JP2017117748A - 非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法と、非水系電解質二次電池用正極活物質の電池特性評価方法 - Google Patents

非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法と、非水系電解質二次電池用正極活物質の電池特性評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】評価条件を制御でき、安定、且つ精度良く交流インピーダンス測定と初期充放電容量測定を同時に評価可能とする非水系電解液二次電池用正極活物質の特性評価方法の提供を目的とするものである。【解決手段】正極活物質が「一般式:LibNiCCoxMyO2」で表されるNi含有率が高いLi−Ni複合酸化物で、その正極活物質を含む正極膜と負極膜とがセパレーターを介し対向配置された電極部を有する非水系電解質コイン型電池の作製、静置後に、定電流充電、休止、定電流放電を行う定電流充放電サイクルを実施して初期充放電容量を測定し、その後、休止時間を経て、定電流定電圧充電を行ない、その終了後1時間以内に交流インピーダンス法による抵抗測定を実施することを特徴とする非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法。【選択図】なし

Description

本発明は、非水系電解質二次電池の特性評価方法に関し、より詳しくは、非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法と、その評価方法を用いた非水系電解質二次電池用正極活物質の電池特性評価方法に関する。
非水系電解質二次電池の中で、リチウムイオン二次電池は高いエネルギー密度をもつため、近年小型化や軽量化を要求される携帯電話やノートパソコンのような携帯電子機器に広く使用されており、また自動車用途ではクリーンなエネルギー源として開発が盛んであり、小型、軽量、高容量、高出力などの高性能化や低コスト化が求められている。
このリチウムイオン二次電池に使用される各材料に対する要求、とりわけ正極材料には、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)またはマンガン酸リチウム(LiMnO)などに対する高性能化の開発要求はますます高まってきている。
ところで、コバルト酸リチウムは、埋蔵量が少ないため高価であり、かつ供給不安定で価格の変動も大きいコバルトを主成分として含有しているという問題点があったため、比較的安価なニッケルまたはマンガンを主成分として含有するリチウムニッケル複合酸化物またはリチウムマンガン複合酸化物がコストの観点から注目されている。
しかしながら、マンガン酸リチウムについては、熱安定性ではコバルト酸リチウムに比べて優れているものの、充放電容量が他の材料に比べ非常に小さく、かつ寿命を示す充放電サイクル特性も非常に短いことから、電池としての実用上の課題が多い。
一方、ニッケル酸リチウムは、コバルト酸リチウムよりも大きな充放電容量を示すことから、安価で高エネルギー密度の電池を製造することができる正極活物質として期待されている。かかるニッケル酸リチウムは、充電状態での熱安定性がコバルト酸リチウムに劣るという欠点があった。すなわち、純粋なニッケル酸リチウムでは、熱安定性や充放電サイクル特性等に問題があり、実用電池として使用することができなかった。これは、充電状態における結晶構造の安定性がコバルト酸リチウムに比べて低いためである。
このため、充電でリチウムが抜けた状態での結晶構造の安定化を図り、正極活物質として熱安定性および充放電サイクル特性が良好なリチウムニッケル複合酸化物を得るために、リチウムニッケル複合酸化物におけるニッケルの一部を他の物質と置換することが一般的に行われている。例えば、ニッケルの一部を、コバルト、マンガン、鉄等の遷移金属元素や、アルミニウム、バナジウム、スズ等の異種元素などで置換すること行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、リチウムニッケル複合酸化物におけるニッケルの一部を他の物質と置換する場合、多量の元素置換(言い換えればニッケル比率を低くした状態)を行った場合、熱安定性は高くなるものの、電池容量の低下が生じる。
一方、電池容量の低下を防ぐために、少量の元素置換(言い換えればニッケル比率を高くした状態)を行った場合には、熱安定性が十分に改善されない。しかも、ニッケル比率が高くなれば、焼成時にカチオンミキシングを生じやすく合成が困難であるという問題点もある。
したがって、ニッケルの一部を他の物質と置換したリチウムニッケル複合酸化物は種々開発されているものの、非水系電解質二次電池における高容量化や高出力化の要求に十分に対応しているとはいえない。このような現状から、高容量化や高出力化の要求に十分に対応できるリチウムニッケル複合酸化物からなる正極活物質が求められている。
