JP2017117836A - 光電変換素子及び光電変換モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】幅広い光量レンジに対応し得る光電変換素子を提供する。【解決手段】光電変換モジュール2Aは、光電変換素子1A及び読出回路5Aを備える。光電変換素子1Aは、APDをそれぞれ含む複数のピクセル10と、複数のピクセル10に含まれる二以上のピクセル11と電気的に接続され、二以上のピクセル11からの出力電流を一括して取り出す配線21と、複数のピクセル10に含まれる二以上のピクセル12と電気的に接続され、二以上のピクセル12からの出力電流を一括して取り出す配線22とを備える。読出回路5Aは、配線21とGND線51との間に接続され、ピクセル11からの出力電流を電圧信号V1に変換する抵抗41と、配線22とGND線51との間に接続され、ピクセル12からの出力電流を電圧信号V2に変換する抵抗42とを有する。抵抗42の抵抗値は、抵抗41の抵抗値よりも小さい。【選択図】図4
Description
本発明は、光電変換素子及び光電変換モジュールに関するものである。
特許文献1には、放射線画像読取装置が開示されている。この放射線画像読取装置は、放射線画像が記録された輝尽性蛍光体層に励起光を走査して得られる画像情報を読み取るための光電変換素子を備えている。光電変換素子は、フォトダイオード及びシリコン光電子増倍管を有する。そして、光電変換素子により読み取られる輝尽光の光量に応じて、画像情報を読み取る光電変換素子をフォトダイオードとシリコン光電子増倍管との間で切り換える。
微弱な光を検出するための光電変換素子として、近年、アバランシェフォトダイオード(以下、APD)からなるピクセルが二次元状に配置されて成るものが知られている。このような光電変換素子では、各ピクセルに共通のバイアス電圧を供給するとともに、各ピクセルからの出力電流を一括して収集してフォトンカウンティングを行うことにより、フォトダイオードアレイへの微弱な入射光量を精度良く測定することができる。このような光電変換デバイスとしては、例えば浜松ホトニクス社製MPPC(登録商標)がある。
しかしながら、このような光電変換素子の適用範囲の拡大に従って、微弱光量から比較的大きな光量まで幅広い光量レンジに対応し得ることが望まれている。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、幅広い光量レンジに対応し得る光電変換素子及び光電変換モジュールを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明による光電変換素子は、共通の半導体基板に形成され、共通のバイアス電圧により動作するアバランシェフォトダイオードをそれぞれ含む複数のピクセルと、半導体基板上に形成されて複数のピクセルに含まれる二以上の第1のピクセルと電気的に接続され、二以上の第1のピクセルからの出力電流を一括して取り出す第1の配線と、半導体基板上に形成されて複数のピクセルに含まれる二以上の第2のピクセルと電気的に接続され、二以上の第2のピクセルからの出力電流を一括して取り出す第2の配線と、第1の配線と定電位線との間に接続され、二以上の第1のピクセルからの出力電流を第1の電圧信号に変換する第1の抵抗と、第2の配線と定電位線との間に接続され、二以上の第2のピクセルからの出力電流を第2の電圧信号に変換する第2の抵抗とを備え、第2の抵抗の抵抗値が第1の抵抗の抵抗値よりも小さい。
また、本発明による光電変換モジュールは、光電変換素子と、光電変換素子からの出力電流を読み出す読出回路とを備える光電変換モジュールであって、光電変換素子は、共通の半導体基板に形成され、共通のバイアス電圧により動作するアバランシェフォトダイオードをそれぞれ含む複数のピクセルと、半導体基板上に形成されて複数のピクセルに含まれる二以上の第1のピクセルと電気的に接続され、二以上の第1のピクセルからの出力電流を一括して取り出す第1の配線と、半導体基板上に形成されて複数のピクセルに含まれる二以上の第2のピクセルと電気的に接続され、二以上の第2のピクセルからの出力電流を一括して取り出す第2の配線とを有し、読出回路または光電変換素子は、第1の配線と定電位線との間に接続され、二以上の第1のピクセルからの出力電流を第1の電圧信号に変換する第1の抵抗と、第2の配線と定電位線との間に接続され、二以上の第2のピクセルからの出力電流を第2の電圧信号に変換する第2の抵抗とを有し、第1の抵抗の抵抗値が第2の抵抗の抵抗値よりも大きい。
