JP2017124761A - 車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ制御プログラム - Google Patents

車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】払拭範囲を変更可能な構成を有する車両用ワイパ装置において、一対のワイパブレードの各々の払拭軌跡の交差部における雨水の垂れを抑制可能な車両用ワイパ装置を提供することを目的とする。【解決手段】払拭軌跡の一部が交差する交差部を有する運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36による払拭面の払拭動作を行うための第1モータ11と、助手席側ワイパブレード36を動作する助手席側ワイパアーム35を見かけ上伸縮(伸長)して払拭範囲を変更(拡大)するための第2モータ12と、払拭動作を行う際に、運転席側ワイパブレード18の先端側の払拭軌跡と助手席側ワイパブレード36の先端側の払拭軌跡とがなす角度でかつ払拭されない側の交差部の交差角度が、助手席側ワイパアーム35を伸縮しない場合より角度が大きくなるように、第1モータ11及び第2モータ12を制御する制御回路52と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、払拭範囲を変更可能な車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ制御プログラムに関する。
特許文献1には、ワイパ装置のリンク機構をいわゆる4節リンクとすることにより、動作中のワイパアームの全長を見かけ上伸長させることにより、助手席側のウィンドシールドガラスの払拭範囲を拡大するワイパ装置が開示されている。
特開2000−25578号公報
しかしながら、特許文献1に記載のワイパ装置では、運転席側ワイパブレードの払拭軌跡と助手席側ワイパブレードの払拭軌跡との交差部のV字形状の角度が、払拭範囲を拡大しない場合に比べて小さく(鋭角に)なってしまう。当該交差部のV字形状の角度が小さく(鋭角に)なると、払拭範囲外に払拭した雨水が垂れ易くなるという、問題がある。
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、払拭範囲を変更可能な構成を有する車両用ワイパ装置において、一対のワイパブレードの各々の払拭軌跡の交差部における雨水の垂れを抑制可能な車両用ワイパ装置を提供することを目的とする。
本発明の車両用ワイパ装置は、第1出力軸を有し、払拭軌跡の一部が交差する交差部を有する一対のワイパブレードによる払拭面の往復払拭動作を行うための第1モータと、第2出力軸を有し、前記一対のワイパブレードのうち少なくとも一方のワイパブレードを動作するワイパアームを伸縮して払拭範囲を変更するための第2モータと、前記往復払拭動作を行う際に、前記一対のワイパブレードの先端部における一方の払拭軌跡と他方の払拭軌跡とがなす角度でかつ払拭されない側の前記交差部の交差角度が、前記ワイパアームを伸縮しない場合より角度が大きくなるように、前記第1モータ及び前記第2モータを制御する制御部と、を備えている。
上記構成の車両用ワイパ装置によれば、第1モータによって払拭軌跡の一部が交差する交差部を有する一対のワイパブレードによる払拭面の払拭動作が行われる。
また、第2モータによって一対のワイパブレードのうち少なくとも一方のワイパブレードを動作するワイパアームを見かけ上伸縮(伸長)して払拭範囲が変更(拡大)される。
そして、制御部では、払拭動作を行う際に、一対のワイパブレードの先端部における一方の払拭軌跡と他方の払拭軌跡とがなす角度でかつ払拭されない側の交差部の交差角度が、ワイパアームを伸縮しない場合より角度が大きくなるように、第1モータ及び第2モータが制御される。これにより、一対のワイパブレードの払拭軌跡の交差部の角度が大きくなることにより、交差部が鋭角の場合に比べて、払拭範囲外に払拭した雨水が交差部から払拭面に垂れるのを抑制することができる。
また、本発明の車両用ワイパ装置は、前記制御部は、前記第2モータによる前記ワイパアームの伸縮範囲内で前記交差角度が最大となるように、前記第1モータ及び前記第2モータを制御する。
上記構成の車両用ワイパ装置によれば、交差部からの雨水の垂れを上記よりも更に抑制することができる。
また、本発明の車両用ワイパ装置は、前記制御部は、前記第1出力軸の回転角度に応じて予め定めた前記第2出力軸の回転角度になるように前記第1モータ及び前記第2モータを制御する。
上記構成の車両用ワイパ装置によれば、第1モータの第1出力軸の回転角度(ワイパブレードの払拭位置)に応じてワイパアームを伸縮させて払拭範囲を変更することができる。
また、本発明の車両用ワイパ装置は、前記第1モータは、前記第1出力軸の回転により前記一対のワイパブレードを動作させる各々のワイパアームを往復回転させて、前記払拭面の予め定めた上反転位置と予め定めた下反転位置との間で前記一対のワイパブレードの往復払拭動作を行わせ、前記第2モータは、リンク機構を介して前記少なくとも一方のワイパブレードを動作するワイパアームに連結されて回転される前記第2出力軸を有し、前記第2出力軸の回転により前記少なくとも一方のワイパブレードを動作するワイパアームを往復回転させる支点を、第1位置と前記第1位置から助手席側上方に離れた第2位置との間で移動することで払拭範囲を変更する。
上記構成の車両用ワイパ装置によれば、第1モータ及び第2モータを制御することで、助手席側上方のワイパブレードによる払拭範囲を見かけ上拡大することができる。
本発明の車両用ワイパ装置は、前記制御部は、前記第1出力軸の回転角度が前記上反転位置に対応する角度に到達した際に、前記支点を前記第1位置より前記第2位置側に位置させるように前記第1モータ及び前記第2モータを制御する。
上記構成の車両用ワイパ装置によれば、一対のワイパブレードの払拭軌跡の交差部の角度を大きくすることができる。
