以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。なお、本開示における装置、器具、及び部品等の、個数、配置、向き、形状、及び大きさは、原則として、図面に示す個数、配置、向き、形状、及び大きさに限定されない。また、本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組合わせ可能な構成のあらゆる組合わせを含み得る。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の給湯システムを模式的に示す図である。図1に示す実施の形態1の給湯システム1は、HEMSコントローラ100、給湯装置210、浴室リモコン310、及び台所リモコン320を備える。給湯システム1は、住宅900に備えられている。住宅900は、浴室910及び台所920を備える。浴室リモコン310は、浴室910に設置されている。台所リモコン320は、台所920に設置されている。浴室リモコン310及び台所リモコン320は、給湯装置210に対するユーザーインターフェースの例である。図1では、給湯装置210は、住宅900の室外に設置されている。このような構成に限らず、給湯装置210の一部または全部が、住宅900の室内に設置されてもよい。給湯装置210は、貯湯式給湯機でもよい。以下の説明では、浴室リモコン310及び台所リモコン320を区別しないとき、または総称するときには、リモコン300と表記することがある。
浴室910には、第一給湯栓10が備えられている。第一給湯栓10には、シャワー11が接続されていてもよい。台所920には、第二給湯栓20が備えられている。第二給湯栓20は、キッチンシンクへ出湯可能でもよい。台所920には、食器洗浄装置220が備えられている。給湯管30の上流部は、給湯装置210に接続されている。給湯管30の下流部は、給湯管30a,30b,30cに枝分かれする。給湯管30aは、第一給湯栓10に接続される。給湯管30bは、第二給湯栓20に接続される。給湯管30cは、食器洗浄装置220に接続される。
第一給湯栓10は、人が操作することで開閉される。人体の少なくとも一部を検知したときに第一給湯栓10が自動的に開閉されてもよい。第二給湯栓20は、人が操作することで開閉される。人体の少なくとも一部を検知したときに第二給湯栓20が自動的に開閉されてもよい。
図示を省略するが、食器洗浄装置220は、食器を収容する洗浄槽と、洗浄槽内へ湯を自動的に出したり止めたりするための開閉弁とを備える。第一給湯栓10、第二給湯栓20、及び、食器洗浄装置220の開閉弁のうちの一つまたは二つ以上が開くと、その開いた栓または食器洗浄装置220に対して、給湯装置210から給湯管30を介して給湯される。
リモコン線41は、給湯装置210とリモコン300との間をつなぐ。給湯装置210とリモコン300とは、リモコン線41を介して、双方向にデータ通信可能である。給湯装置210とリモコン300とは、このように有線通信可能に接続される構成に限らず、無線通信可能に接続される構成でもよい。
HEMSコントローラ100は、住宅900に備えられた複数の電気機器200を管理するホームエネルギーマネジメントシステムのコントローラである。図1では、電気機器200として、給湯装置210及び食器洗浄装置220のほかに、浴室照明230及び台所照明240を例示している。電気機器200は、これらに限定されない。図示を省略するが、電気機器200は、例えば、浴室乾燥機、浴室換気扇、ルームエアコン、台所換気扇、IH(Induction Heating)調理器、電子レンジなどを含んでもよい。以下の説明では、各々の電気機器200を区別しないとき、または総称するときには、電気機器200と表記することがある。
HEMS通信線42は、HEMSコントローラ100と各々の電気機器200との間をつなぐ。HEMSコントローラ100と各々の電気機器200とは、HEMS通信線42を介して、双方向にデータ通信可能である。HEMSコントローラ100と各々の電気機器200とは、このように有線通信可能に接続される構成に限らず、無線通信可能に接続される構成でもよい。また、HEMSコントローラ100と各々の電気機器200とは、宅内のネットワークを介して通信可能でもよい。
図2は、実施の形態1の給湯システム1に関するブロック図である。図2に示すように、HEMSコントローラ100は、通信部101、記憶部102、及び制御部103を備える。通信部101は、通信インタフェースを備える。通信部101は、制御部103の制御の下、各々の電気機器200とデータ通信を行う。記憶部102は、プログラム及びデータを記憶する。制御部103は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等(いずれも図示省略)を備える。
電気機器200は、主機能部201、通信部202、センサ部203、記憶部204、及び制御部205を備える。主機能部201は、電気機器200の本来の機能を実施するための構成を備える。例えば、給湯装置210の主機能部201は、給湯を実施するための構成を備える。食器洗浄装置220の主機能部201は、食器洗浄を実施するための構成を備える。通信部202は、HEMSコントローラ100と通信するための通信インタフェースを備える。給湯装置210の通信部202は、リモコン300と通信するための通信インタフェースをさらに備える。センサ部203は、電気機器200の動作を制御するための少なくとも一つのセンサを備える。記憶部204は、プログラム及びデータを記憶する。制御部205は、CPU、ROM、RAM等(いずれも図示省略)を備える。一部の電気機器200は、上記と異なる構成を備えていてもよい。
浴室リモコン310及び台所リモコン320は、類似の構成であるので、ここではリモコン300として説明を共通化する。リモコン300は、通信部301、表示部302、音声出力部303、入力部304、記憶部305、及び制御部306を備える。リモコン300は、人感センサ307をさらに備えてもよい。通信部301は、給湯装置210と通信するための通信インタフェースを備える。表示部302は、液晶表示器などのディスプレイを備える。表示部302は、制御部306の制御の下、給湯装置210の状態に関する情報、例えば給湯温度の情報などを表示できる。音声出力部303は、案内音声を出力可能なスピーカーを備える。入力部304は、ユーザーからの操作入力を受け付ける処理を行う。入力部304は、ハードウェアボタンを備えてもよい。入力部304は、タッチパネル、タッチパッド等を備えてもよい。記憶部305は、プログラム及びデータを記憶する。制御部306は、CPU、ROM、RAM等(いずれも図示省略)を備える。