上記課題に対応して、X線回折のリートベルト解析から得られるc軸の長さを調整することによって、正極活物質として使用した場合の熱安定性等を維持でき、さらにリチウムニッケル複合酸化物粒子の空隙率を制御してリチウムイオンの脱挿入の容易性を高めることで高容量化や高出力化を実現することができるようにした、高いニッケル比率を有する非水系電解質二次電池用正極活物質と、その製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
この特許文献3で例示されているような、高いニッケル比率を有する非水系電解質二次電池用正極活物質の開発を迅速かつ低コストで進めるためには、その評価手段は重要な開発要素の一つであり、その評価方法の希求性が高まっている。
その具体的な評価方法としては、組成分析やXRD、SEM−EDX、XPSなどの所謂分析評価方法があるが、非水系電解質二次電池用正極活物質の開発を進めていく上では、電池を実際に作製して電池特性の評価を行うことは不可欠である。
この電池評価においては、「充放電容量特性」と「電流出力特性」は正極活物質の抵抗評価として特に重要である。
電池の出力特性の評価方法には、直流法と交流法があり、直流法は電池に大電流を印可し、その際の電圧の降下量と印可した電流の大きさから抵抗を求める方法で、交流法は微小な電流を重畳印可し、周波数を変化させることで抵抗を分離する方法(交流インピーダンス法)である。
この直流法による測定では、電池全体の抵抗(出力)評価となり、電池メーカーなどで用いられることが多い。一方、交流インピーダンス法による測定は、周波数を変えることで各抵抗成分の分離ができることから、正極活物質や、負極活物質の解析に用いられ、研究機関や、正極、負極、電解液メーカーなどで用いられている。
出力特性を評価する電池の作製において、負極にカーボンを用いる場合は、カーボン粒子をバインダーとともに溶媒を使ってスラリー化し混練、塗工、乾燥する作製方法が一般的であるが工程が煩雑となる。さらに、均一な分散、塗工膜厚や空隙構造も求められるため、金属リチウムシートを所望のサイズに切り抜いたものを使用する方法が簡易かつ速度的にもリーズナブルである。
しかし、電極にかかる圧力や電極間の電解液量、正、負極のサイズ、サイズ比などにより負極表面のデンドライトの生成状態が変化することから、特に電池の状態に過敏に反応する交流インピーダンス法などでは、再現性のあるデータを得ることが難しいといった問題もある。
さらに正極の作製方法では、正極活物質を導電材、結着材、溶媒とともに混練、塗工、乾燥し、所望のサイズに打ち抜く、塗工法(例えば、特許文献2など)や、同様の部材を乾式混合し、ロールプレスなどを使ってシートを作製し、所望のサイズに打ち抜く、シート法が提案されている。
前者の塗工法は、塗工厚みを薄くすることが可能である特徴を有し、リチウムイオンの拡散が律速となるリチウムイオン二次電池において塗工厚みを薄く、リチウムの拡散距離を短くすることで、高レートでの充放電を可能とするもので、直流法による抵抗評価が可能なリチウムイオン二次電池を得ることができるが、負極作製と同様に工程が煩雑で、研究開発などの少量多品種の評価が必要な開発用電池作製には適当ではない。
後者の乾式混合によるシート法では、塗工による電極作製法と比べ、手早く電極が作製できるメリットを有するが、電極が厚くなることから高レートを印可する直流法による抵抗評価は難しい。このような電極が厚い電池の場合は、印可する電流が微小な交流インピーダンス法による抵抗評価が好ましい。
セパレーターには、厚み数十ミクロンのポリプロピレン、あるいはポリエチレン製多孔膜を用いることが一般的である。これらのセパレーターは、短絡の際、発生する熱により収縮し、細孔を閉じることで電池としての機能を停止することが出来、これにより電池としての安全性を向上させることができる。
しかし、これらのセパレーターは安全性の面ではメリットがあるものの電解液の保液性や濡れ性が悪く、電極間の電解液量が安定せず、測定再現性が不安定になる。という問題もある。特にセルの小さな抵抗変化に敏感に反応する交流インピーダンス法においては、測定再現性の面で評価セル用部材として用いるのは難しい。
電池の各部分の作製において常に安定した品質を維持し、電池の組立精度を高く保つ事はもちろんであるが、組立後の温度制御や通電によるコンディショニングは抵抗測定のためには特に重要である。
この中でも特に充電終了後間もない初期の交流インピーダンスは、条件の変動に敏感であり、その測定データの信頼性が課題となっている。このように従来の電池作製および測定方法では、開発の評価や生産品の出荷前検査を目的とした場合、安定性、作業性、即応性そしてコスト的に適切に対処されているとは言い難いものであった。
特開平5−242891号公報 特開2014−103107号公報 国際公開2015/008582号公報
