JP2017125919A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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春之 本多
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Hiroyuki Shimada
浩幸 島田
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Yoshio Hattori
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【課題】定着装置の外部に潤滑剤が漏れ出すことを抑制することが可能な定着装置および画像形成装置を提供する。【解決手段】回転可能な無端状の定着ベルト21と、定着ベルト21の内周側に配置されるニップ形成部材24と、定着ベルト21の外周面に接触し、定着ベルト21を挟んでニップ形成部材24と当接してニップ部Nを形成する加圧部材である加圧ローラ22と、定着ベルト21の内周面に接触するように設けられ、潤滑剤80を含浸する潤滑剤含浸部材である摺動シート29とを備えた定着装置20において、摺動シート29は、定着ベルト21の内周面に接触する含浸部材接触部であるシート接触部29に対して定着ベルト21の移動方向上流側に、定着ベルト21の内周面に対して非接触で対向する含浸部材非接触部であるシート非接触部29bを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関するものである。
従来から、ウォームアップ時間が短く、消費電力の少ない定着装置として、回転する定着ベルトを挟んだ状態で加圧部材をニップ形成部材に圧接させてニップ部を形成する定着装置を備えた画像形成装置が知られている。
この種の定着装置として、特許文献1には、定着ベルトの内周面に接触し、シリコーンオイルなどの潤滑剤を含浸する潤滑剤含浸部材(潤滑剤循環部材)を配置した定着装置が記載されている。
特許文献1の定着装置では、ニップ部の上流側の潤滑剤含浸部材から定着ベルトの内周面に潤滑剤が供給され、ニップ部での摺動性が向上する。ニップ部を通過した潤滑剤は定着ベルトの内周面に付着して周回し、潤滑剤含浸部材の上流側端部に接触することで潤滑剤含浸部材に吸収され、その後、定着ベルトの内周面に再度供給される。
しかしながら、定着ベルトの幅方向の端部から定着装置の外部に潤滑剤が漏れ出す不具合が生じることがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、回転可能な無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの内周側に配置されるニップ形成部材と、前記定着ベルトの外周面に接触し、前記定着ベルトを挟んで前記ニップ形成部材と当接してニップ部を形成する加圧部材と、前記定着ベルトの内周面に接触するように設けられ、潤滑剤を含浸する潤滑剤含浸部材とを備えた定着装置において、前記潤滑剤含浸部材は、前記定着ベルトの内周面に接触する含浸部材接触部に対して前記定着ベルトの移動方向上流側に、前記定着ベルトの内周面に対して非接触で対向する含浸部材非接触部を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、定着装置の外部に潤滑剤が漏れ出すことを抑制することが可能となるという優れた効果がある。
実施形態に係る定着装置のニップ部の近傍の拡大説明図。 実施形態に係るプリンタの概略構成図。 金属熱伝導体を介して定着ベルトを間接的に加熱する従来の定着装置の一例を示す図。 実施形態に係る定着装置の一例を示した概略構成図。 定着ベルトの内周面に摺動シートを設けた定着装置で生じ得る不具合についての説明図。 摺動シート及びニップ形成部材を図1中の矢印「D」方向から見たときの潤滑剤の流れを模式的に示す説明図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置であるプリンタ100の概略構成図である。
プリンタ100は、タンデム方式のカラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央部に、複数の色画像を形成する作像部(図2に示す例では四つの作像部)からなる画像ステーションが設けられている。
プリンタ100では、四つの作像部が、無端ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト11の展張方向に沿って並置されている。四つの作像部は、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
図2において、プリンタ100は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する複数の像担持体としてのドラム状の感光体120(Y,C,M,Bk)が並設されている。
四つの感光体120(Y,C,M,Bk)に形成された各色の可視像であるトナー像は、それぞれの感光体120(Y,C,M,Bk)に対峙しながら図2中の矢印「A」方向に移動可能な中間転写ベルト11に対して一次転写工程が実行される。これにより、各色のトナー像が中間転写ベルト11に重畳転写される。その後、中間転写ベルト11に重畳転写された各色のトナー像は、記録材としての用紙Pに対して二次転写工程が実行されることにより、用紙Pに一括転写される。
四つの感光体120(Y,C,M,Bk)の周囲には、感光体120の回転に従い画像形成処理するための各種装置がそれぞれ配置されている。
ここで、ブラックの画像形成を行うブラック用感光体120Bkを対象として説明する。ブラック用感光体120Bkの周囲には、ブラック用感光体120Bkの回転方向に沿って、ブラック用帯電装置30Bk、ブラック用現像装置40Bk、ブラック用一次転写ローラ112Bk、及び、ブラック用クリーニング装置50Bkが配置されている。帯電後のブラック用感光体120Bkに対して行われる静電潜像の書き込みには、ブラック用感光体120Bkの表面を露光する露光手段としての光書込装置6が用いられる。これらの各種装置によってブラック用感光体120Bkの表面上にブラックトナー像を形成する画像形成処理を行う。
光書込装置6は、光源としての半導体レーザー、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラー、光偏向手段としての回転多面鏡(ポリゴンミラー)などを備えている。光書込装置6は、図2に示すように、四つの作像部の下方に対向して配置されている。そして、画像データに基づいて、四つの感光体120(Y,C,M,Bk)のそれぞれの表面へ書き込み光(レーザー光)Lbを照射し、感光体120(Y,C,M,Bk)に静電潜像を形成するように構成されている。図2では、便宜的にブラック画像を作像する作像部のみを対象として符号「Lb」が付されているが、他の作像部でも同様である。
