JP2017119523A - 断熱容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な断熱性を有し、汚れの付着や損傷を防止することができ、長期間の使用に耐える断熱容器を提供する。
【解決手段】発泡樹脂製の箱体2と、該箱体2の上方開口部2aを閉塞する発泡樹脂製の蓋体3と、箱体2の外側面2c及び外底面2bの一部を覆う非発泡樹脂製の保護ケース4とを備えた断熱容器1である。箱体2は、外側面2cの下方部分であって保護ケース4によって覆われる被覆部2eと、外側面2cの上方部分であって保護ケース4から露出して被覆部2eよりも外方へ突出する露出部2fと、該露出部2fと被覆部2eとの間に形成された段差部2gと、を有する。保護ケース4は、箱体2の被覆部2eに間隔をあけて対向する側壁4cと、箱体2の外底面2bに対向する底壁4bと、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】発泡樹脂製の箱体2と、該箱体2の上方開口部2aを閉塞する発泡樹脂製の蓋体3と、箱体2の外側面2c及び外底面2bの一部を覆う非発泡樹脂製の保護ケース4とを備えた断熱容器1である。箱体2は、外側面2cの下方部分であって保護ケース4によって覆われる被覆部2eと、外側面2cの上方部分であって保護ケース4から露出して被覆部2eよりも外方へ突出する露出部2fと、該露出部2fと被覆部2eとの間に形成された段差部2gと、を有する。保護ケース4は、箱体2の被覆部2eに間隔をあけて対向する側壁4cと、箱体2の外底面2bに対向する底壁4bと、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、断熱容器に関する。
従来から被保冷体又は被保温体を長期間冷却又は加温状態に保持して遠隔地への搬送を可能にする簡便構造の保冷・保温用通い箱及び貯蔵箱が知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。特許文献1において、保冷・保温用通い箱及び貯蔵箱は、例えば、発泡スチロール製のケース本体からなることが記載されている。このような発泡樹脂製の断熱容器は、物品を収容した状態で配送先へ搬送され、配送先で物品が取り出された後、配送元へ搬送されて回収され、再利用される。
上記従来の断熱容器は、良好な断熱性を有する反面、表面に微小な凹凸を有する比較的柔軟な発泡樹脂によって形成されていることから、上述のように搬送を繰り返すと、汚れが付着したり、損傷したりする。そのため、上記従来の発泡樹脂製容器は、再利用できる回数が限られ、比較的に短期間で交換が必要になるという課題がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、良好な断熱性を有し、汚れの付着や損傷を防止することができ、長期間の使用に耐える断熱容器を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の断熱容器は、発泡樹脂製の箱体と、該箱体の上方開口部を閉塞する発泡樹脂製の蓋体と、前記箱体の外側面及び外底面の一部を覆う非発泡樹脂製の保護ケースとを備えた断熱容器であって、前記箱体は、前記外側面の下方部分であって前記保護ケースによって覆われる被覆部と、前記外側面の上方部分であって前記保護ケースから露出して前記被覆部よりも外方へ突出する露出部と、該露出部と前記被覆部との間に形成された段差部と、を有し、前記保護ケースは、前記箱体の前記被覆部に間隔をあけて対向する側壁と、前記箱体の前記外底面に対向する底壁と、を有することを特徴とする。
本発明の断熱容器は、断熱性が高い反面、汚れが付着し易く破損し易い発泡樹脂製の箱体を用いている。しかし、特に汚れが付着し易く破損し易い箱体の外側面の下方部分である被覆部及び外底面の一部は、汚れが付着し難く破損し難い非発泡樹脂製の保護ケースの側壁及び底壁によって覆われる。これにより、発泡樹脂製の箱体の汚れや損傷を抑制し、長期間の使用に耐える断熱容器を提供することができる。
さらに、本発明の断熱容器は、発泡樹脂製の箱体の外側面の上方部分である露出部が、保護ケースから露出している。このため、発泡樹脂製の箱体の上方開口部を発泡樹脂製の蓋体によって閉塞する際に、発泡樹脂製の蓋体と非発泡樹脂製の保護ケースとの干渉が防止され、発泡樹脂製の箱体を発泡樹脂製の蓋体によって密閉することができる。これにより、断熱容器の良好な断熱性を確保することができる。
なお、本発明の断熱容器の上下方向における被覆部の寸法H1と露出部の寸法H2との比H1:H2は、箱体の汚れを防止する観点から、1:1以上であることが好ましい。また、蓋体と保護ケースとの干渉を防止して断熱容器の密閉性を確保する観点から、比H1:H2は、49:1以下であることが好ましい。
本発明の断熱容器において、保護ケースは、箱体の被覆部に間隔をあけて対向する側壁の上端部が、箱体の露出部と被覆部との間の段差部に当接してもよい。これにより、断熱容器の外側の空気が、保護ケースの側壁の上端部と箱体の段差部との間から、箱体と保護ケースとの間の断熱室へ流入することが抑制され、断熱容器の断熱性を向上させることができる。また、本発明の断熱容器を積み重ねた場合に、上段の断熱容器の荷重を保護ケースによっても受けることができる。