本発明の実施形態に係る払拭範囲拡大ワイパ装置を含む車両用ワイパシステムの一例を示した概略図である。 本発明の実施形態に係る払拭範囲拡大ワイパ装置の停止状態での平面図である。 図2のA−A線に沿った第2ホルダ部材の断面図である。 本発明の実施形態に係る払拭範囲拡大ワイパ装置の動作中の平面図である。 本発明の実施形態に係る払拭範囲拡大ワイパ装置の動作中の平面図である。 本発明の実施形態に係る払拭範囲拡大ワイパ装置の動作中の平面図である。 本発明の実施形態に係る払拭範囲拡大ワイパ装置の動作中の平面図である。 本発明の実施形態に係る払拭範囲拡大ワイパ装置の動作中の平面図である。 (A)払拭範囲を拡大する場合、運転席側ワイパブレードの払拭軌跡と助手席側ワイパブレードの払拭軌跡の上反転位置で交差する交差部のV字形状の角度が、払拭範囲を拡大しない場合に比べて鋭角になり易いことを説明するための図であり、(B)は(A)の点線丸部分及び一点鎖線丸部分の拡大図である。 (A)は上反転位置で第2モータの回転角度を基準位置にする場合の第1モータの回転角度と第2モータの回転角度の関係を示す図であり、(B)は上反転位置で第2モータの回転角度を基準位置にしない場合の第1モータの回転角度と第2モータの回転角度の関係を示す図である。 助手席側ワイパブレードの長さを払拭範囲を拡大した際に払拭されない領域がない長さに設定して往動時及び復動時共に同じ払拭軌跡の払拭範囲にした例を示す図である。
以下、図面を参照して本実施形態の一例を詳細に説明する。図1は、払拭範囲拡大ワイパ装置(以下、「ワイパ装置」と称する)2を含むワイパシステム100の一例を示した概略図である。図1に示したワイパシステム100は、例えば、乗用自動車等の車両に備えられた払拭面としてのウィンドシールドガラス1を払拭するためのものであり、一対のワイパアーム(後述する運転席側ワイパアーム17及び助手席側ワイパアーム35)と、第1モータ11と、第2モータ12と、制御回路52と、駆動回路56と、ウォッシャ装置70と、を含んで構成されている。
図1は、右ハンドル車の場合を示しているので、車両の右側(図1の左側)が運転席側、車両の左側(図1の右側)が助手席側である。車両が左ハンドル車の場合には、車両の左側(図1の右側)が運転席側、車両の右側(図1の左側)が助手席側になる。また、車両が左ハンドル車の場合には、ワイパ装置2の構成が左右反対になる。
第1モータ11は、出力軸が所定の回転角度の範囲で正回転及び逆回転することにより、運転席側ワイパアーム17及び助手席側ワイパアーム35の各々をウィンドシールドガラス1上で往復動作させるための駆動源である。本実施形態では、第1モータ11が正回転した場合に、運転席側ワイパアーム17は運転席側ワイパブレード18が下反転位置P2Dから上反転位置P1Dを払拭するように動作し、助手席側ワイパアーム35は助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pを払拭するように動作する。また、第1モータ11が逆回転した場合には、運転席側ワイパアーム17は運転席側ワイパブレード18が上反転位置P1Dから下反転位置P2Dを払拭するように動作し、助手席側ワイパアーム35は助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pを払拭するように動作する。
ウィンドシールドガラス1の外縁部は、可視光及び紫外線を遮るため、セラミックス系の黒色顔料が塗布された遮光部1Aとなっている。黒色顔料は、ウィンドシールドガラス1の車室内側の外縁部に塗布された後、所定温度で加熱されることにより溶融し、ウィンドシールドガラス1の車室側表面に定着される。ウィンドシールドガラス1は、外縁部に塗布された接着剤により車体に固定されるが、図1に示したように、紫外線を透過させない遮光部1Aを外縁部に設けることにより、紫外線による当該接着剤の劣化を抑制する。
後述する第2モータ12が動作しない場合には、第1モータ11の出力軸(後述する第1出力軸11A)が0°から所定の回転角度(以下、「第1所定回転角度」と称する)までの回転角度で正回転及び逆回転することにより、運転席側ワイパブレード18は払拭範囲H1を、助手席側ワイパブレード36は払拭範囲Z1を、各々払拭する。
第2モータ12は、当該第2モータ12の出力軸(後述する際2出力軸12A)が0°から所定の回転角度(以下、「第2所定回転角度」と称する)までの回転角度で正回転及び逆回転することにより、助手席側ワイパアーム35を見かけ上伸長させる駆動源である。前述の第1モータ11が動作中に第2モータ12が動作することにより、助手席側ワイパアーム35は助手席側上方に見かけ上伸長され、助手席側ワイパブレード36は払拭範囲Z2を払拭する。また、第2所定回転角度の大きさを変更することにより、助手席側ワイパアーム35が伸長する範囲を変更することが可能となる。例えば、第2所定回転角度を大きくすれば、助手席側ワイパアーム35が伸長する範囲は大きくなり、第2所定回転角度を小さくすれば、助手席側ワイパアーム35が伸長する範囲は小さくなる。
第1モータ11及び第2モータ12は、各々の出力軸の回転方向を正回転及び逆回転に制御可能であると共に、各々の出力軸の回転速度も制御可能なモータであり、一例としてブラシ付きDCモータ及びブラシレスDCモータのいずれかである。
第1モータ11及び第2モータ12には、各々の回転を制御するための制御回路52が接続されている。本実施の形態に係る制御回路52は、例えば、第1モータ11及び第2モータ12の各々の出力軸末端付近に設けられた絶対角センサ(図示せず)が検知した第1モータ11及び第2モータ12の各々の出力軸の回転方向、回転位置、回転速度及び回転角度に基づいて、第1モータ11及び第2モータ12の各々に印加する電圧のデューティ比を算出する。