これらの光電変換素子及び光電変換モジュールでは、第1のピクセルからの出力電流を電圧信号に変換する第1の抵抗の抵抗値が、第2のピクセルからの出力電流を電圧信号に変換する第2の抵抗の抵抗値よりも大きい。これにより、入射光量が微弱な場合であっても、二以上の第1のピクセルからの出力電流を比較的大きな増幅率でもって電圧信号に変換することができる。言い換えれば、入射光量に対して高いゲインで電圧信号を出力することができるので、フォトンカウンティングを精度良く行うことができる。一方、入射光量が比較的大きい場合であっても、二以上の第2のピクセルからの出力電流を比較的小さな増幅率でもって電圧信号に変換することができる。言い換えれば、入射光量に対して低いゲインで電圧信号を出力することができるので、出力が飽和する入射光量の上限をより大きくすることができる。従って、上記の光電変換素子及び光電変換モジュールによれば、入射光量に応じて第1の電圧信号または第2の電圧信号を選択することによって、微弱光量から比較的大きな光量まで幅広い光量レンジに対応することができる。
また、上記の光電変換モジュールに関しては、ピクセルからの出力電流を一括して取り出すための配線を2種類(第1及び第2の配線)設ける点を除き、従来の光電変換素子と同様の構成を採用できる。従って、光電変換素子の設計が極めて容易であり、従来の光電変換素子からの特性の変化を小さく抑えることができる。
また、上記の光電変換モジュールにおいて、読出回路は、第1の電圧信号に基づいて、二以上の第1のピクセルから出力される電流パルスをカウントするフォトンカウンティング回路と、第2の電圧信号に対応するデジタル信号を生成するA/Dコンバータとを有してもよい。これにより、微弱光量から比較的大きな光量まで幅広い光量レンジに対応する信号を好適に読み出すことができる。
本発明によれば、幅広い光量レンジに対応し得る光電変換素子及び光電変換モジュールを提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による光電変換素子及び光電変換モジュールの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換素子1Aの平面図である。光電変換素子1Aは、半導体基板30を備えており、半導体基板30の主面上は光を受ける受光部3Aとなっている。受光部3Aでは、複数のピクセル10が二次元状に配列されている。複数のピクセル10は、共通のバイアス電圧により動作するAPDをそれぞれ含んで構成されている。
複数のピクセル10には、二以上の第1のピクセル11と、二以上の第2のピクセル12とが含まれる。第1のピクセル11の受光面積(実効的な有感領域)と、第2のピクセル12の受光面積とは互いに略等しい。一例では、隣り合う第1のピクセル11同士のピッチ(中心間隔)は50μmであり、隣り合う第2のピクセル12同士のピッチも50μmである。本実施形態では、第1のピクセル11が列方向に並んで配置されて成る第1のピクセル列11Aと、第2のピクセル12が列方向に並んで配置されて成る第2のピクセル列12Aとが、行方向に交互に並んでいる。
光電変換素子1Aは、信号読出用の第1の配線21及び第2の配線22を更に備えている。第1の配線21は、二以上の第1のピクセル11と電気的に接続されており、これらの第1のピクセル11からの出力電流を一括して取り出す。第2の配線22は、二以上の第2のピクセル12と電気的に接続されており、これらの第2のピクセル12からの出力電流を一括して取り出す。
