JP2017126813A - オーディオシステム、オーディオプレイヤ及びオーディオ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力する音声の音質を入力するアナログ音声の音質に維持できる「オーディオシステム、オーディオプレイヤ及びオーディオ装置」を提供する。
【解決手段】オーディオプレイヤは、次に再生するオーディオデータのサンプリングレートをを識別し、識別したサンプリングレートを表す可聴帯域外の信号音であるフォーマット識別信号音をオーディオ装置1に出力する。オーディオ装置1は、フォーマット識別信号音の入力が検出されたならば、スピーカ117への出力のミュートし、フォーマット識別信号音が表すサンプリングレートのオーディオデータの周波数帯域にオーディオ装置1の出力帯域が適合するように各部の動作の動作モードを設定し、スピーカ117への出力のミュートを解除する。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力するアナログ音声に音響信号処理を施して出力するオーディオ装置における出力音声の音質向上の技術に関するものである。
入力するアナログ音声に音響信号処理を施して出力するオーディオ装置としては、ポータブルオーディオプレイヤから出力されるアナログ音声信号を入力し、入力したアナログ音声信号に増幅等の音響信号処理を施してスピーカに出力するオーディオ装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
また、ポータブルオーディオプレイヤとしては、ハイレゾリューション等と呼ばれる、可聴域の周波数を超える周波数成分を含むように、高サンプリングレートでサンプリングされたオーディオデータを再生出力するポータブルオーディオプレイヤも知られている(たとえば、特許文献2)。
特開2008-205628号公報 特開2014-158553号公報
ポータブルオーディオプレイヤから入力するアナログ音声に音響信号処理を施して出力するオーディオ装置において、ポータブルオーディオプレイヤから出力されるアナログ音声の周波数帯域が変化する場合には次のような問題が生じる。
すなわち、高サンプリングレート/広周波数帯域のアナログ音声に、オーディオ装置の出力音声の周波数帯域を整合させると、ポータブルオーディオプレイヤから低サンプリングレート/狭周波数帯域のアナログ音声が出力された場合に、アナログ音声の周波数帯域外のノイズ成分がオーディオ装置から出力されてしまうために、出力する音声の音質が入力するアナログ音声よりも低質化してしまう。一方、低サンプリングレート/狭周波数帯域のアナログ音声に、オーディオ装置の出力音声の周波数帯域を整合させると、ポータブルオーディオプレイヤから高サンプリングレート/広周波数帯域のアナログ音声が出力された場合に、周波数帯域の狭域化により、オーディオ装置から出力する音声の音質が入力するアナログ音声よりも低質化してしまう。
そこで、本発明は、入力するアナログ音声に音響信号処理を施して出力するオーディオ装置において、入力するアナログ音声の周波数帯域が変化する場合でも、出力する音声の音質を入力するアナログ音声の音質に維持することを課題とする。
前記課題達成のために、本発明は、デジタルオーディオコンテンツを再生してアナログ音声を生成しアナログ音声伝送用の伝送路に出力するオーディオプレイヤと、前記伝送路から入力するアナログ音声に信号処理を施し、信号処理を施した音声を出力するオーディオ装置とを備えたオーディオシステムにおいて、前記オーディオプレイヤに、前記デジタルオーディオコンテンツを再生して生成したアナログ音声の再生出力に先立って、当該デジタルオーディオコンテンツのサンプリングレートを識別し、識別したサンプリングレートを表す可聴帯域外の信号音である識別信号音を前記伝送路に出力する信号音出力手段を備え、前記オーディオ装置に、前記伝送路を介してオーディオプレイヤから入力する前記可聴帯域外の識別信号音を検出する信号音検出手段と、前記信号音検出手段が検出した識別信号音が表すサンプリングレートのオーディオデータの帯域に、当該オーディオ装置において前記アナログ音声に対して施す信号処理の帯域を整合させる帯域設定手段とを備えたものである。
ここで、このようなオーディオシステムは、前記オーディオ装置に、前記信号音検出手段が前記可聴帯域外の識別信号音を検出したときに、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を一時停止し、前記帯域設定手段が、前記信号処理の帯域の整合を行ったならば、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を再開する出力一時停止手段を設けることが好ましい。
