JP2017119833A - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017119833A
JP2017119833A JP2016227407A JP2016227407A JP2017119833A JP 2017119833 A JP2017119833 A JP 2017119833A JP 2016227407 A JP2016227407 A JP 2016227407A JP 2016227407 A JP2016227407 A JP 2016227407A JP 2017119833 A JP2017119833 A JP 2017119833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ink
pigment
water
self
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016227407A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6833474B2 (ja
JP2017119833A5 (ja
Inventor
亮佑 長尾
Ryosuke Nagao
亮佑 長尾
山下 佳久
Yoshihisa Yamashita
佳久 山下
ゆう子 根岸
Yuko Negishi
ゆう子 根岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Publication of JP2017119833A publication Critical patent/JP2017119833A/ja
Publication of JP2017119833A5 publication Critical patent/JP2017119833A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6833474B2 publication Critical patent/JP6833474B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】自己分散顔料を色材として含有しながらも、耐水性に優れた画像を記録することができる水性インク、この水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】自己分散顔料を含有するインクジェット用の水性インクであり、芳香族スルフィン酸又はその塩、及び下記一般式(I)で表される化合物を含有する。また、この水性インクと、この水性インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジ、及びこの水性インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、技術の進化によりインクジェット記録装置の記録速度が飛躍的に高まっており、レーザー記録装置の代替としてビジネス文書印刷の分野にも徐々に導入されている。インクジェット記録装置で普通紙などの記録媒体に画像を記録する際に用いるテキスト用インクとしては、光学濃度の高さを考慮して、自己分散顔料を色材として含有する水性インクが主に用いられている。
しかし、自己分散顔料は再分散性が高いため、自己分散顔料を色材として含有するインクで記録した画像の耐水性は、樹脂分散顔料を色材として含有するインクで記録した画像に比べて劣るといった課題があった。再分散性とは、記録媒体上などにおいて、顔料が一旦凝集した後に、インクや水などの水性の液体と接触すると、再び分散するという性質である。かかる課題を解決すべく、例えば、自己分散顔料を色材として含有するとともに、樹脂粒子及び架橋剤をさらに含有するインクが提案されている(特許文献1)。
特開2013−014745号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、特許文献1において提案されたインクであっても、近年求められる高いレベルの耐水性を有する画像を記録することはできないことが判明した。
したがって、本発明の目的は、自己分散顔料を色材として含有しながらも、耐水性に優れた画像を記録することができる水性インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、自己分散顔料を含有するインクジェット用の水性インクであって、芳香族スルフィン酸又はその塩、及び下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする水性インクが提供される。
Figure 2017119833
(前記一般式(I)中、R1は、ヒドロキシ基又はフタル酸基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
本発明によれば、自己分散顔料を色材として含有しながらも、耐水性に優れた画像を記録することができる水性インクを提供することができる。また、本発明によれば、この水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。なお、本発明においては、塩や塩型のアニオン性基は、インク中でイオンに解離して存在し得るが、便宜上、「塩」や「アニオン性基」と表現する。また、自己分散顔料及びインクジェット用の水性インクのことを、単に「顔料」及び「インク」と記載することがある。本明細書における各種の物性値は、特に断りのない限り常温(25℃)における値である。また、本発明のインクは水性インクであるので、本発明における「mmol/kg」の単位は、インクの比重を「1g/mL」として算出している。
本発明者らは、自己分散顔料を色材として用いた場合であっても、(1)芳香族スルフィン酸又はその塩、及び(2)一般式(I)で表される化合物をインクに含有させることにより、耐水性が向上した画像を記録しうることを見出した。このような効果が得られるメカニズムについて、本発明者らは以下のように推測している。
芳香族スルフィン酸又はその塩は、付加反応を生じやすい。一方、インクの色材として用いる自己分散顔料は、そもそも、原料である顔料の粒子表面にヒドロキシ基などの様々な官能基が結合している。記録媒体に付与されたインクから液体成分が蒸発する過程で、顔料の粒子表面にあるヒドロキシ基などの官能基と、芳香族スルフィン酸又はその塩が接近すると、これらは反応して顔料の粒子表面に疎水性のスルホン酸エステル基が形成される。このような疎水性のスルホン酸エステル基が形成されることで自己分散顔料の親水性が低下するため、再分散性も低下し、画像の耐水性が向上すると考えられる。
しかし、検討の結果、芳香族スルフィン酸又はその塩のみをインクに含有させても、画像の耐水性を向上させる効果は不十分であることがわかった。その理由について、本発明者らは以下のように推測している。芳香族スルフィン酸及びその塩は、極性が高い強酸性の化合物である。このため、芳香族スルフィン酸及びその塩は、自己分散顔料の官能基であるアニオン性基と反発しやすく、顔料の粒子表面に接近しにくいと考えられる。
このような状況下、本発明者らがさらに検討したところ、(1)芳香族スルフィン酸又はその塩に加えて、さらに(2)一般式(I)で表される化合物をインクに含有させることで、所望とする耐水性向上効果が得られることが判明した。一般式(I)で表される化合物を予めインクに含有させておくことで、記録媒体に付与されたインクから液体成分が蒸発する過程で、芳香族スルフィン酸又はその塩を顔料の粒子表面に接近させることができたためと考えられる。
一般式(I)で表される化合物は、極性が低い弱酸性の化合物である。このため、芳香族スルフィン酸及びその塩と比較すると、顔料の粒子表面により接近して存在することができる。さらに、一般式(I)で表される化合物は、ベンゼン環の両端にカルボキシ基やヒドロキシ基を有する。これらの基が水素結合を形成することで、一般式(I)で表される化合物の分子同士が会合する。このようにして形成される会合体は、その内側にカルボキシ基やヒドロキシ基が向くとともに、その外側にベンゼン環が向くような構造を有するため、会合体表面の疎水性が見かけ上高くなる。このため、一般式(I)で表される化合物は、芳香族スルフィン酸及びその塩と比して、顔料の粒子表面により接近して存在することができる。顔料の粒子表面の近傍に一般式(I)で表される化合物が存在すると、顔料の粒子表面のイオン性が低減され、芳香族スルフィン酸又はその塩の反発が緩和される。このため、記録媒体に付与されたインクから液体成分が蒸発する過程で、芳香族スルフィン酸又はその塩が顔料の粒子表面に接近しやすくなり、疎水性のスルホン酸エステル基が形成される。以上のような理由により、本発明のインクは、自己分散顔料を含有する従来のインクでは達成困難であったレベルの耐水性を有する画像を記録することが可能になったものと考えられる。
<水性インク>
本発明の水性インクは、自己分散顔料、芳香族スルフィン酸又はその塩、及び一般式(I)で表される化合物を含有するインクジェット用の水性インクである。なお、本発明のインクは、いわゆる「硬化型インク」である必要はない。したがって、本発明のインクは、外部エネルギーの付加により重合しうる重合性モノマーなどの化合物を含有しなくてもよい。以下、本発明のインクを構成する各成分やインクの物性について詳細に説明する。
(自己分散顔料)
本発明のインクに含有させる自己分散顔料は、顔料の粒子表面に官能基が結合しているものであり、より具体的には、顔料の粒子表面に直接又は他の原子団を介してアニオン性基が結合しているものである。
〔官能基〕
顔料の粒子表面に結合する官能基は、アニオン性基、又は他の原子団とアニオン性基とが結合した基である。アニオン性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。これらのアニオン性基は塩を形成していてもよい。アニオン性基が塩を形成している場合、これらの各基のプロトンの少なくとも1つがカチオンに置換されている。カチオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンなどを挙げることができる。アルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのイオンを挙げることができる。有機アンモニウムイオンとしては、モノ乃至トリアルキルアミンなどの脂肪族アミン;モノ乃至トリアルカノールアミンなどの脂肪族アルコールアミンのカチオンやその塩を挙げることができる。アニオン性基は、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩型、又はアンモニウム塩型であることが特に好ましい。
