JP2017120701A - 電池用電極の製造方法 - Google Patents

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友祐 福本
直之 和田
Naoyuki Wada
直之 和田
友嗣 横山
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Abstract

【課題】電極製造時に、被塗物である造粒体の進行方向に延びる凹凸を、該造粒体の表面に形成する。【解決手段】電池用電極の製造方法は、圧延ステップと転写ステップとを備える。圧延ステップでは、第1ロール91と第2ロール92との間に形成されている第1ロールギャップにおいて、造粒体1aをシート状に圧延する。転写ステップでは、圧延された造粒体1bを、第2ロール92によって搬送することにより、第2ロール92と第3ロール93との間に形成されている第2ロールギャップに供給する。さらに第2ロールギャップにおいて、造粒体1bを、第2ロール92の表面から、第3ロール93によって搬送される集電体11の表面へと転写する。第2ロール92の周速(B)に対する第3ロール93の周速(C)の比(C/B)は、10を超えて30以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、電池用電極の製造方法に関する。
特開2014−139888号公報(特許文献1)には、周速が互いに異なる2本のロールの間に形成されたロールギャップに、体積固形分率が40%以上90%以下である電極合材塗料を供給することにより、表面に凹凸が形成された電池用電極を製造する方法が開示されている。
特開2014−139888号公報
電池性能の観点から、表面に凹凸を形成した電池用電極が提案されている。たとえば、表面に凸状突起を有するロールを、電極合材層の表面に押し当てることにより、電極合材層の表面に凹凸を形成することができる。しかしこうした態様によると、電極合材層に、合材密度の高い部分(凹部)と、低い部分(凸部)とが生じ、たとえば合材密度が高い部分の影響により、電池抵抗が増加する等の不都合がある。
特許文献1では、電極合材層に前述のような粗密(合材密度の差)が生じることを抑制しつつ、電極合材層の表面に凹凸を形成する方法が提案されている。すなわち、特許文献1では、電極合材塗料のロール塗布により電池用電極を製造する際、2本のロールの周速を異ならせることにより、被塗物(電極合材層)の進行方向に対して直交する方向に延びる凹凸を、被塗物の表面に形成している。
しかしながら、当該方法では、被塗物の進行方向に延びる凹凸を形成することは、困難である。
本発明の電池用電極の製造方法は、軸を平行にして配置されている第1ロール、第2ロールおよび第3ロールを備える電極製造装置を用いて、電極活物質を含有する造粒体により電池用電極を製造する、電池用電極の製造方法である。
当該製造方法は、圧延ステップと転写ステップとを備える。
圧延ステップでは、第1ロールと第2ロールとの間に形成されている第1ロールギャップにおいて、造粒体をシート状に圧延する。
転写ステップでは、圧延された造粒体を、第2ロールによって搬送することにより、該第2ロールと第3ロールとの間に形成されている第2ロールギャップに供給する。さらに第2ロールギャップにおいて、造粒体を、第2ロールの表面から、第3ロールによって搬送される集電体の表面へと転写する。第2ロールの周速に対する第3ロールの周速の比は、10を超えて30以下である。
以下、本発明について説明する。以下の説明では、電池用電極を「電極」と略記する場合がある。また以下の説明では、便宜上、第1ロールの周速を「周速(A)」、第2ロールの周速を「周速(B)」、第3ロールの周速を「周速(C)」、第1ロールの周速に対する第2ロールの周速の比を「周速比(B/A)」、第2ロールの周速に対する第3ロールの周速の比を「周速比(C/B)」と記す場合がある。