また、本発明は、前記課題達成のために、デジタルオーディオコンテンツを再生してアナログ音声を生成しアナログ音声伝送用の伝送路に出力するオーディオプレイヤと、前記伝送路から入力するアナログ音声に信号処理を施し、信号処理を施した音声を出力するオーディオ装置とを備えたオーディオシステムにおいて、前記オーディオプレイヤに、前記デジタルオーディオコンテンツを再生して生成したアナログ音声の再生出力に先立って、当該デジタルオーディオコンテンツのサンプリングレートを識別し、所定の可聴帯域外の信号音である開始信号音を前記伝送路に出力し、その後に識別したサンプリングレートを表す信号音である識別信号音を前記伝送路に出力する信号音出力手段を備え、前記オーディオ装置に、前記伝送路を介してオーディオプレイヤから入力する前記可聴帯域外の前記開始信号音と、識別信号音を検出する信号音検出手段と、
前記信号音検出手段が検出した識別信号音が表すサンプリングレートのオーディオデータの帯域に、当該オーディオ装置において前記アナログ音声に対して施す信号処理の帯域を整合させる帯域設定手段と、前記信号音検出手段が前記可聴帯域外の開始信号音を検出したときに、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を一時停止し、前記帯域設定手段が、前記信号処理の帯域の整合を行ったならば、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を再開する出力一時停止手段を備えたものである。
また、前記課題達成のために、本発明は、デジタルオーディオコンテンツを再生してアナログ音声を生成しアナログ音声伝送用の伝送路に出力するオーディオプレイヤと、前記伝送路から入力するアナログ音声に信号処理を施し、信号処理を施した音声を出力するオーディオ装置とを備えたオーディオシステムにおいて、前記オーディオプレイヤに、前記デジタルオーディオコンテンツを再生して生成したアナログ音声の再生出力に先立って、当該デジタルオーディオコンテンツのサンプリングレートを識別し、所定の可聴帯域外の信号音である開始信号音を前記伝送路に出力した後に識別したサンプリングレートを表す信号音である識別信号音を前記伝送路に出力し、その後に予め定めた終了信号音を前記伝送路に出力する信号音出力手段を備え、前記オーディオ装置に、前記伝送路を介してオーディオプレイヤから入力する前記可聴帯域外の前記開始信号音と、識別信号音と、前記終了信号音とを検出する信号音検出手段と、前記信号音検出手段が検出した識別信号音が表すサンプリングレートのオーディオデータの帯域に、当該オーディオ装置において前記アナログ音声に対して施す信号処理の帯域を整合させる帯域設定手段と、前記信号音検出手段が前記可聴帯域外の開始信号音を検出したときに、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を一時停止し、前記信号音検出手段が前記終了信号音を検出したときに、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を再開する出力一時停止手段を備えたものである。
ここで、以上のようなオーディオシステムは、前記オーディオ装置は、前記信号処理を行う信号処理部として、前記伝送路から入力するアナログ音声をオーディオデータに変換するAD変換手段と、前記AD変換手段が変換したオーディオデータに、デジタル信号処理による所定の音響信号処理を施す音響信号処理手段と、前記音響信号処理手段が前記音響信号処理を施したオーディオデータを、当該オーディオ装置から出力するアナログ音声に変換するDA変換手段とを備えた信号処理部を備えたものとしてもよい。また、この場合には、前記帯域設定手段において、前記AD変換手段のサンプリングレートを、前記識別信号音が表すサンプリングレートに設定する設定動作と、前記音響信号処理の対象とする帯域を前記識別信号音が表すサンプリングレートのオーディオデータの帯域に設定する設定動作とを少なくとも含む動作を行うことにより、前記信号処理の帯域の整合を行うようにしてよい。
また、併せて、本発明は、デジタルオーディオコンテンツを再生してアナログ音声を生成しアナログ音声伝送用の伝送路に出力するオーディオプレイヤとして、前記デジタルオーディオコンテンツを再生して生成したアナログ音声の再生出力に先立って、当該デジタルオーディオコンテンツのサンプリングレートを識別し、識別したサンプリングレートを表す可聴帯域外の信号音である識別信号音を前記伝送路に出力する信号音出力手段を備えたオーディオプレイヤを提供する。