本実施形態では、第1モータ11及び第2モータ12の各々に印加する電圧を、電源である車載バッテリの電圧(略12V)をスイッチング素子によってオンオフしてパルス状の波形に変調するパルス幅変調(PWM)によって生成する。本実施の形態でデューティ比は、PWMによって生成される電圧の波形の1周期間に対する前述のスイッチング素子がオンになったことで生じる1のパルスの時間の割合である。また、PWMによって生成される電圧の波形の1周期は、前述の1のパルスの時間と前述のスイッチング素子がオフになりパルスが生じない時間との和である。駆動回路56は、制御回路52によって算出されたデューティ比に従って駆動回路56内のスイッチング素子をオンオフさせて第1モータ11及び第2モータ12の各々に印加する電圧を生成し、生成した電圧を第1モータ11及び第2モータ12の各々の巻線の端子に印加する。
本実施の形態に係る第1モータ11及び第2モータ12の各々は、ウォームギアで構成された減速機構を有しているので、各々の出力軸の回転方向、回転速度及び回転角度は、第1モータ11本体及び第2モータ12本体の各々の回転速度及び回転角度と同一ではない。しかしながら、本実施の形態では、各モータと各減速機構とは、一体不可分に構成されているので、以下、第1モータ11及び第2モータ12の各々の出力軸の回転速度及び回転角度を、第1モータ11及び第2モータ12の各々の回転方向、回転速度及び回転角度とみなすものとする。
絶対角センサは、例えば第1モータ11及び第2モータ12の各々の減速機構内に設けられ、各々の出力軸に連動して回転する励磁コイル又はマグネットの磁界(磁力)を電流に変換して検出するセンサであり、一例として、MRセンサ等の磁気センサである。
制御回路52は、第1モータの出力軸末端付近に設けられた絶対角センサが検出した第1モータ11の出力軸の回転角度から運転席側ワイパブレード18のウィンドシールドガラス1上での位置を算出可能なマイクロコンピュータ58を備えている。マイクロコンピュータ58は、算出した位置に応じて第1モータ11の出力軸の回転速度が変化するように駆動回路56を制御する。
また、マイクロコンピュータ58は、第1モータの出力軸末端付近に設けられた絶対角センサが検出した第1モータ11の出力軸の回転角度から助手席側ワイパブレード36のウィンドシールドガラス1上での位置を算出し、算出した位置に応じて第2モータ12の出力軸の回転速度が変化するように駆動回路56を制御する。また、マイクロコンピュータ58は、第2モータ12の出力軸末端付近に設けられた絶対角センサが検出した第2モータ12の出力軸の回転角度から助手席側ワイパアーム35の伸長の程度を算出する。
制御回路52には、駆動回路56の制御に用いるデータ及びプログラムを記憶した記憶装置であるメモリ60が設けられている。メモリ60は、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36のウィンドシールドガラス1上の位置を示す第1モータ11の出力軸の回転角度に応じて第1モータ11及び第2モータ12の各々の出力軸の回転速度等(回転角度を含む)を算出するためのデータ及びプログラムを記憶している。
また、マイクロコンピュータ58には、車両のエンジン等の制御を統括する車両ECU(Electronic Control Unit)90が接続されている。また、車両ECU90には、ワイパスイッチ50、ウォッシャスイッチ62、及びレインセンサ76が接続されている。
ワイパスイッチ50は、車両のバッテリから第1モータ11に供給される電力をオン又はオフするスイッチである。ワイパスイッチ50は、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36を、低速で動作させる低速作動モード選択位置、高速で動作させる高速作動モード選択位置、一定周期で間欠的に動作させる間欠作動モード選択位置、レインセンサ76が雨滴を検知した場合に動作させるAUTO(オート)作動モード選択位置、格納(停止)モード選択位置に切替可能である。また、各モードの選択位置に応じた信号を、車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に出力する。なお、本実施形態では、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36の動作させる速度は、予め定めた速度の中から選択可能な例として説明するが、無段階で速度変更可能としてもよい。
ワイパスイッチ50から各モードの選択位置に応じて出力された信号が車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に入力されると、マイクロコンピュータ58がワイパスイッチ50からの出力信号に対応する制御をメモリ60に記憶されたデータ及びプログラムを用いて行う。
本実施の形態では、ワイパスイッチ50には、助手席側ワイパブレード36の払拭範囲を払拭範囲Z2に変更する拡大モードスイッチが別途設けられていてもよい。拡大モードスイッチがオンになると、所定の信号が車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に入力される。マイクロコンピュータ58は、所定の信号が入力されると、例えば、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに動作する場合に、払拭範囲Z2を払拭するように第2モータ12を制御する。
ウォッシャスイッチ62は、車両のバッテリからウォッシャモータ64、第1モータ11及び第2モータ12に供給される電力をオン又はオフするスイッチである。ウォッシャスイッチ62は、例えば、前述のワイパスイッチ50を備えたレバー等の操作手段に一体に設けられ、当該レバー等を乗員が手元に引く等の操作によりオンになる。マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオンになると、ウォッシャモータ64及び第1モータ11を作動させる。マイクロコンピュータ58は、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pまで払拭する場合には、払拭範囲Z2を払拭するように、助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pまで払拭する場合には、払拭範囲Z1を払拭するように第2モータ12を各々制御する。かかる制御により、ウィンドシールドガラス1の助手席側を広く払拭することが可能となる。