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、高いニッケル比率を有する非水系電解質二次電池用正極活物質の開発を迅速かつ低コストで進めるためには、その評価条件を制御でき、安定、且つ精度良く交流インピーダンス測定と初期充放電容量測定を同時に評価可能とする非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法及び、その評価方法を用いた非水系電解質二次電池用正極活物質の電池特性評価方法の提供を目的とするものである。
本発明者は、高いニッケル比率を有する非水系電解質二次電池用正極活物質の開発を迅速かつ低コストで進める上で、重要な評価指標となる、初期充放電容量測定と交流インピーダンス測定による電流出力特性とを同時に、その評価条件を制御でき、安定、且つ精度良く評価可能とする、非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法として、
特に、交流インピーダンス測定を行う場合に、コイン電池を作製して所定の時間静置した後に、充電および放電を行ない、定電流充放電サイクルを実施して初期充放電容量を測定し、その後、所定の休止時間を経て、定電流定電圧充電を行ない、前記定電流定電圧充電の終了後、所定の時間内に交流インピーダンス法による抵抗測定を行うことで、安定した抵抗測定が可能となり、初期充放電容量測定をも連続して行えることから、電池特性測定時間を短縮するため効率的な電池評価が可能となることを見出し、本発明を完成した。
本発明の第1の発明は、正極活物質を含む正極膜と、負極膜とがセパレーターを介し対向配置された電極部を有する非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法であって、正極活物質が、「一般式:LiNiCo・・・(1)」(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、bは0.95≦b≦1.03、c=1−x−y、0.84≦c<1.00、xは0<x≦0.15、yは0<y≦0.07、x+y≦0.16)で表されるニッケル含有率が高いリチウムニッケル複合酸化物であり、前記正極活物質を含む正極膜と、負極膜とがセパレーターを介し対向配置された電極部を有する非水系電解質コイン型電池の作製、静置後に、定電流充電、休止、定電流放電を行う定電流充放電サイクルを実施して初期充放電容量を測定し、その後、休止時間を経て、定電流定電圧充電を行ない、前記定電流定電圧充電の終了後1時間以内に交流インピーダンス法による抵抗測定を実施することを特徴とする非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法である。
本発明の第2の発明は、第1の発明における抵抗測定が、前記定電流定電圧充電終了後、0.05時間以上、1時間以内に実施されることを特徴とする非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法である。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における負極膜が、金属リチウム又はリチウムを主成分とする金属であることを特徴とする非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明におけるコイン型電池が、2032型、あるいは、2016型コイン電池であることを特徴とする非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法である。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明のいずれか1項に記載の非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法を用いて、「一般式:LiNiCo・・・(1)」(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、bは0.95≦b≦1.03、c=1−x−y、0.84≦c<1.00、xは0<x≦0.15、yは0<y≦0.07、x+y≦0.16)で表されるニッケル含有率が高いリチウムニッケル複合酸化物である非水系電解質二次電池用正極活物質の特性を把握することを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質の電池特性評価方法である。
本発明によれば、ニッケル含有率の高いリチウムを含む非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた正極と、金属リチウムまたはリチウムを主成分とする金属からなる負極とがセパレーターを挟んで向かい合うように配置された電極部を、非水系電解液に浸漬した形の2032型、あるいは、2016型コイン電池を用いた電池特性評価方法において、特に、交流インピーダンス測定を行う場合に、コイン電池を作製して所定の時間静置した後に、充電および放電を行ない、定電流充放電サイクルを実施して初期充放電容量を測定し、その後、所定の休止時間を経て、定電流定電圧充電を行ない、前記定電流定電圧充電の終了後、所定の時間内に交流インピーダンス法による抵抗測定を行うことで、安定した抵抗測定が可能とするものである。上記非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法を用いることにより、この評価方法を用いた非水系電解質二次電池用正極活物質の電池特性評価が行われ、正極活物質の開発並びに高性能な電池開発に対して、工業的に顕著な効果を奏するものである。