また、本発明は、併せて、デジタルオーディオコンテンツを再生してアナログ音声を生成しアナログ音声伝送用の伝送路に出力するオーディオプレイヤから、前記伝送路を介して入力するアナログ音声に信号処理を施し、信号処理を施した音声を出力するオーディオ装置として、前記伝送路を介してオーディオプレイヤから入力する前記可聴帯域外の識別信号音を検出する信号音検出手段と、前記信号音検出手段が検出した識別信号音が表すサンプリングレートのオーディオデータの帯域に、当該オーディオ装置において前記アナログ音声に対して施す信号処理の帯域を整合させる帯域設定手段とを備えたオーディオ装置を提供する。
本発明に係るオーディオシステムによれば、オーディオプレイヤからアナログ音声伝送用の伝送路を介して識別信号音により再生出力するデジタルオーディオコンテンツのサンプリングレートをオーディオ装置に通知し、オーディオ装置において識別信号音により通知されたサンプリングレートのオーディオデータの帯域に、当該オーディオ装置において前記アナログ音声に対して施す信号処理の帯域を整合させるので、オーディオ装置から出力する音声の帯域を入力するアナログ音声の帯域に整合させることができる。
また、本発明によれば、識別信号音または開始信号音を可聴帯域外の信号音としているので、オーディオ装置において前記アナログ音声に対して施す信号処理の帯域を整合させる動作によって、ユーザに聴覚上の影響を与えることはない。
よって、本発明によれば、ユーザに聴覚上の影響を与えることなく、オーディオ装置から出力する音声の音質を入力するアナログ音声の音質に維持することができる。
以上のように、本発明によれば、入力するアナログ音声に音響信号処理を施して出力するオーディオ装置において、入力するアナログ音声の周波数帯域が変化する場合でも、出力する音声の音質を入力するアナログ音声の音質に維持することができる。
本発明の第1実施形態に係るオーディオシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る楽曲再生出力処理と出力帯域切替処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るオーディオシステムの動作例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る楽曲再生出力処理と出力帯域切替処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るオーディオシステムの動作例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、第1の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るオーディオシステムの構成を示す。
図示するように、オーディオシステムは、カーオーディオ装置等であるオーディオ装置1と、オーディオ装置1に選択的に接続されるポータブルオーディオプレイヤ2から構成される。
そして、オーディオ装置1は、外部入力端子111から入力するアナログ音声を受信し、出力する入力アンプ112、入力アンプ112が出力するアナログ音声をオーディオデータに変換し出力する、サンプリングレートが可変な第1ADコンバータ113、第1ADコンバータ113が出力するオーディオデータに、周波数特性の調整や周波数フィルタリング処理などの各種音響信号処理を施し出力するDSP(デジタルシグナルプロセッサ)114、DSP114が出力するオーディオデータをアナログ音声に変換し出力するDAコンバータ115、DAコンバータ115が出力するアナログ音声を増幅するアンプ116、アンプ116が増幅したアナログ音声を出力するスピーカ117、入力アンプ112が出力するアナログ音声をオーディオデータに変換し出力する第2ADコンバータ118、入力装置119、表示装置120、以上各部の動作を制御する制御部121を備えている。
ここで、第2ADコンバータ118のサンプリングレートは、後述する可聴帯域外の高周波数音であるフォーマット識別信号音の周波数を含む周波数帯を再現できるサンプリングレート(たとえば、192kHz)、すなわち、フォーマット識別信号音として用いられる最も高い周波数の2倍以上の周波数のサンプリングレートに設定されている。
次に、ポータブルオーディオプレイヤ2は、楽曲のオーディオファイルを記憶した記憶装置や、楽曲のオーディオトラックが記録されたCD などのリムーバブルな記憶媒体などである記憶部21と、記憶部21から読み出されたオーディオデータのデコード処理や各種音響信号処理を行い、処理後のオーディオデータを出力するDSP22、DSP22が出力するオーディオデータアナログ音声に変換し出力するDAコンバータ23、DAコンバータ23が出力するアナログ音声に選択的に信号音を合成して出力する信号音合成部24、信号音合成部24が出力するアナログ音声を外部出力端子26から出力する出力アンプ25、操作部27、表示部28、以上各部の動作を制御するコントローラ29を備えている。