また、本発明の断熱容器において、箱体の被覆部は、上下に延びる溝部を有し、保護ケースの側壁は、箱体の溝部に沿って延び、溝部に嵌合するリブを有してもよい。これにより、保護ケースの上方から保護ケースの内側に箱体を嵌め込む際に、保護ケースの側壁のリブを箱体の溝部に挿入し、箱体を下方側へ案内することができる。また、保護ケースの側壁のリブが、箱体の溝部に嵌合して溝部の底部に当接することで、箱体が保護ケースに対して位置決めされ、保護ケースの側壁と箱体の外側面の被覆部との間の隙間が確保されるとともに、輸送中のガタツキも防止できる。
さらに、本発明の断熱容器は、保護ケースの底壁が箱体の外底面の周縁部に当接してもよい。これにより、容器内に収納された収納物の荷重を保護ケースによって受けることができ、箱体の損傷を抑制することができる。さらに、箱体の段差部及び被覆部、並びに、保護ケースの側壁及び底壁によって画定される断熱室が、箱体と保護ケースとの間に形成され、断熱室内の空気によって断熱容器の良好な断熱性を確保することができる。
さらに、本発明の断熱容器において、保護ケースの底壁は、箱体の外底面の一部を露出させる開口部を有してもよい。これにより、保護ケースの上方から保護ケースの内側に箱体を嵌め込む際に、箱体の外底面と保護ケースの底壁との間の空気を底壁の開口部から逃がすことができ、保護ケースの内側への箱体の嵌め込みを容易にすることができる。また、保護ケースの底壁の開口部によって箱体の外底面への通気性が確保され、箱体の外底面に結露等によって水分が付着しても、箱体の外底面を容易に乾燥させることができる。
また、本発明の断熱容器において、箱体の被覆部は、内方へ陥没した箱体把持凹部を有してもよく、保護ケースの側壁は、内方へ陥没して箱体把持凹部に嵌合するケース把持凹部を有してもよい。これにより、ケース把持凹部を介して箱体把持凹部に指を掛けて断熱容器を持ち運ぶことができ、断熱容器の持ち運びを容易にすることができる。また、箱体把持凹部に嵌合したケース把持凹部を把持して断熱容器を持ち運ぶことで、箱体把持凹部がケース把持凹部によって保護されて損傷が防止されるだけでなく、箱体から保護ケースが外れるのを防止することができる。
また、本発明の断熱容器において、箱体把持凹部は、上端部に下方へ突出する箱体突起部と該箱体突起部の内方側で上方へ陥没する箱体陥凹部とを有してもよい。また、ケース把持凹部は、上端部に箱体突起部に沿うケース突起部と箱体陥凹部に沿うケース陥凹部とを有してもよい。これにより、ケース把持凹部を把持する際に、上端部の内方側のケース陥凹部に指を入れ、その外方側のケース突起部に指を掛けることができ、ケース把持凹部に掛けた指がケース把持凹部から外れるのを防止できる。
また、本発明の断熱容器において、ケース把持凹部は、複数のリブを備えたラベル貼付部を有してもよい。保護ケースの内方に陥没したケース把持凹部のラベル貼付部にラベルを貼付することで、断熱容器の搬送時にラベルに障害物が当たってラベルが損傷するのを防止できる。また、ラベル貼付部が複数のリブを備えることで、ラベル貼付部とラベルの粘着層との接触面積が小さくなり、断熱容器の使用後にラベルを剥離させるのが容易になる。
本発明によれば、良好な断熱性を有し、汚れの付着や損傷を防止することができ、長期間の使用に耐える断熱容器を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[実施形態1]
以下、本発明の断熱容器の実施形態1について、図1から図7を用いて説明する。
以下、本発明の断熱容器の実施形態1について、図1から図7を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る断熱容器1の分解斜視図である。図2は、図1に示すII−II線に沿う断熱容器1の断面図である。図3は、図2に示すIII−III線に沿う断熱容器1の断面図である。図4は、図3に示すIV−IV線に沿う断熱容器1の断面図である。図5は、図3に示すV−V線に沿う断熱容器1の断面図である。図6は、図1に示す断熱容器1の箱体2を斜め下方から見た斜視図である。図7は、図1に示す保護ケース4を上方から見た平面図である。
本実施形態の断熱容器1は、発泡樹脂製の箱体2と、該箱体2の上方開口部2aを閉塞する発泡樹脂製の蓋体3と、箱体2の外側面2c及び外底面2bの一部を覆う非発泡樹脂製の保護ケース4とを備えている。断熱容器1は、通常、箱体2の上方開口部2aを鉛直方向上方に向けて使用するが、これに限定されず、例えば、箱体2の上方開口部2aを斜め上方や水平方向に向けて使用することも可能である。
箱体2及び蓋体3の素材としては、例えば、ポリスチレン、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−エチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等の各種合成樹脂の発泡体を用いることができる。
