JP2017120813A - ダイシング装置及びダイシング方法 - Google Patents
ダイシング装置及びダイシング方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017120813A JP2017120813A JP2015256155A JP2015256155A JP2017120813A JP 2017120813 A JP2017120813 A JP 2017120813A JP 2015256155 A JP2015256155 A JP 2015256155A JP 2015256155 A JP2015256155 A JP 2015256155A JP 2017120813 A JP2017120813 A JP 2017120813A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cooling water
- blade
- rotating shaft
- heating
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Dicing (AREA)
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Abstract
【課題】随時変動する冷却水の温度、冷却水の供給、及び冷却水の供給停止に影響されることなく、簡単な設備でブレードの位置を安定させることができるダイシング装置及びダイシング方法を提供する。
【解決手段】ブレード12を回転させる回転軸48のうち、回転軸48の先端部48Aとスラスト板74との間の回転軸先端部分48Bを加熱するヒータ76と、冷却水供給部材62による冷却水の供給時にヒータ76によって加熱を実行制御し、冷却水供給部材62による冷却水の供給停止時にヒータ76による加熱を停止制御する制御部26と、を備える。
【選択図】図7
【解決手段】ブレード12を回転させる回転軸48のうち、回転軸48の先端部48Aとスラスト板74との間の回転軸先端部分48Bを加熱するヒータ76と、冷却水供給部材62による冷却水の供給時にヒータ76によって加熱を実行制御し、冷却水供給部材62による冷却水の供給停止時にヒータ76による加熱を停止制御する制御部26と、を備える。
【選択図】図7
Description
本発明は、ダイシング装置及びダイシング方法に係り、特に半導体ウェーハ等のワークをブレードによってチップ毎に切断加工するダイシング装置及びダイシング方法に関する。
半導体製造工程では、板状の半導体ウェーハの表面に各種の処理を施して、電子デバイスを有する複数の半導体素子を製造する。半導体素子の各チップは、検査装置によって電気的特性が検査された後、ダイシング装置の高速回転するブレードによってチップ毎に切断加工される。
特許文献1に開示されたダイシング装置は、半導体ウェーハを保持するワークテーブルと、半導体ウェーハを切断するブレードと、ワークテーブル上の半導体ウェーハをブレードに対して相対的に移動させるワークテーブル送り機構と、ブレードを回転可能に取り付けたスピンドルと、スピンドルを支持するスピンドル移動機構と、スピンドル移動機構の送りとワークテーブル送り機構の送りとを制御するコントローラと、を備えている。特許文献1のダイシング装置によれば、スピンドルによってブレードを高速回転させ、ワークテーブル送り機構及びスピンドル移動機構によってワークテーブル及びスピンドルを移動させつつ、ブレードに冷却水を供給しながら半導体ウェーハをチップ毎に切断加工する。
また、特許文献1のダイシング装置は、スピンドルの回転軸(シャフト)の温度をモニタリングする温度センサと、制御部と、を備えている。制御部は、コントローラに設けられ、温度センサによりモニタリングされた温度に基づいてスピンドル移動機構による送りとワークテーブル送り機構による送りの、少なくとも一方の送りに補正をかける。これによって、特許文献1のダイシング装置は、スピンドルの慣らし時間を短縮させて作業性の向上を図っている。
特許文献1のダイシング装置の要部構成を説明すると、スピンドルの回転軸には、回転軸の軸方向に沿って複数個の温度センサが所定の間隔をもって設けられている。すなわち、特許文献1のダイシング装置は、回転軸の全長における所定位置の温度を各温度センサによってモニタリングしている。そして、各温度センサから得られる温度情報から回転軸の温度を検出し、これを記憶手段に記憶されているスピンドルの時間−変位特性、及び、冷却水とスピンドルにおける時間−温度特性等の各種データのマップに対応させて温度上昇による加工点の位置ずれを推測し、スピンドル移動機構による送りとワークテーブル送り機構による送りに補正をかけながら切断加工を行うものである。
ここで、ダイシング装置の分野では、ブレードの回転時、冷却水の供給時、及び冷却水の供給停止時にスピンドルの回転軸に温度変化が発生し、その温度変化によってブレードのインデックス送り方向の位置、つまり加工点(以下、「ブレードの位置」と略称する。)が規定の位置からずれることが知られている。この問題は、加工中に供給される冷却水の冷却作用によって回転軸が熱収縮すること、及び加工と加工との間のインターバル時における冷却水の供給停止とブレードの空転とによる昇温作用(エア軸受部での空気摩擦による昇温作用)によって回転軸が熱膨張することに起因する。つまり、回転軸は、ダイシング装置の稼働中において熱膨縮を繰り返しているため、ダイシング装置の稼働中におけるブレードの位置は常に変動している。このことからブレードの位置は、随時変動する冷却水の温度、冷却水の供給、及び冷却水の供給停止に支配されていることになる。
