JP2017126732A - 電子装置 - Google Patents

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良輔 大村
雅雄 村田
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Abstract

【課題】ランドの外周端がねじの接触部分又は金属部材の接触面を囲む構成において、ランドが剥離するのを抑制する電子装置を提供する。【解決手段】電子装置は、プリント基板10と、ねじと、第2ケース部と、を備えている。プリント基板10は、ねじにより第2ケース部に固定されている。プリント基板10は、ねじランド14fを有している。ねじは、ねじランド14fと接触し、プリント基板10と電気的に接続されている。プリント基板10の厚さ方向の投影視において、ねじランド14fの外周端は、ねじにおける接触面58aを囲む環状をなしている。ねじランド14fには、表側貫通孔14hが形成されている。スルーホール18の径方向において、表側貫通孔14hは、接触面58aよりもスルーホール18から離れた位置に形成されている。【選択図】図7

Description

この明細書における発明は、プリント基板と、プリント基板と電気的に接続された金属部材と、プリント基板を金属部材に固定するねじと、を備える電子装置に関する。
従来、特許文献1に記載のように、ねじによりスペーサ部(金属部材)に固定されたプリント基板が知られている。プリント基板は、両面に形成されたランド部と、ランド部から延設された配線パターン(配線)と、を有している。スペーサ部は、ランド部上に配置され、プリント基板と電気的に接続されている。
プリント基板には、スルーホールが形成されている。ねじは、スルーホールを挿通している。スペーサ部には貫通孔(ねじ孔)が形成され、貫通孔の壁面にねじ溝が形成されている。貫通孔は、スルーホールと連通している。ねじは、ねじ溝と螺合している。
特開2013−15508号公報
以下、プリント基板の厚さ方向を単に厚さ方向と示す。厚さ方向の投影視において、ランド部の外周端が、スペーサ部におけるランド部との接触面、及び、ねじにおけるランド部との接触面を囲む構成が考えられる。ランド部の外周端を大きくすることにより、例えば、配線パターンの幅を大きくすることができ、プリント基板及び金属部材間の電流が小さくなるのを抑制することができる。
ところで、プリント基板は、ランド部及び配線パターンが形成された絶縁基材を有している。絶縁基材においてランド部により厚さ方向に挟まれた部分には、ランド部を介して、スペーサ部及びねじから応力が作用する。この応力により、絶縁基材は、厚さを薄くするように変形する。これにより絶縁基材の一部は、厚さ方向と直交する方向に移動する。よって、絶縁基材の一部は、スルーホールと離れる方向に移動しようとする。
しかしながら、絶縁基材において、ランド部に挟まれる部分は、それよりもスルーホールから離れた部分により、スルーホールと離れる方向に移動できない。そのため、絶縁基材において、スルーホールと離れる方向へ向かおうとする部分は、厚さ方向に移動する。
ランド部の外周端が大きくされた上記構成では、絶縁基材における厚さ方向の移動により、ランド部におけるスペーサ部及びねじと接触していない部分に対し、絶縁基材から厚さ方向の応力が作用する。これにより、ランド部が剥離する虞がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、ランドの外周端がねじの接触部分又は金属部材の接触面を囲む構成において、ランドが剥離するのを抑制する電子装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、括弧内の符号は、ひとつの態様として下記の実施形態における具体的手段との対応関係を示すものであって、技術的範囲を限定するものではない。
本発明のひとつは、表面(12a)から表面と厚さ方向に反対の裏面(12b)にわたって形成されたスルーホール(18)を有する絶縁基材(12)と、表面上においてスルーホールの周縁部に形成されたランド(14f)と、表面上において厚さ方向と直交する方向にランドから延設された配線(14d)と、配線を被覆するレジスト(16)と、を有するプリント基板(10)と、
スルーホールを挿通する柱部(52)と、柱部の一端に連結されるとともにランド上に配置された頭部(54)と、を有し、ランドとの接触部分(58a)によりプリント基板と電気的に接続されたねじ(50)と、
裏面側に突出する柱部に対応して形成されたねじ孔(42)を有し、ねじを介してランドと電気的に接続されるとともに、裏面側からプリント基板に接触してプリント基板を支持する金属部材(34)と、
を備え、
厚さ方向の投影視において、ランドの外周端は、接触部分を囲む環状をなし、
ランドは、厚さ方向に貫通する貫通孔(14h)を有し、
スルーホールの径方向において、貫通孔は、接触部分よりもスルーホールから離れた位置に形成されている。
上記構成では、厚さ方向の投影視において、ランドの外周端が、ねじにおけるプリント基板との接触部分を囲んでいる。また、上記構成において、ランドは貫通孔を有している。これによれば、ランドを介して頭部から絶縁基材に応力が作用した場合、絶縁基材の一部は、ランドに応力を作用させることなく、貫通孔側へ移動する。そのため、絶縁基材からランドに応力が作用するのを抑制することができる。したがって、ランドが剥離するのを抑制することができる。
他の発明のひとつは、表面(12a)から表面と厚さ方向に反対の裏面(12b)にわたって形成されたスルーホール(18)を有する絶縁基材(12)と、裏面上においてスルーホールの周縁部に形成されたランド(14g)と、裏面上において厚さ方向と直交する方向にランドから延設された配線(14d)と、配線を被覆するレジスト(16)と、を有するプリント基板(10)と、
スルーホールを挿通する柱部(52)と、柱部の一端に連結されるとともに表面上に配置された頭部(54)と、を有するねじ(50)と、
裏面側に突出する柱部に対応して形成されたねじ孔(42)を有し、ランドと接触する接触面(40a)を有してプリント基板を支持するとともにランドと電気的に接続された金属部材(34)と、
を備え、
厚さ方向の投影視において、ランドの外周端は、接触面を囲む環状をなし、
ランドは、厚さ方向に貫通する貫通孔(14i)を有し、
スルーホールの径方向において、貫通孔は、接触面よりもスルーホールから離れた位置に形成されている。
上記構成では、厚さ方向の投影視において、ランドの外周端が、金属部材におけるプリント基板との接触面を囲んでいる。また、上記構成において、ランドは貫通孔を有している。これによれば、ランドを介して金属部材から絶縁基材に応力が作用した場合、絶縁基材の一部は、ランドに応力を作用させることなく、貫通孔側へ移動する。そのため、絶縁基材からランドに応力が作用するのを抑制することができる。したがって、ランドが剥離するのを抑制することができる。
他の発明のひとつは、表面(12a)から表面と厚さ方向に反対の裏面(12b)にわたって形成されたスルーホール(18)を有する絶縁基材(12)と、表面上においてスルーホールの周縁部に形成されたランド(14f)と、表面上において厚さ方向と直交する方向にランドから延設された配線(14d)と、配線を被覆するレジスト(16)と、を有するプリント基板(10)と、
スルーホールを挿通する柱部(52)と、柱部の一端に連結されるとともにランド上に配置された頭部(54)と、を有し、ランドとの接触部分(58a)によりプリント基板と電気的に接続されたねじ(50)と、
裏面側に突出する柱部に対応して形成されたねじ孔(42)を有し、ねじを介してランドと電気的に接続されるとともに、裏面側からプリント基板に接触してプリント基板を支持する金属部材(34)と、
を備え、
厚さ方向の投影視において、ランドの外周端は、接触部分を囲む環状をなし、
ランドの外周端は、配線と連結された連結部(14m)と、配線と連結されていない非連結部(14n)と、を有し、
スルーホールの径方向において、スルーホールにおける表面側の開口端(18a)と非連結部の少なくとも一部との最短距離は、開口端と連結部との最短距離よりも短くされている。
以下、ランドのうちのスルーホールの開口端と連結部とによって囲まれた領域を接続領域と示す。また、ランドのうちのスルーホールの開口端と非連結部とによって囲まれた領域を非接続領域と示す。接続領域は、連結部で配線と連結されているため、非接続領域に較べて剥離し難い。すなわち、非接続領域は、接続領域に較べて剥離し易い。
これに対し上記構成では、スルーホールの径方向において、スルーホールにおける表面側の開口端と非連結部の少なくとも一部との最短距離が、開口端と連結部との最短距離よりも短くされている。これによれば、非接続領域のうちのねじと接触しない箇所の面積を小さくできる。したがって、頭部からランドを介して絶縁基材に応力が作用して絶縁基材の一部が表面側に移動する場合であっても、絶縁基材から非接続領域へ応力が作用し難い。そのため、ランドが剥離するのを抑制できる。
他の発明のひとつは、表面(12a)から表面と厚さ方向に反対の裏面(12b)にわたって形成されたスルーホール(18)を有する絶縁基材(12)と、裏面上においてスルーホールの周縁部に形成されたランド(14g)と、裏面上において厚さ方向と直交する方向にランドから延設された配線(14d)と、配線を被覆するレジスト(16)と、を有するプリント基板(10)と、
