JP2017126812A - 赤外線撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャッタの高速開閉を維持して短時間でオフセット校正を行うことができる赤外線撮像装置を提供する。【解決手段】閉状態で外部から入射する赤外線を遮蔽する開閉自在なシャッタ1からなる可動部と、シャッタ1が開状態の場合に外部から入射した赤外線を検出し、シャッタ1が閉状態の場合にシャッタ1が放射する赤外線を検出する赤外センサ3と、固定部に設けられた温度センサ8と、温度センサ8の測定結果に基づいてシャッタ1の温度を推定する温度推定回路9と、赤外センサ8の出力信号を被写体温度に変換し、シャッタ1が閉状態の場合に温度推定回路9が推定したシャッタ推定温度と赤外センサ3の出力信号を変換したシャッタ撮像温度との差からオフセット校正値を算出し、オフセット校正値に基づき被写体温度を校正する補正回路5と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、被写体が放射する赤外線を撮像する赤外線撮像装置に関する。
赤外線撮像装置は、被写体が放射する赤外線を検知する素子を二次元配列して構成した赤外センサで受光し、被写体から放射された赤外線を吸収して温度上昇した各素子の温度に応じた信号を出力することで赤外線画像を得ている。赤外センサの出力信号は、環境温度変化や時間経過などにより変化するため、赤外線画像の各画素を構成する画素値を被写体の絶対温度に対応させるためには、赤外センサが出力する信号を絶対温度を表す画素値に対応付ける校正が必要となる。
従来の赤外線撮像装置では、シャッタの表面に温度センサを搭載して、シャッタの表面温度を取得し、シャッタが閉じられた状態で撮像した場合の赤外センサを構成する素子ごとの出力値が、取得したシャッタ表面温度に対応する画素値となるように素子ごとのオフセット補正値を随時補正していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−201807号公報
特許文献1に記された従来の赤外線撮像装置にあっては、シャッタの表面に温度センサを搭載してシャッタの表面温度を測定し、シャッタを閉じた状態でシャッタ表面から放射される赤外線強度と、同時に温度センサで測定したシャッタ表面の温度とが一致するように、赤外センサの二次元配列した全素子に対してオフセット補正値を毎回補正していた。これにより、撮像画像の各画素の画素値を被写体の絶対温度に対応させることができていた。しかしながら、シャッタの表面に温度センサを搭載するにはシャッタ羽根の強度を高める必要があり、この結果、温度センサを含むシャッタ羽根全体の重量が重くなり、シャッタの開閉に時間がかかるという問題点があった。また、各画素の画素値を被写体の温度に対応づけるオフセット校正の際には、赤外センサの二次元配列した全素子に対してオフセット補正値を補正していたため、オフセット校正に時間がかかるといった問題点があった。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、シャッタの高速開閉を維持して短時間でオフセット校正を行うことができる赤外線撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係る赤外線撮像装置は、外部から赤外線が入射する窓を有する筐体と、前記筐体の内部に設けられたシャッタ支持部と、前記シャッタ支持部に支持され、閉状態で前記窓から入射する赤外線を遮蔽する開閉自在なシャッタからなる可動部と、前記筐体の内部に設けられ、前記シャッタが開状態の場合に前記窓から入射した赤外線を検出し、前記シャッタが閉状態の場合に前記シャッタが放射する赤外線を検出する赤外センサと、前記筐体内部の固定部に設けられた第1温度センサと、前記第1温度センサの測定結果に基づいて前記シャッタの温度を推定する温度推定回路と、前記赤外センサの出力信号を被写体温度に変換し、前記シャッタが閉状態の場合に前記温度推定回路が推定したシャッタ推定温度と前記赤外センサの出力信号を変換したシャッタ撮像温度との差からオフセット校正値を算出し、前記オフセット校正値に基づき前記被写体温度を校正する補正回路と、を備える。
本発明に係る赤外線撮像装置によれば、赤外線撮像装置の筐体内部の固定部に設けた温度センサの測定結果に基づいてシャッタ表面温度を推定できるのでシャッタの高速開閉を維持しつつシャッタ表面温度でオフセット校正ができる。
本発明の実施の形態1における赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における赤外線撮像装置の構造を示す模式断面図である。 本発明の実施の形態1における他の赤外線撮像装置の構造を示す模式断面図である。 本発明の実施の形態1における他の赤外線撮像装置の構造を示す模式断面図である。 本発明の実施の形態1における赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における赤外線撮像装置の他の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2における赤外線撮像装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2における赤外線撮像装置の他の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3における赤外線撮像装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3における赤外線撮像装置を示す模式断面図である。 本発明の実施の形態3における他の赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3の赤外線撮像装置の他の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4における赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4における赤外線撮像装置の他の構成を示すブロック図である。
実施の形態1.
まず、本発明の実施の形態1における赤外線撮像装置の構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。
図1において、赤外線撮像装置100は、赤外線撮像装置100の外部から入射する赤外線の通過と遮蔽を制御するシャッタ1と、シャッタ1を通過した赤外線を集光して赤外センサ3の撮像面に結像するレンズ2と、赤外センサ3が撮像して出力したアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ4と、A/Dコンバータ4から出力されたデジタル信号である撮像画像の補正を行う補正回路5と、補正回路5で補正された撮像画像を出力する出力端子6と、補正回路5が補正に使用する補正値を格納するメモリ7と、赤外線撮像装置100の内部の温度を測定する温度センサ8と、温度センサ8の測定結果からシャッタ1の表面温度を推定する温度推定回路9と、シャッタ1の開閉を制御する制御回路10とを備えている。なお、本発明において言う赤外線とは、波長が概ね8〜14マイクロメートルの遠赤外線域の赤外線である。