そして、このような構成において、ポータブルオーディオプレイヤ2の外部出力端子26とオーディオ装置1の外部入力端子111はケーブルで接続されたときに、ポータブルオーディオプレイヤ2が外部出力端子26から出力するアナログ音声は、外部入力端子111からオーディオ装置1に入力し、オーディオ装置1で各種音響信号処理が施された後にスピーカ117から出力される。
以下、このようなオーディオシステムにおいて、ポータブルオーディオプレイヤ2のコントローラ29が行う楽曲再生出力処理と、オーディオ装置1が行う出力帯域切替処理について説明する。
ここで、楽曲再生出力処理は、記憶部21に記憶された楽曲のオーディオデータの再生出力を制御する処理であり、この処理において、ポータブルオーディオプレイヤ2のコントローラ29は、図2aに示すように、まず、次に再生する楽曲のオーディオデータのサンプリングレートを含むフォーマットを識別する(ステップ202)。
そして、識別したフォーマットに整合する動作を行うモードに各部の動作モードを制御する(ステップ204)。
次に、コントローラ29は、信号音合成部24に、識別したサンプリングレートを表す可聴帯域外の信号音であるフォーマット識別信号音を、DAコンバータ23が出力するアナログ音声に合成させることにより、フォーマット識別信号音を外部出力端子26から出力する(ステップ206)。
ここで、識別したサンプリングレートを表すフォーマット識別信号音としては、たとえば、サンプリングレート48 kHzを表すフォーマット識別信号音は24kHzの正弦波音声、サンプリングレート96kHzを表すフォーマット識別信号音は48 kHzの正弦波音声、サンプリングレート192kHzを表す信号音は96kHzのフォーマット識別信号音などとする。または、識別したサンプリングレートを表すフォーマット識別信号音は、48 kHzの正弦波音声のオンオフのパターンでサンプリングレートを表すものとしたり、48 kHzの正弦波音声の大きさでサンプリングレートを表すものなどとしてもよい。
そして、ポータブルオーディオプレイヤ2の各部を制御し、次に再生する楽曲のオーディオデータの再生出力、すなわち、次に再生する楽曲のオーディオデータの記憶部からの読み出し、デコード、音響信号処理、当該オーディオデータのアナログ音声の外部出力端子26から出力を開始する(ステップ208)。
そして、ステップ208で再生出力を開始した楽曲のオーディオデータの再生出力が終了したならば(ステップ210)、ステップ202からの処理に戻る。
以上、ポータブルオーディオプレイヤ2のコントローラ29が行う楽曲再生出力処理について説明した。
なお、以上の楽曲再生出力処理は、ステップ202で検出した次に再生する楽曲のオーディオデータのフォーマットが、その前に再生した楽曲のオーディオデータのフォーマットと同じである場合には、ステップ204、206をスキップしてステップ208に進む処理としてもよい。
次に、オーディオ装置1の制御部121が行う出力帯域切替処理について説明する。
図2bに示すように、出力帯域切替処理においてオーディオ装置1の制御部121は、外部入力端子111に入力したアナログ音声を第2ADコンバータ118が変換したオーディオデータより、可聴帯域外の音声であるフォーマット識別信号音の入力を監視し、フォーマット識別信号音の入力が検出されたならば(ステップ252)、出力アンプ25を制御しスピーカ117への出力のミュート(スピーカ117の出力の無音化)を開始する(ステップ254)。
そして、検出したフォーマット識別信号音が表すサンプリングレートを識別し(ステップ256)、識別したサンプリングレートのオーディオデータの周波数帯域にオーディオ装置1の出力帯域が適合するように各部の動作の動作モードを設定する(ステップ258)。
ここで、ステップ258における各部の動作モードを設定する動作として、制御部121は、たとえば、第1ADコンバータ113のサンプリングレートを、フォーマット識別信号音から識別したサンプリングレートと同じサンプリングレートに設定する動作や、DSP114で行う周波数フィルタリングとしてローパスフィルタ動作を行う場合のカットオフ周波数として、フォーマット識別信号音から識別したサンプリングレートの1/2の周波数を設定する動作や、DSP114で行う音響信号処理やDAコンバータ115で行うデジタルアナログ変換において、オーディオデータを、フォーマット識別信号音から識別したサンプリングレートのオーディオデータとして取り扱わせるための設定を行う動作などを行う。
