JP2017122163A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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秀文 保井
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Abstract

【課題】光硬化、熱硬化のいずれにも優れた硬化性を有し、ポリエチレンテレフタレート等の難接着基材への接着力に優れ、かつ、耐加水分解性に優れる硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物と、重合開始剤とを含有する硬化性樹脂組成物。[化1]式(1)中、X、Y、Zは、エステル結合、ウレタン結合を含有せず、シクロアルカン構造や芳香環構造を含んでもよいアルキレン基を表し、Rは、不飽和二重結合を有する基を表し、nは1以上の整数を表す。【選択図】 なし

Description

本発明は、光硬化、熱硬化のいずれにも優れた硬化性を有し、ポリエチレンテレフタレート等の難接着基材への接着力に優れ、かつ、耐加水分解性に優れる硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物に関する。
硬化性樹脂組成物は、印刷版、インキ、塗料、接着剤、表面処理剤、光学レンズ材料、光ファイバーコーティング、三次元造形、ホログラフィー記録材料、プリント配線板やIC等の電子材料、及び、電池材料等の様々な用途に広く使用されている。ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂やウレタン(メタ)アクリレート樹脂等の多官能(メタ)アクリレート樹脂は、優れた硬化性を発揮できることから、硬化性樹脂組成物の硬化成分として用いられている。
しかしながら、多官能(メタ)アクリレート樹脂は主鎖中にエステル結合やウレタン結合を含むため、その硬化物を高温高湿下に放置すると、加水分解を受けて、軟化したり、溶出してしまったりするという問題があった。
これに対して特許文献1には、分子内に重合性二重結合基が結合した1,3,4−チアジアゾール基を2個以上有する多官能性モノマーを含有する硬化性樹脂組成物が記載されている。特許文献1に記載された硬化性樹脂組成物は、優れた硬化性と耐加水分解性とを両立しているとされている。
しかしながら、特許文献1に記載された多官能性モノマーは、チアジアゾール基の熱分解温度が低く(分解温度150〜156℃)、熱硬化時の加熱や硬化発熱の影響により樹脂が熱分解を起こすことから、熱硬化性樹脂組成物への適用が困難であり、用途が限定されるという問題があった。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の難接着基材への接着力が低いという問題もあった。
特開2011−052133号公報
本発明は、上記現状に鑑み、光硬化、熱硬化のいずれにも優れた硬化性を有し、ポリエチレンテレフタレート等の難接着基材への接着力に優れ、かつ、耐加水分解性に優れる硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物と、重合開始剤とを含有する硬化性樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
Figure 2017122163
式(1)中、X、Y、Zは、エステル結合、ウレタン結合を含有せず、シクロアルカン構造や芳香環構造を含んでもよいアルキレン基を表し、Rは、不飽和二重結合を有する基を表し、nは1以上の整数を表す。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化成分として上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物を含有する。
上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物は、主鎖中にエステル結合やウレタン結合等の加水分解性基を有しないことから、その硬化物は耐加水分解性に優れ、高温高湿下に放置しても軟化したり、溶出してしまったりすることがない。また、主鎖中にチアジアゾール基等の熱分解温度が低い基を有しないことから、光硬化型のみならず、熱硬化型の硬化性樹脂組成物としても好適に用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の難接着基材へも高い接着力を発揮することができる。更に、優れた硬化性を示すとともに、硬化性基を末端のみに有することから、硬化時の硬化収縮が小さい。
なお、上記一般式(1)は、主鎖が直線状で表されているが、一部に分岐構造があってもよい。
上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物は、多官能エポキシ化合物と多官能チオール化合物との反応によって得られた反応生成物に、少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物とを反応させることにより製造することができる。
上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物において、Xは、原料となる多官能エポキシ化合物(例えば、CHOCH−X−CHOCH)に由来する構造である。即ち、原料となる多官能エポキシ化合物のエポキシ基を除いた構造が、上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物の主鎖を構成するXとなる。
上記多官能エポキシ化合物は特に限定されないが、例えば、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,7−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、下記式(2)で表される化合物等の二官能エポキシ化合物が挙げられる。これらの二官能エポキシ化合物は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物が二官能エポキシ化合物に由来するXを含有することにより、主鎖が直線状の柔軟な骨格となるため、得られる本発明の硬化性樹脂組成物は柔軟で接着性に優れる硬化物を与えることができる。また、ゲル化しにくく貯蔵安定性に優れる硬化性樹脂組成物を得ることができる。
なお、主鎖の一部に分岐構造を有する上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物とする場合には、三官能以上のエポキシ化合物を併用する。
Figure 2017122163
式(2)中、Rは、水素又はメチル基を表す。
上記二官能エポキシ化合物としては、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジグリシジルエーテル等のポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物を用いることもできる。これらのポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物がポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物に由来するXを含有することにより、一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物は主鎖中にエーテル骨格を有することとなり、これを含有する硬化性樹脂組成物は、より高い柔軟性と、より高い接着性を発揮することができる。
上記ポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物の分子量の好ましい下限は500、好ましい上限は5000であり、より好ましい下限は1000、より好ましい上限は3000である。上記ポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物の分子量がこの範囲内であると、特に高い柔軟性と、特に高い接着性を発揮することができる。