給湯装置210と、浴室リモコン310及び台所リモコン320、すなわちリモコン300との間では、例えば以下のような通信を行う。給湯装置210の状態に関する情報を、給湯装置210からリモコン300へ送信する。ユーザーがリモコン300の入力部304を操作することで入力された情報を、リモコン300から給湯装置210へ送信する。リモコン300の表示部302は、給湯装置210から受信した情報などに基づいて、ユーザーの視覚に対して情報を報知する動作を実施できる。リモコン300の音声出力部303は、給湯装置210から受信した情報などに基づいて、ユーザーの聴覚に対して情報を報知する動作を実施できる。
HEMSコントローラ100と、電気機器200との間では、例えば以下のような通信を行う。HEMSコントローラ100は、各々の電気機器200の動作状態に関する情報を収集できる。HEMSコントローラ100は、各々の電気機器200に対して指令を出せる。図1では、省略しているが、HEMSコントローラ100と、パーソナルコンピュータ、またはタブレットのような操作表示端末との間で、情報をやり取り可能になっていてもよい。以下の説明では、当該パーソナルコンピュータまたはタブレットのような操作表示端末のことを、単に「パーソナルコンピュータまたはタブレット」と表記する。パーソナルコンピュータまたはタブレットに、各々の電気機器200の動作状態に関する情報を表示可能でもよい。また、ユーザーがパーソナルコンピュータまたはタブレットを操作することで、各々の電気機器200に対して指令を出せるように構成されてもよい。
給湯装置210は、給湯管30への給湯温度を制御できる。例えば、給湯装置210が貯湯タンクを備える場合には、貯湯タンクから取り出される高温水と、水道から供給される低温水との混合比を調整する混合弁を給湯管30の上流側に設けることで、給湯管30への給湯温度を制御できる。
給湯装置210は、給湯管30に対する給湯温度の設定値を、第一設定温度と、第二設定温度とに切り替え可能である。第一設定温度及び第二設定温度の値は、給湯装置210の記憶部305に記憶されている。ユーザーは、浴室リモコン310または台所リモコン320の入力部304を操作することで、第一設定温度を、希望する温度に変更できる。第一設定温度は、通常、ユーザーが第一給湯栓10または第二給湯栓20への給湯を希望する温度となる。また、ユーザーがパーソナルコンピュータまたはタブレットを操作することで第一設定温度を変更可能でもよい。第二設定温度は、食器洗浄装置220での食器洗浄に適した温度である。第二設定温度は、例えば、50℃〜70℃の範囲内の値でもよい。第二設定温度は、例えば、60℃でもよい。食器洗浄装置220での食器洗浄のことを以下の説明では単に「食器洗浄」と称する。第一設定温度は、37℃〜45℃程度に設定されることが多いと考えられる。よって、第二設定温度は、第一設定温度より高い温度になることが多いと考えられる。第二設定温度は、予め設定された値に固定されていてもよいし、浴室リモコン310または台所リモコン320、もしくはパーソナルコンピュータまたはタブレットをユーザーが操作することで変更可能でもよい。本実施の形態であれば、食器洗浄装置220に供給される湯の温度を、食器洗浄に適した第二設定温度に自動的に制御できるので、食器洗浄装置220にて優れた洗浄効果が得られるとともに、食器洗浄装置220の電力消費を低減できる。以下の説明では、給湯管30に対する給湯温度の設定値、すなわち給湯装置210が給湯管30へ供給する湯の温度の設定値を、単に「給湯温度の設定値」と称する。
本実施の形態の給湯システム1では、以下のようにする。食器洗浄装置220へ給湯する場合に、給湯温度の設定値を第一設定温度から第二設定温度へ自動で変更する。その際に、給湯温度の設定値を第一設定温度から第二設定温度へ自動で変更する前に、給湯温度の設定値が変わることを事前にユーザーに報知する温度変更予告を行う。仮に、給湯温度の設定値が第一設定温度から第二設定温度へ自動で変更されたことを知らずにユーザーが第一給湯栓10または第二給湯栓20を使用した場合には、ユーザーの意図しない温度の湯が第一給湯栓10または第二給湯栓20から出湯してしまい、ユーザーの快適度が下がる可能性がある。また、第一給湯栓10または第二給湯栓20から出湯した、ユーザーの意図しない温度の湯が無駄に捨てられることで、水及びエネルギーを無駄に使ってしまう可能性がある。これに対し、本実施の形態であれば、給湯温度の設定値を第一設定温度から第二設定温度へ自動で変更する前に、そのことを事前にユーザーに知らせることができる。それゆえ、給湯温度の設定値が第一設定温度から第二設定温度へ自動で変更されたことを知らずにユーザーが第一給湯栓10または第二給湯栓20を使用することを回避できる。このため、ユーザーの快適度が下がったり、水及びエネルギーを無駄にしたりすることを確実に抑制できる。
本実施の形態では、浴室リモコン310及び台所リモコン320の音声出力部303による音声案内により、温度変更予告を行う。これにより、ユーザーが浴室リモコン310または台所リモコン320を見ていない状態のときにも、給湯温度の設定値が第一設定温度から第二設定温度へ変わることをユーザーに確実に報知できる。
