JP2017125475A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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幸宏 ▲高▼橋
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英亮 鵜飼
Eiryo Ukai
英亮 鵜飼
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Abstract

【課題】 噴射された燃料が壁面に付着する量を低減し、燃焼効率を向上可能な燃料噴射弁を提供する。【解決手段】 燃料噴射弁1は、噴孔100の外側開口102の周囲に形成される内周壁面15及び内周壁面15の外側開口102とは反対側に形成される先端開口101を有するノズルボディ10、内周壁面15と当接すると噴孔100を介した燃料の流れを規制し内周壁面15から離間すると噴孔100を介した燃料の流れを許容するニードル、並びに、ニードルを駆動可能な駆動部を備える。先端開口102の形状は、先端開口102を形成する先端縁部115上の第一先端点P11と中心軸CA1上の点とを結ぶ第一先端仮想線VL11の長さL11が、第一先端仮想線VL15に直交し、かつ、先端縁部115上の第二先端点P12と中心軸CA1上の点とを結ぶ第二先端仮想線VL12の長さL12に比べて短い曲線からなる。【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関(以下、「エンジン」という)に燃料を噴射供給する燃料噴射弁に関する。
従来、噴孔の外側開口の周囲に弁座を有し、当該弁座に当接しているニードルが外側開口から外部に押し出されると噴孔を開き燃料を噴射する外開式の燃料噴射弁が知られている。例えば、特許文献1には、噴孔及び噴孔の外側開口の周囲に形成される弁座を有するハウジング、ハウジング内に往復移動可能に収容され噴孔に挿通されている一端が弁座に当接可能なシール部を有するニードル、ニードルを駆動可能な駆動部などを備える外開式の燃料噴射弁が記載されている。
米国特許出願公開2014/0306136号明細書
特許文献1に記載の燃料噴射弁は、燃料の流れる方向に沿って内径が次第に大きくなる弁座を噴孔の外側開口の周囲に有する。噴孔を流れる燃料は、当該弁座に沿って噴射されるため、燃料は円錐面状に広がる。これにより、外開式の燃料噴射弁が噴射する燃料は、燃料と空気とが十分に混合されるため、燃焼効率が向上する。しかしながら、特許文献1に記載の燃料噴射弁を、例えば、直噴式エンジンが有するシリンダ内に直接燃料を噴射する直噴式燃料噴射弁として適用した場合、噴孔から噴射される円錐面形状の燃料が、例えば、開弁中の吸気弁などに付着する場合がある。燃料が吸気弁などシリンダを形成する部材に付着すると、直噴式エンジンの燃焼効率が低下する。
本発明の目的は、噴射された燃料が壁面に付着する量を低減し、燃焼効率を向上可能な燃料噴射弁を提供することにある。
本発明は、燃料噴射弁であって、ハウジング、ニードル、及び、駆動部を備える。
ハウジングは、燃料を噴射可能な噴孔、噴孔の外側開口の周囲に形成される弁座、及び、弁座の噴孔とは反対側に形成され外側開口を介して噴孔と外部とを連通可能な先端開口を有する。
ニードルは、ハウジングに対して往復移動可能に設けられ、噴孔に挿通されている棒部、及び、噴孔から先端開口の方向に突出可能な棒部の一端に設けられ弁座に当接可能なシール部を有する。ニードルは、シール部と弁座とが当接すると噴孔を介したハウジングの内部と外部との間の燃料の流れを規制し、シール部が弁座から離間すると噴孔を介したハウジングの内部と外部との間の燃料の流れを許容する。
駆動部は、ニードルを駆動可能である。
本発明の燃料噴射弁では、先端開口の形状は、先端開口を形成する先端縁部上の第一先端点と先端開口の重心とを結ぶ第一先端仮想線の長さが、先端縁部上の第一先端点とは異なる第二先端点と先端開口の重心とを結び第一先端仮想線に交わる第二先端仮想線の長さに比べて短い曲線からなる。
本発明の燃料噴射弁は、弁座が噴孔の外側開口の周囲に形成されており、噴孔から先端開口の方向に突出可能なニードルの一端に設けられるシール部が当該弁座に当接可能な、いわゆる、外開式の燃料噴射弁である。
本発明の燃料噴射弁が燃料を噴射するとき、弁座に沿って噴孔の外側開口から先端開口に向かって流れる燃料のうち第一先端仮想線に沿う方向に流れる燃料の広がりは、第一先端仮想線に交わり第一先端仮想線に比べて長さが短い第二先端仮想線に沿う方向に流れる燃料の広がりに比べて小さくなる。これにより、第一先端仮想線に沿う方向に噴射される燃料は、燃料噴射弁の近傍に位置する部材、例えば、吸気管を形成する部材や吸気弁などの内燃機関の燃焼室を形成する部材に付着しにくくなる。
このように、本発明の燃料噴射弁は、外開式の燃料噴射弁とすることによって比較的広範囲に広がる燃料と空気とを十分に混合しつつ、燃料噴射弁の近傍に位置する部材の壁面に噴射された燃料が付着する量を低減することができる。これにより、燃焼効率を向上することができる。
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁の断面図である。 図1のII矢視図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 本発明の第一実施形態による燃料噴射弁における燃料噴射時の模式図である。 本発明の第一実施形態による燃料噴射弁の効果を説明する模式図である。 本発明の第二実施形態による燃料噴射弁が有する噴孔の拡大図である。 本発明の第二実施形態による燃料噴射弁の効果を説明する模式図である。 本発明の第三実施形態による燃料噴射弁が有する噴孔の拡大図である。 本発明の第四実施形態による燃料噴射弁が有する噴孔の拡大図である。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁を図1〜6に基づいて説明する。図1には、第一実施形態による燃料噴射弁1の断面図を示す。なお、図1〜3には、ニードル20が内周壁面15から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル20が内周壁面15に当接する方向である閉弁方向を図示する。