他の原子団としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントレニレン基、ビフェニレン基などのアリーレン基;ピリジレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、ピリジニレン基、チエニレン基、チアゾリレン基などのヘテロアリーレン基;カルボニル基;カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホン酸エステル基などのエステル基;イミノ基;アミド基;スルホニル基;エーテル基などを挙げることができる。また、これらの基を組み合わせた基であってもよい。顔料の粒子表面にアニオン性基が直接結合した自己分散顔料よりも、顔料の粒子表面に他の原子団を介してアニオン性基が結合した自己分散顔料を用いることが好ましい。顔料の粒子表面が多様な環境を有しているために、粒子表面に直接結合したアニオン性基も多様な性質を持つこととなり、容易に酸化を受けやすい状態となっているアニオン性基が生成されやすい。このため、顔料の粒子表面にアニオン性基が直接結合した自己分散顔料は、結果として、芳香族スルフィン酸又はその塩との反応が進みにくくなる場合があるためである。加えて、顔料の粒子表面に他の原子団を介してアニオン性基が結合した自己分散顔料は、記録される画像の光学濃度をさらに向上させることができるというメリットもあるため、好適に使用することができる。
自己分散顔料は、顔料の粒子表面に他の原子団を介してアニオン性基が結合した自己分散顔料であることが好ましい。なかでも、顔料の粒子表面に結合している官能基は、フタル酸基であることが特に好ましい。
〔顔料種と物性値〕
自己分散顔料を構成する顔料(顔料種)としては、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ、フタロシアニン、キナクリドンなどの有機顔料などを用いることができる。なかでも、カーボンブラックや有機顔料を用いることが好ましく、他の顔料に比して粒子表面の反応活性点がより多く、官能基の導入量を高めやすいため、カーボンブラックを用いることが特に好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどいずれのカーボンブラックも使用することができる。
カーボンブラックのDBP吸油量は、50mL/100g以上200mL/100g以下であることが好ましい。なかでも、120mL/100g以上170mL/100g以下であることがさらに好ましく、120mL/100g以上150mL/100g以下であることが特に好ましい。カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K6221やASTM D 2414に準拠した方法により測定することができる。これらの方法は、100gのカーボンブラックに撹拌下でフタル酸ジブチルを滴下し、トルクが最大となった時点でのフタル酸ジブチルの添加量を測定する方法である。
BET法によるカーボンブラックの比表面積は、100m2/g以上600m2/g以下であることが好ましい。カーボンブラックのBET法による比表面積は、JIS K6217やASTM D6556などに準拠した方法により測定することができる。これらの方法は、脱気したカーボンブラックを液体窒素に浸漬し、平衡に至った際のカーボンブラックの粒子表面に吸着している窒素量を測定する方法である。
カーボンブラックの一次粒子径は、10nm以上40nm以下であることが好ましい。カーボンブラックは、通常、複数の一次粒子がブドウの房のように立体的に連なった状態で存在する。一次粒子径とは、1つの粒子を形成する最小単位のカーボンブラック(一次粒子)の粒子径を意味する。カーボンブラックの一次粒子径は、透過型又は走査型の電子顕微鏡により、粒子を形成する最小単位のカーボンブラックの粒子径を100点程度観察して測定し、その算術平均値として求めることができる。
カーボンブラックの平均粒子径は、50nm以上200nm以下であることが好ましい。カーボンブラックの平均粒子径とは、通常存在する形態としてのカーボンブラックの粒子径を意味する。本発明においては、体積基準の粒子径分布の50%累積値[D50(nm)]として、動的光散乱方式の粒度分布測定装置などを用いて測定することができる。
また、有機顔料の一次粒子径は、50nm以上150nm以下であることが好ましい。さらに、有機顔料の平均粒子径は、50nm以上250nm以下であることが好ましい。有機顔料の一次粒子径及び平均粒子径の定義は、いずれもカーボンブラックの一次粒子径及び平均粒子径の定義と同様である。
コロイド滴定による表面電荷量の測定は、顔料の粒子径が極端に大きすぎる場合や小さすぎる場合には、その影響を受けることがある。測定精度を高めつつ、インクジェット用のインクとしての吐出特性を高いレベルで得るためには、顔料の平均粒子径(D50)が60nm以上120nm以下であることが好ましい。また、顔料のD90(体積基準の粒子径分布の90%累積値)は、100nm以上300nm以下であることが好ましい。
〔含有量〕
インク中の自己分散顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。
〔自己分散顔料の製造方法〕
自己分散顔料の製造方法は、酸化タイプと表面修飾タイプに大別される。本発明の水性インクに用いる自己分散顔料は、どのような方法によって製造された自己分散顔料であってもよい。
酸化タイプの自己分散顔料の製造方法としては、次亜塩素酸などの酸化剤を用いて顔料を酸化する方法;水中でオゾンを用いて顔料を酸化する方法;及びオゾン処理の後に酸化剤により顔料を酸化する方法などを挙げることができる。また、表面修飾タイプの自己分散顔料の製造方法としては、ジアゾニウム塩を生じさせうる化合物、ジアゼン化合物、置換トリアジン化合物、又はアニオン性基を有する化合物を処理剤として用いて、顔料を化学的に処理する方法を挙げることができる。処理剤として用いられる上記のアニオン性基を有する化合物としては、下記一般式(1)、(2)、及び(3)で表される化合物などがある。但し、酸化によって自己分散顔料を製造する場合、顔料の粒子表面を酸化する過程でアルデヒドやケトンなどの酸化されやすい官能基が生じやすい。このため、表面修飾タイプの製造方法により得られる自己分散顔料を用いることが好ましい。特に、この方法は、顔料の粒子表面に他の原子団を介してアニオン性基が結合した自己分散顔料を効率よく製造し得る観点からも好適である。
Figure 2017119833
(前記一般式(1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基、カルボン酸エステル基、又は−S(=O)2−R4を表し、R1、R2、及びR3の全てが同時に水素原子となることはない。R4は、ヒドロキシ基、又は脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基を表す。A1は、カルボン酸基;スルホン酸基;リン酸基;ホスホン酸基;又は脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基に、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の親水性基が置換した基を表す)
Figure 2017119833
(前記一般式(2)中、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アシル基、カルボン酸エステル基、アリールオキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、又はホスホン酸基を表し、R5及びR6が同時に水素原子となることはない。R7は、水素原子、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基、又はカルボン酸エステル基を表す。A2は、カルボン酸基;スルホン酸基;リン酸基;ホスホン酸基;又は脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基に、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の親水性基が置換した基を表す)
Figure 2017119833
(前記一般式(3)中、R8は、シアノ基;又はエステル基、エーテル基、チオエーテル基、ケトン基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基と、が結合した原子団を表し、A3は、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基に、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の親水性基が置換した基を表す)
一般式(1)、(2)、及び(3)における脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を挙げることができる。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は、直鎖、分岐鎖、及び環状のいずれであってもよい。直鎖及び分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基の炭素数は1乃至12程度であることが好ましい。また、環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基は、単環及び複合環のいずれであってもよく、環を構成する元素数は3乃至8程度であることが好ましい。脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基などの直鎖飽和アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、2−エチルへキシル基などの分岐鎖飽和アルキル基;エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などのアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基などのアルキニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの環状脂肪族基;などを挙げることができる。脂肪族基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;ヒドロキシ基;などの置換基を有していてもよい。