給湯装置210のセンサ部203は、給湯管30を流れる湯の流量を検知する給湯流量センサを備えてもよい。食器洗浄装置220のセンサ部203は、給湯管30cから流入する湯の流量を検知する流量センサを備えてもよい。食器洗浄装置220の記憶部204は、食器洗浄装置220の運転時に給湯管30cから流入する湯の流量のデータを予め記憶していてもよい。食器洗浄装置220の制御部205は、食器洗浄装置220の運転中に、上記流量センサの信号または上記データに基づいて、給湯管30cから流入する湯の流量の情報をリアルタイムにHEMSコントローラ100へ送信するように制御してもよい。HEMSコントローラ100は、当該情報に基づいて、給湯管30cから食器洗浄装置220へのリアルタイムの給湯流量のデータを給湯装置210へ送信してもよい。給湯装置210の制御部205は、HEMSコントローラ100から受信した、給湯管30cから食器洗浄装置220へのリアルタイムの給湯流量のデータと、給湯流量センサで検知された給湯管30の現在の給湯流量のデータとを比較することで、食器洗浄装置220以外への給湯、すなわち第一給湯栓10及び第二給湯栓20の少なくとも一方への給湯の有無を検知できる。例えば、給湯管30cから食器洗浄装置220へのリアルタイムの給湯流量と、給湯流量センサで検知された給湯管30の給湯流量とが一致しているとみなせる場合には、食器洗浄装置220以外への給湯、すなわち第一給湯栓10及び第二給湯栓20への給湯が無いと検知できる。給湯管30cから食器洗浄装置220へのリアルタイムの給湯流量に比べて、給湯流量センサで検知された給湯管30の給湯流量が多い場合には、食器洗浄装置220以外への給湯、すなわち第一給湯栓10及び第二給湯栓20の少なくとも一方への給湯があると検知できる。
このような構成に限らず、第一給湯栓10もしくは給湯管30aに備えたセンサ、または第二給湯栓20もしくは給湯管30bに備えたセンサによって、第一給湯栓10または第二給湯栓20への給湯の有無を直接的に検知してもよい。当該センサが検知した情報は、HEMSコントローラ100を介して給湯装置210の制御部205へ送信されてもよいし、HEMSコントローラ100を介さずに給湯装置210の制御部205へ送信されてもよい。
図3は、実施の形態1の給湯システム1が実行する制御ルーチンのフローチャートである。食器洗浄装置220の制御部205は、食器洗浄装置220の運転を開始する必要がある場合に、給湯要求をHEMSコントローラ100へ送信する。HEMSコントローラ100は、食器洗浄装置220からの給湯要求を給湯装置210の制御部205へ送信する。食器洗浄装置220からの給湯要求を給湯装置210の制御部205が受信することで、図3のルーチンの処理が開始する。
図3のステップS1で、給湯装置210の制御部205は、食器洗浄装置220以外への給湯、すなわち第一給湯栓10及び第二給湯栓20の少なくとも一方への給湯の有無を判断する。第一給湯栓10及び第二給湯栓20の少なくとも一方への給湯の有無は、前述したようにして検知できる。第一給湯栓10及び第二給湯栓20への給湯が無い場合には、ステップS2へ移行する。ステップS1で、第一給湯栓10及び第二給湯栓20の少なくとも一方への給湯がある場合には、ステップS1へ戻り、第一給湯栓10及び第二給湯栓20への給湯が無くなるまで待機する。
このように、本実施の形態では、第一給湯栓10及び第二給湯栓20の少なくとも一方への給湯が実行中である場合には、食器洗浄装置220からの給湯要求を受けても、食器洗浄装置220への給湯を開始しない。これにより、以下の効果が得られる。ユーザーの意図しない温度の湯が第一給湯栓10及び第二給湯栓20へ供給されることをより確実に抑制できる。第二設定温度と異なる温度の湯、すなわち食器洗浄に適さない温度の湯が食器洗浄装置220へ供給されることをより確実に抑制できる。
ステップS2では、以下のようにする。給湯装置210の制御部205は、温度変更予告を行わせる内容の指令を浴室リモコン310及び台所リモコン320へ送信する。当該指令を受信した浴室リモコン310及び台所リモコン320は、温度変更予告を実行する。すなわち、浴室リモコン310及び台所リモコン320の音声出力部303は、給湯温度の設定値が、食器洗浄装置220用の温度、すなわち第二設定温度へ変更されることを予告する内容の音声メッセージをスピーカーから出力する。ステップS2からステップS3へ移行する。ステップS3で、給湯装置210の制御部205は、給湯温度の設定値を第一設定温度から第二設定温度へ変更する。ステップS3からステップS4へ移行する。
ステップS4では、以下のようにする。給湯装置210の制御部205は、食器洗浄装置220への給湯を許可する内容の指令をHEMSコントローラ100へ送信する。HEMSコントローラ100は、当該指令を食器洗浄装置220へ送信する。当該指令を受信した食器洗浄装置220が運転を開始することで、食器洗浄装置220への給湯が開始される。食器洗浄装置220は、給湯を必要とする運転が終了するまで、給湯要求をHEMSコントローラ100へ繰り返し送信する。HEMSコントローラ100は、食器洗浄装置220から受信した給湯要求を給湯装置210へ送信する。食器洗浄装置220は、給湯を必要とする運転が終了した場合には、給湯要求がなくなったことを表す情報をHEMSコントローラ100へ送信してもよい。HEMSコントローラ100は、当該情報を給湯装置210へ送信してもよい。ステップS4からステップS5へ移行する。
ステップS5で、給湯装置210の制御部205は、食器洗浄装置220への給湯が終了したかどうかを判断する。食器洗浄装置220への給湯が終了したかどうかは、食器洗浄装置220からの給湯要求が続いているかどうかによって判断できる。食器洗浄装置220からの給湯要求が続いている場合、すなわち食器洗浄装置220への給湯が終了していない場合には、ステップS5からステップS6へ移行する。
ステップS6で、給湯装置210の制御部205は、食器洗浄装置220以外への給湯、すなわち第一給湯栓10及び第二給湯栓20の少なくとも一方への給湯の有無を判断する。第一給湯栓10及び第二給湯栓20の少なくとも一方への給湯の有無は、前述したようにして検知できる。第一給湯栓10及び第二給湯栓20への給湯が無い場合には、ステップS6からステップS5に戻る。第一給湯栓10及び第二給湯栓20の少なくとも一方への給湯がある場合、すなわち第一給湯栓10及び第二給湯栓20の少なくとも一方がユーザーによって開かれたと考えられる場合には、ステップS6からステップS7へ移行する。
ステップS7では、以下のようにする。給湯装置210の制御部205は、食器洗浄装置220の一時停止を要求する内容の指令をHEMSコントローラ100へ送信する。当該指令、すなわち食器洗浄装置220に対する一時停止要求をHEMSコントローラ100が食器洗浄装置220へ送信する。一時停止要求を受けた食器洗浄装置220が運転を一時停止することで、食器洗浄装置220への給湯が停止される。ステップS7からステップS8へ移行する。