中間転写ベルト11に対する重畳転写は、中間転写ベルト11が図2中の矢印「A」方向に移動する際に、感光体120(Y,C,M,Bk)に形成された可視像(トナー像)が中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるように行われる。
より具体的には、中間転写ベルト11を挟んで四つの感光体120(Y,C,M,Bk)のそれぞれに対向して配設された四つの一次転写ローラ112(Y,C,M,Bk)のそれぞれに一次転写バイアスが印加される。この一次転写バイアスにより、四つの感光体120(Y,C,M,Bk)に形成されたそれぞれのトナー像が、図2中の矢印「A」で示す中間転写ベルト11の移動方向の上流側から下流側に向けて、タイミングをずらして中間転写ベルト11上に重畳転写される。
四つの一次転写ローラ112(Y,C,M,Bk)はそれぞれ対応する感光体120(Y,C,M,Bk)との間で中間転写ベルト11を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、それぞれの一次転写ローラ112(Y,C,M,Bk)には、電源が接続されている。そして、この電源により所定の直流電圧(DC)と交流電圧(AC)との少なくとも一方からなる一次転写バイアスが、それぞれの一次転写ローラ112(Y,C,M,Bk)に印加されるようになっている。
四つの感光体120(Y,C,M,Bk)は、図2中の矢印「A」方向の上流側からY,C,M,Bkの順で並んでいる。四つの感光体120(Y,C,M,Bk)は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像をそれぞれ形成する上述した四つの作像部にそれぞれ設けられている。
また、プリンタ100は、上述した四つの作像部のほか、転写ベルトユニット10と、二次転写ローラ5と、転写ベルトクリーニング装置113と、光書込装置6とを備えている。
転写ベルトユニット10は、四つの作像部の上方に対向して配置されている。この転写ベルトユニット10は、中間転写ベルト11及び四つの一次転写ローラ112(Y,C,M,Bk)のほか、中間転写ベルト11が掛け回されている駆動ローラ72や従動ローラ73等の複数のベルト支持部材を備えている。駆動ローラ72が回転駆動されることにより、中間転写ベルト11は図2中の矢印「A」で示す方向に回転するようになっている。
駆動ローラ72は、中間転写ベルト11を介して二次転写ローラ5に対向する二次転写バックアップローラとしても機能する。従動ローラ73は、中間転写ベルト11を介して転写ベルトクリーニング装置113に対向するクリーニングバックアップローラとしても機能する。また、従動ローラ73は、中間転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えているため、従動ローラ73には、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。このような転写ベルトユニット10と、二次転写ローラ5と、転写ベルトクリーニング装置113とを有するように、転写装置71が構成されている。
二次転写ローラ5は、中間転写ベルト11に対向して配設され、中間転写ベルト11に従動して連れ回りする。二次転写ローラ5は、二次転写バックアップローラとしても機能する駆動ローラ72との間で中間転写ベルト11を挟み込んで二次転写ニップを形成する二次転写部材である。
また、一次転写ローラ112(Y,C,M,Bk)と同様に、二次転写ローラ5にも電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)と交流電圧(AC)との少なくとも一方からなる二次転写バイアスが、二次転写ローラ5に印加される。
転写ベルトクリーニング装置113は、中間転写ベルト11を介して従動ローラ73に対向するように配設され、中間転写ベルト11の表面をクリーニングする。図2に示す転写ベルトクリーニング装置113は、中間転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有する。このクリーニングブラシとクリーニングブレードとによって、中間転写ベルト11上の残留トナー等の異物を掻き取って除去し、中間転写ベルト11をクリーニングする。また、転写ベルトクリーニング装置113は、中間転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための排出手段を有している。
図2に示すように、プリンタ100には、記録材としての用紙Pが積載収容された用紙給送装置61と、記録材繰り出し手段としてのレジストローラ対4と、記録材先端検知手段としての用紙先端センサ41とが設けられている。
給紙機構である用紙給送装置61は、プリンタ100の本体下部に配設され、最上位の用紙Pの上面に当接する記録材給送手段としての給送ローラ3を有している。そして、給送ローラ3が図2中の反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の用紙Pをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
また、プリンタ100本体内には、用紙Pを用紙給送装置61から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための用紙搬送路が配設されている。この用紙搬送路の二次転写ローラ5の位置よりも用紙搬送方向上流側に、二次転写ニップへ用紙Pを繰り出すように搬送するレジストローラ対4が配設されている。
レジストローラ対4は、上述した四つの作像部からなる画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、用紙給送装置61から搬送されてきた用紙Pを二次転写ニップに向けて繰り出す。用紙先端センサ41は、用紙Pの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する。
記録材としての用紙Pには、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、記録シート等が含まれる。
給紙機構としては、用紙給送装置61のほかに、手差しで用紙Pを供給できるように手差し給紙機構を備えてもよい。
