JP2017124746A - 車両用ピラー構造 - Google Patents

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聡 舘
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Abstract

【課題】車室内から車両外側を視認したときの視認性を確保しつつ車両外側から車室内を視認したときの視認性を低下させる。
【解決手段】フロントピラー30では、ピラー部32が、透明部材42を積層した積層構造を成している。ここで、車両側面視において、透明部材42の積層方向に対して直交する方向に延びる第1基準線L1と、前後方向に沿って延びる線を第2基準線L2との成す角度が20°以上で且つ60°以下に設定されている。これにより、ピラー部を介して車室内から車両外側を視認したときの、ピラー部を透過する光の透過率を約50%以上に確保することができる。また、例えば、車両外側の人がピラー部を介して車室内を見下ろして視認するときには、車両外側の人の視線と第1基準線との成す角度が、0°以上で且つ20°未満となる範囲において、ピラー部を透過する光の透過率を約50%よりも小さくできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用ピラー構造に関する。
下記特許文献1に記載のフロントピラーでは、フロントピラーが透明の樹脂材によって構成されている。これにより、車室内からフロントピラーを介して車両外側を視認することができる。
特開2013−75661号公報
しかしながら、上記フロントピラーでは、フロントピラーが透明の樹脂材によって構成されているため、車両外側からも車室内を視認することができる。これにより、乗員のプライバシーに対する保護が低下するという問題がある。したがって、車両用ピラー構造では、車室内から車両外側を視認したときの視認性を確保しつつ車両外側から車室内を視認したときの視認性を低下させる構造にすることが望ましい。
本発明は、上記事実を考慮し、車室内から車両外側を視認したときの視認性を確保しつつ車両外側から車室内を視認したときの視認性を低下させることができる車両用ピラー構造を提供することが目的である。
請求項1に記載の車両用ピラー構造は、ウィンドシールドガラスの車幅方向外側端部に沿って延在され且つ透明部材を積層した積層構造を成すピラー部を有する車両用ピラー構造であって、車両側面視で、前記透明部材の積層方向に対して直交する方向に延びる線を第1基準線とし、前記第1基準線に交差し且つ車両前後方向に沿って延びる線を第2基準線として、前記第1基準線と前記第2基準線との成す角度が20°以上で且つ60°以下に設定されている。
請求項1に記載の車両用ピラー構造では、ウィンドシールドガラスの車幅方向外側端部に沿って延在されたピラー部が、透明部材を積層した積層構造を成している。そして、車両側面視において、透明部材の積層方向に対して直交する方向に延びる線を第1基準線とし、第1基準線に交差し且つ車両前後方向に沿って延びる線を第2基準線としている。
ところで、透明部材を積層したピラー部では、車両側面視でピラー部に光を第2基準線に沿って投光させたときの光の投光角度と、ピラー部を透過する光の透過率と、の関係が以下のようになることが判明された。なお、投光角度とは、車両側面視における第1基準線に対する光の投光角度であり、第1基準線が第2基準線に平行に配置されたときには、投光角度が0°となる。そして、投光角度が、0°以上で且つ20°よりも小さい範囲において、ピラー部を透過する光の透過率が、50%よりも小さくなり、投光角度が、20°以上で且つ60°以下において、光の透過率が50%以上になることが判明された。
ここで、第1基準線と第2基準線との成す角度が20°以上で且つ60°以下に設定されている。そして、車室内の乗員がピラー部を介して車両外側を車両前後方向に沿った視線で視認するときには、車両側面視で、乗員の視線が第2基準線と平行になるため、第1基準線と乗員の視線との成す角度が、第1基準線と第2基準線との成す角度となり、上記の投光角度とみなすことができる。そして、上述のように、第1基準線と第2基準線との成す角度が、20°以上で且つ60°以下に設定されている。このため、ピラー部を介して車室内から車両外側を視認したときの、ピラー部を透過する光の透過率を約50%以上に確保することができる。