図1に示すように、箱体2は、概ね長方形の上方開口部2aを有する概ね直方体の箱形に形成されている。蓋体3は、概ね長方形の板状に形成され、短辺部分の下面側に蓋体3を把持するため凹部3aが設けられている。箱体2の上方開口部2aは、図2に示すように、蓋体3によって閉塞される。蓋体3の上面には、周縁部の内側に凹部3bが設けられ、蓋体3の下面には周縁部の内側に凸部3cが設けられている。
蓋体3及び箱体2は、弾力性に富む発泡樹脂製であるため、蓋体3の下面の凸部3cを箱体2の上方開口部2aの内側に隙間なくぴったりと嵌合させ、蓋体3の下面の周縁部を箱体2の側壁2dの上端部に密着させることができる。これにより、箱体2の上方開口部2aの密閉性を向上させることができる。
箱体2は、外側面2cの下方部分であって保護ケース4によって覆われる被覆部2eと、外側面2cの上方部分であって保護ケース4から露出して被覆部2eよりも外方へ突出する露出部2fと、該露出部2fと被覆部2eとの間に形成された段差部2gと、を有している。
図5に示すように、箱体2の外底面2b及び内底面2pに垂直な箱体2の高さ方向において、箱体2の外底面2bから露出部2fまでの被覆部2eの高さH1と、露出部2fの下端から上端までの高さH2との比H1:H2は、例えば1:1から49:1程度の範囲に設定することができる。すなわち、箱体2の側壁2c全体の高さHに対する被覆部2eの高さH1の割合H1/Hは、例えば、概ね0.5以上かつ0.98以下とすることができる。
箱体2の外側面2cの被覆部2eは、図2及び図5に示すように、箱体2の上方側から下方側へ向かう方向で箱体2の外方側から内方側へ傾斜する傾斜面2hを有してもよい。この傾斜面2hにより、箱体2の被覆部2eは、上方から下方へ向けて、幅及び奥行がテーパ状に減少する。
箱体2の被覆部2eは、図1及び図6に示すように、上下に延びる溝部2iを有してもよい。図示の例では、箱体2の長手方向である幅方向に沿う外側面2cの被覆部2eに、5本の溝部2iが所定の間隔で形成されている。なお、溝部2iの数は、複数であることが好ましいが、特に限定されない。また、溝部2iは、箱体2の短手方向である奥行方向に沿う外側面2cの被覆部2eに形成してもよい。
溝部2iの幅は、図3に示すように、溝部2iに嵌合する保護ケース4のリブ4rの厚さよりも広くなっている。箱体2の被覆部2eに形成された溝部2iの底面2jは、図4及び図5に示すように、箱体2の上方側から下方側へ向かう方向で箱体2の外方側から内方側へ傾斜している。これにより、溝部2iの深さは、箱体2の上方側から下方側へ向かう方向において漸次深くなっている。また、溝部2iの下端は、下方に向けて開放されている。
箱体2の被覆部2eは、図1及び図6に示すように、内方へ陥没した箱体把持凹部2kを有している。箱体把持凹部2kは、箱体2の短手方向である奥行方向に沿う外側面2cに設けられ、箱体2の長手方向である幅方向の両側に設けられることが好ましい。箱体把持凹部2kは、例えば、箱体2の上方側における奥行方向の寸法が箱体2の下方側における奥行方向の寸法よりも小さくなる、概ね台形の形状を有し、下端は箱体2の外底面2bに到達して開放されている。また、箱体把持凹部2kの底面とその外側の被覆部2eとの間の斜辺部分には、傾斜面2lが設けられている。
箱体把持凹部2kは、図6に示すように、上端部に下方へ突出する箱体突起部2mと、該箱体突起部2mの内方側で上方へ陥没する箱体陥凹部2nとを有している。箱体突起部2mは、図2に示すように、箱体把持凹部2kの上端部に、箱体陥凹部2nよりも箱体2の外方側に設けられている。箱体陥凹部2nは、箱体突起部2mよりも箱体2の内方側に設けられ、丸みを帯びた凹曲面形状を有している。
箱体把持凹部2k、箱体突起部2m、及び箱体陥凹部2nの位置及び寸法は、箱体陥凹部2nに嵌合する保護ケース4の厚さ等を考慮して、以下のように設定することができる。例えば、断熱容器1を搬送する搬送者が、人差し指から小指までの先端部を箱体陥凹部2nに入れ、保護ケース4を介して箱体突起部2mに指を掛け、蓋体3の上部に親指を掛けて断熱容器1を把持することができるように、各部の位置及び寸法を設定することができる。
箱体2の外側面2cの露出部2fは、図2、図4及び図5に示すように、箱体2の内底面2p及び外底面2bに垂直な上下方向に概ね平行な面を有することができる。この場合、箱体2の外側面2cの段差部2gは、外側面2cの露出部2f及び箱体2の上下方向に概ね垂直であり、箱体2の下方を向く当接面2qを有することができる。
箱体2は、図6に示すように、外底面2bの周縁部の内側に、箱体2の下方に向けて突出する矩形の額縁状の突出部2rを有している。これにより、箱体2の外底面2bの周縁部と突出部2rの下端面との間に、箱体2の上下方向の段差が形成されている。額縁状の突出部2rの内側には、箱体2の上方に向けて陥没する凹部2sが形成されている。