スルーホールを挿通する柱部(52)と、柱部の一端に連結されるとともに表面上に配置された頭部(54)と、を有するねじ(50)と、
裏面側に突出する柱部に対応して形成されたねじ孔(42)を有し、且つ、ランドと接触する接触面(40a)を有して、プリント基板を支持するとともにランドと電気的に接続された金属部材(34)と、
を備え、
厚さ方向の投影視において、ランドの外周端は、接触面を囲む環状をなし、
ランドの外周端は、配線と連結された連結部(14m)と、配線と連結されていない非連結部(14n)と、を有し、
スルーホールの径方向において、スルーホールにおける裏面側の開口端(18b)と非連結部の少なくとも一部との最短距離は、開口端と連結部との最短距離よりも短くされている。
上記構成では、スルーホールの径方向において、スルーホールにおける裏面側の開口端と非連結部の少なくとも一部との最短距離は、開口端と連結部との最短距離よりも短くされている。これによれば、非接続領域のうちの金属部材と接触しない箇所の面積を小さくできる。したがって、金属部材からランドを介して絶縁基材に応力が作用して絶縁基材の一部が裏面側に移動する場合であっても、絶縁基材から非接続領域へ応力が作用し難い。そのため、ランドが剥離するのを抑制できる。
第1実施形態に係る電子装置の概略構成を示す断面図である。 図1に示す領域IIを拡大した拡大断面図である。 第2ケース部の詳細構造を示す平面図である。 ガラスクロスの詳細構造を示す平面図である。 ガラスクロスの詳細構造を示す断面図である。 ガラスクロスの詳細構造を示す断面図である。 表側貫通孔、ねじランド、及び、配線の詳細構造を示す平面図である。 裏側貫通孔、ケースランド、及び、配線の詳細構造を示す平面図である。 表側柔軟層の変形について説明するための断面図である。 裏側柔軟層の変形について説明するための断面図である。 第1変形例に係る電子装置において、表側貫通孔、ねじランド、及び、配線の詳細構造を示す平面図である。 第2変形例に係る電子装置において、表側貫通孔、ねじランド、及び、配線の詳細構造を示す平面図である。 第3変形例に係る電子装置において、表側貫通孔、ねじランド、及び、配線の詳細構造を示す平面図である。 第4変形例に係る電子装置において、プリント基板、ねじ、及び、第2ケース部の詳細構造を示す断面図である。 表側貫通孔、ねじランド、及び、配線の詳細構造を示す平面図である。 第2実施形態に係る電子装置において、プリント基板、ねじ、及び、第2ケース部の詳細構造を示す断面図である。 ねじランド、及び、配線の詳細構造を示す平面図である。 ケースランド、及び、配線の詳細構造を示す平面図である。 第5変形例に係る電子装置において、ねじランド、及び、配線の詳細構造を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。プリント基板の厚さ方向をZ方向、Z方向と直交する特定の方向をX方向、Z方向及びX方向の両方向と直交する方向をY方向と示す。X方向及びY方向により規定される平面をXY平面と示す。XY平面に沿う形状を平面形状と示す。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図8に基づき、電子装置100の概略構成について説明する。
図1に示すように、電子装置100は、プリント基板10と、電子部品20と、筐体30と、ねじ50と、を備えている。電子装置100としては、例えば、車両用のECUを採用することができる。
図2に示すように、プリント基板10は、絶縁基材12と、導体層14と、レジスト16と、を有している。プリント基板10は、略平板形状をなし、表面10aと、表面10aと反対の裏面10bと、を有している。表面10a及び裏面10bは、プリント基板10のZ方向における両端面であって、Z方向と直交する平面とされている。図3に示すように、プリント基板10の平面形状は、略矩形状をなしている。プリント基板10は、下記の第2ケース部34に支持されている。
絶縁基材12は、プリント基板10の電気絶縁層である。絶縁基材12は、表面12aと、表面12aと反対の裏面12bと、を有している。表面12aは、絶縁基材12における表面10a側の面である。一方、裏面12bは、絶縁基材12における裏面10b側の面である。絶縁基材12は、コア層12cと、コア層12cよりも柔軟性に優れた表側柔軟層12dと、コア層12cよりも柔軟性に優れた裏側柔軟層12eと、を有している。
コア層12c、表側柔軟層12d、及び裏側柔軟層12eは、Z方向に積層されている。コア層12cに対して表面10a側に表側柔軟層12dが配置され、コア層12cに対して裏面10b側に裏側柔軟層12eが配置されている。すなわち、コア層12cは、柔軟層12d,12eに挟まれている。表側柔軟層12dにおけるコア層12cと反対の面は、表面12aをなしている。裏側柔軟層12eにおけるコア層12cと反対のは、裏面12bをなしている。
コア層12cの形成材料としては、例えば、ピール強度が0.9N/mmより大きい樹脂材料、引張弾性率が10GPaより大きい樹脂材料を採用することができる。柔軟層12d,12eの形成材料としては、例えば、ピール強度が0.9N/mm以下の樹脂材料、引張弾性率が10GPa以下の樹脂材料を採用することができる。コア層12c、表側柔軟層12d、及び裏側柔軟層12eは、樹脂12fと、樹脂12fに含浸されたガラスクロス12gと、を有している。
図4〜図6に示すように、ガラスクロス12gは、X方向に延びる複数の第1ヤーン12hと、Y方向に延びる複数の第2ヤーン12iと、を有している。第1ヤーン12h及び第2ヤーン12iは、互いに織り込まれている。言い換えると、第1ヤーン12h及び第2ヤーン12iは、互いに編み込まれている。
第1ヤーン12h及び第2ヤーン12iは、複数のガラス繊維12jが束にされたものである。ガラス繊維12jは、フィラメントと称することもできる。X方向は、特許請求の範囲に記載の第1方向に相当する。Y方向は、特許請求の範囲に記載の第2方向に相当する。各ヤーン12h,12iは、縦ヤーン又は横ヤーンと称することもできる。
ガラスクロス12gは、XY平面における絶縁基材12の全体に形成されている。よって、ガラスクロス12gは、スルーホール18の周囲にも形成されている。すなわち、第1ヤーン12h及び第2ヤーン12iは、スルーホール18を囲んでいる。
各ヤーン12h,12iは、Z方向の位置が周期的に変化する略波状をなしている。以下、第1ヤーン12hの1周期を、繊維間隔L1と示す。また、第2ヤーン12iの1周期を、繊維間隔L2と示す。さらに、各ヤーン12h,12iにおいて、Z方向の位置が最も表面12aに近くなる部分、及び、Z方向の位置が最も裏面12bに近くなる部分を、腹と示す。図5では、第1ヤーン12hの腹を白抜き矢印で示している。図6では、第2ヤーン12iの腹を白抜き矢印で示している。繊維間隔L1は、X方向において、第1ヤーン12hにおける表面10a側の腹同士の間隔、及び、裏面10b側の腹同士の間隔である。繊維間隔L2は、Y方向において、第2ヤーン12iにおける表面10a側の腹同士の間隔、及び、裏面10b側の腹同士の間隔である。
例えば、表側柔軟層12dでは、繊維間隔L1及び繊維間隔L2が裏側柔軟層12eと等しくされている。また、表側柔軟層12dの繊維間隔L1が裏側柔軟層12eの繊維間隔L2と等しくされるとともに、表側柔軟層12dの繊維間隔L2が裏側柔軟層12eの繊維間隔L1と等しくされた例を採用することもできる。
図2に示すように、導体層14は、内層14aと表層14bとを有している。導体層14は、銅等の金属材料を用いて形成されている。内層14aは、コア層12cと表側柔軟層12dとの間、及び、コア層12cと裏側柔軟層12eとの間に形成されている。詳しく言うと、内層14aは、コア層12cと表側柔軟層12dとの間、及び、コア層12cと裏側柔軟層12eとの間における一部にのみ形成されている。言い換えると、Z方向の投影視において、絶縁基材12は、内層14aと重なる部分と、内層14aと重ならない部分と、を有している。
表層14bは、表面12a上及び裏面12b上に形成されている。詳しく言うと、表層14bは、表面12a上の一部、及び、裏面12b上の一部にのみ形成されている。言い換えると、Z方向の投影視において、絶縁基材12は、表層14bと重なる部分と、表層14bと重ならない部分と、を有している。なお、表層14bは、例えば図示しない接続ビアを介して、内層14aと接続されている。
レジスト16は、表層14b同士が短絡するのを抑制するため、及び、プリント基板10を保護するための部材である。レジスト16は、樹脂材料を用いて形成されている。レジスト16は、表層14bの一部を被覆している。また、表面12a及び裏面12bにおいて表層14bが形成されない部分にも、レジスト16が形成されている。レジスト16は、プリント基板10の表面10a及び裏面10bをなしている。
表層14bは、一部がレジスト16から露出している。言い換えると、表層14bの一部には、レジスト16が形成されていない。これにより、表層14bの一部は、表面10a及び裏面10bをなしている。以上によれば、表層14bは、レジスト16から露出したランド14cと、レジスト16に被覆された配線14dと、を有している。
