JP2017117638A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】セパレータとシール部材とのシール性の経年劣化を抑制する。
【解決手段】電解質膜の両膜面に電極触媒層を接合した膜電極接合体を保持するシール部材に接着して用いられる燃料電池用セパレータであって、チタンを含む基材からなり、セパレータ表面の算術表面粗さRaが0.2μm以下とされ、セパレータ表面の結晶粒径が20〜50μmである。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池用セパレータに関する。
燃料電池は、電解質膜の両膜面にアノード、カソードの電極触媒層を接合した膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly/MEA)を、シール部材を介在させて、燃料電池用セパレータ(以下、セパレータとも称する)で挟持する。こうした構造において、セパレータにおいてシールが必要とされるシール領域の表面粗さを規定することで、セパレータとシール部材とのシール性を高める手法が提案されている(例えば、特許文献1)。なお、MEAは、ガスの拡散透過を図るガス拡散層で挟持されたMEGA(Membrane-Electrode&Gas. Diffusion Layer Assembly)としての形態で用いられるが、この形態であっても、シール部材を介在させて、MEGAはセパレータで挟持される。
特開2003−132913号公報
燃料電池は、車両に搭載されて駆動力発生源とされたり、発電装置に組み込まれて電力発生源とされるので、長期に亘る運用が予定されている。このため、セパレータとシール部材とのシール性についても、経年劣化を抑制することが求められる。しかしながら、上記の特許文献で提案されたシール手法では、セパレータとシール部材とのシール性の経年劣化についての取り組みがなされておらず、シール領域の表面粗さ規定により、シール性の経年劣化の抑制ができるかについて嫌疑が残る。こうしたことから、セパレータとシール部材とのシール性の経年劣化を抑制することが要請されるに到った。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池用セパレータが提供される。この燃料電池用セパレータは、電解質膜の両膜面に電極触媒層を接合した膜電極接合体を保持するシール部材に接着して用いられる燃料電池用セパレータであって、チタンを含む基材からなり、セパレータ表面の算術表面粗さRaが0.2μm以下とされ、セパレータ表面の結晶粒径が20〜50μmである。この形態の燃料電池用セパレータは、シール部材に対する燃料電池用セパレータの接着機能を発揮し得る接着剤によりシール材に接着して用いられる。そして、この形態の燃料電池用セパレータによれば、基材の選定およびセパレータ表面の算術表面粗さRa規定と結晶粒径規定とを行うことで、接着剤により接着した燃料電池用セパレータとシール部材とのシール性を発現できると共に、シール性の経年劣化を抑制できることが確認できた。これは、チタン基材におけるセパレータ表面の算術表面粗さRaを0.2μm以下とし、結晶粒径を20〜50μmと規定することで、燃料電池用セパレータと接着剤の界面における接着剤の剥離面積の増大抑制を長期に亘って図ることができるからだと想定される。そして、チタン基材におけるセパレータ表面の算術表面粗さRaが0.2μmを超えたり、結晶粒径が20〜50μmの範囲以外であると、燃料電池用セパレータと接着剤の界面における接着剤の剥離面積が増大する、もしくは剥離面積が時間経過と共に増大して、シール性が経年劣化すると想定される。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、燃料電池の製造方法や製造装置の形態でも実現することができる。
実施形態の燃料電池を構成する燃料電池セルの概略構成を分解視して示す説明図である。 図1における2−2線に沿って燃料電池セルの要部部位を断面視して概略的に示す説明図である。 劣化試験に供される試験片の接着の様子を模式的に示す説明図である。 サンプル種別や表面性状の様子並びに試験結果を一覧表示する説明図である。 劣化試験で得られた界面剥離面積と剪断強度との関係を示すグラフである。 第2試験片の表面の算術平均粗さRaと劣化試験で得られた界面剥離面積との関係を示すグラフである。 第2試験片の表面の算術平均粗さRaと劣化試験で得られた剪断強度との関係を示すグラフである。 第2試験片の表面の結晶粒径と劣化試験で得られた界面剥離面積との関係を示すグラフである。 第2試験片の表面の結晶粒径と劣化試験で得られた剪断強度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。図1は実施形態の燃料電池100を構成する燃料電池セル10の概略構成を分解視して示す説明図であり、図2は図1における2−2線に沿って燃料電池セル10の要部部位を断面視して概略的に示す説明図である。図1では、燃料電池セル10を構成するセパレータ41、42を示していないが、燃料電池100は、図2に示すセパレータ41、42で挟持した燃料電池セル10を複数積層したスタック構造とされている。なお、図2における各構成部材の図示の様子は、実際の構成部材の厚み等を反映したものではない。
