JP2017116577A - 可動体の重心調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジンバル機構の揺動軸線に対する可動体の重心の位置ずれをウェイトによって解消すること。【解決手段】振れ補正機能付きユニット1は、光学モジュール2をホルダ40で保持した可動体10と、可動体10を固定体20に対して揺動可能に支持するジンバル機構30を有する。予め、遠心力による可動体10の変位と、変位を解消できるウェイト11の重量との対応関係を定めた対応テーブル124を作成しておく。可動体10の重心調整を行うときは、まず、可動体10に遠心力を作用させて遠心力に起因する可動体10の変位を測定する。次に、対応テーブル124を参照し、測定した変位量に対応するウェイト11の重量を決定する。決定した重量のウェイト11を可動体10に取り付けると、可動体10の重心Wと、ジンバル機構30の揺動軸線との鉛直方向の位置ずれが解消される。【選択図】図6
Description
本発明は、ジンバル機構によって揺動可能に支持される可動体の重心調整方法に関する。
従来から、撮影用の光学ユニットが搭載された各種の光学機器が用いられている。かかる光学ユニットは、手振れや振動による撮影画像の乱れを抑制するために、光学モジュールを揺動させて振れを補正する振れ補正用駆動機構を備える。特許文献1には、この種の振れ補正機能付き光学ユニットが開示されている。特許文献1の振れ補正機能付き光学ユニットは、光学モジュールを搭載した可動体をケース(固定体)に対して揺動可能に支持するための支持機構として、可動体と固定体との間に配置したジンバル機構を備える。
振れ補正機能付き光学ユニットは、可動体の重心と、可動体を支持するジンバル機構による支持位置(揺動軸線の位置)とが一致しない場合、外部からの振動によって可動体が共振するなどの不都合がある。そこで、可動体にウェイトを取り付けて重心位置を調節することが行われている。しかしながら、可動体の重心とジンバル機構の揺動軸線との位置ずれを正確に求めることは難しく、可動体の重心とジンバル機構の揺動軸線との位置ずれを解消するための正確なウェイトの重量を求めることは難しい。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、ジンバル機構の揺動軸線に対する可動体の重心の位置ずれ(可動体の重心ずれ)をウェイトによって容易に且つ確実に解消することができる重心調整方法を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、固定体に対して、ジンバル機構によって揺動可能に支持される可動体の重心調整方法であって、前記固定体を前記ジンバル機構の揺動軸線と交差する回転軸線周りに所定の回転速度で回転させた場合の遠心力による前記可動体の変位と、前記変位を補正するウェイトの重量との対応関係を定める対応テーブルを作成し、前記固定体を前記回転軸線周りに前記所定の回転速度で回転させた場合の前記可動体の変位を測定する変位測定工程と、前記変位測定工程で測定した前記変位に対応づけられた前記ウェイトの重量を前記対応テーブルに基づいて決定するウェイト決定工程と、を行うことを特徴とする。
本発明によれば、予め、遠心力による可動体の変位と、変位を補正できるウェイトの重量との対応関係を求めて対応テーブルを作成しておくので、可動体の変位を測定し、測定値に基づいて対応テーブルを参照し、適切なウェイトの重量を選択できる。このような方法によれば、可動体の重量や寸法、取付位置のばらつきがあっても、このようなばらつきを測定することなく、遠心力による可動体の変位を測定するだけで、可動体の重心ずれ(可動体の重心とジンバル機構の揺動軸線との位置ずれ)を解消することのできるウェイトの重量を正確に求めることができる。従って、適切なウェイトの重量を容易に且つ正確に決定でき、可動体の重心ずれをウェイトによって容易に且つ確実に解消できる。
本発明において、前記回転軸線は、前記ジンバル機構の揺動軸線と直交することが望ましい。このようにすると、遠心力に基づく可動体の変位量を容易に測定できる。従って、適切なウェイトの重量を容易に且つ正確に決定できる。
本発明において、前記変位測定工程において、前記可動体に対して前記回転軸線の方向に測定光を照射して前記可動体の変位を測定することが望ましい。このようにすると、可動体を保持する固定体側の構造体によって測定光が遮られるおそれが少ない。また、接触式の変位検出装置では遠心力を発生させるような高速回転での可動体変位を測定することはできないのに対して、光学式の変位検出装置を用いて検出するので、適切なウェイトの重量を容易に且つ正確に決定できる。
