JP2017117917A - 研磨用組成物及びシリコン基板の研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い平坦性を有する被研磨面を実現可能な研磨用組成物及びシリコン基板の研磨方法を提供する。【解決手段】研磨用組成物は、シリカを含む砥粒を含有する。シリカは、2個以上の一次粒子10が直接、又は、一次粒子と同一の材質で構成された結合子を介して結合してなる結合粒子を含む。結合粒子に含まれる全ての一次粒子の個数は、砥粒に含まれる全ての一次粒子の個数の10%以上である。結合粒子を構成する一次粒子の結合部分の面積の平均値は、結合粒子を構成する一次粒子の平均一次粒子径から算出される一次粒子の表面積の12%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、研磨用組成物及びシリコン基板の研磨方法に関する。
シリコンウェーハの表面の平坦化のために、研磨用組成物や研磨方法に関する技術が種々提案されている(例えば特許文献1を参照)。しかしながら、近年においては、シリコンウェーハの表面品質に関する要求レベルが益々高くなっているため、これらの技術にはさらなる改良が求められていた。
特開2001−011433号公報
本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、高い平坦性を有する被研磨面を実現可能な研磨用組成物及びシリコン基板の研磨方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様に係る研磨用組成物は、シリカを含む砥粒を含有し、シリカは、2個以上の一次粒子が直接、又は、一次粒子と同一の材質で構成された結合子を介して結合してなる結合粒子を含み、下記の2つの条件(A)及び(B)を満たすことを要旨とする。
条件(A):結合粒子に含まれる全ての一次粒子の個数が、砥粒に含まれる全ての一次粒子の個数の10%以上である。
条件(B):結合粒子を構成する一次粒子の結合部分の面積の平均値は、結合粒子を構成する一次粒子の平均一次粒子径から算出される一次粒子の表面積の12%以下である。
また、本発明の他の態様に係るシリコン基板の研磨方法は、上記一態様に係る研磨用組成物を用いてシリコン基板を研磨することを含むことを要旨とする。
本発明によれば、高い平坦性を有する被研磨面を実現可能である。
一次粒子の結合部分の面積の算出方法を説明する図である。
本発明の一実施形態について詳細に説明する。本実施形態の研磨用組成物は、シリカを含む砥粒を含有する。このシリカは、2個以上の一次粒子が直接、又は、一次粒子と同一の材質で構成された結合子を介して結合してなる結合粒子を含む。結合粒子に含まれる全ての一次粒子の個数は、砥粒に含まれる全ての一次粒子の個数の10%以上である(条件(A))。そして、結合粒子を構成する一次粒子の結合部分の面積の平均値は、結合粒子を構成する一次粒子の平均一次粒子径から算出される一次粒子の表面積の12%以下である(条件(B))。
このような本実施形態の研磨用組成物は、単体シリコン、シリコン化合物、金属、セラミック等の種々の研磨対象物の研磨に対して好適に使用可能であり、高い平坦性を有する被研磨面を実現可能である。特に、本実施形態の研磨用組成物をシリコン基板の研磨に使用すれば、高い平坦性の表面を有するシリコン単結晶基板等のシリコン基板を製造することができる。
例えば、シリコンウェーハの製造時にハードレーザーマークが形成されたシリコンウェーハに一次研磨等の予備研磨を施すと、ハードレーザーマークの周縁部に突起が生成し、シリコンウェーハの表面の平坦性が低下する場合がある。なお、ハードレーザーマークがシリコンウェーハの裏面に存在する場合でも、両面研磨等によりハードレーザーマークの周縁部に生成した突起がシリコンウェーハの表面に転写され凹凸が生じ、平坦性が低下する場合がある。ハードレーザーマークの周縁部に生成した突起又は裏面の突起が表面に転写された凹凸は、二次研磨や仕上げ研磨で除去することは容易ではないので、完成したシリコンウェーハの表面の平坦性は不十分となるおそれがある。
本実施形態の研磨用組成物を使用して、ハードレーザーマークが形成されたシリコンウェーハの一次研磨を行うと、ハードレーザーマークの周縁部に生成する突起や裏面の突起が表面に転写された凹凸を低減することができる。よって、本実施形態の研磨用組成物を使用した一次研磨の後に、二次研磨及び仕上げ研磨を行えば、高い平坦性の表面を有するシリコンウェーハを製造することができる。
本実施形態の研磨用組成物は、上記のように、ハードレーザーマークが形成されたシリコンウェーハの予備研磨(一次研磨)に好適であるが、本実施形態の研磨用組成物の用途や、研磨する研磨対象物の種類は特に限定されるものではない。
