以下、図面を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。
図1は、本発明の撮像装置の実施形態の一例であるデジタルビデオカメラの外観斜視図である。図2は、図1に示すデジタルビデオカメラの分解斜視図である。
本実施形態のデジタルビデオカメラは、図1及び図2に示すように、カメラ本体100の正面側(被写体側)に、交換式のレンズ鏡筒101が着脱可能に設けられ、カメラ本体の底面部には、ショルダーユニット部103が着脱可能に設けられている。また、カメラ本体100の上面部には、ハンドル部102及びビューファインダ部104がそれぞれ着脱可能に設けられている。ビューファインダ部104は、ハンドル部102の正面側で、かつレンズ鏡筒101の上方位置に配置されている。レンズ鏡筒101、及びビューファインダ部104は、それぞれカメラ本体100に装着された状態でカメラ本体100と接点部を介して電気的に接続される。カメラ本体100は、本発明の装置本体の一例に相当する。
図3(a)はカメラ本体100を正面側から見た図、図3(b)はカメラ本体100の正面側から見て右側の側面図である。図4(a)はカメラ本体100の正面側から見て左側の側面図、図4(b)はカメラ本体100の正面側から見て左側の側面部が壁215に接する状態をカメラ本体100の上面側から見た図である。
図3(a)に示すように、カメラ本体100には、撮像ボタン201、及び撮像素子200等が設けられている。撮像素子200は、CMOSセンサやCCDセンサ等で構成され、レンズ鏡筒101の撮影光学系を通過して結像した被写体像を光電変換して、不図示の画像処理部に出力する。図3(b)に示すように、カメラ本体100の正面側から見て右側の側面部には、電源ボタン202、操作ボタン群203、操作ダイアル204、及び表示部205が設けられている。
また、図4(a)に示すように、カメラ本体100の正面側から見てカメラ本体100の幅方向の一方の側面部である左側の側面部には、カード蓋210、外部入出力端子部220、撮影ボタン206、吸気口230及び排気口240が設けられている。カード蓋210は、不図示のカードスロットの開口部を開閉可能に覆う。また、吸気口230は、カメラ本体100の正面側(図の右側)に配置され、排気口240は、カメラ本体100の背面側に配置されている。そして、カメラ本体100は、後述するファン300の駆動によって外部の空気を吸気口230から吸入し、ファン300の駆動によって生じた気流を排気口240から排出する。
本実施形態のデジタルビデオカメラでは、撮影者は、ショルダーユニット部103を右肩に乗せて撮影を行う。そのため、撮影者の顔は、カメラ本体100の正面側から見て右側部に隣接することになるが、排気口240がカメラ本体100の正面側から見て左側部にあるために、排気口240からの排気風が撮影者の顔にあたらず、不快感を与えることはない。
また、図4(b)に示すように、吸気口230や排気口240に対して、カード蓋210や外部入出力端子部220がカメラ本体100の外側に突出しているため、壁215で吸気口230や排気口240を塞ぐことはない。そのため、図4(b)の矢印に示す吸排気の空気の流れを妨げることはなく、効率よく放熱を行うことができ、カメラ本体100の冷却を十分に行うことができる。
図5は、カメラ本体100の吸気口230及び排気口240からそれぞれ吸気カバー231及び排気カバー241を取り外した状態を示す斜視図である。図5に示すように、吸気カバー231、及び排気カバー241は、それぞれビス234によりカメラ本体100に固定されている。
吸気カバー231の内側には、吸気フィルタ232が組み込まれている。吸気フィルタ232は、完全なオープンセル構造のウレタンフォームで構成され、吸気の際に、空気と一緒に吸い込まれる塵埃等が内部に侵入することを防止することができる。吸気フィルタ232は、比較的厚みのあるフィルタであり、吸気カバー231から吸気した空気に対して高い粉塵捕集率を得ることができる。
また、排気カバー241の内側には、吸気フィルタ232と同じ材質で構成された排気フィルタ242が組み込まれおり、吸気口230と同様に、排気カバー241から塵埃等が内部に侵入することを防止することができる。