図2は、受光部3Aの一部を拡大して示す平面図である。図2に示されるように、第1のピクセル11のAPDと第1の配線21とは、クエンチング抵抗23を介して電気的に接続されている。言い換えると、クエンチング抵抗23の一端が第1のピクセル11のAPDと電気的に接続され、他端が第1の配線21と電気的に接続されている。同様に、第2のピクセル12のAPDと第2の配線22とは、クエンチング抵抗24を介して電気的に接続されている。言い換えると、クエンチング抵抗24の一端が第2のピクセル12のAPDと電気的に接続され、他端が第2の配線22と電気的に接続されている。クエンチング抵抗23,24の抵抗値は互いに略等しい。一例では、クエンチング抵抗23,24の抵抗値は250kΩである。なお、図に示される例では、クエンチング抵抗23,24が渦巻き状に配設されているが、クエンチング抵抗23,24は様々な形状に配設されることができ、例えば直線状に配設されてもよい。クエンチング抵抗23,24は、例えば光透過性(半透明)の導電性材料からなる。
図3は、光電変換素子1Aの断面構成を概略的に示す図である。光電変換素子1Aは、例えばn型Siからなる半導体基板30を備えている。上述した複数のピクセル10は、この共通の半導体基板30に形成されている。具体的には、半導体基板30は主面30a及び裏面30bを有しており、裏面30b上の全面には下面電極(カソード)31が設けられている。また、主面30aを含む半導体基板30の内部には、第1のピクセル11を構成するp型半導体領域32aと、第2のピクセル12を構成するp型半導体領域32bとが、互いに間隔を空けて並んで形成されている。p型半導体領域32a,32bは例えばp型Siからなる。第1のピクセル11のAPDは、p型半導体領域32aと半導体基板30とがpn接合を成すことによって構成されている。同様に、第2のピクセル12のAPDは、p型半導体領域32bと半導体基板30とがpn接合を成すことによって構成されている。
主面30a上の全面には、第1の絶縁膜33が設けられている。第1の絶縁膜33は、例えばSiO2、SiNといった絶縁性シリコン化合物によって好適に構成され得る。p型半導体領域32a上かつ第1の絶縁膜33上にはコンタクト電極(アノード)34aが設けられている。コンタクト電極34aは、第1の絶縁膜33に形成された開口を介してp型半導体領域32aと接触している。同様に、p型半導体領域32b上かつ第1の絶縁膜33上にはコンタクト電極(アノード)34bが設けられている。コンタクト電極34bは、第1の絶縁膜33に形成された開口を介してp型半導体領域32bと接触している。
第1の配線21及び第2の配線22は、金属製であり、半導体基板30上に形成されている。本実施形態では、第1の配線21及び第2の配線22は、p型半導体領域32a及びp型半導体領域32bのいずれも形成されていない半導体基板30の領域上に位置する第1の絶縁膜33上に設けられている。
第1の配線21及び第2の配線22、第1の絶縁膜33、並びにコンタクト電極34a及び34bは、第2の絶縁膜35によって覆われている。第2の絶縁膜35は、半導体基板30上の全面を覆っており、例えばSiO2、SiNといった無機絶縁体によって好適に構成され得る。前述したクエンチング抵抗23,24は、第2の絶縁膜35上に設けられている。クエンチング抵抗23の一端及び他端それぞれは、第2の絶縁膜35に形成された開口を介して、コンタクト電極34a及び第1の配線21のそれぞれと電気的に接続されている。クエンチング抵抗24の一端及び他端それぞれは、第2の絶縁膜35に形成された開口を介して、コンタクト電極34b及び第2の配線22のそれぞれと電気的に接続されている。
ここで、光電変換素子1Aと、光電変換素子1Aからの出力電流を読み出す読出回路とを備える光電変換モジュールの構成について説明する。図4は、光電変換モジュール2Aの構成例を概略的に示す図である。図4に示されるように、複数のピクセル10の各APDのカソードすなわち下面電極31(図3参照)には、共通のバイアス電圧HVが印加される。
読出回路5Aは、第1の抵抗41、第2の抵抗42、フォトンカウンティング回路60、増幅回路70、ピークホールド回路71、A/Dコンバータ72、及び信号処理部80を有する。第2の抵抗42の抵抗値は、第1の抵抗41の抵抗値よりも小さい。一例では、第1の抵抗41の抵抗値は1MΩないし数MΩであり、第2の抵抗42の抵抗値は50Ω(すなわち通常の50Ω終端)である。