上記の事象に基づいて特許文献1のダイシング装置を検証すると、特許文献1のダイシング装置は、回転軸の全長に亘って設けられた複数個の温度センサからの温度情報に基づいてスピンドル及びワークテーブルの送りに補正をかける技術なので、随時変動する冷却水の温度変化に基づいて送りに補正をかける技術ではない。また、随時変動する冷却水の温度変化に基づいて送りに補正をかけるためには、冷却水の温度と回転軸の変位特性とをマップ化させる必要がある。しかしながら、冷却水の温度に対する回転軸の変位(熱膨縮量)はタイムラグが生じるので、このタイムラグを考慮して前述のマップを作成することは、冷却水の温度が随時変化していることから困難である。なお、冷却水の温度を一定温度に保つ恒温水装置をダイシング装置に付帯させることは、設備投資が必要になるので現実的ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、随時変動する冷却水の温度、冷却水の供給、及び冷却水の供給停止に影響されることなく、簡単な設備でブレードの位置を安定させることができるダイシング装置及びダイシング方法を提供することを目的とする。
本発明のダイシング装置の一態様は、本発明の目的を達成するために、ワークが載置されるワークテーブルと、ワークテーブルに載置されたワークを切削加工するブレードと、ブレードに冷却水を供給する冷却水供給部材と、ブレードを回転させるスピンドルであって、先端部にブレードが装着される回転軸、回転軸が回転可能に収納されるハウジング、及び回転軸に設けられハウジングに対する回転軸の軸方向位置を規制する規制部を有するスピンドルと、を備えたダイシング装置において、回転軸の先端部と規制部との間の回転軸先端部分を加熱する加熱部と、冷却水供給部材による冷却水の供給時に加熱部によって加熱を実行制御し、冷却水供給部材による冷却水の供給停止時に加熱部による加熱を停止制御する加熱制御部と、を備える。
本発明のダイシング方法の一態様は、本発明の目的を達成するために、ワークが載置されるワークテーブルと、ワークテーブルに載置されたワークを切削加工するブレードと、ブレードに冷却水を供給する冷却水供給部材と、ブレードを回転させるスピンドルであって、先端部にブレードが装着される回転軸、回転軸が回転可能に収納されるハウジング、及び回転軸に設けられハウジングに対する回転軸の軸方向位置を規制する規制部を有するスピンドルと、を備えたダイシング装置のダイシング方法において、回転軸の先端部と規制部との間の回転軸先端部分を加熱する加熱部を設け、冷却水供給部材による冷却水の供給時には、加熱部によって回転軸先端部分を加熱し、冷却水供給部材による冷却水の供給停止時には、加熱部による回転軸先端部分の加熱を停止する。
本発明は、回転軸のうち、回転軸の熱膨縮によってブレードの位置を支配する部分が、回転軸の先端部から規制部までの回転軸先端部分であることに着目してなされたものである。本発明は、回転軸先端部分を加熱する加熱部を設け、冷却水の供給時に加熱制御部が加熱部を実行制御し、回転軸先端部分を加熱部によって加熱する。これにより、冷却水の供給時における回転軸先端部分の熱収縮を防止することができ、回転軸先端部分の熱収縮に起因するブレードの位置ずれを抑制することができる。また、冷却水の供給停止時には、すなわち、加工と加工との間のインターバル時には、加熱制御部が加熱部を停止制御することによって、回転軸先端部分の温度上昇を抑制し、回転軸先端部分の熱膨張に起因するブレードの位置ずれを抑制することができる。
これによって、本発明によれば、随時変動する冷却水の温度、冷却水の供給、及び冷却水の供給停止に影響されることなく、回転軸先端部分を加熱する加熱部を設けるだけの簡単な設備でブレードの位置を安定させることができる。
本発明の一態様は、加熱部は、回転軸先端部分が収納されるハウジングの先端部に設けられることが好ましい。
本発明の一態様によれば、高速回転される回転軸に加熱部を直接設けることは困難であるが、ハウジングの先端部に加熱部を設け、加熱部によって回転軸先端部分を、ハウジングの先端部を介して加熱する。これにより、回転軸先端部分を容易に加熱することができる。
本発明の一態様は、加熱部は、冷却水の温度よりも高い温度で回転軸先端部分を加熱することが好ましい。
本発明の一態様によれば、冷却水の供給時において、回転軸先端部分の温度は冷却水の温度よりも高い温度で保持されるので、回転軸先端部分の温度変動を抑制することができる。これによって、ブレードの位置を安定させることができる。
本発明の一態様は、回転軸先端部分には温度センサが取り付けられ、加熱制御部は、温度センサで検出された回転軸先端部分の温度が、基準温度よりも低い場合には、加熱部による加熱を実行制御し、基準温度よりも高い場合には、加熱部による加熱を停止制御することが好ましい。
本発明の一態様は、回転軸先端部分の温度を検出し、検出した温度が基準温度よりも低い場合には、加熱部による加熱を実行し、基準温度よりも高い場合には、加熱部による加熱を停止することが好ましい。
本発明の一態様によれば、回転軸先端部分の温度を温度センサによって直接検出し、検出した温度が基準温度よりも低い場合には、加熱部による加熱を実行し、基準温度よりも高い場合には、加熱部による加熱を停止する。これにより、ブレードの位置をより一層安定させることができる。
本発明は、ワークが載置されるワークテーブルと、ワークテーブルに載置されたワークを切削加工するブレードと、ブレードに冷却水を供給する冷却水供給部材と、ブレードを回転させるスピンドルであって、先端部にブレードが装着される回転軸、回転軸が回転可能に収納されるハウジング、及び回転軸に設けられハウジングに対する回転軸の軸方向位置を規制する規制部を有するスピンドルと、を備えたダイシング装置において、回転軸の先端部と規制部との間の回転軸先端部分を加熱する加熱部と、回転軸先端部分に取り付けられた温度センサと、温度センサによって検出された回転軸先端部分の温度が一定となるように、冷却水供給部材による冷却水の供給時に加熱部によって加熱を実行制御し、冷却水供給部材による冷却水の供給停止時に加熱部による加熱を停止制御する加熱制御部と、を備える。
本発明は、ワークが載置されるワークテーブルと、ワークテーブルに載置されたワークを切削加工するブレードと、ブレードに冷却水を供給する冷却水供給部材と、ブレードを回転させるスピンドルであって、先端部にブレードが装着される回転軸、回転軸が回転可能に収納されるハウジング、及び回転軸に設けられハウジングに対する回転軸の軸方向位置を規制する規制部を有するスピンドルと、を備えたダイシング装置のダイシング方法において、回転軸の先端部と規制部との間の回転軸先端部分を加熱する加熱部を設け、回転軸先端部分に温度センサを取り付け、温度センサによって検出された回転軸先端部分の温度が一定となるように、冷却水供給部材による冷却水の供給時に加熱部によって加熱を実行制御し、冷却水供給部材による冷却水の供給停止時に加熱部による加熱を停止制御する。