図6は、カメラ本体100の分解斜視図である。図6に示すように、カメラ本体100は、正面カバーユニット251、右カバーユニット252、左カバーユニット253、背面カバーユニット254、上面カバーユニット255及び底面カバーユニット256により外装を形成している。これらのカバーユニット251〜256によりメインユニット250が覆われている。上面カバーユニット255や底面カバーユニット256には、複数のねじ穴257が設けられており、カメラ本体100に対して外部機器やアクセサリー等を取り付けることが可能である。
図7は、正面カバーユニット251の裏面側から見た斜視図である。正面カバーユニット251には、図7に示すように、撮像素子200が実装されるセンサ基板258やレンズ鏡筒101を固定するためのマウント部208(図3(a)参照)が設けられている。
撮像素子200は、前述したように、CMOSセンサやCCDセンサを構成されているため、素子自体が発する熱によってノイズ等が増え、画質が低下する問題がある。また、センサ基板258上の回路も発熱して撮像素子200に熱を供給するため、撮像素子200及びセンサ基板258周辺の熱を放熱する必要がある。このため、センサ基板258にセンサ放熱板259をビス等で固定して放熱を行っている。
しかし、センサ基板258にビス等により固定しているセンサ放熱板259だけでは放熱が不十分であることが多く、熱を他の構造部材に放熱する必要がある。また、センサ放熱板259を他の部品と接触させてビス等で固定してしまうと、カメラ本体100が落下した際にセンサ基板258がずれる可能性があるため、センサ基板258に落下による外力が伝わらない方法で放熱を行う必要がある。
そこで、本実施形態では、センサ放熱板259の背面に導電性を有する弾性放熱部材701を貼り付けることで、ビス等によるセンサ放熱板259の他の部品への固定を行うことなく、撮像素子200及びセンサ基板258周辺の熱を放熱する。
導電性を有する弾性放熱部材701は、弾性部材と、弾性部材を内側に挟み込むように両面シートを介して弾性部材に貼り付けられた金属シートとを備える。金属シートは、厚さ0.05〜0.5mm程度の銅箔等の金属箔を貼り付けたシートを金属箔面が外側を向くように折り曲げて形成されている。導電性を有する弾性放熱部材701は、両面シートの露出部分を用いてセンサ放熱板259の背面に貼り付けられる。
金属シートの金属箔は、銅箔やアルミ箔のような高熱伝導性および低導電抵抗の金属である。弾性部材は、発泡ウレタンやスポンジなどで形成される。導電性を有する弾性放熱部材701は、センサ放熱板259に対して両面テープを介して固定されるとともに、金属箔で接触している。導電性を有する弾性放熱部材701は、センサ放熱板259の背面に金属箔が接触し、金属シートで挟まれた圧縮状態の弾性部材によって付勢されることで導電および放熱を行うことが可能となる。
詳細は後述するが、導電性を有する弾性放熱部材701を用いて、センサ放熱板259の熱をファンダクトユニット301に放熱することで、ビス等を用いた固定を行うことなく、撮像素子200及びセンサ基板258周辺の熱を放熱することが可能となる。ここで、センサ放熱板259及び導電性を有する弾性放熱部材701は、本発明の熱接続部の一例に相当する。
図8(a)は右カバーユニット252の裏面側から見た斜視図、図8(b)は背面カバーユニット254の斜視図である。右カバーユニット252には、図8(a)に示すように、表示制御基板260が設けられている。表示制御基板260には、表示部205に撮影設定や撮影中の画像を表示し、電源ボタン202、操作ボタン群203、及び操作ダイアル204等のスイッチの入力内容に応じてカメラ本体100の設定を制御する不図示の制御ICが実装されている。表示制御基板260は、メインユニット250に含まれる後述するメイン基板400(図11(a)参照)と電気的に接続されている。
また、背面カバーユニット254には、図8(b)に示すように、バッテリ端子225が設けられており、不図示のバッテリから電源を供給することでカメラ本体100を動作させることができる。
図9(a)は左カバーユニット253の表面側から見た斜視図、図9(b)は図9(a)に示す左カバーユニット253を裏面側から見た斜視図である。
図9(a)に示すように、左カバーユニット253には、外部入出力端子部220として音声出力端子221や音声入力端子222が設けられている。音声出力端子221や音声入力端子222は、メインユニット250に含まれる後述する信号制御基板262やサブ基板401にそれぞれ接続されている。音声出力端子221や音声入力端子222にケーブル等を接続したときに、カメラ本体100に対してケーブル等を背面側に斜め方向に引き出すことができ、撮影時にケーブル等が邪魔にならないようになっている。
