JP2017128322A - 車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ装置の制御方法 - Google Patents

車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ装置の制御方法 Download PDF

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伊藤 靖英
Yasuhide Ito
靖英 伊藤
翔 鷹野
Sho Takano
翔 鷹野
岡田 真一
Shinichi Okada
真一 岡田
敦 加藤
Atsushi Kato
敦 加藤
圭吾 疋田
Keigo Hikita
圭吾 疋田
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Abstract

【課題】利便性を向上する。【解決手段】車両用ワイパ装置2は、第1モータ11及び第2モータ12を有しており、第2モータ12が作動することで、Pワイパアーム35が見かけ上伸長して、Pワイパブレード36の払拭範囲が拡大される。ここで、車両の走行開始前に、制御部50が第1モータ11及び第2モータ12を作動させて、Pワイパブレード36の払拭範囲が拡大される走行前拡大払拭モードが実行される。これにより、車両の走行開始前に、ウィンドシールドガラス1に対する払拭面積を拡大して、ウィンドシールドガラス1を払拭することができる。このため、車両の走行前に、走行前拡大払拭モードが自動的に実行されるため、車両用ワイパ装置2の利便性を向上することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ装置の制御方法に関する。
下記特許文献1に記載された車両用ワイパ装置では、ウィンドシールドガラスの助手席側上部を広く払拭するようにワイパアームを回動させている。
特開2000−25578号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用ワイパ装置では、ウィンドシールドガラスの助手席側上部の払拭が十分とはいえず、払拭範囲を拡大する車両用ワイパ装置の利便性を向上するという点において改善の余地がある。
本発明は上記を考慮して、利便性を向上することができる車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の車両用ワイパ装置は、第1モータに連結され、前記第1モータが作動することで往復回動されるワイパアームと、前記ワイパアームの先端部に連結され、前記ワイパアームが往復回動されることでウィンドシールドガラスを払拭するワイパブレードと、前記ワイパアームに連結され、作動することで前記ワイパブレードによる前記ウィンドシールドガラスの払拭範囲を可変させる第2モータと、前記第1モータ及び前記第2モータを制御すると共に、車両の走行開始前に前記第1モータ及び前記第2モータを作動させる制御部と、を備えている。
上記構成によれば、第1モータにワイパアームが連結されており、ワイパアームの先端部には、ワイパブレードが連結されている。そして、制御部の制御によって第1モータが作動すると、ワイパアームが往復回動されて、ワイパブレードによってウィンドシールドガラスが払拭される。
また、ワイパアームには、第2モータが連結されており、制御部の制御によって第2モータが作動することで、ワイパブレードによるウィンドシールドガラスの払拭範囲が可変される。これにより、第1モータ及び第2モータを作動させることで、ウィンドシールドガラスに対する払拭範囲を可変(拡大)することができる。
ここで、制御部は、車両の走行開始前に第1モータ及び第2モータを作動させる。これにより、車両の走行開始前に、ウィンドシールドガラスに対する払拭範囲を拡大して、ウィンドシールドガラスを払拭することができる。このため、払拭範囲を拡大する車両用ワイパ装置における利便性を向上することができる。
また、本発明の車両用ワイパ装置は、車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ車両電源スイッチ又はドア開閉スイッチがオンにされたときに、若しくは、車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ外部端末から前記制御部へ前記第1モータ及び前記第2モータを作動させる信号が入力されたときに、前記制御部が前記第1モータ及び前記第2モータを作動させる。
上記構成によれば、車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ車両電源スイッチ又はドア開閉スイッチがオンにされたときに、若しくは車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ外部端末から制御部へ第1モータ及び第2モータを作動させる信号が入力されたときに、制御部が第1モータ及び第2モータを作動させる。これにより、車両の走行開始前を容易に判別して、車両用ワイパ装置において払拭範囲を拡大することができる。なお、車両電源スイッチとしては、車両のイグニッションスイッチやアクセサリスイッチなどが挙げられる。また、外部端末としては、例えば、スマートフォン等の外部携帯端末などが挙げられる。
また、本発明の車両用ワイパ装置は、前記制御部は、第1モータを制御して、前記ワイパアームの回動を低速モードと高速モードとを含むモードに切替えると共に、車両の走行開始前に前記第1モータ及び前記第2モータを作動させるときには、前記ワイパアームの回動速度を前記低速モードの回動速度よりも低速にさせる。
上記構成によれば、車両の走行開始前において、ワイパブレードによる払拭範囲が拡大されるときには、ワイパアームの回動速度が、低速モードよりも低速に設定されている。このため、例えば、第1モータの出力を大きくすることなく、ウィンドシールドガラスに対する払拭範囲を一層拡大することができる。これにより、第1モータの大型化を抑制しつつ、ウィンドシールドガラスに対する払拭範囲を一層拡大することができる。
また、本発明の車両用ワイパ装置は、前記ワイパアーム又は前記ワイパブレードには、前記ウィンドシールドガラスに洗浄液を噴射するウォッシャノズルが設けられており、
車両の走行開始前に前記第1モータ及び前記第2モータを作動させるときに、前記ウォッシャノズルから洗浄液が噴射される。
上記構成によれば、ワイパブレードよる払拭範囲の拡大に伴って、ウォッシャノズルから噴射された洗浄液をワイパブレードによってウィンドシールドガラスの上端側へ効率よく行き渡せることができる。
また、本発明の車両用ワイパ装置は、前記ウォッシャノズルは、前記ワイパブレードに対して払拭進行方向側へ洗浄液を噴射させる。
上記構成によれば、ウォッシャノズルは、ワイパブレードに対して払拭進行方向側へ洗浄液を噴射させるため、ウィンドシールドガラスを払拭するワイパブレードに対して洗浄液を効率よく噴射させることができる。
また、本発明の車両用ワイパ装置は、前記ウィンドシールドに赤外線を照射し、赤外線の反射量または透過量に基づいて前記ウィンドシールドの表面の付着物を検知する光学検知部と、車両の外気温度を検知する外気温検知部と、前記ウィンドシールドの画像データを取得する撮像部と、を含み、前記制御部は、前記光学検知部の検知結果と前記撮像部が取得した画像データと前記外気温検知部が検知した前記外気温度とに応じて前記第1モータ及び前記第2モータを作動させ、前記ウォッシャノズルから洗浄液を噴射させる。
上記構成によれば、光学検知部、撮像部及び外気温検知部によってウィンドシールド表面の付着物を検知し、当該付着物に応じて往動時及び復動時の少なくともいずれかで拡大払拭及び洗浄液の噴射を行う制御をすることが可能となる。
本発明の車両用ワイパ装置の制御方法は、車両の走行開始前に、先端部にウィンドシールドを払拭するワイパブレードが連結されたワイパアームを往復回動させる第1モータを作動させると共に、前記ワイパブレードによる前記ウィンドシールドの払拭範囲を可変させる第2モータを作動させるモータ制御ステップを備えている。
上記構成によれば、第1モータにワイパアームが連結されており、ワイパアームの先端部には、ワイパブレードが連結されている。そして、制御部の制御によって第1モータが作動すると、ワイパアームが往復回動されて、ワイパブレードによってウィンドシールドガラスが払拭される。
また、ワイパアームには、第2モータが連結されており、制御部の制御によって第2モータが作動することで、ワイパブレードによるウィンドシールドガラスの払拭範囲が可変される。これにより、第1モータ及び第2モータを作動させることで、ウィンドシールドガラスに対する払拭範囲を可変(拡大)することができる。