燃料噴射弁1は、二つの吸気弁91及び二つの排気弁92を有する直噴式エンジン93の燃料噴射装置として用いられている。燃料噴射弁1は、燃料としてのガソリンを直噴式エンジン93のシリンダ94内に噴射供給する。燃料噴射弁1は、「ハウジング」としてのノズルボディ10、ニードル20、固定コア30、可動コア35、コイル40、スプリング45などを備える。固定コア30、可動コア35、コイル40及びスプリング45は、特許請求の範囲に記載の「駆動部」に相当する。
ノズルボディ10は、第一筒部材11、第二筒部材12、第三筒部材13などを有する。第一筒部材11、第二筒部材12、及び、第三筒部材13は、いずれも断面が略円環状の部材であって同軸となるよう配置されている。
第一筒部材11は、燃料噴射弁1の一端に設けられる略筒状の部材である。第一筒部材11は、燃料噴射弁1の一端側からノズル部111、噴孔部112、大径部113を有する。
ノズル部111は、外径が閉弁方向側から開弁方向側に向かうにつれて小さくなるよう形成されている。また、ノズル部111は、内径が閉弁方向側から開弁方向側に向かうにつれて大きくなるよう形成されている。ノズル部111の内周壁面15は、燃料噴射弁1の「弁座」となる。内周壁面15は、噴孔100とノズルボディ10の外部とを連通する噴射通路114を形成する。噴射通路114は、ノズル部111の開弁方向側の端部である先端縁部115が形成する先端開口101を介して外部と連通している。ノズル部111の詳細な形状は後述する。
噴孔部112は、ノズル部111の閉弁方向側に設けられる筒状の部位である。噴孔部112は、噴射通路114を介して燃料を外部に噴射可能な噴孔100を有する。噴孔100は、ノズル部111の閉弁方向側の径内方向の端部である外側縁部116に形成される外側開口102を介して噴射通路114と連通している。第一実施形態では、外側開口102の噴孔100の中心軸と同軸である燃料噴射弁1の中心軸CA1に垂直な形状は、楕円形状となっている。また、噴孔100のノズル部111とは反対側には、噴孔100と大径部113の径内方向の空間とを連通する内側開口103が形成されている。第一実施形態では、内側開口103の中心軸CA1に垂直な形状は、真円形状となっている。噴孔100の詳細な形状は後述する。
大径部113は、噴孔部112の閉弁方向側に設けられる筒状の部位である。大径部1131は、外径が噴孔部112の外径に比べ大きくなるよう形成されている。大径部113の閉弁方向側の端部の内径は、噴孔100の内側開口103の内径に比べ大きい。これにより、大径部113は、内壁に段差面117を有する。
第二筒部材12は、非磁性材料からなる筒状の部材である。第二筒部材12は、大径部113の径外方向に設けられ、大径部113から閉弁方向に延びるよう形成されている。第二筒部材12の第一筒部材11側の端部は、大径部113の外周壁面に固定されている。
第三筒部材13は、第二筒部材12の閉弁方向側に設けられる略筒状の部材である。第三筒部材13は、第二筒部材12側の端部が第二筒部材12内に収容され、第二筒部材12に固定されている。第三筒部材13は、中心軸CA1に沿う方向に第三筒部材13を貫通する流通路130を有する。流通路130の閉弁方向側の開口131は、燃料噴射弁1内に流入する燃料の入口となる。第三筒部材13は、開口131の近傍にフィルタ132を有する。フィルタ132は、開口131を介して第三筒部材13内に流入する燃料に含まれる異物を除去する。
第三筒部材13は、流通路130を塞ぐよう設けられる蓋部133を有する。蓋部133は、蓋部133の閉弁方向側と開弁方向側とを連通する通孔134を有する。蓋部133は、後述する「液密室形成部材」としてのベローズ47の閉弁方向側の端部を支持する。
ニードル20は、ノズルボディ10内に往復移動可能に収容されている略棒状の部位である。ニードル20は、シール部21、棒部22、ニードルガイド23、24などを有する。
シール部21は、ニードル20の開弁方向側の一端に設けられている。シール部21の外周壁面211は、閉弁方向側から開弁方向側に向かうにつれて内径が大きくなるよう形成されている。外周壁面211は、内周壁面15に当接可能である。外周壁面211と内周壁面15とが当接すると噴孔100を介したノズルボディ10内と外部との間の燃料の流れが規制される。また、外周壁面211と内周壁面15とが離間すると噴孔100を介したノズルボディ10内と外部との間の燃料の流れが許容される。
棒部22は、シール部21の閉弁方向側に設けられる棒状の部位である。棒部22は、噴孔100に挿通されている。棒部22のシール部21側の一端は、噴孔100から開弁方向に突出可能に形成されている。棒部22のシール部21が設けられる側とは反対側の端部221は、可動コア35の閉弁方向側の端面355から閉弁方向側に突出している。端部221の閉弁方向側には端部221の外径より大きい外径を有する接合部材223が設けられている。
ニードルガイド23は、棒部22のシール部21が設けられる側の端部222に設けられる。ニードルガイド23は、略筒状に形成され、外周壁面の一部が平面状に形成されている。ニードルガイド23の平面状に形成されていない外周壁面は、噴孔部112の内周壁面16に摺動可能に形成されている。これにより、ニードルガイド23は、ノズルボディ10に対するニードル20の往復移動を案内する。また、平面状に形成されている外周壁面と内周壁面16との間の隙間は、ニードルガイド23の閉弁方向側から開弁方向側に向かって燃料が流れることが可能な燃料流路となる。
ニードルガイド24は、棒部22の略中間に設けられる。ニードルガイド24は、略筒状に形成され、一部の外周壁面が平面状に形成されている。ニードルガイド24の平面状に形成されていない外周壁面は、噴孔部112の内周壁面16に摺動可能に形成されている。これにより、ニードルガイド24は、ノズルボディ10に対するニードル20の往復移動を案内する。また、平面状に形成されている外周壁面と内周壁面16との間の隙間は、ニードルガイド24の閉弁方向側から開弁方向側に向かって燃料が流れることが可能な燃料流路となる。