前記ウェイトを取り付けていない状態における前記可動体の重心は、前記ジンバル機構の揺動軸線に対して鉛直方向の下方側に位置することが望ましい。このようにすると、重心の調整はウェイトを追加で載せることによって行うことができ、ウェイトを除去する必要がない。従って、ウェイトの追加と除去の両方を行う場合と比較して重心調整が容易である。
本発明において、前記変位測定工程では、前記可動体に前記ウェイトを取り付けていない状態で前記固定体を前記回転軸線周りに回転させることが望ましい。このようにすると、遠心力による変位が大きい状態で変位を測定できる。従って、変位量の測定精度を向上させることができ、その結果、適切なウェイトの重量を精度良く求めることができる。
本発明において、前記ウェイトとして環状の部材を用いることができる。このような形状のウェイトを用いれば、周方向に均等に重量を配置することができる。従って、重心の位置が鉛直方向と交差する方向にずれることを回避できる。
本発明において、前記ウェイトとして、金属粒子を含む半固形物もしくは流動物を用いることができる。このようにすると、ウェイトの取付位置および取付量の調節が容易である。
本発明において、前記可動体には光学素子が搭載され、前記ジンバル機構は、前記可動体を直交する2本の揺動軸線周りに揺動可能に支持することが望ましい。このようにすると、可動体が光学素子を搭載する光学モジュールを備える場合に、光学モジュールの撮影画像が外部振動の影響を受けにくい光学ユニットを構成できる。
本発明によれば、予め、遠心力による可動体の変位と、変位を解消できるウェイトの重量との対応関係を求めて対応テーブルを作成しておくので、可動体の重量や寸法、取付位置のばらつきがあっても、このようなばらつきを測定することなく、遠心力による可動体の変位を測定するだけで、可動体の重心とジンバル機構の揺動軸線との鉛直方向の位置ずれを解消することのできるウェイトの重量を正確に求めることができる。従って、適切なウェイトの重量を容易に且つ正確に決定でき、ジンバル機構の揺動軸線に対する可動体の重心の鉛直方向の位置ずれをウェイトによって容易に且つ確実に解消できる。
(全体構成)
以下に、図面を参照して、本発明の振れ補正機能付きユニットにおける可動体の重心調整方法の実施の形態を説明する。図1は振れ補正機能付きユニットの斜視図であり、図2は振れ補正機能付きユニット1の断面図(図1のA−A断面図)である。図1、図2に示す振れ補正機能付きユニット1は光学モジュール2を搭載しており、例えばカメラ付き携帯電話機、ドライブレコーダー等の光学機器や、ヘルメット、自転車、ラジコンヘリコプター等に搭載されるアクションカメラやウエアラブルカメラ等の光学機器に用いられる。このような光学機器では、撮影時に振れが発生すると、撮像画像に乱れが発生することを回避するため、振れ補正機能付きユニット1を駆動して振れを補正する。
以下に、図面を参照して、本発明の振れ補正機能付きユニットにおける可動体の重心調整方法の実施の形態を説明する。図1は振れ補正機能付きユニットの斜視図であり、図2は振れ補正機能付きユニット1の断面図(図1のA−A断面図)である。図1、図2に示す振れ補正機能付きユニット1は光学モジュール2を搭載しており、例えばカメラ付き携帯電話機、ドライブレコーダー等の光学機器や、ヘルメット、自転車、ラジコンヘリコプター等に搭載されるアクションカメラやウエアラブルカメラ等の光学機器に用いられる。このような光学機器では、撮影時に振れが発生すると、撮像画像に乱れが発生することを回避するため、振れ補正機能付きユニット1を駆動して振れを補正する。
本明細書において、XYZの3軸は互いに直交する方向であり、X軸方向の一方側を+X、他方側を−Xで示し、Y軸方向の一方側を+Y、他方側を−Yで示し、Z軸方向の一方側を+Z、他方側を−Zで示す。Z軸方向は、振れ補正機能付きユニット1の中心軸線Lである。中心軸線L方向は、振れ補正機能付きユニット1に搭載される光学モジュール2の光軸方向である。また、−Z方向は光軸方向の像側を向く方向、+Z方向は光軸方向の被写体側を向く方向である。振れ補正機能付きユニット1のX軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当する。また、Z軸周りの回転は、いわゆるローリングに相当する。
図3は振れ補正機能付きユニット1の分解斜視図である。図2、図3に示すように、振れ補正機能付きユニット1は、可動体10と、固定体20と、可動体10を固定体20に対して揺動可能に支持するジンバル機構30と、可動体10を固定体20に対して相対変位させる磁気駆動力を発生させる振れ補正用駆動機構50と、可動体10と固定体20とを接続する板状バネ70と、フレキシブル配線基板80を備える。振れ補正機能付きユニット1は、フレキシブル配線基板80を介して、振れ補正機能付きユニット1を搭載する光学機器の本体側に設けられた上位の制御装置に電気的に接続される。制御装置には、光学機器に振れが発生したときに振れを検出するジャイロスコープ(振れ検出センサ)の出力が入力される。制御装置は、ジャイロスコープの出力に基づいて振れ補正用駆動機構50を駆動して可動体10を揺動させ、振れ補正を行う。