ここで、制御部は、車両の走行開始前に第1モータ及び第2モータを作動させる。これにより、車両の走行開始前に、ウィンドシールドガラスに対する払拭範囲を拡大して、ウィンドシールドガラスを払拭することができる。このため、払拭範囲を拡大する車両用ワイパ装置における利便性を向上することができる。
また、本発明の車両用ワイパ装置の制御方法は、前記モータ制御ステップは、車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ車両電源スイッチ又はドア開閉スイッチがオンにされたときに、若しくは、車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ外部端末から前記第1モータ及び前記第2モータを作動させる信号が入力されたときに、前記第1モータ及び前記第2モータを作動させる。
上記構成によれば、車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ車両電源スイッチ又はドア開閉スイッチがオンにされたときに、若しくは車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ外部端末から第1モータ及び第2モータを作動させる信号が入力されたときに、第1モータ及び第2モータを作動させる。これにより、車両の走行開始前を容易に判別して、車両用ワイパ装置において払拭範囲を拡大することができる。なお、車両電源スイッチとしては、車両のイグニッションスイッチやアクセサリスイッチなどが挙げられる。また、外部端末としては、例えば、スマートフォン等の外部携帯端末などが挙げられる。
また、本発明の車両用ワイパ装置の制御方法は、前記モータ制御ステップは、前記第1モータを制御して、前記ワイパアームの回動を低速モードと高速モードとを含むモードに切替え可能で、車両の走行開始前に前記第1モータ及び前記第2モータを作動させるときには、前記ワイパアームの回動速度を前記低速モードの回動速度よりも低速にさせる。
上記構成によれば、車両の走行開始前において、ワイパブレードによる払拭範囲が拡大されるときには、ワイパアームの回動速度が、低速モードよりも低速に設定されている。このため、例えば、第1モータの出力を大きくすることなく、ウィンドシールドガラスに対する払拭範囲を一層拡大することができる。これにより、第1モータの大型化を抑制しつつ、ウィンドシールドガラスに対する払拭範囲を一層拡大することができる。
また、本発明の車両用ワイパ装置の制御方法は、前記モータ制御ステップは、車両の走行開始前に前記第1モータ及び前記第2モータを作動させるときに、前記ワイパアーム又は前記ワイパブレードに設けられたウォッシャノズルから洗浄液を噴射させる。
上記構成によれば、ワイパブレードよる払拭範囲の拡大に伴って、ウォッシャノズルから噴射された洗浄液をワイパブレードによってウィンドシールドガラスの上端側へ効率よく行き渡せることができる。
また、本発明の車両用ワイパ装置の制御方法は、前記モータ制御ステップは、前記ワイパブレードに対して払拭進行方向側へ前記ウォッシャノズルから洗浄液を噴射させる。
上記構成によれば、ウォッシャノズルは、ワイパブレードに対して払拭進行方向側へ洗浄液を噴射させるため、ウィンドシールドガラスを払拭するワイパブレードに対して洗浄液を効率よく噴射させることができる。
また、本発明の車両用ワイパ装置の制御方法は、前記モータ制御ステップは、前記ウィンドシールドに赤外線を照射し、赤外線の反射量または透過量に基づいて前記ウィンドシールドの表面の付着物を検知する光学検知部の検知結果と撮像部が取得した前記ウィンドシールドの画像データと外気温検知部が検知した車両の外気温度とに応じて前記第1モータ及び前記第2モータを作動させ、前記ウォッシャノズルから洗浄液を噴射させる。
上記構成によれば、光学検知部、撮像部及び外気温検知部によってウィンドシールド表面の付着物を検知し、当該付着物に応じて往動時及び復動時の少なくともいずれかで拡大払拭及び洗浄液の噴射を行う制御をすることが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置を示す概略図である。 図2は、図1に示される車両用ワイパ装置の停止状態を示す平面図である。 図3は、図2に示される第2ピボットホルダを示す断面図(図2のA−A線断面図)である。 図4は、図2に示される車両用ワイパ装置における第1拡大払拭モードにおける動作中の平面図である。 図5は、図4に示される状態から助手席側ワイパアームが往動側へ回動された状態を示す平面図である。 図6は、図5に示される状態から助手席側ワイパアームが往動側へ回動された状態を示す平面図である。 図7は、助手席側ワイパアームが上反転位置へ回動された状態を示す平面図である。 図8は、図7に示される状態から助手席側ワイパアームが復動側へ回動された状態を示す平面図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置における走行前拡大払拭モードを示すフローチャートである。 図10は、本発明の第2の実施の形態に係るワイパ装置における、ウィンドシールドガラスの付着物に応じて往動時及び復動時のいずれかに拡大払拭を行う制御をする払拭モード制御処理の一例を示したフローチャートである。 図11は、ワイパスイッチ、ウォッシャスイッチ及び拡大モードスイッチが組み込まれたレバーの一例を示した概略図である。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置2を示す概略図である。この図に示されるように、車両用ワイパ装置2は、車両(自動車)のウィンドシールドガラス1を払拭するためのものである。そして、本実施の形態では、右ハンドル仕様の車両に車両用ワイパ装置2を適用した例として示している。このため、車両の右側(図1の左側)が運転席側とされ、車両の左側(図1の右側)が助手席側とされている。なお、左ハンドル仕様の車両に車両用ワイパ装置2を適用した場合には、車両の左側(図1の右側)が運転席側とされ、車両の右側(図1の左側)が助手席側とされる。また、左ハンドル仕様の車両の場合には、ワイパ装置2の構成が左右反対になる。
車両用ワイパ装置2は、駆動源としての第1モータ11及び第2モータ12を有しており、第1モータ11が作動することで、運転席側ワイパアーム17及び助手席側ワイパアーム35がウィンドシールドガラス1上を往復回動(下反転位置P2D、P2Pと上反転位置P1D、P2Pとの間を往復回動)するようになっている。また、第1モータ11の作動中に第2モータ12が作動することで、助手席側ワイパアーム35が、先端側(ウィンドシールドガラス1の助手席側の上方側)へ見かけ上伸長して、ウィンドシールドガラス1に対する払拭範囲を拡大するようになっている。以下、初めに車両用ワイパ装置2の構成を説明し、次いで、車両用ワイパ装置2の作動を制御する制御部50について説明する。
図2、図4〜8に示されるように、車両用ワイパ装置2は、板状の中央フレーム3と、中央フレーム3から車幅方向両側に延設された一対の中空フレーム4、5と、を備えている。中空フレーム4の先端部には、第1ピボットホルダ6が連結されている。また、中空フレーム5の先端部には、第2ピボットホルダ7が連結されている。そして、中央フレーム3に設けられた支持部3Aが車体に支持されている。また、第1ピボットホルダ6の固定部6A及び第2ピボットホルダ7の固定部7Aの各々がボルト等により車体に締結されている。これにより、車両用ワイパ装置2が車体に取付けられている。
また、中央フレーム3の裏面(車室側の面)には、第1モータ11及び第2モータ12が設けられている。第1モータ11の出力軸11Aは、中央フレーム3を貫通して中央フレーム3の表面側(車両の外部側の面側)へ突出されている。そして、出力軸11Aの先端部には、第1クランクアーム13の一端が固定されている。また、第2モータ12の出力軸12Aも、出力軸11Aと同様に、中央フレーム3を貫通して中央フレーム3の表面側に突出されている。そして、出力軸12Aの先端部には、第2クランクアーム14の一端が固定されている。
第1ピボットホルダ6には、運転席側のピボット軸15が回動自在に支持されている。このピボット軸15の先端部(図2の紙面上側の端部)には、運転席側ワイパアーム17(以下、「Dワイパアーム17」という)の基端部を構成するアームヘッド17Aが固定されている。さらに、図1に示されるように、Dワイパアーム17の先端部には、ウィンドシールドガラス1の運転席側を払拭するための運転席側ワイパブレード18(以下、「Dワイパブレード18」という)が連結されている。