プリンタ100は、トナー像が転写された用紙Pにトナー像を定着させるための定着手段としての定着装置20と、記録材排出手段としての排紙ローラ対7と、記録材積載手段としての排紙トレイ17とを備えている。排紙ローラ対7は、定着済みの用紙Pをプリンタ100の本体外部に排出する。排紙トレイ17は、プリンタ100の本体上部に配設され、排紙ローラ対7によりプリンタ100の本体外部に排出された用紙Pを積載収容する。
また、プリンタ100には、複数のトナー容器としての四つのトナーボトル9(Y,C,M,Bk)を備えている。四つのトナーボトル9(Y,C,M,Bk)はそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーが充填され、プリンタ100本体の上部であって排紙トレイ17の下側に設けられた四つのボトル収容部それぞれに着脱可能に装着されている。
四つのトナーボトル9(Y,C,M,Bk)と四つの現像装置40(Y,C,M,Bk)との間には、それぞれ補給路が設けてある。そして、この補給路を介してトナーボトル9(Y,C,M,Bk)のそれぞれから対応する現像装置40(Y,C,M,Bk)に、トナーが補給されるようになっている。
次に、プリンタ100の基本的動作について説明する。
プリンタ100において作像動作が開始されると、四つの作像部におけるそれぞれの感光体120(Y,C,M,Bk)が、駆動装置によって図2中の時計回り方向に回転駆動される。そして、四つの感光体120(Y,C,M,Bk)のそれぞれの表面が、帯電装置30(Y,C,M,Bk)によって所定の極性に一様に帯電される。
帯電された四つの感光体120(Y,C,M,Bk)の表面には、光書込装置6からレーザー光がそれぞれ照射されて、感光体120(Y,C,M,Bk)のそれぞれの表面上に静電潜像が形成される。このとき、それぞれの感光体120(Y,C,M,Bk)に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。
このように四つの感光体120(Y,C,M,Bk)上に形成された静電潜像に、それぞれの現像装置40(Y,C,M,Bk)によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、駆動ローラ72が図2中の反時計回り方向に回転駆動し、中間転写ベルト11を図2中の矢印「A」方向に回転させる。そして、四つの一次転写ローラ112(Y,C,M,Bk)に、トナーの帯電極性とは逆極性の定電圧または定電流制御された電圧がそれぞれ印加される。これにより、四つの一次転写ローラ112(Y,C,M,Bk)と四つの感光体120(Y,C,M,Bk)との間のそれぞれの一次転写ニップにおいて、所定の転写電界が形成される。
その後、一次転写ニップにおいて形成された転写電界により、四つの感光体120(Y,C,M,Bk)上のトナー画像が中間転写ベルト11上に順次重ね合わせて転写され、中間転写ベルト11の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。
中間転写ベルト11に転写しきれなかったそれぞれの感光体120(Y,C,M,Bk)上の転写残トナーは、クリーニング装置50(Y,C,M,Bk)によって除去される。その後、除電装置によってそれぞれの感光体120(Y,C,M,Bk)の表面が除電され、表面電位が初期化される。
プリンタ100の下部では、給送ローラ3が回転駆動を開始し、用紙給送装置61から用紙Pが搬送路に送り出される。搬送路に送り出された用紙Pは、レジストローラ対4によってタイミングをはかられて、二次転写バックアップローラとしても機能する駆動ローラ72と二次転写ローラ5との間の二次転写ニップに送られる。このとき、二次転写ローラ5には、中間転写ベルト11上のトナー画像のトナー帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加されており、二次転写ニップに所定の転写電界が形成されている。
その後、中間転写ベルト11の回転に伴って、中間転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップに達したときに、二次転写ニップにおいて形成された転写電界により、中間転写ベルト11上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。
二次転写ニップで用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト11上の残留トナーは、転写ベルトクリーニング装置113によって除去され、除去されたトナーは廃トナー収容器へと搬送され回収される。
転写ニップを通過した用紙Pは、定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ対7によって装置外へ排出され、排紙トレイ17上にストックされる。
以上の説明は、用紙P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、四つの作像部のいずれか一つを使用して単色画像を形成したり、二つまたは三つの作像部を使用して、二色または三色の画像を形成したりすることも可能である。
また、図2に示したプリンタ100は、複数の色画像を形成する作像部がベルトの展張方向に沿って並置されたタンデム方式を用いるカラープリンタあるが、画像形成装置としてはこの方式に限るものではない。また、プリンタだけではなく、複写機やファクシミリなどを対象とすることも可能である。
ここで、周知のように、電子写真方式による画像形成装置は、次の工程を経て画像を出力する。つまり、潜像担持体である感光体上に形成された静電潜像がトナーにより可視像処理され、トナー像が用紙などの記録材に転写されたうえで定着されることにより画像が出力される。
画像形成装置に用いられる定着方式には、熱ローラ定着方式、ベルト定着方式、フィルム定着方式および電磁誘導加熱定着方式などがある。
熱定着ローラ方式には、用紙の搬送路を挟んで対向しながら当接する定着ローラ及び加圧ローラが用いられる。この方式では、定着ローラ内に設けられている熱源からの熱と加圧ローラからの加圧力に相当する圧力との作用によってトナー像が用紙に融解浸透される。用紙に対してトナー像が融解浸透される現象は以下の構成を備えた定着方式においても同じである。
ベルト定着方式には、定着ローラに代えて熱良導体となる定着ベルトと、加圧ローラおよびベルトを捲装されるローラと、ベルトに対する加熱源とが用いられる(例えば、特許文献2)。
フィルム定着方式には、定着ローラに代えて熱良導体となる定着ベルトと加圧ローラと、ベルトを捲装されるローラと、ベルトに対する加熱源が用いられる(例えば、特許文献3)。
電磁誘導加熱定着方式には、発熱効率を高める電磁誘導コイルを加熱部材に設ける構成が用いられる(例えば、特許文献2)。