可動体10は、ジンバル機構30により、中心軸線Lと交差する第1軸線R1(図1参照)回りに揺動可能に支持されているとともに、中心軸線Lおよび第1軸線R1と交差する第2軸線R2(図1参照)回りに揺動可能に支持されている。第1軸線R1および第2軸線R2は、固定体20の対角方向であり、中心軸線Lと直交する。また、第1軸線R1および第2軸線R2は、互いに直交する。
(固定体)
固定体20は、Z軸方向に見た場合に略正方形の外形をした第1ケース210と、第1ケース210に対して−Z方向側から組み付けられる第2ケース250を備える。第1ケース210は、溶接等により第2ケース250と固定される。第1ケース210は、可動体10の周りを囲む角筒状の胴部211と、胴部211の+Z方向の端部から内側に張り出した矩形枠状の端板部212を備える。端板部212の中央には窓214が形成されている。胴部211は、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側の各方向に位置する側板部216を備える。
固定体20は、Z軸方向に見た場合に略正方形の外形をした第1ケース210と、第1ケース210に対して−Z方向側から組み付けられる第2ケース250を備える。第1ケース210は、溶接等により第2ケース250と固定される。第1ケース210は、可動体10の周りを囲む角筒状の胴部211と、胴部211の+Z方向の端部から内側に張り出した矩形枠状の端板部212を備える。端板部212の中央には窓214が形成されている。胴部211は、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側の各方向に位置する側板部216を備える。
第2ケース250は、矩形枠状の第1部材251と、第1部材251の+Z方向側に取り付けられる矩形枠状の第2部材252の2部材によって構成される。第2ケース250は矩形の開口部253が設けられている。開口部253の内周側には、可動体10と固定体20とを接続する板状バネ70が配置される。第2部材252は、第1軸線R1上の対角位置から+Z方向に立ち上がる側壁部254、255を備える。側壁部254、255には、ジンバル機構30の第1揺動支持部36を構成する第1接点バネ保持部31が形成されている。
(振れ補正用駆動機構)
図4はジンバル機構30および振れ補正用駆動機構50の説明図であり、図4(a)は振れ補正機能付きユニット1から第1ケース210および光学モジュール2を取り外した状態の斜視図、図4(b)は第2揺動支持部37の部分付断面図(図4(a)のB−B断面図)である。振れ補正用駆動機構50は、固定体20と可動体10の間に設けられた4組の磁気駆動機構51を備える。各磁気駆動機構51は、磁石52とコイル53を備える。コイル53は空芯コイルであり、可動体10の+X方向側および−X方向側の側面、ならびに可動体10の+Y方向側および−Y方向側の側面に保持される。図2、図3に示すように、磁石52は、第1ケース210の胴部211において、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側の各方向に位置する側板部216の内面に保持される。従って、可動体10と第1ケース210の胴部211との間では、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側のいずれにおいても、磁石52とコイル53とが対向する。
図4はジンバル機構30および振れ補正用駆動機構50の説明図であり、図4(a)は振れ補正機能付きユニット1から第1ケース210および光学モジュール2を取り外した状態の斜視図、図4(b)は第2揺動支持部37の部分付断面図(図4(a)のB−B断面図)である。振れ補正用駆動機構50は、固定体20と可動体10の間に設けられた4組の磁気駆動機構51を備える。各磁気駆動機構51は、磁石52とコイル53を備える。コイル53は空芯コイルであり、可動体10の+X方向側および−X方向側の側面、ならびに可動体10の+Y方向側および−Y方向側の側面に保持される。図2、図3に示すように、磁石52は、第1ケース210の胴部211において、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側の各方向に位置する側板部216の内面に保持される。従って、可動体10と第1ケース210の胴部211との間では、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側のいずれにおいても、磁石52とコイル53とが対向する。