また、左カバーユニット253には、映像を記録するための記録媒体が着脱可能に装着される後述するカード基板ユニット261の不図示のカードスロットの開口部を開閉可能に覆うカード蓋210が設けられている。
図9(b)に示すように、左カバーユニット253には、信号制御基板262やカード基板ユニット261等が設けられている。信号制御基板262やカード基板ユニット261は、後述するメイン基板400やサブ基板401にワイヤーハーネス等でそれぞれ接続され、映像や音声信号の通信を行う。
図10(a)はカード基板ユニット261の背面側から見た斜視図、図10(b)はカード基板ユニット261の底面側から見た斜視図である。
図10(a)に示すように、カード基板ユニット261は、後述する映像圧縮回路基板403と電気的に接続される。また、カード基板ユニット261には、映像を記録媒体に記録するための2つのカード基板263a,263b、及びカメラ本体100の撮影時等の設定保存ファイルを保存するための保存用カード基板264の3つの基板が設けられている。
高解像度、高フレームレートの映像を記録する場合には、記録媒体内のICが発熱するため記録媒体を冷却する必要がある。このため、カード基板263a,263bに不図示の放熱ゴムを設けて放熱板268に放熱している。また、3つの基板263a,263b,264と放熱板268は、金属製のカード基板ベース265に位置決めされた状態でビス等により固定されている。
また、図10(b)に示すように、カード基板ベース265には、カード冷却ファン266が設けられており、カード冷却ファン266の排気風をカード基板ベース265や放熱板268に当てることにより放熱を行っている。また、放熱板268には、底面カバーユニット256へ熱を放熱するカード放熱ゴム267が貼り付けられている。
図11(a)はメインユニット250のカメラ本体100の背面側から見た斜視図、図11(b)はメインユニット250のカメラ本体100の正面側から見た斜視図である。
図11示すように、メインユニット250は、ファンダクトユニット301、メイン基板400、サブ基板401、ネットワーク基板402、映像圧縮回路基板403、電源基板404、メイン基板放熱板410、及びサブ基板放熱板411を有する。メイン基板放熱板410やサブ基板放熱板411は、熱伝導性に優れた銅やアルミニウム等の板金部材で形成されおり、それぞれメイン基板400やサブ基板401に実装された発熱部品の放熱を行っている。
カメラ本体100内では、メイン基板400、サブ基板401、映像圧縮回路基板403、及び電源基板404の順番に消費電力が大きい。これらの発熱を伴う複数の基板400〜404をファンダクトユニット301に固定して伝熱させることにより、複数の基板400〜404を一度に冷却することが可能となっている。メイン基板400、サブ基板401、ネットワーク基板402及び映像圧縮回路基板403間は高速で通信することが要求されるため、それぞれの基板間の接続に細線同軸ワイヤー等を用いている。
次に、図12乃至図15を参照して、メイン基板400、サブ基板401、ネットワーク基板402、映像圧縮回路基板403、及び電源基板404について説明する。
図12(a)はメイン基板400のファンダクトユニット301への取り付け面側から見た斜視図、図12(b)は図12(a)に示すメイン基板400の裏面側から見た斜視図である。
図12に示すように、メイン基板400は、すべての電子デバイスと電気的に接続されるため、多くのICが実装され、カメラ本体100内で最も面積が大きい基板である。メイン基板400の図12(a)に示す側には、センサ基板258からの信号を処理するフロントエンドIC600、映像に対して色調整などの処理を行う映像処理IC602、これらのIC600,602に使用されるメモリ603などが実装されている。フロントエンドIC600、映像処理IC602、及びメモリ603は、消費電力が大きく、発熱量が大きいため、ファンダクトユニット301側に実装をされており、不図示の放熱ゴムを利用して発生した熱をファンダクトユニット301に伝熱している。
また、メイン基板400の図12(b)に示す側には、フロントエンドIC600、映像処理IC602へ電源を供給するための回路部品604が実装されている。回路部品604で発生した熱は、メイン基板放熱板410(図11(a)参照))に伝熱されて放熱される。