本発明のダイシング装置及びダイシング方法によれば、随時変動する冷却水の温度、冷却水の供給、及び冷却水の供給停止に影響されることなく、簡単な設備でブレードの位置を安定させることができる。
以下、添付図面に従って本発明に係るダイシング装置及びダイシング方法の好ましい実施形態について詳説する。
〔ダイシング装置10の構成〕
図1は、実施形態のダイシング装置10の全体斜視図である。
図1は、実施形態のダイシング装置10の全体斜視図である。
ダイシング装置10は、一対のブレード12、12が対向して配置されたツインスピンドルダイサーと称されるダイシング装置である。このダイシング装置10は、先端部にブレード12が装着された高周波モータ内蔵型の一対のスピンドル14と、ワークである半導体ウェーハWが載置されて半導体ウェーハWを吸着保持するワークテーブル16と、を有する加工部18を備える。また、ダイシング装置10には、加工済みの半導体ウェーハWをスピン洗浄する洗浄部20、複数枚の半導体ウェーハWを収納したカセットが載置されるロードポート22、及び半導体ウェーハWを搬送する搬送装置24がそれぞれ所定の位置に配置されるとともに、ダイシング装置10の各部材の動作を統括制御する制御部26が内蔵されている。
<加工部18>
図2は、加工部18の構造を示す斜視図である。
図2は、加工部18の構造を示す斜視図である。
加工部18は、Xテーブル34を備える。Xテーブル34は、Xベース28に設けられたXガイド30、30によってガイドされ、リニアモータ32によって矢印X−Xで示すX方向に駆動される。また、Xテーブル34の上面にはθ方向に回転する回転テーブル36が固定され、この回転テーブル36にワークテーブル16が設けられている。よって、ワークテーブル16は、Xテーブル34によってX方向に移動され、かつ回転テーブル36によってθ方向に回転される。
また、加工部18は、Xベース28を跨ぐように門型に構成されたYベース38を備える。Yベース38の壁面には、一対のYテーブル42、42が設けられる。一対のYテーブル42、42は、Yベース38の壁面に固定されたYガイド40、40によってガイドされ、図示しないステッピングモータとボールスクリューとからなる駆動装置によって矢印Y−Yで示すY方向に駆動される。
Yテーブル42、42には、それぞれZテーブル44、44が設けられる。Zテーブル44、44は、Yテーブル42に設けられた不図示のZガイドにガイドされ、図示しないステッピングモータとボールスクリューとからなる駆動装置によって矢印Z−Zで示すZ方向に駆動される。Zテーブル44、44にはスピンドル14、14が対向した状態で固定され、スピンドル14、14の先端部に装着されたブレード12、12が対向配置される。
上記の加工部18の構成により、ブレード12、12はY方向にインデックス送りされるとともにZ方向に切り込み送りされ、ワークテーブル16はX方向に切削送りされるとともにθ方向に回転される。これらの動作は制御部26(図1参照)によって制御される。
なお、前述のX方向とは水平方向における一つの方向を指し、Y方向とは水平方向においてX方向に直交する方向を指す。また、Z方向とはX方向及びY方向にそれぞれ直交する鉛直方向を指し、θ方向とは鉛直軸を中心軸とする回転方向を指す。
<スピンドル14の周辺部の構造>
図3は、ブレード12の周辺部の構造を示した斜視図である。同図の如くブレード12は、ブレード12の下端である加工点を除く外周部がフランジカバー46によって覆われている。
図3は、ブレード12の周辺部の構造を示した斜視図である。同図の如くブレード12は、ブレード12の下端である加工点を除く外周部がフランジカバー46によって覆われている。
図4は、スピンドル14の回転軸48の先端部48Aにブレード12が、ブレード装着部50によって装着されたブレード12を含むその周辺の断面図である。
ブレード装着部50は、環状のブレード12を回転軸48の先端部48Aに固定するための構成部材である。ブレード装着部50は、先端部48Aに嵌合される後フランジ52と、後フランジ52を先端部48Aに固定する後フランジ固定用ネジ54と、ブレード12を後フランジ52との間で狭持する前フランジ56と、前フランジ56を固定する前フランジ固定用ナット58から構成される。このようなブレード装着部50の構成は既知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
一方、フランジカバー46は、スピンドル14の後述するハウジング70の先端部70Aに固定される。フランジカバー46には、図3の如く切削水供給部材60と冷却水供給部材62とが取り付けられる。切削水供給部材60は、不図示の切削水供給装置にチューブ64を介して接続された不図示の切削水ノズルを有し、切削水供給装置からチューブ64を介して供給された切削水が切削水ノズルからブレード12に向けて噴出される。なお、ブレード12の回転方向が図3の矢印A方向である場合には、切削水ノズルから噴射される切削水は、加工点に対してブレード12の回転方向上流側となる位置から噴射される。
冷却水供給部材62は、ブレード12による半導体ウェーハWの切削加工中にブレード12に冷却水を噴射してブレード12を冷却する部材であり、ブレード12の加工点の近傍に配置されている。冷却水供給部材62は、フランジカバー46に固定されてブレード12の回転方向上流側に配置された支持部66と、支持部66に支持されてブレード12を挟むようにブレード12の前面12A側と後面12B側の両側に延設された一対のノズル部68、68を備える。
支持部66には、冷却水供給配管69、69が接続され、冷却水供給配管69、69の先端部がノズル部68、68に接続される。また、冷却水供給配管69、69の他端部は、不図示の冷却水供給装置に接続されている。
図5は、一対のノズル部68、68の要部拡大断面図である。ノズル部68、68の内部には基端部から先端部まで連通する管路68A、68Aが形成されており、各管路68A、68Aの基端部は、冷却水供給配管69、69の先端部に接続される。また、各ノズル部68、68には、管路68A、68Aに連通されたスリット68B、68Bがブレード12に向けて形成されている。