赤外線撮像装置100は、例えば、60Hz、30Hz、7.5Hzといった任意のフレームレートで動作する。赤外線撮像装置100は、赤外センサ3で撮像した被写体の赤外線画像を所定のフレーム周波数で出力することにより赤外線動画像を出力する。1フレームの赤外線画像は、n行m列の二次元配列された画素により構成される。以下、本発明においては、1フレームの赤外線画像を画面と呼び、画面の信号を撮像信号と呼ぶ。また、各画素の信号の大きさを画素値と呼ぶ。すなわち、撮像信号はm行n列(m、nは任意の整数)の画素値の二次元配列で構成される。また、赤外線動画像の信号は、赤外線画像(静止画像)である画面の信号を所定のフレームレートで連続的に出力された信号であるから、特に区別する必要がある場合を除いて、赤外線動画像の信号も撮像信号と呼ぶ。
シャッタ1は、平面状の赤外線遮蔽部材により構成され、制御回路10によりシャッタ1の開閉が制御され、モータの動力により開閉自在に移動する可動部である。シャッタ1が開状態の場合は、赤外線撮像装置100の外部から赤外線撮像装置100の内部に入射する赤外線を通過させ、シャッタ1が閉状態の場合は、赤外線撮像装置100の外部から赤外線撮像装置100の内部に入射する赤外線を遮蔽する。また、レンズ2は、レンズ2に入射する被写体からの赤外線を集光し、赤外センサ3の撮像面上に合焦させて被写体像を結像する。なお、本発明では、シャッタ1がレンズ2の前方に配置された赤外線撮像装置100について説明するが、レンズ2がシャッタ1の前方、すなわち、シャッタ1がレンズ2と赤外センサ3との間に配置された赤外線撮像装置100であってもよい。
赤外センサ3は、概ね8〜14マイクロメートルの赤外線に感度を有する赤外線検知素子がm行n列の二次元平面状に配列された撮像面を有する撮像部で構成されている。各赤外線検知素子は入射した赤外線を吸収して温度上昇し、各素子の温度に応じた大きさのアナログの画素値を出力する。従って、赤外センサ3からは入射した赤外線強度に応じたアナログの撮像信号が出力される。また、A/Dコンバータ4は赤外センサ3から出力されたアナログの撮像信号をデジタルの撮像信号に変換し、デジタルに変換された撮像信号を補正回路5に出力する。
補正回路5は、信号補正部51と温度補正部52とを有する。信号補正部51は、A/Dコンバータ4から入力された撮像信号に、ゲイン補正とオフセット補正とを行い、補正された撮像信号を温度補正部52に出力する。温度補正部52は、信号補正部51から入力された撮像信号の各画素値を被写体の絶対温度に比例した画素値に補正する温度補正を行い出力端子6から出力する。すなわち、出力端子6からは被写体の絶対温度を表す赤外線画像が所定のフレームレートで出力され、赤外線動画像が得られる。
メモリ7は、信号補正のためのゲイン補正値格納領域、オフセット補正値格納領域、および温度補正のためのルックアップテーブルを有する。ゲイン補正値格納領域には、信号補正部51がゲイン補正に使用するためのゲイン補正値が格納される。ゲイン補正値は、製造時の調整工程で測定されて、メモリ7のゲイン補正値格納領域に書き込まれる。また、オフセット補正値格納領域には、信号補正部51がオフセット補正に使用するためのオフセット補正値が格納される。オフセット補正値は、例えば、信号補正部51がシャッタ1の閉状態で取得した撮像信号から新たなオフセット補正値を算出してメモリ7に書き込むことで随時更新される。なお、オフセット補正値の取得方法はこれに限るものではなく、例えば、シャッタ1を閉じずにオフセット補正値を取得する方法もあり、このようなシャッタ1を閉じずに取得したオフセット補正値であってもよい。ルックアップテーブルには、赤外センサ3の各素子が出力する画素値を、被写体の絶対温度に比例した画素値に補正するための補正値が格納されている。ルックアップテーブルは、製造時の調整工程でメモリ7に書き込まれる。
温度センサ8は、例えば、サーミスタや半導体温度センサ等で構成され、赤外線撮像装置100の内部に配置される。また、温度センサ8はA/Dコンバータを有しており、測定した温度をデジタル値に変換して温度推定回路9に出力する。なお、温度センサ8が測定した温度のアナログ値を温度推定回路9に出力し、温度推定回路9がA/D変換を行ってもよい。温度推定回路9は、温度センサ8の測定結果に基づいてシャッタ1の表面温度を推定し、推定したシャッタ1の表面温度を温度補正部52に出力する。温度補正部52は、閉状態のシャッタ1から放射される赤外線を撮像した撮像信号と、推定したシャッタ1の表面温度とが一致するように、オフセット校正値を算出する。そして、温度補正部52は、算出したオフセット校正値でルックアップテーブルにより補正した撮像信号を校正する。
図2は、本発明の実施の形態1における赤外線撮像装置の構造を示す模式断面図である。図2に示すように、赤外線撮像装置100は、赤外線が通過する開口窓23を有する筐体20の内部に、鏡筒21、シャッタ支持部22、および基板25、26、27を備えている。各基板25、26、27はフラットケーブル28、29により接続され、電気信号や電力がフラットケーブル28、29を介して各基板に相互に供給される。なお、図2の赤外線撮像装置100では、基板25、基板26、基板27の3枚の基板を備えているが、基板は1枚あるいは3枚以上備えていてもよい。また、図2では開口窓23には何も設けずに開口としているが、波長が8〜14マイクロメートルの赤外線を透過するゲルマニウム窓などの材料で形成された窓材を設けてもよい。
基板25には、赤外センサ3と、赤外センサ3の隣に温度センサ8とが設けられている。このように温度センサ8と赤外センサ3とを同一の基板25に配置することで、温度センサ8の配線パターンを赤外センサ3の配線パターンと同時に形成することができる。この結果、製造工程の簡略化および温度センサ8の信頼性の向上を図ることができる。また、基板25、26、27には、図1に示すA/Dコンバータ4、補正回路5、メモリ7、温度推定回路9、制御回路10が設けられている(図示せず)。A/Dコンバータ4、補正回路5、メモリ7、温度推定回路9、制御回路10を設ける基板は特に限定されず、それぞれ基板25、26、27のいずれかの基板に設けられていればよい。さらに、基板27には出力端子6が設けられ、出力端子6の一端は筐体20の外側に露出しており、出力端子6を通じて赤外線撮像装置100の外部に撮像した赤外線動画像が出力される。
鏡筒21には赤外センサ3と光軸が一致するようにレンズ2が設けられる。レンズ2は波長が8〜14マイクロメートルの赤外線を透過するゲルマニウムなどの材料により形成される。さらに、筐体20の開口窓23とレンズ2との間には、モータ24の動力によって移動して開閉する平面状のシャッタ1が備えられている。シャッタ1とモータ24とは、シャッタ支持部22に固定されている。モータ24はいずれかの基板に設けられた制御回路10と配線されており、制御回路10からの出力に応じてシャッタ1を開閉するための動力を発生する。なお、上述したようにシャッタ1はレンズ2と赤外センサ3との間に設けてもよい。また、図2では鏡筒21およびシャッタ支持部22は共に脚部21a、22aを介して基板25に固定されているが、鏡筒21およびシャッタ支持部22の構成はこれに限るものではなく、例えば、筐体20の内壁に固定された構成であってもよい。すなわち、レンズ2が設けられた部材が鏡筒21であり、シャッタ1が設けられた部材がシャッタ支持部22である。
