JP2017123251A - 固体高分子型燃料電池用シール剤 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用シール剤 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱水性に優れ、固体高分子型燃料電池を長期間駆動させてもシール性が低下してしまうことがない固体高分子型燃料電池用シール剤を提供する。
【解決手段】多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物、重合開始剤及びチタンカップリング剤を含有する固体高分子型燃料電池用シール剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱水性に優れ、固体高分子型燃料電池を長期間駆動させてもシール性が低下してしまうことがない固体高分子型燃料電池用シール剤に関する。
固体高分子型燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムとして、次世代の電源として注目されている。
固体高分子型燃料電池において、固体高分子電解質膜は、供給される燃料ガスと酸化ガスとを隔てる役割も果たしている。また、ガスセパレータは隣接する単セル間でガスが混合するのを防いでいる。従って、燃料ガスと酸化ガスとの混合を防ぐには、各単セルの周辺部で、固体高分子電解質膜とガスセパレータとの間のシール性を充分に確保することが重要となる。
固体高分子電解質膜とガスセパレータとの間のシールには、接着剤成分を含有する固体高分子型燃料電池用シール剤が用いられる。しかしながら、固体高分子電解質膜は、通常、パーフルオロアルキル基を主鎖とするフッ素系樹脂からなるものであるため、従来の固体高分子型燃料電池用シール剤では接着性が不充分であるという問題があった。
これに対して特許文献1には、良好なシール性を達成する方法として、熱圧着により固体高分子電解質膜を接着させる方法が開示されている。また、特許文献2には、固体高分子電解質膜の表面をイオン交換処理することにより、接着性を向上させる方法が開示されている。更に、特許文献3には、接着剤にフッ素原子含有アクリルモノマーを配合することにより、接着性を向上させる方法が開示されている。
しかしながら、いずれの方法も、固体高分子電解質膜とガスセパレータとの間を確実にシールすることは困難であった。とりわけ、固体高分子型燃料電池を長時間駆動したときに、固体高分子型燃料電池用シール剤は95℃程度の熱水に晒されるが、このような熱水環境下において水素漏れが発生しないように高いシール性を維持することは困難であった。
特開平6−119928号公報 特開平9−199145号公報 特開2004−269782号公報
本発明は、上記現状に鑑み、耐熱水性に優れ、固体高分子型燃料電池を長期間駆動させてもシール性が低下してしまうことがない固体高分子型燃料電池用シール剤を提供することを目的とする。
本発明は、多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物、重合開始剤及びチタンカップリング剤を含有する固体高分子型燃料電池用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物と重合開始剤を含有する接着剤組成物に、更にチタンカップリング剤を配合することにより、フッ素系樹脂からなる固体高分子電解質膜に対して高い接着性を発揮することができ、固体高分子型燃料電池を長時間駆動して95℃程度の熱水に晒された場合にでも確実にシールして水素漏れを生じない固体高分子型燃料電池用シール剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
この理由については必ずしも明らかではないが、チタンカップリング剤を配合することにより固体高分子電解質膜への密着性が向上するとともに、チタンカップリング剤が多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物中の水酸基と結合することにより樹脂の疎水性が向上し、接着界面への水分の侵入が妨げられるためではないかと考えられる。
本発明の固体高分子型燃料電池用シール剤(以下、単に「シール剤」ともいう。)は、多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物を含有する。
上記多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物は特に限定されないが、主鎖中に加水分解性結合を有しないものであることが好ましい。多官能(メタ)アクリレート樹脂が主鎖中にエステル結合やウレタン結合を含む場合には、燃料電池の通常の駆動条件下で長期間駆動させると、加水分解を受け、樹脂が軟化したり、溶出してしまったりして、シール性が低下してしまうことがある。主鎖中に加水分解性結合を有しない多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物を用いることにより、加水分解によるシール性の低下を防止することができる。
なお、本明細書において「主鎖中に加水分解性結合を有しない」とは、主鎖となる骨格にエステル結合やウレタン結合等の加水分解性結合がないことを意味する。
上記主鎖中に加水分解性結合を有しない多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物としては特に限定されないが、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ビスフェノールE型エポキシアクリレート、ビスフェノールF型エポキシアクリレート、水添フタル酸型エポキシアクリレート、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート、フェノールノボラック型エポキシアクリレート、レゾルシン型エポキシアクリレート、テクモア型エポキシアクリレート等が挙げられる。これらの多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上記主鎖中に加水分解性結合を有しない多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物としては、重量平均分子量の調整が容易であることから、下記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物が好適である。