固定コア30は、第二筒部材12の径内方向であって、大径部113の閉弁方向側に設けられる。固定コア30は、第二筒部材12に対して固定されている。固定コア30は、筒状に形成され、径内方向の貫通孔300にはニードル20の棒部22及びスプリング45が挿通されている。
可動コア35は、第二筒部材12の径内方向であって、固定コア30の閉弁方向側に第二筒部材12に対して往復移動可能に設けられる。可動コア35の外周壁面351は、第二筒部材12の内周壁面121に摺動可能に形成されている。これにより、可動コア35の往復移動は、第二筒部材12によって案内される。
可動コア35は、略中央に貫通孔352を有する。貫通孔352には、ニードル20が挿通されている。また、可動コア35は、貫通孔352の径外方向に可動コア35の閉弁方向側と開弁方向側とを連通する連通路353、354を有する。連通路353、354は、可動コア35の閉弁方向側から開弁方向側に向かって燃料が流れる燃料流路となる。
可動コア35の閉弁方向側の端面355には、端面355から閉弁方向側に突出するニードル20の端部221と可動コア35とを固定する固定部材36が設けられている。これにより、可動コア35とニードル20とは一体に往復移動可能である。
コイル40は、第二筒部材12の径外方向に設けられる。コイル40は、封止材41によって第二筒部材12に固定されている。コイル40は、通電されると、固定コア30と可動コア35とを通る磁気回路を形成する。固定コア30と可動コア35との間には、当該磁気回路によって磁気吸引力が発生する。
燃料噴射弁1では、封止材41の開弁方向側及び径外方向側にホルダ42が設けられている。また、第二筒部材12の径外方向であって封止材41の閉弁方向側には環状部材43が設けられている。ホルダ42及び環状部材43は、第二筒部材12に対するコイル40及び封止材41の位置決めを行う。
スプリング45は、第一筒部材11と可動コア35との間に設けられる。一端は、第一筒部材11の段差面117に当接している。他端は、可動コア35の開弁方向側の端面356に当接している。スプリング45は、可動コア35を閉弁方向側に付勢可能である。
ベローズ47は、接合部材223と第三筒部材13の蓋部133との間に設けられている。ベローズ47の開弁方向側の端部は、ベローズ47の内部と外部との液密を維持可能なよう接合部材223に接合されている。ベローズ47の閉弁方向側の端部は、ベローズ47の内部と外部との液密を維持可能なよう蓋部133に接合されている。これにより、ベローズ47の径内方向には噴孔100から噴射される燃料との液密が維持されている液密室470が形成される。
燃料噴射弁1では、開口131からノズルボディ10内に流入する燃料は、フィルタ132、流通路130、及び、通孔134を通って第二筒部材12内に流入する。第二筒部材12内の燃料は、連通路353、354、固定コア30の貫通孔300、及び、大径部113の径内方向を通って噴孔100に流入する。すなわち、開口131から大径部113の径内方向までが燃料噴射弁1の燃料通路18となる。
第一実施形態による燃料噴射弁1は、第一筒部材11のノズル部111の形状及び噴孔100の形状に特徴がある。ここでは、図2〜4を参照してノズル部111及び噴孔100の詳細な形状を説明する。
図2に燃料噴射弁1の中心軸CA1に沿って燃料噴射弁1の外側から第一筒部材11を見た模式図を示す。図2には、先端開口101、外側開口102、及び、内側開口103の形状を分かりやすくするため、ニードル20は示されていない。
図2に示すように、内側開口103は、真円状に形成されている。一方、外側開口102は、楕円状に形成されている。さらに、先端開口101は、短軸及び長軸が外側開口102に比べ大きい楕円状に形成されている。
先端開口101の詳細な形状は、次のように説明することができる。
「先端開口の重心」としての中心軸CA1上の点から先端縁部115上の「第一先端点」としての点P11に向かう方向を第一方向とし、中心軸CA1上の点から第一方向に対して90度反時計回りに回転した方向に位置する先端縁部115上の点P12に向かう方向を第二方向とする。ここで、「先端開口の重心」とは、先端開口の形状における一次モーメントの合計が0となる点である。第一実施形態では、先端開口101の中心と中心軸CA1上の点とは重なる。
このとき、中心軸CA1上の点と点P11との距離L11は、中心軸CA1上の点と点P12との距離L12に比べ短い。また、中心軸CA1上の点から第一方向に対して180度時計回りに回転した方向に位置する先端縁部115上の点P13と中心軸CA1上の点との距離は、距離L11となっている。また、中心軸CA1上の点から第二方向に対して180度時計回りに回転した方向に位置する先端縁部115上の点P14と中心軸CA1上の点との距離は、距離L12となっている。
先端縁部115のうち点P11から点P12にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、先端縁部115のうち点P11から点P14にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、先端縁部115のうち点P13から点P12にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、先端縁部115のうち点P13から点P14にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、点P11から点P12にかけての形状、点P11から点P14にかけての形状、点P13から点P12にかけての形状、及び、点P13から点P14にかけての形状は、同じ形状の曲線となっている。
また、外側開口102の詳細な形状は、次のように説明することができる。
「外側開口の重心」としての中心軸CA1上の点からみて第一方向に位置する外側縁部116上の「第一外側点」としての点P15と中心軸CA1上の点とを結ぶ第一外側仮想線VL15の距離L15は、中心軸CA1上の点からみて第二方向に位置する外側縁部116上の「第二外側点」としての点P16と中心軸CA1上の点とを結ぶ第二外側仮想線VL16の距離L16に比べ短い。ここで、「外側開口の重心」とは、外側開口の形状における一次モーメントの合計が0となる点である。第一実施形態では、外側開口102の中心と中心軸CA1上の点とは重なる。また、距離L15は、距離L11に比べて短く、距離L16は、距離L12に比べて短い。