さらに、この構成を用いた評価用電池の評価方法は、電池間の抵抗値のバラつきが少ない安定した評価結果が得られる利点を有するものである。
実施例で用いた評価用2032型コイン電池を示す断面図である。 インピーダンス評価の測定例と解析に使用した等価回路の概略説明図である。 本発明の電池評価フロー図である。
本発明は、非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法と、その評価方法を用いた非水系電解質二次電池用正極活物質の電池特性評価方法に関するものであり、正極活物質を含む正極膜と、負極膜とがセパレーターを介し対向配置された電極部を有する非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法で、その正極活物質が、ニッケル含有率が高いリチウムニッケル複合酸化物であり、正極活物質を含む正極膜と、負極膜とがセパレーターを介し対向配置された電極部を有する非水系電解質コイン型電池の作製、静置後に、定電流充電、休止、定電流放電を行う定電流充放電サイクルを実施して初期充放電容量を測定し、その後、休止時間を経て、定電流定電圧充電を行ない、その定電流定電圧充電の終了後1時間以内に交流インピーダンス法による抵抗測定を実施することを特徴とする非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法である。
即ち、本発明に係る非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法は図3に示すフローのとおりで、上記非水系電解質コイン型電池の作製、静置後に、定電流充電、休止、定電流放電を行う定電流充放電サイクルを実施して初期充放電容量を測定し、その後、休止時間を経て、定電流定電圧充電を行ない、ついで休止時間を経て、交流インピーダンス法による抵抗測定を実施するが、定電流定電圧充電後から抵抗測定までの休止時間が、ニッケル含有率の高い正極活物質の上記交流インピーダンス法による抵抗測定結果に影響を与えることを見出した結果、発明したものである。
上記交流インピーダンス法による抵抗測定までの休止時間を1時間以内とすることにより、交流インピーダンス測定(以下、インピーダンス測定とも称す。)で得られる抵抗値を精度よく安定して得ることができる。
その理由としては、上記交流インピーダンス法による抵抗測定までの休止時間は、図3に示す通り、高電圧充電状態で電池を放置することになる。
本発明で評価する正極活物質は、ニッケル含有率が高いリチウムニッケル複合酸化物であるため、ニッケル含有率が高いほどコバルト含有率が低くなる。上記コバルトは、サイクル劣化を抑える作用を有し、結晶構造を安定化させていることから、ニッケル含有率が高いほど、不安定な結晶構造となり、高電位のまま放置されることによって結晶構造が変異する現象が起きやすくなり、休止時間の経過とともに交流インピーダンス測定で得られる抵抗が増すと考えられる。
さらに、ニッケル含有率が高いほどこの傾向は顕著となるため、休止時間は短い方がより精度高く安定した測定結果を得ることができるので好ましい。
一方、ニッケル含有率が低くなると休止時間が1時間を超えても、インピーダンス測定で得られる抵抗値のバラつきは小さくなる。
1.正極活物質
次に、本発明の電池特性評価方法に用いる非水系電解質コイン型電池では、評価に用いる正極活物質は、一般式:LiNiCo(Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、bは0.95≦b≦1.03、c=1−x−y、0.84≦c<1.00、xは0<x≦0.15、yは0<y≦0.07、x+y≦0.16)で表されるリチウムニッケル複合酸化物である。
[Ni含有量]
本発明の正極活物質は、六方晶系のリチウムニッケル複合酸化物であって、上記一般式においてニッケル(Ni)の含有量を示す下付き添え字「c」が、0.84以上である。
本発明の正極活物質におけるニッケルの含有量の上限は、ニッケル含有量が多いほど正極活物質として使用した場合に高容量化が可能となる一方、多くなり過ぎると、熱安定性が十分得られなくなったり、焼成時にカチオンミキシングが発生しやすくなったりするために1.0未満とする。
逆に、ニッケルの含有量が少なくなると、容量が低下し、0.84よりも少なくなると、正極の充填性を高めても電池容積当たりの容量が十分に得られないなどの問題も生じる。
したがって、本発明の正極活物質において、ニッケルの含有量は、0.84以上1.00未満、さらに0.84以上0.98以下とすることが好ましく、0.845以上0.950以下がより好ましく、0.85以上0.95以下がさらに好ましい。
[Co含有量]