Figure 2017123251
式(1)中、X、Y、Zは、エステル結合、ウレタン結合を含有せず、シクロアルカン構造や芳香環構造を含んでもよいアルキレン基を表し、Rは不飽和二重結合を有する基を表し、nは1以上の整数を表す。
上記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物は、多官能エポキシ化合物と多官能チオール化合物との反応によって得られた反応生成物に、少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物とを反応させることにより製造することができる。
上記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物において、Xは、原料となる多官能エポキシ化合物(例えば、CHOCH−X−CHOCH)に由来する構造である。即ち、原料となる多官能エポキシ化合物のエポキシ基を除いた構造が、上記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物の主鎖を構成するXとなる。
上記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物が二官能エポキシ化合物に由来するXを含有する場合には、主鎖が直線状の柔軟な骨格となるため、得られる本発明のシール剤は柔軟で接着性に優れるものとなり、より確実なシールを行うことができる。また、ゲル化しにくく貯蔵安定性に優れるシール剤を得ることができる。
また、主鎖の一部に分岐構造を有する上記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物とする場合には、三官能以上のエポキシ化合物を併用する。
上記二官能エポキシ化合物は特に限定されないが、例えば、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,7−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、下記式(2)で表される化合物等の二官能エポキシ化合物が挙げられる。これらの二官能エポキシ化合物は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上記三官能以上のエポキシ化合物は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジグリシジルエーテル等のポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物が挙げられる。これらの三官能以上のエポキシ化合物は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
Figure 2017123251
式(2)中、Rは、水素又はメチル基を表す。
上記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物がポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物に由来するXを含有することにより、得られる多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物は主鎖中にエーテル骨格を有することとなる。このような主鎖中にエーテル骨格を有する多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物を用いれば、より高い柔軟性と、より高い接着性を発揮することができ、より確実なシールを行うことができる。
上記ポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物の分子量の好ましい下限は500、好ましい上限は5000であり、より好ましい下限は1000、より好ましい下限は3000である。上記ポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物の分子量がこの範囲内であると、特に高い柔軟性と、特に高い接着性を発揮することができる。
上記多官能エポキシ化合物として、上記1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル等とポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物とを併用することにより、更に高い接着性を発揮できるシール剤を得ることができる。
上記1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル等とポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物とを併用する場合、上記多官能エポキシ化合物中に占める上記ポリエーテルポリオールジグリシジルエーテルの含有量の好ましい下限は20重量%、好ましい上限は80重量%である。上記ポリエーテルポリオールジグリシジルエーテルの含有量がこの範囲内であると、特に高い硬化性と接着性とを両立することができる。
上記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物において、Yは、原料となる多官能チオール化合物(例えば、HS−Y−SH)に由来する構造である。即ち、原料となる多官能チオール化合物のチオール基を除いた構造が、上記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物の主鎖を構成するYとなる。
上記多官能チオール化合物は特に限定されないが、例えば、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(ジイソプロピルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジ(2−エチルヘキシル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(4−ビニルベンジル−n−プロピル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、3,9−ビス(2−メルカプトエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の二官能チオール化合物が挙げられる。これらの二官能チオール化合物は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
