JP2017125281A - プリーツ型衛生マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸湿発熱性と保温性を付与し、着用者に「温かさ」を体感させるプリーツ型衛生マスクを提供する。【解決手段】 繊度が1〜6dtexの範囲の吸湿発熱性繊維30〜70質量%と、繊度が1〜6dtexの範囲のポリオレフィン系又はポリエステル系熱融着繊維70〜30質量%からなる目付質量が20〜60g/m2、厚みが0.1〜0.6mmである吸湿発熱性のサーマルボンド不織布を口元側に配置し、繊度が1〜9dtexのポリオレフィン系又はポリエステル系熱融着繊維又はこれに捲縮繊維の混合物からなる目付質量が20〜60g/m2、厚みが0.5〜1.5mm、空隙率が90%以上である保温性サーマルボンド不織布を隣接して配置した、「温かさ」を体感させるプリーツ型衛生マスク。【選択図】図1

Description

本発明は、着用時に温感性を付与するプリーツ型衛生マスクに関し、吸湿発熱性繊維と熱融着性繊維を用いた吸湿発熱性不織布と、熱融着性繊維を用いた保温性不織布とを設けた、着用時に「温かさ」を体感することができるプリーツ型衛生マスクに関する。
一般的に利用されている衛生マスクには、外気層側に保護材としてのスパンボンド法で得られた不織布(以下、スパンボンド不織布ともいう。)やサーマルボンド法で得られた不織布(以下、サーマルボンド不織布ともいう。)が用いられている。また、内部層にはエレクトレット処理を施したメルトブロー法で得られた不織布(以下、メルトブロー不織布ともいう。)、口元層にはスパンボンド不織布やサーマルボンド不織布などが組み合わされたものが用いられている。そして、これら複数の不織布をプリーツ型や立体型に一体成形したマスク製品が流通している。
不織布素材を用いた衛生マスクは、昨今、国内外において普及の一途をたどっている。その理由としては、ガーゼマスクと比較して、高いフィルター性能があることや、装着時の口元での空間が確保できることによる快適性があることなどが挙げられる。
また、これらの不織布素材を用いた衛生マスクは、従来、ウイルスを含む飛末や花粉を防御する目的で使用されると共に、防寒目的として着用されるケースもあることが知られている。しかし、上記の衛生マスクの不織布構成では、防寒性能は十分なものではなかった。
一方、防寒性に優れた感温性繊維を衣料や中綿製品等に利用する例として、「吸湿吸水発熱性繊維が中地及び又は裏地に使用され、人体から発生する気相および液相の汗や衣服外から侵入する気相および液相の水分を吸収することにより発熱保温するようになされたことを特徴とする吸放湿吸水発熱性保温品(請求項1)」(特許文献1参照)、また、「吸放湿吸水発熱性繊維よりなる短繊維が静電気及び接着剤によって、基材表面に立毛状に保持」した「気相および液相の水分を吸収することにより発熱保温する(請求項1)」発熱性保温基材(特許文献2参照)の提案がある。
また、ヒドラジン系化合物を架橋した窒素含有アクリル系繊維により吸湿発熱性を付与した吸湿発熱性素材(特許文献3参照)の提案がある。また、ポリスチレン系やポリアクリロニトリル系等の高吸湿性有機微粒子等の高吸湿性微粒子が付着した構造体を配置したマスク(特許文献4参照)の提案がある。
しかしながら、プリーツ成形を伴う衛生マスクを量産するためには、吸湿発熱素材を繊維化し、且つ、これを用いて不織布化する必要がある。さらにはプリーツ成形に適した不織布の目付質量や厚みなどを選定する必要があり、これが適切でないと、量産可能なプリーツ型衛生マスクを実現することはできない。先行技術においては、吸湿発熱繊維製品について記載はあるものの、吸湿発熱繊維素材を用いてプリーツ型衛生マスク製品に仕立てる技術について考慮されたものではなかった。
特開平06−294006号公報 特開平08−197661号公報 特開平09−158040号公報 特開2003−129377号公報 特開2003−093529号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、吸湿発熱性不織布と保温性不織布を組み合わせ、且つ、プリーツ型衛生マスクの製作に適するように、繊維素材の種類とその繊度、不織布の製法と目付質量、厚みなどを適切に選択し、着用者に充分な「温かさ」を体感させることが可能なプリーツ型衛生マスクを提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、特定の吸湿発熱性不織布と特定の保温性不織布を組み合わせることで、「温かさ」を体感できるプリーツ型衛生マスクを提供できることを見出した。