図3は、本発明の実施の形態1における他の赤外線撮像装置の構造を示す模式断面図である。図3に示す赤外線撮像装置100は、図2に示す赤外線撮像装置100とは、温度センサ8を配置した場所が異なる。図2に示す赤外線撮像装置100では、温度センサ8は鏡筒21の内側の赤外センサ3の隣に設けたが、図3に示すように、温度センサ8をシャッタ支持部22に設けてもよい。
温度センサ8は、配線30により基板25に接続されており、温度センサ8で測定した温度はいずれかの基板に設けられた温度推定回路9に入力される。図3に示すように、温度センサ8をシャッタ支持部22に設けることで、温度センサ8が測定する温度とシャッタ1の表面温度との差が小さくなり、温度推定回路9が推定したシャッタ1の表面温度と実際のシャッタ1の表面温度との誤差をより小さくすることができる。
さらに図4は、本発明の実施の形態1における他の赤外線撮像装置の構造を示す模式断面図である。図4に示す赤外線撮像装置100は、図2に示す赤外線撮像装置100とは、温度センサ8を配置した場所が異なり、温度センサ8は筐体20の内壁に設けられている。
図4において、破線で示した円31は、シャッタ1の中心Qを中心とし、シャッタ1の幅Lを半径とする球である。ここでシャッタ1の幅Lとは、シャッタ1が円形である場合には直径であってよく、シャッタ1が長方形などの多角形である場合には最も長い対角線の長さであってよい。図4に示すように温度センサ8は赤外線撮像装置100の内部であって、シャッタ1の中心Qからシャッタ1の幅L離れた場所である円31よりも近い位置に配置されている。このように温度センサ8とシャッタ1の中心Qとの距離をシャッタ1の幅L以下にすることで、温度センサ8とシャッタ1との距離が近くなるので、温度センサ8が測定する温度とシャッタ1の表面温度との差が小さくなり、温度推定回路9が推定したシャッタ1の表面温度と実際のシャッタ1の表面温度との誤差をより小さくすることができる。従って、温度センサ8は図4の破線で示した円31の内側であれば鏡筒21に設けてもよく、他の場所に設けてもよい。
ただし、温度センサ8を光学部材であるレンズ2あるいは光学部材である赤外センサ3に設けることは望ましくない。これらの光学部材に温度センサ8を設けると、温度センサ8によって被写体からの赤外線が遮られ、良好な赤外線画像が得られないためである。これらの光学部材に温度センサ8を設ける場合には、レンズ2の端部や赤外センサ3の隅など赤外線画像の端に相当する部位に設けるとよい。また、温度センサ8は赤外線撮像装置の筐体内部であって、可動部であるシャッタ1以外の固定部に設ける必要がある。ここで固定部とは、シャッタ1のように筐体20に対して相対位置が移動する可動部を除く部位であって、筐体20の内壁、鏡筒21、シャッタ支持部22、基板25、26、27等である。シャッタ1は高速に開閉されることが望ましいが、シャッタ1に温度センサ8を設けるとシャッタ1の重量が増加し、高速な開閉が困難になる。さらに、シャッタ1が開閉することにより、温度センサ8と温度推定回路9とを電気接続する配線30に応力が加わり断線し易くなるため、赤外線撮像装置100の信頼性が低下する。従って、温度センサ8は赤外線撮像装置100の筐体20の内側であって固定部に設けるのが良く、特に非光学部材からなる固定部に設けるのが好ましく、シャッタ1の中心Qからシャッタ1の幅L以下の非光学部材からなる固定部に設けるのがさらに好ましい。
以上のように赤外線撮像装置100は構成される。
次に、赤外線撮像装置100の動作について説明する。赤外線撮像装置100の動作には、被写体の赤外線画像を撮像する撮像動作と、固定パターンノイズを除去するためのオフセット補正値取得動作と、撮像信号の温度校正を行うためのオフセット校正値取得動作とがある。撮像動作は、オフセット補正値とオフセット校正値とを取得した後に行われることで、固定パターンノイズが除去され、被写体の絶対温度に対応した赤外線動画像を撮像することができる。
まず、オフセット補正値取得動作について説明する。オフセット補正値の取得は、例えば、赤外線撮像装置100の温度が変化した場合や一定時間経過ごとに行われる。赤外線撮像装置100の温度は、図1および図2〜図4で示した温度センサ8で測定してもよく、温度センサ8とは別に温度センサを設けて測定してもよい。温度センサで測定した温度が、例えば1℃あるいは2℃といった所定の閾値を超えて変化した場合、あるいは前のオフセット補正値取得動作から、例えば5分など所定の時間経過した場合に、オフセット補正値取得動作が行われる。
オフセット補正値取得動作が開始されると、制御回路10はシャッタ1を閉じる。シャッタ1が閉じられると、赤外センサ3の被写体はシャッタ1の表面となるので、シャッタ1の表面から放射される赤外線が赤外センサ3に入射する。シャッタ1は平面であり、表面の温度はほぼ均一なので、赤外センサ3の各赤外検知素子には均一な強度の赤外線が入射する。シャッタ1が完全に閉じてから、信号補正部51は所定数のフレーム期間の撮像信号を取得し、メモリ7への書き込みとメモリ7からの読み出しを繰り返して平均化処理を行う。信号補正部51は、例えば16フレーム期間シャッタ1を閉じてシャッタ1の表面を撮像し、これを平均化処理した撮像信号を、オフセット補正値としてメモリ7のオフセット補正値格納領域に書き込む。以上でオフセット補正値取得動作が完了する。オフセット補正値は画面を構成する各画素について取得される。
オフセット補正値取得動作が完了すると、制御回路10はシャッタ1を開き、撮像動作が行われる。撮像動作では補正回路5の信号補正部51が、メモリ7のオフセット補正値格納領域からオフセット補正値取得動作で取得したオフセット補正値を読み出し、A/Dコンバータ4でデジタルに変換された被写体の撮像信号に適用してオフセット補正を行う。これにより撮像信号から固定パターンノイズが除去される。
次に、オフセット校正値取得動作について説明する。オフセット校正値取得動作は、オフセット補正値取得動作と同時に行ってもよく、オフセット補正値取得動作とは別に行ってもよい。また、オフセット校正値取得動作もオフセット補正値取得動作と同様、赤外線撮像装置の温度が所定量変化した場合や、前のオフセット校正値取得動作から所定時間経過後に行ってもよい。
オフセット校正値取得動作が開始されると、制御回路10はシャッタ1を閉じる。シャッタ1が閉じられると、上述のように、赤外センサ3の各赤外検知素子には、シャッタ1の表面から放射されるほぼ均一な強度の赤外線が入射する。赤外センサ3から出力されたアナログの撮像信号は、A/Dコンバータ4でデジタルの撮像信号に変換され、補正回路5の信号補正部51でゲイン補正とオフセット補正が行われ、温度補正部52に入力される。温度補正部52は入力された撮像信号を、ルックアップテーブルを用いて絶対温度に対応した撮像信号に変換する。すなわち、ルックアップテーブルを用いて変換された撮像信号は被写体であるシャッタ1の表面温度を表す赤外線画像になる。このとき撮像したシャッタ1の表面温度を表す赤外線画像をシャッタ撮像温度と呼ぶ。しかし、実際のシャッタ1表面の温度と、ルックアップテーブルを用いて変換したシャッタ撮像温度との間には、赤外センサ3の温度変化などにより誤差を有する場合がある。この誤差を校正するのがオフセット校正値である。