したがって、冷却水供給装置から冷却水供給配管69、69を介してノズル部68、68に供給された冷却水は、スリット68B、68Bからブレード12の前面12Aと後面12Bとに向けて噴射される。これにより、ブレード12、ブレード装着部50、及び回転軸48の先端部48Aを含む回転軸先端部分48Bが冷却される。回転軸先端部分48Bについては後述する。
スピンドル14の詳細構造も後述するが、スピンドル14の回転軸48が高周波モータによって回転されることにより、ブレード12が6000rpm〜80000rpmの高速で回転される。また、ブレード12は、加工と加工との間のインターバル時においても回転が継続され、これにより、ブレード12はインターバル時において空転される。なお、ブレード12は、半導体ウェーハWに対して相対的にX、Y、Z方向に適宜移動されることにより、半導体ウェーハWに形成されている複数本の切削加工ライン(ストリートとも言う。)に切削溝を順次加工するが、前述の加工と加工との間のインターバル時とは、1本の切削溝の加工が終了した後、次の切削溝の加工を開始するまでの時間、及び1枚の半導体ウェーハWの全ての切削溝の加工が終了した後、次の半導体ウェーハWの1本目の切削溝の加工を開始するまでの時間を指す。ブレード12としては、ダイヤモンド砥粒やCBN砥粒をニッケルで電着した電着ブレードの他、金属粉末を混入した樹脂で結合したメタルレジンボンドのブレード等が用いられる。
一方、冷却水供給部材62は、ブレード12による半導体ウェーハWの加工時に冷却水をノズル部68、68に供給するように制御部26によって制御されているが、加工と加工との間のインターバル時には、冷却水の供給を停止するように制御部26によって制御されている。これは、無駄な冷却水の使用を防止するためである。しかしながら、インターバル時に回転軸48の回転軸先端部分48Bの温度が上昇した場合には、制御部26が冷却水供給部材62を制御して冷却水をブレード12に噴射し、回転軸先端部分48Bを冷却することが好ましい。
<スピンドル14の構成>
図6は、スピンドル14の各部材の構成を誇張して示した概略断面図である。
図6は、スピンドル14の各部材の構成を誇張して示した概略断面図である。
スピンドル14は、回転軸48、ハウジング70、高周波モータ72、規制部であるスラスト板74、加熱部である電熱式のヒータ76、及び温度センサ78等によって構成される。
《ハウジング70》
ハウジング70は、先端部70Aと基端部70Bの両端が開口された略筒状体であり、その内部に回転軸48が回転可能に収納される。回転軸48の先端部48Aは、ハウジング70の先端部70Aから外部に突出され、この先端部48Aにブレード12がブレード装着部50(図4参照)によって固定される。
ハウジング70は、先端部70Aと基端部70Bの両端が開口された略筒状体であり、その内部に回転軸48が回転可能に収納される。回転軸48の先端部48Aは、ハウジング70の先端部70Aから外部に突出され、この先端部48Aにブレード12がブレード装着部50(図4参照)によって固定される。
《高周波モータ72》
高周波モータ72は、ハウジング70の内部の基端部70B側に配置され、回転軸48の基端部48C側の外周面に回転軸48と一体的に連結されるロータ72Aと、ロータ72Aと対向してハウジング70の内周面に固定されるステータ72Bとを備える。高周波モータ72は、ステータ72Bの電機子コイルに電流が供給されると、その電機子コイルが励磁されてロータ72Aが回転される。これによって、回転軸48が高速回転される。
高周波モータ72は、ハウジング70の内部の基端部70B側に配置され、回転軸48の基端部48C側の外周面に回転軸48と一体的に連結されるロータ72Aと、ロータ72Aと対向してハウジング70の内周面に固定されるステータ72Bとを備える。高周波モータ72は、ステータ72Bの電機子コイルに電流が供給されると、その電機子コイルが励磁されてロータ72Aが回転される。これによって、回転軸48が高速回転される。
《回転軸48》
回転軸48の先端部48Aと高周波モータ72のロータ72Aとの間における、ハウジング70の内周面には、回転軸48の外周面を周回する複数のラジアル流体軸受80がハウジング70の軸方向に沿って所定の間隔をもって設けられる。ラジアル流体軸受80は、ハウジング70の内周面と回転軸48の外周面との間に形成された隙間82を有し、その隙間82にエアを噴射するノズル84を備える。ノズル84から隙間82にエアを吹き込むことによって回転軸48は、エア圧によって回転軸48の矢印Aで示す中心軸方向に直交する方向(ラジアル方向)に保持されるとともに、エアを介して非接触状態でハウジング70に回転可能に支持される。
回転軸48の先端部48Aと高周波モータ72のロータ72Aとの間における、ハウジング70の内周面には、回転軸48の外周面を周回する複数のラジアル流体軸受80がハウジング70の軸方向に沿って所定の間隔をもって設けられる。ラジアル流体軸受80は、ハウジング70の内周面と回転軸48の外周面との間に形成された隙間82を有し、その隙間82にエアを噴射するノズル84を備える。ノズル84から隙間82にエアを吹き込むことによって回転軸48は、エア圧によって回転軸48の矢印Aで示す中心軸方向に直交する方向(ラジアル方向)に保持されるとともに、エアを介して非接触状態でハウジング70に回転可能に支持される。
《スラスト板74》
スラスト板74は、回転軸48の先端部48A側の周面に沿って、回転軸48の軸方向に直交する方向に突設されたディスクである。このスラスト板74は、ハウジング70の内周面の先端部70A側に設けられたスラスト流体軸受86に支持される。スラスト流体軸受86は、回転軸48の軸方向において、スラスト板74を両側から囲う凹状の溝88を有し、溝88の両壁面とスラスト板74の両面との間に形成された一対の隙間90にエアを噴射する一対の対向したノズル92、92を備える。ノズル92、92から隙間90、90にエアを吹き込むことによって、スラスト板74がエア圧によって回転軸48の矢印Aで示す中心軸方向(スラスト方向)に保持される。これにより、回転軸48の軸方向位置が規制される。