ランド14cは、プリント基板10の電極である。ランド14cは、電子部品20と電気的に接続された部品ランド14eと、ねじ50と電気的に接続されたねじランド14fと、第2ケース部34と電気的に接続されたケースランド14gと、を有している。部品ランド14eは、電子部品20とはんだ接合されている。部品ランド14eは、表面12a上及び裏面12b上に複数形成され、表面10a及び裏面10bをなしている。部品ランド14eは、特許請求の範囲に記載の電極に相当する。
ねじランド14fは、表面12a上に形成されている。よって、ねじランド14fは、表面10aをなしている。ねじランド14fは、ねじ50と接触している。ケースランド14gは、裏面12b上に形成されている。よって、ケースランド14gは、裏面10bをなしている。ケースランド14gは、第2ケース部34と接触している。
絶縁基材12は、表面12aから裏面12bにわたって形成されたスルーホール18を有している。スルーホール18は、絶縁基材12をZ方向に貫通する貫通孔である。また、スルーホール18は、プリント基板10をZ方向に貫通している。よって、スルーホール18は、表面10aから裏面10bにわたって形成されている。スルーホール18は、プリント基板10を第2ケース部34に固定するために形成されている。本実施形態において、スルーホール18の平面形状は、略真円形状とされている。XY平面において、スルーホール18は、プリント基板10の四隅に形成されている。
図7に示すように、ねじランド14fは、表面12a上においてスルーホール18の周縁部に形成されている。言い換えると、ねじランド14fは、スルーホール18における表面10a側の開口を囲む環状をなしている。詳しく言うと、ねじランド14fの内周端は、スルーホール18の壁面をなし、平面形状が略真円形状とされている。ねじランド14fの外周端は、略真円形状をなしている。ねじランド14fは、Z方向に貫通する表側貫通孔14hを有している。図7では、表側貫通孔14hの平面形状を明確にするために、表側貫通孔14hが形成された部分にハッチングを施している。表側貫通孔14hについては、下記で詳細に説明する。
配線14dは、表面12a上に形成され、Z方向と直交する方向においてねじランド14fから延設されている。配線14dに対して表側柔軟層12dと反対側にレジスト16が形成されている。なお、図7では、配線14dの平面形状を明確にするために、配線14dにハッチングを施している。ねじランド14fから延設される配線14dの幅L3は、ねじランド14fの外周端の平面形状に応じて決定される。本実施形態では、XY平面において、幅L4が、ねじランド14fの外周端の直径とほぼ等しくされている。なお、幅L3は、ねじランド14fから延設される配線14dの延設方向及びZ方向の両方向と直交する方向における配線14dの幅である。
図8に示すように、ケースランド14gは、裏面12b上においてスルーホール18の周縁部に形成されている。言い換えると、ケースランド14gは、スルーホール18における裏面10b側の開口を囲む環状をなしている。詳しく言うと、ケースランド14gの内周端は、スルーホール18の壁面をなし、平面形状が略真円形状とされている。ケースランド14gの外周端は、略真円形状をなしている。ケースランド14gは、Z方向に貫通する裏側貫通孔14iを有している。図8では、裏側貫通孔14iの平面形状を明確にするために、裏側貫通孔14iが形成された部分にハッチングを施している。裏側貫通孔14iについては、下記で詳細に説明する。
配線14dは、裏面12b上にも形成され、Z方向と直交する方向においてケースランド14gから延設されている。配線14dに対して裏側柔軟層12eと反対側にレジスト16が形成されている。なお、図8では、配線14dの平面形状を明確にするために、配線14dにハッチングを施している。ケースランド14gから延設される配線14dの幅L4は、ケースランド14gの外周端の平面形状に応じて決定される。本実施形態では、XY平面において、幅L4が、ケースランド14gの外周端の直径とほぼ等しくされている。なお、幅L4は、ケースランド14gから延設される配線14dの延設方向及びZ方向の両方向と直交する方向における配線14dの幅である。
各ランド14f,14gは、配線14dと接続された接続領域14jと、配線14dと接続されていない非接続領域14kと、を有している。図7及び図8では、接続領域14jと、非接続領域14kと、の境界線を二点鎖線で示している。この境界線は、スルーホール18の中心Oを通り、配線14dが各ランド14f,14gから延設された方向と直交している。
接続領域14jは、各ランド14f,14gにおいて、境界線よりも配線14d側の部分である。言い換えると、接続領域14jは、各ランド14f,14gにおいて、配線14dとスルーホール18との間の領域である。非接続領域14kは、各ランド14f,14gにおいて、境界線に対して配線14dと反対側の部分である。言い換えると、接続領域14jは、各ランド14f,14gにおいて、接続領域14jを除く領域である。
電子部品20は、導体層14とともに電子回路を形成している。電子部品20としては、例えば、ダイオード、コイル、コンデンサ、抵抗、マイコン、ASICを採用することができる。電子部品20は、表面10a及び裏面10bに実装されている。詳しく言うと、電子部品20は、表面12a及び裏面12b上に形成された部品ランド14eに対してはんだ接合されている。電子部品20の実装構造は、特に限定されない。電子部品20の実装構造としては、表面実装及び挿入実装のどちらでもよい。
筐体30は、プリント基板10と、電子部品20と、ねじ50と、を収容する。すなわち、筐体30は、電子装置100における他の部材を収容する。筐体30は、第1ケース部32と第2ケース部34とを有している。第1ケース部32は、Z方向における一方側の一面が開口する箱状をなしている。第2ケース部34は、プリント基板10に対して裏面10b上に接触配置されるとともに、第1ケース部32の開口を閉塞している。第1ケース部32及び第2ケース部34により、他の部材を収容する内部空間36が形成されている。
第1ケース部32及び第2ケース部34は、図示しない箇所でねじ締結等により互いに固定されている。第1ケース部32の構成材料は、特に限定されない。例えば、第1ケース部32が、金属材料、樹脂材料を用いて形成された例を採用することができる。
第2ケース部34は、アルミニウム等の金属材料を用いて形成されている。第2ケース部34には、プリント基板10が配置されている。言い換えると、第2ケース部34は、プリント基板10を支持している。よって、第2ケース部34は、プリント基板10を支持する支持部材として機能するとともに、プリント基板10を収容する筐体30の一部としても機能する。第2ケース部34は、特許請求の範囲に記載の金属部材に相当する。
本実施形態において、第2ケース部34は、裏面10bに対向配置された基部38と、基部38から裏面10b側へ突出する突出部40と、を有している。基部38は、厚さ方向がZ方向に沿う略平板形状をなし、裏面10bとの対向面38aを有している。本実施形態において、基部38の平面形状は、略矩形状とされている。
突出部40には、プリント基板10が配置されている。本実施形態において、突出部40は、対向面38aからZ方向に突出している。突出部40は、Z方向の投影視において、プリント基板10と重なる位置に形成されている。詳しく言うと、突出部40は、スルーホール18と重なる位置に形成されている。本実施形態では、突出部40の平面形状が、略真円状とされている。なお、突出部40の平面形状が略矩形形状とされた例を採用することもできる。
突出部40は、裏面10bと接触する接触面40aを有している。詳しく言うと、接触面40aは、ケースランド14gと接触している。接触面40aは、突出部40の突出先端面である。本実施形態において、接触面40aは、Z方向と直交する平面とされている。突出部40により、Z方向における基部38とプリント基板10との間に、空間が形成されている。この空間に、裏面10bに実装された電子部品20が配置されている。
突出部40には、ねじ50と締結されるねじ孔42が形成されている。ねじ孔42は、接触面40aから所定深さを有してZ方向に凹んで形成され、壁面がねじ切りされている。ねじ孔42は、ねじ50による固定状態において、スルーホール18と連通する。言い換えると、ねじ孔42は、Z方向の投影視において、スルーホール18と重なるように形成されている。本実施形態において、ねじ孔42の最大径は、スルーホール18の径よりも小さくされている。Z方向の投影視において、ねじ孔42の中心は、スルーホール18の中心Oと、ほぼ一致している。
図8では、接触面40aの外周端を破線で示している。Z方向の投影視において、ケースランド14gの外周端は、接触面40aの外周端を囲んでいる。これにより、接触面40aは、ケースランド14gと接触し、レジスト16と接触していない。
突出部40がケースランド14gと接触することにより、プリント基板10が第2ケース部34と電気的に接続される。第2ケース部34は、プリント基板10に対して基準電位を与えるグランドとされている。配線14dからの電流は、ケースランド14gを介して、第2ケース部34に流れる。
ねじ50は、プリント基板10を第2ケース部34に固定するための固定部材である。プリント基板10は、第2ケース部34に対してねじ締結されている。ねじ50は、締結部材と称することもできる。