このとき、中心軸CA1上の点から第一方向に対して180度時計回りに回転した方向に位置する外側縁部116上の点P17と中心軸CA1上の点との距離は、距離L15となっている。また、中心軸CA1上の点から第二方向に対して180度時計回りに回転した方向に位置する外側縁部116上の点P18と中心軸CA1上の点との距離は、距離L12に比べて短い距離L16となっている。
外側縁部116のうち点P15から点P16にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、外側縁部116のうち点P15から点P18にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、外側縁部116のうち点P17から点P16にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、外側縁部116のうち点P17から点P18にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、点P15から点P16にかけての形状、点P15から点P18にかけての形状、点P17から点P16にかけての形状、及び、点P17から点P18にかけての形状は、同じ形状の曲線となっている。
また、第一実施形態では、外側縁部116と先端縁部115とを接続するノズル部111の内周壁面15は、中心軸CA1に対する傾斜角度が位置によって異なるよう形成されている。
具体的には、図2のIII−III線断面におけるノズル部111の断面図である図3に示すように、ノズル部111の内周壁面のうち第一方向における内周壁面151の中心軸CA1に対する傾斜角度は、角度αとなっている。一方、図2のIII−III線に対して90度回転したIV−IV線断面におけるノズル部111の断面図である図4に示すように、ノズル部111の内周壁面のうち第二方向における内周壁面152の中心軸CA1に対する傾斜角度は、角度αに比べ大きい角度βとなっている。
また、第一実施形態では、外側開口102近傍の噴孔100を形成する噴孔部112の内周壁面16は、中心軸CA1に対する傾斜角度が位置によって異なるよう形成されている。
具体的には、図3に示すように、噴孔部112の内周壁面のうち内周壁面151に接続する内周壁面161の中心軸CA1に対する傾斜角度は、0度である。一方、図4に示すように、噴孔部112の内周壁面のうち内周壁面152に接続する内周壁面162の中心軸CA1に対する傾斜角度は、角度βより小さくかつ0度より大きい角度γとなっている。
次に、燃料噴射弁1の作用について図1、5を参照して説明する。
コイル40の電力が供給されていないとき、固定コア30と可動コア35とを通る磁気回路は形成されないため、固定コア30と可動コア35との間には磁気吸引力は発生していない。これにより、可動コア35と一体と往復移動可能なニードル20はスプリング45の付勢力によって閉弁方向に付勢され、内周壁面15と外周壁面211とは当接している。これにより、噴孔100を介したノズルボディ10内と外部との間の燃料の流れが規制される。
コイル40に電力が供給されると、固定コア30と可動コア35とを通る磁気回路が形成されるため、固定コア30と可動コア35との間に磁気吸引力が発生する。当該磁気吸引力がスプリング45の付勢力とノズルボディ10内の燃料の圧力に起因してニードル20に作用する作用力との合計に比べ大きくなると、可動コア35はニードル20とともに開弁方向に移動する。これにより、内周壁面15と外周壁面211とが離間し、噴孔100の燃料が噴射通路114に流入する。
噴射通路114を流れる燃料は、内周壁面15に沿って先端開口101から噴射される。これにより、シリンダ94が有する燃焼室940に噴射される燃料は、図5に示すように、燃料噴射弁1の燃焼室940側の端部を中心として円錐面形状に広がりつつ燃焼室940において拡散する(図5に示す燃料の輪郭線SL5)。
燃焼室940における燃料噴射弁1によって噴射された燃料の広がりの様子を図6に模式的に示す。図6は、図5に示す矢視VIの方向からみた模式図である。図6では、噴射された燃料の外縁を外縁線SL6で示す。
図6に示すように、燃料噴射弁1では、燃料は、二つの吸気弁91と二つの排気弁92との間に比べ、二つの吸気弁91の間及び二つの排気弁92の間に広がるよう噴射されている(図6の点線矢印F61、F62)。
また、吸気弁91が有する弁傘部911は、排気弁92が有する弁傘部921に比べ大きい。このことを考慮して、燃料噴射弁1は、直噴式エンジン93のピストン95が往復移動する方向に対して傾斜するよう直噴式エンジン93のシリンダヘッド931に設けられている。これにより、燃料噴射弁1が噴射する燃料は、吸気弁91側に比べ排気弁92側に広がるよう噴射されている(図6の点線矢印F63、F64)。
コイル40への電力の供給が停止されると、可動コア35を開弁方向に移動させる吸引力がなくなるため、可動コア35はスプリング45の付勢力によって閉弁方向に移動する。このとき、ニードル20も閉弁方向に移動し、内周壁面15と外周壁面211とが当接する。これにより、噴孔100を介したノズルボディ10内と外部との間の燃料の流れが規制される。
(a)燃料噴射弁1は、内周壁面15が噴孔100の外側開口102の周囲に形成されており、噴孔100からノズルボディ10の外部の方向に突出可能な棒部22の一端に設けられているシール部21が内周壁面15に当接可能な、いわゆる、外開式の燃料噴射弁である。これにより、燃料噴射弁1は、噴射した燃料が燃料噴射弁1を中心として略円錐面状に広がるため、燃料と空気とを十分に混合することができる。したがって、燃焼効率を向上することができる。
また、燃料噴射弁1が燃料を噴射するとき、外側開口102から先端開口101に向かって流れる燃料のうち、第一先端仮想線VL11に沿う方向である第一方向に向かって流れる燃料の広がりは、第二先端仮想線VL12に沿う方向である第二方向に向かって流れる燃料の広がりに比べて小さくなる。そこで、例えば、燃料の広がりを考慮して開弁中の吸気弁91に噴射した燃料がかからないように第二先端仮想線VL12に沿う方向に流れる燃料が二つの吸気弁91の間及び二つの排気弁92の間に広がるよう燃料噴射弁1を直噴式エンジン93に設ける。これにより、燃料噴射弁1が噴射した燃料が開弁中の吸気弁91の弁傘部911に付着することを防止することができる。