そして、出力アンプ25を制御しスピーカ117への出力のミュートを解除し(ステップ260)、ステップ252からの処理に戻る。
以上、オーディオ装置1の制御部121が行う出力帯域切替処理について説明した。
ここで、このような第1実施形態に係るオーディオシステムの動作例を図3に示す。
図示するように、いま、ポータブルオーディオプレイヤ2が44.1kHzのサンプリングレートの楽曲Aのオーディオデータを再生し、当該オーディオデータをアナログ変換したアナログ音声がオーディオ装置1に出力されているものとする。また、オーディオ装置1においてポータブルオーディオプレイヤ2から入力するアナログ音声を、44.1kHzのサンプリングレートのオーディオデータの周波数帯域で音響信号処理してスピーカ117から出力しているものとする。
この場合、ポータブルオーディオプレイヤ2は、楽曲Aの再生を終了したならば、次に再生する楽曲Bのオーディオデータのサンプリングレート(192kHz)を識別し、識別したサンプリングレート(192kHz)を表す、可聴帯域外のフォーマット識別信号音をケーブルを介してオーディオ装置1に出力する。
このフォーマット識別信号音が入力したオーディオ装置1は、スピーカ117への出力をミュートし、各部の動作モードを設定しオーディオ装置1の出力帯域を、フォーマット識別信号音が表すサンプリングレート(192kHz)のオーディオデータの周波数帯域(96kHz)に切り替える。なお、このとき、フォーマット識別信号音は、オーディオ装置1においてスピーカ117から出力されることとなるが、フォーマット識別信号音は可聴帯域外の周波数の信号音であるので、フォーマット識別信号音がユーザに聞こえてしまうことはない。
そして、スピーカ117への出力のミュートを解除する。
そして、その後、ポータブルオーディオプレイヤ2が192kHzのサンプリングレートの楽曲Bのオーディオデータの再生を開始し、楽曲Bのオーディオデータをアナログ変換したアナログ音声がオーディオ装置1に入力すると、オーディオ装置1においてポータブルオーディオプレイヤ2から入力するアナログ音声は、192kHzのサンプリングレートのオーディオデータの周波数帯域で音響信号処理されスピーカ117から出力される。
以上、本発明の第1実施形態について説明した。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
本第2実施形態は、上述した第1実施形態と、ポータブルオーディオプレイヤ2のコントローラ29が行う楽曲再生出力処理と、オーディオ装置1の制御部121が行う出力帯域切替処理の内容のみが異なる。
以下、本第2実施形態でポータブルオーディオプレイヤ2のコントローラ29が行う楽曲再生出力処理と、本第2実施形態でオーディオ装置1が行う出力帯域切替処理について説明する。
図4aに、本第2実施形態に係る楽曲再生出力処理の手順を示す。
図示するように、本第2実施形態では楽曲再生出力処理において、ポータブルオーディオプレイヤ2のコントローラ29は、まず、次に再生する楽曲のオーディオデータのサンプリングレートを含むフォーマットを識別する(ステップ402)。
そして、識別したフォーマットに整合する動作を行うモードに各部の動作モードを制御する(ステップ404)。
次に、コントローラ29は、信号音合成部24に可聴帯域外の信号音である制御開始信号音をDAコンバータ23が出力するアナログ音声に合成させることにより、制御開始信号音を外部出力端子26から出力する(ステップ406)。
ここで、制御開始信号音としては、たとえば、48 kHzの正弦波音声を用いる。
そして、次に、信号音合成部24にステップ402で識別したサンプリングレートを表すフォーマット識別信号音をDAコンバータ23が出力するアナログ音声に合成させることにより、フォーマット識別信号音を外部出力端子26から出力する(ステップ408)。なお、本第2実施形態において、フォーマット識別信号音は、可聴帯域外の音声である必要はない。
また、次に、信号音合成部24に制御終了信号音をDAコンバータ23が出力するアナログ音声に合成させることにより、制御終了信号音を外部出力端子26から出力する(ステップ410)。なお、制御終了信号音も可聴帯域外の音声である必要はない。
そして、ポータブルオーディオプレイヤ2の各部を制御し、次に再生する楽曲のオーディオデータの再生出力、すなわち、次に再生する楽曲のオーディオデータの読み出し、デコード、音響信号処理、当該オーディオデータのアナログ音声の外部出力端子26から出力を開始する(ステップ412)。