燃料電池セル10は、図2に示すように、膜電極接合体20(以下、単に、MEAとも称する)を、カソード側ガス拡散層24とアノード側ガス拡散層25で挟持してMEGA26を構成し、このMEGA26をシール部材たる樹脂シート30で保持する。膜電極接合体20は、電解質膜21の両側にカソード22とアノード23の両電極を備える。電解質膜21は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。アノード23およびカソード22は、例えば白金、あるいは白金合金等の触媒を担持した導電性粒子、例えばカーボン粒子(以下、触媒担持カーボン粒子と称する)を、プロトン伝導性を有するアイオノマーで被覆して形成された電極触媒層であり、電解質膜21の両膜面に接合されてMEAを形成する。通常、アイオノマーは、電解質膜21と同質の固体高分子材料である高分子電解質樹脂(例えばフッ素系樹脂)であり、その有するイオン交換基によりプロトン伝導性を有する。
カソード側ガス拡散層24とアノード側ガス拡散層25の両ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材、例えば、カーボンペーパやカーボンクロス等のカーボン多孔質体や、金属メッシュや発泡金属等の金属多孔質体によって形成される。この両ガス拡散層は、対応する電極(カソード22またはアノード23)に接合され、膜電極接合体20と共にMEGA26を構成する。本実施形態の燃料電池セル10では、図1に示すように、膜電極接合体20およびMEGA26は共に矩形形状とされ、図2に示すように、アノード23は電解質膜21とほぼ同寸とされ、カソード22はアノード23より縦横とも狭小とされている。そして、燃料電池セル10は、アノード側ガス拡散層25をアノード23の全面に接合し、カソード側ガス拡散層24をカソード22のほぼ全面に接合して、MEGA26を形成する。
樹脂シート30は、熱可塑性樹脂を用いて枠状をなすよう型成形され、その中央の開口領域31をMEGA26の保持領域とする。樹脂シート30は、開口領域31を取り囲む周縁部位を段差状とし、段差部32をMEGA受け座とする。そして、この段差部32にMEGA26をセットすることで、段差部32は、図2に示すように、膜電極接合体20の一方の膜面であるカソード22の側において、膜電極接合体20の周縁領域に重なる。この状態で、樹脂シート30はMEGA26を保持する。こうして保持された状態において、MEGA26のカソード側ガス拡散層24は、開口領域31(図1参照)において膜電極接合体20のカソード22に接合する。
樹脂シート30は、段差部32を含め、この段差部32を取り囲む枠体部位33を三層構造とし、コア部30cの表裏に表層部30a,30bを有する。表層部30a,30bは、樹脂シート30、詳しくはコア部30cに対する後述のセパレータ41、42の接着機能を発揮し得る接着剤、例えば、エチレンプロピレンゴム(Ethylene Propylene Rubber:EPDM)や熱可塑性ポリプロピレン(polypropylene:PP)からなり、燃料電池セル製造の過程において溶融し、その後の養生を経て硬化することで、段差部32においては、膜電極接合体20のカソード22とその周囲領域の電解質膜21に接着してシールを図り、枠体部位33の表裏においては、後述のセパレータ41、42に接着してシールを図る。上記したようにMEGA26を保持した状態で、樹脂シート30は、図2に示すように、カソード側ガス拡散層24の外縁周壁、および電解質膜21とアノード23の外縁周壁を取り囲む。
樹脂シート30は、図1に示すように、枠体部位33に、燃料ガスの供給孔34aと排出孔34bの他、冷却水の供給孔35aと排出孔35b、エアーの供給孔36aと排出孔36bとを備える。また、樹脂シート30は、図2に示すように、枠体部位33に凹部37と凸部38a、38bを有する。凹部37と凸部38a、38bは、後述のセパレータ42の凹凸形状に倣って形成され、その表層に表層部30bを有し、セパレータ41およびセパレータ42と接着する。凸部38aは、アノード側ガス拡散層25の側において、MEGA26の発電領域を取り囲む。凸部38bは、アノード側ガス拡散層25の側において、供給孔35aを取り囲む。なお、凸部38bは、上記の各給排孔ごとに設けられている。上記の給排孔は既存構成と同じであることから、給排孔の機能等についての説明は省略する。