ウォッシャスイッチ62がオンになっている間は、ウォッシャ装置70が備えるウォッシャモータ64の回転でウォッシャポンプ66が駆動される。ウォッシャポンプ66はウォッシャ液タンク68内のウォッシャ液を運転席側ホース72A又は助手席側ホース72Bに圧送する。運転席側ホース72Aは、ウィンドシールドガラス1の運転席側の下方に設けられた運転席側ノズル74Aに接続されている。また、助手席側ホース72Bは、ウィンドシールドガラス1の助手席側の下方に設けられた助手席側ノズル74Bに接続されている。圧送されたウォッシャ液は、運転席側ノズル74A及び助手席側ノズル74Bからウィンドシールドガラス1上に噴射される。ウィンドシールドガラス1上に付着したウォッシャ液は、動作している運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36によってウィンドシールドガラス1上の汚れと一緒に払拭される。
マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオンになっている間のみ動作するようにウォッシャモータ64を制御する。また、マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオフになっても運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2D、P2Pに達するまで動作を継続するように第1モータ11を制御する。さらにマイクロコンピュータ58は、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1D、P1Pに向かって払拭している際にウォッシャスイッチ62がオフになった場合には、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36が、第1モータ11の回転により上反転位置P1D、P1Pに達するまで、払拭範囲Z2を払拭するように第2モータ12を制御する。
レインセンサ76は、例えば、ウィンドシールドガラス1の車室内側に設けられる光学センサの一種であり、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を検知する。レインセンサ76は、一例として、赤外線の発光素子であるLED、受光素子であるフォトダイオード、赤外線の光路を形成するレンズ及び制御回路を含んでいる。LEDから放射された赤外線はウィンドシールドガラス1で全反射するが、ウィンドシールドガラス1の表面に水滴が存在すると赤外線の一部が水滴を透過して外部に放出されるため、ウィンドシールドガラス1での反射量が減少する。その結果、受光素子であるフォトダイオードに入る光量が減少する。かかる光量の減少に基づいて、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を検知する。
以下、図2〜8を用いて、本実施の形態に係るワイパ装置2の構成を説明する。図2、図4〜8に示したように、本実施の形態に係るワイパ装置2は、板状の中央フレーム3と、中央フレーム3に一端部が固定され、中央フレーム3から車両幅方向両側に延設された一対のパイプフレーム4、5とを備える。パイプフレーム4の他端部には、運転席側ワイパアーム17の運転席側ピボット軸15等を備えた第1ホルダ部材6が形成されている。また、パイプフレーム5の他端部には、助手席側ワイパアーム35の第2助手席側ピボット軸22等が設けられた第2ホルダ部材7が形成されている。ワイパ装置2は、中央フレーム3に設けられた支持部3Aで車両に支持されると共に、第1ホルダ部材6の固定部6A及び第2ホルダ部材7の固定部7Aの各々がボルト等により車両に締結されることにより、車両に固定される。
ワイパ装置2は、中央フレーム3の裏面(車室側に対向する面)に、ワイパ装置2を駆動させるための第1モータ11と第2モータ12とを備えている。第1モータ11の第1出力軸11Aは、中央フレーム3を貫通して中央フレーム3の表面(車両の外部側の面)に突出し、第1出力軸11Aの先端部には第1駆動クランクアーム13の一端が固定されている。第2モータ12の第2出力軸12Aは、中央フレーム3を貫通して中央フレーム3の表面に突出し、第2出力軸12Aの先端部には第2駆動クランクアーム14の一端が固定されている。
第1ホルダ部材6には、運転席側ピボット軸15が回転可能に支持され、運転席側ピボット軸15の基端部(図2の奥側)には運転席側揺動レバー16の一端が固定され、運転席側ピボット軸15の先端部(図2の手前側)には運転席側ワイパアーム17のアームヘッドが固定されている。図1に示したように、運転席側ワイパアーム17の先端部には、ウィンドシールドガラス1の運転席側を払拭するための運転席側ワイパブレード18が連結されている。
第1駆動クランクアーム13の他端と運転席側揺動レバー16の他端とは、第1連結ロッド19を介して連結されている。第1モータ11が駆動されると、第1駆動クランクアーム13は回転し、その回転力が第1連結ロッド19を介して運転席側揺動レバー16に伝達されて運転席側揺動レバー16を搖動させる。運転席側揺動レバー16が搖動されることにより運転席側ワイパアーム17も搖動し、運転席側ワイパブレード18が下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間の払拭範囲H1を払拭する。
