JP2017125070A - 非水系毛髪化粧料および毛髪処理方法 - Google Patents

非水系毛髪化粧料および毛髪処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線吸収剤が配合されており、低温安定性に優れる非水系毛髪化粧料と、前記非水系毛髪化粧料を用いた毛髪処理方法とを提供する。【解決手段】非水系毛髪化粧料は、(A)パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、(B)イソノナン酸2−エチルヘキシル、または、安息香酸アルキルおよびイソノナン酸2−エチルヘキシル、(C)揮発性の環状シリコーンが配合されており、濡れた毛髪に塗布後、洗い流さずに前記毛髪を乾燥させる方法で使用されるものである。毛髪処理方法は、その非水系毛髪化粧料を使用するものである。【選択図】 なし

Description

本発明は、紫外線吸収剤が配合されており、低温安定性に優れる非水系毛髪化粧料と、前記非水系毛髪化粧料を用いた毛髪処理方法に関するものである。
従来から、紫外線による悪影響を回避するために、日焼け止めクリームなどの皮膚用の化粧料に紫外線吸収剤を配合することが行われているが、最近では、紫外線による毛髪の損傷防止を可能とすべく、紫外線吸収剤を配合した毛髪化粧料も開発されている。
こうした毛髪化粧料としては、例えば、毛髪に噴霧して紫外線吸収剤を含む各種成分を付着させるエアゾール式スプレータイプのものが提案されている(特許文献1)。このようなタイプの毛髪化粧料であれば、例えば整髪後の毛髪に、その髪型を崩すことなく効果的に紫外線吸収剤を付着させることができる。
特開2015−113281号公報(特許請求の範囲など)
一方、紫外線吸収剤を配合した毛髪化粧料は、寒冷地の冬季の気温のような低温下に置かれると、白濁が生じやすい。エアゾール式スプレーとは異なり、リーブオンタイプの毛髪化粧料では、内容物が視認できる透明容器に入れて商品化される場合もあるが、流通時や倉庫などでの保管時に低温に曝されることで白濁してしまうと、商品価値が低下する虞もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、紫外線吸収剤が配合されており、低温安定性に優れる非水系毛髪化粧料と、前記非水系毛髪化粧料を用いた毛髪処理方法とを提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の非水系毛髪化粧料は、下記(A)〜(C)の成分が配合されており、濡れた毛髪に塗布後、洗い流さずに前記毛髪を乾燥させる方法で使用されることを特徴とするものである。
(A)紫外線吸収剤
(B)安息香酸アルキルまたはイソノナン酸2−エチルヘキシル
(C)揮発性の環状シリコーン
また、本発明の毛髪処理方法は、本発明の非水系毛髪化粧料を用いることを特徴とする。
本発明によれば、紫外線吸収剤が配合されており、低温安定性に優れる非水系毛髪化粧料と、前記非水系毛髪化粧料を用いた毛髪処理方法とを提供することができる。
本発明の実施形態に基づき、本発明を以下に説明する。
本実施形態の非水系毛髪化粧料は、(A)紫外線吸収剤、(B)安息香酸アルキルまたはイソノナン酸2−エチルヘキシル、および(C)揮発性の環状シリコーンが配合されている。(A)紫外線吸収剤は、紫外線による毛髪の損傷を防止するための成分であり、(C)揮発性の環状シリコーンは、非水系毛髪化粧料の媒体(溶媒)となる成分であるが、これらは相溶性が低い。
本実施形態の非水系毛髪化粧料は、(B)安息香酸アルキルまたはイソノナン酸2−エチルヘキシルを使用することで、(A)成分の(C)成分への溶解性を高めて透明な外観とすることを可能とし、かつ低温下でもその透明な外観を維持できるといった低温安定性の確保も可能とした。
また、(A)成分を配合した毛髪化粧料を濡れた毛髪に塗布し、乾燥させると、乾燥途中に毛髪が束となって、乾燥後にもその束の状態が維持されてしまうため、乾燥後(ドライ後)の毛髪の指通り性が悪くなる。しかし、(A)成分および(C)成分と共に(B)成分も配合することで、毛髪が束になることを抑制できるため、本実施形態の非水系毛髪化粧料を用いた場合には、ドライ後の毛髪の指通り性も良好となる。
(A)成分である紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]安息香酸エチルなどの安息香酸エステル系紫外線吸収剤;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸ホモメンチルなどのサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジイソプロピルケイ皮酸エステルなどのケイ皮酸系紫外線吸収剤;ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウムなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;)2−シアノ−3,3−