図2、図4〜8に示されるように、ピボット軸15の基端部(図2の紙面下側の端部)には、第1揺動レバー16の一端が固定されている。第1揺動レバー16の他端は、前述した第1クランクアーム13の他端に第1ロッド19を介して連結されている。これにより、第1モータ11が駆動(作動)すると、第1クランクアーム13が出力軸11Aの軸回りに回動して、その回動力が第1ロッド19を介して第1揺動レバー16に伝達されて、第1揺動レバー16が搖動されるようになっている。そして、第1揺動レバー16が搖動されることにより、Dワイパアーム17がピボット軸15の軸回りに回動して、Dワイパブレード18が下反転位置P2D(図1参照)と上反転位置P1D(図1参照)との間の払拭範囲H1を払拭する構成になっている。なお、以下の説明では、下反転位置P2Dから上反転位置P1Dへ向かう方向を往動側と称し、上反転位置P1Dから下反転位置P2Dへ向かう方向を復動側と称する。
図3に示されるように、第2ピボットホルダ7には、略円筒状のスリーブ7Bが形成されている。このスリーブ7Bの内周側には、略円筒形状の助手席側第1ピボット軸21(以下、「P側第1ピボット軸21」という)が、軸受23を介して、第1軸線L1を中心として回動可能に支持されている。P側第1ピボット軸21の内周側には、略円柱状の助手席側第2ピボット軸22(以下、「P側第2ピボット軸22」という)が、軸受24を介して第2軸線L2を中心として回動可能に支持されている。そして、第1軸線L1と第2軸線L2とが同一直線L(同心)上に配置されている。
P側第1ピボット軸21の基端部には、助手席側第1揺動レバー25(以下、「P側第1揺動レバー25」という)の一端が固定されている。一方、P側第1ピボット軸21の先端部には、第1駆動レバー26の一端が固定されている。そして、図2に示されるように、P側第1揺動レバー25の他端が、前述した第1揺動レバー16の他端に第2ロッド27によって連結されている。従って、第1モータ11が作動して第1揺動レバー16が搖動すると、第2ロッド27によって第1モータ11の駆動力がP側第1揺動レバー25に伝達されて、P側第1揺動レバー25と共に、第1駆動レバー26が第1軸線L1回りに揺動(回動)される構成となっている。
図3に示されるように、P側第2ピボット軸22の長さは、P側第1ピボット軸21の長さよりも長く設定されており、P側第2ピボット軸22の基端部及び先端部がP側第1ピボット軸21から軸方向に突出されている。そして、P側第2ピボット軸22の基端部には、助手席側第2揺動レバー28(以下、「P側第2揺動レバー28」という)の一端が固定されており、P側第2ピボット軸22の先端部には、第2駆動レバー29の一端が固定されている。
そして、図2に示されるように、P側第2揺動レバー28の他端が、前述した第2クランクアーム14の他端に、第3ロッド31によって連結されている。従って、第2モータ12が駆動されると、第2クランクアーム14が回動し、第3ロッド31によって第2クランクアーム14の駆動力がP側第2揺動レバー28に伝達されて、P側第2揺動レバー28と共に、第2駆動レバー29が揺動(回動)される構成になっている。ここで、前述のようにP側第1ピボット軸21及びP側第2ピボット軸22は同軸に設けられているが、P側第1ピボット軸21及びP側第2ピボット軸22は互いには連動しておらず、P側第1ピボット軸21及びP側第2ピボット軸22は、各々独立して回動する構成になっている。
図2、図4〜8に示されるように、第1駆動レバー26の他端には、第1従動レバー32の一端が回動可能に連結されている。具体的には、第1従動レバー32の一端が、第1駆動レバー26の他端側にある第3軸線L3を中心として第1駆動レバー26の他端に回動可能に連結されている。そして、第1従動レバー32の他端及び第2駆動レバー29の他端に、助手席側ワイパアーム35(以下、「Pワイパアーム35」という)の基端部を構成するアームヘッド35Aが連結されている。具体的には、アームヘッド35Aの基端部が、第1従動レバー32の他端側にある第4軸線L4を中心として、第1従動レバー32の他端に回動可能に連結されており、アームヘッド35Aの長手方向中間部が、第2駆動レバー29の他端側にある第5軸線L5を中心として、第2駆動レバー29の他端に回動可能に連結されている。そして、図1に示されるように、Pワイパアーム35の先端部に、助手席側ワイパブレード36(以下、「Pワイパブレード36」という)が連結されており、Pワイパブレード36によってウィンドシールドガラス1の助手席側を払拭するようになっている。
図2、図4〜8に示されるように、第1軸線L1(第2軸線L2)から第3軸線L3までの長さと、第4軸線L4から第5軸線L5までの長さと、が同じになるように、第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド35Aが連結されている。さらに、第3軸線L3から第4軸線L4までの長さと、第1軸線L1(第2軸線L2)から第5軸線L5までの長さと、が同じになるように、第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド35Aが連結されている。従って、第1駆動レバー26とアームヘッド35Aとが平行を保持し、かつ第2駆動レバー29と第1従動レバー32とが平行を保持することになり、第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド35Aによって、略平行四辺形状のリンク機構33が構成されている。
さらに、第5軸線L5は、Pワイパアーム35の作動時における支点として構成されており、Pワイパアーム35が、第1モータ11の駆動力により第5軸線L5を中心にして回動することによって、ウィンドシールドガラス1上を往復動作するようになっている。具体的には、Pワイパアーム35が下反転位置P2P(図1参照)と上反転位置P1P(図1参照)との間の払拭範囲Z1を払拭する構成になっている。
一方、図4〜6に示されるように、第2モータ12が駆動することで、リンク機構33が作動して、第5軸線L5を、図2、図7及び図8に示される位置よりもウィンドシールドガラス1の上方に移動させるようになっている。これにより、Pワイパアーム35が見かけ上伸長される構成になっている。従って、第1モータ11と共に第2モータ12が作動することにより、Pワイパブレード36の払拭範囲が拡大されるようになっている。
以下、この点について詳述すると、第2モータ12が作動せずに第1モータ11のみが作動する場合(以下、このモードを「通常払拭モード」という)には、Pワイパアーム35において、第5軸線L5が図2、図7及び図8に示された位置(以下、「基準位置」という)から移動不能になっている。そして、図1に示されるように、第1モータ11が正回転した場合には、Dワイパアーム17が下反転位置P2Dから上反転位置P1Dへ回動し、Pワイパアーム35が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pへ回動する。一方、第1モータ11が逆回転した場合には、Dワイパアーム17が上反転位置P1Dから下反転位置P2Dへ回動し、Pワイパアーム35が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pへ回動する。これにより、通常払拭モードでは、第1モータ11の作動によって、Dワイパブレード18が払拭範囲H1を払拭し、Pワイパブレード36が払拭範囲Z1を払拭するようになっている。
なお、ウィンドシールドガラス1の外縁部は、可視光及び紫外線を遮るため、セラミックス系の黒色顔料が塗布された遮光部1A(図1参照)となっている。黒色顔料は、ウィンドシールドガラス1の車室内側の外縁部に塗布された後、所定温度で加熱されることにより溶融し、ウィンドシールドガラス1の車室側表面に定着される。ウィンドシールドガラス1は、外縁部に塗布された接着剤により車体に固定されるが、図1に示したように、紫外線を透過させない遮光部1Aを外縁部に設けることにより、紫外線による当該接着剤の劣化を抑制する。
一方、ウィンドシールドガラス1を広く払拭することを要する場合(以下、このモードを「第1拡大払拭モード」という)には、Pワイパブレード36の往動時に、Pワイパブレード36が払拭範囲Z2(図1参照)を払拭するように第1モータ11及び第2モータ12が各々作動するようになっている。また、第1拡大払拭モードでは、Pワイパブレード36の復動時に、払拭範囲Z1を払拭するように第1モータ11が各々作動する。これにより、ウィンドシールドガラス1に対して幅広い範囲を払拭できる構成になっている。なお、第1拡大払拭モードにおいて、Pワイパブレード36の往動時にPワイパブレード36が払拭範囲Z1を払拭し、Pワイパブレード36の復動時にPワイパブレード36が払拭範囲Z2を払拭するようにしてもよい。また、第1拡大払拭モードにおいて、Pワイパブレード36の往動時及び復動時に、Pワイパブレード36が払拭範囲Z2を払拭するようにしてもよい。