図1は、本発明の製造方法に用いられる電極製造装置の構成の一例を示す概略図である。電極製造装置90は、軸を平行にして配置されている第1ロール91、第2ロール92および第3ロール93を備える。各ロールは図示しない駆動装置に接続されており、各ロールに描かれた曲線矢印の方向に、回転駆動される。
電極製造装置90を用いて、造粒体により電池用電極を製造することができる。造粒体とは、本発明の製造方法における被塗物であり、電極活物質、バインダおよび溶媒等を含有する複合粒子(造粒粒子)の集合体(粉粒体)である。
電極製造装置90は、第1ロール91と第2ロール92との間に形成されている第1ロールギャップにおいて、造粒体1aをシート状に圧延でき、第2ロール92と第3ロール93との間に形成されている第2ロールギャップにおいて、圧延された造粒体1bを集電体11の表面に転写できるように構成されている。
造粒体は粉粒体であるため、圧延および転写の際に、流体である塗料とはまた異なったふるまいを見せる。すなわち造粒体においては、圧延および転写の際、造粒体を構成する各造粒粒子が破断せずに柔軟に変形できる限界が存在する。本発明の製造方法では、かかる特徴を利用して、被塗物である造粒体の進行方向に延びる凹凸を形成する。
本発明者の検討によると、第2ロール92の周速(B)に対する、第3ロール93の周速(C)の比である周速比(C/B)を、10を超えて30以下に調整することにより、被塗物である造粒体1bの進行方向に延びる凹凸を、造粒体1bの表面に形成することができる。
周速比(C/B)を大きくしていくと、転写時に、造粒体1bの表面(第2ロール92と接する側の表面)に働くせん断力が大きくなっていく。そして周速比(C/B)が10を超えると、造粒体1bの表面において、せん断力に追随して延びる造粒粒子と、延びきれない造粒粒子とが現れはじめ、その結果、造粒体1bの表面に、造粒体1bの進行方向に延びる微細な凹凸が形成される。この微細な凹凸は、主に造粒体1bの引き延ばしにより生じるものである。そのため、凹凸内の凹部と凸部との間には、合材密度の差が実質的に生じない。
なお周速比(C/B)が10以下であると、各造粒粒子が略一様に延びることができるため、このような凹凸は形成できない可能性がある。また周速比(C/B)が30を超えると、せん断力が過度に大きくなるため、造粒体1bから溶媒が染み出し、造粒体1b(シート)が破断する等、電極製造に支障を来す可能性がある。
上記によれば、電極製造時に、被塗物である造粒体の進行方向に延びる凹凸を、該造粒体の表面に形成することができる。
本発明の実施形態に係る電極製造装置の構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る電池用電極の製造方法の概略を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る電池用電極の構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る電池用電極の構成を説明するための概略平面図である。 本発明の実施形態に係る巻回電極群の構成の一例を示す概略図である。 最大谷深さの測定方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と記す)について説明する。ただし、本実施形態は、以下の説明に限定されるものではない。本明細書では、負極および正極を総称して電極と称している。すなわち電極は、負極であってもよいし、正極であってもよい。
<電池用電極の製造方法>
本実施形態の電池用電極は、たとえば非水電解液二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)用電極である。
図2は、本実施形態の電池用電極の製造方法の概略を示すフローチャートである。本実施形態の製造方法は、造粒ステップ(S01)、圧延ステップ(S02)および転写ステップ(S03)を備える。以下、各ステップを説明する。
《造粒ステップ(S01)》
造粒ステップでは、造粒体を調製する。造粒体は、一般的な攪拌混合装置を用いて、電極活物質、バインダおよび溶媒を攪拌混合することにより、調製することができる。