すなわち、本発明は、吸湿発熱性不織布と保温性不織布とを組み合わせて用いるプリーツ型衛生マスクであって、繊度が1〜6dtex以下の範囲の吸湿発熱性繊維30〜70質量%と、繊度が繊度が1〜6dtexの範囲の熱融着繊維70〜30質量%からなる目付質量(以下、目付とも記す。)が20〜60g/m2、0.1〜0.6mmの厚みを有する吸湿発熱性のサーマルボンド不織布を口元側に配置し、且つ、繊度が1〜9dtexの熱融着繊維、又はこれに捲縮繊維を混合してなる目付質量が20〜60g/m2、厚みが0.5〜1.5mm、空隙率が90%以上である保温性のサーマルボンド不織布を隣接させたプリーツ型衛生マスクによって前記の課題を解決することができる。
また、前記の吸湿発熱性不織布及び保温性不織布に用いられる熱融着繊維は、ポリオレフィン樹脂又はポリエステル樹脂からなる芯鞘型短繊維である。又、保温性不織布には、前記熱融着繊維と共に捲縮繊維として、ポリエステル系樹脂のサイドバイサイド型又は偏心型複合繊維を混合することを特徴とするプリーツ型衛生マスクである。また、その層構成としては、口元側から吸湿発熱不織布、保温性不織布、メルトブロー不織布、保護不織布(外気側層)の順に配置したプリーツ型衛生マスクである。
本発明のプリーツ型衛生マスクは、適度な剛性を有することから、従来のマスク成形機により容易にプリーツを賦形することができると同時に、マスク着用時の吐息に含まれる水分により昇温する吸湿発熱性不織布と、昇温した温度を保つための適度な厚みを持った保温性不織布を組み合わせることで「温かさ」を付与する効果を奏する。また、本発明のプリーツ型衛生マスクは、細菌、ウイルス、花粉などを捕集除去するメルトブロー不織布とともに用いることで、衛生マスクとしての衛生機能をさらに高めることができる。
本発明のプリーツ型衛生マスクの一例を説明する斜視図である。 本発明のプリーツ型衛生マスクの層構成を説明する断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明のプリーツ形衛生マスクを説明する図である。同図1に示すプリーツ型衛生マスク1において、マスク本体部3には、プリーツ5を有しており、顔面の鼻および口元に沿って円滑に覆うとともに、耳ひも7による装着を可能としている。
また、図2に当該マスク本体を構成する不織布の層構成を示す。
同図の上部が外気側を示し、同図の下部が口元側を示す。そして、口元層11である吸湿発熱不織布、保温性不織布13、メルトブロー不織布15、および保護不織布17からなっている。
以下、本発明の衛生マスクを構成する吸湿発熱性不織布、保温性不織布、およびメルトブロー不織布、保護層不織布並びにこれらの不織布からなるプリーツ型衛生マスクについて、項目毎に詳細に説明する。
本発明による吸湿発熱性不織布は、以下に示す吸湿発熱性繊維と熱融着繊維の混合使用により不織布化されるものである。
1.吸湿発熱性不織布
(1)吸湿発熱繊維
吸湿発熱繊維は、吸湿による発熱量の多い繊維であって、例えば、親水基を持つポリマーを架橋したアクリル酸系吸湿発熱性繊維やセルロース繊維にアミノ基、カルボキシル基またはヒドロキシル基を導入したものなどを挙げることができる。
例えば、ポリアクリレート系吸湿発熱性繊維であるブレスサーモ(美津濃登録商標)、東邦テキスタイル社製商品名「サンバーナ」などや、東洋紡績社製商品名「モイスケア」、富士紡績社製商品名「エコウォーム」、三菱レイヨン社製商品名「ルネス」、東レ社製商品名「ウォームセンサ」、日本エクスラン工業社製の商品名「エクスハイパー」等を挙げることができる。
吸湿発熱性繊維は、上記各種のものを用いることができるが、本発明のごとく口元層として使われる場合には、皮膚の感覚が敏感な人にも使用される可能性を考慮し、繊度が6dtex以下の繊維であることが好ましい。すなわち、繊度が6dtexを超えると、皮膚への刺激(ちくちく感)を訴える可能性もあり、好ましくない。また、繊度が1dtexよりも小さいとカード機でのウェブの紡出が不安定になり、ウェブ外観が不均一となるため、機械操作上好ましくない。
(2)熱融着繊維
本発明の吸湿発熱性不織布においては、吸湿発熱性繊維間を結合して不織布化するため、熱融着繊維を併せて配合している。その繊度は、6dtex以下が好ましく、繊度が6dtexを超えると、口元層に使用する場合に、敏感な人では皮膚への刺激を訴える可能性もある。また、上記の熱融着繊維は、融点の異なる材質を芯鞘型に配した複合繊維とすることで、繊維間の接触部を熱融着により結合させて、繊維の脱落・解離を生じない不織布を得ることができる。また、繊度が1dtexよりも小さい場合には、カード機でのウェブの紡出が不均一となり、機械操作上好ましくない。
このような熱融着繊維としては、芯:ポリプロピレン(PP)/鞘:ポリエチレン(PE)の芯鞘短繊維(以後、PP/PE繊維ともいう)、又は、芯:ポリエステル(PET)/鞘:ポリエステル共重合体(co−PET)の芯鞘短繊維(以後PET/co−PET繊維ともいう)が好ましく用いられる。又、芯:ポリエステル/鞘:ポリエチレンの芯鞘短繊維を用いてもよい。いずれも、鞘部の融点が100〜130℃の範囲のものであり、サーマルボンド不織布の製造上及びマスク成形での加工(超音波熱加工など)には、低温下で加工できるため好ましい。