このように、燃料噴射弁1は、燃料と空気とを十分に混合しつつ、吸気弁91などの燃焼室940を形成する部材に付着する燃料の量を低減することができる。
(b)また、先端開口101は、楕円状に形成されている。これにより、噴射される燃料の広がりを考慮して先端開口の形状を楕円形状に比べて複雑な形状とする場合に比べ、容易に先端開口101を形成することができる。
(c)燃料噴射弁1では、外側開口102は、楕円状に形成されている。ノズル部111の内周壁面のうち第二方向における内周壁面152は、図4に示すように、中心軸CA1に対する傾斜角度が角度βとなるよう形成されている。また、噴孔部112の内周壁面のうち内周壁面152に接続する内周壁面162は、図4に示すように、中心軸CA1に対する傾斜角度が角度βより小さくかつ0度より大きい角度γとなるよう形成されている。すなわち、内周壁面162と内周壁面152とは、比較的なだらかに接続されている。これにより、内周壁面162及び内周壁面152を沿って流れる燃料は中心軸CA1に対する角度を徐々に広げつつ先端開口101まで流れることができるため、第二方向への燃料の広がりをスムーズに行うことができる。
(d)また、燃料噴射弁1には、ニードル20の閉弁方向側の「ニードルの噴孔に挿通されている側とは反対側の端部」としての端部221と蓋部133との間にベローズ47が設けられている。ベローズ47の径内方向には、噴孔100から噴射される燃料との液密が維持されている液密室470が形成されている。これにより、ニードル20の閉弁方向側の端面224にノズルボディ10内の燃料の圧力が作用することを防止することができる。したがって、ノズルボディ10内の燃料の圧力が高くなっても燃料の圧力によってニードル20がノズルボディ10の外部に押し出されることを防止し、一定の磁気吸引力によって開弁することができる。
(e)ニードル20には、噴孔部112の内周壁面16に摺動可能なニードルガイド23、24が設けられている。これにより、ニードル20は、中心軸CA1の方向に適正に往復移動することができるため、シール部21と内周壁面15とを確実に当接させることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による燃料噴射弁を図7、8に基づいて説明する。第二実施形態は、ノズル部の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第二実施形態による燃料噴射弁2は、ノズルボディ50、ニードル20、固定コア30、可動コア35、コイル40、スプリング45などを備える。
ノズルボディ50は、第一筒部材51、第二筒部材12、第三筒部材13などを有する。第一筒部材51、第二筒部材12、及び、第三筒部材13は、いずれも断面が略円形状の部材であって同軸となるよう配置されている。
第一筒部材51は、燃料噴射弁2の一端に設けられる略筒状の部材である。第一筒部材51は、燃料噴射弁2の一端側からノズル部511、噴孔部112、大径部113を有する。
ノズル部511は、内径が閉弁方向側から開弁方向側に向かうにつれて大きくなるよう形成されている。ノズル部511の内周壁面55は、燃料噴射弁2の「弁座」となる。内周壁面55は、噴孔100とノズルボディ50の外部とを連通する噴射通路を形成する。噴射通路は、ノズル部511の開弁方向側の端部である先端縁部515が形成する先端開口501を介して外部と連通している。また、ノズル部511は、閉弁方向側の径内方向の端部である外側縁部516によって形成される外側開口502を有する。外側開口502は、噴孔100とノズル部511が有する噴射通路とを連通する。
燃料噴射弁2では、図7に示すように、外側開口502は、曲線から形成され一方の側に膨らんだ略楕円状に形成されている。また、先端開口501は、外側開口502と同様に曲線から形成され一方の側に膨らんだ略楕円状であって、外側開口502に比べ大きい楕円状に形成されている。
先端開口501の詳細な形状は、次のように説明することができる。
「先端開口の重心」としての重心CA2から先端縁部515上の「第一先端点」としての点P21に向かう方向を第一方向とし、重心CA2から第一方向に対して90度反時計回りに回転した方向に位置する先端縁部515上の「第二先端点」としての点P22に向かう方向を第二方向とする。第二実施形態では、先端開口501の重心CA2は、中心軸CA1上の点とは異なっている。
先端開口501では、重心CA2と点P21とを結ぶ第一先端仮想線VL21の長さL21は、重心CA2と点P22とを結び第一先端仮想線VL21に直交する第二先端仮想線VL22の長さL22に比べ短い。また、重心CA2から第一方向に対して180度時計回りに回転した方向に位置する先端縁部515上の点P23と重心CA2との距離は、第一先端仮想線VL21の長さL21と同じになっている。一方、重心CA2から第二方向に対して180度時計回りに回転した方向に位置する先端縁部515上の点P24と重心CA2との距離は、第二先端仮想線VL22の長さL22に比べて短い距離L24となっている。
また、点21から点P23にかけての先端縁部515の形状は、点21から点P22にかけての先端縁部515の形状に比べ径外方向に突出している。また、点24から点P23にかけての先端縁部515の形状は、点24から点P22にかけての先端縁部515の形状に比べ径外方向に突出している。
また、外側開口502の詳細な形状は、次のように説明することができる。
重心CA2からみて第一方向に位置する外側縁部516上の点を「第一外側点」としての点P25とする。また、重心CA2からみて第二方向に位置する先端縁部515上の点を「第二外側点」としての点P26とする。点25と重心CA2とを結ぶ第一外側仮想線VL25の長さL25は、点P26と重心CA2とを結ぶ第二外側仮想線VL26の長さL26に比べ短い。また、重心CA2から第一方向に対して180度時計回りに回転した方向に位置する先端縁部515上の点P27と重心CA2との距離は、第一外側仮想線VL25の長さL25と同じになっている。一方、重心CA2から第二方向に対して180度時計回りに回転した方向に位置する先端縁部515上の点P28と重心CA2との距離は、第二外側仮想線VL26の長さL26に比べて短い距離L28となっている。