例えば、本実施形態の研磨用組成物は、ハードレーザーマークが形成されていない研磨対象物にも使用することができる。また、一次研磨に限らず、一次研磨後の二次研磨や、予備研磨(一次研磨、二次研磨)後の研磨対象物の表面を鏡面仕上げする仕上げ研磨においても使用することができる。さらに、ハードレーザーマークが形成されたシリコンウェーハの予備研磨(一次研磨)においては、通常は両面研磨が行われるが、本実施形態の研磨用組成物は片面研磨においても使用することができる。
以下に、本実施形態の研磨用組成物について詳細に説明する。なお、以下に説明する種々の操作や物性の測定は、特に断りがない限り、室温(20℃以上25℃以下)、相対湿度40%以上50%以下の条件下で行われたものである。
1.砥粒について
本実施形態の研磨用組成物に含有される砥粒は、シリカを含む。ただし、シリカ以外の粒子を砥粒として併用してもよい。例えば、無機粒子、有機粒子、有機無機複合粒子等を砥粒として併用可能である。無機粒子の具体例としては、アルミナ、セリア、チタニア等の金属酸化物からなる粒子や、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックからなる粒子があげられる。また、有機粒子の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子があげられる。
また、本実施形態の研磨用組成物において砥粒として使用されるシリカは、2個以上の一次粒子が直接、又は、一次粒子と同一の材質で構成された結合子を介して結合してなる結合粒子を含む。
そして、本実施形態の研磨用組成物においては、条件(A)に示すように、結合粒子に含まれる全ての一次粒子の個数が、砥粒が含む全ての一次粒子の個数の10%以上である。このパラメータ(結合粒子に含まれる一次粒子の割合)は、20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。また、このパラメータ(結合粒子に含まれる一次粒子の割合)は、80%以下としてもよく、70%以下であることがより好ましく、60%以下であることがさらに好ましい。
ただし、結合粒子の少なくとも一部は、2個以上5個以下の一次粒子が結合してなるものであることがより好ましい。この2個以上5個以下の一次粒子が結合してなる結合粒子に含まれる全ての一次粒子の個数が、砥粒に含まれる全ての一次粒子の個数の10%以上であればよい。2個以上5個以下の一次粒子からなる結合粒子は、製造が容易である。
このパラメータ(結合粒子に含まれる一次粒子の割合)は、以下のようにして算出する。例えば、砥粒であるシリカの全粒子数が4個で、そのうち3個が、結合していない単独の一次粒子で、残りの1個が、3個の一次粒子が結合してなる結合粒子であった場合は、結合している一次粒子の個数である3個を、全一次粒子数である6個で除して上記パラメータを算出する。その結果、上記パラメータは50%と算出される。
また、例えば、砥粒であるシリカの全粒子数が4個で、そのうち2個が、結合していない単独の一次粒子で、他の2個が、3個の一次粒子が結合してなる結合粒子であった場合は、結合粒子を構成する一次粒子の個数である6個を、全一次粒子数である8個で除して上記パラメータを算出する。その結果、上記パラメータは75%と算出される。
なお、本実施形態における結合粒子は、2個以上の一次粒子からなる二次粒子であるが、一次粒子が静電的に凝集した一般的な二次粒子とは異なり、一次粒子同士が静電的な力とは異なる力で結合したものである。静電的な力とは異なる力としては、例えば、融着力、化学結合力(シロキサン結合力など)があげられる。
このような結合粒子の製造方法は特に限定されるものではなく、まずシリカの一次粒子を製造した後に、その一次粒子を結合させて製造してもよいし(すなわち二段階で製造してもよいし)、一段階で製造してもよい。すなわち、2個以上の一次粒子が、直接、又は、一次粒子と同一の材質で構成された結合子(例えば紐状の結合子)を介して結合した形状を有する二次粒子であれば、一段階で製造したものでもよいし、二段階で製造したものでもよい。
また、条件(B)に示すように、結合粒子を構成する一次粒子の結合部分の面積の平均値は、結合粒子を構成する一次粒子の平均一次粒子径から算出される一次粒子の表面積の12%以下である。このパラメータ(結合部分の面積の割合)は、10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、6%以下であることがさらに好ましい。また、このパラメータ(結合部分の面積の割合)は、3%以上としてもよく、4%以上であることがより好ましい。このパラメータ(結合部分の面積の割合)は、以下のようにして算出することができる。
例えば、2個の一次粒子から構成されている結合粒子の場合であれば、結合部分が1箇所であるので、この結合部分の面積を算出する。結合部分の面積の算出方法は、以下の通りである。例えば、一次粒子が直接結合してなる結合粒子の場合であれば、図1に示すように、2個の一次粒子10、10が接触している部分の最大長さLを測定する。また、一次粒子が結合子を介して結合してなる結合粒子の場合であれば、一次粒子と結合子とが接触している部分の最大長さLを測定する。