一般式(1)、(2)、及び(3)における芳香族基としては、アリール基、ヘテロアリール基を挙げることができる。アリール基やヘテロアリール基は、単環及び複合環のいずれであってもよく、環を構成する元素数は3乃至8程度であることが好ましい。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ビフェニル基などを挙げることができる。また、ヘテロアリール基としては、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、チエニル基、チアゾリル基などを挙げることができる。これらのなかでも、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ビフェニル基、ピリジニル基などが好ましく、フェニル基、ナフチル基などがさらに好ましい。
一般式(1)、(2)、及び(3)における脂肪族基及び芳香族基を有する基としては、上記で挙げたような各基が直接、又は、−O−、−NH−、−CO−、−COO−、−CONH−、−N=N−、−SO−、−SO2−などの一般的なリンカー構造を介して結合した基を挙げることができる。官能基の親水性を高めるためには、脂肪族基及び芳香族基を有する基に、リンカー構造を持たせることがさらに好ましい。
一般式(1)及び(2)におけるカルボン酸エステル基は、カルボン酸のエステル結合−C(=O)−O−に、上記で挙げたような脂肪族基が結合した基である。カルボン酸エステル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などを挙げることができる。カルボン酸エステル基は、反応の過程でエステルが加水分解し、対応する親水性基(塩や無水物となることもある)の形態となることがある。エステルの加水分解は、酸やアルカリの存在下で加熱や撹拌を行うと生じやすい。
一般式(2)におけるR5及びR6のうち、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アシル基、及びアリールオキシ基について説明する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などを挙げることができる。アルコキシ基は、エーテル結合(−O−)に上記で挙げたような脂肪族基が結合した基である。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などを挙げることができる。チオアルコキシ基は、チオエーテル結合(−S−)に上記で挙げたような脂肪族基が結合した基である。チオアルコキシ基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオn−プロポキシ基、チオi−プロポキシ基、チオn−ブトキシ基、チオt−ブトキシ基などを挙げることができる。アシル基は、カルボニル結合(−C(=O)−)に上記で挙げたような脂肪族基が結合した基である。アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、n−プロピオニル基、i−プロピオニル基などを挙げることができる。アリールオキシ基は、エーテル結合(−O−)に上記で挙げたような芳香族基が結合した基である。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフトキシ基などを挙げることができる。
一般式(1)、(2)、及び(3)における親水性基は、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらの親水性基は、化学的に可能な限りにおいて、塩、無水物などの形態であってもよい。カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基が塩を形成している場合、これらの各基のプロトンの少なくとも1つがカチオンに置換されている。カチオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンなどを挙げることができる。アルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのイオンを挙げることができる。有機アンモニウムイオンとしては、モノ乃至トリアルキルアミンなどの脂肪族アミン;モノ乃至トリアルカノールアミンなどの脂肪族アルコールアミンのカチオンやその塩を挙げることができる。水性インク中では塩はイオンに解離して存在しうるが、便宜上、「塩」と表現する。
一般式(1)、(2)、及び(3)で表される化合物における、親水性基の置換数は、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基に存在する水素原子の数と理論上は等しい。例えば、親水性基の置換数は、メチル基では1〜3、エチル基では1〜5、フェニル基では1〜5、ナフチル基では1〜7、アントラセニル基では1〜9、ピリジル基では1〜4である。構造にもよるが、実際には、脂肪族基及び芳香族基の少なくとも一方を有する基の1つ当たりに1〜2個の親水性基を置換させれば、顔料を自己分散化することができる。
〔表面電荷量〕
顔料の粒子表面に直接又は他の原子団を介して結合しているアニオン性基の量は、自己分散顔料の表面電荷量として測定することができる。表面電荷量は、電位差を利用したコロイド滴定により測定することができる。表面電荷量の値が大きいほどアニオン性基が多く、小さいほどアニオン性基が少ないことを意味する。自己分散顔料の表面電荷量は、自己分散顔料の固形分1g当たりの量である。後述する実施例においては、流動電位滴定ユニット(PCD−500)を搭載した電位差自動滴定装置(商品名「AT−510」、京都電子工業製)を使用し、電位差を利用したコロイド滴定により、顔料分散液中の自己分散顔料の表面電荷量を測定した。滴定試薬としては、メチルグリコールキトサンを用いた。なお、インクから適切な方法により抽出した自己分散顔料を用いて表面電荷量を測定することも可能である。
自己分散顔料の表面電荷量(mmol/g)は、0.025mmol/g以上1.000mmol/g以下であることが好ましい。表面電荷量が0.025mmol/g未満であると、顔料の粒子表面に結合している官能基が少なく、疎水性である粒子表面が露出している部分が多くなりすぎる。このため、強酸性であるために親水性が高い芳香族スルフィン酸が顔料の粒子表面に接近しにくくなり、芳香族スルフィン酸がスルホン酸エステル基を十分に形成することができず、画像の耐水性を向上させる効果が低下する場合がある。一方、表面電荷量が1.000mmol/g超であると、顔料の粒子表面に結合している官能基が多く、アニオン性基も多くなる。このため、電荷を有する芳香族スルフィン酸が顔料の粒子表面に接近しにくくなり、芳香族スルフィン酸がスルホン酸エステル基を十分に形成することができず、画像の耐水性を向上させる効果が低下する場合がある。
(芳香族スルフィン酸又はその塩)
本発明の水性インクは、芳香族スルフィン酸又はその塩を含有する。芳香族スルフィン酸としては、例えば、ベンゼンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸、1−ナフタレンスルフィン酸、2−ナフタレンスルフィン酸などの、炭素数6以上10以下の芳香族基にスルフィン酸基(−SO2H)が置換した化合物を挙げることができる。本発明においては、コンパクトな化合物を用いることが好ましいため、縮合物などを利用する必要はない。なかでも、芳香族基がベンゼン環である、芳香族スルフィン酸又はその塩を用いることが好ましい。芳香族基には、炭素数1以上5以下のアルキル基が置換していてもよい。
芳香族スルフィン酸の塩としては、上記で挙げたような芳香族スルフィン酸の、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アンモニウム塩などを挙げることができる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などを挙げることができる。芳香族スルフィン酸は、酸型、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩型、又はアンモニウム塩型であることが特に好ましい。
インク中の芳香族スルフィン酸又はその塩の含有量は、分子量によっても好適な範囲が異なるため、スルフィン酸基の濃度で規定することが好ましい。具体的には、インク中の芳香族スルフィン酸又はその塩に由来するスルフィン酸基の濃度(mmol/kg)は、0.05mmol/kg以上3.50mmol/kg以下であることが好ましい。芳香族スルフィン酸又はその塩に由来するスルフィン酸基の濃度が0.05mmol/kg未満であると、画像の耐水性を向上させる効果がやや低下する場合がある。一方、芳香族スルフィン酸又はその塩に由来するスルフィン酸基の濃度が3.50mmol/kg超であると、インク中で自己分散顔料の官能基を還元する作用が生じる。このため、顔料の表面状態が変化しやすく、画像の耐水性を向上させる効果がやや低下する場合がある。
(一般式(I)で表される化合物)
本発明の水性インクは、下記一般式(I)で表される化合物を含有する。
Figure 2017119833
(前記一般式(I)中、R1は、ヒドロキシ基又はフタル酸基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
一般式(I)中、Mで表されるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などを挙げることができる。Mは、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属、又はアンモニウムであることが特に好ましい。