一方、車両の外側近傍に位置する人が、例えば、ピラー部を介して車室内を見下ろして視認するときには、車両側面視で、車両外側の人の視線と第1基準線との成す角度が、比較的小さくなる。このため、当該角度が、0°以上で且つ20°未満となる範囲において、ピラー部を介して車両外側から車室内を視認した場合には、ピラー部を透過する光の透過率が約50%よりも小さくなる。これにより、車両外側から車室内を視認したときの視認性を低下させることができる。以上により、車室内から車両外側を視認したときの視認性を確保しつつ車両外側から車室内を視認したときの視認性を低下させることができる。
請求項1に記載の車両用ピラー構造によれば、車室内から車両外側を視認したときの視認性を確保しつつ車両外側から車室内を視認したときの視認性を低下させることができる。
図1は、本実施の形態に係る車両用ピラー構造が適用されたフロントピラーのピラー部における透明部材の積層方向を示す模式的な側面図である。 図2は、図1に示されるフロントピラーが適用された自動車のキャビン内の前部を示す模式的な平面図である。 図3は、図2に示される車両の全体を示す車両右側から見た側面図である。 図4は、図3に示されるピラー部を示す平断面図(図3の4−4線断面図)である。 図5(A)は、ピラー部に光を投光させたときの光の透過率の測定方法を説明するための説明図であり、図5(B)は、図5(A)に示される測定方法によって測定された光の投光角度と光の透過率との関係を示すグラフである。
以下、図面を用いて本実施の形態に係る車両用ピラー構造Sについて説明する。なお、図面において、適宜示される矢印FRは、車両用ピラー構造Sが適用された車両(自動車)Vの車両前側を示し、矢印UPは車両上側を示し、矢印RHは車両右側を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、車両左右方向(車幅方向)の左右、を示すものとする。
始めに車両用ピラー構造Sが適用された自動車Vの概略構成について説明する。図2には、自動車VにおけるキャビンC内(車室内)の前部が模式的な平面図にて示されている。この図に示されるように、キャビンCの前部における右側部には、運転席用の車両用シート10が配設されている。この車両用シート10は、乗員P(以下、「運転者P」という)が着座するシートクッション10Aと、運転者Pの背部を支えるシートバック10Bと、を含んで構成されており、シートバック10Bの下端部がシートクッション10Aの後端部に連結されている。
また、キャビンCの前部における左側部には、助手席用の車両用シート12が配設されている。この車両用シート12は、車両用シート10と同様に、シートクッション12Aと、シートバック12Bと、を含んで構成されている。以上により、自動車Vは、右ハンドル仕様の車両とされている。
自動車VのキャビンCの前端部には、ウィンドシールドガラス14が設けられている。このウィンドシールドガラス14は、透明板状に形成されると共に、車両側面視で上側へ向かうに従い後側へ傾斜して配置されている(図3参照)。また、ウィンドシールドガラス14は、車幅方向の中央部が前側へ凸に若干膨らむ湾曲形状に形成されている。そして、ウィンドシールドガラス14の車幅方向外側端部14Aが、後述するフロントピラー30のピラー部32に保持されている。また、ウィンドシールドガラス14の下端部が、車幅方向に沿って延在されたカウル16に接着剤(図示省略)で固定されており、カウル16は、キャビンCの前部を構成する図示しないダッシュパネルの上端部に沿って配設されている。また、ウィンドシールドガラス14の上端部は、キャビンCの上部を構成するルーフ18の前端部において、車両幅方向に沿って配設されたフロントヘッダ20に接着剤(図示省略)で固定されている。
また、図3に示されるように、キャビンCの側部には、透明板状のサイドドアガラス22が設けられている。そして、サイドドアガラス22の前端部22Aとウィンドシールドガラス14の車幅方向外側端部14Aとの間に、フロントピラー30が配設されている。
次に、本発明の要部であるフロントピラー30について説明する。図2に示されるように、フロントピラー30は、ウィンドシールドガラス14の車幅方向両側に一対設けられている。そして、運転席側(右側)のフロントピラー30と助手席側(左側)のフロントピラー30とでは、左右対称に構成されている。このため、以下の説明では、右側のフロントピラー30について説明し、左側のフロントピラー30についての説明は省略する。