シャッタ1の表面温度は、赤外線撮像装置100の内部に設けられた温度センサ8で測定した温度に基づいて、温度推定回路9が推定する。温度推定回路9によるシャッタ1の表面温度推定方法については後述する。温度推定回路9は、推定したシャッタ1の表面温度を温度補正部52に出力する。この温度推定回路9が推定したシャッタ1の表面温度をシャッタ推定温度と呼ぶ。温度補正部52は、ルックアップテーブルを用いて変換したシャッタ1表面温度を表すシャッタ撮像温度が、温度推定回路9が推定したシャッタ推定温度となるようにオフセット校正値を算出する。
例えば、シャッタ1の実際の表面温度が25℃である場合、温度推定回路9はシャッタ1の表面温度が25℃であると推定して、温度補正部52に推定したシャッタ推定温度25℃を出力する。一方、シャッタ1の表面を撮像した撮像信号をルックアップテーブルで絶対温度に対応するシャッタ撮像温度である赤外線画像に変換した場合に、m×n個の画素の画素値を平均した値が23℃であった場合には、誤差の大きさは2℃となる。つまりシャッタ推定温度が25℃でシャッタ撮像温度が23℃であるから、シャッタ推定温度とシャッタ撮像温度との差は2℃となる。従って、オフセット校正値はシャッタ推定温度とシャッタ撮像温度との差であるから2℃となる。撮像動作で被写体を撮像した場合に、赤外センサ3の撮像信号はルックアップテーブルを用いて絶対温度に対応づけられ、被写体温度である赤外線画像となる。この赤外線画像の各画素の画素値に、オフセット校正値の2℃を加算することで、赤外線画像が示す温度が絶対温度と一致するようになる。
オフセット校正値は、m行n列の二次元配列で構成される画面の合計m×n個の画素の画素値を平均して算出されるので、1フレーム期間に撮像した画面からであっても精度が十分に高い平均化処理を行うことができる。従って、オフセット校正値取得動作は、前述のオフセット補正値取得動作よりも短時間に行うことができ、オフセット校正値取得動作により被写体を撮像できなくなる時間を短くすることができる。取得したオフセット校正値は、メモリ7に記憶されてもよいが、データサイズが小さいので温度補正部52に記憶されてもよい。なお、当然のことながら複数フレーム期間に撮像した画面からオフセット校正値を算出してもよい。
以上によりオフセット校正値取得動作は完了する。オフセット補正値取得動作とオフセット校正値取得動作が行われ、オフセット補正値とオフセット校正値とが取得されると、赤外線撮像装置100は撮像動作により被写体の絶対温度に対応した赤外線画像を撮像することができる。
次に撮像動作について説明する。以下の説明は1フレーム間の動作であり、以下に説明する1フレーム間の動作が繰り返し行われることで、赤外線撮像装置100からは赤外線動画像が出力される。
撮像動作では、制御回路10がシャッタ1を開状態にする。シャッタ1が開状態になると、赤外線撮像装置100の外部の被写体が放射した赤外線をレンズ2が赤外センサ3の撮像面に合焦して結合し、赤外センサ3からはアナログの撮像信号が出力される。アナログの撮像信号は、A/Dコンバータ4でデジタルの撮像信号に変換され、補正回路5の信号補正部51に入力される。信号補正部51は、メモリ7のゲイン補正値格納領域からゲイン補正値を読み出し、オフセット補正値格納領域からオフセット補正値を読み出す。ゲイン補正値およびオフセット補正値は、画面を構成する各画素について値が存在する。m行n列の二次元配列で構成された画面のうち、i行j列目の画素(i,j)について、信号補正部51に入力された撮像信号の画素値をSI(i,j)、ゲイン補正値をG(i,j)、オフセット補正値をO(i,j)とした場合、信号補正部51は以下の数式(1)で記す補正を行い、信号補正された撮像信号の画素値SO(i,j)を温度補正部52に出力する。
SO(i,j)=G(i,j)・SI(i,j)+O(i,J) …(1)
温度補正部52は、信号補正部51から入力された撮像信号の各画素値をルックアップテーブルにより絶対温度に比例した画素値へ変換し、その後、オフセット校正値により温度校正を行おこなう。温度補正部52に入力された画素値SO(i,j)は、ルックアップテーブルの入出力関数をLUT、オフセット校正値をOCとした場合、以下の数式(2)により、絶対温度に比例した画素値TO(i,j)に変換される。
TO(i,j)=LUT{SO(i,j)}+OC …(2)
画素値TO(i,j)は、i行j列目の画素の絶対温度を示す値であり、温度補正部52が温度補正を行うことで、撮像した画面内の全画素の画素値が絶対温度を示す値となる。すなわち、被写体の絶対温度を示す赤外線画像が得られる。温度補正部52で補正された赤外線画像は出力端子6から出力され、複数フレーム期間に亘り連続的に出力されることで赤外線動画像が得られる。
以上のように赤外線撮像装置100は動作する。
次に、温度推定回路9が温度センサ8で測定した温度からシャッタ1の表面温度を推定する方法について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1における赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。図1に示した赤外線撮像装置100の構成を示すブロック図とは、温度推定回路9が推定温度テーブル11を有する点が異なる。図5に示す赤外線撮像装置100は、図1に示した赤外線撮像装置のうち温度推定回路9の構成を具体的に示した一例である。
推定温度テーブル11には、温度センサ8で測定した温度とシャッタ1の表面温度とを対応づけるデータが書き込まれている。温度センサ8が測定した温度が温度推定回路9に入力されると、温度推定回路9は、推定温度テーブル11に書き込まれた温度センサ8が測定した温度に対応するシャッタ1の表面温度を読み出し、読み出した温度を温度推定回路9が推定したシャッタ1の表面温度として補正回路5の温度補正部52に出力する。この結果、温度補正部52はシャッタ1の表面温度を知ることができ、上述のようにシャッタ1の表面温度を用いてオフセット校正値の算出を行う。
推定温度テーブル11のデータは生産時の調整工程で温度推定回路9内の推定温度テーブル11に書き込まれる。以下に、推定温度テーブル11のデータ生成方法について説明する。
まず、赤外線撮像装置100の電源を入れ、シャッタ1が閉じた状態で、赤外線撮像装置100を恒温槽の内部に設置し、内部の電気回路の発熱による赤外線撮像装置100の温度が安定するまで放置する。赤外線撮像装置100の温度が十分安定した後に、シャッタ1の表面温度を測定すると同時に、温度センサ8が測定した温度を記録する。シャッタ1の表面温度は、予めシャッタ1の表面に貼り付けた熱電対等の接触式の温度センサにより測定してもよく、放射温度計により非接触で測定してもよい。また、温度センサ8が測定した温度は、赤外線撮像装置100の外部のデータロガー等で記録できるように、予め温度センサ8が測定した温度を出力する配線を、赤外線撮像装置100の内部から外部に引き出しておくのがよい。そして、シャッタ1の表面温度と温度センサ8が測定した温度とをデータロガー等で記録することで、温度センサ8で測定した温度とシャッタ1の表面温度とを対応づけることができる。