非発泡樹脂製の保護ケース4は、図1に示すように、概ね直方体の形状を有する箱形に形成され、上部に概ね長方形の上方開口部4aを有している。保護ケース4は、例えば、熱可塑性樹脂を射出成形することによって製作することができる。保護ケース4の素材としては、例えば、アクリル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
保護ケース4は、図2から図5に示すように、箱体2の被覆部2eに間隔をあけて対向する側壁4cと、箱体2の外底面2bに対向する底壁4bと、を有している。保護ケース4の側壁4cは、箱体2の内底面2p及び外底面2bに垂直な上下方向並びに箱体2の露出部2fに概ね平行に形成することができる。これにより、保護ケース4の側壁4cと、傾斜面2hを有する箱体2の被覆部2eとの間隔は、箱体2の上方側において狭く、箱体2の上方側において広くなっている。
保護ケース4は、上方が開放されて側壁4cの上端部に上方開口部4aを有している。保護ケース4は、側壁4cの上端部4fに、上方開口部4aを拡大させるように外方に突出する拡大部4dを有してもよい。この拡大部4dによって、側壁4cの上端部4fにおいて、保護ケース4の長手方向である幅方向の寸法及び短手方向である奥行方向の寸法がその他の部分よりも拡大され、上方開口部4aが外方へ拡張されている。拡大部4dの外面、すなわち保護ケース4の上端部4fの外面は、箱体2の露出部2fの表面と段差なく面一に形成されるか又は箱体2の露出部2fの表面よりも外方に突出することが好ましい。拡大部4dの内側には、図1、図2及び図4に示すように、上下方向に伸びる複数のリブ4eが、上方開口部4aの周方向に所定の間隔で形成されている。
保護ケース4の側壁4cの上端部4fは、図2、図4及び図5に示すように、箱体2の段差部2gに当接することが好ましい。例えば、保護ケース4の側壁4cの上端部4fに拡大部4dを有する場合には、拡大部4dの開口端が箱体2の段差部2gの当接面2qに当接する。保護ケース4の側壁4cの拡大部4dと箱体2の被覆部2eとの間には隙間Gが形成され、この隙間Gに拡大部4dの内側に設けられた複数のリブ4eが配置されている。
保護ケース4の側壁4cは、図1、図3、図4及び図5に示すように、箱体2の溝部2iに沿って延び、溝部2iに嵌合するリブ4rを有してもよい。保護ケース4の側壁4cのリブ4rは、箱体2の溝部2iの底面2jへ向けて保護ケース4の内方へ突出している。保護ケース4の側壁4cのリブ4rは、保護ケース4の内方へ突出する高さが、箱体2の溝部2iの深さに対応して、箱体2の上方側から下方側へ向かう方向において漸次高くなっている。保護ケース4の側壁4cのリブ4rは、厚さが箱体2の溝部2iの幅よりも薄くなっている。
保護ケース4の側壁4cのリブ4rの突出高さは、例えば、リブ4rの先端が箱体2の溝部2iの底面2jに当接し、保護ケース4の側壁4cと箱体2の被覆部2eとの間に0.5mmから2.0mm程度の隙間Gが形成されるように設定することができる。
保護ケース4の側壁4cは、図1から図3に示すように、内方へ陥没して箱体把持凹部2kに嵌合するケース把持凹部4gを有している。ケース把持凹部4gは、箱体2の被覆部2eの箱体把持凹部2kに対応する形状及び寸法を有し、上端部に箱体突起部2mに沿うケース突起部4hと箱体陥凹部2nに沿うケース陥凹部4iとを有している。これにより、ケース把持凹部4gの上端部は、箱体把持凹部2kの上端部に嵌合し、ケース把持凹部4gのケース突起部4hとケース陥凹部4iとを介して、箱体把持凹部2kの箱体突起部2mと箱体陥凹部2nとを把持することができるようになっている。
すなわち、前述のように、箱体把持凹部2k、箱体突起部2m、及び箱体陥凹部2nの位置及び寸法は、箱体陥凹部2nに嵌合する保護ケース4の厚さ等を考慮して設定されている。例えば、断熱容器1を搬送する搬送者が、ケース陥凹部4iを介して人差し指から小指までの先端部を箱体陥凹部2nに入れ、ケース突起部4hを介して箱体突起部2mに指を掛け、蓋体3の上部に親指をかけて断熱容器1を把持することができるように、各部の位置及び寸法が設定される。
具体的には、例えば、蓋体3の上面からケース把持凹部4gの上端までの上下方向の距離を、概ね50mm程度に設定することができる。また、ケース把持凹部4gの深さを、例えば、概ね9mmから12mm程度に設定し、ケース把持凹部4gの深さ方向におけるケース突起部4hとケース陥凹部4iとの寸法比を1:1から2:1程度に設定することができる。
保護ケース4の側壁4cのケース把持凹部4gは、図1から図3に示すように、複数のリブ4jを備えたラベル貼付部4kを有してもよい。図示の例において、リブ4jは保護ケース4の底壁4bに垂直な上下方向に沿って形成されているが、リブ4jの形成方向は特に限定されず、例えば、保護ケース4の底壁4bに平行な横方向や、上下方向及び横方向に対して傾斜した斜め方向であってもよい。複数のリブ4jは、先端面に粘着ラベルの貼付が可能なように、各リブ4jの先端面が平行でかつケース把持凹部4gの底面からの突出高さが同一になるように形成されている。