そして、ステップ412で再生出力を開始した楽曲のオーディオデータの再生出力が終了したならば(ステップ414)、ステップ402からの処理に戻る。
以上、本第2実施形態において、ポータブルオーディオプレイヤ2のコントローラ29が行う楽曲再生出力処理について説明した。
なお、以上の楽曲再生出力処理は、ステップ402で検出した次に再生する楽曲のオーディオデータのフォーマットが、その前に再生した楽曲のオーディオデータのフォーマットと同じである場合には、ステップ404-410をスキップしてステップ412に進む処理としてもよい。
次に、本第2実施形態においてオーディオ装置1の制御部121が行う出力帯域切替処理について説明する。
図4bに示すように、出力帯域切替処理においてオーディオ装置1の制御部121は、第2ADコンバータ118が外部入力端子111に入力したアナログ音声を変換したオーディオデータより、可聴帯域外の音声である制御開始信号音の入力を監視し、制御開始信号音の入力が検出されたならば(ステップ452)、出力アンプ25を制御しスピーカ117への出力のミュート(スピーカ117の出力の無音化)を開始する(ステップ454)。
そして、次に、第2ADコンバータ118が外部入力端子111に入力したアナログ音声を変換したオーディオデータより、フォーマット識別信号音の入力が検出されたならば(ステップ456)、検出したフォーマット識別信号音が表すサンプリングレートを識別し(ステップ458)、識別したサンプリングレートのオーディオデータの周波数帯域にオーディオ装置1の出力帯域が適合するように各部の動作の動作モードを設定する(ステップ460)。
次に、第2ADコンバータ118が外部入力端子111に入力したアナログ音声を変換したオーディオデータより制御終了信号音の入力が検出されたならば(ステップ462)、出力アンプ25を制御しスピーカ117への出力のミュートを解除し(ステップ464)、ステップ452からの処理に戻る。
以上、本第2実施形態においてオーディオ装置1の制御部121が行う出力帯域切替処理について説明した。
ここで、このような第2実施形態に係るオーディオシステムの動作例を図3に示す。
図示するように、いま、ポータブルオーディオプレイヤ2が44.1kHzのサンプリングレートの楽曲Aのオーディオデータを再生し、当該オーディオデータをアナログ変換したアナログ音声がオーディオ装置1に出力されているものとする。また、オーディオ装置1においてポータブルオーディオプレイヤ2から入力するアナログ音声を、44.1kHzのサンプリングレートのオーディオデータの周波数帯域で音響信号処理してスピーカ117から出力しているものとする。
この場合、ポータブルオーディオプレイヤ2は、楽曲Aの再生を終了したならば、可聴帯域外の制御開始信号音をケーブルを介してオーディオ装置1に出力する。
そして、この制御開始信号音が入力したオーディオ装置1は、スピーカ117への出力をミュートする。なお、このとき、制御開始信号音は、オーディオ装置1においてスピーカ117から出力されることとなるが、制御開始信号音は可聴帯域外の周波数の信号音であるので、制御開始信号音がユーザに聞こえてしまうことはない。
一方、制御開始信号音をオーディオ装置1に出力したポータブルオーディオプレイヤ2は、次に再生する楽曲Bのオーディオデータのサンプリングレート(192kHz)を識別し、識別したサンプリングレート(192kHz)を表す、フォーマット識別信号音をケーブルを介してオーディオ装置1に出力する。
そして、フォーマット識別信号音が入力したオーディオ装置1は、スピーカ117への出力をミュートし、各部の動作モードを設定しオーディオ装置1の出力帯域を、フォーマット識別信号音が表すサンプリングレート(192kHz)のオーディオデータの周波数帯域(96kHz)に切り替える。
一方、フォーマット識別をオーディオ装置1に出力したポータブルオーディオプレイヤ2は、次に、制御終了信号音をケーブルを介してオーディオ装置1に出力する。
また、制御終了信号音が入力したオーディオ装置1は、スピーカ117への出力のミュートを解除する。
そして、その後、ポータブルオーディオプレイヤ2が192kHzのサンプリングレートの楽曲Bのオーディオデータの再生を開始し、楽曲Bのオーディオデータをアナログ変換したアナログ音声がオーディオ装置1に入力すると、オーディオ装置1においてポータブルオーディオプレイヤ2から入力するアナログ音声は、192kHzのサンプリングレートのオーディオデータの周波数帯域で音響信号処理されスピーカ117から出力されることとなる。
以上、本発明の第2実施形態について説明した。