なお、主鎖の一部に分岐構造を有する上記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物とする場合には、三官能以上のチオール化合物を併用する。
上記多官能エポキシ化合物と上記多官能チオール化合物とを反応させる方法は特に限定されず、例えば、上記多官能エポキシ化合物1moLに対して上記多官能チオール化合物を1.1〜1.7moLの割合で混合した後、メタノールに溶解し、30〜110℃で2〜24時間撹拌することにより反応生成物を得ることができる。この際、上記多官能エポキシ化合物と多官能チオール化合物の反応性向上の観点から、トリス(ジメチルアミノ)フェノール等の三級アミンを触媒として加えてもよい。このような反応によれば、得られる反応生成物は、末端がチオール基であるものとなる。
上記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物において、Zは、原料となる少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物(R−Z−CHOCH)に由来する構造である。即ち、原料となる少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物のエポキシ基及び不飽和二重結合を有する基を除いた構造が、上記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物の末端部を構成するZとなる。
上記少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物としては特に限定されないが、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。なかでもより高い硬化性を発揮できることから、不飽和二重結合を有する基として(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。
上記多官能エポキシ化合物と上記多官能チオール化合物との反応によって得られた反応生成物に、少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物とを反応させる方法は特に限定されず、例えば、上記反応生成物と、少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物を混合した後、30〜110℃で2〜24時間撹拌する方法等が挙げられる。この際、上記反応生成物と、少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物の反応性向上の観点から、トリス(ジメチルアミノ)フェノール等の三級アミンを触媒として加えてもよい。
上記多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物は、重量平均分子量の好ましい下限が8000、好ましい上限が60000である。燃料電池は寒冷地や暑熱地等の環境下でも使用されるが、上記重量平均分子量がこの範囲内であると、広い温度範囲において高い接着性を発揮することができ、確実なシールを行うことができる。上記重量平均分子量のより好ましい下限は20000、より好ましい上限は50000である。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。上記重量平均分子量は、例えば、島津製作所社製「Prominence GPCシステム」にて、溶媒THF、流量1mL/分、検出器:示差屈折にて測定することができる。
本発明のシール剤は、重合開始剤を含有する。
上記重合開始剤として熱重合開始剤を選択することにより本発明のシール剤を熱硬化型とすることができ、光重合開始剤を選択することにより本発明のシール剤を光硬化型とすることができる。
上記熱重合開始剤としては、例えば、熱ラジカル発生剤、熱カチオン発生剤等が挙げられる。なかでも、より高い硬化性が得られることから、熱ラジカル発生剤が好適である。
上記熱ラジカル発生剤としては特に限定されず、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、tert−ヘキシルハイドロパーオキサイド又はtert−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイドや、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの熱ラジカル発生剤は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上記熱ラジカル発生剤は、1分間半減期温度の好ましい下限が110℃、好ましい上限が170℃である。上記1分間半減期温度がこの範囲内であると、高い貯蔵安定性を発揮できるとともに、被着体に対して影響の少ない温度での熱硬化が可能となる。上記1分間半減期温度のより好ましい下限は120℃、より好ましい上限は160℃である。
本発明のシール剤において、上記多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物100重量部に対する上記重合開始剤の含有量の好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は5重量部である。上記重合開始剤の含有量がこの範囲内であると、確実かつ充分に硬化させることができる。上記重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は2.5重量部である。
本発明のシール剤は、チタンカップリング剤を含有する。チタンカップリング剤を含有することにより、フッ素系樹脂からなる固体高分子電解質膜に対して高い接着性を発揮することができ、固体高分子型燃料電池を長時間駆動して95℃程度の熱水に晒された場合にでも確実にシールして水素漏れを防止することができる。