(固形分率)
本明細書では、造粒体に含有される成分のうち、溶媒以外の成分を「固形分」と称する。「固形分率」は、造粒体において固形分が占める質量比率を示す。固形分率は、好ましくは70質量%以上95質量%以下(最も好ましくは80質量%程度)である。かかる範囲で、造粒体に適度な展延性が付与され、所望の凹凸を形成しやすいためである。溶媒は、たとえば水、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等でよい。
造粒体を構成する造粒粒子の大きさは、上記の固形分率、攪拌羽根の回転速度、攪拌時間等により調整することができる。造粒粒子の平均粒径(D50)は、たとえば0.1〜3mm程度である。造粒体のD50は、造粒体の篩分けによって測定する。造粒体のD50の測定手順は次のとおりである。
まず目開きの異なる複数の篩を準備する。たとえば目開きが0.1〜5mm程度の篩を準備する。造粒体を乾燥させ、その固形分率を実質的に100質量%に調整する。造粒体を、目開きが粗い篩の方から順次通過させていき、各篩上に残った各造粒体の質量を測定する。目開きが粗い篩の方から、篩上の造粒体の質量頻度を累積していき、質量頻度の累積が50%になる粒径が、造粒体のD50である。
(電極活物質)
電極活物質は、電荷担体〔典型的にはリチウム(Li)イオン〕を電気化学的に吸蔵、放出できる物質である。電極活物質は、負極活物質でもよいし、正極活物質でもよい。負極活物質は、たとえば黒鉛、易黒鉛化性炭素および難黒鉛化性炭素等、ならびにこれらの混合物等でよい。正極活物質は、たとえばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24およびLiNi1/3Co1/3Mn1/32等、ならびにこれらの混合物等でよい。造粒体の固形分全体に対する電極活物質の質量比率は、たとえば80〜99質量%程度である。
(バインダ)
バインダは、電極活物質同士、ならびに電極活物質と集電体とを結着できる物質であればよい。バインダは、溶媒に対する分散性(あるいは溶解性)を考慮して選択することが望ましい。バインダは、たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸(PAA)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等、ならびにこれらの混合物等でよい。CMCおよびPAAは、たとえばナトリウム(Na)塩となっていてもよい。造粒体の固形分全体に対するバインダの質量比率は、たとえば1〜10質量%程度である。
(その他の成分)
本ステップでは、造粒体が上記した成分以外の成分を含有するように、造粒体を調製してもよい。かかる成分としては、たとえばカーボンブラック等の導電成分等が挙げられる。造粒体の固形分全体に対する、その他の成分の質量比率は、たとえば0〜10質量%程度である。
《圧延ステップ(S02)》
以降のステップは、図1に示される電極製造装置90を用いて実行される。すなわち、軸を平行にして配置されている第1ロール91、第2ロール92および第3ロール93を備える電極製造装置90を用いて、電極活物質を含有する造粒体1a,1bにより、電池用電極を製造する。
圧延ステップでは、第1ロール91と第2ロール92との間に形成されている第1ロールギャップにおいて、造粒体1aをシート状に圧延する。
造粒体の厚さは、第1ロール91と第2ロール92とのギャップ、第1ロール91の周速(A)に対する第2ロール92の周速(B)の比である周速比(B/A)等によって調整可能である。これらの条件は、狙いの厚さに応じて適宜変更するものとする。一例として、周速比(B/A)は、たとえば2以上30以下程度である。また第1ロール91の周速(A)は、たとえば0.1m/min以上0.6m/min以下程度であり、第2ロール92の周速(B)は、たとえば0.2m/min以上5m/min以下程度である。
《転写ステップ(S03)》