ステップS8で、給湯装置210の制御部205は、給湯温度の設定値を、第二設定温度から、通常時の設定温度すなわち第一設定温度へ変更する。ステップS8からステップS9へ移行する。ステップS9で、給湯装置210の制御部205は、温度変更通知を行わせる内容の指令を浴室リモコン310及び台所リモコン320へ送信する。当該指令を受信した浴室リモコン310及び台所リモコン320は、温度変更通知を実行する。すなわち、浴室リモコン310及び台所リモコン320の音声出力部303は、給湯温度の設定値が、食器洗浄装置220用の第二設定温度から、通常時の設定温度すなわち第一設定温度へ変更されたことを通知する内容の音声メッセージをスピーカーから出力する。ステップS9からステップS1へ戻る。
食器洗浄装置220は、一時停止要求が続いている間は運転を一時停止する。食器洗浄装置220は、一時停止要求がなくなった場合には、一時停止を解除し、運転を再開する。
ステップS5で、食器洗浄装置220への給湯が終了した場合、すなわち食器洗浄装置220からの給湯要求がなくなった場合には、ステップS10へ移行する。ステップS10で、食器洗浄装置220が運転を終了することで、食器洗浄装置220への給湯が停止される。ステップS10からステップS11へ移行する。ステップS11で、給湯温度の設定値を、第二設定温度から、通常時の設定温度すなわち第一設定温度へ変更する。ステップS11からステップS12へ移行する。
ステップS12で、給湯装置210の制御部205は、温度変更通知を行わせる内容の指令を浴室リモコン310及び台所リモコン320へ送信する。当該指令を受信した浴室リモコン310及び台所リモコン320は、温度変更通知を実行する。すなわち、浴室リモコン310及び台所リモコン320の音声出力部303は、給湯温度の設定値が、食器洗浄装置220用の第二設定温度から、通常時の設定温度すなわち第一設定温度へ変更されたことを通知する内容の音声メッセージをスピーカーから出力する。ステップS12の後、本ルーチンの処理を終了する。
本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。給湯温度の設定値を、比較的低い第一設定温度から比較的高い第二設定温度へ自動で変更する場合には、設定温度の変更を事前にユーザーに予告した後に、給湯温度の設定値を第一設定温度から第二設定温度へ変更する。逆に、給湯温度の設定値を、比較的高い第二設定温度から比較的低い第一設定温度へ自動で変更する場合には、先に給湯温度の設定値を第一設定温度から第二設定温度へ変更し、その後に、設定温度の変更をユーザーに通知する。これにより、ユーザーの意図しない温度の湯が第一給湯栓10または第二給湯栓20から出湯されることをより確実に抑制できる。
本実施の形態では、給湯装置210と食器洗浄装置220とがHEMSコントローラ100を介して通信する構成を例に説明した。このような構成に限らず、給湯装置210と食器洗浄装置220とがHEMSコントローラ100以外の機器を介して通信する構成でもよいし、給湯装置210と食器洗浄装置220とが直接的に通信する構成でもよい。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。本実施の形態2の給湯システム1の構成は、図1及び図2の構成と同じでよい。
浴室リモコン310は、浴室910における人の有無を検知する人感センサ307を備える。浴室リモコン310の人感センサ307は、第一給湯栓10がある場所、すなわち浴室910における人の有無に関する情報を取得する手段の例である。台所リモコン320は、台所920における人の有無を検知する人感センサ307を備える。台所リモコン320の人感センサ307は、第二給湯栓20がある場所、すなわち台所920における人の有無に関する情報を取得する手段の例である。
本実施の形態2の給湯システム1は、前述した図3の制御ルーチンを実行するが、以下の点において異なる。本実施の形態2では、図3のステップS2において、以下のようにする。浴室910に人がいないことが浴室リモコン310の人感センサ307で検知されている場合には、浴室リモコン310は、音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行しない。台所920に人がいないことが台所リモコン320の人感センサ307で検知されている場合には、台所リモコン320は、音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行しない。浴室910に人がいることが浴室リモコン310の人感センサ307で検知されている場合には、浴室リモコン310は、音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行する。台所920に人がいることが台所リモコン320の人感センサ307で検知されている場合には、台所リモコン320は、音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行する。
本実施の形態2であれば、以下の効果が得られる。浴室910に人がいない場合には第一給湯栓10から出湯する可能性が低いので、浴室リモコン310が音声による温度変更予告を行う必要性が低い。この場合に音声による温度変更予告を行わないようにすることで、不必要な音声案内によってユーザーが不快感を覚えることを未然に防止できる。台所920に人がいない場合には第二給湯栓20から出湯する可能性が低いので、台所リモコン320が音声による温度変更予告を行う必要性が低い。この場合に音声による温度変更予告を行わないようにすることで、不必要な音声案内によってユーザーが不快感を覚えることを未然に防止できる。
本実施の形態の変形例として、浴室リモコン310または台所リモコン320に備えた人感センサ307以外の手段で、第一給湯栓10または第二給湯栓20がある場所における人の有無に関する情報を取得してもよい。例えば、以下のようにしてもよい。ダイニングキッチンに設置されているルームエアコンに人感センサが内蔵されている場合に、当該人感センサが台所920における人の有無を検知する。その検知した情報を、HEMSコントローラ100を介して給湯装置210の制御部205が取得してもよい。このように、人感センサを搭載した他の電気機器200が検知した情報を利用してもよい。
実施の形態3.