フロントピラー30は透明の樹脂製とされている。また、フロントピラー30は、中実柱状のピラー部32を有しており、ピラー部32は、ウィンドシールドガラス14の車幅方向外側に配置されて、ウィンドシールドガラス14の車幅方向外側端部14Aに沿って延在されている。また、ピラー部32の上端側には、フロントピラー30の上端部を構成する上側取付部(図示省略)が設けられており、上側取付部が、フロントヘッダ20にブラケット等を介して取付けられている。また、ピラー部32の下端側には、フロントピラー30の下端部を構成する下側取付部(図示省略)が設けられており、下側取付部が、略上下方向に延在された金属製のフロントピラーロア(図示省略)の上端部に、取付けられている。
ピラー部32は、上述のように、ウィンドシールドガラス14の車幅方向外側端部14Aに沿って延在されている。このため、ピラー部32は、車両側面視で上側へ向かうに従い後側へ傾斜して配置されると共に、運転者Pから見て、前斜め右側に配置されている。これにより、運転者Pに対して前斜め右側の視界がピラー部32によって遮られる。しかしながら、詳細については後述するが、フロントピラー30は透明の樹脂製とされているため、運転者Pがピラー部32を介してキャビンC内から車両外側を視認できるように構成されている。
図4に示されるように、ピラー部32は、平断面視で略楕円形状に形成されている。具体的には、ピラー部32は、車両外側へ凸に湾曲された外側面34と、キャビンC側へ凸に湾曲された内側面36と、を含んで構成されている。また、ピラー部32は、外側面34及び内側面36を連結する一対の側面38、40を有している。
ピラー部32における車幅方向内側(換言すると、ウィンドシールドガラス14側)の側面38は、平断面視で、前側且つ車幅方向内側へ開放された略逆L字形状に形成されている。そして、側面38における内側面36に接続される面が、ウィンドシールドガラス14を保持する保持面38Aとされており、保持面38Aは、平断面視で、略車幅方向に沿って配置されている。
保持面38Aには、ウレタンシーラント等の接着剤50が直接塗布されており、当該接着剤50を介して、ウィンドシールドガラス14の車幅方向外側端部14Aが保持されている。この接着剤50は、伸縮性を有しており、ウィンドシールドガラス14とフロントピラー30との間をシールすると共に伸縮性を利用して気温の変化によるウィンドシールドガラス14とフロントピラー30との伸縮差を吸収する。さらに、ウィンドシールドガラス14の車幅方向外側端部14Aと保持面38Aとの間には、接着剤50に対して車幅方向外側の位置において、モールディング52が配設されている。そして、当該モールディング52によってウィンドシールドガラス14と保持面38Aとの間の隙間が埋められるようになっている。
一方、ピラー部32における車幅方向外側(換言すると、サイドドアガラス22側)の側面40は、平断面視で、後側且つ車幅方向外側へ開放された略L字形状に形成されている。側面40には、帯状のステンレス鋼等を折り曲げて形成されたリテーナ54が設けられており、当該リテーナ54は平断面視で車幅方向外側且つ後側へ開口された略U字状に形成されている。そして、当該リテーナ54の底壁が、外側面34に接続された側面40の面に、図示しないネジ等の締結部材によって固定されている。
また、リテーナ54には、ドアシール56が装着されており、ドアシール56は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)等の弾性部材で形成されている。これにより、ドアシール56が、リテーナ54を介して側面40に保持されると共に、サイドドアガラス22の前端部22Aがドアシール56を介して側面40に保持される構成になっている。
ここで、図1に示されるように、フロントピラー30(ピラー部32)は、透明の樹脂材(本実施の形態では、例えば、アクリル等の紫外線硬化樹脂)で構成された透明部材42をピラー部32の長手方向(図1の矢印A方向を参照)に積層した積層構造を成している。そして、フロントピラー30は、例えば、3Dプリンタを用いて製作されている。このフロントピラー30の製作手順の一例を簡単に説明すると、先ず、3Dプリンタのノズルから液状の紫外線硬化樹脂を吐出しながら、3Dプリンタのノズルを積層方向と直交する直交方向の一方側(図1の矢印B方向側)へ移動させる。そして、紫外線硬化樹脂の吐出後に、3Dプリンタのノズルを直交方向の他方側(図1の矢印C方向側)へ移動させて、吐出した紫外線硬化樹脂をローラ等で平胆状にならす。このとき、UVランプによって紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂を硬化させる。これにより、一層目の透明部材42が形成される。そして、上記と同様に手順によって、一層目の透明部材42上に2層目の透明部材42を形成して、複数の透明部材42を積層させる。これにより、複数の透明部材42が積層されたフロントピラー30が形成される。