一般式(I)中のR1がフタル酸基である場合、2つのカルボキシ基はそれぞれ塩を形成していてもよい。カルボキシ基が塩を形成する場合のカチオンとしては、一般式(I)中のMの具体例として挙げたものと同様のものを挙げることができる。一般式(I)で表される化合物の好適例としては、R1がヒドロキシ基である4−ヒドロキシフタル酸、R1がフタル酸基である4,4’−ビフタル酸、及びこれらの塩を挙げることができる。一般式(I)で表される化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
自己分散顔料への芳香族スルフィン酸又はその塩、及び、一般式(I)で表される化合物の親和性が高いと、顔料の粒子表面により接近して存在しやすくなり、記録される画像の耐水性をさらに向上させることができる。このため、自己分散顔料の官能基が、他の原子団として芳香族基を有することが好ましい。さらに、顔料の粒子表面に結合している官能基が、フタル酸基であることが特に好ましい。このとき、芳香族スルフィン酸又はその塩については、芳香族基がベンゼン環である化合物を用いることが好ましい。このような組み合わせとすることで、自己分散顔料の官能基と、芳香族スルフィン酸又はその塩、及び一般式(I)で表される化合物とが、共通する構造を有することになり、高い親和性を示すようになる。
インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量は、顔料の粒子表面にあるヒドロキシ基などの官能基と芳香族スルフィン酸又はその塩との反応の観点から、芳香族スルフィン酸又はその塩との関係で決定することが好ましい。また、インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量は、分子量によっても好適な範囲が異なるため、フタル酸基の濃度で規定することが好ましい。具体的には、インク中の、一般式(I)で表される化合物に由来するフタル酸基の濃度は、芳香族スルフィン酸又はその塩に由来するスルフィン酸基の濃度に対するモル比率で、0.10倍以上0.50倍以下であることが好ましい。すなわち、「フタル酸基の濃度B/スルフィン酸基の濃度A」の値(B/Aの値)は、0.10以上0.50以下であることが好ましい。上記のモル比率が0.10倍未満であると、顔料の粒子表面への芳香族スルフィン酸又はその塩の接近を促進させる効果が発揮されにくくなるため、画像の耐水性を向上させる効果が低下する場合がある。一方、上記のモル比率が0.50倍超であると、顔料の粒子表面にあるヒドロキシ基などの官能基と芳香族スルフィン酸又はその塩との反応が、過剰の一般式(I)で表される化合物に遮蔽されやすくなる。このため、顔料の粒子表面にあるヒドロキシ基などの官能基と芳香族スルフィン酸又はその塩のとの反応が抑制されやすくなり、画像の耐水性を向上させる効果が低下する場合がある。インク中の一般式(I)で表される化合物に由来するフタル酸基の濃度(mmol/kg)は、0.005mmol/kg以上1.750mmol/kg以下であることが好ましい。
(その他の塩、比誘電率が32以下の水溶性有機溶剤)
水性インクには、(i)前述の芳香族スルフィン酸の塩や一般式(I)で表される化合物以外の塩(以下、「その他の塩」とも記す)や、(ii)比誘電率が32以下の水溶性有機溶剤を含有させることができる。その他の塩をさらに含有させることで、インク中のイオン濃度が高まるため、自己分散顔料は緩い凝集体を形成する。また、比誘電率が低い水溶性有機溶剤は、自己分散顔料のアニオン性基のイオン解離を抑制する作用を示す。インク中には水が存在するため、自己分散顔料は凝集こそしないものの、緩い凝集体を形成する。その他の塩や、比誘電率が32以下の水溶性有機溶剤をインクに含有させることで、結果として画像の耐水性をさらに向上させることができる。加えて、その他の塩や、比誘電率が32以下の水溶性有機溶剤は、記録される画像の光学濃度をさらに向上させることができるというメリットもあるため、好適に使用することができる。
〔その他の塩〕
その他の塩としては、以下に挙げるようなカチオン及びアニオンが結合して構成されるものを挙げることができる。カチオンは、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。また、アニオンは、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、HCOO-、(COO-2、COOH(COO-)、CH3COO-、C24(COO-2、C65COO-、C64(COO-2、PO4 3-、HPO4 2-、及びH2PO4 -からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどを挙げることができる。また、有機アンモニウムイオンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの炭素数1以上4以下のアルカノールアミン類;などのカチオンを挙げることができる。
カチオンとアニオンとが結合して構成される塩としては、例えば、1価のカチオンを(M2)として表すと、(M2)Cl、(M2)Br、(M2)I、(M2)ClO、(M2)ClO2、(M2)ClO3、(M2)ClO4、(M2)NO2、(M2)NO3、(M22SO4、(M22CO3、(M2)HCO3、HCOO(M2)、(COO(M2))2、COOH(COO(M2))、CH3COO(M2)、C24(COO(M2))2、C65COO(M2)、C64(COO(M2))2、(M23PO4、(M22HPO4、(M2)H2PO4を挙げることができる。なかでも、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸アンモニウム、クエン酸三ナトリウム、フタル酸カリウム、フタル酸アンモニウムなどが好ましい。
インク中のその他の塩の濃度(mmol/kg)は、インク全質量を基準として、2.00mmol/kg以上100.00mmol/kg以下であることが好ましく、5.00mmol/kg以上20.00mmol/kg以下であることがさらに好ましい。上記のその他の塩以外にも、アミノ酸類、タウリン、ベタイン化合物などの分子内塩を用いてもよい。
〔比誘電率が32以下の水溶性有機溶剤〕
水性インク中の比誘電率が32以下の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.50質量%以上20.00質量%以下であることが好ましく、2.00質量%以上8.00質量%以下であることがさらに好ましい。
水溶性有機溶剤や水の比誘電率は、誘電率計(例えば、商品名「BI−870」(BROOKHAVEN INSTRUMENTS CORPORATION製)など)を用いて、周波数10kHzの条件で測定することができる。なお、温度25℃で固体の水溶性有機溶剤の比誘電率は、50質量%水溶液の比誘電率を測定し、下記式(A)から算出した値とする。通常「水溶性有機溶剤」とは液体を意味するが、本発明においては、25℃(常温)で固体であるものも水溶性有機溶剤に含めることとする。
εsol=2ε50%−εwater ・・・(A)
εsol:25℃で固体の水溶性有機溶剤の比誘電率
ε50%:25℃で固体の水溶性有機溶剤の50質量%水溶液の比誘電率
εwater:水の比誘電率
水性のインクに汎用な25℃で固体の水溶性有機溶剤の具体例としては、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、エチレン尿素、尿素、数平均分子量1,000のポリエチレングリコールなどを挙げることができる。
25℃で固体の水溶性有機溶剤の比誘電率を50質量%水溶液の比誘電率から算出する理由は、以下に示す通りである。25℃で固体の水溶性有機溶剤のうち、水性インクの構成成分となりうるものには、50質量%を超える高濃度水溶液の調製が困難なものがある。一方、10質量%以下の低濃度水溶液では水の比誘電率が支配的となり、水溶性有機溶剤の確からしい(実効的な)比誘電率の値を得ることは困難である。そこで、本発明者らが検討を行ったところ、インクに用いる25℃で固体の水溶性有機溶剤のほとんどが、測定対象となる水溶液を調製可能であり、かつ、算出される比誘電率も本発明の効果と整合することが判明した。以上の理由により、本発明においては50質量%水溶液の比誘電率から、25℃で固体の水溶性有機溶剤の比誘電率を算出して用いることとした。25℃で固体の水溶性有機溶剤であっても、水への溶解度が低く、50質量%水溶液を調製できないものについては、飽和濃度の水溶液を利用し、上記のεsolを算出する場合に準じて算出した比誘電率の値を便宜的に用いる。
比誘電率が32以下の水溶性有機溶剤の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン(32)、トリエタノールアミン(32)、ジエチレングリコール(32)、1,4−ブタンジオール(31)、1,3−ブタンジオール(30)、1,2−プロパンジオール(29)、1,2,6−ヘキサントリオール(29)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(28)、2−ピロリドン(28)、1,5−ペンタンジオール(27)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(24)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(24)、エタノール(24)、1−(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルヒダントイン(24)、トリエチレングリコール(23)、テトラエチレングリコール(21)、数平均分子量200のポリエチレングリコール(19)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(19)、イソプロパノール(18)、1,2−ヘキサンジオール(15)、n−プロパノール(12)、数平均分子量600のポリエチレングリコール(11)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(10)、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(9)、1,6−ヘキサンジオール(7)、数平均分子量1,000のポリエチレングリコール(5)などを挙げることができる(括弧内の数値は25℃における比誘電率である)。比誘電率が32以下の水溶性有機溶剤の25℃における蒸気圧は水よりも低いことが好ましい。