複数の結合粒子について接触部分の最大長さLをそれぞれ測定し、この接触部分の最大長さLの結合粒子1個当たりの平均値を算出しLaとする。そして、結合部分の形状は真円であると仮定して、π×(La/2)により結合部分の面積の平均値を算出する。なお、πは円周率である。また、結合部分の面積の算出においては、走査型電子顕微鏡を用いて所定個数(例えば200個)のシリカを観察して算出してよい。
次に、結合粒子を構成する一次粒子の表面積を、シリカの平均一次粒子径Daからπ×Daにより算出する。結合粒子を構成する一次粒子の表面積は、結合粒子を構成する一次粒子の結合を分離したと仮定して、分離した一次粒子の表面積(仮想の表面積)の平均値に相当する。そして、結合粒子を構成する一次粒子の結合部分の面積の平均値と、シリカの平均一次粒子径Daから算出される一次粒子の表面積との比から、上記パラメータ(結合部分の面積の割合)を算出することができる。
さらに、本実施形態の研磨用組成物が含有するシリカの平均一次粒子径は、100nm以下としてもよく、好ましくは50nm以下であり、より好ましくは40nm以下であり、さらに好ましくは30nm以下である。シリカの平均一次粒子径が上記の範囲内であれば、シリカの分散安定性が向上するという効果が奏される。一方、本実施形態の研磨用組成物が含有するシリカの平均一次粒子径は、10nm以上としてもよく、好ましくは15nm以上であり、より好ましくは20nm以上である。シリカの平均一次粒子径が上記の範囲内であれば、被研磨面の平坦性が向上するという効果が奏される。なお、シリカの平均一次粒子径は、例えば窒素吸着法(BET法)により測定した比表面積から算出することができる。
また、本実施形態の研磨用組成物が含有するシリカの一次粒子径の最大値は、200nm以下としてもよく、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは80nm以下であり、さらに好ましくは70nm以下であり、最も好ましくは60nm以下である。シリカの一次粒子径の最大値が上記の範囲内であれば、シリカの分散安定性が向上するという効果が奏される。
一方、本実施形態の研磨用組成物が含有するシリカの一次粒子径の最大値は、20nm以上としてもよく、好ましくは30nm以上であり、より好ましくは40nm以上である。シリカの一次粒子径の最大値が上記の範囲内であれば、被研磨面の平坦性が向上するという効果が奏される。なお、シリカの一次粒子径の最大値は、例えば電子顕微鏡を用いた写真観察により求めることができる。
また、シリカの一次粒子の短径に対する長径の比(長径/短径)の平均値は、1.07以上1.1以下としてもよい。シリカの一次粒子の短径に対する長径の比の平均値が上記の範囲内であれば、被研磨面の平坦性が向上するという効果が奏される。
シリカの一次粒子の短径に対する長径の比(長径/短径)の平均値は、シリカの一次粒子の形状を示す値であり、例えば、電子顕微鏡を用いた写真観察により求めることができる。例えば、走査型電子顕微鏡を用いて所定個数(例えば200個)のシリカの一次粒子を観察し、それぞれの一次粒子の画像に外接する最小の長方形をそれぞれ描く。そして、描かれた長方形について、その短辺の長さ(短径)及び長辺の長さ(長径)を求め、長径を短径で除した値の平均値を算出する。
さらに、結合粒子の長径の最大値は、20nm以上としてもよく、好ましくは40nm以上であり、より好ましくは50nm以上である。結合粒子の長径の最大値が上記の範囲内であれば、被研磨面の平坦性が向上するという効果が奏される。一方、結合粒子の長径の最大値は、350nm以下としてもよく、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは100nm以下であり、さらに好ましくは70nm以下である。結合粒子の長径の最大値が上記の範囲内であれば、研磨対象物の表面に生じる傷等の欠陥が低減されるという効果が奏される。
さらに、結合粒子の平均短径に対する平均長径の比(平均長径/平均短径)は、1.5以上としてもよく、好ましくは1.6以上であり、より好ましくは1.7以上である。結合粒子の平均短径に対する平均長径の比が上記の範囲内であれば、被研磨面の平坦性が向上するという効果が奏される。一方、結合粒子の平均短径に対する平均長径の比(平均長径/平均短径)は、5.0以下としてもよく、好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.0以下である。結合粒子の平均短径に対する平均長径の比が上記の範囲内であれば、研磨対象物の表面に生じる傷等の欠陥が低減されるという効果が奏される。