スラスト板74は、回転軸48の先端部48A側の周面に沿って、回転軸48の軸方向に直交する方向に突設されたディスクである。このスラスト板74は、ハウジング70の内周面の先端部70A側に設けられたスラスト流体軸受86に支持される。スラスト流体軸受86は、回転軸48の軸方向において、スラスト板74を両側から囲う凹状の溝88を有し、溝88の両壁面とスラスト板74の両面との間に形成された一対の隙間90にエアを噴射する一対の対向したノズル92、92を備える。ノズル92、92から隙間90、90にエアを吹き込むことによって、スラスト板74がエア圧によって回転軸48の矢印Aで示す中心軸方向(スラスト方向)に保持される。これにより、回転軸48の軸方向位置が規制される。
なお、実施形態のスピンドル14は、スピンドル14の外部に配置されたコンプレッサPからハウジング70の内部に備えられたチャンバ15に圧縮エアが供給され、この圧縮エアがノズル84、92から適正位置に噴射される構造となっている。
《回転軸先端部分48B》
回転軸48が外部からの熱影響を受けて熱膨縮する際に、熱膨縮する支点がスラスト板74の固定位置となる。つまり、回転軸48は、回転軸48に対するスラスト板74の固定位置を支点として先端部48A側及び基端部48C側に熱収縮する。そして、スラスト板74の固定位置から回転軸48の先端部48Aまでの軸長B(図4参照)の回転軸先端部分48Bの熱膨縮がブレード12の位置を支配する。なお、スラスト板74の固定位置から回転軸48の基端部48Cまでの回転軸基端部分も熱影響を受けるが、この回転軸基端部分は、ハウジング70に備えられた不図示の水冷流路を流れる冷却水によって一定の温度に保持されるので、熱膨縮が抑制される。
回転軸48が外部からの熱影響を受けて熱膨縮する際に、熱膨縮する支点がスラスト板74の固定位置となる。つまり、回転軸48は、回転軸48に対するスラスト板74の固定位置を支点として先端部48A側及び基端部48C側に熱収縮する。そして、スラスト板74の固定位置から回転軸48の先端部48Aまでの軸長B(図4参照)の回転軸先端部分48Bの熱膨縮がブレード12の位置を支配する。なお、スラスト板74の固定位置から回転軸48の基端部48Cまでの回転軸基端部分も熱影響を受けるが、この回転軸基端部分は、ハウジング70に備えられた不図示の水冷流路を流れる冷却水によって一定の温度に保持されるので、熱膨縮が抑制される。
《ヒータ76》
ヒータ76は、ハウジング70の先端部70Aの外表面及び先端面に着脱自在に取り付けられるバンド式又は板状の電熱ヒータである。ヒータ76は、ダイシング装置10に内蔵された不図示の電源から電圧が印加されることにより加熱され、これによって、ハウジング70の先端部70Aが加熱され、かつハウジング70を介して回転軸48の回転軸先端部分48Bが対流熱によって加熱される。
ヒータ76は、ハウジング70の先端部70Aの外表面及び先端面に着脱自在に取り付けられるバンド式又は板状の電熱ヒータである。ヒータ76は、ダイシング装置10に内蔵された不図示の電源から電圧が印加されることにより加熱され、これによって、ハウジング70の先端部70Aが加熱され、かつハウジング70を介して回転軸48の回転軸先端部分48Bが対流熱によって加熱される。
また、ヒータ76に印加する電圧は、加熱制御部である制御部26によって制御される。すなわち、制御部26によって、ヒータ76による回転軸先端部分48Bの加熱温度を制御することができる。この加熱温度は、冷却水供給部材62で使用される冷却水において経験的に得られている冷却水の温度よりも高い温度に設定されることが好ましい。これにより、回転軸先端部分48Bはヒータ76によって冷却水の温度よりも高い温度に加熱されるので、冷却水の温度によって回転軸先端部分48Bが熱収縮することを防止することができる。
なお、ハウジング70は、ヒータ76の温度を回転軸先端部分48Bに効率よく伝達させるために熱伝導率の高い材料で構成されていることが好ましい。
また、ヒータ76をハウジング70の基端部70B側とZテーブル44に設けることもできる。ハウジング70の基端部70B側及びZテーブル44をヒータ76によって加熱することにより、ハウジング70やZテーブル44の熱収縮に起因するブレード12の位置ずれを防止することもできる。
《温度センサ78》
温度センサ78は、回転軸48の矢印Aで示す中心軸に沿って形成された小径の貫通孔48Dの内部であって、回転軸先端部分48Bが位置する貫通孔48Dの内部に配置されている。また、回転軸48の基端部48Cには、ロータリー接点94が設けられ、このロータリー接点94は、温度センサ78と電気的に接続されている。ロータリー接点94には、軸受96に取り付けられた通電ブラシ98の先端部が当接されている。よって、温度センサ78で検出された回転軸先端部分48Bの温度情報が、ロータリー接点94と通電ブラシ98を介して取り出され、図1の制御部26に出力される。
温度センサ78は、回転軸48の矢印Aで示す中心軸に沿って形成された小径の貫通孔48Dの内部であって、回転軸先端部分48Bが位置する貫通孔48Dの内部に配置されている。また、回転軸48の基端部48Cには、ロータリー接点94が設けられ、このロータリー接点94は、温度センサ78と電気的に接続されている。ロータリー接点94には、軸受96に取り付けられた通電ブラシ98の先端部が当接されている。よって、温度センサ78で検出された回転軸先端部分48Bの温度情報が、ロータリー接点94と通電ブラシ98を介して取り出され、図1の制御部26に出力される。
〔ダイシング装置10のダイシング方法〕
次に、ダイシング装置10の加工部18によるダイシング方法について説明する。なお、ダイシング装置10の他の構成部材である洗浄部20、ロードポート22、及び搬送装置24の動作については既知であるので、その説明は省略する。
次に、ダイシング装置10の加工部18によるダイシング方法について説明する。なお、ダイシング装置10の他の構成部材である洗浄部20、ロードポート22、及び搬送装置24の動作については既知であるので、その説明は省略する。