本発明の吸湿発熱性不織布においては、吸湿発熱性繊維の配合割合は、30〜70質量%の範囲であることが好ましい。一方、熱融着繊維の配合割合は、30〜70質量%の範囲である。当該不織布は、これらの吸湿発熱性繊維と熱融着繊維を上記範囲内で混合し、カード機において一旦繊維をシート状に展開(以下、これを“ウエブ”ともいう)し、次いで、熱エンボス加工により繊維間交点を溶融結合して堅固な不織布を形成したサーマルボンド不織布である。
ここで、熱融着繊維の含有率が30質量%未満であると、繊維間接合部が少なくなり、得られる不織布は強度不足となるため、プリーツ成形には好ましくない。一方、吸湿発熱性繊維の含有率が30質量%未満であると、吸湿発熱性能が低下し、好ましくない。
また、吸湿発熱性不織布の目付質量(以下、「目付」と記載することもある。)を20〜60g/m2、厚みは0.1〜0.6mmの範囲とすることによって、吸湿発熱性とプリーツ成形に必要な剛性の両方を備えた不織布を作製することができる。
ただし、目付がこの範囲の下限を下回ると、吸湿発熱性が不十分となる。一方、目付が上限を超えると、厚みが不必要に増加して、かさ高くなるとともに硬くなり、良好なプリーツの形成に支障が出るため好ましくない。
本発明における吸湿発熱性不織布は、サーマルボンド法によって作製される不織布であるが、不織布化の前工程として、カード機から紡出されるウエブをクロスに積層する場合と、パラレル積層する場合がある。本発明における吸湿発熱性不織布は、繊維構成と目付が同一であればクロス積層ウエブあるいはパラレル積層ウエブのいずれも用いることができる。
本発明に係る保温性不織布は、熱融着繊維又は熱融着繊維と捲縮繊維との混合原綿が用いられ、熱融着繊維としては、前記の吸湿発熱性不織布に使用した熱融着繊維と同様の繊維をを用いることができる。すなわち、このような熱融着繊維としては、芯:ポリプロピレン(PP)/鞘:ポリエチレン(PE)の芯鞘短繊維(以後、PP/PE繊維ともいう)、又は、芯:ポリエステル(PET)/鞘:ポリエステル共重合体(co−PET)の芯鞘型複合繊維(以後、PET/co−PET繊維ともいう)が好ましく用いられる。また、芯:ポリエステル/鞘:ポリエチレンの芯鞘型短繊維を用いてもよい。
また、この保温性不織布には、捲縮性を有する繊維を混合することによって、不織布の厚みを保持することも行われる。この捲縮繊維は、ポリエステル樹脂を用いたサイドバイサイド型や偏心芯鞘型の複合繊維である。
また、この保温性不織布に用いる繊維の繊度は、1〜9dtexの範囲とすることが好ましい。繊度が1dtex未満であると、カード機から紡出されるウエブが不安定となり、目付、厚みが不均一となり、強度と剛性の低下と相俟って良好なプリーツが形成しにくくなる。また、ウエブが巻き取り操作などで巻締まり、望ましい厚みを維持することが困難となり、好ましくない。また、9dtexを超えると、不織布が硬くなってプリーツ性が低下し、好ましくない。なお、この保温性不織布は、前掲図2に示されるように、マスクの内部に配置されるので、直接人体の皮膚に触れることはない。
さらには、本発明に係る保温性不織布では、保温性を高めるために、不織布内部に十分な空隙を確保するとともに、マスク成形によってプリーツ性を損なわないために、目付を20〜60g/m2、厚みを0.5〜1.5mmの範囲とし、且つ、空隙率を90%以上とすることが望ましい。保温性不織布の目付20g/m2又は厚みが0.5mmを下回ると、これに関連して空隙率が減少し、十分な保温効果が得られにくい。また、空隙率は、90%以上であることが、保温効果を高める上で望ましい。プリーツ型衛生マスクはまた、目付が60g/m2を超えると、かさ高になり過ぎ、マスク成形におけるプリーツ性が低下するので好ましくない。
なお、この保温性不織布は、ウエブ内に熱風を貫通させて、繊維の交点を融着させるエアスルー方式で得られるサーマルボンド不織布である。このエアスルー方式による不織布は、繊維間結合が熱ロール圧着によらないため、過度な圧密が生じず、望ましい厚み及び空隙率を得ることができるので好ましい。
熱風温度は、使用する熱融着繊維の種類により適宜設定されるが、鞘側樹脂の融点より30〜60℃高い温度を選定することが好ましい。なお、保温性不織布においても、そのウエブ調製段階では、クロス積層ウエブ又はパラレル積層ウエブのいずれも用いることができる。
3.メルトブロー不織布
本発明のプリーツ型衛生マスクの内部層に使用されるメルトブロー不織布は、吸入する外気に含まれる塵埃、花粉、感染ウイルスを含む飛沫などを捕捉除去するために用いられる。
メルトブロー不織布の目付は特に限定されないが、プリーツ型衛生マスクとしては、10〜30g/m2 の範囲とすることが好ましい。ここで、使用するメルトブロー不織布は、ポリプロピレンを素材とし、平均繊維径が2〜8μmの範囲から選ばれた不織布であり、且つ、エレクトレット処理を施して高度のダスト捕集効率を付与したものを用いる。