次に、図4を参照して、実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。本実施の形態3の給湯システム1の構成は、図1及び図2の構成と同じでよい。
第一給湯栓10または第二給湯栓20がある場所にある少なくとも一つの電気機器200の状態を、本明細書では「近隣機器状態」と称する。本実施の形態3では、以下のようにする。給湯装置210の制御部205は、近隣機器状態に関する情報を、HEMSコントローラ100を介してリアルタイムに取得できる。
本実施の形態3の給湯システム1は、前述した図3の制御ルーチンを実行するが、以下の点において異なる。図3のステップS2において、以下のようにする。第一給湯栓10がある場所、すなわち浴室910についての現状の近隣機器状態が、浴室910に人がいる可能性が高いとみなせる第一パターンに該当する場合には、浴室リモコン310は、音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行する。浴室910についての現状の近隣機器状態が、浴室910に人がいる可能性が低いとみなせる第二パターンに該当する場合には、浴室リモコン310は、音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行しない。第二給湯栓20がある場所、すなわち台所920についての現状の近隣機器状態が、台所920に人がいる可能性が高いとみなせる第一パターンに該当する場合には、台所リモコン320は、音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行する。台所920についての現状の近隣機器状態が、台所920に人がいる可能性が低いとみなせる第二パターンに該当する場合には、台所リモコン320は、音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行しない。
本実施の形態3であれば、実施の形態2に類似の効果が得られる。すなわち、以下の効果が得られる。浴室910についての現状の近隣機器状態が、浴室910に人がいる可能性が低いとみなせる第二パターンに該当する場合、すなわち浴室910に人がいる可能性が低い場合には、第一給湯栓10から出湯する可能性が低いので、浴室リモコン310が音声による温度変更予告を行う必要性が低い。この場合に音声による温度変更予告を行わないようにすることで、不必要な音声案内によってユーザーが不快感を覚えることを未然に防止できる。台所920についての現状の近隣機器状態が、台所920に人がいる可能性が低いとみなせる第二パターンに該当する場合、すなわち台所920に人がいる可能性が低い場合には、第二給湯栓20から出湯する可能性が低いので、台所リモコン320が音声による温度変更予告を行う必要性が低い。この場合に音声による温度変更予告を行わないようにすることで、不必要な音声案内によってユーザーが不快感を覚えることを未然に防止できる。本実施の形態3であれば、浴室リモコン310及び台所リモコン320が人感センサ307を備えない場合でも、上記の効果が得られるので、コストを低減できる。
浴室910についての近隣機器状態として、例えば、浴室照明230の点灯及び消灯の状態を用いてもよい。この場合、浴室照明230が点灯している状態を、浴室910に人がいる可能性が高いとみなせる第一パターンとしてもよい。浴室照明230が消灯している状態を、浴室910に人がいる可能性が低いとみなせる第二パターンとしてもよい。
浴室910についての近隣機器状態として、例えば、浴室乾燥機あるいは浴室換気扇の稼働及び停止の状態を用いてもよい。例えば、浴室乾燥機が稼働している状態を、浴室910に人がいる可能性が低いとみなせる第二パターンとしてもよい。
複数の電気機器200の各々の状態の組み合わせを近隣機器状態として用いてもよい。例えば、浴室照明230の点灯及び消灯の状態と、浴室換気扇の稼働及び停止の状態との組み合わせを近隣機器状態として用いてもよい。浴室照明230が消灯していても、浴室換気扇が稼働している場合には、以下のように考えることもできる。浴室910の窓からの日光で浴室910内が明るいために浴室照明230が不要で消灯されており、かつ、給湯時の湯気を排気するために浴室換気扇が稼働されていると考えることができる。そこで、浴室照明230が消灯しており、かつ、浴室換気扇が稼働している状態を、浴室910に人がいる可能性が高いとみなせる第一パターンとしてもよい。
台所920についての近隣機器状態として、例えば、台所照明240、台所換気扇、IH調理器、電子レンジ、またはルームエアコンの状態を用いてもよいし、もしくはこれらのうちの複数の電気機器200の各々の状態の組み合わせを用いてもよい。
浴室910に人がいる可能性が高いとみなせる第一パターンの内容、浴室910に人がいる可能性が低いとみなせる第二パターンの内容、台所920に人がいる可能性が高いとみなせる第一パターンの内容、台所920に人がいる可能性が低いとみなせる第二パターンの内容、のうちの少なくとも一つを、ユーザーが変更可能にしてもよい。そのような変更を行うためのユーザー操作を、例えば、浴室リモコン310、台所リモコン320、パーソナルコンピュータまたはタブレットが受け付けることができるように構成してもよい。上記第一パターンまたは第二パターンの内容をユーザーが変更可能にすることで、以下の効果が得られる。
浴室910または台所920における窓の有無、浴室910または台所920を含む部屋の位置関係、ユーザーの生活スタイルなどに応じて、上記第一パターンまたは第二パターンの内容を決めることができる。その結果、浴室910または台所920における人の有無をより高精度に推定することが可能となる。
図4は、台所920に人がいる可能性が高いとみなせる第一パターンの内容をユーザーが変更可能にする場合の例を示す図である。図4の例では、台所照明240が点灯中であるか消灯中であるか、IH調理器が使用中であるか停止中であるか、電子レンジが使用中であるか停止中であるか、ルームエアコンの人感センサが人有りを検知しているか人無しを検知しているか、の各条件をユーザーが組み合わせて、第一パターンの内容を設定できる。図4の中の「どちらでも」とは、第一パターンの内容として利用しないことを意味する。すなわち、図4の例では、IH調理器が使用中であるか停止中であるか、及び、電子レンジが使用中であるか停止中であるかについては、第一パターンの内容として利用しない。図4の例では、台所照明240が点灯中であり、かつ、ルームエアコンの人感センサが人有りを検知していることを、第一パターンの内容とする。すなわち、この場合には、台所照明240が点灯中であり、かつ、ルームエアコンの人感センサが人有りを検知している場合には、台所920に人がいるとみなすこととして、台所リモコン320は、音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行する。
実施の形態4.