恒温槽の温度は、例えば、−20℃〜60℃の範囲を0.1℃刻みで設定する。恒温槽の温度を所定の設定温度に設定して恒温槽の温度が設定温度になった後、上記のように赤外線撮像装置100の温度が安定するまで放置し、赤外線撮像装置100の温度が十分安定した後に、シャッタ1の表面温度を測定して記録すると同時に、温度センサ8が測定した温度を記録する。この結果、−20℃〜60℃の範囲で0.1℃刻みに合計801組の温度センサ8が測定した温度とシャッタ1の表面温度とを対応づけたデータが生成される。このデータが推定温度テーブル11のデータとなる。
以上のように生成した推定温度テーブル11のデータは、データ生成のために用いた赤外線撮像装置100と同一構造の赤外線撮像装置100にそのまま使用することができる。すなわち、推定温度テーブル11のデータは、生産時に一度生成しておけば、その後の量産時において再びデータ生成を行う必要はなく、量産される赤外線撮像装置100のそれぞれの推定温度テーブル11に共通のデータを書き込めばよい。
以上のように、推定温度テーブル11に温度センサ8が測定した温度とシャッタ1の表面温度とを関係づけるデータが記録されているので、温度推定回路9は推定温度テーブル11を参照することで、温度センサ8が測定した温度からシャッタ1の表面温度を推定することができる。オフセット校正値取得動作おいて、温度推定回路9は温度センサ8が測定した温度から推定温度テーブル11を参照して推定したシャッタ1の表面温度を補正回路5の温度補正部52に出力するので、温度補正部52は誤差が小さいオフセット校正値を算出することができる。
次に、図6は、本発明の実施の形態1における赤外線撮像装置の他の構成を示すブロック図である。図5に示した赤外線撮像装置100では温度推定回路9が推定温度テーブル11を有していたが、図6の赤外線撮像装置100は温度推定回路9が推定温度算出回路12を有する点が異なる。図6に示す赤外線撮像装置100は、図1に示した赤外線撮像装置のうち温度推定回路9の構成を具体的に示した一例である。
推定温度算出回路12は、温度センサ8が測定した温度とシャッタ1の表面温度との関係を表す近似式を、デジタル演算回路またはマイコンのプログラム内への記述により実現した回路である。温度センサ8が測定した温度とシャッタ1の表面温度との関係は、上述のように恒温槽を用いて、温度センサ8が測定した温度とシャッタ1の表面温度とを同時に記録することにより取得することができる。このように取得した温度センサ8が測定した温度とシャッタ1の表面温度との関係から近似式を導出し、デジタル演算回路またはマイコンのプログラム内への記述により実現すればよい。
図6に示すように推定温度算出回路12を用いた赤外線撮像装置100は、図5に示した推定温度テーブル11を用いる場合に比べ、温度センサ8が測定した温度とシャッタ1の表面温度との関係が比較的簡単な近似式で表される場合にメリットがある。上述のように図5の推定温度テーブル11では、例えば0.1℃刻みのデータが書き込まれているため、例えば0.05℃といった刻み値未満の精度でオフセット校正値を得ることができない。これに対し、温度センサ8が測定した温度とシャッタ1の表面温度との関係を近似式で表した推定温度算出回路12では、より小さな分解能でオフセット校正値を得ることができるため、オフセット校正値の誤差をより小さくすることができる。
本実施の形態1で説明した赤外線撮像装置100は、例えば、24時間稼働している監視カメラなどのセキュリティ用途に特に適している。ほぼ24時間稼働している監視カメラでは、例えば特許文献1に記された自動車のナイトビジョン用とは異なり、赤外線撮像装置100の内部の電気回路の発熱による温度変化は極めて小さく、赤外線撮像装置100の内部の非光学部材からなる固定部に設けた温度センサ8が測定した温度から、シャッタ1の表面温度を極めて高精度に推定することができる。特に、赤外線撮像装置100が室内に設置されている場合には、環境の温度変化も小さいため、さらに高精度にシャッタ1の表面温度を推定することができる。
以上のように本発明の実施の形態1に示した赤外線撮像装置100は、シャッタ1の表面から放射される赤外線を撮像して、シャッタ1の表面温度でオフセット校正を行う際に、シャッタ1の表面温度を、シャッタ1とは異なる場所に設けた温度センサ8で測定した温度から推定して、推定した温度をシャッタ1の表面温度とするので、シャッタ1の重量が増加せず、高速にシャッタ1を開閉することができるといった効果が得られる。また、オフセット校正値を、少なくとも1フレーム期間シャッタ1を閉じて撮像した画面の各画素値を平均することにより算出するので、オフセット校正値を取得するための時間を短くすることができ、高速に開閉するシャッタに適しているといった効果が得られる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2における赤外線撮像装置を示すブロック図である。図7において、図5と同じ符号を付けたものは、同一または対応する構成を示しており、その説明を省略する。本発明の実施の形態1とは、温度推定回路9が遅延回路13を備える構成が相違している。温度推定回路9以外は本発明の実施の形態1と同一の構成であり、同一の動作を行うので、その説明を省略する。
本発明の赤外線撮像装置100は、実施の形態1で説明した赤外線撮像装置に比べ、環境の温度変化あるいは赤外線撮像装置内部の温度変化が大きい場合の用途に適している。温度センサ8は、シャッタ1より温度変化が大きい場所に設けられる。例えば、赤外線撮像装置100は起動および停止される頻度が高く、赤外線撮像装置100の内部の電気回路の発熱による温度変化が無視できないような場合には、図2に示したように温度センサ8は基板に設けられるのがよい。また、例えば、屋外などの環境温度変化が大きい場所に赤外線撮像装置100が設置される場合には、図4に示したように温度センサ8は筐体20の内側に設けられるのがよい。
図7に示すように赤外線撮像装置100の温度推定回路9は、遅延回路13を有しており、温度センサ8で測定した温度が遅延回路13に入力される。遅延回路13は、例えばデジタル回路で構成されるローパスフィルタであってもよく、他の形態の遅延回路であってもよい。遅延回路13は、温度センサ8が測定した温度を所定の時間遅延させる。例えば、遅延回路は、温度センサ8が測定した温度を所定のフレーム単位の時間だけ遅延させて、推定温度テーブル11に出力する。遅延回路13が遅延させる時間(以後、遅延時間と呼ぶ)は、温度センサ8を設置した場所からシャッタ1までの熱伝導の時定数に基づいて決まる。温度センサ8は、実施の形態1で述べたように赤外線撮像装置100の内部の非光学部材からなる固定部に配置されるが、温度センサ8が配置される部材の材質や、温度センサ8を設置した場所からシャッタ1までの伝熱経路の部材の材質により、温度センサ8からシャッタ1までの熱伝導の時定数は変化する。従って、遅延回路13の遅延時間は、赤外線撮像装置100の温度センサ8を設置した場所からシャッタ1までの伝熱経路の部材の物性値から算出した時定数に基づき決定してもよく、赤外線撮像装置100の温度センサ8を設置した場所からシャッタ1までの熱伝導の時定数を実測して決定してもよい。温度センサ8を設置した場所からシャッタ1までの熱伝導の時定数が小さい場合には、遅延回路13の遅延時間は短くなり、温度センサ8を設置した場所からシャッタ1までの熱伝導の時定数が大きい場合には、遅延回路13の遅延時間は長くなる。