転写ステップは、圧延ステップに引き続いて実行される。転写ステップでは、圧延された造粒体1bを、第2ロール92によって搬送することにより、第2ロール92と第3ロール93との間に形成されている第2ロールギャップに供給する。さらに第2ロールギャップにおいて、造粒体1bを、第2ロール92の表面から、第3ロール93によって搬送される集電体11の表面へと転写する。
電池用電極が負極である場合、集電体11は、たとえば銅(Cu)箔である。電池用電極が正極である場合、集電体11は、たとえばアルミニウム(Al)箔である。
本実施形態では、第2ロールの周速(B)に対する第3ロールの周速(C)の比である周速比(C/B)を特定範囲に調整することにより、造粒体1b(すなわち電極合材層12)の表面に、造粒体1bの進行方向に延びる凹凸(凹部および凸部)を形成する。具体的には、周速比(C/B)を、10を超えて30以下の範囲に調整する。かかる範囲であれば、所望の凹凸を形成でき、なおかつピンホール、スジ等の表面欠陥の発生が抑制される。
周速比(C/B)が10以下であると、進行方向に延びる凹凸が形成できず、30を超えると、造粒体が破断する等、電極製造が困難である。後述する凹凸と電池性能との関係を考慮すると、周速比(C/B)は、好ましくは12以上であり、より好ましくは15以上であり、よりいっそう好ましくは18以上であり、最も好ましくは20以上である。
造粒体1bを集電体11の表面に転写(配置)することにより、造粒体1bは電極合材層12となる。その後、造粒体1bに残存する溶媒を蒸発させる操作を行ってもよい。溶媒の蒸発操作は、図示しない乾燥炉によって行われ得る。さらに電池の仕様に合わせて、圧縮、裁断等を行うことにより、電池用電極を製造することができる。
<電池用電極>
《構成》
図3は、本実施形態に係る電池用電極の構成の一例を示す概略図である。電極10は、典型的には上記の製造方法により製造される電極である。
電極10は、集電体11と、集電体11の表面に配置されている電極合材層12とを備える。電極合材層12は、前述の造粒体により形成された層であり、電極活物質およびバインダを含有する。電極合材層12は、集電体11の両方の表面(表裏)に配置されている。前述のように、集電体11は、たとえばCu箔等の金属箔である。
集電体11の厚さは、たとえば5〜25μm程度である。電極合材層12の厚さは、たとえば10〜150μm程度(好ましくは10〜50μm程度)である。電極10の幅方向の一方端には、集電体11が電極合材層12から露出した部分が設けられている。当該部分は、外部端子との接続部として利用できる。「幅方向」とは、電極10の長手方向と直交する方向を意味する。
図4は、本実施形態に係る電池用電極の構成を説明するための概略平面図である。電極合材層12の表面には、電極10の長手方向に延びる凹凸13(複数の凹部13aおよび凸部13b)が形成されている。複数の凹部13aおよび凸部13bは、電極10の幅方向に略平行に並んでいる。
電極10の長手方向は、前述の転写ステップ(S03)における造粒体1bの進行方向と同一方向である(図1を参照のこと)。凹凸13を有する電極10は、以下の態様で利用することにより、電池性能の向上に寄与できる。
《凹凸と電池性能との関係》
図5は、本実施形態の電池用電極を含む巻回電極群の構成の一例を示す概略図である。巻回電極群80は、セパレータ30を挟んで、電極10(たとえば負極)と対電極20(たとえば正極)とを対向させ、さらにこれらが電極10の長手方向に沿って巻回されて構成されている。
電池において、巻回電極群80には、電解液が含浸される。リチウムイオン電池の場合、電解液は、エチレンカーボネート(EC)およびエチルメチルカーボネート(MEC)等の混合物からなる非プロトン性溶媒に、LiPF6等のLi塩を溶解させた液体電解質である。かかる電解液が電流の担い手となり、電極間すなわち負極と正極との間で、充放電が行われる。