図13(a)はサブ基板401のファンダクトユニット301への取り付け面側から見た斜視図、図13(b)は図13(a)に示すサブ基板401の裏面側から見た斜視図である。
サブ基板401の図13(a)に示す側には、メイン基板400の映像処理IC 602から映像データを受け取って、各外部入出力に最適な映像フォーマットの変換を行うバックエンドIC611やフォーマット変換IC612などが実装される。バックエンドIC611やフォーマット変換IC612もサブ基板401のファンダクトユニット301側に実装されており、不図示の放熱ゴムを利用して各IC611,612で発生した熱をファンダクトユニット301に伝熱している。
サブ基板401の図13(b)に示す側には、バックエンドIC611やフォーマット変換IC612へ電源を供給するための回路部品613が実装されており、回路部品613の熱は、サブ基板放熱板411(図11(b)参照)に伝熱されて放熱される。
図14(a)はネットワーク基板402の斜視図、図14(b)は映像圧縮回路基板403の斜視図である。
図14(a)に示すように、ネットワーク基板402には、WIFIなどの無線通信を制御する通信用IC621が実装されており、カメラ本体100内で撮影した映像を外部機器へ伝送することができる。また、図14(b)に示すように、映像圧縮回路基板403には、メイン基板400の映像処理IC602から映像データを受け取って、記録メディアに高解像度、高フレームレートで映像を書き込むための映像圧縮IC631が実装されている。
図15は、電源基板404の斜視図である。図15に示すように、電源基板404は、メイン基板400、サブ基板401、ネットワーク基板402、映像圧縮回路基板403、及びカメラ本体100内の電気デバイスに電源を供給している。カメラ本体100全体の消費電力は大きいので、電源基板404には、比較的大型のコンデンサ641やコイル642などの部品が実装されている。電源基板404は、メイン基板400とBtoBコネクタ643で接続されており、BtoBコネクタ643のピン数の多くを使用して多数の電気デバイスに電源を供給している。
図16(a)はファンダクトユニット301のカメラ本体100の背面側から見た斜視図、図16(b)はファンダクトユニット301のカメラ本体100の正面側から見た斜視図である。図17(a)は図16(b)の矢印D方向から見たファンダクトユニット301の側面図、図17(b)は図17(a)に示すファンダクトユニット301の上面図である。
図16に示すように、ファンダクトユニット301には、右ダクト302、左ダクト303、及び左ダクトリア304がビス305により固定されている。ファンダクトユニット301の内部には、図16(b)及び図17(a)に示すように、ファンゴム306に組み込まれた小型の軸流ファンであるファン300が図の上下方向に2個並べて設けられている。ファン300として、小型の軸流ファンを採用することで、ファンダクトユニット301を小型にすることができ、カメラ本体100の小型化を行っている。また、ファン300をファンゴム306に組み込むことで、ファン300の回転時に発生する振動を低減している。
図17(b)において、ファンダクトユニット301は、それぞれ破線で示す吸気部325、冷却部326、及び排気部327に大きく分けることができる。吸気部325は、カメラ本体100の左カバーユニット253に設けられた吸気口230と連通しており、カメラ本体100の外部からの空気を冷却部326に送出する。
冷却部326では、後述する冷却用の右ダクトフィン331と左ダクトフィン341により空気と熱交換を行う。これにより、ファンダクトユニット301を冷却することにより、メイン基板400やサブ基板401等に実装されたICを冷却することができる。排気部327は、カメラ本体100の左カバーユニット253に設けられた排気口240と連通しており、熱交換により温められた空気を排出する。
ここで、冷却部326は、カメラ本体100の正面側から見てカメラ本体100の幅方向の他方の側面部を形成する右カバーユニット252の外装内面に沿って光軸方向に延設されている。また、吸気部325は、冷却部326のカメラ本体100の正面側の端部に対して略直角に交差して接続され、排気部327は、冷却部326のカメラ本体100の背面側の端部に対して鈍角に交差して接続されている。このため、ファンダクトユニット301は、略コ字形状になっている。