水溶性有機溶剤は、その分子構造にもよるが、その比誘電率の低下とともに自己分散顔料の分散状態に影響を及ぼしやすくなる傾向にある。このため、例えば、比誘電率が10以下であるとともに常温で液体である水溶性有機溶剤を用いる場合、その含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.50質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以下であることがさらに好ましい。なかでも、比誘電率が10以下であるとともに常温で液体である水溶性有機溶剤は用いないことが特に好ましい。比誘電率が10以下であるとともに常温で液体である水溶性有機溶剤としては、グリコールエーテル類などを挙げることができる。
(水性媒体)
水性インクには、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。水性インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に限定はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤(比誘電率が32以下の水溶性有機溶剤を含む)の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.00質量%以上90.00質量%以下であることが好ましい。また、10.00質量%以上50.00質量%以下であることがさらに好ましい。
水溶性有機溶剤の具体例(比誘電率が32以下の水溶性有機溶剤の具体例を含む)としては、メタノール(33)、エタノール(24)、n−プロパノール(12)、イソプロパノール(18)、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなどの炭素数1乃至4の1価アルコール類;1,2−プロパンジオール(29)、1,3−ブタンジオール(30)、1,4−ブタンジオール(31)、1,5−ペンタンジオール(27)、1,2−ヘキサンジオール(15)、1,6−ヘキサンジオール(7)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(28)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(24)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(24)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(19)などの2価アルコール類;1,2,6−ヘキサントリオール(29)、グリセリン(42)、トリメチロールプロパン(34)、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類;エチレングリコール(40)、ジエチレングリコール(32)、トリエチレングリコール(23)、テトラエチレングリコール(21)、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、チオジグリコールなどのアルキレングリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(10)、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(9)などのグリコールエーテル類;数平均分子量200のポリエチレングリコール(19)、同600のポリエチレングリコール(11)、同1,000のポリエチレングリコール(5)、ポリプロピレングリコールなどの数平均分子量200乃至1,000のポリアルキレングリコール類;2−ピロリドン(28)、N−メチル−2−ピロリドン(32)、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン(38)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルモルホリン、尿素(110)、エチレン尿素(50)、トリエタノールアミン(32)、1−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチルヒダントイン(24)などの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド(49)、ビス(2−ヒドロキシエチルスルホン)などの含硫黄化合物類;γ−ブチロラクトン(42)などの環状エーテル類などを挙げることができる(括弧内の数値は25℃における比誘電率である)。水溶性有機溶剤の比誘電率は3以上であることが好ましい。水溶性有機溶剤の25℃における蒸気圧は水よりも低いことが好ましい。
(樹脂)
水性インクには、樹脂を含有させることができる。樹脂は、(i)自己分散顔料の分散状態をより安定にするため、(ii)記録される画像の耐擦過性などを向上させるため、などの目的でインクに添加することができる。インク中の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上10.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以上5.00質量%以下であることがさらに好ましい。
樹脂としては、アニオン性基を有するものが好ましい。樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、多糖類、ポリペプチド類などを挙げることができる。なかでも、インクの吐出安定性を確保しやすいことから、アクリル樹脂及びウレタン樹脂が好ましい。また、樹脂の形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの組み合わせなどを挙げることができる。
水性インク中の樹脂は、水性媒体に溶解した状態であってもよく、水性媒体中に樹脂粒子として分散した状態であってもよい。本発明において樹脂が水溶性であることとは、その樹脂を酸価と当量のアルカリで中和した場合に、動的光散乱法により粒子径を測定しうる粒子を形成しないものであることとする。樹脂の酸価は、30mgKOH/g以上350mgKOH/g以下であることが好ましい。また、樹脂の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求められるポリスチレン換算の重量平均分子量)は、1,000以上100,000以下であることが好ましく、5,000以上50,000以下であることがさらに好ましい。
(染料)
水性インクには、調色などのために、自己分散顔料の他に、染料をさらに色材として含有させることができる。染料の種類は特に限定されない。染料の具体例としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料、食用染料などを挙げることができ、アニオン性基を有する染料を用いることが好ましい。染料骨格の具体例としては、アゾ、トリフェニルメタン、フタロシアニン、アザフタロシアニン、キサンテン、アントラピリドンなどを挙げることができる。また、色相をブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、ブルー、グリーンに分類したときに、自己分散顔料と共通する色相を有する染料を用いることが好ましい。インク中の染料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.20質量%以上8.00質量%以下であることが好ましく、0.50質量%以上3.00質量%以下であることがさらに好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のインクには、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、蒸発促進剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、及びキレート化剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性などの界面活性剤を挙げることができる。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上5.00質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以上2.00質量%以下であることがさらに好ましい。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系化合物などのノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤の疎水性基は、自己分散顔料の粒子表面に吸着しやすい。このため、インク中における自己分散顔料の分散状態をより安定に保つことができる。界面活性剤のなかでも、ノニオン性界面活性剤はイオン性基を有しないため、自己分散顔料の官能基と相互作用を起こしにくい一方で、顔料の粒子表面には吸着しやすいからである。また、イオン性界面活性剤を用いる場合、その含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.10質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがさらに好ましい。なかでも、イオン性界面活性剤は用いないことが特に好ましい。
(インクの物性)
本発明の水性インクは、インクジェット方式に適用するインクである。したがって、その物性値を適切に制御することが好ましい。具体的には、25℃におけるインクの表面張力は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上60mN/m以下であることがさらに好ましい。なかでも、30mN/m以上50mN/m以下であることが好ましく、30mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。また、25℃におけるインクの粘度は、1.0mPa・s以上10.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることがさらに好ましく、1.0mPa・s以上3.0mPa・s以下であることが特に好ましい。25℃におけるインクのpHは、5.0以上10.0以下であることが好ましい。なかでも、6.0以上8.5以下であることが好ましい。pHが上記の範囲内にあると、自己分散顔料の分散安定性が向上するとともに、芳香族スルフィン酸又はその塩、及び一般式(I)で表される化合物の溶解性も確保される。したがって、保存安定性に優れたインクとすることができる。