リチウムイオン電池の電極は、充放電に伴って膨張、収縮する。電極合材層に含有される電極活物質が、Liイオンの吸蔵、放出に伴って膨張、収縮するためである。電極の膨張、収縮に伴い、図5に示されるように電解液が巻回電極群80から外に押し出される。電流の担い手である電解液が巻回電極群80から流出すると、電池抵抗が増加することになる。
電極の膨張、収縮は、充放電のレートが高くなるほど、激しいものとなる。すなわち、充放電のレートが高くなるほど、巻回電極群からの電解液の流出も顕著になる。たとえば、電池がハイブリッド自動車(HEV)等の駆動電源である場合、非常に高いレート(ハイレート)でのパルス充放電が繰り返される可能性がある。この場合、電池抵抗が加速的に増加する可能性がある。
本実施形態の電極は、かかる電池抵抗の加速的な増加を抑制することができる。つまり、図4に示されるように、電極合材層12の表面に形成されている凹凸13が、巻回電極群80の外部に流れようとする電解液の移動を妨げる。これにより、電解液が巻回電極群80から流出することを抑制し、電池抵抗の加速的な増加を抑制することができる。
電解液の流出を抑制するとの観点から、凹凸13は次の条件を満たすことが望ましい。すなわち電極合材層12の算術平均粗さ(Ra)は、0.5以上1.5以下であり、かつ最大谷深さ(Rv)を電極合材層12の厚さ(T)で除した値(Rv/T)は、0.015以上0.3以下であることが望ましい。RaおよびRv/Tが、かかる条件を満たす場合、電池抵抗の加速的な増加を抑制する効果が大きい傾向にある。
算術平均粗さ(Ra)および最大谷深さ(Rv)は、「JIS B 0601:2001」によって定義される値を示す。ただし、本実施形態における谷の深さは、輪郭曲線の平均線からの深さではなく、図6に示すように、最大山高さに相当する位置からの深さを示すものとする。これらの値は、たとえば光学式(非接触式)の表面粗さ計により測定することができる。
前述のように電極10は、負極であってもよいし、正極であってもよい。ただし電池性能をいっそう向上させるとの観点から、電極10は、好ましくは負極である。負極は、細孔容積が大きく(つまり電解液の含浸量が多く)、充電に伴う膨張量も大きいためである。
以上のように、本実施形態は、ハイレートのパルス充放電に伴う、電池抵抗の加速的な増加を抑制できる点に鑑み、HEV、電気自動車(EV)等の駆動電源に好適であると考える。
以下、具体的な製造例を示して、本実施形態を説明する。ただし、本実施形態は以下の製造例に限定されるものではない。
<電池用電極およびこれを用いた電池の製造>
以下のようにして、電池用電極およびこれを用いた電池を製造した。
《製造例1》
1.電池用電極(負極)の製造
以下の材料を準備した。
電極(負極)活物質:鱗片状黒鉛(D50=10μm)
バインダ :ポリアクリル酸のNa塩(PAA−Na)
溶媒 :水
負極集電体:Cu箔。
ここで鱗片状黒鉛および後述のLi含有ニッケルコバルトマンガン複合酸化物(NCM)のD50は、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において、微粒側から累積50%の粒径を示している。
1−1.造粒ステップ(S01)
攪拌造粒装置(製品名「ハイフレックスグラル」、アーステクニカ社製)を用いて、負極活物質、バインダおよび溶媒を攪拌混合することにより、造粒体を調製した。造粒体において、負極活物質とバインダとの質量比は、負極活物質:バインダ=98:2とした。また造粒体の固形分率は、80質量%とした。
1−2.圧延ステップ(S02)
図1に示されるように、造粒体1aを電極製造装置90に供給し、第1ロール91と第2ロール92との間に形成されている第1ロールギャップにおいて、造粒体1aをシート状に圧延した。このとき第1ロール91の周速(A)は0.1m/minとし、第2ロール92の周速(B)は0.2m/minとした。すなわち周速比(B/A)は「2」である。
1−3.転写ステップ(S03)