ジフェニルプロパ−2−エン酸2−エチルへキシルエステル;アントラニル酸メンチル;テレフタリリデンジカンフルスルホン酸;2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン;4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン;2,2’−メチレンビス(6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール);などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、紫外線から毛髪を保護する機能を良好に確保する観点から、紫外線A波を吸収する紫外線吸収剤と、紫外線B波を吸収する紫外線吸収剤とを併用するとよい。紫外線A波を吸収する紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステルが挙げられる。紫外線B波を吸収する紫外線吸収剤としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルが挙げられる。
非水系毛髪化粧料における(A)成分の配合量は、紫外線から毛髪を保護する機能をより良好に確保する観点から、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、非水系毛髪化粧料中の(A)成分の量をある程度制限して、非水系毛髪化粧料における低温安定性をより良好に高める観点から、非水系毛髪化粧料における(A)成分の配合量は、10質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の非水系毛髪化粧料において、(B)成分には、安息香酸アルキルおよびイソノナン酸2−エチルヘキシルのうちのいずれか一方のみを用いてもよく、両方を用いてもよい。
なお、安息香酸アルキルには、例えば、安息香酸と脂肪族アルコールとのエステルである安息香酸アルキル(C12〜15)、安息香酸アルキル(C16,17)(Cの後の数値は、アルキル部分の炭素数を意味している)などを用いることができる。
非水系毛髪化粧料における(B)成分の配合量〔安息香酸アルキルおよびイソノナン酸2−エチルヘキシルのうちのいずれか一方のみを用いる場合は、その量であり、両方を用いる場合は、それらの合計量である。非水系毛髪化粧料における(B)成分の配合量について、以下同じ。〕は、(B)成分の使用による上記の効果をより良好に確保する観点から、2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、(B)成分の配合量が多くなるとドライ後の毛髪の柔らかさが損なわれる虞があることから、非水系毛髪化粧料における(B)成分の配合量は、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。
(C)成分である揮発性の環状シリコーンとしては、例えば、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2017125070
上記式(1)中、xは4〜6の整数である。
上記式(1)で表される揮発性の環状シリコーンは、具体的には、オクタメチルシクロテトラシロキサン、(c1)デカメチルシクロペンタシロキサン、(c2)ドデカメチルシクロヘキサシロキサンである。
(C)成分である揮発性の環状シリコーンには、上記例示のもののうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、非水系毛髪化粧料には、(C)成分として、(c1)デカメチルシクロペンタシロキサンと(c2)ドデカメチルシクロヘキサシロキサンとが配合されていることが好ましく、この場合には、ドライ後の毛先のまとまりが、より良好となる。
非水系毛髪化粧料における(C)成分の配合量は、例えば、50〜90質量%である。
なお、(C)成分として(c1)と(c2)とを配合する場合には、それらの配合比率は、質量基準で、例えば、(c2)/(c1)=0.001〜0.1とすればよい。
本実施形態の非水系毛髪化粧料における、非水系とは、毛髪化粧料の外相が水系ではないものを意味する。そのため、水を全く含有しないものであってもよく、外相が水系でない限りにおいて水を含有するものであってもよい。本実施形態の非水系毛髪化粧料における水の含有量は、例えば、5質量%以下である。
なお、本実施形態の非水系毛髪化粧料には、エタノールは配合しないことが好ましい。エタノールを配合すると非水系毛髪化粧料が吸湿してしまい、白濁が生じやすくなる虞がある。
また、本実施形態の非水系毛髪化粧料には、(D)揮発性の直鎖状ジメチルポリシロキサンが配合されていることが好ましい。(D)成分を配合した非水系毛髪処理剤であれば、塗布した濡れた髪をドライヤーなどで乾かす際の指通り性、すなわち、ドライ中の指通り性がより良好となる。