また、本実施の形態では、車両側面視で、透明部材42の積層方向(図1の矢印A方向)に対して直交する方向(図1の矢印B及び矢印C方向)に沿って延びる線を第1基準線L1とし、第1基準線L1に交差し且つ前後方向に沿って延びる線(より詳しくは、運転者PのアイポイントEPを通過し前後方向に沿って延びる線)を第2基準線L2としている。さらに、車両側面視で、第1基準線L1と第2基準線L2との成す角度θ1(具体的には、第1基準線L1と第2基準線L2との成す角度における小さい方の角度)が、20°以上で且つ60°以下に設定されている。また、ピラー部32における各層の透明部材42の板厚は5mmに設定されている。なお、図2に示されるように、運転者PのアイポイントEPは、運転者Pの両眼の中間点であり、運転者Pの両眼を結ぶ線の中央点とされている。そして、運転者PのアイポイントEPの位置は、例えば、ダミー(一例として、欧米人型男性の体格の小さいほうから50%をカバーするAM50のダミー)を用いて、車両用シート10に着座したダミーの運転姿勢におけるアイポイントEPの位置に基づいて設定される。
次に、本実施の形態に係る車両用ピラー構造Sの作用・効果について説明する。
上記のように構成された車両用ピラー構造Sでは、フロントピラー30がピラー部32を有しており、ピラー部32は、ウィンドシールドガラス14の車幅方向外側端部14Aに沿って延在されている。これにより、ピラー部32が運転者Pに対して前斜め右側に配置されている。また、ピラー部32は、透明の透明部材42を積層した積層構造を成している。これにより、運転者Pがピラー部32を介してキャビンC内から車両外側を視認する。
ここで、ピラー部32では、車両側面視で、透明部材42の積層方向に対して直交する方向に延びる第1基準線L1と前後方向に沿って延びる第2基準線L2との成す角度θ1が、20°以上で且つ60°以下に設定されている。これにより、キャビンC内から車両外側を視認するときの視認性を確保しつつ車両外側から車室内を視認するときの視認性を低下させることができる。以下、この点について、図5(A)及び(B)を用いて説明する。
図5(A)は、ピラー部32に光を投光させたときの、ピラー部32を透過する光の透過率の測定方法を模式的に図示している。また、図5(B)は、図5(A)に示される測定方法によって、ピラー部32に光を投光させたときの光の投光角度θ2と、ピラー部32を透過する光の透過率と、の関係を示すグラフである。図5(A)に示される測定方法では、ピラー部32の後側に光源60を配置して、光源60から前側へ光を投光させる(換言すると、第2基準線L2に沿って光を投光させる)。そして、ピラー部32を透過した光の量を測定して、光の透過率を求めている。また、投光角度θ2とは、第1基準線L1に対する光の投光角度であり、この実験では、投光角度θ2を変化させて、各投光角度θ2におけるピラー部32を透過する光の透過率を測定している。具体的には、第1基準線L1が前後方向に沿う状態に(換言すると、上下方向をピラー部32の長手方向にして)ピラー部32を配置し(図5(A)において2点鎖線で示されるピラー部32の状態であり、以下、この状態を初期状態という)、初期状態からピラー部32を後斜め下側(図5(A)の矢印D方向側)へ傾けることで、投光角度θ2を変化させている。これにより、ピラー部32における初期状態(すなわち、第1基準線L1が第2基準線L2と平行に配置されたとき)では、投光角度が0°となる。そして、各投光角度θ2におけるピラー部32を透過する光の透過率を測定して、測定した結果を図5(B)のグラフに示している。なお、図5(B)に示されるグラフでは、横軸が光の投光角度θ2(°)とされ、縦軸が光の透過率(%)とされている。
そして、図5(B)のグラフに示されるように、投光角度θ2が0°〜10°の範囲において、光の透過率が約13%〜約18%となる。そして、光の投光角度θ2を10°から大きくすることで光の透過率が上がり、光の投光角度θ2が20°のときに、光の透過率が約58%になることが解る。また、投光角度θ2が30°〜40°の範囲において、光の透過率が最大となり、約70%まで上がることが解る。さらに、投光角度θ2を40°からさらに大きくすると、光の透過率が徐々に低下して、投光角度θ2が60°になると、光の透過率が約56%まで下がることが解る。以上により、投光角度θ2が20°以上で且つ60°以下の範囲において、光の透過率が50%以上になることが判明された。換言すると、投光角度θ2が0°以上で且つ20°よりも小さい範囲では、光の透過率が約50%よりも小さくなることが判明された。なお、投光角度θ2が0°以上で且つ20°よりも小さい範囲において光の透過率が低くなるのは、各層の透明部材42の境界部分における光の反射と回折とによって、透明部材42の積層方向に直交する方向の直線光が拡散することで、光の透過率が低くなるものと考えられる。