上記多官能エポキシ化合物として、上記1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル等とポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物とを併用することにより、更に高い接着性を発揮できる硬化性樹脂組成物を得ることができる。
上記1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル等とポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物とを併用する場合、上記多官能エポキシ化合物中に占める上記ポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物の含有量の好ましい下限は20重量%、好ましい上限は80重量%である。上記ポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物の含有量がこの範囲内であると、特に高い硬化性と接着性とを両立することができる。
上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物において、Yは、原料となる多官能チオール化合物(例えば、HS−Y−SH)に由来する構造である。即ち、原料となる多官能チオール化合物のチオール基を除いた構造が、上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物の主鎖を構成するYとなる。
上記多官能チオール化合物は特に限定されないが、例えば、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(ジイソプロピルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジ(2−エチルヘキシル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(4−ビニルベンジル−n−プロピル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、3,9−ビス(2−メルカプトエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の二官能チオール化合物が挙げられる。これらの二官能チオール化合物は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
なお、主鎖の一部に分岐構造を有する上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物とする場合には、三官能以上のチオール化合物を併用する。
上記多官能エポキシ化合物と上記多官能チオール化合物とを反応させる方法は特に限定されず、例えば、多官能エポキシ化合物1molに対して多官能チオール化合物を1.1〜1.7molの割合で混合後、メタノールに溶解し、30〜110℃で2〜24時間撹拌することにより反応生成物を得ることができる。上記多官能エポキシ化合物と多官能チオール化合物の反応性向上の観点から、トリス(ジメチルアミノ)フェノール等の三級アミンを触媒として加えてもよい。このような反応によれば、得られる反応生成物は、末端がチオール基であるものとなる。
上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物において、Zは、原料となる少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物(R−Z−CHOCH)に由来する構造である。即ち、原料となる少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物のエポキシ基及び不飽和二重結合を有する基を除いた構造が、上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物の末端部を構成するZとなる。
上記少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物としては特に限定されないが、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。なかでもより高い硬化性を発揮できることから、不飽和二重結合を有する基として(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。
上記多官能エポキシ化合物と上記多官能チオール化合物との反応によって得られた反応生成物に、少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物とを反応させる方法は特に限定されず、例えば、上記反応生成物と少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物を混合後、30〜110℃で2〜24時間撹拌する方法等が挙げられる。上記反応生成物と少なくともエポキシ基と不飽和二重結合を有する基とを有する化合物の反応性向上の観点から、トリス(ジメチルアミノ)フェノール等の三級アミンを触媒として加えてもよい。
上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物は、重量平均分子量の好ましい下限が8000、好ましい上限が60000である。上記重量平均分子量がこの範囲内であると、他の成分に対する高い相溶性を発揮することができ、より高い接着性を得ることができる。上記重量平均分子量のより好ましい下限は20000、より好ましい上限は50000である。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。上記重量平均分子量は、例えば、島津製作所社製「Prominence GPCシステム」にて、溶媒THF、流量1mL/分、検出器:示差屈折にて測定することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、重合開始剤を含有する。
上記重合開始剤として熱重合開始剤を選択することにより本発明の硬化性樹脂組成物を熱硬化型とすることができ、光重合開始剤を選択することにより本発明の硬化性樹脂組成物を光硬化型とすることができる。なお、本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性成分として上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物を用いることから、熱硬化型の硬化性樹脂組成物としても好適に用いることができる。
上記熱重合開始剤としては、例えば、熱ラジカル発生剤、熱カチオン発生剤等が挙げられる。なかでも、より高い硬化性が得られることから、熱ラジカル発生剤が好適である。
上記熱ラジカル発生剤としては特に限定されず、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、tert−ヘキシルハイドロパーオキサイド又はtert−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイドや、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの熱ラジカル発生剤は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上記熱ラジカル発生剤は、1分間半減期温度の好ましい下限が110℃、好ましい上限が170℃である。上記1分間半減期温度がこの範囲内であると、高い貯蔵安定性を発揮できるとともに、被着体に対して影響の少ない温度での熱硬化が可能となる。上記1分間半減期温度のより好ましい下限は120℃、より好ましい上限は160℃である。