上述のように、本発明の実施の形態2の赤外線撮像装置100は、シャッタ1の温度変化より温度センサ8を設置した場所の温度変化が大きい用途に適している。例えば、赤外線撮像装置100の電源を高頻度に入り切りする用途では、赤外線撮像装置100の電気回路の温度変化が大きく、電気回路からの熱伝導により温度が変化するシャッタ1は、電気回路からシャッタ1までの伝熱経路の熱伝導の時定数に基づき遅れて温度が変化する。従って、電気回路の近傍に温度センサ8を設置し、遅延回路13の遅延時間を熱伝導の時定数に基づき設定することで、シャッタ1の温度変化と遅延回路13から出力された温度センサ8で測定した温度変化とがより近くなるため、温度推定回路9は推定温度テーブル11を用いてより高精度にシャッタ1の温度を推定することができる。赤外線撮像装置100が環境温度変化の大きい場所に設置され、温度センサ8を筐体20の内壁に設置した場合も同様である。
図8は、本発明の実施の形態2における赤外線撮像装置の他の構成を示すブロック図である。図7の赤外線撮像装置100では、推定温度テーブル11を有する温度推定回路9が遅延回路13を備えていたが、図8の赤外線撮像装置100は、推定温度算出回路12を有する温度推定回路9が遅延回路13を備えている点が異なる。図8に示すように温度推定回路9が推定温度算出回路12を有する場合であっても、遅延回路13の動作は図7に示す赤外線撮像装置100と同じであり、遅延回路13の遅延時間も図7に示す赤外線撮像装置100と同じように決定することができる。
以上のように、本発明の実施の形態2に示した赤外線撮像装置100は、赤外線撮像装置100の内部の温度変化が大きくなる用途や、赤外線撮像装置100が設置される場所の環境温度変化が大きくなる用途に使用された場合であっても、精度良くシャッタ1の表面温度を推定し、温度補正部52が算出するオフセット校正値の誤差を小さくすることができるといった効果が得られる。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3における赤外線撮像装置を示すブロック図である。また、図10は、本発明の実施の形態3における赤外線撮像装置を示す模式断面図である。図9および図10において、図1および図2、図3、図4と同じ符号を付けたものは、同一または対応する構成を示しており、その説明を省略する。本発明の実施の形態1とは、温度センサを2個備え、温度推定回路が2個の温度センサが測定した温度からシャッタ1の表面温度を推定する構成が相違している。その他の構成および動作は上記実施の形態1で説明した赤外線撮像装置と同一であるので、その説明を省略する。
図9に示すように、本実施の形態3の赤外線撮像装置100は第1温度センサ8aと第2温度センサ8bとを備えている。図10に示すように、第1温度センサ8aは、例えば基板25上の赤外センサ3の隣に設けられ、第2温度センサ8bは、例えば筐体20の内壁に設けられる。第1温度センサ8aおよび第2温度センサ8bを設ける場所は、図10に示した場所に限らず、実施の形態1で述べたように、赤外線撮像装置100の筐体20の内側であって、非光学部材からなる固定部に設けられていればよく、特にシャッタ1の中心からシャッタ1の幅以下の距離に位置する非光学部材からなる固定部に設けられているのが望ましい。また、図10に示すように第1温度センサ8aと第2温度センサ8bとは、シャッタ1を挟んで設けられるのが望ましい。すなわち、シャッタ支持部22よりも内側(赤外センサ3側)に第1温度センサ8aを設けた場合には、シャッタ支持部22よりも外側(開口窓23側)に第2温度センサ8bを設けるのが望ましい。
赤外線撮像装置100の温度変化の主な要因は、赤外線撮像装置100が設置される環境の温度変化と、赤外センサ3を含む電気回路の発熱を中心とした赤外線撮像装置100の内部の温度変化である。従って、図10に示すようにシャッタ支持部22よりも内側に第1温度センサ8a、シャッタ支持部22よりも外側に第2温度センサ8bを設けることで、赤外線撮像装置100の温度が変化しても、温度推定回路9がシャッタ1の表面温度を精度良く推定することができる。
第1温度センサ8aが測定した温度および第2温度センサ8bが測定した温度は温度推定回路9に入力され、温度推定回路9は第1温度センサ8aが測定した温度と第2温度センサ8bが測定した温度とに基づき、シャッタ1の表面温度を推定する。例えば、温度推定回路9は、第1温度センサ8aが測定した温度と第2温度センサ8bが測定した温度とを平均してシャッタ1の表面温度を推定してもよい。ここで平均とは第1温度センサ8aが測定した温度と第2温度センサ8bが測定した温度との単純平均であってもよく、あるいは第1温度センサ8aが測定した温度と第2温度センサ8bが測定した温度のどちらか一方に重みづけした加重平均であってもよい。例えば、第1温度センサ8aとシャッタ1との間の距離の方が、第2温度センサ8bとシャッタ1との間の距離よりも近く、第1温度センサ8aが測定した温度の方がシャッタ1の表面温度により近くなる場合には、第1温度センサ8aが測定した温度の方に重みづけして加重平均してもよい。
図11は、本発明の実施の形態3における他の赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。図8に示した赤外線撮像装置100の構成を示すブロック図とは、温度推定回路9が推定温度テーブル11を有する点が異なる。図11に示す赤外線撮像装置100は、図9に示した赤外線撮像装置のうち温度推定回路9の構成を具体的に示した一例である。
図11の赤外線撮像装置100が有する推定温度テーブル11は実施の形態1の図5で示した赤外線撮像装置が有する推定温度テーブルとは異なるデータ構造となっている。すなわち、実施の形態1の図5で示した赤外線撮像装置は、温度センサが1個であるため、温度センサが測定した温度とシャッタ1の表面温度とが1対1で関係づけられた一次元配列の推定温度テーブルを有している。一方、本実施の形態3の図11で示す赤外線撮像装置100は、第1温度センサ8aおよび第2温度センサ8bの2個の温度センサを有しているため、温度推定回路9が推定するシャッタ1の表面温度を二次元配列の要素とする推定温度テーブル11を有している。すなわち、シャッタ1の表面温度をTS、第1温度センサ8aが測定した温度をT1、第2温度センサ8bが測定した温度をT2とし、推定温度テーブル11を二次元配列ESTとすると、TS=EST(T1,T2)である。温度推定回路9は、第1温度センサ8aが測定した温度と第2温度センサ8bが測定した温度とから、推定温度テーブル11を参照してシャッタ1の表面温度を推定し、推定したシャッタ1の表面温度を補正回路5の温度補正部52に出力する。この結果、温度補正部52は実施の形態1で述べたように、シャッタ1の表面温度を用いてオフセット校正値を算出することができる。
推定温度テーブル11のデータは生産時の調整工程で温度推定回路9内の推定温度テーブル11に書き込まれる。以下に、推定温度テーブル11のデータ生成方法について説明する。