保護ケース4の底壁4bは、図2、図4及び図5に示すように、箱体2の外底面2bの周縁部に当接している。保護ケース4の底壁4bは、箱体2の外底面2bの突出部2rを係合させる係合凹部4lを有することができる。保護ケース4の底壁4bは、内底面4mに下方に陥没する係合凹部4lが形成され、外底面4nに下方に突出する突出部4pが形成されている。保護ケース4の突出部4pの内側には、箱体2の外底面2bの凹部2sに対応する凹部4qが形成されている。保護ケース4の底壁4bは、箱体2の外底面2bの周縁部と、箱体2の突出部2rの側面及び下端面と、箱体2の凹部2sの底面に当接している。
保護ケース4の係合凹部4lは、図7に示すように、箱体2の突出部2rに対応する額縁状に形成されている。保護ケース4の底壁4bは、箱体2の外底面2bの一部を露出させる開口部4sを有している。より詳細には、保護ケース4の底壁4bは、箱体2の外底面2bの突出部2rとその内側の凹部2sの底面の一部を露出させる複数の開口部4sを有している。保護ケース4の底壁4bは、複数の矩形の開口部4sを有し、平面視で長方形の底壁4bの対角線に平行で互いに交差する帯状の格子部4tを有する格子状に設けられている。保護ケース4の底壁4bの複数の開口部4sは、互いに交差する帯状の格子部4tの間に設けられている。
以下、本実施形態の断熱容器1の作用について説明する。
本実施形態の断熱容器1は、例えば、配送元で箱体2の内部に保温又は保冷が必要な物品が上方開口部2aから蓄熱材又は蓄冷材とともに収容され、上方開口部2aが蓋体3によって閉鎖され、配送先に搬送される。また、断熱容器1は、配送先で蓋体3が外されて、箱体2の上方開口部2aが開放され、箱体2の内部に収容した物品が取り出された後に、配送元へ搬送されて回収され、再利用される。
本実施形態の断熱容器1は、前述のように、発泡樹脂製の箱体2と、該箱体2の上方開口部2aを閉塞する発泡樹脂製の蓋体3とを備えている。発泡樹脂製の箱体2及び蓋体3は、断熱性が高い反面、汚れが付着し易く破損し易い。特に、発泡樹脂製の箱体2の外側面2cの下方部分及び外底面2bは、搬送時等に汚れが付着し易く破損し易い。また、発泡樹脂製の箱体2は、高圧洗浄に適さず、回収後の洗浄が困難である。そのため、発泡樹脂製の箱体2の汚れは、断熱容器1の寿命を短くする要因になる。
そこで、本実施形態の断熱容器1は、箱体2の外側面2c及び外底面2bの一部を覆う非発泡樹脂製の保護ケース4を備えている。これにより、汚れが付着し易く破損し易い箱体2の外側面2cの下方部分である被覆部2e及び外底面2bの一部を、汚れが付着し難く破損し難い非発泡樹脂製の保護ケース4の側壁4c及び底壁4bによって覆うことができる。また、非発泡樹脂製の保護ケース4は、高圧洗浄が可能であり、洗浄による汚れの除去が容易であるため、洗浄して繰り返し使用することができる。したがって、本実施形態の断熱容器1によれば、発泡樹脂製の箱体2の汚れや損傷を抑制し、長期間の使用に耐えることができる。
また、本実施形態の断熱容器1は、発泡樹脂製の箱体2の外側面2cの上方部分である露出部2fが、保護ケース4から露出している。このため、発泡樹脂製の箱体2の上方開口部2aを発泡樹脂製の蓋体3によって閉塞する際に、発泡樹脂製の蓋体3と非発泡樹脂製の保護ケース4との干渉が防止される。これにより、発泡樹脂製の箱体2を発泡樹脂製の蓋体3によって密閉することができ、断熱容器1の良好な断熱性を確保することができる。
特に、断熱容器1の上下方向における被覆部2eの寸法H1と露出部2fの寸法H2との比H1:H2を、1:1以上にすることで箱体2の外側面2cの下方部分の汚れを効果的に防止することができる。また、断熱容器1の上下方向における被覆部2eの寸法H1と露出部2fの寸法H2との比H1:H2を、49:1以下にすることで、蓋体3と保護ケース4との干渉をより確実に防止して、断熱容器1の密閉性を確保することができる。
また、箱体2の上方部分である露出部2fが保護ケース4から露出して被覆部2eよりも外方へ突出することで、箱体2から保護ケース4を取り外すときに、箱体2の上方部分である露出部2fを保持して箱体2を保護ケース4から抜き出すことができる。このとき、保護ケース4の底壁4bが箱体2の外底面2bの一部を露出させる開口部4sを有することで、開口部4sに露出した箱体2の外底面2bの一部を押し上げて、箱体2を保護ケース4から押し出すこともできる。これにより、例えば、箱体2と保護ケース4との間に汚れが付着した場合でも、箱体2から保護ケース4を容易に取り外すことができ、汚れを除去することができる。
また、本実施形態の断熱容器1は、保護ケース4の底壁4bが箱体2の外底面2bの周縁部に当接している。これにより、箱体2の段差部2g及び被覆部2eと保護ケース4の側壁4c及び底壁4bとによって画定される断熱室Hが、図2、図3及び図5に示すように、箱体2と保護ケース4との間に形成され、断熱室H内の空気によって断熱容器1の良好な断熱性を確保することができる。