図3は、図2のA−A線に沿った第2ホルダ部材7の断面図である。図3に示したように、第2ホルダ部材7には、第1助手席側ピボット軸21が第1軸線L1を中心として回転可能に支持させると共に、第2助手席側ピボット軸22が第2軸線L2を中心として回転可能に支持されている。本実施の形態では、第1軸線L1と第2軸線L2とが同一直線L(同心)上に配置されている。なお、図3は、図2、図4〜8に示されている防水カバーKを外した状態を示している。
第2ホルダ部材7には、筒状部7Bが形成され、筒状部7Bの内周側には軸受23を介して第1助手席側ピボット軸21が回転可能に支持されている。第1助手席側ピボット軸21は筒状に形成され、第1助手席側ピボット軸21の内周側には軸受24を介して第2助手席側ピボット軸22が回転可能に支持されている。
第1助手席側ピボット軸21の基端部には、第1助手席側揺動レバー25の一端が固定され、第1助手席側ピボット軸21の先端部には、第1駆動レバー26の一端が固定されている。図2に示したように、第1助手席側揺動レバー25の他端と運転席側揺動レバー16の他端とは、第2連結ロッド27により連結されている。従って、第1モータ11が駆動されて運転席側揺動レバー16搖動すると、第2連結ロッド27が駆動力を第1助手席側揺動レバー25に伝達し、第1助手席側揺動レバー25と共に、第1駆動レバー26を第1軸線L1周りに揺動(回転)させる。
図3に示したように、第2助手席側ピボット軸22は、第1助手席側ピボット軸21よりも長く形成され、第2助手席側ピボット軸22の基端部及び先端部が第1助手席側ピボット軸21から軸方向に突出し、第2助手席側ピボット軸の基端部には、第2助手席側揺動レバー28の他端が固定され、第2助手席側ピボット軸22の先端部には、第2駆動レバー29の一端が固定されている。
第2駆動クランクアーム14の他端と第2助手席側揺動レバー28の他端とは、第3連結ロッド31によって連結されている。従って、第2モータ12が駆動されると、第2駆動クランクアーム14が回転し、第3連結ロッド31が第2駆動クランクアーム14の駆動力を第2助手席側揺動レバー28に伝達し、第2助手席側揺動レバー28と共に、第2駆動レバー29を揺動(回転)させる。前述のように第1助手席側ピボット軸21及び第2助手席側ピボット軸22は同軸に設けられているが、第1助手席側ピボット軸21及び第2助手席側ピボット軸22は互いには連動しておらず、第1助手席側ピボット軸21及び第2助手席側ピボット軸22は、各々独立して回転する。
図2、図4〜8に示したように、ワイパ装置2は、第1駆動レバー26の他端にある第3軸線L3を中心として回転可能に基端部が連結された第1従動レバー32を備える。
ワイパ装置2は、第1従動レバー32の先端側にある第4軸線L4を中心として回転可能に基端部が連結されると共に、第2駆動レバー29の他端にある第5軸線L5を中心として回転可能に先端側が連結された第2従動レバーであるアームヘッド33を備える。アームヘッド33は、当該アームヘッド33の先端に基端部が固定されるリテーナ34と共に助手席側ワイパアーム35を構成する。助手席側ワイパアーム35の先端部には、ウィンドシールドガラス1の助手席側を払拭するための助手席側ワイパブレード36が連結されている。
第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド33は、第1軸線L1(第2軸線L2)から第3軸線L3までの長さと、第4軸線L4から第5軸線L5までの長さが同じになるように連結されている。第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド33は、第3軸線L3から第4軸線L4までの長さと、第1軸線L1(第2軸線L2)から第5軸線L5までの長さが同じになるように連結されている。従って、第1駆動レバー26とアームヘッド33とが平行を保持し、かつ第2駆動レバー29と第1従動レバー32とが平行を保持することになり、第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド33は、略平行四辺形状のリンク機構を構成する。
第5軸線L5は、助手席側ワイパアーム35が動作する際の支点であり、助手席側ワイパアーム35は、第1モータ11の駆動力により、第5軸線L5を中心として回転することによりウィンドシールドガラス1上を往復動作する。また、第2モータ12は、第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド33で構成される略平行四辺形状のリンク機構を介して、第5軸線L5を、図4〜6に示したように、図2、図7及び図8の場合よりもウィンドシールドガラス1の上方に移動させる。かかる第5軸線L5の移動により、助手席側ワイパアーム35は見かけ上伸長される。従って、第1モータ11と共に第2モータ12が動作することにより、助手席側ワイパブレード36は払拭範囲Z2を払拭する。
第2モータ12が動作せずに第1モータ11のみが動作する場合には、第5軸線L5は図2、図7及び図8に示した位置(以下、「基準位置」と称する)から動かない。従って、助手席側ワイパアーム35は、位置が変化しない第5軸線L5を中心に略円弧状の軌跡を描きながら下反転位置P2Pと上反転位置P1Pの間を動作し、助手席側ワイパブレード36は略扇形の払拭範囲Z1を払拭する。