本発明の正極活物質は、コバルト(Co)を含有している。このコバルトが含まれていることによって、正極活物質のサイクル特性を改善することができる。
本発明の正極活物質において、コバルトの含有量が増えることによって正極活物質のサイクル特性を改善することができる一方、コバルトの含有量が0.15を超えると、正極活物質の高容量化が困難となる。
したがって、本発明の正極活物質のサイクル特性を向上させつつ高容量化を実現する上では、コバルトの含有量(上記一般式ではx)を0<x≦0.15とする。
一方、コバルトの含有量が少なすぎると、コバルトを含有させてもサイクル特性を十分に改善できない可能性があるので、本発明の正極活物質におけるコバルトの含有量xは、0.03≦x≦0.15以上がより好ましく、0.05≦x≦0.12がより好ましい。
[添加元素の含有]
本発明の正極活物質は、電池特性を改善する効果を得るために、コバルト以外にも、他の元素を含有させてもよい。
例えば、添加元素(上記一般式ではM)として、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の添加元素を添加すれば、熱安定性などの電池特性を改善することが可能となる。
本発明の正極活物質における添加元素の含有量は、その含有量(上記一般式ではy)が0.07を超えると、正極活物質の高容量化が困難となる。添加元素の含有による十分な電池特性の改善効果を得るためには、添加元素の含有量を0.01以上とすることが好ましい。
したがって、本発明の正極活物質の電池特性の改善しつつ高容量化を実現するには、0<y≦0.07であり、0.01≦y≦0.05がより好ましい。
[Li含有量]
本発明の正極活物質におけるリチウム(Li)の含有量(上記一般式ではb)は、0.95以上、1.03以下である。
リチウムの含有量が0.95未満になると、層状化合物におけるリチウム層にNiなどの金属元素が混入してLiの挿抜性が低下するため、電池容量が低下するとともに出力特性が悪化する。一方、リチウムの含有量が1.03を超えても層状化合物におけるメタル層にLiが混入するため、電池容量が低下する。
したがって、本発明の正極活物質におけるリチウムの含有量は、電池容量および出力特性を維持する上では、0.95≦b≦1.03であり、0.95≦b≦1.01がより好ましい。
このように公知の技術を用いて、成分組成、粒度、表面などの正極活物質の特性に影響する各因子を考慮して作製した正極活物質を用いる。
さらに、正極は、正極活物質の他に、導電材やバインダー(結着材)などの助剤を混合した正極合材を構成して用いられる。
電池の評価にも、これらの助材の影響を受けることから適正なものを用いて評価用電池を作製する。
導電材は、正極活物質粒子間の電気伝導性を高め、正極の充放電反応を効率的に行うためのものであり、一般的な非水系電解質二次電池で使用されている導電材であればよく、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛など)やアセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)などのカーボンブラック系材料などの炭素材料を単体、もしくは複合して用いることができる。
バインダー(結着材)は、正極活物質粒子をつなぎ止める役割を果たすもので、一般的な非水系電解質二次電池で使用されているものであればよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴムなどの含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱加塑性樹脂、エチレンプロプレンジエンゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などを用いることができる。
さらに、正極膜の作製には乾式による混合処理が含まれており、その混合具合によっては正極膜の特性に悪影響を及ぼす恐れもあり、そこで乾式混合に用いる装置は、乾式ボールミル、乾式ビーズミル、ブレード遊星運動型の混合機、容器回転型の遊星運動混合機、攪拌機、ホモジナイザーなどが挙げられるが、容器回転型の遊星運動混合機が好ましい。
遊星運動混合機は、短時間で均一な混合が可能であり、高い生産性で均一な混合物を得られることができる。
このようにして得られる正極は、その作製が簡易且つ迅速であり、迅速な電池作製が求められる評価用電池の作製に好適である。その際には、正極中に含まれる正極活物質を負極と対向する正極面積あたり、50〜60mg/cmの範囲で制御することが好ましい。
2.負極
さらに、本発明の電池特性評価方法に用いる非水系電解質コイン型電池を構成する際には、負極に、金属リチウム、リチウムを主成分とする合金等を使用することが好ましい。上記金属リチウム箔、あるいは、リチウムを主成分とする合金箔を、打ち抜くことで負極を得ることができる。
3.セパレーター
また、本発明の電池特性評価方法に用いる非水系電解質コイン型電池を構成する際には、正極と負極との間にセパレーターを挟み込んで配置する。