4.保護層不織布
本発明のプリーツ型衛生マスクの最外層に位置する保護層不織布は、マスク内部にある前記メルトブロー不織布や保温性不織布を外部からのストレス(例えば、折り畳み、擦れ、損耗など)から保護する役目を担い、目付範囲が15〜30g/m2の範囲から選ばれるポリオレフィン製のスパンボンド不織布やサーマルボンド不織布が用いられる。
5.プリーツ型衛生マスクの作製、層構成
本発明のプリーツ型衛生マスクの構成は、図2に示すように、口元側から、吸湿発熱性不織布,次に保温性不織布、次にメルトブロー不織布、そして外気側に保護層不織布の順に配置することが望ましい。
本発明の内容を明確にするため、以下に実施例及び比較例を挙げ、そこで使用した繊維や不織布の繊維構成、不織布の評価方法などについて具体的に説明する。
(1)吸湿発熱性不織布
吸湿発熱性不織布に用いる吸湿発熱性繊維として、日本エクスラン工業社製アクリレート系繊維(アクリレート系共重合体含有量84.5%以上、水分15%以下、商品名「EKSHYPER/エクスハイパー」(登録商標)を用いた。その繊度は、2.5及び8dtex、カット長は41mmの短繊維を用いた。
また、熱融着繊維として、ESファイバービジョン社製の芯部がポリプロピレン(PP)、鞘部がポリエチレン(PE)の芯鞘複合繊維を用いた。また、この繊維には繊度は2.2dtex、カット長は51mmの短繊維を用いた。
また、ポリエステル系熱融着繊維として、芯部がポリエステル(PET)、鞘部が融点110℃のポリエステル共重合体(co−PET)からなる2.2dtex及び10dtexの芯鞘短繊維(東レ社製)を用いた。上記の2種類の繊維を均一に混合し、カード機に投入して繊維ウエブを紡出し、続熱エンボスロールに導入して繊維間を融着し、サーマルボンド不織布を製作する。
(2)保温性不織布
保温性不織布に用いる熱融着繊維は、上記のESファイバービジョン社製のPP/PE繊維を用い、その繊度は0.5、1.1、2.2、6.6及び10dtex、カット長51mmのものを用いた。また、ポリエルテル系熱融着繊維として、繊度2.2dtex、カット長51mmのPET/co−PET繊維を用いた。
(3)メルトブロー不織布
プリーツ型衛生マスクのダスト捕集フィルター層として配置するメルトブロー不織布は、ポリプロピレン製であり、平均繊維径4μm、目付25g/m2のものにエレクトレット処理を施している。このメルトブロー不織布のフィルター性能は、TSI 8130型フィルター試験機(TSI Inc.社製)を用い、85L/min、食塩粒子径0.3μmの測定条件下にて測定した結果、91%の捕集効率を示した。
(4)保護層不織布
プリーツ型衛生マスクの外気側層に用いる保護層不織布には、目付28g/m2のポリプロピレン製スパンボンド不織布を用いた。
次に、吸湿発熱性不織布及び保温性不織布の評価方法を以下に説明する。
(1)不織布の目付質量:
不織布試料の長さ方向より、100×100mmの試験片を採取し、水分平衡状態の重さを測定し、1m2当たりに換算して求めた。
(2)不織布の厚み:
不織布試料を0.2kPa(100g/5cm2)荷重の厚み計にて測定した。
(3)吸湿発熱性:
吸湿発熱性不織布試料を4層に折り畳み、その第2層と第3層の間に温度センサーを挿入して測定試料とした。この試料を20℃、湿度40%に調整した恒温恒湿槽の中に入れ、2時間経過後の試料内温度を測定し、次に、20℃、湿度90%に条件を変えた時の試料内の温度を測定し、その温度差を吸湿発熱性の指標とし、以下の基準で評価した。
良好(○):温度差が1℃以上。
不良(×):温度差が1℃未満。
(4)皮膚への刺激性:
吸湿発熱性不織布試料について、被験者5人が、口まわりに試料を接触させた際の触感を評価した。評価基準は、以下のとおり。
良好(○):全員が肌触り良好と回答。
不良(×):全員がチクチクするなどの刺激を感じると回答。
(5)保温性:
保温性不織布試料について、サーモラボ試験機(カトーテック社製機種KES−F7)を用い、30℃の一定温度に設定した熱板上に20cm角に切断した不織布試験片を載置し、試験片を介して放散した熱量Aを求める。次に、試験片を載置しない状態で放散される熱量Bを求め、下式に従い保温率(%)を求めた。
保温率(%)=100×(1−A/B)
また、保温性は、以下の基準で評価した。
良好(○):保温率が40%以上。
不良(×):保温率が40%未満。
(6)空隙率:
保温性不織布試料の目付質量、厚み及び繊維の真比重より、その不織布の空隙率を算出
した。まず、下式により繊維充填率を求め、次いで、空隙率を求めた。
繊維充填率(%)=目付質量(g/m2)/厚み(mm)/真比重/1,000×100
空隙率(%)=100−繊維充填率(%)