<反応液>
本発明の水性インクは、反応液と併用することもできる。反応液は、インクと接触することにより自己分散顔料を凝集させるものであり、反応剤を含有する。反応剤としては、例えば、多価金属イオン、カチオン性樹脂などのカチオン性成分や、有機酸など挙げることができる。
多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Sr2+、及びBa2+などの2価の金属イオン;Al3+、Fe3+、Cr3+、及びY3+などの3価の金属イオンを挙げることができる。反応液に多価金属イオンを含有させるためには、多価金属イオンとアニオンとが結合して構成される多価金属塩(水和物であってもよい)を用いることができる。アニオンとしては、例えば、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、PO4 3-、HPO4 2-、及びH2PO4 -などの無機アニオン;HCOO-、(COO-2、COOH(COO-)、CH3COO-、C24(COO-2、C65COO-、C64(COO-2及びCH3SO3 -などの有機アニオンを挙げることができる。反応剤として多価金属イオンを用いる場合、反応液中の多価金属塩換算の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、1.00質量%以上10.00質量%以下であることが好ましい。
カチオン性樹脂としては、例えば、1〜3級アミンの構造を有する樹脂、4級アンモニウム塩の構造を有する樹脂などを挙げることができる。具体的には、ビニルアミン、アリルアミン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、エチレンイミン、グアニジンなどの構造を有する樹脂などを挙げることができる。反応液における溶解性を高めるために、カチオン性樹脂と酸性化合物とを併用したり、カチオン性樹脂の4級化処理を施したりすることもできる。反応剤としてカチオン性樹脂を用いる場合、反応液中のカチオン性樹脂の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、1.00質量%以上10.00質量%以下であることが好ましい。
有機酸を含有する反応液は、酸性領域(pH7.0未満、好ましくはpH2.0〜5.0)に緩衝能を有することによって、インク中の自己分散顔料のアニオン性基を酸型にして凝集させるものである。有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などのモノカルボン酸及びその塩;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ピロメリット酸などのジカルボン酸、及びその塩や水素塩;クエン酸、トリメリット酸などのトリカルボン酸、及びその塩や水素塩;オキシコハク酸、DL−リンゴ酸、酒石酸などのヒドロキシカルボン酸及びその塩を挙げることができる。塩を形成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属イオン;アンモニウムイオン;有機アンモニウムイオンなどを挙げることができる。反応液中の有機酸の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、1.00質量%以上40.00質量%以下であることが好ましい。
反応液中の反応剤以外の成分としては、水性インクに用いることができるものとして先に挙げた、水、水溶性有機溶剤、その他の添加剤などと同様のものを用いることができる。
<クリアインク>
本発明の水性インクは、色材を含有しないクリアインクと併用することもできる。クリアインクは、色材を含有するインクで記録された画像上に付与されるものである。クリアインクは、色材を含有するインクにより記録される画像の特性(光沢性、耐擦過性など)を向上するなどの目的で用いられる。色材を含有しない以外、クリアインクの成分としては、水性インクに用いることができるものとして先に挙げた、水、水溶性有機溶剤、その他の添加剤などと同様のものを用いることができる。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の準備>
(自己分散顔料の表面電荷量の測定方法)
流動電位滴定ユニット(PCD−500)を搭載した電位差自動滴定装置(商品名「AT−510」、京都電子工業製)を使用し、滴定試薬としてメチルグリコールキトサンを用いた電位差滴定により、顔料分散液中の自己分散顔料の表面電荷量を測定した。
(顔料分散液1)
水5.5gに濃塩酸5.0gを溶かして得た溶液を5℃に冷却した状態とし、この状態で4−アミノフタル酸(処理剤)1.6gを加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れ、撹拌して溶液の温度を10℃以下に保持しながら、5℃のイオン交換水9.0gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、顔料(カーボンブラック、商品名「NIPex170IQ」、オリオンエンジニアドカーボン製、BET比表面積200m2/g、DBP吸油量135mL/100g)6.0gを撹拌下で加え、さらに15分間撹拌してスラリーを得た。得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過し、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させた。イオン交換法によりカウンターイオンをナトリウムイオンからカリウムイオンに置換した後、適量のイオン交換水を添加して顔料の含有量を調整し、顔料の含有量が15.0%である顔料分散液1を得た。顔料分散液1中の自己分散顔料の表面電荷量は0.340mmol/gであった。
(顔料分散液2)
水5.5gに濃塩酸5.0gを溶かして得た溶液を5℃に冷却した状態とし、この状態で4−アミノフタル酸(処理剤)1.6gを加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れ、撹拌して溶液の温度を10℃以下に保持しながら、5℃のイオン交換水9.0gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、顔料(カーボンブラック、商品名「NIPex170IQ」、オリオンエンジニアドカーボン製、BET比表面積200m2/g、DBP吸油量135mL/100g)6.0gを撹拌下で加え、さらに15分間撹拌してスラリーを得た。その後、8mol/L水酸化カリウム水溶液を加えて液体のpHを10に調整して分散液を得た。限外ろ過装置(商品名「RP−2100」(アイラ製)、フィルター:ペンシル型モジュール「SAP−0013」(旭化成ケミカルズ製))を使用して分散液から不純物を除去して精製した。精製は、限外ろ過装置で分散液を20mLまで濃縮(ろ液180mLを分取)した後、イオン交換水180mLを添加して分散液を希釈する操作を4回繰り返し、ろ液の電気伝導度が50μS/cm以下となったのを確認することにより行った。イオン交換法によりカウンターイオンをナトリウムイオンからアンモニウムイオンに置換した。イオン交換後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離して粗大粒子を除去し、適量のイオン交換水を添加して顔料の含有量を調整し、顔料の含有量が15.0%である顔料分散液2を得た。顔料分散液2中の自己分散顔料の表面電荷量は0.340mmol/gであった。
(顔料分散液3)
顔料をC.I.ピグメントブルー15:3(商品名「Heliogen Blue D7079」、BASF製)に変更したこと以外は顔料分散液1の調製と同様にして、顔料の含有量が15.0%である顔料分散液3を得た。顔料分散液3中の自己分散顔料の表面電荷量は、0.190mmol/gであった。
(顔料分散液4)
顔料18.0g、イオン交換水180g、及び処理剤1.0mmol/g(但し、顔料に対する量)を、容量400mLのベッセル(アイメックス製)に入れて混合した。顔料としては、カーボンブラック(商品名「NIPex170IQ」、オリオンエンジニアドカーボン製、BET比表面積200m2/g、DBP吸油量135mL/100g)を用いた。処理剤としては、4−(2−tert−ブトキシカルボニルヒドラジノ)フタル酸(住化テクノサービス製)を用いた。この処理剤は、一般式(1)中のR1及びR3が水素原子、R2がカルボン酸−tert−ブチルエステル基、A1が3,4−ジカルボキシフェニル基の化合物である。8mol/L水酸化カリウム水溶液を加えて液体のpHを3に調整した後、25℃、回転数2,000rpmで12時間撹拌した。その後、8mol/L水酸化カリウム水溶液を加えて液体のpHを10に調整して分散液を得た。限外ろ過装置(商品名「RP−2100」(アイラ製)、フィルター:ペンシル型モジュール「SAP−0013」(旭化成ケミカルズ製))を使用して分散液から不純物を除去して精製した。精製は、限外ろ過装置で分散液を20mLまで濃縮(ろ液180mLを分取)した後、イオン交換水180mLを添加して分散液を希釈する操作を4回繰り返し、ろ液の電気伝導度が50μS/cm以下となったのを確認することにより行った。精製後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離して粗大粒子を除去し、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液4を得た。顔料分散液4中の自己分散顔料の表面電荷量は0.260mmol/gであった。
(顔料分散液5)
原料として、4−アミノフタル酸(東京化成工業製)、及び4−アミノフタル酸に対して2倍量(モル比)のp−ベンゼンスルホニルクロリド(東京化成工業製)を用意した。用意したこれらの原料を用いて、国際公開第2001/002351号の記載に準じて、4−(1,2−ビスフェニルスルホニルヒドラジノ)フタル酸を得た。この化合物は、一般式(1)中のR1が水素原子、R2及びR3がフェニルスルホニル基、A1が3,4−ジカルボキシフェニル基の化合物である。そして、処理剤を4−(1,2−ビスフェニルスルホニルヒドラジノ)フタル酸に変更したこと以外は、前述の顔料分散液4の場合と同様にして、顔料の含有量が15.0%である顔料分散液5を得た。顔料分散液5中の自己分散顔料の表面電荷量は0.250mmol/gであった。