また、点25から点P28にかけての外側縁部516の形状は、点25から点P26にかけての外側縁部516の形状に比べ径外方向に突出している。また、点27から点P28にかけての外側縁部516の形状は、点27から点P26にかけての外側縁部516の形状に比べ径外方向に突出している。
燃焼室940における燃料噴射弁2によって噴射された燃料の広がりの様子を図8に模式的に示す。図8では、噴射された燃料の外縁を外縁線SL8で示す。
図8に示すように、第一実施形態では、燃料は、燃料噴射弁2を中心として二つの吸気弁91の間と二つの排気弁92の間とに広がるよう噴射される(図8の点線矢印F81、F82)一方、二つの吸気弁91と二つの排気弁92との間に広がる燃料は、排気弁92側に噴射される(図8の点線矢印F83、F84)。
燃料噴射弁2では、図7に示すように、先端開口101は、形状が第一先端仮想線VL21の「第一延長線」としての延長線L210を挟んで一方の側に膨らむよう形成されている。これにより、燃料噴射弁2の取り付けの角度を第一実施形態のように傾斜させることなく、図8に示すように、排気弁92側に燃料を噴射することができる。これにより、第二実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、燃料噴射弁2の配置の自由度を向上することができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による燃料噴射弁を図9に基づいて説明する。第三実施形態は、ノズル部の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第三実施形態による燃料噴射弁3は、ノズルボディ60、ニードル20、固定コア30、可動コア35、コイル40、スプリング45などを備える。
ノズルボディ60は、第一筒部材61、第二筒部材12、第三筒部材13などを有する。第一筒部材61、第二筒部材12、及び、第三筒部材13は、いずれも断面が略円形状の部材であって同軸となるよう配置されている。
第一筒部材61は、燃料噴射弁3の一端に設けられる略筒状の部材である。第一筒部材61は、燃料噴射弁2の一端側からノズル部611、噴孔部112、大径部113を有する。
ノズル部611は、内径が閉弁方向側から開弁方向側に向かうにつれて大きくなるよう形成されている。ノズル部611の内周壁面65は、燃料噴射弁3の「弁座」となる。内周壁面65は、噴孔100とノズルボディ60の外部とを連通する噴射通路を形成する。噴射通路は、ノズル部611の開弁方向側の端部である先端縁部615が形成する先端開口601を介して外部と連通している。また、ノズル部611は、閉弁方向側の径内方向の端部である外側縁部616によって形成される外側開口602を有する。外側開口602は、噴孔100とノズル部611が有する噴射通路とを連通する。
燃料噴射弁3では、図9に示すように、外側開口602は、形状が角丸長方形状に形成されている。また、先端開口601は、形状が外側開口602に比べ大きい角丸長方形状に形成されている。ここで、角丸長方形状とは、対向する二つの直線、当該二つの直線のそれぞれの一端を結ぶ中心角が180度の一の円弧、及び、当該二つの直線のそれぞれの他端を結ぶ中心角が180度の他の円弧から形成される形状である。
先端開口601の詳細な形状は、次のように説明することができる。
「先端開口の重心」としてのノズルボディ60の中心軸CA3上の点から直線状に形成されている先端縁部615上の「第一先端点」としての点P31に向かう方向を第一方向とし、中心軸CA3上の点から第一方向に対して90度反時計回りに回転した方向に位置する曲線状に形成されている先端縁部615上の「第二先端点」としての点P32に向かう方向を第二方向とする。第三実施形態では、先端開口601の重心は、中心軸CA3上の点と重なっている。
このとき、中心軸CA3上の点と点P31とを結ぶ第一先端仮想線VL31の長さL31は、中心軸CA3上の点と点P32とを結び第一先端仮想線VL31に直交する第二先端仮想線VL32の長さL32に比べ短い。また、中心軸CA3上の点から第一方向に対して180度時計回りに回転した方向であって直線状に形成されている先端縁部615上に位置する点P33と中心軸CA3上の点との距離は、第一先端仮想線VL31の長さL31と同じになっている。また、中心軸CA3上の点から第二方向に対して180度時計回りに回転した方向であって曲線状に形成されている先端縁部615上に位置する点P34と中心軸CA3上の点との距離は、第二先端仮想線VL32の長さL32と同じになっている。
また、外側開口602の詳細な形状は、次のように説明することができる。
「外側開口の重心」としての中心軸CA3上の点からみて第一方向であって直線状に形成されている外側縁部616上に位置する点を「第一外側点」としての点P35とする。また、中心軸CA3上の点からみて第二方向であって曲線状に形成されている「第一先端点」としての上に位置する点を「第二外側点」としての点P36とする。中心軸CA3上の点と点P35とを結ぶ第一外側仮想線VL35の長さL35は、中心軸CA3上の点と点P36とを結ぶ第二外側仮想線VL36の長さL36に比べ短い。第三実施形態では、外側開口602の重心は、中心軸CA3上の点と重なっている。
また、中心軸CA3上の点から第一方向に対して180度時計回りに回転した方向であって直線状に形成されている外側縁部616上に位置する点P37と中心軸CA3上の点との距離は、距離L35となっている。また、中心軸CA3上の点から第二方向に対して180度時計回りに回転した方向であって曲線状に形成されている外側縁部616上に位置する点P38と中心軸CA3上の点との距離は、距離L36となっている。
燃料噴射弁3では、図9に示すように、先端開口601及び外側開口602は、形状が角丸長方形状となるよう形成されている。これにより、第三実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態による燃料噴射弁を図10に基づいて説明する。第四実施形態は、ノズル部の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第四実施形態による燃料噴射弁4は、ノズルボディ70、ニードル20、固定コア30、可動コア35、コイル40、スプリング45などを備える。