また、本実施形態の断熱容器1において、保護ケース4は、箱体2の被覆部2eに間隔をあけて対向する側壁4cの上端部4fが、箱体2の露出部2fと被覆部2eとの間の段差部2gに当接している。これにより、断熱容器1内に収納された収納物の荷重を保護ケース4によって受けることができ、箱体2の損傷を抑制することができる。さらに、断熱容器1の外側の空気が、保護ケース4の側壁4cの上端部4fと箱体2の段差部2gとの間から、箱体2と保護ケース4との間の断熱室Hへ流入することが抑制され、断熱容器1の断熱性を向上させることができる。
さらに、本実施形態の断熱容器1において、保護ケース4の底壁4bは、箱体2の外底面2bの一部を露出させる開口部4sを有している。これにより、保護ケース4の上方から保護ケース4の内側に箱体2を嵌め込む際に、箱体2の外底面2bと保護ケース4の底壁4bとの間の空気を底壁4bの開口部4sから逃がすことができ、保護ケース4の内側への箱体2の嵌め込みを容易にすることができる。また、保護ケース4の底壁4bの開口部4sによって箱体2の外底面2bへの通気性が確保され、箱体2の外底面2bに結露等によって水分が付着しても、箱体2の外底面2bを容易に乾燥させることができる。
また、本実施形態の断熱容器1において、箱体2の被覆部2eは、上下に延びる溝部2iを有し、保護ケース4の側壁4cは、箱体2の溝部2iに沿って延び、溝部2iに嵌合するリブ4rを有している。これにより、保護ケース4の上方から保護ケース4の内側に箱体2を嵌め込む際に、保護ケース4の側壁4cのリブ4rを箱体2の溝部2iに挿入し、箱体2を下方側へ案内することができる。また、保護ケース4の側壁4cのリブ4rが、箱体2の溝部2iに嵌合して溝部2iの底面2jに当接することで、箱体2が保護ケース4に対して位置決めされ、保護ケース4の側壁4cと箱体2の外側面2cの被覆部2eとの間の隙間Gが確保されるとともに、輸送中のガタツキも防止できる。
また、本実施形態の断熱容器1において、箱体2の被覆部2eは、内方へ陥没した箱体把持凹部2kを有し、保護ケース4の側壁4cは、内方へ陥没して箱体把持凹部2kに嵌合するケース把持凹部4gを有している。これにより、ケース把持凹部4gを介して箱体把持凹部2kに指を掛けて断熱容器1を持ち運ぶことができ、断熱容器1の持ち運びを容易にすることができる。また、箱体把持凹部2kに嵌合したケース把持凹部4gを把持して断熱容器1を持ち運ぶことで、箱体把持凹部2kがケース把持凹部4gによって保護されて損傷が防止されるだけでなく、箱体2から保護ケース4が外れるのを防止することができる。
また、本実施形態の断熱容器1において、箱体把持凹部2kは、上端部に下方へ突出する箱体突起部2mと該箱体突起部2mの内方側で上方へ陥没する箱体陥凹部2nとを有している。また、ケース把持凹部4gは、上端部に箱体突起部2mに沿うケース突起部4hと箱体陥凹部2nに沿うケース陥凹部4iとを有している。これにより、ケース把持凹部4gを把持する際に、上端部の内方側のケース陥凹部4iに指を入れ、その外方側のケース突起部4hに指を掛けることができ、ケース把持凹部4gに掛けた指がケース把持凹部4gから外れるのを防止できる。
また、本実施形態の断熱容器1において、ケース把持凹部4gは、複数のリブ4jを備えたラベル貼付部4kを有している。保護ケース4の内方に陥没したケース把持凹部4gのラベル貼付部4kにラベルを貼付することで、断熱容器1の配送時にラベルに障害物が当たってラベルが損傷するのを防止できる。また、ラベル貼付部4kが複数のリブ4jを備えることで、ラベル貼付部4kとラベルの粘着層との接触面積が小さくなり、断熱容器1の使用後にラベルを剥離させるのが容易になる。
また、本実施形態の断熱容器1において、保護ケース4は、側壁4cの上端部4fに、上方開口部4aを拡大させるように外方に突出する拡大部4dを有している。また、箱体2の外側面2cの被覆部2eは、箱体2の上方側から下方側へ向かう方向で箱体2の外方側から内方側へ傾斜する傾斜面2hを有している。これにより、保護ケース4の上方開口部4aと、箱体2の外側面2cの被覆部2eの下端部との間の寸法的な余裕を大きくすることができ、保護ケース4の上方開口部4aの上方から、保護ケース4の内側に箱体2を容易に嵌め込むことができる。
また、保護ケース4の拡大部4dの外面、すなわち保護ケース4の上端部4fの外面は、箱体2の露出部2fの表面と段差なく面一に形成されるか又は箱体2の露出部2fの表面よりも外方に突出することが好ましい。これにより、例えば、断熱容器1を搬送ラインに載せたときに、断熱容器1同士が接触しても、保護ケース4の上端部4fの外面が接触し、箱体2の接触が防止できる。したがって、断熱容器1の箱体2の損傷を抑制することができる。
また、本実施形態の断熱容器1において、保護ケース4は、側壁4cの上端部4fの拡大部4dの内側に複数のリブ4eを有している。これにより、保護ケース4の拡大部4dがリブ4eによって補強され、保護ケース4の上方開口部4aの損傷が防止される。また、保護ケース4の側壁4cは、複数のリブ4r及びケース把持凹部4gによっても補強され、破損が防止される。