定着装置には、次に挙げる要求課題がある。
ウォームアップ時間を短縮すること、さらには、ファーストプリント時間を短縮することである。なお、ウォームアップ時間とは、電源投入時など、常温状態から印刷可能な所定温度(リロード温度)までに要する時間のことである。また、ファーストプリント時間とは、印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでに必要な時間のことである。
定着装置では、次の理由により定着不良が発生することがある。
画像形成装置は、高速処理が行える装置である。高速処理により単位時間あたりの定着枚数、つまり、定着装置を通過する通紙枚数が増加すると、高速移動する用紙への供給熱量も増加させなければならない。これは、用紙が定着装置を通過する時間が短くなるのに合わせて定着に必要な熱量を用紙に与えるためである。
しかし、連続印刷のはじめに必要な熱量の確保ができていないと温度の落ち込みが大きく、高速化された連続印刷時に必要な熱量に達しないままで通紙されると定着不良を発生するおそれがある。
また、画像形成装置の高速化に伴い、単位時間あたりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷のはじめに熱量が不足する、いわゆる温度落ち込みが問題となることがあり、高速化した場合の定着不良を起こす問題がある。
一方、上記に挙げた定着方式とは別に、セラミックヒータを用いたサーフ定着方式と称される定着方式がある(例えば、特許文献4)。
サーフ定着方式は、ニップ部のみを局所加熱され、その他の部分では加熱されない構成が用いられる。この定着方式では、ベルト方式の定着装置に比べ、低熱容量化や小型化が可能となるため、所定温度への立ち上がりやファーストプリント時間の短縮が可能となる反面、次の問題がある。
つまり、サーフ定着方式は、ニップ部のみを局所加熱し、局所以外の部分では加熱されていないので、ニップ部の用紙などの入口において定着ベルトは最も冷えた状態にあり、定着不良が発生しやすくなるという問題がある。特に、高速機においては、定着ベルトの回転が速く、ニップ部以外でのベルトの放熱が多くなるため、より定着不良が発生しやすくなるという問題がある。
そこで、このような問題に対処するため、定着ベルトを用いる構成において、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができるようにした定着装置が提案されている(例えば、特許文献5)。
特許文献5に開示された定着装置では、図3に示す構成が用いられている。図3に示す定着装置20は、定着ベルト21、金属熱伝導体200、熱源300及び加圧ローラ22を備える。金属熱伝導体200は、定着ベルト21の内部に配設されたパイプ状の金属部材であり、熱源300は、金属熱伝導体200内に配設されている。加圧ローラ22は、定着ベルト21を介して金属熱伝導体200に当接してニップ部Nを形成する。
加圧ローラ22の回転により定着ベルト21は連れ回りし、このとき、金属熱伝導体200は定着ベルト21の移動をガイドする。また、金属熱伝導体200内の熱源300により金属熱伝導体200を介して定着ベルト21が加熱されることで、定着ベルト21全体を温めることを可能にしている。これにより、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することが可能となっている。
しかし、さらなる省エネ性及びファーストプリントタイム向上のためには、熱効率をより一層向上させる必要がある。
そこで、定着ベルトを、金属熱伝導体(図3において符号「200」で示す部材)を介して間接的に加熱するのではなく、定着ベルトを直接加熱する構成を採用する。これにより、熱源から定着ベルトへの伝熱効率が向上して消費電力の低減を図ることができるとともに、加熱待機時からのファーストプリントタイムをさらに短縮することができる。また、金属熱伝導体を設けないことによるコストダウンも期待できる。
図4は、本実施形態に係る定着装置20の一例を示した概略構成図である。
定着装置20は、内部が中空な表面無端移動体である定着部材としての定着ベルト21と、定着ベルト21に対向して回転可能に設けられた加圧部材としての加圧ローラ22とを備えている。
定着ベルト21の内側には、ハロゲンヒータ23と、ニップ形成部材24と、ステー25と、反射部材26とが設けられている。ハロゲンヒータ23は、定着ベルト21を加熱する熱源である。ニップ形成部材24は、定着ベルト21を挟んで加圧ローラ22と対向する部材であり、加圧ローラ22が定着ベルト21及び摺動シート29を介してニップ形成部材24当接してニップ部Nを形成する。ステー25は、ニップ形成部材24を支持する支持部材であり、反射部材26は、ハロゲンヒータ23から放射される光を定着ベルト21へ反射する部材である。
定着ベルト21のベルト幅方向(図4中の紙面に直交する方向)端部近傍の内周側には、ベルト保持部材であるベルト回転ガイド8が挿入されている。定着ベルト21のベルト幅方向端部の内周面は、ベルト回転ガイド8によって回転可能に保持されている。図2に示すように、ベルト回転ガイド8は、ニップ部の位置(ニップ形成部材24を配設した位置)で開口したC字形に形成されている。また、ベルト回転ガイド8を備え、定着装置20の側板に固定されたフランジ部材に対してステー25のベルト幅方向の端部が固定され位置決めされている。
また、定着装置20は、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ27と、定着ベルト21から用紙Pを分離する記録媒体分離手段としての分離部材28と、加圧ローラ22を定着ベルト21へ加圧する加圧手段等を備えている。
定着ベルト21は、厚みが薄く可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)が用いられる。
定着ベルト21は、内周側の基材と、外周側の離型層とを有する。基材としては、ニッケルもしくはステンレス鋼(SUS)等の金属材料またはポリイミド(PI)などの樹脂材料で形成されたものを用いることができる。離型層としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などで形成されたものを用いることができる。
基材の表面に離型層を設けることで、定着ベルト21の表面にトナーが付着することを抑制できる。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。