セパレータ41は、カソード側ガス拡散層24に積層して、セル内エアー流路41aを形成し、セパレータ42は、アノード側ガス拡散層25に積層して、セル内燃料ガス流路42aを形成する。これらセパレータ41、42は、例えば、JIS H4600で規定される純チタンを用いて0.1〜0.15mmの板厚に鋼板成形されたチタンプレートであって、導電性を備え、ガス不透過である。そして、セパレータ41は、カソード側ガス拡散層24と樹脂シート30に接合した上で、樹脂シート30の表層部30aにより樹脂シート30の枠体部位33に接着・固定されてシールされる。セパレータ42は、カソード側ガス拡散層24と樹脂シート30に接合した上で、樹脂シート30の表層部30bにより樹脂シート30の枠体部位33に接着・固定されてシールされる。
セパレータ42は、セル内燃料ガス流路42aの外側に、凹部42b、42cを備え、両凹部の間をシール受け座42dとする。そして、セパレータ42は、凹部42bに樹脂シート30の凸部38aを入り込ませ、凹部42cに樹脂シート30の凸部38bを入り込ませ、シール受け座42dに樹脂シート30の凹部37を対向させる。樹脂シート30の表層部30bは、上記した各凹部と各凸部との間およびシール受け座42dと凹部37との間にも介在して、凹部42bに凸部38aを、凹部42cに凸部38bを、シール受け座42dに凹部37をそれぞれ接着する。こうして凹部37に接着したシール受け座42dは、セパレータ41の側に配設されて上記の各給排孔を取り囲む環状シール40の着座・シール部となる。
セパレータ41とセパレータ42は、既述したように共にチタンプレートであって、本発明におけるチタンを含む基材からなる燃料電池用セパレータであり、樹脂シート30との接着面側のセパレータ表面の算術表面粗さRaは0.2μm以下とされ、セパレータ表面の結晶粒径は20〜50μmとされている。こうしたセパレータ表面性状は、純チタンを用いて圧延成形されたチタンプレートを焼鈍する際の焼鈍条件を適宜調整することで規定可能である。よって、本実施形態では、まず、樹脂シート30との接着面側のセパレータ表面において上記の性状が得られるよう焼鈍条件を規定して、0.1〜0.15mmの板厚のチタンプレートを焼鈍処置に処し、得られた焼鈍済みチタンプレートを、金型プレスに処して、セパレータ41とセパレータ42を作製した。金型プレスの際、セパレータ41には、セル内エアー流路41aとガス・冷却水の既述した給排孔が形成され、セパレータ42には、セル内燃料ガス流路42aと凹部42b、凹部42c、シール受け座42dおよびガス・冷却水の既述した給排孔が形成される。
次に、本実施形態の燃料電池セル10における樹脂シート30とセパレータ41、42の接着状況の劣化試験について説明する。図3は劣化試験に供される試験片の接着の様子を模式的に示す説明図である。図示する劣化試験サンプルSPは、第1試験片1Sと第2試験片2Sとが、本実施形態の燃料電池セル10における樹脂シート30の表層部30a、30bを構成する接着剤(EPDMまたは熱可塑性ポリプロピレン)を用いて接着済みの形態とされている。この劣化試験サンプルSPは、本実施形態の燃料電池セル10における樹脂シート30とセパレータ41、42との接着を想定した試験片であり、第1試験片1Sは、樹脂シート30、詳しくはコア部30cと同一の熱可塑性樹脂からなるプレートである。第2試験片2Sは、表面性状が異なるよう焼鈍された0.1〜0.15mmの板厚のチタンプレートから型抜き等して得られたプレートである。そして、第1試験片1Sに上記の接着剤を塗布して第2試験片2Sを接合した後、150℃での1分間に亘る加熱状態と120℃での1分間に亘る冷却を経て両試験片を接着・固定し、劣化試験サンプルSPを得た。この劣化試験サンプルSPを、純水に浸漬し、120℃に炉内温度が維持された加熱炉内に500時間に亘って加熱し、自然冷却養生の後に、後述の引っ張り試験に供した。120℃での500時間という長時間加熱は、劣化試験サンプルSPにおける両試験片の接着状況、延いては本実施形態の燃料電池セル10における樹脂シート30とセパレータ41、42との接着状況の経年変化(経年劣化)を想定した劣化試験である。