次に、図5を参照して、実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。本実施の形態4の給湯システム1の構成は、図1及び図2の構成と同じでよい。
本実施の形態4では、以下のようにする。給湯装置210の制御部205は、近隣機器状態に関する情報を、HEMSコントローラ100を介してリアルタイムに取得できる。給湯装置210の制御部205は、HEMSコントローラ100から取得した当該情報に基づいて、近隣機器状態を分類した複数のパターンの各々のときに第一給湯栓10または第二給湯栓20への給湯が実施される確率を学習する。以下の説明では、台所920にある第二給湯栓20への給湯が実施される確率を学習する場合を例に説明する。
図5は、実施の形態4において第二給湯栓20への給湯が実施される確率の学習について説明するための図である。図5に示す例では、台所照明240、台所換気扇、IH調理器、及び電子レンジの各々の状態の組み合わせを近隣機器状態として用いる。次のようにして、当該近隣機器状態を図5中の1番から16番の16個のパターンに分類する。台所照明240が点灯しているか消灯しているか、台所換気扇が稼働しているか停止しているか、IH調理器が過去10分間以内に稼働しているか否か、電子レンジが過去10分間以内に稼働しているか否か、により16通りのパターンに分類する。例えば、2番のパターンは、台所照明240が消灯しており、台所換気扇が停止しており、IH調理器が過去10分間以内に稼働しておらず、電子レンジが過去10分間以内に稼働している、という状態である。また、15番のパターンは、台所照明240が点灯しており、台所換気扇が稼働しており、IH調理器が過去10分間以内に稼働しており、電子レンジが過去10分間以内に稼働していない、という状態である。
給湯装置210の制御部205は、以下のようにして、1番から16番のパターンの各々のときに第二給湯栓20への給湯が実施される確率を学習してもよい。給湯装置210の制御部205は、第二給湯栓20への給湯の有無を検知できる。第二給湯栓20への給湯の有無は、例えば、第二給湯栓20につながる給湯管30bに備えた流量センサの信号により検知してもよい。給湯装置210の制御部205は、周期的に、HEMSコントローラ100から近隣機器状態の情報を受信するとともに、現在の第二給湯栓20への給湯の有無を判断する。給湯装置210の制御部205は、その受信した情報に基づいて、現状の近隣機器状態を1番から16番のパターンのいずれかに分類するとともに、分類したパターンの番号と、第二給湯栓20への給湯の有無とを関連付けて、一つの事象として記憶する。当該処理を周期的に繰り返し実行することで、多数の事象に関するデータを蓄積する。その記憶されたデータに基づいて、1番から16番のパターンの各々のときに第二給湯栓20への給湯が実施される確率を学習する。例えば、16番のパターンに該当する事象のうち、第二給湯栓20への給湯有りの事象の数を、16番のパターンに該当する事象の総数で割った値を、16番のパターンのときに第二給湯栓20への給湯が実施される確率とみなすように学習してもよい。図5の例は、16番のパターンのときに第二給湯栓20への給湯が実施される確率が35.1%であるという学習結果を得ていることを意味する。なお、ここでは第二給湯栓20への給湯有無検知手段を有するシステムの例を記載したが、給湯装置210内に内蔵した給湯有無検知手段を用いてもよい。その場合、第一給湯栓10(シャワー11)と第二給湯栓20の区別ができないため、給湯予測精度は低下するが、給湯栓ごとに検知手段を備える必要がないため、経済的なメリットがある。
なお、近隣機器状態を分類した複数のパターンの各々のときに第一給湯栓10または第二給湯栓20への給湯が実施される確率を学習する処理は、給湯装置210の制御部205に代えて、HEMSコントローラ100が実行してもよい。
本実施の形態4の給湯システム1は、前述した図3の制御ルーチンを実行するが、以下の点において異なる。図3のステップS2において、給湯装置210の制御部205は、以下のようにする。台所920についての現状の近隣機器状態が1番から16番のパターンのいずれに該当するかを判断し、その該当するパターンのときに第二給湯栓20への給湯が実施される確率を、学習した情報に基づいて取得する。当該確率が基準(例えば10%)に比べて大きい場合には、台所リモコン320は、音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行する。当該確率が基準(例えば10%)に比べて大きくない場合には、台所リモコン320は、音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行しない。
本実施の形態4であれば、実施の形態2または実施の形態3に類似の効果が得られる。すなわち、以下の効果が得られる。台所920についての現状の近隣機器状態が、第二給湯栓20への給湯が実施される確率が基準(例えば10%)に比べて大きくないパターンに該当する場合には、第二給湯栓20から出湯する可能性が低いので、台所リモコン320が音声による温度変更予告を行う必要性が低い。この場合に音声による温度変更予告を行わないようにすることで、不必要な音声案内によってユーザーが不快感を覚えることを未然に防止できる。本実施の形態4であれば、台所リモコン320が人感センサ307を備えない場合でも、上記の効果が得られるので、コストを低減できる。
本実施の形態4では、台所920にある第二給湯栓20への給湯が実施される確率を学習して制御する場合を例に説明したが、類似の方法を適用することで、浴室910にある第一給湯栓10への給湯が実施される確率を学習して制御してもよい。
実施の形態5.
次に、図6を参照して、実施の形態5について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。本実施の形態5の給湯システム1の構成は、図1及び図2の構成と同じでよい。本実施の形態5における制御は、上述した実施の形態2,3,または4で説明した制御に類似の制御を含む。
図6は、実施の形態5の給湯システム1が実行する制御ルーチンのフローチャートである。食器洗浄装置220からの給湯要求を給湯装置210の制御部205が受信することで、図6のルーチンの処理が開始する。図6のステップS21の前に、図3のステップS1と同じ処理を実行してもよい。
図6のステップS21で、給湯装置210の制御部205は、例えば、以下のいずれかのようにして、第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が高いか低いかを判断する。
(1)実施の形態2のように浴室リモコン310/台所リモコン320が人感センサ307を備える場合には、当該人感センサ307が人有りを検知している場合には第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が高いと判定し、当該人感センサ307が人無しを検知している場合には第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が低いと判定してもよい。
(2)実施の形態3のように近隣機器状態の情報を取得できる場合には、現状の近隣機器状態が第一パターンに該当する場合には第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が高いと判定し、現状の近隣機器状態が第二パターンに該当する場合には第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が低いと判定してもよい。