なお、実施例と比較例に用いた繊維の真比重は、PP/PE繊維の場合は0.93、また、PET/co−PET繊維の場合は、1.38として、空隙率を算出した。
(7)プリーツ成形性:
本発明にて使用する各種不織布を組み合わせ、マスク成形機を用いてプリーツ成形及び半折成形を行う。その結果、うまく折り目が付くか、否かを、目視で評価する。評価基準は、以下のとおり。
良好(○):プリーツ、あるいは半折が可能。
不良(×):プリーツ、あるいは半折ができない。
(8)「温かさ」(温感性ともいう)の体感モニター試験:
作成された各種プリーツ型衛生マスクを被験者20人が、20℃設定室内で1時間着用した際に、温かく感じるか、否かを評価した。評価基準は、以下のとおり。
良好(○):「温かさ」を明らかに感じる。
不良(×):「温かさ」を感じない。
以下の実施例1〜3において、各種条件にて作製した吸湿発熱性不織布を上記の方法で評価した。
実施例1
繊度が2.5dtexの吸湿発熱性繊維40質量%と、繊度2.2dtexのPP/PE繊維60質量%とを混合し、カーディングマシンにより目付質量を25g/m2に調整したパラレルウエブを形成し、次に熱エンボスロール(設定温度135℃)による繊維間融着を経て吸湿発熱性不織布(以後、「不織布1」と表記)を作製した。この「不織布1」について、吸湿発熱性及び皮膚刺激性を評価したところ、表1に示すように良好な結果を得た。
次いで、図2に示す構成の通り、この「不織布1」に前記メルトブロー不織布(目付25g/m2)及び保護層不織布として前記スパンボンド不織布(目付28g/m2)を重ね、プリーツ成形性をマスク成形機によって評価した。その結果、プリーツ成形性は良好であった。
実施例2
上記実施例1において、熱融着繊維はPET/co−PET繊維(2.2dtex)を用いた以外は実施例1と同様の方法により、吸湿発熱性不織布「不織布2」を作製した。この「不織布2」について、吸湿発熱性及び皮膚刺激性を評価したところ、表1に示すように良好な結果を得た。また、実施例1と同様の方法によって、この「不織布2」を前記メルトブロー不織布及び前記スパンボンド不織布と重ね、プリーツ成形性をマスク成形機によって評価した。その結果、プリーツ成形性は良好であった。
実施例3
吸湿発熱性不織布の目付を60g/m2に設定し、クロス積層によってウエブを形成したこと以外は、実施例1と同様の方法で、吸湿発熱性不織布「不織布3」を作製した。
この「不織布3」の吸湿発熱性及び皮膚刺激性を評価したところ、表1に示すように良好な結果を得た。また、実施例1と同様に、この「不織布3」を前記メルトブロー不織布及び保護層として前記スパンボンド不織布と重ねて、プリーツ成形を行った。その結果、プリーツ成形性は良好であった。
次に、吸湿発熱不織布の比較例1〜5の実施態様を説明する。
比較例1
繊度が2.5dtexの吸湿発熱繊維を20質量%、繊度が2.2dtexのPP/PE繊維を80質量%混合した以外は、実施例1と同様の方法により、吸湿発熱性不織布を作製した。この不織布の吸湿発熱性を評価したところ、吸湿発熱性は低かったので、この不織布を「比較不織布1」とし、結果を表2に示した。これは、吸湿発熱性繊維の量が不足しているためと考えられる。
比較例2
繊度が2.5dtexの吸湿発熱繊維を80質量%、繊度が2.2dtexのPP/PE繊維を20質量%配合した以外は、実施例1と同様の方法で吸湿発熱性不織布を作製した。この不織布の吸湿発熱性を評価したところ、表2に示すように、吸湿発熱性は十分満足できるが、前記実施例1と同様の方法でプリーツ成形を行ったところ、強度不足により、良好なプリーツ型衛生マスクを作製することができなかったので、これを「比較不織布2」とし、表2に結果を示した。これは、熱融着繊維量の不足によるものと考えられる。
比較例3
吸湿発熱性不織布の目付を10g/m2とした以外は、実施例1と同様の方法で吸湿発熱性不織布を作製した。この不織布の吸湿発熱性を評価したところ、表2に示すように、良好な結果を得ることができなかったので、これを「比較不織布3」として、表2に結果を示した。これは、吸湿発熱繊維の量が少ないためと考えられる。
比較例4
吸湿発熱性不織布の目付を80g/m2とした以外は、実施例1と同様の方法で吸湿発熱性不織布を作製した。この不織布の吸湿発熱性は良好であったので、実施例1と同様に、メルトブロー不織布及び保護層不織布を重ねてマスク成形を行い、プリーツ成形性を評価したが、プリーツ形状が良好なプリーツ型衛生マスクを作製することはできなかったので、これを「比較不織布4」として結果を表2に示した。これは、不織布の目付が増えたことによって厚み及び硬さが大きくなり過ぎてプリーツ性が低下したものと考えられる。
比較例5
吸湿発熱性不織布に用いる吸湿発熱性繊維の繊度を8dtex、保温性不織布に用いる熱融着繊維(PP/PE繊維)の繊度を10dtexとした以外は、実施例1と同様の方法で、吸湿発熱性不織布を作製した。この不織布の吸湿発熱性及びプリーツ成形性は、良好であったが、これをマスクの口元側に使用すると、チクチク感があり、皮膚刺激性に問題が見られたので、これを「比較不織布5」として表2に結果を示した。これは、繊度が大きい、すなわち繊維が太いために起きた問題と考えられる。