(顔料分散液6)
処理剤をアセトン3,4−ジカルボキシフェニルヒドラゾン(WDB機能化学製)に変更したこと以外は、前述の顔料分散液4の場合と同様にして、顔料の含有量が15.0%である顔料分散液6を得た。この処理剤は、一般式(2)中のR5及びR6がメチル基、R7が水素原子、A2が3,4−ジカルボキシフェニル基の化合物である。顔料分散液6中の自己分散顔料の表面電荷量は0.240mmol/gであった。
(顔料分散液7)
処理剤を4−(フェニルスルホニルアゾ)フタル酸(WDB機能化学製)に変更したこと以外は、前述の顔料分散液4の場合と同様にして、顔料の含有量が15.0%である顔料分散液7を得た。この処理剤は、一般式(3)中のR8がフェニルスルホニル基、A3が3,4−ジカルボキシフェニル基の化合物である。顔料分散液7中の自己分散顔料の表面電荷量は0.250mmol/gであった。
(顔料分散液8)
特表2003−535949号公報の「実施例3」の記載を参考にして、オゾンガスを用いて顔料の粒子表面を酸化処理して自己分散顔料を調製した。具体的には、まず、顔料をイオン交換水に予備分散させた後、6時間オゾン処理した。顔料としては、カーボンブラック(商品名「NIPex170IQ」、オリオンエンジニアドカーボン製、BET比表面積200m2/g、DBP吸油量135mL/100g)を用いた。次いで、水酸化カリウムを添加して混合物のpHを7程度に調整しながら、液−液衝突型の分散機を用いて混合物を3時間循環させた。適量のイオン交換水を添加して顔料の含有量を調整し、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液8を得た。顔料分散液8中の自己分散顔料の表面電荷量は0.320mmol/gであった。
(顔料分散液9)
顔料(カーボンブラック)の粒子表面を酸化剤により酸化処理して製造された自己分散顔料を含有する市販の顔料分散液(商品名「BONJET BLACK CW−1」、オリヱント化学工業製)を顔料分散液9として用いた。顔料分散液9中の顔料の含有量は20.0%であり、自己分散顔料の表面電荷量は0.330mmol/gであった。
(顔料分散液10)
顔料(カーボンブラック)の粒子表面を酸化剤により酸化処理して製造された自己分散顔料を含有する市販の顔料分散液(商品名「Aqua−Black 162」、東海カーボン製)を顔料分散液10として用いた。顔料分散液10中の顔料の含有量は19.0%であり、自己分散顔料の表面電荷量は0.320mmol/gであった。
(顔料分散液11)
水5.5gに濃塩酸5.0gを溶かして得た溶液を5℃に冷却した状態とし、この状態で4−アミノフタル酸(処理剤)0.16gを加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れ、撹拌して溶液の温度を10℃以下に保持しながら、5℃のイオン交換水9.0gに亜硝酸ナトリウム0.18gを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、顔料(カーボンブラック、商品名「NIPex170IQ」、オリオンエンジニアドカーボン製、BET比表面積200m2/g、DBP吸油量135mL/100g)6.0gを撹拌下で加え、さらに2分間撹拌した。水酸化カリウム水溶液を添加して、処理剤と亜硝酸ナトリウムとの反応により生じたジアゾニウム化合物をクエンチした。それ以降は、前述の顔料分散液1の場合と同様にして、顔料の含有量が15.0%である顔料分散液11を得た。顔料分散液11中の自己分散顔料の表面電荷量は0.020mmol/gであった。
(顔料分散液12)
顔料を加えた後の撹拌時間を2分間としたこと以外は、前述の顔料分散液11の場合と同様に処理して、顔料の含有量が15.0%である顔料分散液12を得た。顔料分散液12中の自己分散顔料の表面電荷量は0.025mmol/gであった。
(顔料分散液13)
5−アミノ−1,2,3−ベンゼントリカルボン酸2.0gを処理剤として用いたこと以外は、オーブンで乾燥する手順まで、前述の顔料分散液1の場合と同様の処理を行った。その後、5−アミノ−1,2,3−ベンゼントリカルボン酸2.0gを用いて同様の処理を繰り返した。この処理を4回繰り返した後は、前述の顔料分散液1の場合と同様に処理して、顔料の含有量が15.0%である顔料分散液13を得た。顔料分散液13中の自己分散顔料の表面電荷量は1.000mmol/gであった。
(顔料分散液14)
処理剤による処理回数を8回としたこと以外は、前述の顔料分散液13の場合と同様にして、顔料の含有量が15.0%である顔料分散液14を得た。顔料分散液14中の自己分散顔料の表面電荷量は1.050mmol/gであった。
(顔料分散液15)
顔料20.0部、アクリル系樹脂(商品名「Joncryl683」、BASF製、酸価160mgKOH/g)8.0部、水酸化カリウム1.0部、及びイオン交換水71.0部を混合して混合物を得た。顔料としては、カーボンブラック(商品名「NIPex170IQ」、オリオンエンジニアドカーボン製、BET比表面積200m2/g、DBP吸油量135mL/100g)を用いた。得られた混合物を、ガラスビーズとともにペイントシェーカーに入れ、8時間分散させた。遠心分離処理して粗大粒子を除去した後、顔料に吸着していない樹脂を限外ろ過により除去して、イオン交換水を添加し、さらにポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過した後、水酸化カリウム水溶液を用いてpHを調整した。適量のイオン交換水を添加して顔料の含有量を調整し、顔料の含有量が15.0%、アクリル系樹脂の含有量が6.0%である顔料分散液15を得た。顔料分散液15中の樹脂により分散された顔料の表面電荷量は、0.39mmol/gであった。
(顔料分散液16)
顔料20.0部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(商品名「デモールN」、花王製)4.0部、及びイオン交換水76.0部を混合して混合物を得た。この混合物を用いたこと以外は、前述の顔料分散液15の場合と同様にして、顔料の含有量が15.0%、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩の含有量が3.0%である顔料分散液16を得た。顔料分散液16中の分散剤により分散された顔料の表面電荷量は、0.33mmol/gであった。この表面電荷量は、硫黄の元素分析値から換算して算出した。
<インクの調製>
表1−1〜1−6の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのメンブレンフィルター(商品名「HDCIIフィルター」、ポール製)で加圧ろ過して各インクを調製した。イオン交換水の量は、成分の合計量が100.00%となる残量とした。表1−1〜1−6中、「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤(アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)の商品名である。水溶性有機溶剤に付したカッコ内の数値は、水溶性有機溶剤の比誘電率である。表1−1〜1−6の下段には、スルフィン酸基の濃度A(mmol/kg)、フタル酸基の濃度B(mmol/kg)、及びB/Aの値(倍)を示した。
Figure 2017119833
Figure 2017119833
Figure 2017119833
Figure 2017119833
Figure 2017119833
Figure 2017119833
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS MP480」、キヤノン製)にセットした。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に25ng±10%のインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。本発明においては、以下の各項目の評価基準で、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表2に示す。
(耐水性)
上記のインクジェット記録装置を用いて、以下に示す6種の記録媒体に記録デューティが100%であるベタ画像(2cm×2cm/1ライン)を記録した。
・普通紙(商品名「GF−500」、キヤノン製)
・普通紙(商品名「SW−101」、キヤノン製)
・普通紙(商品名「Office70」、キヤノン製)
・普通紙(商品名「XEROX4200」、ゼロックス製)
・通常はがき(日本郵便製)
・通常はがき・インクジェット用(日本郵便製)
記録の5分後及び1日後に、ベタ画像の部分から非記録部分に向かって流水をかけ、非記録部分の汚れの状態を目視で観察し、以下に示す基準にしたがって耐水性を評価した。
A:いずれの記録媒体においても、1日後では非記録部にインクが流れ出ていなかった。また、5分後では一部の記録媒体の非記録部にインクが流れ出ていたが、目立たなかった。
B:いずれの記録媒体においても、1日後では非記録部にインクが流れ出ていなかった。また、5分後では一部の記録媒体の非記録部に目立つようにインクが流れ出ていた。
C:1日後であっても、少なくとも一部の記録媒体の非記録部にインクが流れ出ていた。
(光学濃度)
上記のインクジェット記録装置を用いて、記録媒体(普通紙、商品名「キヤノン普通紙・ホワイトSW−101」、キヤノン製)に、記録デューティが100%であるベタ画像(2cm×2cm/1ライン)を記録した。記録の1日後に、反射濃度計(商品名「マクベスRD−918」、マクベス製)を使用してベタ画像の光学濃度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって画像の光学濃度を評価した。
A:光学濃度が1.50以上であった。
B:光学濃度が1.40以上1.50未満であった。
C:光学濃度が1.40未満であった。
Figure 2017119833