そして、第2モータ12における出力軸12Aの回動角度の大きさを変更することにより、Pワイパアーム35が伸長する範囲が変更されるようになっている。つまり、出力軸12Aの回動角度を大きくすれば、Pワイパアーム35が伸長する範囲は大きくなり、Pワイパアーム35が払拭範囲Z3(図1参照)まで払拭できるように構成されている(以下、このモードを「第2拡大払拭モード」という)。
さらに、図1に示されるように、Dワイパアーム17の先端部には、一対のウォッシャノズル40A、40Bが設けられている。このウォッシャノズル40Aは、Dワイパアーム17に対して往動側に配置され、ウォッシャノズル40Bは、Dワイパアーム17に対して復動側に配置されている。また、Pワイパアーム35の先端部には、一対のウォッシャノズル42A、42Bが設けられている。このウォッシャノズル42Aは、Pワイパアーム35に対して往動側に配置され、ウォッシャノズル42Bは、Pワイパアーム35に対して復動側に配置されている。
ウォッシャノズル40A、42Aには、Dワイパアーム17内、Pワイパアーム35内に配策された往動用ホース41の一端部が接続されており、往動用ホース41の他端部は、ウォッシャタンク44に設けられたウォッシャポンプ45に接続されている。詳説すると、往動用ホース41が、該往動用ホース41の中間において分岐部により分岐されて、往動用ホース41の一端側の部分が、D往動用ホース41A及びP往動用ホース41Bに分割されている。そして、往動用ホース41の一端側をなすD往動用ホース41A及びP往動用ホース41Bがウォッシャノズル40A、42Aにそれぞれ接続されており、往動用ホース41の他端側がウォッシャポンプ45に接続されている。
一方、ウォッシャノズル40B、42Bには、Dワイパアーム17内、Pワイパアーム35内に配策された復動用ホース43の一端部が接続されており、復動用ホース43の他端部は、ウォッシャタンク44に設けられたウォッシャポンプ45に接続されている。詳説すると、復動用ホース43が、該復動用ホース43の中間において分岐部により分岐されて、復動用ホース43の一端側の部分が、D復動用ホース43A及びP復動用ホース43Bに分割されている。そして、復動用ホース43の一端側をなすD復動用ホース43A及びP復動用ホース43Bがウォッシャノズル40B、42Bにそれぞれ接続されており、復動用ホース43の他端側がウォッシャポンプ45に接続されている。そして、ウォッシャポンプ45には、制御部50が電気的に接続されており、制御部50の制御によってウォッシャポンプ45が作動するように構成されている。
具体的には、Dワイパアーム17及びPワイパアーム35の往動時に、ウォッシャポンプ45が作動(正回転)して、往動用ホース41(D往動用ホース41A及びP往動用ホース41B)を介してウォッシャノズル40A、42Aからウォッシャタンク44内の洗浄液がDワイパブレード18及びPワイパブレード36に対して往動側へ噴射されるようになっている。一方、Dワイパアーム17の復動時に、ウォッシャポンプ45が作動(逆回転)して、復動用ホース43(D復動用ホース43A及びP復動用ホース43B)を介してウォッシャノズル40B、42Bからウォッシャタンク44内の洗浄液がDワイパブレード18及びPワイパブレード36に対して復動側へ噴射されるようになっている。すなわち、Dワイパブレード18及びPワイパブレード36に対して払拭進行方向側へ洗浄液が噴射される構成となっている。
次に、第1モータ11及び第2モータ12の駆動(作動)を制御する制御部50について説明する。図1に示されるように、制御部50は、第1モータ11及び第2モータ12を駆動制御する駆動回路52を備えている。そして、駆動回路52が、第1モータ11及び第2モータ12をPWM制御することで、第1モータ11(出力軸11A)及び第2モータ12(出力軸12A)が正回転又は逆回転されるようになっている。
また、制御部50は、ウィンドシールドガラス1上におけるPワイパブレード36の位置に応じて、第2モータ12の作動を制御するようになっている。具体的には、第1モータ11の出力軸11Aの末端に設けられた絶対角センサによって検出された第1モータ11の出力軸11Aの回動角度から、ウィンドシールドガラス1上におけるPワイパブレード36の位置を制御部50が算出する。そして、制御部50が、算出した位置に応じて、第2モータ12の作動を制御する。
さらに、制御部50には、車両のエンジン等を制御する車両ECU54が電気的に接続されており、車両ECU54には、ワイパスイッチ56、ウォッシャスイッチ58、「車両電源スイッチ」としてのイグニッションスイッチ60(以下、「IGスイッチ60」という)、及びシフト装置62が、電気的に接続されている。
ワイパスイッチ56は、通常払拭モードと第1拡大払拭モードとを切替可能にするスイッチとして構成されている。一例としては、図11に示すように、拡大モードスイッチ56Aを含んで構成されている。そして、制御部50は、操作されたワイパスイッチ56から入力される信号に基づいて、第1モータ11及び第2モータ12を作動制御するようになっている。具体的には、通常払拭モードでは、制御部50が、ワイパスイッチ56のオン信号に基づいて、Dワイパアーム17及びPワイパアーム35を低速で回動させる低速モード、又はDワイパアーム17及びPワイパアーム35を高速で回動させる高速モード、に作動させるように、第1モータ11を作動制御する。
また、第1拡大払拭モードでは、ワイパスイッチ56(拡大モードスイッチ56A)のオン信号に基づいて、Pワイパアーム35の往動時に、Pワイパブレード36が払拭範囲Z2を払拭するように、Pワイパアーム35の復動時に、Pワイパブレード36が払拭範囲Z1を払拭するように、制御部50が第2モータ12を制御する。なお、第1拡大払拭モードでは、Dワイパアーム17及びPワイパアーム35が、低速モードと同じ速度で回動するように、第1モータ11が作動する設定になっている。
また、制御部50は、車両ECU54を介してウォッシャスイッチ58から入力される信号に基づいて、第1モータ11、第2モータ12、及びウォッシャポンプ45をそれぞれ作動制御するようになっている。具体的には、ウォッシャスイッチ58は、前述のワイパスイッチ56を備えた操作手段としてのレバー56Bに一体に設けられ、当該レバー56Bを手前に2段階引く時には、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36が第1拡大払拭モードで作動するように、第1モータ11及び第2モータ12が制御部50によって制御される。すなわち、ウォッシャスイッチ58の操作時では、Dワイパアーム17及びPワイパアーム35が低速モードと同じ速度で回動されるように、第1モータ11が制御部50によって制御されるようになっている。
レバー56Bを手前に2段階引くことで、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36が第1拡大払拭モードで作動しつつ、洗浄液を噴射するため、一つの操作(動作)でPワイパブレード36による払拭範囲の拡大及び洗浄液の噴射ができ、操作性を向上させることができる。
また、制御部50がウォッシャポンプ45を駆動させて、ウォッシャタンク44内の洗浄液がウォッシャノズル40A(40B)及びウォッシャノズル42A(42B)から噴射される。これにより、ウォッシャスイッチ58が操作されることで、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36が第1拡大払拭モードで作動しつつ、Dワイパブレード18及びPワイパブレード36に対して払拭進行方向側に洗浄液が噴射されるようになっている。
なお、レバー56Bを手前に1段階引く時には、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36が通常払拭モードで作動するように、第1モータ11(及び第2モータ12)が制御部50によって制御される。また、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36が通常払拭モードで作動しつつ、Dワイパブレード18及びPワイパブレード36に対して払拭進行方向側に洗浄液が噴射されるようになっている。