Figure 2017125281
Figure 2017125281
次に、保温性不織布に関しての実施例と評価結果を以下に示す。
実施例4
繊度が2.2dtexのPP/PE繊維を用いて、ウエブの目付を25g/m2に設定し、エアスルー(熱風温度150℃)により厚み約0.6mm、空隙率95.3%の保温性不織布「不織布4」を得た。この不織布の保温性を前述の方法で評価した。さらに、この「不織布4」に、前記メルトブロー不織布及び保護層不織布を重ね、マスク成形を行い、プリーツ性を評価したところ、保温性及びマスクのプリーツ成形性については、表3に示すようにいずれも良好であった。
実施例5
繊度が1.1dtexのPP/PE繊維を用いた以外は、実施例4と同様にして、0.5mm、空隙率が94.6%の厚みの保温性不織布「不織布5」を得た。この「不織布5」についての保温性及びプリーツ成形性を、前記実施例4と同様の方法により評価したところ、表3に示すようにいずれも良好であった。
実施例6
繊度が6.6dtexのPP/PE繊維を用い、ウエブの目付を60g/m2に設定したクロスウエブを用い、実施例4と同様に不織布化して、厚み1.32mm、空隙率95.1%の保温性不織布「不織布6」を得た。この「不織布6」についての保温性及びプリーツ成形性を、前記実施例4と同様の方法により評価したところ、表3に示すようにいずれも良好であった。
実施例7
繊度が2.2dtexのPET/co−PETの芯鞘型構造からなる熱融着繊維60質量%及び2.2dtexのPET/co−PETのサイドバイサイド構造からなる捲縮繊維40質量%の混合綿を用い、ウエブの目付を25g/m2に設定して、実施例4と同様にして不織布を作製し、厚み0.71mm、空隙率96.2%の保温性不織布「不織布7」を得た。この「不織布7」についての保温性及びプリーツ成形性を、前記実施例4と同様の方法により評価したところ、表3に示すように、いずれも良好であった。
Figure 2017125281
以下は、保温性不織布の比較例である。
比較例6
使用したPP/PE繊維の繊度を0.5dtexとした以外は、実施例4と同様の方法で、厚み0.21mm、空隙率87.2%の不織布を得た。その保温性は表4に示すように不十分であったので、これを「比較不織布6」とした。この不織布は、繊度が小さいために不織布が柔らかくなりすぎ、不織布製造時の巻き取りの際に巻き締まりが起きて厚みが小さくなり、その結果、空隙率が低下したことが保温性低下の原因と考えられる。また、プリーツ性も低下した。
比較例7
使用したPP/PE繊維の繊度を10dtexとした以外は、実施例4と同様の方法で不織布を作製した。この不織布の厚みは0.51mm、空隙率は94.7%であった。この不織布は、保温性はあるが、繊度が大きいために不織布が硬くなりすぎてプリーツ性が低下したので、この不織布を「比較不織布7」として表4に評価結果を記した。
比較例8
保温性不織布の目付を15g/m2に設定した以外は、実施例4と同様の方法で、保温性不織布「比較不織布8」を作製した。この不織布の厚みは0.14mm、空隙率は88.5%であった。この不織布の保温性は、明らかに劣るものであったので、この不織布を「比較不織布8」として表4に評価結果を記した。目付及び厚みが過小となったために空隙率が低下したためと考えられる。
比較例9
保温性不織布の目付を80g/m2とした以外は、実施例4と同様の方法で、不織布を作製し、厚み1.72mm、空隙率95%の不織布を得た。この不織布の保温性は良好であったが、厚みが大き過ぎて、かさ高になりプリーツ成形性が不良であったので、この不織布を「比較不織布9」として表4に評価結果を記した。
以下は、保温性不織布の比較例である。
Figure 2017125281
以下の実施例8〜15は、前記実施例1〜3において作製した吸湿発熱性不織布「不織布1〜3」と、実施例4〜7において作製した保温性不織布「不織布4〜7」とをそれぞれ組み合わせ、更にフィルター層として、前記メルトブロー不織布及び最外層に保護層としてスパンボンド不織布を配してプリーツ成形を行い、最終マスク製品に仕立てて、その「温かさ」を前記の体感モニター試験にて評価したものである。
実施例8
実施例1において作製した吸湿発熱性不織布「不織布1」と、実施例4において作製した保温性不織布「不織布4」とを組み合わせ、これに前記の目付が25g/m2のメルトブロー不織布、さらに、最外層に目付が28g/m2のスパンボンド不織布を保護層として重ねてプリーツ型衛生マスク製品を作製した。このプリーツ型衛生マスクについて、前記の方法により「温かさ」の着用モニター試験を実施した。その結果を表5に示した。
実施例9