本発明の硬化性樹脂組成物において、上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物100重量部に対する上記重合開始剤の配合量の好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は5重量部である。上記重合開始剤の配合量がこの範囲内であると、確実かつ充分に硬化させることができる。上記重合開始剤の配合量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は2.5重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、無機フィラー、有機フィラー、シランカップリング剤、遮光剤、反応性希釈剤、スペーサー、消泡剤、レベリング剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、上記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物、重合開始剤と、必要に応じて添加する添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、印刷版、インキ、塗料、接着剤、表面処理剤、光学レンズ材料、光ファイバーコーティング、三次元造形、ホログラフィー記録材料、プリント配線板やIC等の電子材料、及び、電池材料等の様々な用途に広く使用することができる。
なかでも、硬化物が加水分解することなく、駆動条件下で長期間駆動させてもシール性が低下してしまうことがないことから、固体高分子型燃料電池においてセパレータ/ガスケット間、又は、ガスケット/固体電解質膜間をシールして、水素リークを防止するための固体高分子型燃料電池用接着剤として好適である。
本発明によれば、光硬化、熱硬化のいずれにも優れた硬化性を有し、ポリエチレンテレフタレート等の難接着基材への接着力に優れ、かつ、耐加水分解性に優れる硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
<多官能(メタ)アクリレート化合物の合成>
(合成例1)
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル10.7gと分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールジグリシジルエーテル107.8gと、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール31.6gとを3つ口フラスコに秤量し、メタノール20mLに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃で7時間反応させた。
真空条件下30℃でメタノールを除去後に、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル21.4gを添加し、30℃で6時間反応させることにより、多官能アクリレート化合物1を得た。得られた多官能アクリレート化合物1の重量平均分子量は30000であった。
(合成例2)
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル11.1gと分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールジグリシジルエーテル111.4gと、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール27.6gとを3つ口フラスコに秤量し、メタノール20mLに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃で7時間反応させた。
真空条件下30℃でメタノールを除去後に、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル7.4gを添加し、30℃で6時間反応させることにより、多官能アクリレート化合物2を得た。得られた多官能アクリレート化合物2の重量平均分子量は60000であった。
(合成例3)
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル10.9gと分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールジグリシジルエーテル109.5gと、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール29.6gとを3つ口フラスコに秤量し、メタノール20mLに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃で7時間反応させた。
真空条件下30℃でメタノールを除去後に、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル14.5gを添加し、30℃で6時間反応させることにより、多官能アクリレート化合物3を得た。得られた多官能アクリレート化合物3の重量平均分子量は40000であった。
(合成例4)
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル10.5gと分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールジグリシジルエーテル106.0gと、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール33.4gとを3つ口フラスコに秤量し、メタノール20mLに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃で7時間反応させた。
真空条件下30℃でメタノールを除去後に、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル28.1gを添加し、30℃で6時間反応させることにより、多官能アクリレート化合物4を得た。得られた多官能アクリレート化合物4の重量平均分子量は20000であった。
(合成例5)
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル10.4gと分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールジグリシジルエーテル104.4gと、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール35.3gとを3つ口フラスコに秤量し、メタノール20mLに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃で7時間反応させた。
真空条件下30℃でメタノールを除去後に、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル34.5gを添加し、30℃で6時間反応させることにより、多官能アクリレート化合物5を得た。得られた多官能アクリレート化合物5の重量平均分子量は8000であった。
(合成例6)
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル75.0gと、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール75.0gとを3つ口フラスコに秤量し、メタノール20mLに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃で7時間反応させた。
真空条件下30℃でメタノールを除去後に、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル34.5gを添加し、30℃で6時間反応させることにより、多官能アクリレート化合物6を得た。得られた多官能アクリレート化合物6の重量平均分子量は25000であった。
(合成例7)
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル10.7gと分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールジグリシジルエーテル107.8gと、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール31.6gとを3つ口フラスコに秤量し、メタノール20mLに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃で7時間反応させた。