加工部18のブレード12による半導体ウェーハWの加工は、一般的に、ブレード12をスピンドル14によって所定時間空転させる慣らし運転の終了後に開始される。また、ブレード12による加工に先立って、ワークテーブル16をθ方向に回転させて半導体ウェーハWの周方向の位置を位置合わせするアライメント作業が行われ、このアライメント作業によって半導体ウェーハWが、加工部18において適正位置に位置合わせされる。
この後、制御部26は、半導体ウェーハWのアライメント情報に基づき加工部18の各部材を制御してブレード12による半導体ウェーハWの加工を開始する。すなわち、制御部26は、Xテーブル34をX方向に切削送りする動作、Yベース38をY方向にインデックス送りする動作、Zテーブル44をZ方向に切込送りする動作、切削水供給部材60による切削水の供給、供給停止動作、及び冷却水供給部材62による冷却水の供給、供給停止動作をそれぞれ制御しながら半導体ウェーハWの加工を実施する。
ここで、実施形態のダイシング装置10は、回転軸48のうち、回転軸48の熱膨縮によってブレード12の位置を支配する回転軸先端部分48Bに着目し、この回転軸先端部分48Bを加熱するヒータ76を設け、冷却水供給部材62の冷却水の供給時に、制御部26がヒータ76を実行制御し、ハウジング70を介して回転軸先端部分48Bをヒータ76によって加熱する。
次に、ダイシング装置10によるダイシング方法の一例を、図7のフローチャートに基づいて具体的に説明する。なお、図7のフローチャートは、ブレード12による半導体ウェーハWの加工時の動作を示すフローチャートである。
まず、制御部26は、温度センサ78によって検出された加工開始時点の回転軸先端部分48Bの温度を基準温度として記憶部に記憶する(S(Step)10)。そして、制御部26は、回転軸先端部分48Bを基準温度に加熱するための電圧を求め、その電圧をヒータ76に印加する(S20)。この後、切削水供給部材60からブレード12に向けて切削水を供給し、かつ冷却水供給部材62からブレード12に向けて冷却水を供給しながらブレード12による半導体ウェーハWの加工を開始する(S30)。
温度センサ78から制御部26には、温度センサ78によって検出されている回転軸先端部分48Bの温度情報が常時出力されており(S40)、その回転軸先端部分48Bが冷却水や切削水によって冷却されていき、回転軸先端部分48Bの温度が基準温度未満になると(S50)、制御部26は、回転軸先端部分48Bを基準温度以上に加熱するための電圧をヒータ76に印加する(S60)。
ここで、基準温度以上に加熱するための電圧をヒータ76に印加するタイミングは、一例として、回転軸先端部分48Bの温度が基準温度よりも1℃低くなったタイミングに設定することが好ましい。これにより、ブレード12の位置の位置ずれを1μm以下に抑えることができる。また、基準温度以上に加熱するための電圧とは、基準温度に加熱するための電圧よりも高い電圧であって、例えば回転軸先端部分48Bの温度を基準温度よりも2〜3℃程度上昇させる電圧に設定することが好ましい。2℃以上であると、回転軸先端部分48Bの温度を基準温度に短時間で戻すことができ、3℃以下であると、回転軸先端部分48Bの異常昇温を抑制することができる。
その後、温度センサ78によって検出されている回転軸先端部分48Bの温度が基準温度に到達すると(S70)、前述のS20に戻り、回転軸先端部分48Bを基準温度に加熱するための電圧をヒータ76に印加する。このように、ブレード12による半導体ウェーハWの加工時においては、上記のS10〜S70の工程を実施する。
図7に示す加工時のダイシング方法によれば、冷却水供給部材62からブレード12に冷却水が供給されていても、回転軸先端部分48Bの温度は、ヒータ76の熱によって基本的に基準温度に保持される。よって、冷却水の供給時における回転軸先端部分48Bの熱収縮を防止することができるので、ブレード12の位置ずれを防止することができる。したがって、実施形態の加工時におけるダイシング方法によれば、随時変動する冷却水の温度及び冷却水の供給に影響されることなく、簡単な設備で半導体ウェーハWの加工中におけるブレード12の位置を安定させることができる。
ここで、図7のダイシング方法では、温度センサ78によって検出される回転軸先端部分48Bの温度情報に基づいてヒータ76を制御するので、ブレード12の位置を安定させることができるが、温度センサ78は必須の部材ではない。つまり、冷却水の温度に影響を受けない、一定の高い温度で回転軸先端部分48Bをヒータ76によって加熱すれば、温度センサ78を使用することなく半導体ウェーハWの加工中におけるブレード12の位置を安定させることができる。この場合、ヒータ76に印加する電圧は、図7の温度センサ78を用いるときの電圧よりも高くなるが、温度センサ78を使用しないため制御系の構築が容易になり、またスピンドル14の構造も簡素化する利点がある。
次に、加工と加工との間のインターバル時における加工部18の動作の一例を、図8のフローチャートに基づいて具体的に説明する。なお、インターバル時における加工部18の動作も、ブレード12による加工中の動作であることに違いがないので、実施形態のダイシング方法に含まれる。
まず、制御部26は、切削水供給部材60による切削水の供給と冷却水供給部材62による冷却水の供給を停止し、ブレード12については回転を継続させて空転させる。そして、制御部26は、ヒータ76を停止して回転軸先端部分48Bの加熱を停止する(S100)。これにより、インターバル時における回転軸先端部分48Bの温度上昇を抑制することができる。よって、インターバル時においては、冷却水の供給停止に影響されることなく、簡単な設備でブレード12の位置を安定させることができる。
次に、制御部26は、温度センサ78によって検出されている回転軸先端部分48Bの温度を常時監視し(S110)、温度センサ78で検出された回転軸先端部分48Bの温度が基準温度を超えると(S120)、冷却水供給部材62による冷却水の供給を再開し(S130)、回転軸先端部分48Bを冷却する。そして、制御部26は、温度センサ78で検出されている回転軸先端部分48Bの温度が基準温度に到達すると(S140)、前述のS100に戻り、冷却水供給部材62による冷却水の供給を停止する。つまり、加工と加工との間のインターバル時には、制御部26がヒータ76を停止制御するだけではなく、基準温度に基づいて冷却水供給部材62による冷却水の供給を再開及び停止することで、回転軸先端部分48Bの温度変動を最小限に抑える。よって、インターバル運転の終了後、加工運転の再開時におけるブレード12の位置の変動を最小限に抑えることができる。