弾性層がない場合は定着ベルト21の熱容量が小さくなり、定着性が向上する。しかし、未定着画像を押し潰して定着させるときに定着ベルト21の表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残るという不具合が生じることがある。この不具合を改善するにはシリコーンゴム等の弾性層を100[μm]以上設けることが好ましい。弾性層の変形により、微小な凹凸が吸収されユズ肌画像が改善する。
加圧ローラ22は、芯金22a、弾性層22b及び離型層22cによって構成されている。弾性層22bは芯金22aの表面に配置されており、離型層22cは離型性を得るために弾性層22bの表面に設けられている。
加圧ローラ22は、スプリング等の加圧手段によって定着ベルト21側に向けて加圧されることにより、定着ベルト21及び摺動シート29を介してニップ形成部材24に当接している。
加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、用紙搬送方向について所定の長さのニップ部Nが形成されている。
加圧ローラ22は、プリンタ100本体に設けられているモータ等の駆動源から駆動力が伝達されて回転駆動する。加圧ローラ22が回転駆動されると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転する。定着ベルト21はニップ部Nで挟み込まれて回転し、ニップ部N以外ではベルト幅方向の両端部がベルト回転ガイド8にガイドされ、走行する。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータ等の加熱源を設けてもよい。
加圧ローラ22の離型層22cとしては、PFAやPTFE等を用いることができる。また、弾性層22bとしては、ソリッドゴムやスポンジゴムを用いることができる。加圧ローラ22の内部にヒータが無い場合は、スポンジゴムを用いることができる。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるので、より好ましい。
ハロゲンヒータ23は、定着ベルト21の幅方向であるベルト幅方向(図4中の紙面に直交する方向)の両端部が定着装置20の側板に固定されている。ハロゲンヒータ23は、プリンタ100本体に配置された電源部により出力制御されて発熱する。出力制御は、温度センサ27による定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいて行われる。このようなハロゲンヒータ23の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に維持できるようになっている。また、定着ベルト21を加熱する加熱源として、ハロゲンヒータ以外に、IH(電磁誘導)、抵抗発熱体、またはカーボンヒータ等を用いてもよい。
ベルト回転ガイド8は、定着ベルト21のベルト幅方向における端部近傍にのみ配置されている。このため、ベルト幅方向の中央部を含む端部近傍以外の部分では、図4中の左側に位置する部分の定着ベルト21の内周面と、この部分の内周面に対向するハロゲンヒータ23との間に、何も介在させない構成となっている。これにより、ハロゲンヒータ23と定着ベルト21とが対向する位置では、ハロゲンヒータ23からの輻射熱が定着ベルト21に直接与えられるようになる。
反射部材26は、ステー25とハロゲンヒータ23との間に配設されており、反射面として表面を利用できるアルミニウムやステンレス鋼などが用いられている。
反射部材26は、ハロゲンヒータ23によって直接加熱されるため、高融点の金属材料等で形成されることが好ましい。このように反射部材26が配設されていることにより、ハロゲンヒータ23からステー25側に放射された光が定着ベルト21へ反射される。これにより、定着ベルト21に照射される光量を多くすることができ、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。また、ハロゲンヒータ23からの輻射熱がステー25等に伝達されることによる無駄なエネルギー消費を抑制することができるので、省エネルギー化を図ることができる。
本実施形態ではステー25とは別部材の反射部材26を設けた構成であるが、このような構成に限らず、ステー25の表面におけるハロゲンヒータ23と対向する側の面を研磨または塗装などの鏡面処理をし、反射面を形成してもよい。
しかし、ステー25はその強度を確保するために形状や材質が自由に選択できない。このため、本実施形態のように反射部材26をステー25とは別部材で設けた方が、反射部材26の形状や材質の選択の自由度が広がり、反射部材26とステー25とはそれぞれの機能に特化することができる。また、反射部材26はハロゲンヒータ23とステー25との間に設けられることにより、ハロゲンヒータ23に対する反射部材26の位置が近くなるので、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。
ニップ形成部材24は、加圧ローラ22の加圧力を受けてニップ部Nの形状を決める部材である。このため、定着ベルト21の軸方向または加圧ローラ22の軸方向に平行して配置され、ステー25によって固定支持されている。
ニップ形成部材24をステー25で支持することにより、加圧ローラ22による圧力でニップ形成部材24に撓みが生じることを抑制し、加圧ローラ22の軸方向に平行して均一なニップ幅(用紙搬送方向におけるニップ部Nの長さ)が得られるようにしている。
ステー25は、ニップ形成部材24の撓み防止機能を満足するために、ステンレス鋼や鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましいが、ステー25を樹脂製とすることも可能である。
ニップ形成部材24は、定着ベルト21の内周面に対して、直接または潤滑剤を含有した摺動シート29を介して間接的に、摺動する部材である。
ニップ形成部材24は、耐熱温度が200[℃]以上の耐熱性部材で構成されている。これにより、トナー定着温度域で、熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定したニップ部Nの状態を確保することができる。この結果、出力画質の安定化が得られる。
ニップ形成部材24には、一般的な耐熱性樹脂を用いることが可能である。例えば、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などを用いることができる。
図4を用いて説明した定着装置20の構成を備えることにより、安価でウォームアップが速い定着装置を実現することが可能となる。
以下、図4に示す定着装置20の基本動作について説明する。