また、実施例9では、実施例1において作製した吸湿発熱性不織布「不織布1」と実施例5において作製した保温性不織布「不織布5」を組み合わせて、実施例8と同様の方法で作製したプリーツ型衛生マスクについて、実施例8と同様に「温かさ」の評価をした。その結果を表5に示した。
実施例10
実施例10では、実施例1において作製した吸湿発熱性不織布「不織布1」と実施例6において作製した保温性不織布「不織布6」を組み合わせ実施例8と同様の方法で作製したプリーツ型衛生マスクについて、実施例8と同様に「温かさ」の評価をした。その結果を表5に示した。
実施例11
また、実施例11では、実施例1において作製した吸湿発熱性不織布「不織布1」と実施例7において作製した保温性不織布「不織布7」を組み合わせ、実施例8と同様の方法で作製したプリーツ型衛生マスクについて、実施例8と同様に「温かさ」の評価をした。その結果を表5に示した。
Figure 2017125281
実施例12
実施例12では、実施例2において作製した吸湿発熱性不織布「不織布2」と、実施例4において作製した保温性不織布「不織布4」を組み合わせ、実施例8と同様の方法で作製したプリーツ型衛生マスクについて、実施例8と同様に「温かさ」の評価をした。その結果を表6に示した。
実施例13
実施例13では、実施例2において作製した吸湿発熱性不織布「不織布2」と実施例5において作製した保温性不織布「不織布5」を組み合わせ、実施例8と同様の方法で作製したプリーツ型衛生マスクについて、実施例8と同様に「温かさ」の評価をした。その結果を表6に示した。
実施例14
実施例14では、実施例3において作製した吸湿発熱性不織布「不織布3」と実施例6において作製した保温性不織布「不織布6」を組み合わせ、実施例8と同様の方法で作製したプリーツ型衛生マスクについて、実施例8と同様に「温かさ」の評価をした。その結果を表6に示した。
実施例15
実施例15では、実施例3において作製した吸湿発熱性不織布「不織布3」と実施例7において作製した保温性不織布「不織布7」を組み合わせ、実施例8と同様の方法で作製したプリーツ型衛生マスクについて、実施例8と同様に「温かさ」の評価をした。その結果を表6に示した。
以上の実施例8〜15の「温かさ」の評価結果(なお、表中には「温感性」と表記)を表5及び表6に示したように。上記実施例8〜15で作製したプリーツ型衛生マスクは、いずれも明らかに着用者に「温かさ」を感じさせるという結果を得た。
Figure 2017125281
次に、前記実施例8〜15に対応して、下記の比較例10〜16に示すようなプリーツ型マスクを作製し、最終マスク製品としての「温かさ」の評価を行った。
以下の比較例10〜12では、保温性不織布は使わずに、口元層に吸湿発熱不織布を、次いでメルトブロー不織布/スパンボンド不織布の順に重ねてプリーツマスクを作製した。すなわち、保温性不織布は使わないプリーツ型衛生マスクの用例であり、保温性不織布の使用の有無が「温かさ」にどのように影響するかを比較した。
比較例10
比較例10では、口元層に実施例1において作製した吸湿発熱性不織布「不織布1」を用い、保温性不織布は使わずに目付28g/m2のスパンボンド不織布を代用し、次いで前記の目付25g/m2 のメルトブロー不織布と最外層として再び目付28g/m2のスパンボンド不織布を重ね使用して、プリーツ型マスクを作製した。その「温かさ」の評価結果を表7に示した。
比較例11
また、比較例11では、実施例2において作製した吸湿発熱性不織布「不織布2」を用い、保温性不織布は使わずに目付28g/m2のスパンボンド不織布を代用し、次いで前記の目付25g/m2 のメルトブロー不織布と目付28g/m2のスパンボンド不織布を重ね使用して、比較例10と同様にしてプリーツ型衛生マスクを作製した。その「温かさ」の評価結果を表7に示した。
比較例12
比較例12では、実施例3において作製した吸湿発熱性不織布「不織布3」を用い、保温性不織布は使わずに目付28g/m2のスパンボンド不織布を代用し、次いで前記の目付25g/m2 のメルトブロー不織布と目付28g/m2のスパンボンド不織布を重ね使用して、比較例10と同様にしてプリーツ型衛生マスクを作製した。これらの比較例10〜12で得られたプリーツ型マスクの温感性の着用モニタリング試験では、表7に示すようにいずれの場合でも「温かさ」の感じ方は不十分であった。
Figure 2017125281
次の比較例13〜16では、マスクの不織布構成において、吸湿発熱性不織布は使わずに、スパンボンド不織布を代用して口元層に用い、次いで保温性不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布の順に重ねてプリーツ型マスクを作製した。すなわち、吸湿発熱性不織布は使わないプリーツ型衛生マスクの用例であり、吸湿性不織布の使用の有無が「温かさ」にどのように影響するかを比較した。
比較例13