図4はサンプル種別や表面性状の様子並びに試験結果を一覧表示する説明図である。図示するように、サンプル種別は、本実施形態の燃料電池セル10における樹脂シート30とセパレータ41、42の接着を想定した実施形態品1〜2と、表面性状が実施形態品と相違する比較例品1〜2である。
実施形態品1〜2と比較例品1〜2を想定した劣化試験サンプルSPにおける第2試験片2Sは、純チタンを用いて0.1〜0.15mmの板厚に圧延成形されたチタンプレートを焼鈍処置できる既存の焼鈍設備を用いて形成されたものである。実施形態品1を想定した第2試験片2Sと実施形態品2を想定した第2試験片2Sとでは、チタンプレートの表面性状を規定する焼鈍処置において、連続焼鈍に処する際の焼鈍温度・圧力等を異なるものとし、実施形態品1を想定した第2試験片2Sは、表面の算術表面粗さRaが0.08〜0.11μmで、表面の結晶粒径が20〜30μmである(連続焼鈍I)。実施形態品2を想定した第2試験片2Sは、表面の算術表面粗さRaが0.07〜0.08μmで、表面の結晶粒径が20〜50μmである(連続焼鈍II)。比較例品1を想定した第2試験片2Sと比較例品2を想定した第2試験片2Sとでは、チタンプレートの表面性状を規定する焼鈍処置において、バッチ焼鈍処置を施して、比較例品1を想定した第2試験片2Sは、表面の算術表面粗さRaが0.13〜0.16μmで、表面の結晶粒径が5〜12μmである(バッチ焼鈍III)。比較例品2を想定した第2試験片2Sは、バッチ焼鈍後に表面の酸洗処置を施したものであり、表面の算術表面粗さRaが0.31〜0.36μmで、表面の結晶粒径が5〜12μmである(バッチ焼鈍+酸洗IV)。
上記したそれぞれの第2試験片2Sを第1試験片1Sに接着したサンプル種別ごとの図3の劣化試験サンプルSPを引っ張り試験機で引っ張り、接着剤層で破断させる。そして、接着剤層破断時の剪断強度を引っ張り試験機で計測し、接着剤の界面剥離面積を計測した。界面剥離面積は、図3に示すように、第1試験片1Sと分離した第2試験片2Sにおける接着剤による接着領域(10mmx10mm)を、光学顕微鏡或いは電子式の顕微鏡で表面観察し、接着剤が第2試験片2Sの表面(接着剤界面)から剥離された界面剥離部の面積を求め、当該面積を接着領域面積で除算して求めた。これら結果は、図4に示されている。界面剥離面積が0%であると云うことは、第1試験片1Sと第2試験片2Sの分離は、接着剤の界面からの剥離では起きず、接着剤自体が破断して起きたことを意味し、界面剥離面積が増えるほど、接着剤と第2試験片2Sの表面(接着剤界面)との接着が脆弱となる。燃料電池セル10における樹脂シート30とセパレータ41、42との接着状態に鑑みると、接着による両者のシール性の低下を来し得ることになる。
図5は劣化試験で得られた界面剥離面積と剪断強度との関係を示すグラフであり、図6は第2試験片2Sの表面の算術平均粗さRaと劣化試験で得られた界面剥離面積との関係を示すグラフであり、図7は第2試験片2Sの表面の算術平均粗さRaと劣化試験で得られた剪断強度との関係を示すグラフであり、図8は第2試験片2Sの表面の結晶粒径と劣化試験で得られた界面剥離面積との関係を示すグラフであり、図9は第2試験片2Sの表面の結晶粒径と劣化試験で得られた剪断強度との関係を示すグラフである。
図5に示す界面剥離面積と剪断強度との関係から、界面剥離面積が50%以下であれば、高い剪断強度が得られるのに対し、界面剥離面積が50%を超えると、剪断強度が大きく低下することが判明した。これにより、界面剥離面積は50%以下であることが好ましいと言える。
図6に示す算術平均粗さRaと界面剥離面積との関係から、算術平均粗さRaが0.2μm以下であれば、界面剥離面積が50%程度までしか広くならないのに対し、算術平均粗さRaが0.2μmを超えると、界面剥離面積が50%を大きく越えことが判明した。図5より界面剥離面積が50%を超えると剪断強度が大きく低下することが判明しているので、図6に示す算術平均粗さRaと界面剥離面積との関係を図5に考慮することで、算術平均粗さRaは0.2μm以下であることが好ましいと言える。
図7に示す算術平均粗さRaと剪断強度との関係から、算術平均粗さRaが0.2μm以下であれば、高い剪断強度が得られるのに対し、算術平均粗さRaが0.2μmを超えると、剪断強度が大きく低下することが判明した。これにより、算術平均粗さRaは0.2μm以下であることが好ましいと言える。
図8に示す結晶粒径と界面剥離面積との関係から、結晶粒径が20〜50μmの範囲であれば、界面剥離面積が50%程度までしか広くならないのに対し、結晶粒径が20μmより小さいと、界面剥離面積に大きなバラツキが見られ、界面剥離面積の低面積化を図る点から望ましくないことが判明した。図5より界面剥離面積が50%を超えると剪断強度が大きく低下することが判明しているので、図8に示す結晶粒径と界面剥離面積との関係を図5に考慮することで、結晶粒径は20〜50μmの範囲であることが好ましく、20〜40μmというより狭小の範囲であってもよいと言える。