磁石52は、胴部211に接する外面側と、コイル53に面する内面側が異なる極に着磁されている。また、磁石52は中心軸線L方向(すなわち、Z軸方向)に2分割され、内面側の磁極が分割位置を境にして異なるように着磁されている。このため、コイル53は、上下の長辺部分が有効辺として利用される。4つの磁石は、外面側および内面側に対する着磁パターンが同一である。第1ケース210は磁性材料から構成されており、磁石52に対するヨークとして機能する。
図4に示すように、磁気駆動機構51は、可動体10の+Y方向側および−Y方向側に位置する2組の磁石52およびコイル53からなる第1磁気駆動機構51Xと、可動体10の+X方向側および−X方向側に位置する2組の磁石52とコイル53からなる第2磁気駆動機構51Yを備える。第1磁気駆動機構51Xを構成する2つのコイル53は、通電時にX軸周りの同一方向の磁気駆動力が発生するように配線接続されている。また、第2磁気駆動機構51Yを構成する2つのコイル53は、通電時にY軸周りの同一方向の磁気駆動力が発生するように配線接続されている。従って、第1磁気駆動機構51Xのコイル53に通電すると、可動体10を挟んでY軸方向に対向する2か所でX軸周りの同一方向の回転力が可動体10に加わる。また、第2磁気駆動機構51Yのコイル53に通電すると、可動体10を挟んでX軸方向に対向する2か所でY軸周りの同一方向の回転力が可動体10に加わる。従って、第1磁気駆動機構51Xのコイルに通電することにより、ピッチング(縦揺れ)方向の振れ補正を行うことができる。また、第2磁気駆動機構51Yのコイルに通電することにより、ヨーイング(横揺れ)方向の振れ補正を行うことができる。
(可動体)
図2、図3に示すように、可動体10は、光学モジュール2と、光学モジュール2を保持するホルダ40と、光学モジュール2の+Z方向側の端部に固定されたウェイト11と、ホルダ40の−Z方向の端部に取り付けられる枠状のストッパー49を備える。ストッパー49は、可動体10が揺動する際に固定体20の第2ケース250の内周面と当接して可動体10の揺動範囲を規制する。光学モジュール2は、光軸方向(中心軸線L方向)がZ軸方向と一致するように配置される。図2に示すように、光学モジュール2は、光学
素子としてのレンズユニットを保持する円柱状の上部モジュール2Aを備える。上部モジュール2Aの+Z方向側の端部からは円柱状のレンズホルダ4が突出し、レンズホルダ4の外周側には、+Z方向側を向く環状面5が設けられている。ウェイト11は、環状面5に当接し、レンズホルダ4の外周側および+Z方向側を囲むように取り付けられる。ウェイト11は非磁性の金属からなるため、ウェイト11と磁石52との間には磁気的な吸引力が発生しない。
図2、図3に示すように、可動体10は、光学モジュール2と、光学モジュール2を保持するホルダ40と、光学モジュール2の+Z方向側の端部に固定されたウェイト11と、ホルダ40の−Z方向の端部に取り付けられる枠状のストッパー49を備える。ストッパー49は、可動体10が揺動する際に固定体20の第2ケース250の内周面と当接して可動体10の揺動範囲を規制する。光学モジュール2は、光軸方向(中心軸線L方向)がZ軸方向と一致するように配置される。図2に示すように、光学モジュール2は、光学
素子としてのレンズユニットを保持する円柱状の上部モジュール2Aを備える。上部モジュール2Aの+Z方向側の端部からは円柱状のレンズホルダ4が突出し、レンズホルダ4の外周側には、+Z方向側を向く環状面5が設けられている。ウェイト11は、環状面5に当接し、レンズホルダ4の外周側および+Z方向側を囲むように取り付けられる。ウェイト11は非磁性の金属からなるため、ウェイト11と磁石52との間には磁気的な吸引力が発生しない。
ウェイト11は、可動体10のZ軸方向における重心位置を調節するために取り付けられている。ウェイト11は複数枚の金属板12を積層した環状の部材であり、その中央には円形開口13が設けられている。図2に示すように、ウェイト11は、例えば3枚の金属板12によって構成される。金属板12はZ軸方向に積層され、最も下層に位置する金属板12は環状面5に当接する。本形態のウェイト11は、金属板12の枚数を増減することによってその重量が調節される。すなわち、ウェイト11として、金属板12を所望の枚数だけ積層したものを用いることができる。
ホルダ40は、Z軸方向に見た場合の平面形状が略正方向形である枠部41を備えており、枠部41の中央には光学モジュール2を配置するための円形の保持孔42(図2参照)が形成されている。光学モジュール2は、ホルダ40に固定される際、ホルダ40に設けられた図示しない基準面に対してZ軸方向に当接して位置決めされる。