本実施形態では、ねじ50が、柱部52と、頭部54と、平座金58と、ばね座金56と、を有している。ねじ50は、金属材料を用いて形成されている。柱部52は、Z方向に延設された略柱状の部材であって、スルーホール18及びねじ孔42に配置されている。柱部52の平面形状は、略真円形状とされている。柱部52の径は、スルーホール18の径よりも小さくされている。柱部52の外周面とスルーホール18の壁面とは、接触していない。
柱部52におけるZ方向の一端は、頭部54と連結されている。柱部52における頭部54と連結された一端と反対の他端から所定距離までの部分は、ねじ孔42と締結可能に外周面がねじ切りされている。ねじ孔42は、裏面12b側に突出する柱部52に対応して形成され、柱部52と締結している。柱部52がねじ孔42と締結することで、ねじ50が第2ケース部34と機械的に接続されるとともに電気的に接続される。
頭部54は、柱部52からZ方向と直交する方向に延設され、平座金58及びばね座金56を介して表面10a上に配置されている。Z方向の投影視において、頭部54は、スルーホール18よりも大きくされている。そのため、Z方向の投影視において、頭部54は、スルーホール18の全体と重なるとともに、ねじランド14fの一部とも重なっている。Z方向の投影視において、柱部52の中心は、頭部54の中心と、ほぼ一致している。
頭部54と、ねじランド14fと、の間には、ばね座金56及び平座金58が配置されている。ばね座金56及び平座金58は、略リング形状をなし、柱部52が挿通する貫通孔を有している。Z方向の投影視において、ばね座金56及び平座金58の外周端は、頭部54の外周端とほぼ等しい大きさとされている。また、ばね座金56及び平座金58の外周端が頭部54の外周端と重なるように、ばね座金56及び平座金58が配置されている。
ばね座金56は、頭部54及び平座金58と接触している。ばね座金56は、Z方向の大きさが可変とされている。温度変化によりプリント基板10がZ方向に小さくなる場合、ばね座金56はZ方向に大きくなる。これによれば、温度変化した場合であっても、ねじ50からプリント基板10に作用する応力が小さくなるのを抑制することができる。すなわち、温度変化した場合であっても、プリント基板10を第2ケース部34に固定するための応力が小さくなるのを抑制することができる。
平座金58は、ばね座金56に対してねじランド14f側に配置され、ねじランド14fと接触している。すなわち、平座金58は、ねじランド14fとの接触面58aを有している。接触面58aは、特許請求の範囲に記載の接触部分に相当する。図7では、接触面58aの外周端を破線で示している。Z方向の投影視において、ねじランド14fの外周端は、接触面58aの外周端を囲んでいる。これにより、接触面58a全体が、ねじランド14fと接触し、レジスト16と接触していない。
平座金58がねじランド14fと接触することにより、プリント基板10がねじ50と電気的に接続される。これにより、プリント基板10がねじ50を介して第2ケース部34と電気的に接続される。配線14dからの電流は、ねじランド14f及びねじ50を介して、第2ケース部34に流れる。
次に、図2、図7、及び、図8に基づき、表側貫通孔14h及び裏側貫通孔14iの詳細構造について説明する。
図2に示すように、ランド14f,14gにおいて貫通孔14h,14iが囲む空間には、ランド14f,14g以外の部材が配置されていない。すなわち、貫通孔14h,14iは、空洞とされている。
図7に示すように、ねじランド14fは、2つの表側貫通孔14hを有している。表側貫通孔14hは、ねじランド14fが取り除かれた部分である。言い換えると、表側貫通孔14hは、ねじランド14fが除去された部分である。
表側貫通孔14hは、スルーホール18の径方向において、接触面58aよりもスルーホール18から離れた位置に形成されている。言い換えると、表側貫通孔14hは、スルーホール18の径方向において、接触面58aに対してスルーホール18と反対側に形成されている。スルーホール18の径方向とは、Z方向の投影視において、スルーホール18の中心Oから、スルーホール18の外周端へ向かう方向である。径方向は、放射方向と称することもできる。以上により、Z方向の投影視において、表側貫通孔14hは、平座金58と重なっていない。
一方の表側貫通孔14hは、スルーホール18に対してX方向側に形成されている。詳しく言うと、Z方向の投影視において、表側貫通孔14hにおける少なくとも一部は、スルーホール18の中心Oに対してX方向側に形成されている。
他方の表側貫通孔14hは、スルーホール18に対してY方向側に形成されている。詳しく言うと、Z方向の投影視において、表側貫通孔14hにおける少なくとも一部は、スルーホール18の中心Oに対してY方向側に形成されている。
表側貫通孔14hは、ねじランド14fにおいて非接続領域14kに形成されている。言い換えると、表側貫通孔14hは、ねじランド14fにおいて、配線14dとスルーホール18との間の領域に形成されていない。そのため、ねじランド14fから配線14dが延設される方向は、スルーホール18の中心Oから表側貫通孔14hへ向かう方向と異なっている。
各表側貫通孔14hの平面形状は、各辺がX方向又はY方向に沿う略矩形状とされている。表側貫通孔14hの平面形状の角は、丸くされている。これにより、ねじランド14fでは、表側貫通孔14hの角をなす部分に対して応力が集中するのを抑制することができる。
表側貫通孔14hにおけるX方向の幅L5は、表側柔軟層12dに形成された第1ヤーン12hの繊維間隔L1以上とされている。また、表側貫通孔14hにおけるY方向の幅L6は、表側柔軟層12dに形成された第2ヤーン12iの繊維間隔L2以上とされている。
図8に示すように、ケースランド14gには、2つの裏側貫通孔14iが形成されている。裏側貫通孔14iは、ケースランド14gが取り除かれた部分である。言い換えると、裏側貫通孔14iは、ケースランド14gが除去された部分である。
裏側貫通孔14iは、スルーホール18の径方向において、接触面40aよりもスルーホール18から離れた位置に形成されている。言い換えると、裏側貫通孔14iは、スルーホール18の径方向において、接触面40aに対してスルーホール18と反対側に形成されている。以上により、Z方向の投影視において、裏側貫通孔14iは、平座金58と重なっていない。
一方の裏側貫通孔14iは、スルーホール18に対してX方向側に形成されている。詳しく言うと、Z方向の投影視において、裏側貫通孔14iにおける少なくとも一部は、スルーホール18に対してX方向側に形成されている。
他方の裏側貫通孔14iは、スルーホール18に対してY方向側に形成されている。詳しく言うと、Z方向の投影視において、裏側貫通孔14iにおける少なくとも一部は、スルーホール18に対してY方向側に形成されている。
裏側貫通孔14iは、ケースランド14gにおいて非接続領域14kに形成されている。言い換えると、裏側貫通孔14iは、ケースランド14gにおいて、配線14dとスルーホール18との間の領域に形成されていない。そのため、ケースランド14gから配線14dが延設される方向は、スルーホール18の中心Oから裏側貫通孔14iへ向かう方向と異なっている。
裏側貫通孔14iの平面形状は、各辺がX方向又はY方向に沿う略矩形状とされている。裏側貫通孔14iの平面形状の角は、丸くされている。これにより、ケースランド14gでは、裏側貫通孔14iの角をなす部分に対して応力が集中するのを抑制することができる。
裏側貫通孔14iにおけるX方向の幅L7は、裏側柔軟層12eに形成された第1ヤーン12hの繊維間隔L1以上とされている。また、裏側貫通孔14iにおけるY方向の幅L8は、裏側柔軟層12eに形成された第2ヤーン12iの繊維間隔L2以上とされている。
次に、図9及び図10に基づき、プリント基板10が変形した場合における絶縁基材12の変形について説明する。
周囲温度の変化等により、電子装置100の温度が上昇することがある。樹脂12fは、温度が上昇すると軟化する。そのため、プリント基板10は、温度が上昇すると、ねじ50及び第2ケース部34からの応力により変形する虞がある。高温の状態が長時間続くと、プリント基板10の変形は大きくなる。
表側柔軟層12dは、柔軟性に優れており、図9に示すように、ねじ50からの応力により変形し易い。表側柔軟層12dにおいて平座金58及びコア層12cに挟まれた部分は、ねじ50からの応力により、厚さが薄くなるように変形する。よって、表側柔軟層12dの一部は、Z方向と直交する方向に移動する。
表側柔軟層12dの変形は、ガラスクロス12gにより伝達される。そのため、表側柔軟層12dは、第1ヤーン12hが延びるX方向、及び、第2ヤーン12iが延びるY方向に変形し易い。表側柔軟層12dにおいて平座金58及びコア層12cに挟まれた部分は、X方向及びY方向に沿う方向であって、スルーホール18に近づく方向及びスルーホール18と離れる方向に移動しようとする。
しかしながら、表側柔軟層12dにおいて、平座金58及びコア層12cにより挟まれる部分は、それよりもスルーホール18から離れた部分により、スルーホール18と離れる方向に移動できない。そのため、表側柔軟層12dにおいて、スルーホール18と離れる方向に移動しようとする部分は、表面10a側に移動する。