上記セパレーターは、正極と負極とを分離し電解質を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの薄い樹脂膜で、微小な穴を多数有する樹脂膜を用いることができる。ただ、これらの樹脂膜は撥油性が高いため抵抗評価結果のばらつき原因となる。
その厚みは樹脂膜より厚いが、電解液の吸液性が高いガラス繊維を用いることで、短時間に電極内部または電極間に十分な電解質の供給が可能となり、安定した電池評価をすることができるため好ましい。
またセパレーターの厚みが厚くなると、正極と負極の間の距離が広くなるため、20〜1000μmであることが好ましく、50〜800μmであることがより好ましい。
4.非水系電解液
さらに、本発明の電池特性評価方法に用いる非水系電解質コイン型電池を構成する際には、非水系電解液としては、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものを用いることが好ましい。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、さらにテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトン等の硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチル等のリン化合物等から選ばれる1種を単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiN(CFSO等、およびそれらの複合塩を用いることができる。さらに非水系電解液は、ラジカル補足剤、界面活性剤および難燃剤等を含んでいてもよい。
5.非水系電解質コイン型電池 以上説明してきた正極、負極、セパレーター及び非水系電解液で構成される本発明に係わる非水系電解質コイン型電池の形状は、2032型、あるいは、2016型コイン電池であることが、作製の容易さ、評価の再現性などから望ましい。図1には2032型コイン電池の断面図を示す。
正極1および負極2を、セパレーター3を介して電極部8とし、上記電極体に上記した所定の非水系電解液を含浸させる。以上の構成のものをコイン電池に密閉して本発明に用いる非水系電解質コイン型電池を完成させることができる。
これまで説明してきた非水系電解質二次電池用正極活物質の特性評価用コイン型電池の作製法についてさらに詳しく説明する。
本発明における作製法は、少なくとも正極作製工程と、負極作製工程と、電極部形成工程と、電池組み立て工程を含み、その他公知の非水系電解質コイン型二次電池の作製工程に準拠して行われる。
[正極作製工程と負極作製工程]
正極作製工程は、正極活物質と導電材や結着材などの助材を、均質に混ぜ合わせて正極膜の基材となる正極活物質や助材が均質に分散した状態の正極合材を作製する混合処理を行う。
この混合処理は、乾式混合方式であれば、乾式ボールミル、乾式ビーズミル、ブレード遊星運動型の混合機、容器回転型の遊星運動混合機、攪拌機、ホモジナイザーなどが利用できるが、特に容器回転型の遊星運動混合機を用いると均質な正極合材が得られやすい。さらに、正極合材を作製した後、ロールプレスなどを使ったシート法により正極膜を作製し、所望のサイズに打ち抜くことが好ましい。
負極作製工程では、本発明で、負極に用いる、金属リチウム箔、あるいは、リチウムを主成分とする合金箔を、打ち抜くことで得る負極を得ることが好ましい。
この正極作製工程、及び負極作製工程で作製される正極膜、負極膜は、その両者が対向配置された場合の向き合う各面の形状が、円形若しくは回転対称軸を有する平面形状で、その正極膜径(φ)と負極膜径(φ)との寸法比(φ/φ)を、0.80〜0.90の範囲となるように関連付けられて作製されることが好ましい。
この正極膜と負極膜の電極サイズ比を、0.80〜0.90の範囲内で制御することにより、交流インピーダンス測定で得られる正極反応抵抗の円弧と負極反応抵抗の円弧の分離が可能で、正極だけの反応抵抗値を得ることができる。また、正極膜のサイズを小さくした方が組立の配置ズレを抑制することができる。
正極膜と負極膜の電極サイズ比が、0.80未満になると、正極膜サイズが小さくなることから組立の配置ズレが生じにくくなるが、インピーダンス測定で得られる正極反応抵抗及び負極反応抵抗が1つの円弧となり、正極だけの反応抵抗値の分離ができない問題が発生する。
また正極膜と負極膜の電極サイズ比が0.90を超えると、インピーダンス測定で得られる反応抵抗の分離はできるが、正極膜と負極膜のサイズがほぼ同じ径となり、組立の配置ズレが生じやすくなり、抵抗のバラつきが大きくなる。
また、その電極サイズ比による効果を十分に得るには、電池の電極部として組み込まれた時に、セパレーターを介して対向配置される正極膜と負極膜の各対向面の形状も影響を与えることを見出している。即ち、各対向面は相似形であり、円形が望ましく、さらに回転対称軸を有する平面形でも良い。