なお、結合粒子の平均短径及び平均長径は、例えば、電子顕微鏡を用いた写真観察により求めることができる。例えば、走査型電子顕微鏡を用いて所定個数(例えば200個)のシリカの結合粒子を観察し、それぞれの結合粒子の画像に外接する最小の長方形をそれぞれ描く。そして、描かれた長方形について、その短辺の長さ(短径)及び長辺の長さ(長径)を求め、その平均値を算出する。
さらに、本実施形態の研磨用組成物中の結合粒子の含有量は0.001質量%以上としてもよく、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。結合粒子の含有量が上記の範囲内であれば、高い平坦性を有する被研磨面を実現可能である。一方、研磨用組成物中の結合粒子の含有量は5質量%以下としてもよく、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。結合粒子の含有量が上記の範囲内であれば、被研磨面の高い平坦性と研磨用組成物の製造コストの低減を両立できる。
本実施形態の研磨用組成物中の全ての砥粒の含有量の総和は、0.01質量%以上としてもよく、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上である。全ての砥粒の含有量の総和が上記の範囲内であれば、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する。一方、研磨用組成物中の全ての砥粒の含有量の総和は、5質量%以下としてもよく、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。全ての砥粒の含有量の総和が上記の範囲内であれば、研磨後の研磨対象物の表面上に残存する砥粒の量が低減され、研磨対象物の表面の清浄性が向上する。
2.塩基性化合物について
本実施形態の研磨用組成物は、塩基性化合物を含有してもよい。塩基性化合物は、シリコン基板等の研磨対象物の表面に化学的な作用を与えて、化学的に研磨する(ケミカルエッチング)。これにより、研磨対象物を研磨する際の研磨速度を向上させることが容易となる。
塩基性化合物の種類は特に限定されるものではなく、有機塩基性化合物であってもよいし、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニア等の無機塩基性化合物であってもよい。これらの塩基性化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ金属水酸化物の種類は特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがあげられる。また、アルカリ金属炭酸水素塩の種類は特に限定されるものではないが、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムがあげられる。さらに、アルカリ金属炭酸塩の種類は特に限定されるものではないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムがあげられる。
有機塩基性化合物の例としては、テトラアルキルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩があげられる。上記アンモニウム塩におけるアニオンとしては、OHがあげられる。アルカリ金属水酸化物等の他の塩基性化合物を併用する場合は、アニオンとしてF、Cl、Br、I、ClO 、BH 等も使用できる。例えば、コリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩を好ましく使用し得る。これらの中でもテトラメチルアンモニウムヒドロキシドがより好ましい。
有機塩基性化合物の他の例としては、テトラアルキルホスホニウム塩等の第四級ホスホニウム塩が挙げられる。上記ホスホニウム塩におけるアニオンとしては、OHがあげられる。アルカリ金属水酸化物等の他の塩基性化合物を併用する場合は、アニオンとしてF、Cl、Br、I、ClO 、BH 等も使用できる。例えば、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム等のハロゲン化物、水酸化物を好ましく使用し得る。
有機塩基性化合物の他の例としては、アミン類(例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン)、ピペラジン類(例えばピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン)、アゾール類(例えばイミダゾール、トリアゾール)、ジアザビシクロアルカン類(例えば1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)、その他の環状アミン類(例えばピペリジン、アミノピリジン)、グアニジン等が挙げられる。