上記チタンカップリング剤としては特に限定されず、例えば、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2’−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、チタンテトラノルマルブトキシド、ブチルチタネートダイマー、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート、リン酸チタン化合物、チタンアルコキシド系オリゴマー等が挙げられる。これらのチタンカップリング剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記チタンカップリング剤の市販品としては、例えば、いずれもマツモトファインケミカル社製のTA−21(チタンテトラノルマルブトキシド)、TA−23(ブチルチタネートダイマー)、TC−100(チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート))、TC−750(チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート))、TC−1040(リン酸チタン化合物)、PC−200(チタンアルコキシド系オリゴマー)等が挙げられる。
本発明のシール剤において、上記多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物100重量部に対する上記チタンカップリング剤の含有量の好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は5重量部である。上記チタンカップリング剤の含有量がこの範囲内であると、フッ素系樹脂からなる固体高分子電解質膜に対して特に高い接着性を発揮することができ、固体高分子型燃料電池を長時間駆動して95℃程度の熱水に晒された場合にでもより確実にシールして水素漏れを防止することができる。上記チタンカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明のシール剤は、更に、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤を含有することにより、フッ素系樹脂からなる固体高分子電解質膜に対してより高い接着性を発揮することができる。
上記シランカップリング剤としては特に限定されず、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明のシール剤において、上記多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物100重量部に対する上記シランカップリング剤の含有量の好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は5重量部である。上記シランカップリング剤の含有量がこの範囲内であると、フッ素系樹脂からなる固体高分子電解質膜に対して特に高い接着性を発揮することができる。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明のシール剤は、必要に応じて、無機フィラー、有機フィラー、遮光剤、反応性希釈剤、スペーサー、消泡剤、レベリング剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
本発明のシール剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、上記多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物、重合開始剤、チタンカップリング剤と、必要に応じて添加する添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の固体高分子型燃料電池用シール剤は、耐熱水性に優れ、固体高分子型燃料電池を長期間駆動させてもシール性が低下してしまうことがないことから、固体高分子型燃料電池における、セパレータ/ガスケット間、又は、ガスケット/固体電解質膜間をシールするためのシール剤として極めて有用である。
本発明によれば、耐熱水性に優れ、固体高分子型燃料電池を長期間駆動させてもシール性が低下してしまうことがない固体高分子型燃料電池用シール剤を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物としてEBECRYL3700(ダイセル・オルネクス社製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート)100重量部、熱重合開始剤(日油社製「パーブチルO」、1分間半減期温度134.0℃)1重量部、及び、チタンカップリング剤としてTA−21(マツモトファインケミカル社製、チタンテトラノルマルブトキシド)0.5重量部を遊星式撹拌装置で混合及び脱泡することによりシール剤を得た。
(実施例2〜10、比較例1〜5)
多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物、チタンカップリング剤及びシランカップリング剤の種類及び配合量を表1及び表2のようにした以外は実施例1と同様にしてシール剤を得た。
なお、表1及び表2における各材料は以下のようである。
<多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物>
EBECRYL3701:ダイセル・オルネクス社製、変性エポキシアクリレート
EBECRYL3708:ダイセル・オルネクス社製、変性エポキシアクリレート
合成例1:以下の方法にて合成したもの。
(合成例1)
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル10.9gと分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールジグリシジルエーテル109.5gと、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール29.6gとを3つ口フラスコに秤量し、メタノール20mLに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃で7時間反応させた。
真空条件下30℃でメタノールを除去後に、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル14.5gを添加し、30℃で6時間反応させることにより、上記一般式(1)を満たす多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物を得た。
得られた多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量は40000であった。
<チタンカップリング剤>