表側柔軟層12dでは、各ヤーン12h,12iにおける表面10a側の腹が、表面10a側に移動し易い。言い換えると、プリント基板10では、Z方向の投影視において各ヤーン12h,12iにおける表面10a側の腹と重なる部分が、表面10a側に移動し易い。表側貫通孔14hは、Z方向の投影視において、表側柔軟層12dにおける各ヤーン12h,12iの表面10a側の腹と重なる位置に形成されている。
表側柔軟層12dの一部は、表側貫通孔14h側へ移動する。言い換えると、表側柔軟層12dの一部は、表側貫通孔14h側へ突出する。さらに言い換えると、表側柔軟層12dの一部は、ねじランド14fの形成されていない空間へ向かって移動する。
裏側柔軟層12eは、柔軟性に優れており、図10に示すように、第2ケース部34からの応力により変形し易い。裏側柔軟層12eにおいて突出部40及びコア層12cに挟まれた部分は、第2ケース部34からの応力により、厚さが薄くなるように変形する。よって、裏側柔軟層12eの一部は、Z方向と直交する方向に移動する。
裏側柔軟層12eにおいて突出部40及びコア層12cに挟まれた部分は、X方向及びY方向に沿う方向であって、スルーホール18に近づく方向及びスルーホール18と離れる方向に移動する。しかしながら、裏側柔軟層12eにおいて、突出部40及びコア層12cにより挟まれる部分は、それよりもスルーホール18から離れた部分により、スルーホール18と離れる方向に移動できない。そのため、裏側柔軟層12eにおいて、スルーホール18と離れる方向に移動しようとする部分は、裏面10b側に移動する。
裏側柔軟層12eでは、各ヤーン12h,12iにおける裏面10b側の腹が、裏面10b側に移動し易い。裏側貫通孔14iは、Z方向の投影視において、裏側柔軟層12eにおける各ヤーン12h,12iの裏面10b側の腹と重なる位置に形成されている。裏側柔軟層12eの一部は、裏側貫通孔14i側へ移動する。
次に、上記した電子装置100の効果について説明する。
本実施形態では、Z方向の投影視において、ねじランド14fの外周端が、接触面58aを囲んでいる。そのため、配線14dの幅L3を広くし易い。これによれば、ねじ50及びプリント基板10間の電流が小さくなるのを抑制することができる。したがって、プリント基板10及び第2ケース部34間の電流が小さくなるのを抑制することができる。よって、プリント基板10の基準電位を安定させ易い。
ところで、レジスト16及びねじランド14fでは、厚さの違いによって、Z方向における表面10aの位置が互いに異なる場合がある。この場合、ねじランド14f及びレジスト16の両方とねじ50が接触する構成では、ねじ50とねじランド14fとの間に隙間が生じる虞がある。これに対し、本実施形態では、ねじランド14fの外周端が接触面58aを囲む構成により、ねじ50が、ケースランド14gと接触し、レジスト16と接触していない。これによれば、レジスト16及びねじランド14fで表面10aの位置が互いに異なっていても、ねじ50とねじランド14fとの間に隙間が生じるのを抑制することができる。したがって、ねじ50及びねじランド14fに導通不良が生じるのを抑制することができる。
本実施形態において、ねじランド14fは表側貫通孔14hを有している。これによれば、ねじランド14fを介してねじ50から表側柔軟層12dに応力が作用した場合、表側柔軟層12dの一部は、ねじランド14fに応力を作用させることなく、表側貫通孔14h側へ移動する。そのため、表側柔軟層12dからねじランド14fに応力が作用するのを抑制することができる。したがって、ねじランド14fが剥離するのを抑制することができる。
本実施形態では、Z方向の投影視において、ケースランド14gの外周端が、接触面40aを囲んでいる。そのため、配線14dの幅L4が狭くなるのを抑制することができる。また、第2ケース部34とケースランド14gに導通不良が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態において、ケースランド14gは、裏側貫通孔14iを有している。これによれば、ケースランド14gを介して第2ケース部34から裏側柔軟層12eに応力が作用した場合、裏側柔軟層12eの一部は、ケースランド14gに応力を作用させることなく、裏側貫通孔14i側へ移動する。そのため、裏側貫通孔14iからケースランド14gに応力が作用するのを抑制することができる。したがって、ケースランド14gが剥離するのを抑制することができる。
ところで、電子部品20と部品ランド14eとを接合するはんだには、使用環境の温度変化により、電子部品20とプリント基板10との線膨張係数差に応じた熱応力が作用する。本実施形態において、電子部品20とはんだ接合された部品ランド14eは、柔軟層12d,12eに形成されている。柔軟層12d,12eは、コア層12cに較べて電子部品20の変形に応じて変形し易く、はんだに作用する応力を緩和することができる。よって、はんだ寿命を長くすることができる。
絶縁基材12の移動は、ガラスクロス12gの変形により伝達される。第1ヤーン12hがX方向に延びるとともに第2ヤーン12iがY方向に延びる本実施形態では、ねじ50及び第2ケース部34からの応力により絶縁基材12がX方向及びY方向の少なくとも一方の方向に移動し易い。そのため、ランド14f,14gでは、スルーホール18に対してX方向側及びY方向側の少なくとも一方の部分が剥離し易い。これに対して本実施形態の貫通孔14h,14iは、スルーホール18に対してX方向側及びY方向側に形成されている。したがって、ランド14f,14gが剥離し易い部分に、貫通孔14h,14iが形成されている。よって、ランド14f,14gが剥離するのを効果的に抑制することができる。
本実施形態において、表側貫通孔14hにおけるX方向の幅L5は、表側柔軟層12dにおける第1ヤーン12hの繊維間隔L1以上とされている。これによれば、第1方向において、表側貫通孔14hは、表側柔軟層12dの第1ヤーン12hにおける表面10a側の腹の少なくとも1つと同じ位置に形成されている。また、表側貫通孔14hにおけるY方向の幅L6は、表側柔軟層12dにおける第2ヤーン12iの繊維間隔L2以上とされている。これにより、第2方向において、表側貫通孔14hは、表側柔軟層12dの第2ヤーン12iにおける表面10a側の腹の少なくとも1つと同じ位置に形成されている。
以上によれば、Z方向の投影視において、表側貫通孔14hは、第1ヤーン12hにおける表面10a側の腹の少なくとも1つ、及び、第2ヤーン12iにおける表面10a側の腹の少なくとも1つと重なっている。したがって、ねじランド14fが剥離し易い部分に、表側貫通孔14hが形成されている。よって、ねじランド14fが剥離するのを効果的に抑制することができる。
本実施形態において、裏側貫通孔14iにおけるX方向の幅L7は、裏側柔軟層12eにおける第1ヤーン12hの繊維間隔L1以上とされている。これによれば、第1方向において、裏側貫通孔14iは、裏側柔軟層12eの第1ヤーン12hにおける裏面10b側の腹の少なくとも1つと同じ位置に形成されている。また、裏側貫通孔14iにおけるY方向の幅L8は、裏側柔軟層12eにおける第2ヤーン12iの繊維間隔L2以上とされている。これにより、第2方向において、裏側貫通孔14iは、裏側柔軟層12eの第2ヤーン12iにおける裏面10b側の腹の少なくとも1つと同じ位置に形成されている。
以上によれば、Z方向の投影視において、裏側貫通孔14iは、第1ヤーン12hにおける裏面10b側の腹の少なくとも1つ、及び、第2ヤーン12iにおける裏面10b側の腹の少なくとも1つと重なっている。したがって、ケースランド14gが剥離し易い部分に、裏側貫通孔14iが形成されている。よって、ケースランド14gが剥離するのを効果的に抑制することができる。
ランド14f,14gにおいて接続領域14jは、配線14dとの連結により、非接続領域14kに較べて剥離し難い。言い換えると、非接続領域14kは、配線14dと連結されておらず、接続領域14jに較べて剥離し易い。これに対し本実施形態では、貫通孔14h,14iが非接続領域14kに形成されている。したがって、貫通孔14h,14iは、ランド14f,14gが剥離し易い部分に形成されている。よって、ランド14f,14gが剥離するのを効果的に抑制することができる。
本実施形態では、貫通孔14h,14iの数を2つとする例を示したが、これに限定するものではない。図11に示す第1変形例のように、表側貫通孔14hの数が4つであってもよい。Z方向の投影視において、接触面58aに対してX方向の両側及びY方向の両側に形成されている。接触面58aは、X方向において2つの表側貫通孔14hに挟まれるとともに、Y方向において2つの表側貫通孔14hに挟まれている。表側貫通孔14hの平面形状の面積が大きいほど、ねじランド14fが剥離し難い。裏側貫通孔14iの数は、表側貫通孔14hと同様に、4つであってもよい。なお、裏側貫通孔14iの数は、表側貫通孔14hの数と異なっていてもよい。
また、本実施形態では、貫通孔14h,14iの平面形状が、略矩形状とされた例を示したが、これに限定するものではない。図12に示す第2変形例、及び、図13に示す第3変形例のように、表側貫通孔14hの平面形状は、扇形状をなしていてもよい。
第2変形例及び第3変形例において、表側貫通孔14hの平面形状は、外周端として、2つの円弧と、2つの円弧の一端同士を結ぶ直線と、2つの円弧の他端同士を結ぶ直線と、を有している。表側貫通孔14hの外周端における2つの円弧は、中心Oを中心とする円の一部をなす曲面形状とされている。表側貫通孔14hの外周端における2つの円弧では、スルーホール18の径方向における中心Oとの最短距離が互いに異なっている。