(D)成分である揮発性の直鎖状ジメチルポリシロキサンとしては、例えば、粘度(25℃での動粘度)が0.5mm/s以上5mm/s以下の直鎖状ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
本明細書でいう(D)成分の粘度(25℃での動粘度)は、化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定した値である。
非水系毛髪化粧料における(D)成分の配合量は、(D)成分の使用による上記の効果をより良好に確保する観点から、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、(D)成分の配合量が多くなると毛先のまとまりが損なわれる虞があることから、非水系毛髪化粧料における(D)成分の配合量は、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
また、本実施形態の非水系毛髪化粧料には、(E)マカデミアナッツ油またはメドウフォーム油が配合されていることが好ましい。(E)成分を配合した非水系毛髪化粧料であれば、例えば染毛処理が施されるなどして特に毛先にダメージを受けた毛髪であっても、その全体にわたって均一感のある柔らかさを付与できるようになる。
非水系毛髪化粧料における(E)成分の配合量は、(E)成分の使用による上記の効果をより良好に確保する観点から、0.05質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましい。また、(E)成分の配合量が多くなるとドライ後のすべりのある指通り性の向上効果が小さくなる虞があることから、非水系毛髪化粧料における(E)成分の配合量は、10質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の非水系毛髪化粧料には、上記の(A)〜(E)の各成分以外にも、例えば、通常のトリートメント剤などの毛髪化粧料に配合されている各種の成分を、本実施形態の非水系毛髪化粧料の効果を損なわない範囲で配合することができる。このような成分としては、例えば、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、炭化水素、ロウ、エステル油、植物油、シリコーン、湿潤剤、防腐剤、キレート剤、香料、着色剤などが挙げられる〔ただし、上記の各成分のうち、(A)〜(E)の各成分に該当するものを除く〕。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては、例えば、モノ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムなど)、ジ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩またはエチレンオキサイド(E.O.)付加型の第4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン(ポリオキシエチレンオレイルアミンなど)、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどが挙げられる。アニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、α−オレフィン酸ナトリウムなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、ベタインなどが挙げられる。
炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる(炭化水素の配合量は、例えば、0.01〜10質量%)。ロウとしては、例えば、ミツロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウなどが挙げられる(ロウの配合量は、例えば、0.01〜5質量%)。エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸エチル、2−エチルヘキサン酸セチル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、ジメチルオクタン酸2−オクチルドデシル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸コレステリルなどが挙げられる〔(B)成分を除くエステルの配合量は、例えば、0.01〜10質量%〕。植物油としては、例えば、アボガド油、オリーブ油、コメヌカ油、パーム核油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、バオバブ種子油、アルガニアスピノサ核油、ローズヒップ油などが挙げられる〔(E)成分を除く植物油の配合量は、例えば、0.01〜10質量%〕。