このように各対向面の形状を限定することにより、電極部(図1、符号8)を構成した際に正極膜と負極膜の対向面での配置ズレの抑制ができ、且つ正極膜が負極膜からはみ出ないように配置することが容易になり、反応抵抗のバラツキを抑える効果を示す。
さらに、正極膜は負極膜からはみ出ないように配置することが望ましい。なお、向き合う各面は相似形であることが電極部の作製には容易であり好ましいが、正極膜が負極膜の外周からはみ出さないという条件を満たしていれば異形であっても良い。
[電極部作製工程]
この工程は、セパレーターを介して正極膜と負極膜を、前記正極膜が負極膜の外周からはみ出ないように対向配置して電極部を形成する工程である。
[電池組み立て工程]
電池組み立て工程は、電池筐体を構成する凹形の断面を有する正極缶4の凹形底部に、電極部を配置する電極部設置処理を有している。
この電極部設置処理は、先の正極膜径(φ)と負極膜径(φ)との寸法比(φ/φ)と共に、本発明の特性評価用コイン型電池の特性を満たす上で重要な条件である。
本発明においては、正極膜径(φ)と、その具体的な間隔である正極膜とガスケット4壁との空隙量(電極/筐体空隙量:B)との比(φ/B)が、1.5〜2.3の範囲であれば、上記他の特徴と相まって電池間のバラツキを抑制する効果をもたらすものである。なお、正極缶内側の空間形状は、上記関係から正極膜、負極膜の対向面形状と相似形を成す形状であることが望ましいが、円形(即ち、空間形状が円筒形形状)でも良い。
6.非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法
以下の方法で電池特性評価ができるが、測定条件を限定するものではない。
[初期充放電容量]
初期放電容量の測定には,マルチチャンネル電圧/電流発生器(株式会社アドバンテスト製、R6741A)を用いる。
まず、コイン型電池を作製してから12時間以上放置する。開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.4mA/cmとしてカットオフ電圧4.3Vまで充電し、1時間の休止後、カットオフ電圧3.0Vまで定電流放電させる。そして、カットオフ電圧3.0Vまで放電させたときの容量を初期放電容量とする。
[交流インピーダンス測定]
正極抵抗は、以下の方法で算出できる。
まず、コイン型電池を充電電位4.0Vで充電して、1.6mA−0.2mAの電流で定電流定電圧充電をおこなった。
その後、周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタット(ソーラトロン製、1255B)を使用し、交流インピーダンス法により測定する。すると、図2に示すナイキストプロットが得られる。このナイキストプロットは、溶液抵抗、負極抵抗とその容量、および、正極抵抗とその容量を示す特性曲線の和として表しているため、このナイキストプロットに基づく等価回路を用いてフィッティング計算を行い、正極反応抵抗の値を算出する。なお、正極抵抗は充電直後の交流抵抗値を1.00とした相対値を評価値とする。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。本発明は、下記実施例のみに限定されることはない。
電池評価に使用する負極として、厚み1.0mmの金属リチウムを負極材に用い、直径13mmに打ち抜いた物を負極膜に用いた。正極材としては、Ni:Co:Alのモル比(%)が91:6:3のニッケル複合酸化物であるニッケル酸リチウムの粉末を75wt%と、導電材となるカーボン粉末としてアセチレンブラック粉末を、結着材のポリテトラフルオロエチレンと、2対1で混ぜ合わせた混合物、25wt%とを混ぜ合わせたものを、直径11mm、重さ75mgに形成した正極膜とした。この正極膜の活物質重量物は52.5mg相当である。
セパレーターは、JIS P 3801の保留粒子系0.3mμであり、厚み0.20mmであるガラス繊維製のフィルターを直径19mmに切り取ったものを用いた。
電解液は、電解質LiClO:1モル/Lを含有するエチレンカーボネート(EC)とジエチルメチルカーボネート(DEC)の等量混合液を用いた。
これらの材料を用いて露点−30℃未満のグローブボックスもしくはドライルームの中で2032型コイン電池を作製した。
抵抗評価は、図3のフローに示すように、先ず作製した電池を12時間静置し、0.4mAで4.3Vまで定電圧充電を行い、1時間の休止の後、3.0Vまで放電するサイクルを1サイクル行い、「初期放電容量」を求めた。
電池は、1時間休止後4.0Vまで1.6mA−0.2mAの電流で定電流定電圧充電をおこなった。
4.0Vに充電した後、1時間経過後に交流インピーダンス法にて測定をおこない、コールコールプロットにて得られた曲線に対し、等価回路を用いて正極の交流抵抗測定値を計算した。
その結果を纏めて、表1に示す。
表1において、計算した正極の交流抵抗測定値が、4.0Vに充電した直後の正極の交流抵抗測定値に対して1.1倍以内の場合を判定「○」、1.1倍以上の場合を判定「×」と評価した。
4.0Vに充電した後、0.2時間経過後に交流インピーダンス法にて測定をおこなった以外は実施例1と同様の条件で評価用電池を作製して評価した。