第2変形例では、接触面58aのX方向側に1つの表側貫通孔14hが形成され、接触面58aのY方向側に1つの表側貫通孔14hが形成されている。各表側貫通孔14hでは、スルーホール18の径方向の幅が、外周端をなす一方の直線から他方の直線までの間で、ほぼ均一とされている。
以下、スルーホール18のX方向側に形成された表側貫通孔14hにおけるスルーホール18の径方向の幅を、幅L9と示す。また、スルーホール18のY方向側に形成された表側貫通孔14hにおけるスルーホール18の径方向の幅を、幅L10と示す。幅L9は、第1ヤーン12hの繊維間隔L1以上とされている。幅L10は、第2ヤーン12iの繊維間隔L2以上とされている。
第3変形例では、1つの表側貫通孔14hが形成されている。第3変形例の表側貫通孔14hでは、第2変形例と同様に、スルーホール18の径方向の幅が、外周端をなす一方の直線から他方の直線までの間で、ほぼ均一とされている。以下、第3変形例の表側貫通孔14hにおけるスルーホール18の径方向の幅を、幅L11と示す。幅L11は、第1ヤーン12hの繊維間隔L1以上、且つ、第2ヤーン12iの繊維間隔L2以上とされている。なお、表側貫通孔14hでは、外周端をなす一方の直線から他方の直線までの間でスルーホール18の径方向の幅が均一ではない例を採用することもできる。
裏側貫通孔14iの平面形状は、表側貫通孔14hの平面形状と異なっていてもよい。また、本実施形態では、貫通孔14h,14iがスルーホール18に対してX方向側及びY方向側に形成された例を示したが、これに限定するものではない。
また、本実施形態において、貫通孔14h,14iは空洞とされた例を示したが、これに限定するものではない。図14及び図15に示す第4変形例のように、貫通孔14h,14iが囲む空間にレジスト16が配置されていてもよい。
また、本実施形態において、ねじランド14fが表側貫通孔14hを有するとともに、ケースランド14gが裏側貫通孔14iを有する例を示したが、これに限定するものではない。ねじランド14fが表側貫通孔14hを有し、ケースランド14gが裏側貫通孔14iを有さない例を採用することもできる。また、ケースランド14gが裏側貫通孔14iを有し、ねじランド14fが表側貫通孔14hを有さない例を採用することもできる。
(第2実施形態)
本実施形態において、第1実施形態に示した電子装置100と共通する部分についての説明は割愛する。
本実施形態では、図16及び図17に示すように、ねじランド14fに表側貫通孔14hが形成されていない。また、図16及び図18に示すように、ケースランド14gには、裏側貫通孔14iが形成されていない。
図17及び図18に示すように、ランド14f,14gの外周端は、配線14dと連結された連結部14mと、配線14dと連結されていない非連結部14nと、を有している。以下、スルーホール18の開口端と連結部14mとによって囲まれた領域を接続領域14jと示す。また、スルーホール18の開口端と非連結部14nとによって囲まれた領域を非接続領域14kと示す。図17及び図18では、接続領域14jと非接続領域14kとの境界線を二点鎖線で示している。また、スルーホール18における表面10a側の開口端を表側開口端18aと示す。そして、スルーホール18における裏面10b側の開口端を裏側開口端18bと示す。
表面10aにおいて連結部14mは、ねじランド14fと配線14dとの境界線をなしている。連結部14mは、スルーホール18の径方向において、接触面58aよりもスルーホール18から離れた位置に形成されている。
ねじランド14fの接続領域14jの平面形状は、扇形状をなしている。表面10aにおいて、連結部14mは、中心Oを中心とする円の一部をなす曲面形状とされている。表面10aにおいて、連結部14m及び非連結部14nの交点の夫々と中心Oとを結ぶ直線は、接続領域14j及び非接続領域14kの境界線をなしている。連結部14m及び非連結部14nの交点は、連結部14mの両端部である。
表面10aにおいて接続領域14jは、連結部14m、表側開口端18aの一部、及び、接続領域14jと非接続領域14kとの境界線によって囲まれる領域である。表面10aにおいて接続領域14jは、スルーホール18の開口端と配線14dとの間の領域である、と言い換えることもできる。
ねじランド14fの接続領域14jでは、平座金58と接触する箇所と、平座金58と接触しない箇所と、を有している。ねじランド14fの接続領域14jにおいて、平座金58と接触しない箇所は、平座金58と接触する箇所と、配線14dと、の間に形成されている。
ねじランド14fの非接続領域14kは、扇部14pと、2つの中間部14qと、を有している。扇部14pの平面形状は、扇形状をなしている。表面10aにおいて扇部14pは、平座金58と接触している。
Z方向の投影視において扇部14pは、接触面58aの外周端及び表側開口端18aによって囲まれる領域のうちの、接続領域14jに含まれる部分以外の領域である。すなわち、Z方向の投影視において、接触面58aの外周端及び表側開口端18aによって囲まれる領域のうちの、接続領域14jと非接続領域14kとの境界線から配線14dと反対側の領域が扇部14pである。
各中間部14qは、扇部14pと接続領域14jとの間に形成されている。各中間部14qは、扇部14p及び接続領域14jと連結されている。扇部14pと接続領域14jとの境界に角が形成されないように、中間部14qが設けられている。すなわち、ねじランド14fに中間部14qが設けられていることで、ねじランド14fにおいて特定の箇所に応力が集中するのを抑制できる。中間部14qは、平座金58と接触していない。Z方向の投影視において、連結部14mと非連結部14nとの交点の夫々から接触面58aの外周端に引かれた接線、接続領域14jと非接続領域14kとの境界線、及び、接触面58aの外周端によって囲まれる領域に、中間部14qが形成されている。
図17では、ねじランド14fの外周端が、Z方向の投影視において、接触面58aを囲んでおり、且つ、真円形状をなす構成とされた比較例について、ねじランド14fの外周端を一点鎖線で示している。本実施形態のねじランド14fは、比較例のねじランド14fに対して、表側開口端18aにおける配線14dと反対側の一部が除去された形状をなしている。言い換えると、本実施形態のねじランド14fは、比較例のねじランド14fに対して、表側開口端18aと配線14dとの間の領域以外の範囲の一部が除去された形状をなしている。
本実施形態では、表面10aにおいて、ねじランド14fの周囲にレジスト16が形成されている。すなわち、表面10aにおいてねじランド14fの周囲では、絶縁基材12がレジスト16から露出していない。しかしながら、表面10aにおけるねじランド14fの周囲において、絶縁基材12がレジスト16から露出している例を採用することもできる。
ねじランド14fでは、スルーホール18の径方向において、表側開口端18aと非連結部14nの少なくとも一部との最短距離が、表側開口端18aと連結部14mとの最短距離よりも短くされている。言い換えると、ねじランド14fでは、スルーホール18の径方向において、中心Oと非連結部14nの少なくとも一部との最短距離が、中心Oと連結部14mとの最短距離よりも短くされている。
好ましくは、ねじランド14fの非連結部14nのうちのスルーホール18に対してX方向側に形成された部分は、連結部14mよりも、スルーホール18の径方向において表側開口端18aとの最短距離が短くされている。言い換えると、非連結部14nのうちの開口端18aとの最短距離が短くされた部分は、Y方向において、開口端18aの少なくとも一部と同じ位置に形成されている。
同様に、ねじランド14fの非連結部14nのうちのスルーホール18に対してY方向側に形成された部分は、連結部14mよりも、スルーホール18の径方向において表側開口端18aとの最短距離が短くされている。言い換えると、非連結部14nのうちの開口端18aとの最短距離が短くされた部分は、X方向において、開口端18aの少なくとも一部と同じ位置に形成されている。本実施形態のねじランド14fでは、非連結部14nの全体が、連結部14mよりも、スルーホール18の径方向において表側開口端18aとの最短距離が短くされている。
図17及び図18に示すように、ケースランド14gの平面形状は、ねじランド14fの平面形状とほぼ同じ形状とされている。すなわち、ケースランド14gの接続領域14jの平面形状は、扇形状をなしている。また、ケースランド14gの非接続領域14kは、平面形状が扇形状をなす扇部14pと、扇部14pと接続領域14jとの間に形成された2つの中間部14qと、を有している。
裏面10bにおいて、連結部14mは、中心Oを中心とする円の一部をなす曲面形状とされている。ケースランド14gの連結部14mは、スルーホール18の径方向において、接触面40aよりもスルーホール18から離れた位置に形成されている。裏面10bにおいて、連結部14m及び非連結部14nの交点の夫々と中心Oとを結ぶ直線は、接続領域14j及び非接続領域14kとの境界線をなしている。