シリコーンとしては、例えば、高重合メチルポリシロキサン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン(ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体など)、ポリグリセリン変性シリコーン(ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコーンなど)、アミノ変性シリコーン(アミノエチルアミノプロピルメチコン・ジメチコン共重合体など)、フェニル変性シリコーン(メチルフェニルポリシロキサンなど)などが挙げられる。なお、(C)成分と(D)成分を除くシリコーンの配合量は、例えば、0.1〜30質量%である。
湿潤剤としては、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ピロリドンカルボン酸などが挙げられる。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノールなどが挙げられる。キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸またはその塩、ジエチレントリアミン五酢酸またはその塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸またはその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸またはその塩などが挙げられる。
本実施形態の非水系毛髪化粧料の剤型は、例えば、透明の液状剤型である。
本実施形態の非水系毛髪化粧料の粘度は、例えば10〜1000mPa・sである。本明細書でいう「非水系毛髪化粧料の粘度」は、B型粘度計を使用し、適宜なローターを用いて、25℃でローター回転数30rpmとして計測したときの、計測開始から60秒後の値である。
本実施形態の非水系毛髪化粧料は、リーブオンタイプのトリートメント剤などの用途として、濡れた毛髪に塗布し、洗い流すことなく、ドライヤーなどを用いて前記毛髪を乾燥して仕上げる方法によって使用される。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1a
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルおよび2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル〔(A)成分〕、安息香酸アルキル(C12〜15)〔(B)成分〕、デカメチルシクロペンタシロキサン〔(c1)成分〕、直鎖状ジメチルポリシロキサン〔(D)成分。25℃での動粘度が1.4mm/s。〕、高重合メチルポリシロキサン、直鎖状ジメチルポリシロキサン(25℃での動粘度が20mm/s)、ジメチコノール、高重合ジメチルシロキサン・メチル(アミノプロピル)シロキサン共重合体、流動パラフィンおよび香料を表1に示す量で配合して、非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例1b
(B)成分として、安息香酸アルキル(C12〜15)に代えてイソノナン酸2−エチルヘキシルを配合した以外は、実施例1と同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
比較例1a
表1に示すように、(B)成分である安息香酸アルキル(C12〜15)を配合せず、デカメチルシクロペンタシロキサンの配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
比較例1b〜1g
(B)成分である安息香酸アルキル(C12〜15)に代えて、表1に示すエステル油を配合した以外は、実施例1と同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例1a、1b、および比較例1a〜1gの各非水系毛髪化粧料について、下記の各評価を行った。
<ドライ後の指通り性>
染毛処理が施され、毛先にダメージを受けている毛髪の毛束を複数用意し、水洗した後に、毛髪が濡れた状態で実施例および比較例のいずれかの非水系毛髪化粧料を適量塗布し、ドライヤーを用いて乾燥させた。乾燥後の各毛束に指を通したときに、すべりのある指通りを、「ドライ後の指通り性」として評価した。
ドライ後の指通り性の評価は、比較例1aの非水系毛髪化粧料を用いた場合を基準として3名の評価者がそれぞれ行い、下記の評価基準に従ってクラス分けを行った。
(ドライ後の指通り性の評価基準)
◎ : 基準と比較して、ドライ後の指通り性が優れていると3名の評価者の全員が評価した。
○ : 基準と比較して、ドライ後の指通り性が優れていると3名の評価者のうちの2名が評価し、ドライ後の指通り性が同等と残りの1名が評価した。
― : 基準と比較して、ドライ後の指通り性が同等と3名の評価者のうちの2名以上が評価した。
△ : 基準と比較して、ドライ後の指通り性が劣っていると3名の評価者のうちの2名が評価し、ドライ後の指通り性が同等と残りの1名が評価した。
× : 基準と比較して、ドライ後の指通り性が劣っていると3名の評価者の全員が評価した。
<低温安定性>