第1の抵抗41は、第1の配線21と、定電位線である基準電位(GND)線51との間に接続され、第1のピクセル11からの出力電流を第1の電圧信号V1に変換する。具体的には、抵抗41の一端は、第1の配線21及びクエンチング抵抗23を介して、第1のピクセル11のAPDのアノードに接続される。抵抗41の他端は基準電位(GND)線51に接続される。抵抗41の一端はフォトンカウンティング回路60に接続されており、抵抗41における降下電圧が、第1の電圧信号V1としてフォトンカウンティング回路60に入力される。
フォトンカウンティング回路60は、コンパレータ61と、カウンタ62とを含む。コンパレータ61は、D/Aコンバータ63によって生成された基準電圧と、第1の電圧信号V1とを比較する。そして、第1の電圧信号V1が基準電圧を超えたとき(すなわち閾値を超える電流パルスが第1のピクセル11から出力されたとき)に、信号をカウンタ62に送る。カウンタ62は、コンパレータ61から信号が送られた回数をカウントする。そのカウント値は、全ての第1のピクセル11への入射光量に相当する。
第2の抵抗42は、第2の配線22と、定電位線である基準電位(GND)線51との間に接続され、第2のピクセル12からの出力電流を第2の電圧信号V2に変換する。具体的には、抵抗42の一端は、第2の配線22及びクエンチング抵抗24を介して、第2のピクセル12のAPDのアノードに接続される。抵抗42の他端は基準電位(GND)線51に接続される。抵抗42の一端は、増幅回路70及びピークホールド回路71を介して、A/Dコンバータ72に接続されている。第2の電圧信号V2は、増幅回路70によって増幅されたのち、ピークホールド回路71によって保持される。そして、保持された電圧が、A/Dコンバータ72に入力される。A/Dコンバータ72は、入力された電圧信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。そのデジタル値は、全ての第2のピクセル12への入射光量に相当する。
カウンタ62から出力されるカウント値およびA/Dコンバータ72から出力されるデジタル値は、信号処理部80へ送られる。信号処理部80は、これらのカウント値およびデジタル値のうち有意な値を有する方を採用し、その値に基づいて入射光量を特定する。
以上に説明した、本実施形態の光電変換モジュール2Aによって得られる効果について説明する。光電変換モジュール2Aでは、第1のピクセル11からの出力電流を第1の電圧信号V1に変換する抵抗41の抵抗値が、第2のピクセル12からの出力電流を第2の電圧信号V2に変換する抵抗42の抵抗値よりも大きい。これにより、入射光量が微弱な場合であっても、二以上の第1のピクセル11からの出力電流を比較的大きな増幅率でもって第1の電圧信号V1に変換することができる。言い換えれば、入射光量に対して高いゲインで第1の電圧信号V1を生成することができるので、フォトンカウンティングを精度良く行うことができる。一方、入射光量が比較的大きい場合であっても、二以上の第2のピクセル12からの出力電流を比較的小さな増幅率でもって第2の電圧信号V2に変換することができる。言い換えれば、入射光量に対して低いゲインで第2の電圧信号V2を生成することができるので、出力が飽和する入射光量の上限をより大きくすることができる。従って、本実施形態の光電変換モジュール2Aによれば、入射光量に応じて第1の電圧信号V1に基づくカウント値または第2の電圧信号V2に基づくデジタル値を選択することにより、微弱光量から比較的大きな光量まで幅広い光量レンジに対応することができる。
また、本実施形態では、複数のピクセルからの出力電流を一括して取り出すための配線を2種類(第1及び第2の配線21,22)設ける点を除き、従来の光電変換素子と同様の構成を採用できる。従って、光電変換素子1Aの設計が極めて容易であり、従来の光電変換素子からの特性の変化を小さく抑えることができる。
また、本実施形態によれば、入射光量が微弱な場合、及び比較的大きい場合の双方に対し、各ピクセルの光検出原理を共通とする一つのデバイスで対応することが可能となる。これにより、動作電圧の共通化、同一基板上に構成することによる低コスト化、並びに、特性の均一化が期待できる。また、本実施形態によれば、多数のピクセル10を二次元状に配列することが可能であり、大面積の受光面を容易に実現できる。また、複数のピクセル10の配列の自由度が高く、受光部3Aを正方形、長方形、円形、及び多角形といった、用途や光学系に適した形状に変更することが容易である。更に、特許文献1の構成と比較して、入射光量が比較的大きい場合であってもショットノイズが極めて小さくなり、広い光量レンジにおいて高ゲイン及び高いS/N比を両立できる。