裏面10bにおいて接続領域14jは、連結部14m、裏側開口端18bの一部、及び、接続領域14jと非接続領域14kとの境界線によって囲まれる領域である。ケースランド14gの接続領域14jでは、突出部40と接触する箇所と、突出部40と接触しない箇所と、を有している。ケースランド14gの接続領域14jにおいて、突出部40と接触しない箇所は、突出部40と接触する箇所と、配線14dと、の間に形成されている。
裏面10bにおいて扇部14pは、突出部40と接触している。Z方向の投影視において扇部14pは、接触面40aの外周端及び裏側開口端18bによって囲まれる領域のうちの、接続領域14jに含まれる部分以外の領域である。
Z方向の投影視において、連結部14mと非連結部14nとの交点の夫々から接触面40aの外周端に引かれた接線、接続領域14jと非接続領域14kとの境界線、及び、接触面40aの外周端によって囲まれる領域に、中間部14qが形成されている。ケースランド14gの中間部14qは、突出部40と接触していない。
図18では、ケースランド14gの外周端が、Z方向の投影視において、接触面40aを囲んでおり、且つ、真円形状をなす構成とされた比較例について、ケースランド14gの外周端を一点鎖線で示している。本実施形態のケースランド14gは、比較例のケースランド14gに対して、裏側開口端18bにおける配線14dと反対側の一部が除去された形状をなしている。言い換えると、本実施形態のケースランド14gは、比較例のケースランド14gに対して、裏側開口端18bと配線14dとの間の領域以外の範囲の一部が除去された形状をなしている。
本実施形態では、裏面10bにおいて、ケースランド14gの周囲にレジスト16が形成されている。すなわち、裏面10bにおいてケースランド14gの周囲では、絶縁基材12がレジスト16から露出していない。しかしながら、裏面10bにおけるケースランド14gの周囲において、絶縁基材12がレジスト16から露出している例を採用することもできる。
ケースランド14gでは、スルーホール18の径方向において、裏側開口端18bと非連結部14nの少なくとも一部との最短距離が、裏側開口端18bと連結部14mとの最短距離よりも短くされている。言い換えると、ケースランド14gでは、スルーホール18の径方向において、中心Oと非連結部14nの少なくとも一部との最短距離が、中心Oと連結部14mとの最短距離よりも短くされている。
好ましくは、ケースランド14gの非連結部14nのうちのスルーホール18に対してX方向側に形成された部分は、連結部14mよりも、スルーホール18の径方向において裏側開口端18bとの最短距離が短くされている。同様に、ケースランド14gの非連結部14nのうちのスルーホール18に対してY方向側に形成された部分は、連結部14mよりも、スルーホール18の径方向において裏側開口端18bとの最短距離が短くされている。本実施形態のケースランド14gでは、非連結部14nの全体が、連結部14mよりも、スルーホール18の径方向において裏側開口端18bとの最短距離が短くされている。
接続領域14jは、連結部14mで配線14dと連結されているため、非接続領域14kに較べて剥離し難い。すなわち、非接続領域14kは、接続領域14jに較べて剥離し易い。これに対し本実施形態のねじランド14fでは、スルーホール18の径方向において、表側開口端18aと非連結部14nの少なくとも一部との最短距離が、表側開口端18aと連結部14mとの最短距離よりも短くされている。これによれば、非接続領域14kのうちのねじ50と接触しない箇所の面積を小さくできる。したがって、頭部54からねじランド14fを介して絶縁基材12に応力が作用して絶縁基材12の一部が表面10a側に移動する場合であっても、絶縁基材12から非接続領域14kへ応力が作用し難い。そのため、ねじランド14fが剥離するのを抑制できる。
また、本実施形態のケースランド14gでは、スルーホール18の径方向において、裏側開口端18bと非連結部14nの少なくとも一部との最短距離が、裏側開口端18bと連結部14mとの最短距離よりも短くされている。これによれば、非接続領域14kのうちの第2ケース部34と接触しない箇所の面積を小さくできる。したがって、第2ケース部34からケースランド14gを介して絶縁基材12に応力が作用して絶縁基材12の一部が裏面10b側に移動する場合であっても、絶縁基材12から非接続領域14kへ応力が作用し難い。そのため、ケースランド14gが剥離するのを抑制できる。
また、本実施形態において、非連結部14nのうちのスルーホール18に対してX方向側及びY方向側に形成された部分は、連結部14mよりも、スルーホール18の径方向において開口端18a,18bとの最短距離が短くされている。すなわち、非連結部14nのうちのスルーホール18に対して第1ヤーン12h及び第2ヤーン13iの延びる方向側に形成された部分は、連結部14mよりも、スルーホール18の径方向において開口端18a,18bとの最短距離が短くされている。したがって、非接続領域14kのうちの特に剥離し易い範囲について、面積を小さくできる。よって、ランド14f,14gが剥離するのを効果的に抑制できる。
なお、本実施形態において非接続領域14kは、平面形状が扇形状をなす扇部14pと、扇部14pと接続領域14jとの間に形成された2つの中間部14qと、を有する例を示した。しかしながら、これに限定するものではない。図19の第5変形例に示すように、非接続領域14k全体の平面形状が扇形状をなす例を採用することもできる。すなわち、非接続領域14kが中間部14qを有さない例を採用することもできる。
また、本実施形態では、ねじランド14f及びケースランド14gの両方で、スルーホール18の径方向において、開口端18a,18bと非連結部14nとの最短距離が、開口端18a,18bと連結部14mとの最短距離よりも短くされた例を示した。しかしながら、これに限定するものではない。ねじランド14f及びケースランド14gのうちの一方のみで、スルーホール18の径方向において、開口端18a,18bと非連結部14nとの最短距離が、開口端18a,18bと連結部14mとの最短距離よりも短くされた例を採用することもできる。
また、本実施形態では、非連結部14nの全体が、連結部14mよりも、スルーホール18の径方向において開口端18a,18bとの最短距離が短くされた例を示した。しかしながら、これに限定するものではない。非連結部14nの一部分のみが、連結部14mよりも、スルーホール18の径方向において開口端18a,18bとの最短距離が短くされた例を採用することもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態において、絶縁基材12は、コア層12c、表側柔軟層12d、及び、裏側柔軟層12eを有する例を示したが、これに限定するものではない。絶縁基材12は、1層であってもよい。
また、上記実施形態において、第2ケース部34は、ケースランド14gと電気的に接続されるとともに、ねじ50を介してねじランド14fと接続された例を示した。しかしながら、これに限定するものではない。第2ケース部34が、ケースランド14gと電気的に接続されるとともに、ねじランド14fと電気的に接続されない例を採用することもできる。よって、プリント基板10において、裏面10bにはケースランド14gが形成されているが、表面10aにはねじランド14fが形成されていない例を採用することもできる。
また、第2ケース部34は、ねじ50を介してねじランド14fと電気的に接続されるとともに、ケースランド14gと電気的に接続されない例を採用することもできる。よって、プリント基板10において、表面10aにはねじランド14fが形成されているが、裏面10bにはケースランド14gが形成されていない例を採用することもできる。
また、上記実施形態では、プリント基板10を支持する第2ケース部34が、筐体30の一部とされた例を示したが、これに限定するものではない。第2ケース部34は、プリント基板10を支持し、プリント基板10と電気的に接続される構成であればよい。第1ケース部32が第2ケース部34に固定されず、第2ケース部34が筐体30を構成しない例を採用することもできる。
また、上記実施形態において、ねじ50は、ばね座金56及び平座金58を有する例を示したが、これに限定するものではない。ねじ50がばね座金56及び平座金58を有さない例を採用することもできる。この例では、頭部54におけるプリント基板10側の面が、ねじランド14fと接触する。この構成において、頭部54におけるプリント基板10側の面は、特許請求の範囲に記載の接触部分に相当する。
10…プリント基板、10a…表面、10b…裏面、12…絶縁基材、12a…表面、12b…裏面、12c…コア層、12d…表側柔軟層、12e…裏側柔軟層、12f…樹脂、12g…ガラスクロス、12h…第1ヤーン、12i…第2ヤーン、12j…ガラス繊維、14…導体層、14a…内層、14b…表層、14c…ランド、14d…配線、14e…部品ランド、14f…ねじランド、14g…ケースランド、14h…表側貫通孔、14i…裏側貫通孔、14j…接続領域、14k…非接続領域、14m…連結部、14n…非連結部、16…レジスト、18…スルーホール、20…電子部品、30…筐体、32…第1ケース部、34…第2ケース部、36…内部空間、38…基部、38a…対向面、40…突出部、40a…接触面、42…ねじ孔、50…ねじ、52…柱部、54…頭部、56…ばね座金、58…平座金、58a…接触面、100…電子装置

Claims (10)