赤外線撮像装置100を閉じた状態で、赤外線撮像装置100を恒温槽に設置し、赤外線撮像装置100のシャッタ1の表面温度と、第1温度センサ8aが測定した温度および第2温度センサ8bが測定した温度とを、データロガーなどで同時に記録する。実施の形態1で説明したように、シャッタ1の表面温度は熱電対などの接触式の温度センサや放射温度計などの非接触式の温度センサで測定してよい。また、第1温度センサ8aが測定した温度と第2温度センサ8bが測定した温度とを赤外線撮像装置100の内部から外部に取り出す配線を設け、この配線から出力される温度データをデータロガーで記録してよい。
シャッタ1の表面温度と、第1温度センサ8aで測定した温度および第2温度センサ8bで測定した温度との関係づけるデータを生成するための恒温槽の運転方法等は実施の形態1とは異なる。実施の形態1のデータ生成方法では、赤外線撮像装置と恒温槽の温度が十分に安定してから温度データを記録していたが、本実施の形態3の推定温度テーブル11に書き込まれるデータは、恒温槽と赤外線撮像装置100の温度が変化している途中の温度データをも記録する。
前述のように、本実施の形態3の赤外線撮像装置100は、第1温度センサ8aで測定した温度と第2温度センサ8bで測定した温度とを用いて、シャッタ1の表面温度を推定する構成にしている。すなわち、第1温度センサ8aが測定した1つの温度に対して、第2温度センサ8bが測定した複数の温度と、第2温度センサ8bが測定したそれぞれの温度に対応するシャッタ1の表面温度が存在し、また、第2温度センサ8bが測定した1つの温度に対しても同様に、第1温度センサ8aが測定した複数の温度と、第2温度センサ8bが測定したそれぞれの温度に対応するシャッタ1の表面温度が存在する。つまり、第1温度センサ8aが測定した温度と第2温度センサ8bが測定した温度とに対応づけられたシャッタ1の表面温度データは二次元配列になる。
このような二次元配列の温度データは、一方の温度センサが測定する環境の温度を一定にして、他方の温度センサが測定する環境の温度を変化させることで取得することができる。例えば、図10に示す赤外線撮像装置100の場合、電源OFFの状態から電源を入れると、赤外線撮像装置100の電気回路が発熱するため、第1温度センサ8aが設置された場所の温度が過渡的に上昇する。この過渡的に上昇していく温度を第1温度センサ8aで随時測定することにより複数の温度データを測定することができる。また、恒温槽の設定温度を変化させたり、赤外線撮像装置100の外側から風を当てたりすると、筐体20の温度が過渡的に変化する。この過渡的に変化していく温度を第2温度センサ8bで随時測定することにより複数の温度データを測定することができる。
より具体的に推定温度テーブル11のデータ取得方法について説明する。恒温槽の設定温度を実施の形態1と同様、−20℃〜60℃まで0.1℃刻みで設定し、恒温槽の温度が安定してから、赤外線撮像装置100の電源を入れ、赤外線撮像装置100の温度が電気回路からの発熱により上昇する過程のシャッタ1の表面温度、第1の温度センサ8aで測定した温度および第2の温度センサ8bで測定した温度を記録する。これにより、例えば、図10に示すように第1の温度センサ8aを基板上に、第2の温度センサ8bを筐体20の内側に設けた赤外線撮像装置100の場合、第2温度センサ8bが測定した1つの温度に対して、複数の第1温度センサ8aが測定した温度とそれぞれの温度に対するシャッタ1の表面温度とのデータを得ることができる。
また、赤外線撮像装置100の電源を入れてから十分な時間が経過した後に、恒温槽の設定温度を−20℃から60℃に変えて、恒温槽の温度が−20℃から60℃に変化する間のシャッタ1の表面温度、第1の温度センサ8aで測定した温度および第2の温度センサ8bで測定した温度を記録してデータを生成してよい。さらに、赤外線撮像装置100に風速を変化させて風を当てながら、シャッタ1の表面温度、第1の温度センサ8aで測定した温度および第2の温度センサ8bで測定した温度を記録してデータを生成してよい。このように条件を変化させながらシャッタ1の表面温度、第1の温度センサ8aで測定した温度および第2の温度センサ8bで測定した温度を記録することで、二次元配列の推定温度テーブル11のデータを生成することができる。
なお、推定温度テーブル11のデータの二次元配列が、第1温度センサ8aで測定した温度の数をn1、第2温度センサ8bで測定した温度の数をn2である場合、二次元配列にはn1×n2個のシャッタ1の表面温度のデータが存在し得るが、上記の方法では、一方の温度センサが測定する温度を定めた場合に、他方の温度センサを設置した場所の温度が到達し得ない温度があるため、n1×n2個のデータが得られるわけではない。しかし、そのような到達し得ない温度は、実際に赤外線撮像装置100が使用される状況であっても到達し得ない温度であるから、上記方法で得られた温度のみでデータを生成してよい。
以上のように図11で示した赤外線撮像装置100は、温度推定回路9が二次元配列からなる推定温度テーブル11を有しているので、赤外線撮像装置100の内部の温度変化や、赤外線撮像装置100が設置される環境の温度変化が大きい場合であっても、温度推定回路9が第1温度センサ8aおよび第2温度センサ8bで測定した温度を用いて、推定温度テーブル11を参照することによりシャッタ1の表面温度を推定することができる。この結果、温度推定回路9が推定したシャッタ1の表面温度を補正回路5の温度補正部52に出力するので、温度補正部52は誤差が小さいオフセット校正値を算出することができる。
図12は、本発明の実施の形態3の赤外線撮像装置の他の構成を示すブロック図である。図12の赤外線撮像装置100は、温度推定回路が推定温度テーブルの代わりに推定温度算出回路12を備えている構成が異なる。図12に示す赤外線撮像装置100は、図9に示した赤外線撮像装置のうち温度推定回路9の構成を具体的に示した一例である。
推定温度算出回路12は、第1温度センサ8aが測定した温度および第2温度センサ8bが測定した温度とシャッタ1の表面温度との関係を表す近似式を、デジタル演算回路またはマイコンのプログラム内への記述により実現した回路である。近似式の変数は第1温度センサ8aが測定した温度および第2温度センサ8bが測定した温度の2つとなるので、近似式は面を表す近似式となる。近似式を導出するためのデータの取得方法は、上述した図11の赤外線撮像装置100の推定温度テーブル11のデータ生成方法と同じでよい。
図12に示すように推定温度算出回路12を用いた赤外線撮像装置100は、図11に示した推定温度テーブル11を用いる場合に比べ、第1温度センサ8aおよび第2温度センサ8bが測定した温度とシャッタ1の表面温度との関係が、例えば楕円などの比較的簡単な近似式で表される場合に、より小さな分解能でオフセット校正値を得ることができるため、オフセット校正値の誤差をより小さくすることができるといったメリットがある。
以上のように本実施の形態3の赤外線撮像装置100によれば、第1温度センサ8aが測定した温度および第2温度センサ8bが測定した温度の2つの温度を用いて温度推定回路9がシャッタ1の表面温度を推定するので、赤外線撮像装置100の起動と停止が高頻度に行われ、赤外線撮像装置100の内部の温度変化が大きい用途や、赤外線撮像装置100が設置される環境の温度変化が大きい用途であっても、温度推定回路9が精度良くシャッタ1の表面温度を推定することができる。この結果、温度補正回路52には誤差が小さいシャッタ1の表面温度が入力されるので、温度補正回路52が算出するオフセット校正値の誤差を小さくできるといった効果が得られる。
実施の形態4.