ノズルボディ70は、第一筒部材71、第二筒部材12、第三筒部材13などを有する。第一筒部材71、第二筒部材12、及び、第三筒部材13は、いずれも断面が略円形状の部材であって同軸となるよう配置されている。
第一筒部材71は、燃料噴射弁4の一端に設けられる略筒状の部材である。第一筒部材71は、燃料噴射弁4の一端側からノズル部711、噴孔部112、大径部113を有する。
ノズル部711は、内径が閉弁方向側から開弁方向側に向かうにつれて大きくなるよう形成されている。ノズル部711の内周壁面75は、燃料噴射弁4の「弁座」となる。内周壁面75は、噴孔100とノズルボディ70の外部とを連通する噴射通路を形成する。噴射通路は、ノズル部711の開弁方向側の端部である先端縁部715が形成する先端開口701を介して外部と連通している。また、ノズル部711は、閉弁方向側の径内方向の端部である外側縁部716によって形成される外側開口702を有する。外側開口702は、噴孔100とノズル部711が有する噴射通路とを連通する。
燃料噴射弁4では、図10に示すように、外側開口702は、真円形状に形成されている。また、先端開口701は、楕円形状に形成されている。
先端開口701の形状は、具体的には次のように説明することができる。
「先端開口の重心」としての中心軸CA4上の点から先端縁部715上の「第一先端点」としての点P41に向かう方向を第一方向とし、中心軸CA4上の点から第一方向に対して90度反時計回りに回転した方向に位置する先端縁部715上の「第二先端点」としての点P42に向かう方向を第二方向とする。第四実施形態では、先端開口701の重心は、中心軸CA4上の点と重なっている。
中心軸CA4上の点と点P41とを結ぶ第一先端仮想線VL41の長さL41は、中心軸CA4上の点と点P41とを結び第一先端仮想線VL41に直交する第二先端仮想線VL42の第二方向の距離L42に比べ短い。
また、中心軸CA4上の点から第一方向に対して180度時計回りに回転した方向に位置する先端縁部715上の点P43と中心軸CA4上の点との距離は、距離L41となっている。また、中心軸CA4上の点から第二方向に対して180度時計回りに回転した方向に位置する先端縁部715上の点P44と中心軸CA4上の点との距離は、距離L42となっている。
先端縁部715のうち点P41から点P42にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、先端縁部715のうち点P41から点P44にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、先端縁部715のうち点P43から点P42にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、先端縁部715のうち点P43から点P44にかけての形状は、真円の円弧とは異なる形状の曲線となっている。また、点P41から点P42にかけての形状、点P41から点P44にかけての形状、点P43から点P42にかけての形状、及び、点P43から点P44にかけての形状は、同じ形状の曲線となっている。
燃料噴射弁4では、第一実施形態による燃料噴射弁1と比べ、噴孔100の開弁方向側の内周壁面が中心軸CA4に対して略平行に形成されている。これによっても、外側開口702から先端開口701に向かって流れる燃料は、内周壁面75に沿って流れるため、第一方向に向かって流れる燃料の広がりは、第二方向に向かって流れる燃料の広がりに比べて小さくなる。したがって、第四実施形態は、第一実施形態の効果(a)、(b)、(d)、(e)を奏する。
(他の実施形態)
第一、四実施形態では、先端開口は、楕円形状であるとした。また、第二実施形態では、楕円が一方の方向に偏ったような形状であるとした。しかしながら、先端開口の形状は、これに限定されない。先端開口の形状は、先端開口を形成する先端縁部上の第一先端点と先端開口の重心とを結ぶ第一先端仮想線の長さが、先端縁部上の第二先端点と先端開口の重心とを結び第一先端仮想線と交わる第二先端仮想線の長さに比べて短ければよい。
上述の実施形態では、第一先端仮想線と第二先端仮想線とは直交する位置関係であるとした。しかしながら、第一先端仮想線と第二先端仮想線とは交わる位置関係であればよい。
上述の実施形態では、燃料噴射弁は、直噴式エンジンのシリンダヘッドに設けられるとした。しかしながら、燃料噴射弁が設けられる位置はこれに限定されない。エンジンの燃焼室を形成するシリンダの側壁に設けられてもよいし、吸気管に設けられてもよい。この場合でも、燃料噴射弁が噴射する燃料の噴射方向を考慮すると、ピストンや吸気管の内壁などに付着する燃料の量を低減することができる。
上述の実施形態では、可動コア、固定コア、コイル、及び、スプリングによって「駆動部」が構成されるとした。しかしながら、駆動部の構成はこれには限定されない。ピエゾアクチュエータを適用してもよい。
第二実施形態では、先端開口は、形状が第一先端仮想線の延長線を挟んで一方の側に膨らむよう形成されるとした。すなわち、先端開口の形状は、第一先端仮想線の延長線を挟んで非対称な形状であるとした。しかしながら、先端開口の形状は、第二先端仮想線の延長線を挟んで非対称な形状であってもよいし、第一先端仮想線の延長線及び第二先端仮想線の延長線のいずれにも非対称な形状であってもよい。
第二実施形態では、外側開口の形状は、一方の側に偏った楕円形状であるとした。また、第三実施形態では、外側開口の形状は、角丸長方形状であるとした。しかしながら、第二、三実施形態における外側開口の形状は、これら以外の形状であってもよい。また、真円であってもよい。
上述の実施形態では、ニードルの閉弁方向側の端面に燃料の圧力が作用しないように液密室を形成するベローズが設けられるとした。しかしながら、液密室を形成する部材は、ベローズでなくてもよい。また、液密室を形成する部材はなくてもよい。
上述の実施形態では、ニードルは、ノズルボディの内周壁面に摺動可能なニードルガイドが設けられるとした。しかしながら、ニードルガイドはなくてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1、2、3、4・・・燃料噴射弁