図9に示す結晶粒径と剪断強度との関係係から、結晶粒径が20〜50μmの範囲であれば、高い剪断強度が得られるのに対し、結晶粒径が20μmより小さいと、剪断強度に大きなバラツキが見られ、剪断強度確保の点から望ましくないことが判明した。これにより、結晶粒径は20〜50μmの範囲であることが好ましく、20〜40μmというより狭小の範囲であってもよいと言える。
上記した図5〜図9に示す結果を図4のサンプル種別に照らし合わせると、実施形態品1〜2を想定した劣化試験サンプルSPは、いずれも、第2試験片2Sの表面の算術表面粗さRaが0.2μm以下であり、表面の結晶粒径が20〜50μmであることから、120℃で500時間に亘って加熱する劣化試験を経ても、接着剤の界面剥離が抑制されて剪断強度が維持できる。これに対し、比較例品1〜2を想定した劣化試験サンプルSPは、第2試験片2Sの表面の算術表面粗さRaが0.2μmを超えている、または表面の結晶粒径が20μmより小さいために、或いは、算術表面粗さRaが0.2μmを超えていると共に表面の結晶粒径も20μmより小さいために、120℃で500時間に亘って加熱する劣化試験を経ると、接着剤の界面剥離が増大して剪断強度が低下する。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池100を構成する燃料電池セル10は、セパレータ41、42を、セパレータの接着側表面の算術表面粗さRaが0.2μm以下で結晶粒径が20〜50μmの範囲内のチタンプレートから形成すると共に、このセパレータ41、42を、樹脂シート30のコア部30c(図2参照)に対する接着機能を発揮し得るEPDMや熱可塑性ポリプロピレンといった接着剤により樹脂シート30に接着・固定した。そして、本実施形態の燃料電池100を構成する燃料電池セル10によれば、セパレータ41、42の接着側表面の算術表面粗さRaと結晶粒径を上記のように規定することで、接着剤により発現させたセパレータ41、42と樹脂シート30とのシール性の経年劣化を抑制して、耐用年数の長期化を図ることができる。
本実施形態の燃料電池100を構成する燃料電池セル10は、セル構成において従来の既存構成と同一である。よって、本実施形態によれば、セパレータ41、42の接着側表面の算術表面粗さRaと結晶粒径を上記のように規定することで、シール性の経年劣化を抑制して耐用年数が長期化した燃料電池セル10、延いては燃料電池セル10を容易に製造できる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記した実施形態では、セパレータ41、42の接着側表面の算術表面粗さRaと結晶粒径を上記のように規定するに当たり、チタンプレートの焼鈍処置の際の焼鈍条件を適宜調整したが、例えば、算術表面粗さRaが0.2μmを越えているような場合には、研磨液と研磨材を用いた表面研磨を行うことで、算術表面粗さRaを0.2μm以下に調整してもよい。
上記した実施形態では、カソード側ガス拡散層24とアノード側ガス拡散層25を介在させて膜電極接合体20を樹脂シート30で保持し、この樹脂シート30にセパレータ41、42を接着したが、ガス拡散層を用いずに膜電極接合体20を保持する樹脂シート30にセパレータ41、42を接着するものとしてもよい。
10…燃料電池セル
20…膜電極接合体
21…電解質膜
22…カソード
23…アノード
24…カソード側ガス拡散層
25…アノード側ガス拡散層
26…MEGA
30…樹脂シート
30a…表層部
30b…表層部
30c…コア部
31…開口領域
32…段差部
33…枠体部位
34a…供給孔
34b…排出孔
35a…供給孔
35b…排出孔
36a…供給孔
36b…排出孔
37…凹部
38a、38b…凸部
40…環状シール
41…セパレータ
41a…セル内エアー流路
42…セパレータ
42a…セル内燃料ガス流路
42b、42c…凹部
42d…シール受け座
100…燃料電池
SP…劣化試験サンプル
1S…第1試験片
2S…第2試験片

Claims (1)

  1. 電解質膜の両膜面に電極触媒層を接合した膜電極接合体を保持するシール部材に接着して用いられる燃料電池用セパレータであって、
    チタンを含む基材からなり、セパレータ表面の算術表面粗さRaが0.2μm以下とされ、
    セパレータ表面の結晶粒径が20〜50μmである、燃料電池用セパレータ。
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