図3に示すように、枠部41の+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側の各側端縁には、+Z方向に立ち上がる壁部44が配置されている。壁部44は保持孔42の外周側を囲むように配置され、枠部41の各側端縁の中央でX軸方向もしくはY軸方向に直線状に延在する。4箇所の壁部44は、それぞれ、保持孔42とは反対側を向く外側面に形成されたコイル保持部45を備える。コイル保持部45は矩形の凸部であり、磁気駆動機構51のコイル53が取り付けられる。図2に示すように、コイル保持部45は、コイル53の中央から磁石52の側に突出しており、磁石52と対向する。振動等によって可動体10がX軸方向もしくはY軸方向に変位する際、コイル保持部45が磁石52と当接して可動体10の移動範囲を規制する。
枠部41には、コイル53に対する給電用のフレキシブル配線基板80が取り付けられる。フレキシブル配線基板80は、4箇所の壁部44の内周側に沿って延在する矩形枠部分81と、矩形枠部分81の内周縁から保持孔42を通って−Z方向に引き出される帯状の引き回し部82と、引き回し部82の−Z方向の端部に設けられる平板状部分83を備える。矩形枠部分81には4つのコイル53が接続される。平板状部分83は第2ケース250の開口部253よりも−Z方向側に位置し、光学モジュール2に設けられた電子部品に接続される。
枠部41の第1軸線R1上の対角位置には、第1軸線R1に対して垂直な面によって切り欠かれた切り欠き部46が設けられている。可動体10を固定体20に対して組み付けると、第2ケース250の第1軸線R1上の対角位置に設けられた側壁部254、255が切り欠き部46に配置される。従って、側壁部254、255に設けられた第1接点バネ保持部31が枠部41の第1軸線R1上の対角位置に配置される(図4参照)。また、枠部41の第2軸線R2上の対角位置には、ジンバル機構30の第2揺動支持部37を構成する第2接点バネ保持部32が形成されている。
枠部41の外周面は、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側の各面がZ軸方向の途中位置で段差のある形状になっている。すなわち、図2、図3に示すように、枠部41の外周面の−Z方向側の部分には内周側に凹んだ段部47が設けられ、段部47の−Z方向の端部にストッパー49が取り付けられている。段部47は、+X方向側、−X
方向側、+Y方向側、−Y方向側を向く各面の中央に形成された固定用凸部48を備える。固定用凸部48はZ軸方向に直線状に延びており、板状バネ70を係合する係合部として機能する。
方向側、+Y方向側、−Y方向側を向く各面の中央に形成された固定用凸部48を備える。固定用凸部48はZ軸方向に直線状に延びており、板状バネ70を係合する係合部として機能する。
(ジンバル機構)
可動体10を固定体20に対して揺動可能に支持するジンバル機構30は、第2ケース250とホルダ40との間に構成されている。ジンバル機構30は、図4(a)に示すように、可動体10を固定体20に対して組み付けたときに第1軸線R1方向で離間する2か所に配置される第1揺動支持部36と、第2軸線R2方向で離間する2か所に配置される第2揺動支持部37と、第1揺動支持部36および第2揺動支持部37によって支持される可動枠39を備える。
可動体10を固定体20に対して揺動可能に支持するジンバル機構30は、第2ケース250とホルダ40との間に構成されている。ジンバル機構30は、図4(a)に示すように、可動体10を固定体20に対して組み付けたときに第1軸線R1方向で離間する2か所に配置される第1揺動支持部36と、第2軸線R2方向で離間する2か所に配置される第2揺動支持部37と、第1揺動支持部36および第2揺動支持部37によって支持される可動枠39を備える。
図3、図4に示すように、可動枠39は概略矩形状のジンバルばねである。可動枠39は、中心軸線L回りの4か所に設けられた支点部391と、中心軸線L回りで隣り合う支点部391を繋ぐ連結部392を備える。各支点部391の内側面には溶接等によって金属製の球体38(図4(b)参照)が固定されている。この球体38によって、各支点部391に可動枠39の中心を向く半球状の凸面が設けられている。連結部392は、X軸方向もしくはY軸方向に延在する蛇行部393を備えており、中心軸線Lに対して直交する方向に弾性変形可能である。
第1揺動支持部36は、固定体20の第2ケース250に設けられた第1接点バネ保持部31と、第1接点バネ保持部31に保持される第1接点バネ33を備える。第1接点バネ33は、U字状に屈曲した金属製の板バネである。第1揺動支持部36は、第1軸線R1方向の対角位置に設けられた支点部391の内周側に配置され、第1軸線R1方向に弾性変形可能な状態に取り付けられた第1接点バネ33を介して可動枠39を支持する。