さらに、本実施の形態では、車両ECU54を介してIGスイッチ60及びシフト装置62から入力される信号に基づいて、第1モータ11、第2モータ12、及びウォッシャポンプ45をそれぞれ作動制御するようになっている。具体的には、シフト装置62のシフト位置信号(具体的には、シフト位置がパーキング位置に配置されている信号)が、車両ECU54から制御部50へ入力され、且つ、IGスイッチ60のオン信号が制御部50へ入力されたときに、第1モータ11、第2モータ12、及びウォッシャポンプ45をそれぞれ作動制御する。すなわち、車両の走行開始前に、Pワイパブレード36の払拭範囲を拡大した状態で、ウィンドシールドガラス1を払拭するようになっている。以下、この作動モードを、便宜上、「走行前拡大払拭モード」という。
そして、走行前拡大払拭モードでは、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36が第2拡大払拭モードで作動するように、第1モータ11及び第2モータ12が制御部50によって制御される。例えば、Pワイパアーム35の往動時に、Pワイパブレード36が払拭範囲Z3を払拭するように、Pワイパアーム35の復動時に、Pワイパブレード36が払拭範囲Z1を払拭するように、制御部50が第1モータ11及び第2モータ12を制御する。
さらに、走行前拡大払拭モードでは、制御部50がウォッシャポンプ45を駆動させて、ウォッシャタンク44内の洗浄液がウォッシャノズル40A(40B)及びウォッシャノズル42A(42B)から噴射される。これにより、走行前拡大払拭モードにおいても、Dワイパブレード18及びPワイパブレード36の払拭時に、Dワイパブレード18及びPワイパブレード36に対して払拭進行方向側に洗浄液が噴射されるようになっている。また、走行前拡大払拭モードでは、Dワイパアーム17及びPワイパアーム35が、低速モードよりも低速で回動するように、第1モータ11が制御部50によって制御されるようになっている。
次に、車両用ワイパ装置2の作動について説明する。通常払拭モード及び第1拡大払拭モードでは、Dワイパアーム17及びDワイパブレード18は、第1モータ11の作動に従い、ピボット軸15を中心として作動するのみなので、以下の説明では、主として、第1拡大払拭モードでのPワイパアーム35及びPワイパブレード36の作動について詳述する。
図2は、Pワイパブレード36が下反転位置P2Pに位置している状態であり、Pワイパアーム35が停止位置にある状態を示している。この状態で、ワイパスイッチ56が操作されて第1拡大払拭モードに切替えられると、制御部50の制御により第1モータ11の出力軸11Aが、図4に示される回動方向CC1で回動することにより、第1駆動レバー26が回動して、Pワイパアーム35が、第5軸線L5を中心として回動動作を開始する。同時に、第2モータ12の出力軸12Aも、図4に示した回動方向CC2へ回動する。なお、本実施の形態では、出力軸11Aの回動方向CC1での回動、及び出力軸12Aの回動方向CC2での回動を、各々の出力軸(出力軸11A及び出力軸12A)における正回転とする。
図4は、Pワイパブレード36がウィンドシールドガラス1を途中(下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに移動する往動行程の略1/4)まで払拭した状態を示している。本実施の形態では、第1モータ11が回動方向CC1への回動を開始すると、第2モータ12の回動方向CC2への回動による駆動力が第2駆動レバー29に伝達される。第2モータ12の駆動力が伝達された第2駆動レバー29は、動作方向CW3へ回動して、リンク機構33が作動して、Pワイパアーム35の支点である第5軸線L5がウィンドシールドガラス1の助手席側の上方に向けて移動される。
図5は、出力軸11Aが正転方向へ回動されたことにより、第1駆動レバー26が図4に示される状態からさらに回動されて、Pワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに移動する行程(往動行程)の略中間点に達した場合を示している。また、図5では、第2モータ12の出力軸12Aが、図4で示した回動方向CC2に所定の回動角度まで回動された状態でもある。この状態では、Pワイパアーム35の支点である第5軸線L5が、第2クランクアーム14、第3ロッド31、P側第2揺動レバー28及び第2駆動レバー29により、ウィンドシールドガラス1の上方に持ち上げられる。その結果、Pワイパブレード36は、図1に示したように、ウィンドシールドガラス1の助手席側の上方の角側へ移動される。
図6は、第1駆動レバー26がさらに回動されたことにより、Pワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに移動する行程(復動行程)の略3/4に達した場合を示している。図6では、第1モータ11の出力軸11Aの回動方向は図4、5の場合と同じだが、第2モータ12の出力軸12Aは、図4、5の場合とは逆の回動方向CW2で回動する(逆回転)。出力軸12Aが回動方向CW2で回動することにより、第2駆動レバー29は動作方向CC3で動作し、Pワイパアーム35の支点である第5軸線L5は、図5における第5軸線L5より下方へ移動される。その結果、Pワイパブレード36は、その先端部が図1に示した払拭範囲Z2上方の破線で示された軌跡を描きながらウィンドシールドガラス1上を移動し、払拭範囲Z2を払拭する。
図7は、Dワイパアーム17及びDワイパブレード18が、上反転位置P1Dに達した状態を示している。また、第2モータ12の出力軸12Aは、図5に示した状態から逆回転したことにより、Pワイパアーム35の支点である第5軸線L5は、図2に示した基準位置に戻っている。その結果、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36は、第2モータ12を駆動しない場合の払拭範囲Z1と同じ上反転位置P1Pに達する。
図8は、Dワイパアーム17及びDワイパブレード18並びにPワイパアーム35及びPワイパブレード36が上反転位置P1D、P1Pから下反転位置P2D、P2Pに移動する復動行程の状態を示している。復動行程では、第1モータ11の出力軸11Aは逆回転し、図2、図4〜7の場合とは逆方向の回動方向CW1で回動する。しかしながら、第2モータ12の出力軸12Aは回動せず、従ってPワイパアーム35の支点である第5軸線L5は基準位置から移動しないので、第1モータ11の出力軸11Aが逆回転することにより、Pワイパアーム35は略円弧状の軌跡を描く。その結果、Pワイパアーム35の先端に連結されたPワイパブレード36は、払拭範囲Z1を払拭する。
以上により、制御部50によって第1モータ11及び第2モータ12を作動制御して、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36を第1拡大払拭モードで作動させることで、ウィンドシールドガラス1に対する払拭範囲を拡大することができる。
また、本実施の形態では、車両の走行開始前に、制御部50の制御によって走行前拡大払拭モードが実行される。以下、走行前拡大払拭モードについて説明する。図9に示されるように、走行前拡大払拭モードでは、制御部50が、シフト装置62からの信号に基づいて、シフト装置62のシフト位置がパーキング位置に配置されているか否かを判別する(ステップ901)。そして、シフト装置62のシフト位置がパーキング位置に配置されている場合には、ステップ902に移行する。
ステップ902では、制御部50がIGスイッチ60からの信号に基づいて、IGスイッチ60がオンにされたか否かを判別する。すなわち、車両のエンジンが始動したか否かを判別する。そして、ステップ902において、IGスイッチ60がオンであることを制御部50が判別すると、制御部50が車両の走行開始前であると判断して、ステップ903で走行前拡大払拭モードを実行する。
走行前拡大払拭モードでは、制御部50は、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36を第2拡大払拭モードで作動させるように、第1モータ11及び第2モータ12を作動制御する、具体的には、Pワイパアーム35の往動時に、Pワイパブレード36が払拭範囲Z3を払拭するように、Pワイパアーム35の復動時に、Pワイパブレード36が払拭範囲Z1を払拭するように、制御部50が第2モータ12を制御する。すなわち、走行前拡大払拭モードでは、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36を第1拡大払拭モードで作動させる場合と比べて、第2モータ12の出力軸12Aの回転角度を大きくさせて、リンク機構33を作動させる。これにより、走行前拡大払拭モードでは、ウィンドシールドガラス1の助手席側が一層広く払拭される。