結果を纏めて、表1に示す。
4.0Vに充電した後、0.5時間経過後に交流インピーダンス法にて測定をおこなった以外は実施例1と同様の条件で評価用電池を作製して評価した。
結果を纏めて、表1に示す。
正極材ニッケル含有率をNi:Co:Alのモル比が94:3:3とした以外は実施例3と同様の条件で評価用電池を作製して評価した。
結果を纏めて、表1に示す。
4.0Vに充電した後、1.0時間経過後に交流インピーダンス法にて測定をおこなった以外は実施例4と同様の条件で評価用電池を作製して評価した。結果を纏めて、表1に示す。
(比較例1)
4.0Vに充電した後、1.2時間経過後に交流インピーダンス法にて測定をおこなった以外は実施例1と同様の条件で評価用電池を作製して評価した。結果を纏めて、表1に示す。
(比較例2)
4.0Vに充電した後、2時間経過後に交流インピーダンス法にて測定をおこなった以外は実施例1と同様の条件で評価用電池を作製して評価した。
結果を纏めて、表1に示す。
(比較例3)
4.0Vに充電した後、3時間経過後に交流インピーダンス法にて測定をおこなった以外は実施例1と同様の条件で評価用電池を作製して評価した。
結果を纏めて、表1に示す。
(比較例4)
正極材ニッケル含有率をNi:Co:Alのモル比が82:15:3とした以外は実施例3と同様の条件で評価用電池を作製して評価した。
結果を纏めて、表1に示す。
(比較例5)
4.0Vに充電した後、3時間経過後に交流インピーダンス法にて測定をおこなった以外は比較例4と同様の条件で評価用電池を作製して評価した。結果を纏めて、表1に示す。
Figure 2017117748
表1から明らかなように、本発明に係るNi含有量の高い実施例1〜5においては、1時間以内の休止時間後に、交流インピーダンス測定を実施することで、測定された正極反応抵抗は、充電直後の反応抵抗に対して、変化量が小さく、そのバラツキも少ないことが判る。
一方、Ni含有量の高い比較例1、2及び比較例3では、休止時間が1時間を超えると、測定された反応抵抗は大きく上昇しているのが見られ、Ni含有量の少ない比較例4、5では、休止時間の長短に影響されずに反応抵抗の測定が可能であった。
1 正極
2 Li金属負極
3 セパレーター
4 ガスケット
5 ウェーブワッシャー
6 正極缶
7 負極缶
8 電極部

Claims (5)

  1. 正極活物質を含む正極膜と、負極膜とがセパレーターを介し対向配置された電極部を有する非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法であって、
    前記正極活物質が、「一般式:LiNiCo・・・(1)」(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、bは0.95≦b≦1.03、c=1−x−y、0.84≦c<1.00、xは0<x≦0.15、yは0<y≦0.07、x+y≦0.16)で表されるニッケル含有率が高いリチウムニッケル複合酸化物であり、
    前記正極活物質を含む正極膜と、負極膜とがセパレーターを介し対向配置された電極部を有する非水系電解質コイン型電池の作製、静置後に、定電流充電、休止、定電流放電を行う定電流充放電サイクルを実施して初期充放電容量を測定し、
    その後、休止時間を経て、定電流定電圧充電を行ない、前記定電流定電圧充電の終了後1時間以内に交流インピーダンス法による抵抗測定を実施することを特徴とする非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法。
  2. 前記抵抗測定が、前記定電流定電圧充電終了後、0.05時間以上、1時間以内に実施されることを特徴とする請求項1に記載の非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法。
  3. 前記負極膜が、金属リチウム又はリチウムを主成分とする金属であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法。
  4. 前記コイン型電池が、2032型、あるいは、2016型コイン電池であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系電解質コイン型電池を用いた電池特性評価方法を用いて、
    「一般式:LiNiCo・・・(1)」(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、bは0.95≦b≦1.03、c=1−x−y、0.84≦c<1.00、xは0<x≦0.15、yは0<y≦0.07、x+y≦0.16)で表されるニッケル含有率が高いリチウムニッケル複合酸化物である非水系電解質二次電池用正極活物質の特性を把握することを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質の電池特性評価方法。
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