また、図17(b)において、Wdは、右ダクト302と左ダクト303を合わせた幅寸法、Wfは、ファン300の幅寸法を示している。本実施形態のファンダクトユニット301は、ファン300を冷却部326と排気部327の接続部近傍に配置することで、Wd<Wfという関係が可能になっている。この結果、ファンダクトユニット301の薄型化を可能にし、ひいてはカメラ本体100の薄型化を可能にしている。
また、ファンダクトユニット301を略コ字形状にすることで、冷却部326の外側(図17(b)の上側)に、比較的面積の大きなメイン基板400を配置することができ、冷却部326の内側に、比較的面積の小さなサブ基板401を配置することができる。また、冷却部326の外側の右ダクト302の右ダクトフィン331(図21(b)参照)は、風の流れる方向に長くすることが可能となり、メイン基板400を効果的に冷却することができる。
さらに、ファンダクトユニット301を略コ字形状にすることで、ファンダクトユニット301の内側(図17(b)の下側)のスペース307にカード基板ユニット261を配置することができ、カメラ本体100の小型化が可能となる。
また、図17(b)に示すように、ファンダクトユニット301を略コ字形状とすることで、吸気口230と排気口240を左カバーユニット253に配置することが可能となっている。右ダクト302、左ダクト303、及び左ダクトリア304は、アルミニウムやマグネシウムなどの金属材料で形成されており、ファンゴム306は、シリコン等の弾性材料で形成されている。
次に、図18を参照して、ファン300について説明する。図18(a)はファン300の斜視図、図18(b)は図18(a)に示すファン300を背面側から見た斜視図である。
図18に示すように、ファン300は、樹脂製のフレーム310により外装が形成され、メイン基板400と電気的に接続するためのファンワイヤ312と不図示のファン基板を有する。ファン300の内部には、ファン基板を経由して電気的に接続される不図示のモータが保持されており、モータにより羽根313を回転させることにより圧力差を生み出し空気を送っている。また、羽根313の回転検出手段として、羽根313には、不図示の磁石が設けられ、ファン基板には、不図示のホール素子が設けられており、羽根313の回転数を検知して羽根313が所定の回転数になるようにフィードバック制御する手段を備えている。
これにより、ファン300は、空気を吸込側から吸気し、吐出側から排出する機能を持ち、かつ回転数を制御可能となっている。一般的に軸流ファンは、羽根313を低速回転することでも十分大きな風量を得ることができる。羽根313を低速で回転させることで、風切り音やモータ音などの騒音ノイズも抑えることができるので、デジタルビデオカメラには最適である。
次に、図19及び図20を参照して、ファンゴム306について説明する。図19は、ファンゴム306の斜視図である。図19に示すように、ファンゴム306には、シリコンゴムなどのゴム部材で形成された外側リブ321、内側リブ322及び切り欠き部323が設けられている。内側リブ322は、ファンゴム306の内側の4隅に設けられている。
図20(a)はファンゴム306にファン300を組み込んだ状態をファン300の吸込側から見た斜視図、図20(b)はファンゴム306にファン300を組み込んだ状態をファン300の吐出側から見た斜視図である。
図20に示すように、ファンゴム306は、ファン300の吸込側や吐出側の開口を覆わないように、内側リブ322で挟み込んでファン300を保持する。このとき、図20(b)に示すように、ファン300のファンワイヤ312を切り欠き部323から引き出すようにすることで、ファン300の外形とファンゴム306の内径の大きさを隙間なく組み立てることができる。
次に、図21及び図22を参照して、右ダクト302について説明する。図21(a)右ダクト302をカメラ本体100の背面側から見た斜視図、図21(b)は図21(a)に示す右ダクト302を矢印E方向から見た図である。図22は、右ダクト302の正面図である。