プリンタ100本体の電源スイッチが投入されると、ハロゲンヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図4中の時計回り(図4中の矢印「B1」方向)に回転駆動を開始される。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図4中の反時計回り(図4中の矢印「B2」方向)に従動回転する。
その後、図2を用いて説明した画像形成工程により未定着のトナー像Tが担持された用紙Pが、搬送路Rを形成するガイド板に案内されながら図4の矢印「C1」で示す方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21と加圧ローラ22とのニップ部Nに送入される。そして、ハロゲンヒータ23によって加熱された定着ベルト21による熱と、定着ベルト21と加圧ローラ22との間の加圧力とによって、用紙Pの表面にトナー像Tが定着される。
トナー像Tが定着された用紙Pは、ニップ部Nから図4中の矢印「C2」で示す方向に搬出される。このとき、用紙Pの先端が分離部材28の先端に接触することにより、用紙Pが定着ベルト21から分離される。その後、分離された用紙Pは、上述のように、排紙ローラ対7(図2参照)によってプリンタ100の機外に排出され、排紙トレイ17(図2参照)の上にストックされる。
図4に示す定着装置20ではニップ部Nの形状が平面状であるが、定着ベルト21が径方向の内側に凹むような凹形状やその他の形状であっても良い。ニップ部Nの形状は凹形状の方が、ニップ部Nを通過した用紙Pの先端の排出方向が加圧ローラ22寄りになり、定着ベルト21に対する用紙Pの分離性が向上するのでジャムの発生が抑制される。
図4に示す定着装置20は、ニップ形成部材24における定着ベルト21の内周面と対向する表面に、潤滑剤が含浸された潤滑剤含浸部材である摺動シート29が貼り付けられている。
摺動シート29は、定着ベルト21が回転する際、定着ベルト21の表面と摺動する。摺動シート29は、摺動する定着ベルト21に生じる駆動トルクを低減するとともに定着ベルト21への摩擦力による負荷を軽減させるために用いられる。
摺動シート29に含浸される潤滑剤としては、例えばシリコーンオイルが挙げられる。シリコーンオイルは、耐熱性及び耐久性及び潤滑能力としては望ましく、使用条件により様々な粘度のものを選択することが可能なため好ましい。
その他の潤滑剤としては、フッ素系・シリコン系のグリスも挙げられる。潤滑剤については、摺動シート29の全体に一種類のものを塗布することだけに限らず、長手方向(ベルト幅方向)の中央部と端部とで異なる粘性のものを複数種類用いることも挙げられる。また、シリコーンオイルとシリコーングリスなど、潤滑特性の異なる複数種類の潤滑剤を塗布することも挙げられる。
図5は、定着ベルト21の内周面に摺動シート29を設けた定着装置20で生じ得る不具合についての説明図である。
摺動シート29によって定着ベルト21の内周面に塗布された潤滑剤80は、ニップ部Nで定着ベルト21を介して、加圧ローラ22により押圧されることや、重力により定着ベルト21の内壁に落下する。落下した潤滑剤80は定着ベルト21の回転動作により、再び摺動シート29が定着ベルト21の内周面に接触する位置に戻ってきて、摺動シート29に吸収される。
摺動シート29に吸収された潤滑剤80が再び定着ベルト21に供給されることで、ニップ部Nにおけるニップ形成部材24と定着ベルト21の内周面との間の摺動性を確保している。しかし、摺動シート29は時間当たりに吸収することができる潤滑剤80の量には限りがある。摺動シート29で時間当たりに吸収することができる量を超えた潤滑剤80が摺動シート29の上流側端部と定着ベルト21との接触位置に到達すると、吸収し切れなかった潤滑剤80は摺動シート29の上流側端部で堰き止められた状態となる。
堰き止められた潤滑剤80が溜まってくると、定着ベルト21の内周面で保持し切れなくなり、図5に示すように、定着ベルト21の内周面の下部に停滞してしまう。下部に停滞すると、やがて、定着ベルト21の内周面をベルト幅方向に伝って定着装置20の外部に漏洩する不具合が生じることがある。定着装置20の外部に潤滑剤80が漏洩すると、潤滑剤80の総量が減少することにより、ニップ形成部材24と定着ベルト21の内周面との摺動性が低下し、定着装置20の長寿命化を妨げる要因となる。
図1は、本実施形態に係る定着装置20のニップ部Nの近傍の拡大説明図である。
図1に示すように、摺動シート29は、定着ベルト21の内周面に接触するシート接触部29aに対して定着ベルト21の移動方向上流側に、定着ベルト21の内周面に対して非接触で対向するシート非接触部29bを有する。図1に示すように、摺動シート29のシート接触部29aは図1中の「W1」の範囲で定着ベルト21の内周面に接触する。また、摺動シート29のシート非接触部29bは図1中の「W2」の範囲で定着ベルト21の内周面に対して非接触で対向する。
潤滑剤80は液体であるが、図1及び後述する図6では潤滑剤80を便宜的に丸で示している。
摺動シート29は、潤滑剤80が含浸し易い織物や不織布からなり、金属で形成された板状部材からなる摺動シート保持部材31の表面に貼り付けられている。摺動シート保持部材31は金属に限らず、樹脂で形成された板状部材でもよい。
摺動シート29は、加圧ローラ22とニップ形成部材24とが定着ベルト21を挟んで形成するニップ部Nに対して、定着ベルト21の移動方向上流側のニップ形成部材24上に配設されている。
定着装置20の組み付け時に、潤滑剤80はニップ形成部材24におけるニップ部Nを形成する表面上に塗布されている。その後、プリンタ100が稼動することで定着ベルト21が回転すると、定着ベルト21の内周面に付着した潤滑剤80が定着ベルト21の内周面におけるニップ形成部材24が接触しない部分(図1中のニップ形成部材24よりも上方の部分)に移動する。定着ベルト21の内周面に付着した潤滑剤80は、周回して摺動シート29のシート非接触部29bと定着ベルト21とに囲まれた楔形の領域αに到達する。領域αに到達した潤滑剤80の一部は摺動シート29に吸収され、摺動シート29に吸収されなかった残りは領域αで堰き止められ、その表面張力によって楔形の領域αで保持されて滞留する。
図1に示す定着装置20では、摺動シート29をニップ部Nに対して、定着ベルト21の移動方向上流側に配置している。これにより、領域αに滞留した潤滑剤80を摺動シート29のシート非接触部29bで効率良く回収することができる。このような構成により、図5を用いて説明した潤滑剤80が漏洩する不具合を未然に防ぐことが可能となる。
図6は、図1に示す摺動シート29及びニップ形成部材24を図1中の矢印「D」方向から見たときの潤滑剤80の流れを模式的に示す説明図である。
図6中の矢印「B1」は定着ベルト21の移動方向を示し、他の矢印は潤滑剤80の移動方向を示している。