第2揺動支持部37は、可動体10のホルダ40に設けられた第2接点バネ保持部32と、第2接点バネ保持部32に保持される第2接点バネ34を備える。第2接点バネ34は、U字状に屈曲した金属製の板バネであり、第1接点バネ33と同一形状である。第2揺動支持部37は、第2軸線R2方向に弾性変形可能な状態に取り付けられた第2接点バネ34を介して可動枠39を支持する。
第1揺動支持部36の第1接点バネ33および第2揺動支持部37の第2接点バネ34には、それぞれ、支点部391に溶接された球体38(図4(b)参照)に接触する半球状の接点部が形成される。可動枠39は、中心軸線L回りの4か所に設けられた支点部391が、第1接点バネ33および第2接点バネ34の半球状の接点部と球体38とが点接触することによって支持される。従って、可動枠39は、中心軸線L方向と直交する2方向(第1軸線R1方向および第2軸線R2方向)の各方向回りに回転可能な状態で支持される。
(板状バネ)
板状バネ70は、図2に示すように、固定体20の−Z方向の端部に配置され、固定体20と可動体10とを接続する。振れ補正用駆動機構50が駆動されていない静止状態にあるときの可動体10の姿勢は、板状バネ70によって定まる。板状バネ70は、金属板12を加工した矩形枠状のバネ部材である。板状バネ70は、その外周部に設けられた固定体側連結部(図示省略)が第2ケース250の第1部材251に固定されることにより、固定体20に接続される。また、板状バネ70の内周部には枠状の可動体側連結部72が設けられ、可動体側連結部72はアーム部73によって固定体側連結部と繋がっている。可動体10を固定体20に組み付けると、可動体側連結部72に設けられた凹部75と可動体10の外周面に設けられた固定用凸部48とが係合する。この係合箇所を接着剤で
固定することにより、板状バネ70と可動体10とが接続される。
板状バネ70は、図2に示すように、固定体20の−Z方向の端部に配置され、固定体20と可動体10とを接続する。振れ補正用駆動機構50が駆動されていない静止状態にあるときの可動体10の姿勢は、板状バネ70によって定まる。板状バネ70は、金属板12を加工した矩形枠状のバネ部材である。板状バネ70は、その外周部に設けられた固定体側連結部(図示省略)が第2ケース250の第1部材251に固定されることにより、固定体20に接続される。また、板状バネ70の内周部には枠状の可動体側連結部72が設けられ、可動体側連結部72はアーム部73によって固定体側連結部と繋がっている。可動体10を固定体20に組み付けると、可動体側連結部72に設けられた凹部75と可動体10の外周面に設けられた固定用凸部48とが係合する。この係合箇所を接着剤で
固定することにより、板状バネ70と可動体10とが接続される。
(可動体の重心調整方法)
図5は可動体10の重心調整方法の説明図であり、図5(a)は可動体10の重心Wとジンバル機構30の揺動軸線(第1軸線R1、第2軸線R2)との位置ずれ(以下、重心ずれという)を補正する前の状態、図5(b)は重心ずれを補正する前の可動体10に遠心力を加えた状態、図5(c)はウェイト11によって重心ずれを解消した状態を示す。本形態では、可動体10の重心調整を行うための装置として、可動体10に遠心力を加える遠心力発生部100と、可動体10の変位量を測定する測定部110と、遠心力発生部100および測定部110を制御する制御部120を備えるものを用いる。
図5は可動体10の重心調整方法の説明図であり、図5(a)は可動体10の重心Wとジンバル機構30の揺動軸線(第1軸線R1、第2軸線R2)との位置ずれ(以下、重心ずれという)を補正する前の状態、図5(b)は重心ずれを補正する前の可動体10に遠心力を加えた状態、図5(c)はウェイト11によって重心ずれを解消した状態を示す。本形態では、可動体10の重心調整を行うための装置として、可動体10に遠心力を加える遠心力発生部100と、可動体10の変位量を測定する測定部110と、遠心力発生部100および測定部110を制御する制御部120を備えるものを用いる。
遠心力発生部100は、振れ補正機能付きユニット1を載せる回転台101と、回転台101の中心に設けられた回転軸102を所定の回転数(所定の回転速度)で回転させる駆動部103を備える。図5(a)に示すように、振れ補正機能付きユニット1は、回転台101の回転軸線L1と、振れ補正機能付きユニット1の中心軸線Lとが平行になる状態で回転台101に設置される。これにより、回転台101の回転軸線L1と、ジンバル機構30の揺動軸線である第1軸線R1、第2軸線R2とが直交する状態になる。可動体10にウェイト11を取り付けていない状態では、可動体10の重心Wは、ジンバル機構30の揺動軸線よりも鉛直方向(Z軸方向)の下方(−Z方向)に位置する。図5(a)では、可動体10の重心ずれを符号hで示す。