本実施形態の研磨用組成物中の塩基性化合物の含有量は0.001質量%以上としてもよく、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上である。塩基性化合物の含有量が上記の範囲内であれば、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する。一方、研磨用組成物中の塩基性化合物の含有量は5質量%以下としてもよく、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下である。塩基性化合物の含有量が上記の範囲内であれば、研磨用組成物の安定性が増し、製造コストが低減する。
3.研磨用組成物のpHについて
本実施形態の研磨用組成物のpHは特に限定されるものではないが、9.0以上11.5以下とすることができ、10.0以上10.8以下がより好ましい。pHが上記範囲内であれば、研磨速度がより高くなる。研磨用組成物のpHは、例えば後述するpH調整剤を添加することにより調整することができる。
4.添加剤について
本実施形態の研磨用組成物には、その性能を向上させるために、必要に応じてpH調整剤、水溶性高分子(共重合体でもよい。また、これらの塩、誘導体でもよい)、界面活性剤、キレート剤、防黴剤等の各種添加剤を添加してもよい。ただし、酸化剤は実質的に含有しないことが好ましい。
4−1 pH調整剤について
本実施形態の研磨用組成物のpHの値は、pH調整剤の添加により調整することができる。研磨用組成物のpHの調整により、研磨対象物の研磨速度や砥粒の分散性等を制御することができる。pH調整剤の添加量は、特に限定されるものではなく、研磨用組成物が所望のpHとなるように適宜調整すればよい。
pH調整剤の具体例としては、無機酸や、カルボン酸、有機硫酸等の有機酸があげられる。無機酸の具体例としては、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸、リン酸等があげられる。また、カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ジグリコール酸、2−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、フェノキシ酢酸等があげられる。さらに、有機硫酸の具体例としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸等があげられる。これらの酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
4−2 水溶性高分子について
本実施形態の研磨用組成物には、研磨対象物の表面や砥粒の表面に作用する水溶性高分子(共重合体でもよい。また、これらの塩、誘導体でもよい。)を添加してもよい。水溶性高分子、水溶性共重合体、これらの塩又は誘導体の具体例としては、ポリアクリル酸塩等のポリカルボン酸や、ポリホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸等のポリスルホン酸があげられる。また、他の具体例として、キタンサンガム、アルギン酸ナトリウム等の多糖類や、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体があげられる。
さらに、他の具体例として、ピロリドン単位を有する水溶性高分子(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体)や、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ソルビタンモノオレエート、単一種又は複数種のオキシアルキレン単位を有するオキシアルキレン系重合体等があげられる。これらの水溶性高分子の中では、ピロリドン単位を有する水溶性高分子が好ましく、ポリビニルピロリドンがより好ましい。これらの水溶性高分子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
4−3 界面活性剤について
本実施形態の研磨用組成物には、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤があげられる。これらの界面活性剤の中でも、ノニオン性界面活性剤が好適に用いられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、オキシアルキレンの単独重合体、複数の種類のオキシアルキレンの共重合体、ポリオキシアルキレン付加物があげられる。これらのノニオン性界面活性剤の中でも、複数の種類のオキシアルキレンの共重合体又はポリオキシアルキレン付加物を用いることが好ましい。
4−4 キレート剤について