また、本実施形態のように、読出回路5Aは、第1の電圧信号V1に基づいて、二以上の第1のピクセル11から出力される電流パルスをカウントするフォトンカウンティング回路60と、第2の電圧信号V2に対応するデジタル信号を生成するA/Dコンバータ72とを有してもよい。これにより、微弱光量から比較的大きな光量まで幅広い光量レンジに対応する信号を好適に読み出すことができる。
(第1変形例)
図5は、本発明の第1変形例に係る光電変換素子1Bの平面図である。光電変換素子1Bと上記実施形態との相違点は、受光面における第1のピクセル11及び第2のピクセル12の配置である。本変形例の受光部3Bにおいては、K1個(K1は2以上の整数、図ではK1=16の場合を例示)の第1のピクセル11をそれぞれ含む複数の第1の領域A1と、K2個(K2は2以上の整数、図ではK2=16の場合を例示)の第2のピクセル12をそれぞれ含む複数の第2の領域A2とが、受光部3Bにおいて混在して二次元状(マトリクス状)に配列されている。図5に示される例では、第1の領域A1と第2の領域A2とが市松模様のごとく配置されている。
図5は、本発明の第1変形例に係る光電変換素子1Bの平面図である。光電変換素子1Bと上記実施形態との相違点は、受光面における第1のピクセル11及び第2のピクセル12の配置である。本変形例の受光部3Bにおいては、K1個(K1は2以上の整数、図ではK1=16の場合を例示)の第1のピクセル11をそれぞれ含む複数の第1の領域A1と、K2個(K2は2以上の整数、図ではK2=16の場合を例示)の第2のピクセル12をそれぞれ含む複数の第2の領域A2とが、受光部3Bにおいて混在して二次元状(マトリクス状)に配列されている。図5に示される例では、第1の領域A1と第2の領域A2とが市松模様のごとく配置されている。
図6(a)及び図6(b)は、第1の領域A1及び第2の領域A2をそれぞれ拡大して示す平面図である。また、図7は、光電変換素子1Bの断面構成を概略的に示す図である。一例では、第1の領域A1において第1のピクセル11はM1行N1列(M1,N1は1以上の整数。但しM1×N1=K1)の二次元状に配列されている。そして、2列おきに第1の配線21が配設されており、各第1の配線21の両側に位置する第1のピクセル11が、その第1の配線21にクエンチング抵抗23を介して電気的に接続されている。同様に、第2の領域A2において第2のピクセル12はM2行N2列(M2,N2は1以上の整数。但しM2×N2=K2)の二次元状に配列されている。そして、2列おきに第2の配線22が配設されており、各第2の配線22の両側に位置する第2のピクセル12が、その第2の配線22にクエンチング抵抗24を介して電気的に接続されている。
本発明における第1及び第2のピクセルの配置は上記実施形態に限られるものではなく、例えば本変形例の光電変換素子1Bなど、様々な形態が可能である。そして、どのようなピクセル配置であっても、上述した実施形態の光電変換素子1A及び光電変換モジュール2Aと同様の効果を好適に奏することができる。
(第2変形例)
図8は、本発明の第2変形例に係る光電変換モジュール2Bの平面図である。光電変換モジュール2Bと上記実施形態との相違点は、抵抗41,42の配置である。すなわち、上記実施形態では抵抗41,42が読出回路5Aに含まれているが、光電変換モジュール2Bでは、読出回路5Bが抵抗41,42を有しておらず、光電変換素子1Cが抵抗41,42を有する。なお、抵抗41,42の配置を除く光電変換素子1C及び読出回路5Bの構成は、上記実施形態の光電変換素子1A及び読出回路5Aと同様である。
図8は、本発明の第2変形例に係る光電変換モジュール2Bの平面図である。光電変換モジュール2Bと上記実施形態との相違点は、抵抗41,42の配置である。すなわち、上記実施形態では抵抗41,42が読出回路5Aに含まれているが、光電変換モジュール2Bでは、読出回路5Bが抵抗41,42を有しておらず、光電変換素子1Cが抵抗41,42を有する。なお、抵抗41,42の配置を除く光電変換素子1C及び読出回路5Bの構成は、上記実施形態の光電変換素子1A及び読出回路5Aと同様である。