Claims (10)

  1. 自己分散顔料を含有するインクジェット用の水性インクであって、
    芳香族スルフィン酸又はその塩、及び下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする水性インク。
    Figure 2017119833
    (前記一般式(I)中、R1は、ヒドロキシ基又はフタル酸基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
  2. 前記一般式(I)で表される化合物が、4−ヒドロキシフタル酸、4,4’−ビフタル酸、及びこれらの塩の少なくともいずれかである請求項1に記載の水性インク。
  3. 前記自己分散顔料が、顔料の粒子表面に他の原子団を介してアニオン性基が結合した自己分散顔料である請求項1又は2に記載の水性インク。
  4. 前記自己分散顔料の表面電荷量(mmol/g)が、0.025mmol/g以上1.000mmol/g以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性インク。
  5. 前記芳香族スルフィン酸又はその塩に由来するスルフィン酸基の濃度(mmol/kg)が、0.05mmol/kg以上3.50mmol/kg以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水性インク。
  6. 前記インク中の、前記一般式(I)で表される化合物に由来するフタル酸基の濃度(mmol/kg)が、前記芳香族スルフィン酸又はその塩に由来するスルフィン酸基の濃度(mmol/kg)に対するモル比率で、0.10倍以上0.50倍以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水性インク。
  7. 前記自己分散顔料の顔料種が、カーボンブラックである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の水性インク。
  8. さらに、(i)アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン、及び、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、HCOO-、(COO-2、COOH(COO-)、CH3COO-、C24(COO-2、C65COO-、C64(COO-2、PO4 3-、HPO4 2-、及びH2PO4 -からなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンが結合して構成される塩、及び、(ii)比誘電率が32以下の水溶性有機溶剤、の少なくとも一方を含有する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水性インク。
  9. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  10. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2016227407A 2015-12-28 2016-11-24 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Active JP6833474B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015255632 2015-12-28
JP2015255632 2015-12-28

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017119833A true JP2017119833A (ja) 2017-07-06
JP2017119833A5 JP2017119833A5 (ja) 2020-01-09
JP6833474B2 JP6833474B2 (ja) 2021-02-24

Family

ID=59271904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016227407A Active JP6833474B2 (ja) 2015-12-28 2016-11-24 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6833474B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03234774A (ja) * 1990-02-09 1991-10-18 Canon Inc インク及びこれを用いたインクジェット記録方法
JPH10264504A (ja) * 1997-03-25 1998-10-06 Sony Corp 記録方法
JP2002060667A (ja) * 2000-08-23 2002-02-26 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
JP2004238415A (ja) * 2003-02-03 2004-08-26 Hitachi Maxell Ltd インクジェットプリンタ用インク
JP2006089735A (ja) * 2004-08-27 2006-04-06 Canon Inc 水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録方法及び画像形成方法
JP2012086555A (ja) * 2010-09-21 2012-05-10 Canon Inc 記録媒体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03234774A (ja) * 1990-02-09 1991-10-18 Canon Inc インク及びこれを用いたインクジェット記録方法
JPH10264504A (ja) * 1997-03-25 1998-10-06 Sony Corp 記録方法
JP2002060667A (ja) * 2000-08-23 2002-02-26 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
JP2004238415A (ja) * 2003-02-03 2004-08-26 Hitachi Maxell Ltd インクジェットプリンタ用インク
JP2006089735A (ja) * 2004-08-27 2006-04-06 Canon Inc 水性インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録方法及び画像形成方法
JP2012086555A (ja) * 2010-09-21 2012-05-10 Canon Inc 記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP6833474B2 (ja) 2021-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100904474B1 (ko) 잉크젯 기록용 잉크 세트
JP5086096B2 (ja) 多層顔料を含むインクジェットインキ
JP6808410B2 (ja) 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
US9593250B2 (en) Aqueous ink, ink cartridge and ink jet recording method
JP2015143338A (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
JP6558974B2 (ja) 水性インク、水性インクの製造方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP6833475B2 (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP6759073B2 (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP6759074B2 (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP6833474B2 (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2017119731A (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP7102224B2 (ja) 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2018021099A (ja) 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2019131644A (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
JP2018070715A (ja) 自己分散顔料の製造方法、自己分散顔料、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2007270145A (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、インクセット、及び画像形成方法
JP2016108408A (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191120

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191120

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20200221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210203

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6833474

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151