本実施形態の研磨用組成物には、キレート剤を添加してもよい。キレート剤は、研磨系中の金属不純物成分を捕捉して錯体を形成することによって、シリコン基板の金属汚染(特にニッケル、銅の汚染)を抑制する。
キレート剤の具体例としては、グルコン酸等のカルボン酸系キレート剤、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリメチルテトラアミン等のアミン系キレート剤、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のポリアミノポリカルボン酸系キレート剤、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸等の有機ホスホン酸系キレート剤、フェノール誘導体、1,3−ジケトン等があげられる。これらのキレート剤の中でも、有機ホスホン酸系キレート剤、特にエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)を用いることが好ましい。これらのキレート剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
4−5 防黴剤について
本実施形態の研磨用組成物には、防黴剤を添加してもよい。防黴剤の具体例としては、オキサゾリジン−2,5−ジオン等のオキサゾリン等があげられる。
4−6 酸化剤について
本実施形態の研磨用組成物は、酸化剤を実質的に含まないことが好ましい。研磨用組成物中に酸化剤が含まれていると、研磨用組成物が研磨対象物(例えばシリコンウェーハ)に供給されることで研磨対象物の表面が酸化されて酸化膜が生じ、これにより所要研磨時間が長くなってしまうためである。酸化剤の具体例としては、過酸化水素(H)、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過マンガン酸カリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等があげられる。
なお、「研磨用組成物が酸化剤を実質的に含まない」とは、少なくとも意図的には酸化剤を含有させないことを意味する。したがって、原料や製法等に由来して微量(例えば、研磨用組成物中における酸化剤のモル濃度が0.0005モル/L以下、好ましくは0.0001モル以下、より好ましくは0.00001モル/L以下、特に好ましくは0.000001モル/L以下)の酸化剤が不可避的に含まれている研磨用組成物は、ここでいう「酸化剤を実質的に含有しない研磨用組成物」の概念に包含され得る。
5.水について
本実施形態の研磨用組成物は、水を含有してもよい。水は、研磨用組成物の各成分(砥粒、塩基性化合物、添加剤等)を分散又は溶解するための分散媒又は溶媒として機能する。研磨用組成物に含有される他の成分の働きが阻害されることを極力回避するため、例えば遷移金属イオンの合計の含有量が100ppb以下の水を用いることが好ましい。例えば、イオン交換樹脂を用いる不純物イオンの除去、フィルターによる粒子の除去、蒸留等の操作によって水の純度を高めることができる。具体的にはイオン交換水、純水、超純水、蒸留水等を用いることが好ましい。
6.研磨用組成物の製造方法について
本実施形態の研磨用組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、砥粒と、所望により塩基性化合物等の各種添加剤とを、水中で攪拌、混合することによって製造することができる。混合時の温度は特に限定されるものではないが、10℃以上40℃以下が好ましく、溶解速度を向上させるために加熱してもよい。また、混合時間も特に限定されない。
7.研磨方法及び基板の研磨方法について
本実施形態の研磨用組成物を用いた研磨対象物の研磨は、通常の研磨に用いられる研磨装置や研磨条件により行うことができる。例えば片面研磨装置や両面研磨装置を使用することができる。
例えば、研磨対象物をシリコン基板等の基板とし、片面研磨装置を用いて研磨する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板を保持し、研磨布が貼付された定盤を基板の片面に押しつけて研磨用組成物を供給しながら定盤を回転させることにより、基板の片面を研磨する。
また、両面研磨装置を用いて基板を研磨する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板を保持し、研磨布が貼付された定盤を基板の両側から基板の両面にそれぞれ押しつけて、研磨用組成物を供給しながら両側の定盤を回転させることにより、基板の両面を研磨する。
いずれの研磨装置を用いた場合でも、摩擦(研磨布及び研磨用組成物と、基板との摩擦)による物理的作用と研磨用組成物が基板にもたらす化学的作用とによって基板が研磨される。