摺動シート29のシート非接触部29bで回収された潤滑剤80が、シート非接触部29bの飽和容量を超えることがある。飽和容量を超えた場合、シート非接触部29bから溢れた潤滑剤80が定着ベルト21の内周面に落下する。このとき、定着ベルト21の内周面のベルト幅方向の端部付近に落下すると、潤滑剤80が定着ベルト21の端部から漏れ出てしまうおそれがある。
一方、本実施形態では、図6に示すように、摺動シート29のシート非接触部29bにおけるベルト幅方向に直交する方向(図6中の上下方向)の長さが、ベルト幅方向に平行な方向における両端部よりも中央部の方が長い構成となっている。これにより、シート先端部29cを先端としたテーパー形状を形成している。潤滑剤80の含浸量がシート非接触部29bの飽和容量を超え、シート非接触部29bの表面に潤滑剤80が溢れると、潤滑剤80の表面張力によりシート非接触部29bの表面を伝って定着ベルト21の内周面に落下する。このとき、テーパー形状を備えることで、潤滑剤がテーパー形状の縁に沿ってシート先端部29cに向けて移動してシート先端部29cから定着ベルト21の内周面に落下する。このため、定着ベルト21のベルト幅方向の中央部付近に潤滑剤80を落下させることができ、落下した潤滑剤80が定着ベルト21の端部から漏れ出てしまうことを抑制できる。
摺動シート29のシート非接触部29bに回収された潤滑剤80は、摺動シート29における毛細管現象により摺動シート29のシート接触部29aに移動する。そして、シート接触部29aから定着ベルト21の内壁面に潤滑剤80を再び塗布することが可能となる。
摺動シート29は、図1及び図6中の「W3」で示す範囲で、シート接触部29aの一部がニップ部Nの領域内に配設されている。ニップ部Nでは加圧ローラ22に押圧されているため、ニップ部Nの定着ベルト21の上流側端部で潤滑剤80が堰き止められ、ニップ部N内に潤滑剤80が到達しにくい。しかし、「W3」で示すように、シート接触部29aの一部がニップ部Nの領域内に位置することで、ニップ部N内へ潤滑剤80が到達し易くなる。
上述した構成により、定着ベルト21の内周面におけるニップ形成部材24が接触しない部分に移動した潤滑剤80は、シート非接触部29bに回収され、摺動シート29内をシート接触部29aへ移動し、シート接触部29aからニップ部Nに供給される。これにより、潤滑剤80がニップ部Nに戻ってきて、一連の潤滑剤80の移動サイクルが終了する。
上述したように、潤滑剤80の循環することにより、定着ベルト21のベルト幅方向の端部から潤滑剤80が漏れることを抑止することが可能となる。よって、潤滑剤80の総量が減ることによりニップ形成部材24と定着ベルト21の内周面との間の摺動性が悪化して定着装置20の寿命に悪影響を与えることを抑制できる。
本実施形態のプリンタ100は、上述した定着装置20を備えることにより、定着装置20の長寿命化を図ることで、プリンタ100の画像形成装置全体の長寿命化を図ることが可能となる。
また、定着ベルト21の内周面にニップ形成部材24が接触する領域の定着ベルト21の移動方向上流側端部ではニップ形成部材24によって潤滑剤80が堰き止められるおそれがある。これに対して、定着装置20では、図1及び図6中の「W1」で示すように、シート接触部29aの全体が定着ベルト21の内周面にニップ形成部材24が接触する領域内に位置している。これにより、摺動シート29に含浸している潤滑剤80が定着ベルト21の内周面にニップ形成部材24が接触する領域内に移動し易くなる。
図1及び図6に示す定着装置20では、摺動シート29における定着ベルト21の移動方向の下流側端部がニップ部N内に位置している。摺動シート29の下流側端部の位置としては、ニップ部Nよりも定着ベルト21の移動方向の下流側としてもよい。このような構成では、加圧ローラ22が定着ベルト21を挟んでニップ形成部材24に当接するニップ部Nの全域に渡って定着ベルト21とニップ形成部材24との間に摺動シート29を介在させることができる。これにより、ニップ形成部材24と定着ベルト21の内周面との間の摺動性の向上を図ることができる。
また、摺動シート29の下流側端部の位置としては、ニップ部Nよりも定着ベルト21の移動方向の上流側としてもよい。このような構成では、ニップ部Nへの潤滑剤80の供給効率が低下するが、摺動シート29で吸収し切れなかった潤滑剤80をシート非接触部29bの表面と定着ベルト21の内周面との間に形成される隙間で保持することは可能である。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
回転可能な無端状の定着ベルト21等の定着ベルトと、定着ベルトの内周側に配置されるニップ形成部材24等のニップ形成部材と、定着ベルトの外周面に接触し、定着ベルトを挟んでニップ形成部材と当接してニップ部N等のニップ部を形成する加圧ローラ22等の加圧部材と、定着ベルトの内周面に接触するように設けられ、潤滑剤80等の潤滑剤を含浸する摺動シート29等の潤滑剤含浸部材とを備えた定着装置20等の定着装置において、潤滑剤含浸部材は、定着ベルトの内周面に接触するシート接触部29a等の含浸部材接触部に対して定着ベルトの移動方向上流側に、定着ベルトの内周面に対して非接触で対向するシート非接触部29b等の含浸部材非接触部を有する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、潤滑剤が定着ベルトの内周面を伝って流れることを抑制し、定着装置の外部に潤滑剤が漏れ出すことを抑制することが可能となる。これは、以下の理由による。
すなわち、潤滑剤含浸部材は時間当たりに吸収することができる潤滑剤の量には限りがある。このため、潤滑剤含浸部材で時間当たりに吸収することができる量を超えた潤滑剤が、潤滑剤含浸部材の上流側端部と定着ベルトとの接触位置に到達すると、潤滑剤含浸部材で吸収し切れなかった潤滑剤は潤滑剤含浸部材の上流側端部で堰き止められた状態となる。堰き止められた潤滑剤が溜まってくると、定着ベルトの内周面で保持し切れなくなり、潤滑剤が定着ベルトの内周面を伝って定着ベルトの低い部分に向かって流れる。さら、潤滑剤が定着ベルトの内周面をベルト幅方向に流れることで、定着ベルトの幅方向の端部から定着装置の外部に漏れ出る不具合が生じることがあった。
これに対して、態様Aでは、潤滑剤含浸部材で吸収し切れなかった潤滑剤を含浸部材非接触部の表面と定着ベルトの内周面との間に形成される隙間で保持することが可能となる。これにより、潤滑剤が定着ベルトの内周面を伝って流れることを抑制し、定着装置の外部に潤滑剤が漏れ出すことを抑制することが可能となる。
(態様B)