TA−23:マツモトファインケミカル社製、ブチルチタネートダイマー
TC−100:マツモトファインケミカル社製、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート
TC−750:マツモトファインケミカル社製、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート
TC−1040:マツモトファインケミカル社製、リン酸チタン化合物
PC−200:マツモトファインケミカル社製、チタンアルコキシド系オリゴマー
<シランカップリング剤>
E0327:東京化成社製、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
(評価)
実施例及び比較例で得られたシール剤について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1及び表2に示した。
(1)硬化性の評価
厚み127μm、大きさ2cm×7cmの固体電解質膜(デュポン社製、ナフィオン品番115)上にシール剤を塗布し、その上に同じ固体電解質膜を載せ、その上から平滑なプレートで押さえつけて、シール剤の厚みが80μmとなるようにした積層体を得た。得られた積層体を圧力1MPa、温度140℃で10秒間及び60秒間熱硬化させて試験片を得た。
得られた試験片について、オリエンテック社製「テンシロンUTA−500」を用いて、23℃の雰囲気下、引っ張り速度300mm/分の条件で180°剥離強度を測定した。
2種の硬化時間での180°剥離強度をもとに、下記式に従い硬化性を算出し、以下の基準により評価した。
硬化性(%)=(硬化時間10秒での180°剥離強度)×100/(硬化時間30秒での180°剥離強度)
○○:硬化性が95%以上
○:硬化性が90%以上、95%未満
△:硬化性が85%以上、90%未満
×:硬化性が85%未満
(2)接着性の評価
厚み127μm、大きさ2cm×7cmの固体電解質膜(デュポン社製、ナフィオン品番115)上にシール剤を塗布し、その上に同じ固体電解質膜を載せ、その上から平滑なプレートで押さえつけて、シール剤の厚みが80μmとなるようにした積層体を得た。得られた積層体を圧力1MPa、温度140℃で10秒間熱硬化させて接着試験片を得た。
得られた接着試験片を用いて、オリエンテック社製「テンシロンUTA−500」を用い、100℃の雰囲気下で引っ張り速度300mm/分の条件で180°剥離強度を測定した。接着性を以下の基準で判定した。
同様の試験を、試験片を95℃の熱水に500時間及び1000時間浸漬した後においても行った。
○○○○:180°ピール強度が0.6N/mm以上
○○○:180°剥離強度が0.4N/mm以上、0.6N/mm未満
○○:180°剥離強度が0.2/mm以上、0.4N/mm未満
○:180°剥離強度が0.05N/mm以上、0.2N/mm未満
×:180°剥離強度が0.05N/mm未満
(3)耐加水分解性の評価
テフロン(登録商標)シート上に得られたシール剤を塗布し、その上にテフロン(登録商標)シートをのせ、その上から平滑なプレートで押さえつけて、シール剤の厚さが500μmとなるようにした積層体を得た。得られた積層体を圧力1MPa、温度140℃で10秒間熱硬化させて加水分解試験片を得た。
得られた加水分解試験片を85℃、85%RHの条件下、200時間湿熱試験を行い、湿熱試験前後の硬化物のゲル分率を測定した。
なお、ゲル分率は、加水分解試験片0.5gを、23℃のトルエン中に24時間浸漬し、130℃、1時間乾燥させた後の重量減少から算出した。
湿熱試験前後の硬化物のゲル分率をもとに、下記式に従い耐加水分解性を算出し、以下の基準により評価した。
耐加水分解性(%)=(湿熱試験後の硬化物のゲル分率)×100/(湿熱試験前のゲル分率)
○○:耐加水分解性が95%以上
○:耐加水分解性が90%以上、95%未満
△:耐加水分解性が85%以上、90%未満
×:耐加水分解性が85%未満
Figure 2017123251
Figure 2017123251
本発明によれば、耐熱水性に優れ、固体高分子型燃料電池を長期間駆動させてもシール性が低下してしまうことがない固体高分子型燃料電池用シール剤を提供することができる。

Claims (6)

  1. 多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物、重合開始剤及びチタンカップリング剤を含有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用シール剤。
  2. 多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物は、主鎖中に加水分解性結合を有しない多官能(メタ)アクリレート樹脂であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池用シール剤。
  3. 主鎖中に加水分解性結合を有しない多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物は、下記一般式(1)で表される多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項2記載の固体高分子型燃料電池用シール剤。
    Figure 2017123251
    式(1)中、X、Y、Zは、エステル結合、ウレタン結合を含有せず、シクロアルカン構造や芳香環構造を含んでもよいアルキレン基を表し、Rは不飽和二重結合を有する基を表し、nは1以上の整数を表す。
  4. 多官能(メタ)エポキシアクリレート化合物は、重量平均分子量が8000〜60000であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の固体高分子型燃料電池用シール剤。
  5. 重合開始剤は、熱ラジカル発生剤であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の固体高分子型燃料電池用シール剤。
  6. 多官能エポキシ(メタ)アクリレート化合物100重量部に対するチタンカップリング剤の含有量が0.1〜5重量部であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の固体高分子型燃料電池用シール剤。
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