本実施の形態では、ウィンドシールドガラス1を広く払拭することを要する場合には、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに動作する往動時に、払拭範囲Z2を払拭するように第1モータ11及び第2モータ12を各々制御する。そして、上反転位置P1Pで反転した助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pに向かって動作する復動時に、払拭範囲Z1を払拭するように第1モータ11及び第2モータ12を各々制御する。助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pと上反転位置P1Pとの間を往復する際に、往動時には払拭範囲Z2を、復動時には払拭範囲Z1を、各々払拭することにより、ウィンドシールドガラス1の幅広い範囲を払拭できる。または、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pと上反転位置P1Pとの間を往復する際に、往動時には払拭範囲Z1を、復動時には払拭範囲Z2を、各々払拭することによっても、ウィンドシールドガラス1の幅広い範囲を払拭できる。または、往動時及び復動時に、払拭範囲Z2を払拭するようにしてもよい。
以下、本実施の形態に係るワイパ装置2の動作について説明する。本実施の形態では、運転席側ワイパアーム17及び運転席側ワイパブレード18は、第1モータ11の回転に従い、運転席側ピボット軸15を中心として動作するのみなので、以下では、助手席側ワイパアーム35及び助手席側ワイパブレード36の動作について詳述する。
図2は、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pに位置している状態であり、助手席側ワイパアーム35が停止位置にある状態を示している。かかる状態で、前述のウォッシャスイッチ62又は拡大モードスイッチがオンになると、制御回路52の制御により第1モータ11の第1出力軸11Aが図4に示した回転方向CC1で回転することにより、第1駆動レバー26が回転を開始し、助手席側ワイパアーム35は、第5軸線L5を中心として回転動作を開始する。同時に、第2モータ12の第2出力軸12Aも、図4に示した回転方向CC2での回転を開始する。なお、本実施の形態では、第1出力軸11Aの回転方向CC1での回転、及び第2出力軸12Aの回転方向CC2での回転を、各々の出力軸における正回転とする。
図4は、助手席側ワイパブレード36がウィンドシールドガラス1を途中(往動行程の略1/4)まで払拭した状態を示している。本実施の形態では、第1モータ11が回転方向CC1での回転を開始すると、第2モータ12の回転方向CC2での回転による駆動力が第2駆動レバー29に伝達される。第2モータ12の駆動力が伝達された第2駆動レバー29は、動作方向CW3に動作し、助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5をウィンドシールドガラス1の助手席側の上方に向けて移動させる。
図5は、第1出力軸11Aが0°と第1所定角度との間の中間回転角度まで回転したことにより、第1駆動レバー26がさらに回転され、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pと上反転位置P1Pとの間の行程(往動行程)の略中間点に達した場合を示している。図5では、第2モータ12の第2出力軸12Aは、図4で示した回転方向CC2で第2所定回転角度まで回転した状態でもある。第2出力軸12Aの正回転での回転角度が最大となったことにより、助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5は、第2駆動クランクアーム14、第3連結ロッド31、第2助手席側揺動レバー28及び第2駆動レバー29により、最も上方の位置(拡大位置)まで持ち上げられる。その結果、助手席側ワイパブレード36は、図1に示したように、ウィンドシールドガラス1の助手席側の上方の角に近い位置まで移動される。なお、前述の中間回転角度は、第1所定回転角度の半分程度であるが、ウィンドシールドガラス1の形状等に応じて、個別に設定する。なお、拡大位置は、各々の拡大率において第5軸線L5が最も上方に配置される位置である。詳説すると、拡大位置は、助手席側ワイパブレード36が払拭範囲Z1より広い範囲(例えば、払拭範囲Z2)を払拭する際に、第1出力軸11Aが0°と第1所定角度との間の中間回転角度まで回転した時の第5軸線L5が配置される位置である。
図6は、第1駆動レバー26がさらに回転されたことにより、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pと上反転位置P1Pとの間の行程(往動行程)の略3/4に達した場合を示している。図6では、第1モータ11の第1出力軸11Aの回転方向は図4、5の場合と同じだが、第2モータ12の第2出力軸12Aは、図4、5の場合とは逆の回転方向CW2で回転する(逆回転)。第2出力軸12Aが回転方向CW2で回転することにより、第2駆動レバー29は動作方向CC3で動作し、助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5は拡大位置から下方へ移動される。その結果、助手席側ワイパブレード36は、その先端部が図1に示した払拭範囲Z2上方の破線で示された軌跡を描きながらウィンドシールドガラス1上を移動し、払拭範囲Z2を払拭する。
図7は、第1モータ11の第1出力軸11Aが第1所定回転角度まで正回転し、かつ第2モータ12の第2出力軸12Aが第2所定回転角度で逆回転した場合を示している。第1モータ11の第1出力軸11Aの正回転での回転角度が最大となったことにより、運転席側ワイパアーム17及び運転席側ワイパブレード18は、上反転位置P1Dに達する。また、第2モータ12の第2出力軸12Aは、図5の示した状態(第2出力軸12Aが正回転にて第2所定回転角度に達した状態)から、第2所定回転角度で逆回転したことにより、助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5は、図2に示した第2モータ12の第2出力軸12Aが正回転を開始する前の位置である基準位置に戻っている。その結果、助手席側ワイパアーム35及び助手席側ワイパブレード36は、第2モータ12を駆動しない場合の払拭範囲Z1と同じ上反転位置P1Pに達する。