本変形例のように、抵抗41,42を光電変換素子1Cが有してもよい。そのような場合であっても上述した実施形態の光電変換モジュール2Aと同様の効果を好適に奏することができる。
本発明による光電変換素子及び光電変換モジュールは、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態及び各変形例を、必要に応じて互いに組み合わせてもよい。また、上記実施形態では抵抗41,42の抵抗値として数MΩ及び50Ωを例示したが、抵抗値はこれらに限定されるものではなく、様々な抵抗値を採用することができる。また、上記実施形態では半導体基板30及びp型半導体領域32a,32bの構成材料としてSiを例示したが、本発明では、半導体基板及び各p型半導体領域には種々の半導体材料を採用し得る。
1A〜1C…光電変換素子、3A,3B…受光部、10…ピクセル、11…第1のピクセル、11A…第1のピクセル列、12…第2のピクセル、12A…第2のピクセル列、21…第1の配線、22…第2の配線、23,24…クエンチング抵抗、30…半導体基板、31…下面電極、32a,32b…p型半導体領域、33…第1の絶縁膜、34a,34b…コンタクト電極、35…第2の絶縁膜、41…第1の抵抗、42…第2の抵抗、60…フォトンカウンティング回路、61…コンパレータ、62…カウンタ、63…D/Aコンバータ、70…増幅回路、71…ピークホールド回路、72…A/Dコンバータ、80…信号処理部、A1…第1の領域、A2…第2の領域。
Claims (3)
- 共通の半導体基板に形成され、共通のバイアス電圧により動作するアバランシェフォトダイオードをそれぞれ含む複数のピクセルと、
前記半導体基板上に形成されて前記複数のピクセルに含まれる二以上の第1のピクセルと電気的に接続され、前記二以上の第1のピクセルからの出力電流を一括して取り出す第1の配線と、
前記半導体基板上に形成されて前記複数のピクセルに含まれる二以上の第2のピクセルと電気的に接続され、前記二以上の第2のピクセルからの出力電流を一括して取り出す第2の配線と、
前記第1の配線と定電位線との間に接続され、前記二以上の第1のピクセルからの出力電流を第1の電圧信号に変換する第1の抵抗と、
前記第2の配線と定電位線との間に接続され、前記二以上の第2のピクセルからの出力電流を第2の電圧信号に変換する第2の抵抗と、を備え、
前記第2の抵抗の抵抗値が前記第1の抵抗の抵抗値よりも小さい、光電変換素子。 - 光電変換素子と、前記光電変換素子からの出力電流を読み出す読出回路とを備える光電変換モジュールであって、
前記光電変換素子は、
共通の半導体基板に形成され、共通のバイアス電圧により動作するアバランシェフォトダイオードをそれぞれ含む複数のピクセルと、
前記半導体基板上に形成されて前記複数のピクセルに含まれる二以上の第1のピクセルと電気的に接続され、前記二以上の第1のピクセルからの出力電流を一括して取り出す第1の配線と、
前記半導体基板上に形成されて前記複数のピクセルに含まれる二以上の第2のピクセルと電気的に接続され、前記二以上の第2のピクセルからの出力電流を一括して取り出す第2の配線と、を有し、
前記読出回路または前記光電変換素子は、
前記第1の配線と定電位線との間に接続され、前記二以上の第1のピクセルからの出力電流を第1の電圧信号に変換する第1の抵抗と、
前記第2の配線と定電位線との間に接続され、前記二以上の第2のピクセルからの出力電流を第2の電圧信号に変換する第2の抵抗と、を有し、
前記第2の抵抗の抵抗値が前記第1の抵抗の抵抗値よりも小さい、光電変換モジュール。 - 前記読出回路は、
前記第1の電圧信号に基づいて、前記二以上の第1のピクセルから出力される電流パルスをカウントするフォトンカウンティング回路と、
前記第2の電圧信号に対応するデジタル信号を生成するA/Dコンバータと、を有する、請求項2に記載の光電変換モジュール。
Priority Applications (6)
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