実施例および比較例の各非水系毛髪化粧料を透明のガラス瓶に充填して密封した後、−10℃の冷暗所で1か月静置して保管し、その後に−10℃の環境下のままで、各非水系毛髪化粧料の透明性を目視によって評価し、透明であった場合を「○」とし、白濁していた場合を「×」とした。
上記の各評価結果を表1に併記する。
Figure 2017125070
表1において、「(B’)」は、(B)成分に代えて使用した成分であることを意味している。また、表1において、「直鎖状ジメチルポリシロキサン(1)」は、25℃での動粘度が1.4mm/sのもの〔(D)成分に該当するもの〕を、「直鎖状ジメチルポリシロキサン(2)」は、25℃での動粘度が20mm/sのもの〔(D)成分に該当しないもの〕を、それぞれ意味している(後記の表3および表4においても、同様である)。
表1に示す通り、(B)成分である安息香酸アルキルまたはイソノナン酸2−エチルヘキシルを配合した実施例1a、1bの非水系毛髪化粧料は、基準である比較例1aの非水系毛髪化粧料〔(B)成分およびその他のエステル油を配合していない例〕を用いた場合よりも、ドライ後の毛髪の指通り性が良好であり、また、−10℃で1か月保管しても透明なままで、低温安定性にも優れていた。
一方、(B)成分に代えて他のエステル油を配合した比較例1b〜1gの非水系毛髪化粧料のうち、エステル油がモノエステルであった比較例1b、1cの非水系毛髪化粧料は、−10℃で1か月保管しても透明なままで、低温安定性が良好であったが、エステル油がジエステルであった比較例1d〜1gの非水系毛髪化粧料は、−10℃での保管によって白濁してしまい、低温安定性が劣っていた。なお、比較例1d〜1gの非水系毛髪処理剤を、−10℃で1か月の保管後に室温に戻すと、紫外線吸収剤と推測される黄色い沈殿物が生じ、また、剤に分離が生じるものもあった。
そして、比較例1b〜1gの非水系毛髪化粧料は、ドライ後の毛髪の指通り性が、基準である比較例1aの非水系毛髪化粧料を用いた場合と同等であり、実施例1a、1bの非水系毛髪化粧料を用いた場合よりも劣っていた。
実施例2
メチルポリシロキサン(25℃での動粘度が20mm/s)、および高重合ジメチルシロキサン・メチル(アミノプロピル)シロキサン共重合体を配合せず、他の成分の配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
比較例2
(A)成分であるパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルおよび2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステルを配合せず、(c1)成分であるデカメチルシクロペンタシロキサンの配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例2と同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例2および比較例2の各非水系毛髪化粧料について、下記の各評価を行った。
<ドライ中の指通り性>
染毛処理が施され、毛先にダメージを受けている毛髪の毛束を複数用意し、水洗した後に、毛髪が濡れた状態で実施例2または比較例2の非水系毛髪化粧料を適量塗布し、ドライヤーを用いて乾燥させた。そして、ドライヤーで乾燥途中の各毛束に指を通したときに、すべりのある指通りを、「ドライ中の指通り性」として評価した。
ドライ中の指通り性の評価は、比較例2の非水系毛髪化粧料を用いた場合を基準として3名の評価者がそれぞれ行い、下記の評価基準に従ってクラス分けを行った。
(ドライ中の指通り性の評価基準)
◎ : 基準と比較して、ドライ中の指通り性が優れていると3名の評価者の全員が評価した。
○ : 基準と比較して、ドライ中の指通り性が優れていると3名の評価者のうちの2名が評価し、ドライ中の指通り性が同等と残りの1名が評価した。
― : 基準と比較して、ドライ中の指通り性が同等と3名の評価者のうちの2名以上が評価した。
△ : 基準と比較して、ドライ中の指通り性が劣っていると3名の評価者のうちの2名が評価し、ドライ中の指通り性が同等と残りの1名が評価した。
× : 基準と比較して、ドライ中の指通り性が劣っていると3名の評価者の全員が評価した。
<均一感のある柔らかさ>
ドライ中の指通り性の評価のための上記操作におけるドライヤーでの乾燥後に、各毛束中の毛髪の根元部分から毛先までの均一な柔らかさを、「均一感のある柔らかさ」として評価した。
均一感のある柔らかさの評価は、比較例2の非水系毛髪化粧料を用いた場合を基準として3名の評価者がそれぞれ行い、下記の評価基準に従ってクラス分けを行った。
(均一感のある柔らかさの評価基準)
◎ : 基準と比較して、均一感のある柔らかさが優れていると3名の評価者の全員が評価した。
○ : 基準と比較して、均一感のある柔らかさが優れていると3名の評価者のうちの2名が評価し、均一感のある柔らかさが同等と残りの1名が評価した。
― : 基準と比較して、均一感のある柔らかさが同等と3名の評価者のうちの2名以上が評価した。