続いて、第2ロール92と第3ロール93との間に形成されている第2ロールギャップにおいて、圧延された造粒体1bを集電体11の表面に転写した。このとき第3ロール93の周速(C)は3m/minとした。すなわち周速比(C/B)は「15」である。集電体11の表面に転写された造粒体1bには、造粒体1bの進行方向(長手方向)に延びる凹凸が形成されていた。造粒体1bの目付量(単位面積当たりの質量)は、18mg/cm2であった。その後、造粒体を乾燥させ、さらに所定の寸法に圧縮、裁断することにより、帯状のシート部材である負極(製造例1に係る電極10)を得た。
2.正極の製造
以下の材料を準備した。
正極活物質:NCM(D50=6μm)
導電材 :アセチレンブラック(カーボンブラックの一品種)
バインダ :PVdF
溶媒 :NMP
正極集電体:Al箔。
プラネタリミキサの混合槽に、正極活物質、導電材およびバインダを入れ、さらに所定量の溶媒を加えて混練した。これにより、正極塗料を得た。正極塗料において、固形分の配合は、質量比で、正極活物質:導電材:バインダ=93:4:3とした。
ダイコータを用いて、正極塗料を正極集電体の表面に塗着することにより、正極合材層を形成した。さらに所定の寸法に、圧縮、裁断することにより、帯状のシート部材である正極(対電極20)を得た。正極合材層の塗着量は、30mg/cm2とした。
3.組み立て
セパレータ30を挟んで、負極(電極10)と正極(対電極20)とを積層し、さらに各部材の長手方向に沿って巻回することにより、巻回電極群80を構成した。巻回電極群80を、18650サイズ(直径18mm、高さ65.0mmの円筒形)の電池ケースに収容した。電池ケースに所定の電解液を注入し、電池ケースを密閉した。以上より、製造例1に係る電池(円筒形リチウムイオン電池、定格容量=1Ah)を製造した。
《製造例2〜16》
表1に示すように、圧延ステップ(S02)および転写ステップ(S03)において、第1ロール91の周速(A)、第2ロール92の周速(B)および第3ロール93の周速(C)を変更することを除いては、製造例1と同様にして、製造例2〜16に係る電極およびこれを用いた電池を製造した。
《製造例17〜20》
表1に示すように、造粒ステップ(S01)において調製される造粒体の固形分率を変更することを除いては、製造例1と同様にして、製造例17〜20に係る電極およびこれを用いた電池を製造した。
Figure 2017120701
<評価>
以下のようにして、上記で得た電極および電池を評価した。以下の説明において、電流レートの単位「C」は、電池の定格容量を1時間で放電しきる電流レートを示している。
1.電池用電極の表面性状
1−1.算術平均粗さ(Ra)の測定
表面粗さ測定機(製品名「サーフコム1400G」、東京精密社製)を用いて、電極合材層の算術平均粗さ(Ra)を測定した。結果を表1に示す。なお製造例11では、造粒体の進行方向に延びる凹凸は形成されていなかった。
1−2.最大谷深さ(Rv)の測定
上記の表面粗さ測定機を用いて、電極合材層の最大谷深さ(Rv)を測定した。さらに最大谷深さ(Rv)を電極合材層の厚さ(T)で除した値(Rv/T)を求めた。結果を表1に示す。表1に示すように、製造例12では、谷が深すぎるため、電極合材層を通して、集電体が視認できる孔状あるいはスジ状の欠陥(ピンホール、スジ)が確認された。そのため製造例12では、電池評価を行わなかった。
2.電池性能
2−1.初期特性
25℃に設定された恒温槽内に電池を配置した。電池のSOC(State Of Charge)を50%に調整した。0.5C、1C、3C、6C、10Cおよび20Cの各電流で10秒間の充電を行い、各充電時の電圧上昇量をそれぞれ測定した。充電電流に対して電圧上昇量をプロットし、描かれた直線の傾きからIV抵抗を求めた。結果を表1に示す。
25℃に設定された恒温槽内に電池を配置した。電池のSOCを50%に調整した。SOCが調整された電池を、−10℃に設定された恒温槽内に配置した。同環境において、0.5C、1C、3C、6C、10Cおよび20Cの各電流で10秒間の充電を行い、各充電時の電圧上昇量をそれぞれ測定した。充電電流に対して電圧上昇量をプロットし、描かれた直線の傾きからIV抵抗を求めた。結果を表1に示す。
2−2.耐久性