研磨布としては、ポリウレタン、不織布、スウェード等の種々の素材のものを用いることができる。また、素材の違いの他、硬度や厚さ等の物性が種々異なるものを用いることができる。さらに、砥粒を含むもの、砥粒を含まないもののいずれも用いることができるが、砥粒を含まないものを使用することが好ましい。さらに、液状の研磨用組成物が溜まるような溝加工が施されているものを使用することができる。
さらに、研磨条件のうち研磨荷重(研磨対象物に負荷する圧力)については特に限定されないが、5kPa以上50kPa以下としてもよく、好ましくは8kPa以上40kPa以下であり、より好ましくは10kPa以上30kPa以下である。研磨荷重がこの範囲内であれば、十分な研磨速度が発揮され、荷重により研磨対象物が破損したり、研磨対象物の表面に傷等の欠陥が発生したりすることを抑制することができる。
また、研磨条件のうち、研磨に用いられる研磨布とシリコン基板等の研磨対象物との相対速度(線速度)は特に限定されないが、10m/分以上300m/分以下としてもよく、好ましくは30m/分以上200m/分以下である。研磨布と研磨対象物との相対速度がこの範囲内であれば、十分な研磨速度が得られる。また、研磨対象物の摩擦による研磨布の破損を抑制でき、さらに研磨対象物へ摩擦が十分に伝わり、いわゆる研磨対象物が滑る状態を抑制することができ、十分に研磨することができる。
さらに、研磨条件のうち研磨用組成物の供給量については、研磨対象物の種類、研磨装置の種類、研磨条件によっても異なるが、研磨対象物と研磨布との間に研磨用組成物がムラ無く全面に供給されるのに十分な量であればよい。研磨用組成物の供給量が少ない場合は、研磨用組成物が研磨対象物全体に供給されないことや、研磨用組成物が乾燥凝固し研磨対象物の表面に欠陥を生じさせることがある。逆に研磨用組成物の供給量が多い場合は、経済的でないことの他、過剰な研磨用組成物(特に水)により摩擦が妨げられて研磨が阻害されるおそれがある。
さらに、本実施形態の研磨用組成物は、研磨対象物の研磨に使用された後に回収し、研磨対象物の研磨に再使用することができる。研磨用組成物を再使用する方法の一例としては、研磨装置から排出された研磨用組成物をタンクに回収し、再度研磨装置内へ循環させて研磨に使用する方法があげられる。研磨用組成物を循環使用すれば、廃液として排出される研磨用組成物の量を減らすことができるので、環境負荷を低減することができる。また、使用する研磨用組成物の量を減らすことができるので、研磨対象物の研磨に要する製造コストを抑制することができる。
本実施形態の研磨用組成物を再使用する際には、研磨に使用したことにより消費、損失された砥粒、塩基性化合物、添加剤等の一部又は全部を、組成調整剤として添加した上で再使用するとよい。組成調整剤としては、砥粒、塩基性化合物、添加剤等を任意の混合比率で混合したものを用いることができる。組成調整剤を追加で添加することにより、研磨用組成物が再使用されるのに好適な組成に調整され、好適な研磨を行うことができる。組成調整剤に含有される砥粒、塩基性化合物、及びその他の添加剤の濃度は任意であり、特に限定されず、タンクの大きさや研磨条件に応じて適宜調整すればよい。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。例えば、本実施形態の研磨用組成物は、一液型であってもよいし、研磨用組成物の成分の一部又は全部を任意の比率で混合した二液型等の多液型であってもよい。また、研磨対象物の研磨においては、本実施形態の研磨用組成物の原液をそのまま用いて研磨を行ってもよいが、原液を水等の希釈液で例えば10倍以上に希釈した研磨用組成物の希釈物を用いて研磨を行ってもよい。
〔実施例〕
以下に実施例を示し、表1を参照しながら本発明をさらに具体的に説明する。
シリカからなる砥粒と、3種の塩基性化合物(水酸化カリウム、炭酸カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)と、2種の添加剤(キレート剤、水溶性高分子)と、超純水とを混合して、実施例1、2、3、4及び比較例1、2、3の研磨用組成物(スラリー)を製造した。
いずれの研磨用組成物においても、シリカの濃度は0.39質量%、水酸化カリウムの濃度は0.005質量%、炭酸カリウムの濃度は0.043質量%、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの濃度は0.067質量%、キレート剤(エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸))の濃度は0.003質量%、水溶性高分子(ポリビニルピロリドンK−30)の濃度は0.0003質量%である。
また、実施例1、3において使用したシリカは、2個以上の一次粒子が一次粒子と同一の材質で構成された結合子を介して結合してなる結合粒子を含み、且つ、結合部分の面積の割合などの本発明の要件を満たすシリカである。実施例2、4において使用したシリカは、2個以上の一次粒子が直接結合してなる結合粒子を含み、且つ、結合部分の面積の割合などの本発明の要件を満たすシリカである。