10、50、60、71・・・ノズルボディ(ハウジング)
15、55、65、75・・・内周壁面(弁座)
20・・・ニードル
100・・・噴孔
101、201、601、701・・・先端開口
102、202、602、702・・・外側開口
115、515、615、715・・・先端縁部
116、516、616、716・・・外側縁部
VL11、VL21、VL31、VL41・・・第一先端仮想線
VL12、VL22、VL32、VL42・・・第二先端仮想線

Claims (11)

  1. 燃料を噴射可能な噴孔(100)、前記噴孔の外側開口(102、502、702)の周囲に形成される弁座(15、55、75)、及び、前記弁座の前記外側開口とは反対側に形成され前記外側開口を介して前記噴孔と外部とを連通可能な先端開口(101、501、701)を有するハウジング(10、50、70)と、
    前記ハウジングに対して往復移動可能に設けられ、前記噴孔に挿通されている棒部(22)、及び、前記噴孔から前記先端開口の方向に突出可能な前記棒部の一端に設けられ前記弁座に当接可能なシール部(21)を有し、前記シール部と前記弁座とが当接すると前記噴孔を介した前記ハウジングの内部と外部との間の燃料の流れを規制し、前記シール部が前記弁座から離間すると前記噴孔を介した前記ハウジングの内部と外部との間の燃料の流れを許容するニードル(20)と、
    前記ニードルを駆動可能な駆動部(30、35、40、45)と、
    を備え、
    前記先端開口の形状は、前記先端開口を形成する先端縁部(115、515、715)上の第一先端点(P11、P21、P41)と前記先端開口の重心(CA1、CA2、CA4)とを結ぶ第一先端仮想線(VL11、VL21、VL41)の長さが、前記先端縁部上の第二先端点(P12、P22、P42)と前記先端開口の重心とを結び前記第一先端仮想線と交わる第二先端仮想線(VL12、VL22、VL42)の長さに比べて短い曲線からなる燃料噴射弁。
  2. 前記先端開口の形状は、楕円形状である請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記先端開口の形状は、前記第一先端仮想線の第一延長線(L210)または前記第二先端仮想線の第二延長線の少なくとも一方を挟んで非対称な形状である請求項1または2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記外側開口の形状は、前記外側開口を形成する外側縁部(116、516)上の第一外側点(P15、P25)と前記外側開口の重心(CA1、CA2)とを結ぶ第一外側仮想線(VL15、VL25)の長さが、前記外側縁部上の第二外側点(P16、P26)と前記外側開口の重心とを結び前記第一外側仮想線と交わる第二先端仮想線(VL16、VL26)の長さに比べて短い曲線からなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記外側開口の形状は、楕円形状である請求項4に記載の燃料噴射弁。
  6. 燃料を噴射可能な噴孔(100)、前記噴孔の外側開口(602)の周囲に形成される弁座(65)、及び、前記弁座の前記外側開口とは反対側に形成され前記外側開口を介して前記噴孔と外部とを連通可能な先端開口(601)を有するハウジング(60)と、
    前記ハウジングに対して往復移動可能に設けられ、前記噴孔に挿通されている棒部(22)、及び、前記噴孔から前記先端開口の方向に突出可能な前記棒部の一端に設けられ前記弁座に当接可能なシール部(21)を有し、前記シール部と前記弁座とが当接すると前記噴孔を介した前記ハウジングの内部と外部との間の燃料の流れを規制し、前記シール部が前記弁座から離間すると前記噴孔を介した前記ハウジングの内部と外部との間の燃料の流れを許容するニードル(20)と、
    前記ニードルを駆動可能な駆動部(30、35、40、45)と、
    を備え、
    前記先端開口の形状は、前記先端開口を形成する先端縁部(615)上の第一先端点(P35)と前記先端開口の重心(CA3)とを結ぶ第一先端仮想線(VL35)の長さが、前記先端縁部上の第二先端点(P36)と前記先端開口の重心とを結び前記第一先端仮想線と交わる第二先端仮想線(VL36)の長さに比べて短い角丸長方形状である燃料噴射弁。
  7. 前記外側開口の形状は、角丸長方形状である請求項6に記載の燃料噴射弁。
  8. 二つの吸気弁(91)を有する内燃機関(93)に設けられるとき、前記第二先端仮想線は、二つの前記吸気弁の間に向かって延びるよう形成される請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  9. 前記駆動部は、前記ハウジングに対して相対移動不能に設けられる固定コア(30)、前記固定コアの前記噴孔とは反対側に前記ニードルと一体に往復移動可能な可動コア(35)、通電されると前記固定コアと前記可動コアとを通る磁気回路を形成するコイル(40)、及び、前記ニードルまたは前記可動コアを前記噴孔から離れる方向に付勢可能な付勢部材(45)を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  10. 前記ハウジングは、前記噴孔から噴射される燃料が流れる燃料通路(18)を有し、
    前記ニードルの前記噴孔に挿通されている側とは反対側の端部(221)に設けられ、前記燃料通路との液密が保持されている液密室(470)を形成する液密室形成部材(47)をさらに備える請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  11. 前記ニードルの径方向外側に前記ハウジングの内周壁面(16)に摺動可能に設けられるニードルガイド(23、24)をさらに備える請求項1〜10のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019005378A (ja) * 2017-06-27 2019-01-17 株式会社大一商会 遊技機
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