーク7を加工する場合、ワーク7に方向性がある場合はあらかじめワーク供給装置4でその方向を整列させた状態で搬送し、アーム42先端の把持部41に把持させるようにする。このとき、ワーク7の先端側の側面を把持させるようにする。
そして、この状態で主軸移動機構26を用いて主軸台25に載置された主軸2を後方にスライドさせ、壁面部3と主軸2の先端部分との間に空間を形成させて、ワーク供給装置4のアーム42を下降させる(図3(a))。
そして、ワーク7をチャック23の前方に位置させた状態で、主軸2を前方側に移動させる(図3(b))。
すると、アーム42の把持部41に把持されたワーク7の後端側がチャック23の内側空間に挿入され、チャック23に把持される。ところで、このようなワーク供給装置4でワーク7の先端側の側面を把持させる場合、ワーク7の重みなどによってワーク7が傾いてしまう場合があり、底部24のあるチャック23に対しては、図2(a)に示すように傾いた状態でワーク7が把持されることになる。また、底部24を有しないチャック23(図2(b))に対してはチャック23からの突出量が不均一な状態になってしまう可能性がある。そのため、ここではチャック23で軽く把持させて、後に位置決め部材5で位置決めした後に強く把持させる。
このようにワーク7をチャック23に把持させた後、主軸2を前進させる(図4(c))。この主軸2を前進させる場合、一旦、そのワーク供給装置4のアーム42を上方まで移動させ、その状態で主軸2を後退させて再び前進させる方法や、あるいは、その位置からさらに前進させる方法などを用いることができる。このとき、主軸2をワーク7の取り付け位置からそのまま前進させる方法を用いると、主軸2を一旦後退させて再び前進させる場合と比べて往復時間が短くなり、加工工程を短縮化させることができるというメリットがある。
そして、このように主軸2を前進させ、主軸2を壁面部3の穴部31に当接させて穴部31の前方にワーク7を突出させる。このとき、そのワーク7の前方に位置決め部材5を下降させた位置させているため、その主軸2の前進に伴ってワーク7の先端が位置決め部材5に当接するようになる。
このようにワーク7が当接すると、その当接に伴って傾いた状態で把持されていたワーク7がチャック23の底部24に押圧されて正しい姿勢となり、また、突出量が不均一であったワーク7の突出量が揃えられるようになる。そして、そのようにワーク7を正しい姿勢や突出量に整えた状態でチャック23を強く締め付ける。
そして、この位置決め部材5を上方に移動させるとともに、スピンドル22を回転させてワーク7を刃物32で加工する。
次に、このように加工が終了した後、今度はそのワーク7を受渡装置8を用いて対向する右側主軸2に移動させてチャック23に把持させる。そして、同様に、スピンドル22を回転させてワーク7を加工し、その後、そのワーク7を落下させてシューター6で回収する。
このように上記実施の形態によれば、チャック23に装着されたワーク7を回転させる主軸2と、当該主軸2を軸方向にスライドさせる主軸移動機構26と、主軸移動機構26を介して壁面部3の穴部31から突出するようにチャック23に装着されたワーク7を移動させて、刃物32でワーク7を切削加工する自動旋盤装置1において、前記壁面部3の穴部31の前方に、ワーク7に当接する位置決め部材5を設け、当該位置決め部材5にワーク7を当接させることでチャック23からの突出量を整えた状態で把持させるようにしたので、ワーク供給装置4を簡単な構成にした場合であっても、ワーク7を位置決め部材5に当接させて正確に位置決めした状態で装着させることができるようになる。
また、主軸2を前方にスライドさせることによってワーク7を把持させ、その後、ワーク供給装置4のアーム42を上方に移動させた後に、さらに前方に主軸2をスライドさせるようにしたので、主軸2を前方にスライドさせる途中でワーク7を把持させることができるため、加工時間を短縮化することができるようになる。
さらに、チャック23にワーク7を位置決めするための底部24が設けられている場合、前記穴部の前方に設けられた位置決め部材5を、ワーク7に当接することによって軸方向に退避するバネ51を設けるようにしたので、そのバネ51で押圧して正常な姿勢に整えることができ、正常な状態でワーク7を装着させることができるようになる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、左右に主軸2を設けるようにしているが、左側にのみ主軸2を設ける場合についても同様の構成を適用することができる。
また、上記実施の形態では、加工時に位置決め部材5が邪魔にならないように上方へ退避させるようにしているが、このような位置決め部材5を独立の部材で設けることなく、例えば、刃物32をワーク7の先端に当接させることによってワーク7を整えるようにしてもよい。この場合においては、刃物32をワーク7の正確な突出量の位置まで移動させておき、その状態でワーク7に当接させるようにしておく。
さらに、上記実施の形態では、ワーク7を装着させる場合、主軸2を移動させることによってワーク7を装着させるようにしたが、ワーク供給装置4側を主軸2の軸方向に移動させることでワーク7をチャック23に装着させるようにしてもよい。
1・・・自動旋盤装置
2・・・主軸
24・・・底部
26・・・主軸移動機構
3・・・壁面部
31・・穴部
32・・・刃物
4・・・ワーク供給装置
41・・・把持部
42・・・アーム
5・・・位置決め部材
51・・・弾性部材(バネ)
52・・・アーム
7・・・ワーク

Claims (3)

  1. チャックに装着されたワークを回転させる主軸と、
    当該主軸を軸方向にスライドさせる主軸移動機構と、
    主軸移動機構を介して壁面部の穴部から突出するようにチャックに装着されたワークを移動させ、刃物でワークを切削加工する自動旋盤装置において、
    前記壁面部の穴部の前方に、ワークに当接する位置決め部材を設け、当該位置決め部材にワークを当接させることでチャックからの突出量を整えた状態で把持させるようにしたことを特徴とする自動旋盤装置。
  2. 前記自動旋盤装置において、主軸移動機構が、
    後方に退避された状態から前方にスライドすることによってワークを把持させ、その後、ワーク供給装置のアームを側方に退避させた後に、さらに前方に主軸をスライドさせるようにしたものである請求項1に記載の自動旋盤装置。
  3. 前記チャックが、ワークを位置決めする段差を有するものであり、
    前記穴部の前方に設けられた位置決め部材が、ワークに当接することによって軸方向に退避する弾性部材を設けて構成されるものである請求項1に記載の自動旋盤装置。
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