振れ補正機能付きユニット1が設置される位置は、回転台101の回転軸線L1から外れた位置である。従って、回転台101の回転によって振れ補正機能付きユニット1に遠心力が作用する。その結果、図5(b)に示すように、可動体10に作用する遠心力Fによって可動体10が傾く。
測定部110は、レーザ変位計111を備える。レーザ変位計111は、回転台101の回転軸線L1と平行な測定光(レーザ光)を+Z方向側から振れ補正機能付きユニット1に照射するように設置される。測定光は、光学モジュール2の被写体側(+Z方向側)から照射され、固定体20に設けられた開口部(第1ケース210の窓214)から可動体10の環状面5に照射される。
制御部120は、変位量算出部121と、記憶部122と、ウェイト量決定部123と、回転台駆動部125を備える。回転台駆動部125は、遠心力発生部100の駆動部103に制御信号を供給し、回転台101の回転を制御する。制御部120にはレーザ変位計111の出力が入力される。変位量算出部121は、レーザ変位計111の出力に基づき、可動体10のZ軸方向の変位量を求める。本形態では、可動体10に遠心力が作用していない状態での環状面5までの距離を測定してその距離を基準距離とする。そして、変位量算出部121は、可動体10の変位量として、基準距離からの変動量を求める。
記憶部122は、ウェイト11の重量(金属板12の枚数)と、可動体10の変位量との対応関係のデータである対応テーブル124を記憶する。ウェイト量決定部123は、対応テーブル124を参照して、レーザ変位計111の出力から求めた変位量から、可動体10の重心ずれを補正できるウェイト11の重量(金属板12の枚数)を求める。本形態では、ウェイト11の重量は金属板12の枚数によって調節され、金属板12の重量はいずれも同一であるものとする。対応テーブル124は、予め、遠心力発生部100および測定部110を用いて、ウェイト11として用いられる金属板12の枚数毎に可動体10の変位量を測定したデータに基づいて作成される。
変位量算出部121が求める可動体10の変位量は、遠心力による可動体10の傾き(
環状面5の傾き)に対応する値である。そして、可動体10の傾きは、可動体10の重心ずれに対応する値となる。従って、可動体10に遠心力が作用した場合に可動体10の変位量が0であることは、可動体10の重心ずれが解消していることを意味する。つまり、可動体10に遠心力が作用した場合に可動体10の変位量が0となる金属板12の枚数は、可動体10の重心ずれを解消できるウェイト11の重量である。
環状面5の傾き)に対応する値である。そして、可動体10の傾きは、可動体10の重心ずれに対応する値となる。従って、可動体10に遠心力が作用した場合に可動体10の変位量が0であることは、可動体10の重心ずれが解消していることを意味する。つまり、可動体10に遠心力が作用した場合に可動体10の変位量が0となる金属板12の枚数は、可動体10の重心ずれを解消できるウェイト11の重量である。
図6は対応テーブル124の説明図であり、図6(a)はウェイトの枚数毎に可動体10の変位量を測定したデータの例である。また、図6(b)は所定の回転数(例えば、1200rpm)の場合の対応テーブル124の例である。図6(a)のデータは、回転台101の回転数を200〜1200rpmとし、錘(金属板12)の数が0枚(錘なし)、1枚、2枚、3枚の場合の変位量(mm)を測定したものである。図6(a)のデータから、錘(金属板12)の枚数を3枚にした場合に変位量がほぼ0となることがわかる。従って、回転数1200rpmにおいて、錘なしの場合の変位量(0.503mm)に対して、金属板12の枚数「3」が対応づけられる。また、錘1枚の場合の変位量(0.306mm)に対して、金属板12の枚数「2」が対応付けられる。さらに、錘2枚の場合の変位量(0.227mm)に対して、金属板12の枚数「1」が対応付けられる。
金属板12の枚数と変位量との対応関係は、ピンポイントの変位量でなく、変位量の範囲に対して金属板12の枚数を対応づけるように決定する。例えば、図6(a)に示すように、錘なしの場合の変位量と錘1枚の場合の変位量の中間の値(0.4045)を第1の閾値S1とし、錘1枚の場合の変位量と錘2枚の場合の変位量の中間の値(0.2665)を第2の閾値S2とし、錘2枚の場合の変位量と錘3枚の場合の変位量の中間の値(0.1135)を第3の閾値S3とし、第1〜第3の閾値S1〜S3に基づいて変位量を4つの範囲T1〜T4に区分する。そして、4つの範囲T1〜T4に対して、金属板12の枚数3〜0を対応づける。なお、この方法は一例であり、他の方法で対応テーブル124を作成してもよい。