△ : 基準と比較して、均一感のある柔らかさが劣っていると3名の評価者のうちの2名が評価し、均一感のある柔らかさが同等と残りの1名が評価した。
× : 基準と比較して、均一感のある柔らかさが劣っていると3名の評価者の全員が評価した。
上記の各評価結果を表2に併記する。
Figure 2017125070
表2に示す通り、実施例2の非水系毛髪化粧料を用いた場合の、毛髪におけるドライ中の指通り性および均一感のある柔らかさは、(A)成分を配合していない比較例2の非水系毛髪化粧料よりも劣っており、(A)成分の配合によってこれらの特性が損なわれることが判明した。
実施例3a、3b
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルおよび2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル〔(A)成分〕、安息香酸アルキル(C12〜15)〔(B)成分〕、デカメチルシクロペンタシロキサン〔(c1)成分〕、直鎖状ジメチルポリシロキサン〔(D)成分。25℃での動粘度が1.4mm/s。〕、メドウフォーム油〔(E)成分〕、高重合メチルポリシロキサン、ジメチコノール、バオバブ種子油、アルガニアスピノサ核油、スクワラン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、ビサボロールおよび香料を表3に示す量で配合して、非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例3c
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン〔(c2)成分〕を表3に示す量で配合し、デカメチルシクロペンタシロキサンの配合量を表3に示すように変更した以外は、実施例3bと同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例3d
直鎖状ジメチルポリシロキサン(25℃での動粘度が1.4mm/s)を配合せず、デカメチルシクロペンタシロキサンの配合量を表3に示すように変更した以外は、実施例3aと同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例3a〜3dの非水系毛髪化粧料について、実施例2の非水系毛髪化粧料などと同じ方法で、実施例3dの非水系毛髪化粧料を用いた場合を基準としてドライ中の指通り性を評価すると共に、下記の方法で毛先のまとまりを評価した。
<毛先のまとまり>
ドライ中の指通り性の評価のための操作におけるドライヤーでの乾燥後に、各毛束の毛先のまとまりを目視によって評価した。
毛先のまとまりの評価は、実施例3dの非水系毛髪化粧料を用いた場合を基準として3名の評価者がそれぞれ行い、下記の評価基準に従ってクラス分けを行った。
(毛先のまとまりの評価基準)
◎ : 基準と比較して、毛先のまとまりが優れていると3名の評価者の全員が評価した。
○ : 基準と比較して、毛先のまとまりが優れていると3名の評価者のうちの2名が評価し、毛先のまとまりが同等と残りの1名が評価した。
― : 基準と比較して、毛先のまとまりが同等と3名の評価者のうちの2名以上が評価した。
△ : 基準と比較して、毛先のまとまりが劣っていると3名の評価者のうちの2名が評価し、毛先のまとまりが同等と残りの1名が評価した。
× : 基準と比較して、毛先のまとまりが劣っていると3名の評価者の全員が評価した。
上記の各評価結果を表3に併記する。
Figure 2017125070
表3に示す通り、実施例3a〜3cの非水系毛髪化粧料を用いた場合の、毛髪におけるドライ中の指通り性は、基準とした実施例3dの非水系毛髪化粧料〔(D)成分を配合していない非水系毛髪化粧料〕を用いた場合に比べて良好であった。
また、(C)成分として(c1)成分のみを配合した実施例3a、3bの非水系毛髪化粧料を用いた場合には、毛先のまとまりが、基準とした実施例3dの非水系毛髪化粧料を用いた場合と同等であったが、(c1)成分と(c2)成分とを併用した実施例3cの非水系毛髪化粧料を用いた場合には、毛先のまとまりが向上していた。
実施例4a
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルおよび2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル〔(A)成分〕、安息香酸アルキル(C12〜15)〔(B)成分〕、デカメチルシクロペンタシロキサン〔(c1)成分〕、直鎖状ジメチルポリシロキサン〔(D)成分。25℃での動粘度が1.4mm/s。〕、マカデミアナッツ油〔(E)成分〕、高重合メチルポリシロキサン、ジメチコノール、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、流動パラフィン、ビサボロールおよび香料を表4に示す量で配合して、非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例4b