図8は、運転席側ワイパアーム17及び運転席側ワイパブレード18並びに助手席側ワイパアーム35及び助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1D、P1Pから下反転位置P2D、P2Pに移動する復動時の状態(復動行程)を示している。復動時では、第1モータ11の第1出力軸11Aは逆回転し、図2、図4〜7の場合とは逆方向の回転方向CW1で回転する。しかしながら、第2モータ12の第2出力軸12Aは回転せず、従って助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5は基準位置から移動しないので、第1モータ11の第1出力軸11Aが逆回転することにより、助手席側ワイパアーム35は略円弧状の軌跡を描く。その結果、助手席側ワイパアーム35の先端に連結された助手席側ワイパブレード36は、払拭範囲Z1を払拭する。
このように、本実施形態に係るワイパシステム100では、助手席側ワイパブレード36の払拭範囲を拡大することが可能とされ、払拭範囲を拡大することにより、助手席側の払拭不能領域を縮小することができる。
しかしながら、ワイパシステム100において払拭範囲を拡大する場合、運転席側ワイパブレード18の先端側(車両上側)の払拭軌跡に対して助手席側ワイパブレード36の先端側(車両上側)の払拭軌跡が交差する交差部のV字形状の角度が、払拭範囲を拡大しない場合に比べて鋭角になり易い。交差部のV字形状の先端部分が鋭角になるほど払拭範囲外に払拭した液体(雨水等)が払拭面に垂れ易くなるという、問題が発生する。なお、以下では、運転席側ワイパブレード18の車両上側の払拭軌跡に対して助手席側ワイパブレード36の車両上側の払拭軌跡が交差する交差部を単に交差部と称す。また、以下では、運転席側ワイパブレード18の車両上側の払拭軌跡と助手席側ワイパブレード36の車両上側の払拭軌跡とがなす角度でかつ払拭されない側の交差部の角度を交差角度と称す。
そこで、本実施形態では、助手席側ワイパブレード36の払拭範囲が変更可能であることを利用して、上反転位置P1P付近の助手席側ワイパアーム35の払拭軌跡を変更することで、交差角度を鈍角に変更(交差角度を大きく)して雨水の垂れを防止するようになっている。
具体的には、制御回路52が、払拭動作を行う際に、交差角度が、助手席側ワイパアーム35を伸長しない場合に比べて鈍角になるように、第1モータ11及び第2モータ12を制御する。例えば、上記のワイパ装置2の動作の説明では、払拭範囲を拡大する場合、往動時に助手席側ワイパブレード36の払拭範囲を拡大して上反転位置P1P(第1出力軸11Aが上反転位置P1Pに対応する角度)で第2モータ12を基準位置に戻すように制御しているので、図9(A)、(B)に示す払拭範囲Z2となる。しかしながら、助手席側ワイパブレード36の上反転位置P1Pで第2モータ12が基準位置になることで、払拭範囲Z1に比べて交差角度が鋭角になり易い。そこで、交差部の雨水垂れを防止するために、上反転位置P1Pで第2モータ12を基準位置に戻さずに、払拭範囲を拡大した状態で上反転位置P1Pまで(第1出力軸11Aが上反転位置P1Pに対応する角度まで)移動させるように第2モータ12(第2出力軸12A)を制御する。このとき、助手席側ワイパブレード36は、払拭範囲Z2’に沿って移動する。これにより、上反転位置P1Pで第2モータ12の回転角度を基準位置に戻す場合に比べて、図9(A)、(B)に示すように、交差角度を大きく(鈍角に)することができ、雨水の垂れを抑制することができる。
次に、交差部の雨水の垂れを防止するために、制御回路52で行う制御についてさらに具体的に説明する。
払拭範囲を拡大する場合、図10(A)に示すように、第2モータ12(第2出力軸12A)の回転角度θ2は、第1モータ11(第1出力軸11A)の回転角度θ1の関数(θ2=f(θ1))として表すことができる。すなわち、制御回路52が第1モータ11の回転角度θ1に応じて第2モータ12の回転角度θ2を制御することで払拭範囲Z2に沿って助手席側ワイパブレード36を制御することができる。
上記で説明したワイパ装置2の動作(払拭範囲Z2)では、第2モータ12の回転角度θ2は、第1モータ11の回転角度の増加に伴って増加し、上反転位置P1Pと下反転位置P2Pの中間付近で第2モータ12の回転角度θ2が最大となる。そして、徐々に回転角度θ2が減少して上反転位置で基準位置(θ2=0°)となるように制御することになる。
一方、交差部の雨水の垂れを防止する動作(払拭範囲Z2’)では、図10(B)に示すように、第2モータ12の回転角度θ2を上反転位置P1Pで基準位置に戻さずに、予め定めた回転角度(θ2=α)になるように制御回路52が第1モータ11及び第2モータ12を制御する。これにより、交差角度を大きく(鈍角に)して雨水垂れを防止することができる。このとき、上反転位置P1Pにおける予め定めた回転角度としては、第2モータ12による助手席側ワイパアーム35の伸長範囲内で交差角度が最大となる角度が好ましい。なお、前述の予め定めた回転角度は、ウィンドシールドガラス1の形状等に応じて、個別に設定する。
また、復動時について上記で説明したワイパ装置2の動作(払拭範囲Z2)では、助手席側ワイパブレード36の払拭範囲を拡大しない払拭範囲Z1として、往動時に払拭していない領域を払拭するようにしている。よって、交差部の雨水の垂れを防止する制御においても復動時に払拭していない領域を払拭する必要がある。そこで、図10(B)の一点鎖線で示すように、復動時には徐々に第2モータ12の回転角度を基準位置に戻すように(θ2=f’(θ1))制御することで、払拭してない領域を復動時に払拭することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、助手席側ワイパブレード36の払拭範囲を拡大することにより、助手席側ワイパブレード36の車両下側の払拭軌跡が運転席側ワイパブレード18の払拭軌跡と重ならず、払拭不能領域が発生してしまう。そのため、払拭不能な領域をなくすために、払拭範囲を拡大する場合に往動時と復動時の助手席側ワイパブレード36を異なる軌跡として説明したが、これに限るものではない。例えば、図11に示すように、助手席側ワイパブレード36の長さを払拭範囲を拡大した際に払拭されない領域がない長さに設定して、往動時及び復動時共に同じ払拭軌跡の払拭範囲Z2’になるように制御してもよい。