また、保護ケース4の底壁4bは、額縁状に形成された係合凹部4l及び突出部4pによって補強されるだけでなく、平面視で格子状に設けられた格子部4tによって必要な強度を確保することができる。また、箱体2の突出部2r及び凹部2s並びに保護ケース4の底壁4bの突出部4p及び凹部4qによって、断熱容器1が載置された載置面と保護ケース4の底壁4bとの間に空間を形成し、保護ケース4の底壁4bが載置面に接触する面積を低減することができる。これにより、保護ケース4の底壁4bの汚れや損傷を低減することができる。
また、保護ケース4の底壁4bは、突出部4pを有し、蓋体3の上面には、凹部3bが設けられている。そのため、複数の断熱容器1を上下に積み重ねるときに、下段の断熱容器1の蓋体3の凹部3bの内側に、上段の断熱容器1の保護ケース4の突出部4pを嵌合させ、複数の断熱容器1を安定して積み重ねることができる。このとき、蓋体3が、比較的柔軟な発泡樹脂製であるため、蓋体3の凹部3bの内側に、上段の断熱容器1の保護ケース4の突出部4pを嵌合させるのが容易になる。
以上のように、本実施形態の断熱容器1によれば、良好な断熱性を有し、汚れの付着や損傷を防止することができ、長期間の使用に耐える断熱容器1を提供することができる。
[実施形態2]
次に、本発明の断熱容器の実施形態2について、図1から図7を援用し、図8から図10を用いて説明する。
次に、本発明の断熱容器の実施形態2について、図1から図7を援用し、図8から図10を用いて説明する。
図8は、本実施形態の断熱容器1Aの図2に相当する断面図である。図9は、図8に示す断熱容器1Aの底面斜視図である。なお、図9では、箱体2Aから蓋体3を取り外した状態を示している。
本実施形態の断熱容器1Aは、箱体2Aが、保護ケース4Aの底壁4bの開口部4s内に突出する凸部2tを有する点と、保護ケース4Aが、底壁4bにリブ4vを有する点で、前述の実施形態1で説明した断熱容器1と異なっている。本実施形態の断熱容器1Aのその他の点は、前述の実施形態1の断熱容器1と同様であるため、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の断熱容器1Aにおいて、箱体2Aは、外底面2bから保護ケース4Aの開口部4s内に突出する複数の凸部2tを有している。凸部2tの側面と保護ケース4Aの開口部4sとの間には、隙間が形成されている。保護ケース4Aは、底壁4bの突出部4p及び凹部4qに格子状に設けられたリブ4vを有している。リブ4vは、保護ケース4Aを平坦な面に配置したときに、その面に下端が接する高さに形成されている。
リブ4vによって囲まれた保護ケース4Aの底壁4bの開口部4sの内側には、箱体2Aの外底面2bに設けられた凸部2tが配置されている。凸部2tは、保護ケース4Aを平坦な面に配置したときに、その面に下端面が接する高さに形成されている。すなわち、箱体2Aの外底面2bの凸部2tの下端面は、保護ケース4Aのリブ4vの下端と、段差なく面一に形成されている。
図10は、本実施形態の断熱容器1Aを積み重ねた状態を示す断面図である。
本実施形態の断熱容器1Aは、例えば、箱体2Aから蓋体3を取り外した状態で、複数の断熱容器1Aを積み重ねることができる。まず、下段の断熱容器1Aを、箱体2Aの開口部2aを上方に向けて配置する。次に、下段の断熱容器1Aの上に、上下を逆さにした断熱容器1Aを積み重ねる。これにより、上下の断熱容器1Aの箱体2Aの開口部2aが合わされ、上下の断熱容器1Aの箱体2Aの内側に広い空間が形成される。この上下の断熱容器1Aの箱体2Aの内側に、別の断熱容器1Aを収容することもできる。
さらに、上下を逆さにして積み重ねられた2段目の断熱容器1Aの上に、3段目の断熱容器1Aを積み重ねることができる。このとき、上下逆さの2段目の断熱容器1Aの保護ケース4Aの底壁4bの開口部4sの内側には、箱体2Aの外底面2bから突出する凸部2tが露出している。また、3段目の断熱容器1Aの保護ケース4Aの底壁4bの開口部4sの内側にも、箱体2Aの外底面2bから突出する凸部2tが露出している。
そのため、上下逆さの2段目の断熱容器1Aの上に、3段目の断熱容器1Aを積み重ねるときに、保護ケース4Aの底壁4bの開口部4sに露出した箱体2Aの凸部2tの端面同士が接した状態になる。箱体2Aは、発泡樹脂製であり、箱体2Aの凸部2tの端面は、非発泡樹脂製の保護ケース4Aの表面と比較して、摩擦係数が大きい。これにより、本実施形態の断熱容器1Aでは、比較的に摩擦係数が低い保護ケース4Aの底壁4bの開口部4sから突出した箱体2Aの凸部2tが、滑り止めとして機能する。
したがって、本実施形態の断熱容器1Aによれば、実施形態1の断熱容器1と同様の効果が得られるだけでなく、上下に積み重ねた断熱容器1A同士の滑りを抑制して、安定して積み重ねることができる。また、保護ケース4Aのリブ4vは、底壁4bを補強するだけでなく、リブ4vの下端と箱体2Aの凸部2tの下端面が段差なく面一に形成されているため、リブ4vよって箱体2Aの凸部2tを保護することができる。
[実施形態3]
次に、本発明の断熱容器の実施形態3について、図1から図7を援用し、図11及び図12を用いて説明する。
次に、本発明の断熱容器の実施形態3について、図1から図7を援用し、図11及び図12を用いて説明する。