ここで、図9(a)は実施形態のダイシング方法による回転軸先端部分48Bの温度変化図、(b)は従来のダイシング方法による回転軸先端部分48Bの温度変化図である。
図9(b)に示す従来のダイシング方法では、t1〜t2までの加工時において、回転軸先端部分48Bの温度が、冷却水の供給による影響で低下していくことが分かる。また、t2〜t3までのインターバル時に回転軸先端部分48Bの温度が上昇していくことが分かる。
これに対して、実施形態のダイシング方法は、温度センサ78によって検出された回転軸先端部分48Bの温度が一定となるように、冷却水供給部材62による冷却水の供給時にヒータ76によって加熱を実行制御し、冷却水供給部材62による冷却水の供給停止時にヒータ76による加熱を停止制御する。これにより、図9(a)の如く、実施形態のダイシング方法は、t1〜t2までの加工時、及びt2〜t3までのインターバル時において、回転軸先端部分48Bの温度を一定に制御することができる。
以上が実施形態のダイシング装置10によるダイシング方法の一例であるが、ダイシング方法の態様は、本発明を逸脱しないかぎり適宜変更可能である。
〔他の態様〕
ヒータ76が、回転軸先端部分48Bが収納されるハウジング70の先端部70Aに設けられていることにある。つまり、高速回転される回転軸にヒータ76を直接設けることは、ヒータ76に接続される電熱線の配線や回転軸の回転バランスの調整で困難である。そこで、ハウジング70の先端部70Aにヒータ76を設け、ヒータ76によって回転軸先端部分48Bを、ハウジング先端部分を介して加熱する。これにより、本態様によれば、回転軸先端部分48Bを容易に加熱することができる。
ヒータ76が、回転軸先端部分48Bが収納されるハウジング70の先端部70Aに設けられていることにある。つまり、高速回転される回転軸にヒータ76を直接設けることは、ヒータ76に接続される電熱線の配線や回転軸の回転バランスの調整で困難である。そこで、ハウジング70の先端部70Aにヒータ76を設け、ヒータ76によって回転軸先端部分48Bを、ハウジング先端部分を介して加熱する。これにより、本態様によれば、回転軸先端部分48Bを容易に加熱することができる。
ヒータ76が、冷却水供給部材62による冷却水の温度よりも高い一定の温度で回転軸先端部分48Bを加熱することにある。つまり、冷却水供給部材62による冷却水の供給時において、回転軸先端部分48Bの温度は冷却水の温度よりも常に高い温度で保持されるので、回転軸先端部分48Bの温度変動を抑制することができる。これにより、本態様によれば、ブレード12の位置を安定させることができる。また、前述の如く、温度センサ78が不要になるので装置の制御系の構築が容易になり、スピンドル14の構造も簡素化する。
W…半導体ウェーハ、10…ダイシング装置、12…ブレード、14…スピンドル、16…ワークテーブル、18…加工部、20…洗浄部、22…ロードポート、24…搬送装置、26…制御部、28…Xベース、30…Xガイド、32…リニアモータ、34…Xテーブル、36…回転テーブル、38…Yベース、40…Yガイド、42…Yテーブル、44…Zテーブル、46…フランジカバー、48…回転軸、50…ブレード装着部、52…後フランジ、54…後フランジ固定用ネジ、56…前フランジ、58…前フランジ固定用ナット、60…切削水供給部材、62…冷却水供給部材、64…チューブ、66…支持部、68…ノズル部、69…冷却水供給配管、70…ハウジング、72…高周波モータ、74…スラスト板、76…ヒータ、78…温度センサ、80…ラジアル流体軸受、82…隙間、84…ノズル、86…スラスト流体軸受、888…溝、90…隙間、92…ノズル、94…ロータリー接点、96…軸受、98…通電ブラシ
Claims (9)
- ワークが載置されるワークテーブルと、前記ワークテーブルに載置された前記ワークを切削加工するブレードと、前記ブレードに冷却水を供給する冷却水供給部材と、前記ブレードを回転させるスピンドルであって、先端部に前記ブレードが装着される回転軸、前記回転軸が回転可能に収納されるハウジング、及び前記回転軸に設けられ前記ハウジングに対する前記回転軸の軸方向位置を規制する規制部を有するスピンドルと、を備えたダイシング装置において、
前記回転軸の前記先端部と前記規制部との間の回転軸先端部分を加熱する加熱部と、
前記冷却水供給部材による冷却水の供給時に前記加熱部によって加熱を実行制御し、前記冷却水供給部材による冷却水の供給停止時に前記加熱部による加熱を停止制御する加熱制御部と、
を備えるダイシング装置。 - 前記加熱部は、前記回転軸先端部分が収納される前記ハウジングの先端部に設けられる、
請求項1に記載のダイシング装置。 - 前記加熱部は、前記冷却水の温度よりも高い温度で前記回転軸先端部分を加熱する、
請求項1又は2に記載のダイシング装置。 - 前記回転軸先端部分には温度センサが取り付けられ、
前記加熱制御部は、前記温度センサで検出された前記回転軸先端部分の温度が、基準温度よりも低い場合には、前記加熱部による加熱を実行制御し、前記基準温度よりも高い場合には、前記加熱部による加熱を停止制御する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のダイシング装置。 - ワークが載置されるワークテーブルと、前記ワークテーブルに載置された前記ワークを切削加工するブレードと、前記ブレードに冷却水を供給する冷却水供給部材と、前記ブレードを回転させるスピンドルであって、先端部に前記ブレードが装着される回転軸、前記回転軸が回転可能に収納されるハウジング、及び前記回転軸に設けられ前記ハウジングに対する前記回転軸の軸方向位置を規制する規制部を有するスピンドルと、を備えたダイシング装置において、
前記回転軸の前記先端部と前記規制部との間の回転軸先端部分を加熱する加熱部と、
前記回転軸先端部分に取り付けられた温度センサと、