図21(a)に示すように、右ダクト302は、メイン基板400、及び電源基板404をビス等で固定するためのメイン基板固定部332、及び電源基板固定部333を有する。また、右ダクト302には、メイン基板400に実装されるフロントエンドIC600、映像処理IC602、及びメモリ603に対応する位置に、それぞれ右ダクト凸部334が設けられている。右ダクト凸部334の大きさは、右ダクト凸部334に貼られる不図示の放熱ゴムとほぼ同等となっている。これにより、フロントエンドIC600、映像処理IC602、及びメモリ603の発熱を放熱ゴムを介して右ダクト凸部334に伝えることが可能となる。
図21(b)に示すように、右ダクト302の内側には、右ダクト上部壁336と右ダクト下部壁337との間に、右ダクトフィン331、及びファン300を組み込んだファンゴム306を保持するファンゴム保持リブ335が設けられている。右ダクトフィン331は、放熱面積を拡大するためにカメラ本体100の高さ方向に所定間隔で複数並設されている。また、右ダクト上部壁336と右ダクト下部壁337の右ダクトフィン331の左右両端位置には、それぞれ右ダクトリブ338が設けられている。
図22に示すように、右ダクト302には、センサ放熱板259に貼り付けられた前述した導電性を有する弾性放熱部材701に対応する位置に、凸部702が設けられている。凸部702の大きさは、導電性を有する弾性放熱部材701とほぼ同等となっている。これにより、撮像素子200やセンサ基板258で発生した熱を、導電性を有する弾性放熱部材701を介して凸部702から右ダクト302ひいてはファンダクトユニット301の吸気部325に伝えることが可能となる。
次に、図23を参照して、左ダクト303について説明する。図23(a)は左ダクト303の斜視図、図23(b)は図23(a)に示す左ダクト303を矢印F方向から見た図である。
図23(a)に示すように、左ダクト303には、サブ基板401やサブ基板放熱板411をビス等で固定するためのサブ基板固定部342が設けられている。また、左ダクト303には、サブ基板401に実装されるバックエンドIC611、フォーマット変換IC612等に対応する位置に左ダクト凸部344が設けられている。左ダクト凸部344の大きさは、左ダクト凸部344に貼られる放熱ゴムとほぼ同等となっている。これにより、バックエンドIC611やフォーマット変換IC612の発熱を放熱ゴムを介して左ダクト凸部344に伝えることが可能となる。また、左ダクト303には、左ダクトリア304を固定するための左ダクト固定部347が設けられている。
図23(b)に示すように、左ダクト303の内側には、放熱面積を拡大するためにカメラ本体100の高さ方向に所定間隔で並設された複数の左ダクトフィン341が設けられ、また、左ダクト303の内側の略中央部には、分離壁343が設けられている。分離壁343は、右ダクト302と左ダクト303とを組み合わせたときに、内部空間を上下2つに分離する。左ダクト303の左ダクト上部壁345、及び左ダクト下部壁346に右ダクト302の右ダクト上部壁336、及び右ダクト下部壁337を組み込むことで、ファンダクトユニット301の隙間をなくし、塵埃等や雨水の侵入を防ぐことができる。
次に、図24を参照して、左ダクトリア304について説明する。図24(a)は左ダクトリア304の斜視図、図24(b)は図24(a)に示す左ダクトリア304を矢印G方向から見た斜視図である。
図24(a)に示すように、左ダクトリア304には、映像圧縮回路基板403をビス等で固定するための基板固定部353が設けられている。また、左ダクトリア304には、映像圧縮回路基板403に実装される映像圧縮IC631に対応する位置に放熱平面部355が設けられている。映像圧縮IC631の発熱は、不図示の放熱ゴムを介して放熱平面部355に伝えることが可能となる。
図24(b)に示すように、左ダクトリア304の内側には、放熱面積を拡大するための複数の左ダクトリアフィン351、及びファン300を組み込んだファンゴム306を保持する2つのファン組み込み部352が設けられている。また、左ダクトリア304の内側略中央部には、分離壁354が設けられている。分離壁354は、右ダクト302に左ダクトリア304が組み込まれたときに、内部空間を2つに分離する。これにより、2つのファン300のうちの一方のファン300からの排気風が他方のファン300に吸い込まれることを防ぎ、右ダクトフィン331や左ダクトフィン341によって熱せられた空気をカメラ本体100の外部に確実に排気することができる。