(3)実施の形態4のように近隣機器状態を分類した複数のパターンの各々のときに第一給湯栓10/第二給湯栓20への給湯が実施される確率を学習している場合には、現状の近隣機器状態が該当するパターンのときに第一給湯栓10/第二給湯栓20への給湯が実施される確率が基準(例えば10%)に比べて大きい場合には第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が高いと判定し、そうでない場合には第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が低いと判定してもよい。
第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が高いと判定された場合には、ステップS21からステップS22へ移行する。ステップS22では、以下のようにする。給湯装置210の制御部205は、温度変更予告を行わせる内容の指令を浴室リモコン310/台所リモコン320へ送信する。当該指令を受信した浴室リモコン310/台所リモコン320は、温度変更予告を実行する。すなわち、浴室リモコン310/台所リモコン320の音声出力部303は、給湯温度の設定値が、食器洗浄装置220用の温度、すなわち第二設定温度へ変更されることを予告する内容の音声メッセージをスピーカーから出力する。ステップS22の後の処理は、図3のステップS3以降の処理と同じであるので、説明を省略する。
第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が低いと判定された場合には、ステップS21からステップS23へ移行する。ステップS23で、給湯装置210の制御部205は、浴室リモコン310/台所リモコン320に音声出力部303からの音声による温度変更予告を実行させることなく、給湯温度の設定値を第一設定温度から第二設定温度へ変更する。ステップS23からステップS24へ移行する。
このように、本実施の形態5であれば、第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が低い場合には、音声による温度変更予告を行わないようにすることで、不必要な音声案内によってユーザーが不快感を覚えることを未然に防止できる。
ステップS24で、食器洗浄装置220への給湯が開始される。ステップS24の処理は、図3のステップS4と同じであるので、説明を省略する。ステップS24からステップS25へ移行する。ステップS25で、給湯装置210の制御部205は、食器洗浄装置220への給湯が終了したかどうかを判断する。食器洗浄装置220への給湯が終了したかどうかは、食器洗浄装置220からの給湯要求が続いているかどうかによって判断できる。ステップS25で、食器洗浄装置220への給湯が終了した場合、すなわち食器洗浄装置220からの給湯要求がなくなった場合には、ステップS26へ移行する。ステップS26で、食器洗浄装置220が運転を終了することで、食器洗浄装置220への給湯が停止される。ステップS26からステップS27へ移行する。ステップS27で、給湯温度の設定値を、第二設定温度から、通常時の設定温度すなわち第一設定温度へ変更する。この場合、第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性は低いので、給湯温度の設定値が変更されたことを放置する必要はない。ステップS27の後、図6のルーチンの処理を終了する。
ステップS25で、食器洗浄装置220への給湯が終了していない場合、すなわち食器洗浄装置220からの給湯要求が続いている場合には、ステップS25からステップS28へ移行する。ステップS28では、ステップS21と同じ方法で、最新の情報に基づいて、第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が高いか低いかを再び判断する。第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が低いと判定された場合には、ステップS28からステップS25へ戻る。
ステップS28で第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が高いと判定された場合には、ステップS29へ移行する。当該場合とは、例えば以下のいずれかのような場合である。
(1)ステップS21のときには浴室リモコン310/台所リモコン320が備える人感センサ307が人無しを検知していたが、ステップS28のときには当該人感センサ307が人有りを検知している場合。
(2)ステップS21のときには近隣機器状態が第二パターンに該当していたが、その後に近隣機器状態が変化し、ステップS28のときには近隣機器状態が第一パターンに該当するようになった場合。
(3)ステップS21のときには第一給湯栓10/第二給湯栓20への給湯が実施される確率が基準(例えば10%)に比べて大きくないパターンに近隣機器状態が該当していたが、その後に近隣機器状態が変化し、ステップS28のときには第一給湯栓10/第二給湯栓20への給湯が実施される確率が基準(例えば10%)に比べて大きいパターンに近隣機器状態が該当するようになった場合。
ステップS29で、給湯装置210の制御部205は、温度変更通知を行わせる内容の指令を浴室リモコン310/台所リモコン320へ送信する。当該指令を受信した浴室リモコン310/台所リモコン320は、温度変更通知を実行する。すなわち、浴室リモコン310/台所リモコン320の音声出力部303は、給湯温度の設定値が、通常時の設定温度すなわち第一設定温度から、食器洗浄装置220用の第二設定温度へ変更されていることを通知する内容の音声メッセージをスピーカーから出力する。ステップS29の後の処理は、図3のステップS5以降の処理と同じである。
本実施の形態5であれば、以下の効果が得られる。ステップS21で第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が低いと判定され、音声による温度変更予告が行われずに給湯温度の設定値が第一設定温度から第二設定温度へ自動で変更された後に、その変更を知らずにユーザーが第一給湯栓10/第二給湯栓20の使用を開始することも考えられる。そのようなときに、本実施の形態5であれば、ステップS28で第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が高いか低いかを再び判断することで、ユーザーが第一給湯栓10/第二給湯栓20を使用する可能性があるかどうかを検知できる。そして、ユーザーが第一給湯栓10/第二給湯栓20を使用する可能性がある場合には、給湯温度の設定値が第一設定温度から食器洗浄装置220用の第二設定温度へ変更されていることを音声でユーザーに通知できる。これにより、ユーザーの意図しない温度の湯が第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯することを抑制できるので、ユーザーの快適度が下がったり、水及びエネルギーを無駄にしたりすることを抑制できる。
なお、図6のステップS29から図3のステップS5へ移行した場合には、その後、以下のようにしてもよい。図3のステップS8またはステップS11で、給湯温度の設定値を第二設定温度から第一設定温度へ変更した後、ステップS21と同じ方法で、最新の情報に基づいて、第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が高いか低いかを再び判断する。第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が低いと判定された場合には、図3のステップS9またはステップS12で、浴室リモコン310/台所リモコン320の音声出力部303は、給湯温度の設定値が第二設定温度から第一設定温度へ変更されたことを通知する内容の音声メッセージをスピーカーから出力しないようにする。このようにすることで、不必要な音声案内によってユーザーが不快感を覚えることを未然に防止できる。
実施の形態6.