また、走行前拡大払拭モードでは、制御部50がウォッシャポンプ45を作動させて、ウォッシャタンク44内の洗浄液がウォッシャノズル40A(40B)及びウォッシャノズル42A(42B)から噴射される。具体的には、ウォッシャノズル40A(40B)及びウォッシャノズル42A(42B)からDワイパブレード18及びPワイパブレード36に対して払拭進行方向側に洗浄液が噴射される。そして、Dワイパアーム17及びPワイパアーム35の往復回動が所定回数に達した後に、走行前拡大払拭モードが終了される。
このように、本実施の形態では、車両の走行開始前に、制御部50が第1モータ11及び第2モータ12を作動させて、走行前拡大払拭モードが実行される。これにより、車両の走行開始前に、ウィンドシールドガラス1に対する払拭面積を拡大して、ウィンドシールドガラス1を払拭することができる。このため、車両の走行前に、走行前拡大払拭モードが自動的に実行されるため、払拭範囲を拡大する車両用ワイパ装置2の利便性を向上することができる。
また、走行前拡大払拭モードが実行されるときには、Dワイパアーム17及びPワイパアーム35が低速モードよりも低速で回動される。このため、第1モータ11及び第2モータ12の大型化を抑制しつつ、ウィンドシールドガラス1に対する払拭範囲を一層大きくすることができる。すなわち、第1拡大払拭モードでは、Dワイパアーム17及びPワイパアーム35が低速モードで回動される。この低速モードは、車両の走行中にウィンドシールドガラス1を払拭するため、低速モードにおけるDワイパアーム17及びPワイパアーム35の回動が、所定の回動速度以上に設定されている。
一方、走行前拡大払拭モード(すなわち、第1拡大払拭モードよりも払拭範囲を拡大する第2拡大払拭モード)では、第1拡大払拭モードよりも、Pワイパブレード36による払拭距離(下反転位置P2Pから上反転位置P1Pまでの距離)が長くなる。このため、走行前拡大払拭モード(すなわち、第2拡大払拭モード)におけるDワイパアーム17及びPワイパアーム35の回動速度を、第1拡大払拭モードと同じ回動速度にした場合には、第1モータ11及び第2モータ12の出力が大きくなる。これにより、第1モータ11及び第2モータ12が大型化する可能性がある。これに対して、本実施の形態では、走行前拡大払拭モードが実行されるときには、Dワイパアーム17及びPワイパアーム35が低速モードよりも低速で回動される。このため、第1拡大払拭モードよりも払拭領域を拡大しても、第1モータ11及び第2モータ12の出力を大きくする必要がなくなる。これにより、第1モータ11及び第2モータ12の大型化を抑制しつつ、ウィンドシールドガラス1に対する払拭範囲を一層大きくすることができる。
また、Dワイパアーム17及びPワイパアーム35が低速モードよりも低速で回動されることで、ウィンドシールドガラス1上の払拭対象物を良好に払拭することができる。すなわち、Dワイパアーム17及びPワイパアーム35の回動速度を低速モードよりも低速に設定することで、洗浄液が払拭対象物に到達してから、Dワイパブレード18及びPワイパブレード36によって払拭対象物が払拭されるまでの時間を比較的長く設定することができる。これにより、洗浄液を払拭対象物に十分に浸透させた後に、Dワイパブレード18及びPワイパブレード36によって払拭対象物を払拭することができる。したがって、ウィンドシールドガラス1上の払拭対象物を良好に払拭することができる。
また、Dワイパアーム17には、ウォッシャノズル40A、40Bが設けられており、Pワイパアーム35には、ウォッシャノズル42A、42Bが設けられている。さらに、走行前拡大払拭モードでは、ウォッシャタンク44内の洗浄液がウォッシャノズル40A(40B)及びウォッシャノズル42A(42B)からDワイパブレード18及びPワイパブレード36に対して払拭進行方向側に洗浄液が噴射される。このため、Pワイパブレード36の払拭拡大動作に伴って、洗浄液をウィンドシールドガラス1の上端側へ行き渡らせることができる。これにより、ウィンドシールドガラス1をより良好に払拭することができる。
また、Pワイパアーム35にウォッシャノズル42A、42Bが設けられていることで、ウォッシャノズル42A(42B)によって、ウィンドシールドガラス1の助手席側の上角部付近まで洗浄液を供給することができる。これにより、例えば、ウィンドシールドガラス1上の液体が凍結した場合でも、洗浄液を凍結した部分に供給して、凍結を解除することができる。これにより、運転者に対する視界不良を早期に解消することができる。
なお、本実施の形態では、走行前拡大払拭モードが車両の走行開始前毎に実行されるようになっているが、走行前拡大払拭モードの実行を選択できるスイッチを別途設けてもよい。この場合には、当該スイッチがオンにされている状態で、且つ車両の走行開始前に、走行前拡大払拭モードが実行される。
また、本実施の形態では、ウォッシャノズル40A、40Bが、Dワイパアーム17に設けられており、ウォッシャノズル42A、42Bが、Pワイパアーム35に設けられている。これに代えて、ウォッシャノズル40A、40Bを、Dワイパブレード18に設けてもよいし、ウォッシャノズル42A、42Bを、Pワイパブレード36に設けてもよい。また、ウォッシャノズル42A、42Bの何れか一方をDワイパブレード18に設けてもよいし、ウォッシャノズル42A、42Bの何れか一方をPワイパブレード36に設けてもよい。
また、本実施の形態では、ウォッシャノズル40A、40Bが、Dワイパアーム17に設けられており、ウォッシャノズル42A、42Bが、Pワイパアーム35に設けられている。これに代えて、ウォッシャノズルを車両のフードに設けてもよい。この場合には、ウォッシャノズルの個数は4つに限定されるものではなく、例えば、ウォッシャノズルの個数を2つにしてもよい。
また、本実施の形態では、シフト装置62のシフト位置がパーキング位置に配置され、且つIGスイッチ60がONであることを制御部50が判別すると、制御部50が走行前拡大払拭モードを実行しているが、走行前拡大払拭モードの実行タイミングはこれに限らない。例えば、車両の速度が「0」であること(車両停止状態)を制御部50が判別し、且つIGスイッチ60がONであること制御部50が判別したときに、制御部50によって走行前拡大払拭モードを実行してもよい。
また、例えば、シフト装置62のシフト位置にパーキング位置がないマニュアル車の場合では、制御部50が、車両のサイドブレーキをかけた状態であることを判別し、且つIGスイッチ60がONであることを判別したときに、制御部50によって走行前拡大払拭モードを実行してもよい。このとき、シフト装置62のシフト位置は、停車中の道路の状態(傾斜等)に応じて、ニュートラル位置、1速位置又はリバース位置に配置される。そして、サイドブレーキをかけた状態を車両停止状態として制御部50が判断している。
また、例えば、シフト装置62のシフト位置がパーキング位置に配置され、且つ車両の「車両電源スイッチ」としてのアクセサリスイッチ64(図1参照)がONであることを制御部50が判別したときに、制御部50によって走行前拡大払拭モードを実行させてもよい。この場合には、図1に示されるように、アクセサリスイッチ64が、車両ECU54に電気的に接続されている。また、このとき、シフト装置62のシフト位置がパーキング位置に配置される状態を車両停止状態として制御部50が判断している。
また、例えば、シフト装置62のシフト位置がパーキング位置に配置され、且つ車両のドアの開閉を検知するドア開閉スイッチ66(図1参照)がONになったことを制御部50が判別したときに、制御部50によって走行前拡大払拭モードを実行させてもよい。この場合には、図1に示されるように、ドア開閉スイッチ66が、車両ECU54に電気的に接続されており、運転席側のドアが開けられることで、ドア開閉スイッチがONになるように構成されている。
また、例えば、シフト装置62のシフト位置がパーキング位置に配置され、且つ外部端末70(例えば、スマートフォン等の外部携帯端末であり、図1参照)から制御部50へ走行前拡大払拭モードを実行させる信号が入力されたことを制御部50が判別したときに、制御部50によって走行前拡大払拭モードを実行させてもよい。この場合には、図1に示されるように、車両には外部端末70からの信号を受信する外部信号受信機68が備えられており、該外部信号受信機68が車両ECU54に電気的に接続されている。