  1. 表面(12a)から前記表面と厚さ方向に反対の裏面(12b)にわたって形成されたスルーホール(18)を有する絶縁基材(12)と、前記表面上において前記スルーホールの周縁部に形成されたランド(14f)と、前記表面上において前記厚さ方向と直交する方向に前記ランドから延設された配線(14d)と、前記配線を被覆するレジスト(16)と、を有するプリント基板(10)と、
    前記スルーホールを挿通する柱部(52)と、前記柱部の一端に連結されるとともに前記ランド上に配置された頭部(54)と、を有し、前記ランドとの接触部分(58a)により前記プリント基板と電気的に接続されたねじ(50)と、
    前記裏面側に突出する前記柱部に対応して形成されたねじ孔(42)を有し、前記ねじを介して前記ランドと電気的に接続されるとともに、前記裏面側から前記プリント基板に接触して前記プリント基板を支持する金属部材(34)と、
    を備え、
    前記厚さ方向の投影視において、前記ランドの外周端は、前記接触部分を囲む環状をなし、
    前記ランドは、前記厚さ方向に貫通する貫通孔(14h)を有し、
    前記スルーホールの径方向において、前記貫通孔は、前記接触部分よりも前記スルーホールから離れた位置に形成されている電子装置。
  2. 表面(12a)から前記表面と厚さ方向に反対の裏面(12b)にわたって形成されたスルーホール(18)を有する絶縁基材(12)と、前記裏面上において前記スルーホールの周縁部に形成されたランド(14g)と、前記裏面上において前記厚さ方向と直交する方向に前記ランドから延設された配線(14d)と、前記配線を被覆するレジスト(16)と、を有するプリント基板(10)と、
    前記スルーホールを挿通する柱部(52)と、前記柱部の一端に連結されるとともに前記表面上に配置された頭部(54)と、を有するねじ(50)と、
    前記裏面側に突出する前記柱部に対応して形成されたねじ孔(42)を有し、且つ、前記ランドと接触する接触面(40a)を有して、前記プリント基板を支持するとともに前記ランドと電気的に接続された金属部材(34)と、
    を備え、
    前記厚さ方向の投影視において、前記ランドの外周端は、前記接触面を囲む環状をなし、
    前記ランドは、前記厚さ方向に貫通する貫通孔(14i)を有し、
    前記スルーホールの径方向において、前記貫通孔は、前記接触面よりも前記スルーホールから離れた位置に形成されている電子装置。
  3. 前記絶縁基材は、樹脂(12f)と、前記樹脂に含浸されたガラスクロス(12g)と、を有し、
    前記ガラスクロスは、前記厚さ方向と直交する第1方向に延びる複数の第1ヤーン(12h)と、前記厚さ方向及び前記第1方向の両方向と直交する第2方向に延びる複数の第2ヤーン(12i)と、を有し、
    前記第1ヤーン及び前記第2ヤーンは、互いに織り込まれて、前記スルーホールを囲んでおり、
    前記貫通孔は、前記スルーホールに対して、前記第1方向側及び前記第2方向側の少なくとも一方に形成されている請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
  4. 前記絶縁基材は、樹脂(12f)と、前記樹脂に含浸されたガラスクロス(12g)と、を有し、
    前記ガラスクロスは、前記厚さ方向と直交する第1方向に延びる複数の第1ヤーン(12h)と、前記厚さ方向及び前記第1方向の両方向と直交する第2方向に延びる複数の第2ヤーン(12i)と、を有し、
    前記第1ヤーン及び前記第2ヤーンは、互いに織り込まれて、前記スルーホールを囲んでおり、且つ、前記厚さ方向の位置が周期的に変化する波状をなしており、
    前記貫通孔における前記第1方向の幅は、前記第1ヤーンの1周期をなす繊維間隔(L1)以上とされ、
    前記貫通孔における前記第2方向の幅は、前記第2ヤーンの1周期をなす繊維間隔(L2)以上とされている請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子装置。
  5. 前記ランドは、前記配線が接続された領域である接続領域(14j)と、前記配線が接続されていない領域である非接続領域(14k)と、を有し、
    前記貫通孔は、前記非接続領域に形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子装置。
  6. 表面(12a)から前記表面と厚さ方向に反対の裏面(12b)にわたって形成されたスルーホール(18)を有する絶縁基材(12)と、前記表面上において前記スルーホールの周縁部に形成されたランド(14f)と、前記表面上において前記厚さ方向と直交する方向に前記ランドから延設された配線(14d)と、前記配線を被覆するレジスト(16)と、を有するプリント基板(10)と、
    前記スルーホールを挿通する柱部(52)と、前記柱部の一端に連結されるとともに前記ランド上に配置された頭部(54)と、を有し、前記ランドとの接触部分(58a)により前記プリント基板と電気的に接続されたねじ(50)と、
    前記裏面側に突出する前記柱部に対応して形成されたねじ孔(42)を有し、前記ねじを介して前記ランドと電気的に接続されるとともに、前記裏面側から前記プリント基板に接触して前記プリント基板を支持する金属部材(34)と、
    を備え、
    前記厚さ方向の投影視において、前記ランドの外周端は、前記接触部分を囲む環状をなし、
    前記ランドの外周端は、前記配線と連結された連結部(14m)と、前記配線と連結されていない非連結部(14n)と、を有し、
    前記スルーホールの径方向において、前記スルーホールにおける前記表面側の開口端(18a)と前記非連結部の少なくとも一部との最短距離は、前記開口端と前記連結部との最短距離よりも短くされている電子装置。
  7. 表面(12a)から前記表面と厚さ方向に反対の裏面(12b)にわたって形成されたスルーホール(18)を有する絶縁基材(12)と、前記裏面上において前記スルーホールの周縁部に形成されたランド(14g)と、前記裏面上において前記厚さ方向と直交する方向に前記ランドから延設された配線(14d)と、前記配線を被覆するレジスト(16)と、を有するプリント基板(10)と、
    前記スルーホールを挿通する柱部(52)と、前記柱部の一端に連結されるとともに前記表面上に配置された頭部(54)と、を有するねじ(50)と、
    前記裏面側に突出する前記柱部に対応して形成されたねじ孔(42)を有し、且つ、前記ランドと接触する接触面(40a)を有して、前記プリント基板を支持するとともに前記ランドと電気的に接続された金属部材(34)と、
    を備え、
    前記厚さ方向の投影視において、前記ランドの外周端は、前記接触面を囲む環状をなし、
    前記ランドの外周端は、前記配線と連結された連結部(14m)と、前記配線と連結されていない非連結部(14n)と、を有し、
    前記スルーホールの径方向において、前記スルーホールにおける前記裏面側の開口端(18b)と前記非連結部の少なくとも一部との最短距離は、前記開口端と前記連結部との最短距離よりも短くされている電子装置。
  8. 前記絶縁基材は、樹脂(12f)と、前記樹脂に含浸されたガラスクロス(12g)と、を有し、
    前記ガラスクロスは、前記厚さ方向と直交する第1方向に延びる複数の第1ヤーン(12h)と、前記厚さ方向及び前記第1方向の両方向と直交する第2方向に延びる複数の第2ヤーン(12i)と、を有し、
    前記第1ヤーン及び前記第2ヤーンは、互いに織り込まれて、前記スルーホールを囲んでおり、
    前記非連結部のうちの前記スルーホールに対して前記第1方向側及び前記第2方向側の少なくとも一方に形成された部分は、前記連結部よりも、前記スルーホールの径方向において前記開口端との最短距離が短くされている請求項6又は請求項7に記載の電子装置。
  9. 電子部品(20)をさらに備え、
    前記プリント基板は、前記表面上に形成され、前記電子部品とはんだ接合された電極(14e)をさらに有し、
    前記絶縁基材は、コア層(12c)と、前記コア層よりも柔軟性に優れ、前記コア層に積層されるとともに前記コア層と反対の面が前記表面をなす表側柔軟層(12d)と、を有している請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子装置。
  10. 電子部品(20)をさらに備え、
    前記プリント基板は、前記裏面において前記電子部品とはんだ接合された電極(14e)をさらに有し、
    前記絶縁基材は、コア層(12c)と、前記コア層よりも柔軟性に優れ、前記コア層に積層されるとともに前記コア層と反対の面が前記裏面をなす裏側柔軟層(12e)と、を有している請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子装置。
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US20220179267A1 (en) * 2020-12-03 2022-06-09 Chongqing Boe Optoelectronics Technology Co., Ltd. Display Unit and Display Apparatus
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