次に、図25を参照して、ファンダクトユニット301について説明する。図25は、ファンダクトユニット301の分解斜視図である。図25に示すように、左ダクトリア304のファン組み込み部352には、ファンゴム306が外側リブ321を当接させた状態で組み込まれ、これにより、ファン300が保持されている。このようにすることで、ファン300の羽根313が回転することで発生する振動がカメラ本体100に影響しないようにしている。また、外側リブ321は、右ダクト302にも当接しているため、ファンダクトユニット301内での空気の逆流を防ぐ効果もある。
図26は、図17(a)のA−A線断面図である。図27は、図17(a)のB−B線断面図である。なお、図27は、図21(b)に示す右ダクト302の右ダクトリブ338の位置での断面図である。
図26に示すように、ファンダクトユニット301は、右ダクト302のカメラ本体100の高さ方向(図の上下方向)に互いに隣り合う右ダクトフィン331の間に左ダクト303の左ダクトフィン341が挿入されている。すなわち、複数の右ダクトフィン331と複数の左ダクトフィン341とがカメラ本体100の高さ方向に交互に配置されている。これにより、ファン300により吸い込まれる空気は、右ダクトフィン331と左ダクトフィン341との隙間を通ることにより、右ダクト302と左ダクト303を冷却することができる。
右ダクト302の右ダクト上部壁336と左ダクト303の最も上側の左ダクトフィン341との間には、ダクト上部空間361が形成されている。また、右ダクト302の右ダクト下部壁337と左ダクト303の最も下側の左ダクトフィン341との間には、ダクト下部空間362が形成されている。ダクト上部空間361、及びダクト下部空間362は、いずれも右ダクトフィン331と左ダクトフィン341との間の空間よりも広くなっている。
ここで、本実施形態では、図27に示すように、右ダクト302に前述した右ダクトリブ338を設けることによって、ダクト上部空間361やダクト下部空間362の体積を部分的に小さくしている。これにより、ダクト上部空間361やダクト下部空間362を流れる空気を流れにくくし、ファンダクトユニット301の中央部の空気の流速を速くして、フィン331,341による放熱効果を高めている。
次に、図28及び図29を参照して、撮像素子200及びセンサ基板258周辺の熱の放熱構造について説明する。
図28(a)はメインユニット250を正面カバーユニット251に組み込んだ状態を示す右側面図、図28(b)は図28(a)のH部拡大図である。
図28に示すように、センサ放熱板259とファンダクトユニット301は、前述した導電性を有する弾性放熱部材701を介して接触している。そのため、撮像素子200及びセンサ基板258周辺の熱をセンサ放熱板259から導電性を有する弾性放熱部材701を介してファンダクトユニット301に放熱することが可能となる。
図29は、メインユニット250を正面カバーユニット251に組み込んだ状態を示す上面図である。
図29に示すように、ファンダクトユニット301は、ファン300よって、図中の矢印で示すように、センサ放熱板259の図の左側面の近傍から吸気を行い、伝達された熱をカメラ本体100の背面側に送る。そのため、センサ放熱板259から導電性を有する弾性放熱部材701を介してファンダクトユニット301に伝達された熱は、吸気口230から吸気したばかりの冷気によって最も効率的に冷却される。
また、前述したセンサ放熱板259以外の主な熱源である、発熱素子が実装されたメイン基板400、サブ基板401、映像圧縮回路基板403、電源基板404は、センサ放熱板259よりカメラ本体100の背面側に配置されている。そして、カメラ本体100の背面側に複数配置されたメイン基板400、サブ基板401、映像圧縮回路基板403、電源基板404で発生した熱は、これらの基板よりさらにカメラ本体100の背面側に配置される排気部327を介して排気口240から排気される。そのため、メイン基板400、サブ基板401、映像圧縮回路基板403、電源基板404で発生した熱は、センサ放熱板259に伝わることがない。
以上説明したように、本実施形態では、撮像素子200及び回路基板400,401,403,404で発生した熱を効率よく放散することができると共に、回路基板400,401,403,404で発生した熱が撮像素子200に伝わり難くすることができる。
なお、本発明の構成は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。