なお、以上の第2実施形態は、ポータブルオーディオプレイヤ2のコントローラ29が行う楽曲再生出力処理を、ステップ408で、フォーマット識別信号音を出力したならば、ステップ410の制御終了信号音の出力を行わずに、そのままステップ412に進んで次に再生する楽曲のオーディオデータの再生出力を開始する処理とすると共に、オーディオ装置1の制御部121が行う出力帯域切替処理を、ステップ460で各部の動作の動作モードを設定したならば、そのままステップ464に進んで出力のミュートを解除し(ステップ464)、ステップ452に戻る処理としてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明した
ここまで詳述してきたように、本実施形態によれば、ポータブルオーディオプレイヤ2からアナログ音声伝送用のケーブルを介してフォーマット識別信号音により再生出力するオーディオデータのサンプリングレートをオーディオ装置1に通知し、オーディオ装置1においてフォーマット識別信号音により通知されたサンプリングレートのオーディオデータの帯域に、オーディオ装置1の前記アナログ音声に対して施す音響信号処理の帯域を整合させるので、オーディオ装置1から出力する音声の帯域を、ポータブルオーディオプレイヤ2から入力するアナログ音声の帯域に整合させることができる。
また、第1実施形態においては、フォーマット識別信号音を可聴帯域外の信号音とし、第2実施形態においては、制御開始信号音を可聴帯域外の信号音としているので、以上のオーディオ装置1から出力する音声の帯域を、ポータブルオーディオプレイヤ2から入力するアナログ音声の帯域に整合させる動作において、ユーザに聴覚上の影響は与えない。
よって、ユーザに聴覚上の影響を与えることなく、オーディオ装置1から出力する音声の音質を、ポータブルオーディオプレイヤ2から入力するアナログ音声の音質に維持することができる。
1…オーディオ装置、2…ポータブルオーディオプレイヤ、21…記憶部、22…DSP、23…DAコンバータ、24…信号音合成部、25…出力アンプ、26…外部出力端子、27…操作部、28…表示部、29…コントローラ、111…外部入力端子、112…入力アンプ、113…第1ADコンバータ、114…DSP、115…DAコンバータ、116…アンプ、117…スピーカ、118…第2ADコンバータ、119…入力装置、120…表示装置、121…制御部。

Claims (7)

  1. デジタルオーディオコンテンツを再生してアナログ音声を生成しアナログ音声伝送用の伝送路に出力するオーディオプレイヤと、前記伝送路から入力するアナログ音声に信号処理を施し、信号処理を施した音声を出力するオーディオ装置とを備えたオーディオシステムであって、
    前記オーディオプレイヤは、
    前記デジタルオーディオコンテンツを再生して生成したアナログ音声の再生出力に先立って、当該デジタルオーディオコンテンツのサンプリングレートを識別し、識別したサンプリングレートを表す可聴帯域外の信号音である識別信号音を前記伝送路に出力する信号音出力手段を有し、
    前記オーディオ装置は、
    前記伝送路を介してオーディオプレイヤから入力する前記可聴帯域外の識別信号音を検出する信号音検出手段と、
    前記信号音検出手段が検出した識別信号音が表すサンプリングレートのオーディオデータの帯域に、当該オーディオ装置において前記アナログ音声に対して施す信号処理の帯域を整合させる帯域設定手段とを有することを特徴とするオーディオ装置。
  2. 請求項1記載のオーディオシステムであって、
    前記オーディオ装置は、前記信号音検出手段が前記可聴帯域外の識別信号音を検出したときに、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を一時停止し、前記帯域設定手段が、前記信号処理の帯域の整合を行ったならば、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を再開する出力一時停止手段を有することを特徴とするオーディオシステム。
  3. デジタルオーディオコンテンツを再生してアナログ音声を生成しアナログ音声伝送用の伝送路に出力するオーディオプレイヤと、前記伝送路から入力するアナログ音声に信号処理を施し、信号処理を施した音声を出力するオーディオ装置とを備えたオーディオシステムであって、
    前記オーディオプレイヤは、
    前記デジタルオーディオコンテンツを再生して生成したアナログ音声の再生出力に先立って、当該デジタルオーディオコンテンツのサンプリングレートを識別し、所定の可聴帯域外の信号音である開始信号音を前記伝送路に出力し、その後に識別したサンプリングレートを表す信号音である識別信号音を前記伝送路に出力する信号音出力手段を有し、
    前記オーディオ装置は、