図13は、本発明の実施の形態4における赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。図13の赤外線撮像装置100は、実施の形態3で示した図11の赤外線撮像装置とは、温度推定回路9が、第1温度センサ8aおよび第2温度センサ8bにそれぞれ対応した第1遅延回路13aおよび第2遅延回路13bを備えた構成が異なる。また、図13の赤外線撮像装置100は、実施の形態2で示した図7の赤外線撮像装置とは、温度センサが第1温度センサ8aおよび第2温度センサ8bの2個であり、これに合わせて温度推定回路9が、第1温度センサ8aおよび第2温度センサ8bにそれぞれ対応した第1遅延回路13aおよび第2遅延回路13bの2個の遅延回路を備えた構成が異なる。その他の構成および動作は実施の形態1〜3で説明した赤外線撮像装置と同一であるので、その説明を省略する。
本発明の赤外線撮像装置100は、実施の形態3で説明した赤外線撮像装置に比べ、環境の温度変化あるいは赤外線撮像装置内部の温度変化がさらに大きい場合や温度変化が速い場合の用途に適している。
なお、本実施の形態4では、温度推定回路9が、第1温度センサ8aおよび第2温度センサ8bにそれぞれ対応した第1遅延回路13aおよび第2遅延回路13bを備えた場合について説明するが、第1温度センサ8aまたは第2温度センサ8bのいずれか一方が、他方より温度変化が小さい場所に設けられる場合には、第1遅延回路13aまたは第2遅延回路13bのいずれか一方のみを設けてもよい。
図13に示すように赤外線撮像装置100の温度推定回路9は、第1遅延回路13aおよび第2遅延回路13bを有しており、第1温度センサ8aで測定した温度が第1遅延回路13aに、第2温度センサ8bで測定した温度が第2遅延回路13bに入力される。第1遅延回路13aおよび第2遅延回路13bは、実施の形態2で説明したように、例えばデジタル回路で構成されるローパスフィルタであってもよく、他の形態の遅延回路であってもよい。また、第1遅延回路13aおよび第2遅延回路13bの遅延時間は、実施の形態2で説明したように、各温度センサを設置した場所からシャッタ1までの各伝熱経路の熱伝導の時定数に応じて決定すればよい。
第1温度センサ8aで測定した温度および第2温度センサ8bで測定した温度は、第1遅延回路13aおよび第2遅延回路13bによって、所定の時間遅延されて、推定温度テーブル11に入力される。例えば、第1遅延回路13aは第1温度センサ8aが測定した温度を、所定のフレーム単位の時間だけ遅延させて、推定温度テーブル11に出力し、第2遅延回路13bは第2温度センサ8bが測定した温度を第1遅延回路13aとは異なるあるいは同じ所定のフレーム単位の時間だけ遅延させて、推定温度テーブル11に出力する。この結果、実施の形態2で説明したように、本発明の実施の形態3の赤外線撮像装置100は、各温度センサが設置された場所の温度変化が大きい用途に使用された場合であっても、各温度センサが設置された場所とシャッタ1との間の伝熱経路の熱伝導の時定数に合わせて各遅延回路の遅延時間を設定したので、シャッタ1の表面温度をより高精度に推定することができる。この結果、温度推定回路9が推定したシャッタ1の表面温度の誤差が小さくなり、補正回路5の温度補正部52が算出するオフセット校正値の誤差が小さくなる。
図14は、本発明の実施の形態4における赤外線撮像装置の他の構成を示すブロック図である。図13の赤外線撮像装置100では、推定温度テーブル11を有する温度推定回路9が第1遅延回路13aおよび第2遅延回路13bを備えていたが、図14の赤外線撮像装置100は、推定温度算出回路12を有する温度推定回路9が第1遅延回路13aおよび第2遅延回路13bを備えている点が異なる。図14示すように温度推定回路9が推定温度算出回路12を有する場合であっても、第1遅延回路13aおよび第2遅延回路13bの動作は図13に示す赤外線撮像装置100と同じである。
以上のように、本発明の実施の形態4に示した赤外線撮像装置100は、赤外線撮像装置100の内部の温度変化が大きい用途や、赤外線撮像装置100が設置される場所の環境温度変化が大きい用途に使用された場合であっても、精度良くシャッタ1の表面温度を推定し、誤差が小さいオフセット校正値を得ることができるといった効果が得られる。
1 シャッタ
2 レンズ
3 赤外センサ
4 A/Dコンバータ
5 補正回路、51 信号補正部、52 温度補正部
8 温度センサ、8a 第1温度センサ、8b 第2温度センサ
9 温度推定回路
11 推定温度テーブル
12 推定温度算出回路
13 遅延回路、13a 第1遅延回路、13b 第2遅延回路
20 筐体
21 鏡筒
22 シャッタ支持部

Claims (12)

  1. 外部から赤外線が入射する窓を有する筐体と、
    前記筐体の内部に設けられたシャッタ支持部と、
    前記シャッタ支持部に支持され、閉状態で前記窓から入射する赤外線を遮蔽する開閉自在なシャッタからなる可動部と、
    前記筐体の内部に設けられ、前記シャッタが開状態の場合に前記窓から入射した赤外線を検出し、前記シャッタが閉状態の場合に前記シャッタが放射する赤外線を検出する赤外センサと、
    前記筐体内部の固定部に設けられた第1温度センサと、
    前記第1温度センサの測定結果に基づいて前記シャッタの温度を推定する温度推定回路と、
    前記赤外センサの出力信号を被写体温度に変換し、前記シャッタが閉状態の場合に前記温度推定回路が推定したシャッタ推定温度と前記赤外センサの出力信号を変換したシャッタ撮像温度との差からオフセット校正値を算出し、前記オフセット校正値に基づき前記被写体温度を校正する補正回路と、
    を備えた赤外線撮像装置。
  2. 前記筐体の内部に、前記赤外センサ、前記温度推定回路、前記補正回路の少なくとも一つが設けられた基板を備え、
    前記第1温度センサが設けられた固定部は、前記基板、前記シャッタ支持部または前記筐体の内壁のいずれかである請求項1に記載の赤外線撮像装置。
  3. 前記窓と前記赤外センサとの間に設けられたレンズと、前記レンズを支持する鏡筒とを備え、
    前記第1温度センサが設けられた固定部は、前記鏡筒である請求項1に記載の赤外線撮像装置。
  4. 前記赤外センサは、赤外線検知素子を二次元平面状に配列して構成され、前記赤外線検知素子のそれぞれが信号を出力し、
    前記オフセット校正値は、前記赤外線検知素子が出力したそれぞれの信号を平均して算出される請求項1から3のいずれか1項に記載の赤外線撮像装置。
  5. 前記オフセット校正値は、前記赤外線検知素子が1フレーム期間に出力した信号に基づき算出される請求項4に記載の赤外線撮像装置。
  6. 前記第1温度センサは、前記シャッタの中心から前記シャッタの幅と同じ距離離れた位置よりも前記中心に近い位置に設けられた請求項1から5のいずれか1項に記載の赤外線撮像装置。
  7. 前記温度推定回路は、前記第1温度センサの測定結果と前記シャッタ推定温度とを予め対応づけたデータを有する推定温度テーブルを備えた請求項1から6のいずれか1項に記載の赤外線撮像装置。
  8. 前記温度推定回路は、前記第1温度センサの測定結果が入力された場合に前記シャッタ推定温度を出力する推定温度算出回路を備えた請求項1から6のいずれか1項に記載の赤外線撮像装置。
  9. 前記温度推定回路は、前記第1温度センサの測定結果を、前記第1温度センサが設けられた場所と前記シャッタとの間の伝熱経路の熱伝導時定数に基づく時間遅延させる第1遅延回路を備えた請求項1から8のいずれか1項に記載の赤外線撮像装置。
  10. 前記筐体内部の固定部に設けられた第2温度センサをさらに備えた請求項1から9のいずれか1項に記載の赤外線撮像装置。
  11. 前記第1温度センサは、前記シャッタ支持部よりも前記赤外センサ側に設けられ、前記第2温度センサは前記シャッタ支持部よりも前記窓側に設けられた請求項10に記載の赤外線撮像装置。
  12. 前記温度推定回路は、前記第2温度センサの測定結果を、前記第2温度センサが設けられた場所と前記シャッタとの間の伝熱経路の熱伝導時定数に基づく時間遅延させる第2遅延回路をさらに備えた請求項10または11に記載の赤外線撮像装置。
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