比較例13では、口元層には吸湿発熱性不織布を使わずに、前記スパンボンド不織布を代用し、これに実施例4で得た保温性不織布「不織布4」、前記メルトブロー不織布、更に最外層に前記スパンボンド不織布を配して、前記比較例10と同様にしてプリーツ型衛生マスクを成形した。結果は表8に示すように、着用モニタリング試験での温かさの感じ方は、いずれの場合でも不十分であった。
比較例14
比較例14では、口元層には吸湿発熱性不織布を使わずに、前記スパンボンド不織布を代用し、保温性不織布は実施例5で得た「不織布5」を用いて、前記比較例10と同様にして、プリーツ型衛生マスクを成形した。結果は表8に示すように、着用モニタリング試験での温かさの感じ方は、いずれの場合でも不十分であった。
比較例15
比較例15では、口元層には吸湿発熱性不織布を使わずに、前記スパンボンド不織布を代用し、保温性不織布は実施例6で得た「不織布6」を用いて、前記比較例10と同様にして、プリーツ型衛生マスクを成形した。結果は表8に示すように、着用モニタリング試験での温かさの感じ方は、いずれの場合でも不十分であった。
比較例16
比較例16では、口元層には吸湿発熱性不織布を使わずに、前記スパンボンド不織布を代用し、保温性不織布は実施例7で得た「不織布7」を用いて、前記比較例10と同様にして、プリーツ型衛生マスクを成形した。結果は表8に示すように、着用モニタリング試験での温かさの感じ方は、いずれの場合でも不十分であった。
以上の実施例8〜15(表5および6に示す)と比較例10〜16(表7および8に示す)との対比から、吸湿発熱性不織布と保温性不織布の両方を組み合わせて使用することにより、「温かさ」をより顕著に体感できることが明らかである。
参考例
なお、表8には、参考例として、一般に市販されているプリーツ型衛生マスクについての「温かさ」を評価した結果を示す。これと比較とすると、実施例8〜15で得たプリーツ型衛生マスクの「温かさ」(温感性)は、いずれも明らかに、市販のプリーツ型衛生マスクを上回るものである。
Figure 2017125281
本発明のプリーツ型衛生マスクに用いる吸湿発熱性不織布については、実施例1〜3(表1)と比較例1〜5(表2)の対比によって、望ましい吸湿発熱性及びプリーツ成形性を得る上で、吸湿発熱性繊維の使用比率、吸湿発熱性不織布の目付質量に好ましい範囲があることを示している。
また、保温性不織布については、実施例4〜7(表3)と比較例6〜9(表4)の対比によって、空隙率を高めて不織布内に空間を確保することが保温性を高めることにつながることは明白であり、そのためには、繊度、目付質量厚みに好ましい範囲があることが示される。さらには、マスクを着用したときの「温かさ」は、吸湿発熱性不織布と保温性不織布とを組み合わせて使用する方が、それらの単独使用よりも大きく体感されることが実施例8〜15(表5と表6)と比較例10〜16(表7と表8)との対比によって明らかとなった。これは、吸湿発熱性不織布と保温性不織布とが相互作用により「温かさ」を向上させるためと考えられる。
本発明のプリーツ型衛生マスクは、吸湿発熱性不織布と保温性不織布を組み合わせて使用し、かつ、各々の不織布が、好適な目付、厚みを得た不織布で構成されることによって、マスク着用者に「温かさ」を感じさせることができ、防寒性を高めた衛生マスクとして、好適に用いることができる。
1・・・プリーツ型衛生マスク
3・・・マスク本体部
5・・・プリーツ
7・・・耳ひも
11・・・第1層:口元層:吸湿発熱不織布
13・・・第2層:保温性不織布
15・・・第3層:メルトブロー不織布
17・・・第4層:最外層:保護不織布

Claims (3)

  1. 繊度が1〜6dtexの範囲の吸湿発熱性繊維30〜70質量%と、繊度が1〜6dtexの範囲の熱融着繊維70〜30質量%との混合綿からなる目付質量が20〜60g/m2、厚みが0.1〜0.6mmである吸湿発熱性のサーマルボンド不織布を口元側に配置し、且つ、繊度が1〜9dtexの熱融着繊維、又はこれに捲縮繊維を混合してなる目付質量が20〜60g/m2、厚みが0.5〜1.5mm、空隙率が90%以上である保温性のサーマルボンド不織布を隣接して配置したことを特徴とするプリーツ型衛生マスク。
  2. 前記吸湿発熱性不織布に用いられる熱融着繊維は、ポリオレフィン樹脂又はポリエステル樹脂からなる芯鞘短繊維であり、保温性不織布に用いられる繊維は、前記熱融着繊維又はこれとポリエステル系樹脂からなる捲縮性複合短繊維の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のプリーツ型衛生マスク。
  3. 口元側から吸湿発熱不織布、保温性不織布、メルトブロー不織布、保護不織布(外気側層)を配置したことを特徴とする請求項1または2記載のプリーツ型衛生マスク。
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