また、本実施の形態では、Pワイパブレード36の払拭進行方向側のノズル(ウォッシャノズル42Aとウォッシャノズル42Bとの一方)から洗浄液を噴射する構成であるが、往動時にPワイパアーム35が備えるウォッシャノズル42A及びウォッシャノズル42Bから洗浄液を噴射してもよい。また、復動時にPワイパアーム35が備えるウォッシャノズル42A及びウォッシャノズル42Bから洗浄液を噴射してもよい。この場合には、ウォッシャポンプ45の構成の簡素化を図ることができる。また、同様にDワイパブレード18が往復動する時に、ウォッシャノズル40A及びウォッシャノズル40Bから洗浄液を噴射してもよい。
また、本実施の形態では、第1モータ11の出力軸11A及び第2モータ12の出力軸12Aが正逆(往復)回転可能に制御されているが、これに限定されるものではない。例えば、出力軸11A及び出力軸12Aの一方が一方向に回転するものでもよい。
また、本実施の形態は、第1モータ11の出力軸11Aの回転により、Dワイパブレード18及びPワイパブレード36を上反転位置P1D、P1Pと下反転位置P2D、P2Pとの間で移動させる構成であるが、これに限定されることはない。例えば、第1モータ11として「運転席側第1モータ」と「助手席側第1モータ」とを備え、運転席側第1モータの回転によってDワイパブレード18を上反転位置P1Dと下反転位置P2Dとの間で移動させ、助手席側第1モータの回転によってPワイパブレード36を上反転位置P1Pと下反転位置P2Pとの間で移動させる構造でもよい。
また、本実施の形態では、Dワイパブレード18とPワイパブレード36とが下反転位置P2D、P2Pにて車幅方向に重ならない構造になっているが、これに限定されることはない。例えば、Pワイパブレード36のDワイパブレード36側を長く設定してもよい。換言すると、Pワイパブレード36のDワイパブレード18側が、当該Dワイパブレード18のPワイパブレード36側と重なるようにPワイパブレード36の長さを設定してもよい。これにより、往復動時に払拭範囲Z2を払拭する際に、ウィンドシールドガラス1の中央下側に残る払拭不能領域を少なくすることができる。
また、本実の施形態では、第1モータ11の出力軸11Aの所定回転角度における中間角度付近までの間でPワイパアーム35(Pワイパブレード36)を伸長させ、中間角度付近から所定回転角度までの間でPワイパアーム35(Pワイパブレード36)を縮小させる制御を行ったが、これに限定されることはない。例えば、Pワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに向かって払拭する際(往動払拭時)に、Pワイパアーム35が徐々に伸長するように制御してもよい。
なお、上記実施の形態では、レバー56Bを手前に1段階及び2段階引くことで、洗浄液を噴射しながら払拭する払拭範囲を切り替えていたが、これに限定されることはない。例えば、レバー56Bを手前に引くことで、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36が通常モードで作動しつつ、洗浄液を噴射し、拡大モードスイッチ56Aを押しつつレバー56Bを手前に引くことで、Pワイパアーム35及びPワイパブレード36が第1拡大払拭モードで作動しつつ、洗浄液を噴射するようにしてもよい。このようにすると、ウォッシャスイッチ58の構造の複雑化を抑制することができる。
〔第2の実施の形態〕
続いて本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るワイパシステムの構成は、車速センサ、レインセンサ、車載カメラ及び外気温センサをさらに備えるが、その他の構成は図1〜9に示した第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置2と基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。
車速センサ(図示せず)は、車両の車輪の回転数を検知し、当該回転数を示す信号を出力するセンサである。車両ECU54は、車速センサが出力した信号と車輪の周長から車速を算出する。
レインセンサ(図示せず)は、例えば、ウィンドシールドガラス1の車室内側に設けられる光学センサの一種であり、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を検知する。レインセンサは、一例として、赤外線の発光素子であるLED、受光素子であるフォトダイオード、赤外線の光路を形成するレンズ及び制御回路を含んでいる。LEDから放射された赤外線はウィンドシールドガラス1で全反射するが、ウィンドシールドガラス1の表面に水滴が存在すると赤外線の一部が水滴を透過して外部に放出されるため、ウィンドシールドガラス1での反射量が減少する。その結果、受光素子であるフォトダイオードに入る光量が減少する。かかる光量の減少に基づいて、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を検知する。
車載カメラ(図示せず)は、車両前方を撮影し、動画像のデータを取得する装置である。車両ECU54は、車載カメラで取得した動画像のデータの輝度から、車両前方の明るさを算出できる。また、外気温センサ(図示せず)は、車外の気温を検知するセンサである。
本実施の形態は、図9のステップ903に示した走行前拡大払拭モードで、レインセンサ及び車載カメラによってウィンドシールドガラス1上の付着物を検知し、当該付着物に応じた払拭を行うように第1モータ11及び第2モータ12を制御する。
以下、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置2の制御について説明する。図10は、本実施の形態に係るワイパ装置2における、ウィンドシールドガラス1の付着物に応じて往動時及び復動時のいずれかに拡大払拭を行う制御をする払拭モード制御処理の一例を示したフローチャートである。
ステップ100では、車両が停止中か否かを判定する。ステップ100では、一例として車速センサによって検出された車両の速度が0の場合に、肯定判定をする。ステップ100で肯定判定の場合には手順をステップ104に移行させ、ステップ100で否定判定の場合には、手順をステップ102に移行させて走行前拡大払拭モードをキャンセルして処理をリターンする。本実施の形態では、走行前拡大払拭モードで作動中であっても車速センサによって検知した車両速度が0より大きくなった場合に(車両が停止中ではなくなった場合)、走行前拡大払拭モードをキャンセルする。また、本実施の形態では、図10のステップ100に示した車両停止の判定ステップは、図10に示したフローのどこにあってもよい。走行前拡大払拭モードをキャンセルした後は、払拭範囲Z1を通常の払拭速度(低速)で少なくとも1回、Pワイパブレード36が下反転位置P2Pに到達するまで払拭する。
ステップ104ではレインセンサからの信号を取得し、ステップ106では車載カメラから画像データを取得する。さらにステップ108では外気温センサから、車外の気温を示す信号を取得する。
ステップ110では、レインセンサが、雨滴等の液体又は雪等の固形物を検知したか否かを判定する。前述のように、レインセンサは、車室側から車外に発した赤外線の反射量の変化によって、ウィンドシールドガラス1上の付着物を検知する。ステップ110では、レインセンサから発せられた赤外線の反射量に何らかの変化があった場合に、ウィンドシールドガラス1の表面に付着物が存在するとして、肯定判定をする。ステップ110で肯定判定の場合には、手順をステップ114に移行させる。ステップ110で否定判定の場合には、ステップ112で往動時に払拭範囲Z2を払拭させる拡大払拭を行い、かつ復動時に払拭範囲Z1を払拭させると共に洗浄液を噴射する通常払拭モードでの動作を行って処理をリターンする。なお、ステップ112の通常払拭モードでは、往動時に払拭範囲Z2を払拭し、復動時にも払拭範囲Z2を払拭してもよい。
ステップ114では、車載カメラから取得した画像データの最暗部の輝度が閾値輝度以上か否かを判定する。ウィンドシールドガラス1表面の付着物が、水滴、雪、霜、霙、融雪剤等の無色又は白色のものであれば、画像データの輝度は最暗部においても概して高めとなる。一方で、付着物が泥であれば、画像データ最暗部の輝度は水滴等の場合よりも低くなる。本実施の形態では、泥と水滴、雪、霜、霙、融雪剤等とを識別できるように、閾値画素を実機試験等を通じて具体的に決定する。
ステップ114で肯定判定の場合には、手順をステップ116に移行させる。ステップ114で否定判定の場合には、手順をステップ120に移行させる。