比較例1、2において使用したシリカは、2個以上の一次粒子が結合してなる結合粒子を含んでいないシリカである。
比較例3において使用したシリカは、2個以上の一次粒子が直接結合してなる結合粒子を含んでいるが、結合部分の面積の割合などの本発明の要件を満たしていないシリカである。
実施例1、2、3、4及び比較例1、2、3の研磨用組成物において使用したシリカの結合粒子の割合、結合部分の面積の割合等の各種物性値は、表1に示す通りである。
Figure 2017117917
実施例1、2、3、4及び比較例1、2、3の研磨用組成物を用いて、下記の研磨条件でシリコンウェーハの研磨を行った。このシリコンウェーハの表面には、ハードレーザーマークが形成されている。また、このシリコンウェーハの伝導型はP型であり、結晶方位は<100>であり、抵抗率は0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満である。
(研磨条件)
研磨装置:日本エンギス株式会社製の片面研磨装置、型式「EJ−380IN」
研磨パッド(研磨布):ニッタ・ハース株式会社製「MH−S15A」
研磨荷重:16.7kPa
定盤の回転速度:50min−1
ヘッド(キャリア)の回転速度:40min−1
研磨時間:研磨による取り代が5μmとなるまでの時間(ただし、研磨速度が0μm/minである場合は60minで研磨を終了する)
研磨用組成物の供給速度:100mL/min(掛け流し使用)
研磨用組成物の温度:23〜26℃
そして、研磨前のシリコンウェーハの質量と、研磨後のシリコンウェーハの質量とを測定し、その質量差、研磨時間、被研磨面の面積、シリコンの密度等から研磨速度を算出した。結果を表1に示す。
また、研磨終了後のシリコンウェーハの被研磨面を分析し、ハードレーザーマークの周縁部に生成する突起の高さを測定した。結果を表1に示す。突起の高さは、株式会社東京精密製の形状測定装置サーフコムDX−12を用いて測定した。
表1から分かるように、実施例1、2、3、4の研磨用組成物は、研磨速度が高く且つハードレーザーマークの周縁部に生成した突起の高さが低かった。この結果から、ハードレーザーマークが形成されているシリコンウェーハの表面を、実施例1、2、3、4の研磨用組成物を用いて研磨すれば、ハードレーザーマークの周縁部に生成する突起を低減することができることが分かる。
これに対して、比較例2の研磨用組成物は、2個以上の一次粒子が結合してなる結合粒子を含んでいないシリカを用いているため、ハードレーザーマークの周縁部に生成した突起の高さが高かった。
また、比較例1の研磨用組成物は、2個以上の一次粒子が結合してなる結合粒子を含んでいないシリカを用いており、且つ、シリカの粒径が小さいため、シリコンウェーハの表面をほとんど研磨することができなかった。
さらに、比較例3の研磨用組成物は、2個以上の一次粒子が結合してなる結合粒子を含んでいるシリカを用いているが、結合部分の面積の割合が高すぎるため、ハードレーザーマークの周縁部に生成した突起の高さが高かった。
10 一次粒子
Figure 2017117917

Claims (6)

  1. シリカを含む砥粒を含有し、
    前記シリカは、2個以上の一次粒子が直接、又は、前記一次粒子と同一の材質で構成された結合子を介して結合してなる結合粒子を含み、
    下記の2つの条件(A)及び(B)を満たす研磨用組成物。
    条件(A):前記結合粒子に含まれる全ての一次粒子の個数が、前記砥粒に含まれる全ての一次粒子の個数の10%以上である。
    条件(B):前記結合粒子を構成する一次粒子の結合部分の面積の平均値は、前記結合粒子を構成する一次粒子の平均一次粒子径から算出される前記一次粒子の表面積の12%以下である。
  2. 前記結合粒子の少なくとも一部は2個以上5個以下の一次粒子が結合してなるものであり、この2個以上5個以下の一次粒子が結合してなる結合粒子に含まれる全ての一次粒子の個数が、前記砥粒に含まれる全ての一次粒子の個数の10%以上である請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記シリカの平均一次粒子径が50nm以下である請求項1又は請求項2に記載の研磨用組成物。
  4. 塩基性化合物をさらに含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  5. シリコン基板の研磨用である請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いてシリコン基板を研磨することを含むシリコン基板の研磨方法。
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