そして、図1に示されるように、運転者Pがピラー部32を介して前後方向に沿った視線E1で車両外側を視認するときには、車両側面視で運転者Pの視線E1と第2基準線L2とが一致する。このため、第1基準線L1と運転者Pの視線E1との成す角度が、第1基準線L1と第2基準線L2との成す角度θ1と一致すると共に、上記の投光角度θ2とみなすことができる。そして、上述のように、本実施の形態では、第1基準線L1と第2基準線L2との成す角度θ1が、20°以上で且つ60°以下に設定されている。このため、キャビンC内から車両外側を見たときの、ピラー部32を透過する光の透過率を約50%以上に確保することができる。これにより、ピラー部32を介してキャビンC内から車両外側を視認したときの視認性を確保することができる。
一方、図1に示されるように、自動車Vの車両外側近傍に位置する人が、例えば、ピラー部32を介してキャビンC内を見下ろして視認するときには、車両外側の人の視線E2と第1基準線L1との成す角度θ3が、比較的小さくなる。このため、当該角度θ3が、0°以上で且つ20°未満となる範囲において、ピラー部32を介して車両外側からキャビンC内を視認した場合には、ピラー部32を透過する光の透過率が約50%よりも小さくなる。これにより、ピラー部32を介して車両外側からキャビンC内を視認したときの視認性が低下する。以上により、本実施の形態の車両用ピラー構造Sによれば、キャビンC内から車両外側を視認したときの視認性を確保しつつ車両外側からキャビンC内を視認したときの視認性を低下させることができる。したがって、ピラー部32を透明部材42で構成しても、キャビンCの乗員に対するプライバシー保護に寄与することができる。
また、本実施の形態の車両用ピラー構造Sによれば、上述のように、第1基準線L1に沿った方向からピラー部32を視認するときには、ピラー部32を透過する光の透過率が約13%に低下する。このため、車両側面視で、ピラー部32に対して上斜め前方からピラー部32へ入射される太陽光が、ピラー部32を介してキャビンC内へ透過することを抑制できる。これにより、太陽光に対する防眩性に寄与することができる。
なお、本実施の形態では、ピラー部32が中実柱状に形成されているが、ピラー部32を中空柱状に形成してもよい。
また、本実施の形態では、ピラー部32の長手方向に透明部材42を積層しているが、各種車両に対応して、透明部材42の積層方向とピラー部32の長手方向とを異なる方向に設定してもよい。
また、本実施の形態では、ピラー部32における透明部材42の板厚が5mmに設定されているが、透明部材42の板厚は任意に設定することができる。
また、本実施の形態では、車両用ピラー構造Sをフロントピラー30に適用して例として説明したが、車両用ピラー構造Sの適用はこれに限らない。例えば、図示は省略するが、キャビンCの後部に設けられたリヤのウィンドシールドガラスと、キャビンCの側部に設けられたサイドドアガラスとの間に配設されたリヤピラーに、車両用ピラー構造Sを適用させてもよい。
また、本実施の形態では、車両用ピラー構造Sが右ハンドル仕様の自動車Vに適用されているが、車両用ピラー構造Sを左ハンドル仕様の自動車に適用してもよい。
14 ウィンドシールドガラス
14A ウィンドシールドガラスの車幅方向外側端部
32 ピラー部
42 透明部材
θ1 第1基準線と第2基準線との成す角度
L1 第1基準線
L2 第2基準線
S 車両用ピラー構造

Claims (1)

  1. ウィンドシールドガラスの車幅方向外側端部に沿って延在され且つ透明部材を積層した積層構造を成すピラー部を有する車両用ピラー構造であって、
    車両側面視で、前記透明部材の積層方向に対して直交する方向に延びる線を第1基準線とし、前記第1基準線に交差し且つ車両前後方向に沿って延びる線を第2基準線として、
    前記第1基準線と前記第2基準線との成す角度が20°以上で且つ60°以下に設定されている車両用ピラー構造。
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