(E)成分として、マカデミアナッツ油に代えてメドウフォーム油を用いた以外は、実施例4aと同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例4c
(E)成分であるマカデミアナッツ油に代えてオリーブ油を用いた以外は、実施例4aと同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例4d
(E)成分であるマカデミアナッツ油に代えてホホバ油を用いた以外は、実施例4aと同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例4e
(E)成分であるマカデミアナッツ油を配合せず、デカメチルシクロペンタシロキサンの配合量を表4に示すように変更した以外は、実施例4aと同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例4f
(E)成分であるマカデミアナッツ油を配合せず、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびジメチコノールの配合量を表4に示すように変更した以外は、実施例4aと同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例4g
(E)成分であるマカデミアナッツ油を配合せず、デカメチルシクロペンタシロキサンおよび高重合メチルポリシロキサンの配合量を表4に示すように変更した以外は、実施例4aと同様にして非水系毛髪化粧料を調製した。
実施例4a〜4gの非水系毛髪化粧料について、実施例2の非水系毛髪化粧料などと同じ方法で、実施例4eの非水系毛髪化粧料を用いた場合を基準として、毛髪の均一感のある柔らかさを評価した。これらの評価結果を表4に併記する。
Figure 2017125070
表4において、「(E’)」は、(E)成分に代えて使用した成分であることを意味している。
表4に示す通り、(E)成分であるマカデミアナッツ油やメドウフォーム油を配合した
実施例4a、4bの非水系毛髪化粧料を用いた場合には、毛髪の均一感のある柔らかさが、基準とした実施例4eの非水系毛髪化粧料〔(E)成分を配合していない非水系毛髪化粧料〕を用いた場合に比べて良好であった。
これに対し、(B)成分に代えて他の植物油を配合した実施例4c、4dの非水系毛髪化粧料、および(B)成分を配合せずに、毛髪に柔らかさを付与する成分として知られている高重合メチルポリシロキサンやジメチコノールの配合量を多くした実施例4f、4gの非水系毛髪化粧料を用いた場合は、毛髪の均一感のある柔らかさが、基準とした実施例4eの非水系毛髪化粧料を用いた場合と同等であった。

Claims (11)

  1. 下記(A)〜(C)の成分が配合されており、濡れた毛髪に塗布後、洗い流さずに前記毛髪を乾燥させる方法で使用されることを特徴とする非水系毛髪化粧料。
    (A)パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル
    (B)イソノナン酸2−エチルヘキシル、または、安息香酸アルキルおよびイソノナン酸2−エチルヘキシル
    (C)揮発性の環状シリコーン
  2. (D)揮発性の直鎖状ジメチルポリシロキサンが更に配合されている請求項1に記載の非水系毛髪化粧料。
  3. 上記(C)として、(c1)デカメチルシクロペンタシロキサンと(c2)ドデカメチルシクロヘキサシロキサンとが配合されている請求項1または2に記載の非水系毛髪化粧料。
  4. (E)マカデミアナッツ油またはメドウフォーム油が更に配合されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系毛髪化粧料。
  5. 前記(A)成分の配合量が1質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系毛髪化粧料。
  6. 前記(A)成分の配合量が10質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水系毛髪化粧料。
  7. 前記(B)成分の配合量が2質量%以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水系毛髪化粧料。
  8. 前記(B)成分の配合量が10質量%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水系毛髪化粧料。
  9. 前記(C)成分の配合量が50〜90質量%である請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水系毛髪化粧料。
  10. エタノールを含まない請求項1〜9のいずれか1項に記載の非水系毛髪化粧料。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の非水系毛髪化粧料を用いた毛髪処理方法。



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