図11は、本実施形態の断熱容器1Bの図2に相当する断面図である。図12は、図11に示す断熱容器1Bの底面斜視図である。なお、図12では、箱体2Bから蓋体3を取り外した状態を示している。
本実施形態の断熱容器1Bは、保護ケース4Bが、底壁4bの中央部に比較的大きな開口部4wを有する点、底壁4bの突出部4pに凹凸4x及び滑り止め4yを有する点、及び、箱体2Bが、保護ケース4Bの開口部4w内に突出する凸部2tを有する点で、前述の実施形態1で説明した断熱容器1と異なっている。本実施形態の断熱容器1Bのその他の点は、前述の実施形態1の断熱容器1と同様であるため、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の断熱容器1Bは、保護ケース4Bが、底壁4bの中央部に比較的大きな開口部4wを有し、箱体2Bが、保護ケース4Bの開口部4w内に突出する凸部2tを有している。そのため、前述の実施形態2の断熱容器1Aと同様に、箱体2Bの凸部2tが滑り止めとして機能し、比較的に摩擦係数の小さい保護ケース4Bの底壁4b同士を重ねる場合にも、複数の断熱容器1Bを安定して積み重ねることができる。
また、本実施形態の断熱容器1Bは、保護ケース4Bの底壁4bの突出部4pに凹凸4x及び滑り止め4yを有している。凹凸4xは、例えば、シボ加工によって形成することができる。また、滑り止め4yは、例えば、L字形のゴム等によって形成され、保護ケース4Bの底壁4bの突出部4pにおいて、四隅に固定されている。
これにより、前述の実施形態2の断熱容器1Aと同様に、複数の断熱容器1Bを積み重ねたときに、保護ケース4Bの凹凸4x同士が噛み合って、断熱容器1Bの滑りが防止される。すなわち、保護ケース4Bの底壁4bの突出部4pに設けられた凹凸4xが滑り止めとして機能する。また、滑り止め4y同士が接して、断熱容器1Bの滑りが防止される。したがって、より確実に断熱容器1Bの滑りを防止することができ、より安定して複数の断熱容器1Bを積み重ねることができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1 断熱容器
2 箱体
2a 上方開口部
2b 外底面
2c 外側面
2e 被覆部
2f 露出部
2g 段差部
2i 溝部
2k 箱体把持凹部
2m 箱体突起部
2n 箱体陥凹部
3 蓋体
4 保護ケース
4b 底壁
4c 側壁
4f 上端部
4g ケース把持凹部
4h ケース突起部
4i ケース陥凹部
4j リブ
4k ラベル貼付部
4r リブ
4s 開口部
2 箱体
2a 上方開口部
2b 外底面
2c 外側面
2e 被覆部
2f 露出部
2g 段差部
2i 溝部
2k 箱体把持凹部
2m 箱体突起部
2n 箱体陥凹部
3 蓋体
4 保護ケース
4b 底壁
4c 側壁
4f 上端部
4g ケース把持凹部
4h ケース突起部
4i ケース陥凹部
4j リブ
4k ラベル貼付部
4r リブ
4s 開口部
Claims (7)
- 発泡樹脂製の箱体と、該箱体の上方開口部を閉塞する発泡樹脂製の蓋体と、前記箱体の外側面及び外底面の一部を覆う非発泡樹脂製の保護ケースとを備えた断熱容器であって、
前記箱体は、前記外側面の下方部分であって前記保護ケースによって覆われる被覆部と、前記外側面の上方部分であって前記保護ケースから露出して前記被覆部よりも外方へ突出する露出部と、該露出部と前記被覆部との間に形成された段差部と、を有し、
前記保護ケースは、前記箱体の前記被覆部に間隔をあけて対向する側壁と、前記箱体の前記外底面に対向する底壁と、を有することを特徴とする断熱容器。 - 前記保護ケースの前記側壁の上端部は、前記箱体の前記段差部に当接することを特徴とする請求項1に記載の断熱容器。
- 前記箱体の前記被覆部は、上下に延びる溝部を有し、
前記保護ケースの前記側壁は、前記箱体の前記溝部に沿って延び、前記溝部に嵌合するリブを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の断熱容器。 - 前記保護ケースの前記底壁は、前記箱体の前記外底面の周縁部に当接するとともに前記箱体の前記外底面の一部を露出させる開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の断熱容器。
- 前記箱体の前記被覆部は、内方へ陥没した箱体把持凹部を有し、
前記保護ケースの前記側壁は、内方へ陥没して前記箱体把持凹部に嵌合するケース把持凹部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の断熱容器。 - 前記箱体把持凹部は、上端部に下方へ突出する箱体突起部と該箱体突起部の内方側で上方へ陥没する箱体陥凹部とを有し、
前記ケース把持凹部は、上端部に前記箱体突起部に沿うケース突起部と前記箱体陥凹部に沿うケース陥凹部とを有することを特徴とする請求項5に記載の断熱容器。 - 前記ケース把持凹部は、複数のリブを備えたラベル貼付部を有することを特徴とする請求項5に記載の断熱容器。
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