    前記伝送路を介してオーディオプレイヤから入力する前記可聴帯域外の前記開始信号音と、識別信号音を検出する信号音検出手段と、
    前記信号音検出手段が検出した識別信号音が表すサンプリングレートのオーディオデータの帯域に、当該オーディオ装置において前記アナログ音声に対して施す信号処理の帯域を整合させる帯域設定手段と、
    前記信号音検出手段が前記可聴帯域外の開始信号音を検出したときに、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を一時停止し、前記帯域設定手段が、前記信号処理の帯域の整合を行ったならば、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を再開する出力一時停止手段を有することを特徴とするオーディオシステム。
  4. デジタルオーディオコンテンツを再生してアナログ音声を生成しアナログ音声伝送用の伝送路に出力するオーディオプレイヤと、前記伝送路から入力するアナログ音声に信号処理を施し、信号処理を施した音声を出力するオーディオ装置とを備えたオーディオシステムであって、
    前記オーディオプレイヤは、
    前記デジタルオーディオコンテンツを再生して生成したアナログ音声の再生出力に先立って、当該デジタルオーディオコンテンツのサンプリングレートを識別し、所定の可聴帯域外の信号音である開始信号音を前記伝送路に出力した後に識別したサンプリングレートを表す信号音である識別信号音を前記伝送路に出力し、その後に予め定めた終了信号音を前記伝送路に出力する信号音出力手段を有し、
    前記オーディオ装置は、
    前記伝送路を介してオーディオプレイヤから入力する前記可聴帯域外の前記開始信号音と、前記識別信号音と、前記終了信号音とを検出する信号音検出手段と、
    前記信号音検出手段が検出した識別信号音が表すサンプリングレートのオーディオデータの帯域に、当該オーディオ装置において前記アナログ音声に対して施す信号処理の帯域を整合させる帯域設定手段と、
    前記信号音検出手段が前記可聴帯域外の開始信号音を検出したときに、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を一時停止し、前記信号音検出手段が前記終了信号音を検出したときに、当該オーディオ装置からの前記音声の出力を再開する出力一時停止手段を有することを特徴とするオーディオシステム。
  5. 請求項1、2、3または4記載のオーディオシステムであって、
    前記オーディオ装置は、前記信号処理を行う信号処理部を有し、
    当該信号処理部は、前記伝送路から入力するアナログ音声をオーディオデータに変換するAD変換手段と、前記AD変換手段が変換したオーディオデータに、デジタル信号処理による所定の音響信号処理を施す音響信号処理手段と、前記音響信号処理手段が前記音響信号処理を施したオーディオデータを、当該オーディオ装置から出力するアナログ音声に変換するDA変換手段とを有し、
    前記帯域設定手段は、前記AD変換手段のサンプリングレートを、前記識別信号音が表すサンプリングレートに設定する設定動作と、前記音響信号処理の対象とする帯域を前記識別信号音が表すサンプリングレートのオーディオデータの帯域に設定する設定動作とを少なくとも含む動作を行うことにより、前記信号処理の帯域の整合を行うことを特徴とするオーディオシステム。
  6. デジタルオーディオコンテンツを再生してアナログ音声を生成しアナログ音声伝送用の伝送路に出力するオーディオプレイヤであって、
    前記デジタルオーディオコンテンツを再生して生成したアナログ音声の再生出力に先立って、当該デジタルオーディオコンテンツのサンプリングレートを識別し、識別したサンプリングレートを表す可聴帯域外の信号音である識別信号音を前記伝送路に出力する信号音出力手段を有することを特徴とするオーディオプレイヤ。
  7. デジタルオーディオコンテンツを再生してアナログ音声を生成しアナログ音声伝送用の伝送路に出力するオーディオプレイヤから、前記伝送路を介して入力するアナログ音声に信号処理を施し、信号処理を施した音声を出力するオーディオ装置であって、
    前記伝送路を介してオーディオプレイヤから入力する、サンプリングレートを表す可聴帯域外の識別信号音を検出する信号音検出手段と、
    前記信号音検出手段が検出した識別信号音が表すサンプリングレートのオーディオデータの帯域に、当該オーディオ装置において前記アナログ音声に対して施す信号処理の帯域を整合させる帯域設定手段とを有することを特徴とするオーディオ装置。
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