前記温度センサによって検出された前記回転軸先端部分の温度が一定となるように、前記冷却水供給部材による冷却水の供給時に前記加熱部によって加熱を実行制御し、前記冷却水供給部材による冷却水の供給停止時に前記加熱部による加熱を停止制御する加熱制御部と、
を備えるダイシング装置。 - ワークが載置されるワークテーブルと、前記ワークテーブルに載置された前記ワークを切削加工するブレードと、前記ブレードに冷却水を供給する冷却水供給部材と、前記ブレードを回転させるスピンドルであって、先端部に前記ブレードが装着される回転軸、前記回転軸が回転可能に収納されるハウジング、及び前記回転軸に設けられ前記ハウジングに対する前記回転軸の軸方向位置を規制する規制部を有するスピンドルと、を備えたダイシング装置のダイシング方法において、
前記回転軸の前記先端部と前記規制部との間の回転軸先端部分を加熱する加熱部を設け、
前記冷却水供給部材による冷却水の供給時には、前記加熱部によって前記回転軸先端部分を加熱し、
前記冷却水供給部材による冷却水の供給停止時には、前記加熱部による前記回転軸先端部分の加熱を停止する、
ダイシング方法。 - 前記加熱部は、前記冷却水の温度よりも高い温度で前記回転軸先端部分を加熱する、
請求項6に記載のダイシング方法。 - 前記回転軸先端部分の温度を検出し、検出した前記温度が基準温度よりも低い場合には、前記加熱部による加熱を実行し、前記基準温度よりも高い場合には、前記加熱部による加熱を停止する、
請求項6又は7に記載のダイシング方法。 - ワークが載置されるワークテーブルと、前記ワークテーブルに載置された前記ワークを切削加工するブレードと、前記ブレードに冷却水を供給する冷却水供給部材と、前記ブレードを回転させるスピンドルであって、先端部に前記ブレードが装着される回転軸、前記回転軸が回転可能に収納されるハウジング、及び前記回転軸に設けられ前記ハウジングに対する前記回転軸の軸方向位置を規制する規制部を有するスピンドルと、を備えたダイシング装置のダイシング方法において、
前記回転軸の前記先端部と前記規制部との間の回転軸先端部分を加熱する加熱部を設け、
前記回転軸先端部分に温度センサを取り付け、
前記温度センサによって検出された前記回転軸先端部分の温度が一定となるように、前記冷却水供給部材による冷却水の供給時に前記加熱部によって加熱を実行制御し、前記冷却水供給部材による冷却水の供給停止時に前記加熱部による加熱を停止制御する、
ダイシング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015256155A JP2017120813A (ja) | 2015-12-28 | 2015-12-28 | ダイシング装置及びダイシング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015256155A JP2017120813A (ja) | 2015-12-28 | 2015-12-28 | ダイシング装置及びダイシング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017120813A true JP2017120813A (ja) | 2017-07-06 |
Family
ID=59272190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015256155A Pending JP2017120813A (ja) | 2015-12-28 | 2015-12-28 | ダイシング装置及びダイシング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017120813A (ja) |
-
2015
- 2015-12-28 JP JP2015256155A patent/JP2017120813A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10888965B2 (en) | Constant temperature water supply apparatus | |
JP6444717B2 (ja) | 切断装置及び切断方法 | |
JP2010029955A (ja) | ワイヤソーの運転再開方法及びワイヤソー | |
TWI788524B (zh) | 加工裝置的水溫設定方法 | |
JP2017019067A (ja) | 研削装置のアイドリング方法 | |
JP2017120813A (ja) | ダイシング装置及びダイシング方法 | |
JP6558242B2 (ja) | ダイシング装置及びダイシング方法 | |
KR20160150010A (ko) | 멀티 와이어 소 | |
JP2019206078A (ja) | 切断装置及び切断方法 | |
JP7429354B2 (ja) | 加工装置 | |
JP6145384B2 (ja) | ダイシング装置 | |
JP2004338034A (ja) | 工作機械の主軸冷却方法および装置並びに主軸バランス取り方法 | |
JP2011083864A (ja) | 加工装置 | |
JP6773482B2 (ja) | 研削装置のアイドリング方法 | |
JP4997029B2 (ja) | ワイヤソー | |
US11845154B2 (en) | Processing apparatus | |
JP2002018831A (ja) | ワイヤソー切断装置及び半導体結晶インゴットのスライス方法 | |
JP2006064127A (ja) | 予圧調整軸受装置 | |
JP2016120544A (ja) | ワーク加工機 | |
JP2009196023A (ja) | ワイヤソー | |
JP2020037181A5 (ja) | ||
JP2003165036A (ja) | 回転工具を装着するスピンドルユニットおよびスピンドルユニットを備えた切削装置 | |
JP2731309B2 (ja) | ワイヤソー、及び、そのローラ軸支装置の温度制御方法 | |
JPH09225932A (ja) | ワイヤソーの加工液温度制御方法及びその装置 | |
JP2024115247A (ja) | 加工装置 |