25℃に設定された恒温槽内に電池を配置した。電池のSOCを60%に調整した。以下のパルス充電とパルス放電との組み合わせを1サイクルとして、パルス充放電サイクルを3000サイクル繰り返した。
(ハイレートパルスサイクル条件)
パルス充電:電流レート=10C、充電時間=80秒、上限電圧=4.3V
パルス放電:電流レート=2C、放電時間=400秒、下限電圧=2.5V。
3000サイクル後、初期と同様にして、25℃におけるIV抵抗を測定した。3000サイクル後のIV抵抗を、初期のIV抵抗で除することにより、抵抗増加率(百分率)を求めた。結果を表1に示す。
<考察>
表1より、周速比(C/B)が大きくなるほど、算術平均粗さ(Ra)が大きくなる傾向が確認できる。そして周速比(C/B)が10を超えて30以下の範囲において、電極製造に支障を来さず、造粒体の進行方向に延びる凹凸を形成できている。
算術平均粗さ(Ra)が大きくなるほど、ハイレートサイクル後の抵抗増加率が小さい傾向がある。電池用電極(負極)の表面に形成されている凹凸が、巻回電極群からの電解液の流出を抑制するためと考えられる。製造例8および19の結果から、算術平均粗さ(Ra)が0.5以上の範囲で、抵抗増加の抑制効果が特に大きいことが分かる。
抵抗増加の抑制効果の観点から、算術平均粗さ(Ra)は大きいほど好ましい。しかし製造例12の結果から分かるように、算術平均粗さ(Ra)が1.5を超えると電極製造が困難である。したがって、算術平均粗さ(Ra)は、好ましくは0.5以上1.5以下である。
製造例17〜20の結果より、固形分率が低くなるほど、算術平均粗さ(Ra)が小さくなる傾向が確認できる。固形分率が低くなるほど、造粒体が柔軟になり、凹凸が形成され難くなっていると考えられる。前述のように算術平均粗さ(Ra)を0.5以上とするためには、固形分率は70質量%以上であることが好ましいと考えられる。
固形分率が95質量%を超えると、低温(−10℃)でのIV抵抗が増加している。Rv/Tの大きさに現れているように、造粒体の目付量(単位面積当たりの質量)に斑が生じていると考えられる。したがって、造粒体の固形分率は、70質量%以上95質量%以下が好ましいと考えられる。また同観点から、Rv/Tは、0.015以上3.0以下が好ましいと考えられる。
表1に示されるように、今回の評価では、算術平均粗さ(Ra)が大きくなることにより、初期のIV抵抗が大幅に増加する等の不具合は確認されなかった。すなわち、電極合材層の凹部と凸部との間で、合材密度に実質的な差は生じていないと考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1a,1b 造粒体、10 電極、11 集電体、12 電極合材層、13 凹凸、13a 凹部、13b 凸部、20 対電極、30 セパレータ、80 巻回電極群、90 電極製造装置、91 第1ロール、92 第2ロール、93 第3ロール。

Claims (1)

  1. 軸を平行にして配置されている第1ロール、第2ロールおよび第3ロールを備える電極製造装置を用いて、電極活物質を含有する造粒体により電池用電極を製造する、電池用電極の製造方法であって、
    前記第1ロールと前記第2ロールとの間に形成されている第1ロールギャップにおいて、前記造粒体をシート状に圧延するステップと、
    圧延された前記造粒体を、前記第2ロールによって搬送することにより、前記第2ロールと前記第3ロールとの間に形成されている第2ロールギャップに供給し、
    前記第2ロールギャップにおいて、前記造粒体を、前記第2ロールの表面から、前記第3ロールによって搬送される集電体の表面へと転写するステップと、を備え、
    前記第2ロールの周速に対する前記第3ロールの周速の比は、10を超えて30以下である、電池用電極の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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