次に、図7を参照して、実施の形態6について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。本実施の形態6の給湯システム1の構成は、図1及び図2の構成と同じでよい。本実施の形態6における制御は、上述した実施の形態1から5のいずれかで説明した制御と組み合わせて行ってもよい。本実施の形態6の給湯システム1は、図3の制御ルーチンを実行してもよい。本実施の形態6の給湯システム1は、図6の制御ルーチンを実行してもよい。
図7は、実施の形態6の給湯システム1が備えるリモコン300の外観を示す図である。本実施の形態6におけるリモコン300は、給湯装置210が第二設定温度で食器洗浄装置220へ給湯しているときに食器洗浄装置220を一時停止させるユーザー操作を受け付ける手段を備える。当該手段を備えるリモコン300は、浴室リモコン310でもよいし、台所リモコン320でもよいし、その両方でもよい。
図7に示すように、リモコン300の入力部304は、「メニュー」ボタン、「戻る」ボタン、方向キー、「決定」ボタン、等を含む。図7で例示したリモコン300の表示部302の表示例は、給湯装置210が第二設定温度で食器洗浄装置220へ給湯しているときに食器洗浄装置220を一時停止させるユーザー操作を受け付けるときの表示例である。この表示例では、現在の給湯温度(60℃)の表示のほかに、『食洗機用温度設定中』という文字によるメッセージと、『食洗機を停止する場合は「戻る」を押してください』という文字によるメッセージとを表示している。「食洗機」とは食器洗浄装置220のことである。
なお、本実施の形態では、リモコン300の入力部304がハードウェアボタンによりユーザー操作を受け付ける例について説明するが、このような例に限定されるものではない。例えば、表示部302にソフトウェアボタンを表示することでユーザー操作を受け付けるようにしてもよい。
ユーザーは、食器洗浄装置220の運転中に第一給湯栓10または第二給湯栓20を使用する必要が生じた場合には、リモコン300の入力部304の「戻る」ボタンを押せばよい。その後、給湯システム1は、以下のようにする。図3のステップS7及びステップS8と同じ処理を行う。すなわち、給湯装置210の制御部205は、食器洗浄装置220に対する一時停止要求を送信する。一時停止要求を受けた食器洗浄装置220が運転を一時停止する。その後、給湯装置210の制御部205は、給湯温度の設定値を、第二設定温度から、通常時の設定温度すなわち第一設定温度へ変更する。食器洗浄装置220が一時停止したことをリモコン300が報知してもよい。食器洗浄装置220が報知手段を備える場合には、当該報知手段が一時停止の理由などを報知してもよい。
本実施の形態であれば、上記のようにすることで、以下の効果が得られる。食器洗浄装置220の運転中に給湯装置210の給湯温度の設定値が第一設定温度から第二設定温度へ変更されているときでも、第一給湯栓10または第二給湯栓20の使用を希望するユーザーは、近くあるリモコン300に対して簡単な操作、例えばワンタッチ操作を行うだけで、給湯温度の設定値を第一設定温度に戻すことができる。このため、優れた使い勝手が得られる。
図示を省略するが、本実施の形態におけるリモコン300は、上記のようにして食器洗浄装置220が一時停止した場合に、当該一時停止を解除するユーザー操作を受け付ける手段を備えてもよい。例えば、食器洗浄装置220の一時停止をユーザーが解除するための動作再開スイッチを表示部302にソフトウェアボタンとして表示してもよい。食器洗浄装置220の一時停止を解除するユーザー操作が入力された場合には、給湯システム1は、以下のようにする。リモコン300の音声出力部303は、給湯温度の設定値が、食器洗浄装置220用の温度、すなわち第二設定温度へ変更されることを予告する内容の音声メッセージをスピーカーから出力する。すなわち、温度変更予告を実行する。その後、給湯装置210の制御部205は、給湯温度の設定値を、第一設定温度から第二設定温度へ変更する。また、給湯装置210の制御部205は、食器洗浄装置220の一時停止の解除を要求する指令をHEMSコントローラ100へ送信する。HEMSコントローラ100を介してその一時停止解除要求を受けた食器洗浄装置220が運転を再開する。
本実施の形態であれば、上記のようにすることで、以下の効果が得られる。食器洗浄装置220を一時停止させた状態で第一給湯栓10または第二給湯栓20の使用を終えたユーザーは、近くあるリモコン300に対して簡単な操作、例えばワンタッチ操作を行うだけで、食器洗浄装置220の一時停止を解除し、かつ、給湯温度の設定値を第二設定温度に戻すことができる。このため、優れた使い勝手が得られる。
本実施の形態の給湯システム1は、食器洗浄装置220の一時停止が一定時間以上解除されない場合に、食器洗浄装置220の一時停止の解除を促す報知動作を行う手段を備えてもよい。例えば、食器洗浄装置220が一時停止した後に、一定時間(例えば10分間)以上経過しても、当該一時停止を解除するユーザー操作が入力されない場合に、リモコン300は、「しばらく給湯を使用しない場合は、動作再開スイッチを押してください」というような内容を、表示部302に文字で表示してもよいし、音声出力部303から音声で出力してもよい。これらのようにすることで、食器洗浄装置220の一時停止をユーザーが解除し忘れた場合にも対応できる。
本実施の形態の給湯システム1は、食器洗浄装置220の一時停止の解除を促す報知動作を行ってから一定時間以上経過しても食器洗浄装置220の一時停止が解除されない場合、または、食器洗浄装置220の一時停止の解除を促す報知動作を複数回繰り返しても食器洗浄装置220の一時停止が解除されない場合に、食器洗浄装置220の一時停止を自動で解除する手段を備えてもよい。例えば、食器洗浄装置220の一時停止の解除を促す報知動作を行った後、さらに一定時間(例えば10分間)以上経過しても動作再開スイッチが押されない場合、あるいは食器洗浄装置220の一時停止の解除を促す報知動作を繰り返した回数が所定回数に達しても動作再開スイッチが押されない場合に、給湯装置210の制御部205は、食器洗浄装置220の一時停止の解除を要求する指令をHEMSコントローラ100へ送信してもよい。この場合、HEMSコントローラ100を介してその一時停止解除要求を受けた食器洗浄装置220が運転を再開する。食器洗浄装置220の運転再開に伴って、給湯装置210の制御部205は、給湯温度の設定値を、第一設定温度から第二設定温度へ変更する。その変更に先立って、リモコン300の音声出力部303は、給湯温度の設定値が、食器洗浄装置220用の温度、すなわち第二設定温度へ変更されることを予告する内容の音声メッセージをスピーカーから出力する。すなわち、温度変更予告を実行する。このとき、図6のステップS21と同じ方法で第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が高いか低いかを判断し、第一給湯栓10/第二給湯栓20から出湯する可能性が低いと判定された場合には、温度変更予告を省略してもよい。これらのようにすることで、食器洗浄装置220の一時停止をユーザーが解除し忘れた場合にも、食器洗浄装置220の一時停止を確実に解除できる。