真空条件下30℃でメタノールを除去後に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート21.0gを添加し、30℃で6時間反応させることにより、多官能メタクリレート化合物7を得た。得られた多官能メタクリレート化合物7の重量平均分子量は30000であった。
(合成例8)
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル75.0gと、ビスムチオール41.4gとを3つ口フラスコに秤量し、メタノール20mLに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃で7時間反応させた。
真空条件下30℃でメタノールを除去後に、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル34.5gを添加し、30℃で6時間反応させることにより、多官能アクリレート化合物8を得た。得られた多官能アクリレート化合物8の重量平均分子量は25000であった。
(実施例1)
合成例1で得られた多官能アクリレート化合物1を100重量部、熱重合開始剤(日油社製「パーブチルO」、1分間半減期温度134.0℃)を1.0重量部配合後、遊星式撹拌装置で混合および脱泡することにより熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例2〜11)
多官能(メタ)アクリレート化合物と熱ラジカル発生剤との種類及び配合量を表1のようにした以外は実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
なお、パーブチルO以外の熱重合開始剤としては以下のものを用いた。
パーブチルPV:日油社製、1分間半減期温度110.3℃
パーオクタO:日油社製、1分間半減期温度124.3℃
パーヘキシルI:日油社製、1分間半減期温度155.0℃
パーブチル355:日油社製、1分間半減期温度166.0℃
(比較例1)
多官能アクリレート化合物をEBECRYL525に変更した以外は実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例2)
多官能アクリレート化合物をEBECRYL205に変更した以外は実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例3)
多官能アクリレート化合物の種類及び配合量を表1のようにした以外は実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた熱硬化性樹脂組成物について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)接着性の評価
ポリエチレンテレフタレート(PET)基板(2cm×7cm)上に、得られた熱硬化性樹脂組成物を塗布し、その上にPET基材(2cm×7cm)をのせ、その上から平滑なプレートで押さえつけて、熱硬化性樹脂組成物の厚さが80μmとなるようにした積層体を得た。得られた積層体を圧力1MPa、温度140℃で10秒間熱硬化させて接着試験片を得た。
得られた接着試験片について、島津製作所社製「マイクロオートグラフMST−I」を用いて、23℃の雰囲気下、引っ張り速度300mm/分の条件で180°ピール強度を測定した。以下の基準により接着性を評価した。
○○○:180°ピール強度が1.5N/mm以上
○○:180°ピール強度が1.0/mm以上、1.5N/mm未満
○:180°ピール強度が0.5N/mm以上、1.0N/mm未満
×:180°ピール強度が0.5N/mm未満
(2)耐加水分解性の評価
テフロン(登録商標)シート上に得られた熱硬化性樹脂組成物を塗布し、その上にナフロン(登録商標)シートをのせ、その上から平滑なプレートで押さえつけて、熱硬化性樹脂組成物の厚さが500μmとなるようにした積層体を得た。得られた積層体を圧力1MPa、温度140℃で10秒間熱硬化させて加水分解試験片を得た。
得られた加水分解試験片を85℃、85%RHの条件下、200時間湿熱試験を行い、湿熱試験前後の硬化物のゲル分率を測定した。
なお、ゲル分率は、加水分解試験片0.5gを、23℃のトルエン中に24時間浸漬し、130℃、1時間乾燥させた後の重量減少から算出した。
湿熱試験前後の硬化物のゲル分率をもとに、下記式に従い耐加水分解性を算出し、以下の基準により評価した。
耐加水分解性(%)=(湿熱試験後の硬化物のゲル分率)×100/(湿熱試験前のゲル分率)
○○:耐加水分解性が95%以上
○:耐加水分解性が90%以上、95%未満
△:耐加水分解性が85%以上、90%未満
×:耐加水分解性が85%未満
(3)硬化性
ポリエチレンテレフタレート(PET)基板(2cm×7cm)上に、得られた熱硬化性樹脂組成物を塗布し、その上にPET基材(2cm×7cm)をのせ、その上から平滑なプレートで押さえつけて、熱硬化性樹脂組成物の厚さが80μmとなるようにした積層体を得た。得られた積層体を圧力1MPa、温度140℃で10秒間及び60秒間熱硬化させて接着試験片を得た。
得られた接着試験片について、島津製作所社製「マイクロオートグラフMST−I」を用いて、23℃の雰囲気下、引っ張り速度300mm/分の条件で180°ピール強度を測定した。
2種の硬化時間での180°ピール強度をもとに、下記式に従い硬化性を算出し、以下の基準により評価した。
硬化性(%)=(硬化時間10秒での180°ピール強度)×100/(硬化時間30秒での180°ピール強度)
○○:硬化性が95%以上
○:硬化性が90%以上、95%未満
△:硬化性が85%以上、90%未満
×:硬化性が85%未満
Figure 2017122163
本発明によれば、光硬化、熱硬化のいずれにも優れた硬化性を有し、ポリエチレンテレフタレート等の難接着基材への接着力に優れ、かつ、耐加水分解性に優れる硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することができる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物と、重合開始剤とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
    Figure 2017122163
    式(1)中、X、Y、Zは、エステル結合、ウレタン結合を含有せず、シクロアルカン構造や芳香環構造を含んでもよいアルキレン基を表し、Rは、不飽和二重結合を有する基を表し、nは1以上の整数を表す。
  2. 多官能(メタ)アクリレート化合物は、重量平均分子量が8000〜60000であることを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物は、二官能エポキシ化合物に由来するXを含有することを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物は、ポリエーテルポリオールジグリシジルエーテル化合物に由来するXを含有することを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物は、二官能チオール化合物に由来するYを含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 一般式(1)で表される多官能(メタ)アクリレート化合物において、不飽和二重結合を有する基が(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 重合開始剤は、熱ラジカル発生剤であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の硬化性樹脂組成物。
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