また、上記の実施形態では、払拭範囲を拡大して払拭動作を行う場合において、交差部の雨水の垂れを防止する制御回路52の制御について説明したが、払拭範囲を拡大する場合に限るものではない。すなわち、払拭範囲を拡大しない場合(払拭範囲Z1)についても同様に、上反転位置P1Pで助手席側ワイパアーム35を伸長して交差角度が鈍角になるように制御してもよい。
また、本実施形態は、第1モータ11の第1出力軸11A及び第2モータ12の第2出力軸12Aが正逆(往復)回転可能に制御されていたが、これに限定されることはない。例えば、第1出力軸11A及び第2出力軸12Aの一方が一方向に回転するものでもよい。
また、本実施形態は、第1モータ11の第1出力軸11Aの回転により、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36を上反転位置P1D、P1Pと下反転位置P2D、P2Pとの間で移動させていたが、これに限定されることはない。例えば、第1モータ11として「運転席側第1モータ」と「助手席側第1モータ」とを備え、運転席側第1モータの回転によって運転席側ワイパブレード18を上反転位置P1Dと下反転位置P2Dとの間で移動させ、助手席側第1モータの回転によって助手席側ワイパブレード36を上反転位置P1Pと下反転位置P2Pとの間で移動させる構造でもよい。
また、本実施形態では、第1出力軸11Aの所定回転角度における中間角度付近までの間で助手席側ワイパアーム35(助手席側ワイパブレード36)を伸長させ、中間角度付近から所定回転角度までの間で助手席側ワイパアーム35(助手席側ワイパブレード36)を縮小させる制御を行ったが、これに限定されることはない。例えば、助手席側ワイパブレード35が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに向かって払拭する際(往動払拭時)に、助手席側ワイパアーム36が徐々に伸長するように制御してもよい。
また、本実施形態では、第1モータ11の回転角度に応じて第2モータ12を制御していたが、これに限定されることはない。例えば、第2モータ12の回転角度に応じて第1モータ11を制御してもよい。
なお、本実施の形態では、第1モータ11の第1出力軸11Aの回転角度と第2モータ12の第2出力軸12Aの回転角度とを用いた実施の形態を説明したが、これに代えて第1出力軸11Aの回転位置と第2出力軸12Aの回転位置とを用いたものとしてもよい。
また、上記の実施形態における払拭範囲を変更可能にする構成は一例として説明したが、これに限るものではなく、他の構成を適用してもよい。
また、上記の実施形態では、助手席側ワイパブレード36の払拭範囲のみを変更可能な例を説明したが、これに限るものではなく、運転席側についても助手席側と同様の機構を設けて払拭範囲を変更可能としてもよい。
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
11・・・第1モータ、12・・・第2モータ、17・・・運転席側ワイパアーム、18・・・運転席側ワイパブレード、35・・・助手席側ワイパアーム、36・・・助手席側ワイパブレード、52・・・制御回路、58・・・マイクロコンピュータ

Claims (5)

  1. 第1出力軸を有し、払拭軌跡の一部が交差する交差部を有する一対のワイパブレードによる払拭面の往復払拭動作を行うための第1モータと、
    第2出力軸を有し、前記一対のワイパブレードのうち少なくとも一方のワイパブレードを動作するワイパアームを伸縮して払拭範囲を変更するための第2モータと、
    前記往復払拭動作を行う際に、前記一対のワイパブレードの先端部における一方の払拭軌跡と他方の払拭軌跡とがなす角度でかつ払拭されない側の前記交差部の交差角度が、前記ワイパアームを伸縮しない場合より角度が大きくなるように、前記第1モータ及び前記第2モータを制御する制御部と、
    を備えた車両用ワイパ装置。
  2. 前記制御部は、前記第2モータによる前記ワイパアームの伸縮範囲内で前記交差角度が最大となるように、前記第1モータ及び前記第2モータを制御する請求項1に記載の車両用ワイパ装置。
  3. 前記制御部は、前記第1出力軸の回転角度に応じて予め定めた前記第2出力軸の回転角度になるように前記第1モータ及び前記第2モータを制御する請求項1又は請求項2に記載の車両用ワイパ装置。
  4. 前記第1モータは、前記第1出力軸の回転により前記一対のワイパブレードを動作させる各々のワイパアームを往復回転させて、前記払拭面の予め定めた上反転位置と予め定めた下反転位置との間で前記一対のワイパブレードの往復払拭動作を行わせ、
    前記第2モータは、リンク機構を介して前記少なくとも一方のワイパブレードを動作するワイパアームに連結されて回転される前記第2出力軸を有し、前記第2出力軸の回転により前記少なくとも一方のワイパブレードを動作するワイパアームを往復回転させる支点を、第1位置と前記第1位置から助手席側上方に離れた第2位置との間で移動することで払拭範囲を変更する請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用ワイパ装置。
  5. 前記制御部は、前記第1出力軸の回転角度が前記上反転位置に対応する角度に到達した際に、前記支点を前記第1位置より前記第2位置側に位置させるように前記第1モータ及び前記第2モータを制御する請求項4に記載の車両用ワイパ装置。
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