態様Aにおいて、摺動シート29等の潤滑剤含浸部材のシート接触部29a等の含浸部材接触部は、定着ベルト21等の定着ベルトとニップ形成部材24等のニップ形成部材との間に挟まれている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ニップ形成部材が定着ベルトに接触する領域における定着ベルトの移動方向上流側の端部で、潤滑剤80等の潤滑剤が堰き止められることを抑制できる。これにより、ニップ形成部材が定着ベルトに接触する領域に効率的に潤滑剤を供給することが可能となる。
(態様C)
態様Bにおいて、摺動シート29等の潤滑剤含浸部材のシート接触部29a等の含浸部材接触部は、ニップ部N等のニップ部における定着ベルト21等の定着ベルトの内周面とニップ形成部材24等のニップ形成部材との間に挟まれている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ニップ部における定着ベルトの移動方向上流側の端部で、潤滑剤80等の潤滑剤が堰き止められることを抑制できる。これにより、ニップ部内に効率的に潤滑剤を供給することが可能となる。これにより、効率的に潤滑剤を回収することが可能となり、定着ベルトの内周面に潤滑剤を再塗布するサイクルが得られ、定着ベルトの内周面とニップ形成部材との摺動負荷を低減することが可能となる。
(態様D)
態様A乃至Cの何れかの態様において、摺動シート29等の潤滑剤含浸部材のシート非接触部29b等の含浸部材非接触部における定着ベルト21等の定着ベルトの幅方向(ベルト幅方向)に直交する方向の長さが、定着ベルトの幅方向に平行な方向における両端部よりも中央部の方が長い。
これによれば、上記実施形態について説明したように、含浸部材非接触部に含浸された潤滑剤が最大保持量を超えたときに、定着ベルトの幅方向の端部側から中央側に向かって傾斜したテーパー形状により、潤滑剤がテーパー形状に沿って中央部側に移動する。これにより、定着ベルトの内周面における幅方向の中央部近傍に潤滑剤を落下させることが可能となる。よって、含浸部材非接触部に含浸された潤滑剤が最大保持量を超えたときに、潤滑剤が定着ベルトの内周面の幅方向の端部付近に落下して、その端部側から定着装置の外部に潤滑剤が漏れ出すことを抑制できる。
(態様E)
感光体120等の潜像担持体と、潜像担持体上にトナー像を形成する作像部等のトナー像形成手段と、トナー像を潜像担持体上から用紙P等の記録材上に転写する転写装置71等の転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を記録材に定着させる定着手段とを備えたプリンタ100等の画像形成装置において、定着手段として、態様A乃至Dのいずれかの態様に係る定着装置20等の定着装置を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、定着装置の長寿命化を図ることで、画像形成装置全体の長寿命化を図ることが可能となる。
3 給送ローラ
4 レジストローラ対
5 二次転写ローラ
6 光書込装置
7 排紙ローラ対
8 ベルト回転ガイド
9 トナーボトル
10 転写ベルトユニット
11 中間転写ベルト
17 排紙トレイ
20 定着装置
21 定着ベルト
22 加圧ローラ
22a 芯金
22b 弾性層
22c 離型層
23 ハロゲンヒータ
24 ニップ形成部材
25 ステー
26 反射部材
27 温度センサ
28 分離部材
29 摺動シート
29a シート接触部
29b シート非接触部
29c シート先端部
30 帯電装置
30Bk ブラック用帯電装置
31 摺動シート保持部材
40 現像装置
40Bk ブラック用現像装置
41 用紙先端センサ
50 クリーニング装置
50Bk ブラック用クリーニング装置
61 用紙給送装置
71 転写装置
72 駆動ローラ
73 従動ローラ
80 潤滑剤
100 プリンタ
112 一次転写ローラ
112Bk ブラック用一次転写ローラ
113 転写ベルトクリーニング装置
120 感光体
120Bk ブラック用感光体
200 金属熱伝導体
300 熱源
N ニップ部
P 用紙
R 搬送路
T トナー像
特開2014−174358号公報 特開2004−286922号公報 特開2010−79309号公報 特許第2861280号公報 特開2007−334205号公報

Claims (5)

  1. 回転可能な無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内周側に配置されるニップ形成部材と、
    前記定着ベルトの外周面に接触し、前記定着ベルトを挟んで前記ニップ形成部材と当接してニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着ベルトの内周面に接触するように設けられ、潤滑剤を含浸する潤滑剤含浸部材とを備えた定着装置において、
    前記潤滑剤含浸部材は、前記定着ベルトの内周面に接触する含浸部材接触部に対して前記定着ベルトの移動方向上流側に、前記定着ベルトの内周面に対して非接触で対向する含浸部材非接触部を有することを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1の定着装置において、
    前記潤滑剤含浸部材の前記含浸部材接触部は、前記定着ベルトと前記ニップ形成部材との間に挟まれていることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項2の定着装置において、
    前記潤滑剤含浸部材の前記含浸部材接触部は、前記ニップ部における前記定着ベルトの内周面と前記ニップ形成部材との間に挟まれていることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の定着装置において、
    前記潤滑剤含浸部材の前記含浸部材非接触部における前記定着ベルトの幅方向に直交する方向の長さが、前記定着ベルトの幅方向に平行な方向における両端部よりも中央部の方が長いことを特徴とする定着装置。
  5. 潜像担持体と、
    潜像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像を前記潜像担持体上から記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写されたトナー像を該記録材に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、
    前記定着手段として、請求項1乃至4の何れかに記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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