ステップ116では、外気温センサが検知した車外の気温が閾値温度以上か否かを判定する。閾値温度は、一例として、霜等が発生する4〜5℃である。ステップ116で肯定判定の場合には、ウィンドシールドガラス1表面の付着物は雨滴等の液体であると判定できる。従って、ステップ118では、往動時に払拭範囲Z2を払拭させる拡大払拭を行い、かつ復動時に払拭範囲Z1を払拭させると共に洗浄液を噴射しない雨払拭モードでの動作を行って処理をリターンする。なお、ステップ118の雨払拭モードでは、往動時に払拭範囲Z2を払拭し、復動時にも払拭範囲Z2を払拭してもよい。また、洗浄液を噴射しながら払拭してもよい。
ステップ114で否定判定の場合には付着物は泥であると判定でき、ステップ116で否定判定の場合には気温の低さから付着物は雪、霜、霙、融雪剤等であると判定できる。ステップ114で否定判定の場合も、ステップ116で否定判定の場合も、ウィンドシールドガラス1表面の付着物は固形物であると考えられる。従って、ステップ120では、往動時に払拭範囲Z1を払拭させる通常動作を行い、復動時に払拭範囲Z2を払拭させる拡大払拭を行うと共に洗浄液を噴射する雪・泥払拭モードでの動作を行って処理をリターンする。なお。雪払拭モードと泥払拭モードとを分けてもよい。一例として、雪払拭モードでは洗浄液を噴射せず、泥払拭モードでは洗浄液を噴射するようにしてもよい。
なお、すべてのモードで洗浄液を噴射するようにしてもよい。いかなるモードでも洗浄液を噴射する制御を実行することにより、制御フローを図10に示したものよりも単純化でき、制御部50の演算負荷を軽減できる。
または、ウィンドシールドガラス1上に付着物が存在しない場合及び付着物が雪または泥だった場合にのみ洗浄液を噴射することで、洗浄液の消費量を抑制するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、レインセンサ、車載カメラ、外気温センサを併用することにより、ウィンドシールドガラス1表面の付着物が雨滴等の液体か、雪又は泥等の固形物であるかを判定している。そして、当該判定に基づいて、ウィンドシールドガラス1表面の付着物に応じて往動時及び復動時のいずれかに拡大払拭を行う制御が可能になる。
ウィンドシールドガラス1表面の付着物を液体である雨滴と識別した場合には往動時に拡大払拭を行い復動時に通常動作を行うことにより、ウィンドシールドガラス1表面の助手席側に雨筋が発生することを防止する。往動時に払拭範囲を拡大した場合には助手席側のウィンドシールドガラス1表面に雨筋が発生する場合があるが、復動時に払拭範囲を拡大させない通常の払拭動作によって、発生した雨筋を払拭し、雨筋を構成していた水分を下反転位置の下方に排除することが可能になるからである。
また、ウィンドシールドガラス1表面の付着物を雪又は泥を含む固形物と識別した場合には、往動時に通常動作を行い復動時に拡大払拭を行うことにより、ウィンドシールドガラス1表面の運転席側に雪又は泥等の固形物が掃き寄せられることを防止する。往動時には運転席側のウィンドシールドガラス表面及びウィンドシールドガラスの上部表面に雪等の固形物が掃き寄せられる場合があるが、復動時に払拭範囲を拡大させる払拭動作によって、掃き寄せられた固形物を下反転位置の下方に排除することが可能になるからである。
2…車両用ワイパ装置、11…第1モータ、12…第2モータ、35…助手席側ワイパアーム(ワイパアーム)、36…助手席側ワイパブレード(ワイパブレード)、40A…ウォッシャノズル、40B…ウォッシャノズル、42A…ウォッシャノズル、42B…ウォッシャノズル、50…制御部、56…ワイパスイッチ、56A…拡大モードスイッチ、56B…レバー、60…イグニッションスイッチ(車両電源スイッチ)、62…シフト装置、64…アクセサリスイッチ(車両電源スイッチ)、66…ドア開閉スイッチ、70…外部端末

Claims (12)

  1. 第1モータに連結され、前記第1モータが作動することで往復回動されるワイパアームと、
    前記ワイパアームの先端部に連結され、前記ワイパアームが往復回動されることでウィンドシールドを払拭するワイパブレードと、
    前記ワイパアームに連結され、作動することで前記ワイパブレードによる前記ウィンドシールドの払拭範囲を可変させる第2モータと、
    前記第1モータ及び前記第2モータを制御すると共に、車両の走行開始前に前記第1モータ及び前記第2モータを作動させる制御部と、
    を備えた車両用ワイパ装置。
  2. 車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ車両電源スイッチ又はドア開閉スイッチがオンにされたときに、若しくは、車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ外部端末から前記制御部へ前記第1モータ及び前記第2モータを作動させる信号が入力されたときに、前記制御部が前記第1モータ及び前記第2モータを作動させる請求項1に記載の車両用ワイパ装置。
  3. 前記制御部は、第1モータを制御して、前記ワイパアームの回動を低速モードと高速モードとを含むモードに切替えると共に、車両の走行開始前に前記第1モータ及び前記第2モータを作動させるときには、前記ワイパアームの回動速度を前記低速モードの回動速度よりも低速にさせる請求項1又は請求項2に記載の車両用ワイパ装置。
  4. 前記ワイパアーム又は前記ワイパブレードには、前記ウィンドシールドに洗浄液を噴射するウォッシャノズルが設けられており、
    車両の走行開始前に前記第1モータ及び前記第2モータを作動させるときに、前記ウォッシャノズルから洗浄液が噴射される請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用ワイパ装置。
  5. 前記ウォッシャノズルは、前記ワイパブレードに対して払拭進行方向側へ洗浄液を噴射させる請求項4に記載の車両用ワイパ装置。
  6. 前記ウィンドシールドに赤外線を照射し、赤外線の反射量または透過量に基づいて前記ウィンドシールドの表面の付着物を検知する光学検知部と、
    車両の外気温度を検知する外気温検知部と、
    前記ウィンドシールドの画像データを取得する撮像部と、
    を含み、
    前記制御部は、前記光学検知部の検知結果と前記撮像部が取得した画像データと前記外気温検知部が検知した前記外気温度とに応じて前記第1モータ及び前記第2モータを作動させ、前記ウォッシャノズルから洗浄液を噴射させる請求項4又は5に記載の車両用ワイパ装置。
  7. 車両の走行開始前に、先端部にウィンドシールドを払拭するワイパブレードが連結されたワイパアームを往復回動させる第1モータを作動させると共に、前記ワイパブレードによる前記ウィンドシールドの払拭範囲を可変させる第2モータを作動させるモータ制御ステップを備えた車両用ワイパ装置の制御方法。
  8. 前記モータ制御ステップは、車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ車両電源スイッチ又はドア開閉スイッチがオンにされたときに、若しくは、車両のシフト装置のシフト位置がパーキング位置とされ且つ外部端末から前記第1モータ及び前記第2モータを作動させる信号が入力されたときに、前記第1モータ及び前記第2モータを作動させる請求項7に記載の車両用ワイパ装置の制御方法。
  9. 前記モータ制御ステップは、前記第1モータを制御して、前記ワイパアームの回動を低速モードと高速モードとを含むモードに切替え可能で、車両の走行開始前に前記第1モータ及び前記第2モータを作動させるときには、前記ワイパアームの回動速度を前記低速モードの回動速度よりも低速にさせる請求項7又は請求項8に記載の車両用ワイパ装置の制御方法。
  10. 前記モータ制御ステップは、車両の走行開始前に前記第1モータ及び前記第2モータを作動させるときに、前記ワイパアーム又は前記ワイパブレードに設けられたウォッシャノズルから洗浄液を噴射させる請求項7〜請求項9の何れか1項に記載の車両用ワイパ装置の制御方法。
  11. 前記モータ制御ステップは、前記ワイパブレードに対して払拭進行方向側へ前記ウォッシャノズルから洗浄液を噴射させる請求項10に記載の車両用ワイパ装置の制御方法。
  12. 前記モータ制御ステップは、前記ウィンドシールドに赤外線を照射し、赤外線の反射量または透過量に基づいて前記ウィンドシールドの表面の付着物を検知する光学検知部の検知結果と撮像部が取得した前記ウィンドシールドの画像データと外気温検知部が検知した車両の外気温度とに応じて前記第1モータ及び前記第2モータを作動させ、前記ウォッシャノズルから洗浄液を噴射させる請求項10又は11に記載の車両用ワイパ装置の制御方法。
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