図7は可動体10の重心調整方法のフローチャートである。可動体10の重心調整を行うときは、予め対応テーブル124を作成して記憶部122に記憶させておく。そして、可動体10を遠心力発生部100に設置し、重心調整を開始する。制御部120は、まず、ステップS1〜S3(変位測定工程)において、可動体10に遠心力が作用している状態で可動体10の変位を測定する。ステップS1では、可動体10に遠心力を作用させる。具体的には、制御部120から遠心力発生部100の駆動部103に制御信号を供給し、所定の回転数(所定の回転速度)で回転台101を回転させる。次に、ステップS2では、可動体10に遠心力が作用している状態で、測定部110から可動体10にレーザ光を照射して可動体10との距離を計測する(図5(b)参照)。続いて、ステップS3では、レーザ変位計111の出力に基づき、変位量算出部121が遠心力に起因する可動体10の変位量を求める。
次に、制御部120は、ステップS4(ウェイト決定工程)において、遠心力に起因する可動体10の変位を解消するためのウェイト11の重量(金属板12の枚数)を決定する。ステップS4では、ウェイト量決定部123が記憶部122から対応テーブル124を読み出す。そして、対応テーブル124を参照して、ステップS3で求めた変位量に対応づけられたウェイト11の重量(金属板12の枚数)を決定する。例えば、ステップS3で求めた変位量が0.503mmである場合、この変位量に対応づけられた金属板12の枚数は「3」であるため、ウェイト11の重量を「金属板3枚」に決定する。
続いて、ステップS5において、ステップS4で決定した量(枚数)のウェイト11を可動体10に取り付ける。例えば、3枚の金属板12を可動体10に取り付ける。これにより、図5(c)に示すように、可動体10の重心ずれが解消する。その結果、回転台1
01の回転によって遠心力を加えたとしても可動体10が傾くことがなく、環状面5がZ軸方向に変位しない振れ補正機能付きユニット1が得られる。
01の回転によって遠心力を加えたとしても可動体10が傾くことがなく、環状面5がZ軸方向に変位しない振れ補正機能付きユニット1が得られる。
(作用効果)
以上のように、本形態の可動体10の重心調整方法は、予め、遠心力による可動体10の変位と、変位を解消できるウェイト11の重量(金属板12の枚数)との対応関係を求めて対応テーブル124を作成しておくので、可動体10の変位を測定し、測定値に基づいて対応テーブル124を参照し、適切なウェイト11の重量を選択できる。このような方法によれば、可動体10の重量や寸法、取付位置のばらつきがあっても、このようなばらつきを測定することなく、遠心力による可動体10の変位を測定するだけで、可動体10の重心ずれを解消することのできるウェイト11の重量を正確に求めることができる。従って、適切なウェイト11の重量を容易に且つ正確に決定でき、可動体10の重心ずれをウェイト11によって容易に且つ確実に解消できる。
以上のように、本形態の可動体10の重心調整方法は、予め、遠心力による可動体10の変位と、変位を解消できるウェイト11の重量(金属板12の枚数)との対応関係を求めて対応テーブル124を作成しておくので、可動体10の変位を測定し、測定値に基づいて対応テーブル124を参照し、適切なウェイト11の重量を選択できる。このような方法によれば、可動体10の重量や寸法、取付位置のばらつきがあっても、このようなばらつきを測定することなく、遠心力による可動体10の変位を測定するだけで、可動体10の重心ずれを解消することのできるウェイト11の重量を正確に求めることができる。従って、適切なウェイト11の重量を容易に且つ正確に決定でき、可動体10の重心ずれをウェイト11によって容易に且つ確実に解消できる。
このように、光学モジュール2が搭載される可動体10の重心Wと、ジンバル機構30による可動体10の支持位置(第1軸線R1、第2軸線R2の位置)とのずれをウェイト11によって解消することができれば、光学モジュール2の撮影画像が外部振動の影響を受けにくい振れ補正機能付きユニット1を構成できる。
本形態では、遠心力を発生させる際に用いる回転台101の回転軸線L1は、ジンバル機構30の揺動軸線(第1軸線R1、第2軸線R2)と直交する。このようにすると、遠心力に起因する可動体10の変位量を容易に求めることができる。従って、適切なウェイト11の重量を容易に且つ正確に決定できる。
本形態では、可動体10に対して、回転軸線L1と平行な測定光(レーザ光)を照射するようにレーザ変位計111が設置される。このような方向から測定を行うと、光学モジュール2の被写体側(+Z方向側)から測定光を照射することができ、第1ケース210に窓214が設けられている側から測定光を照射できる。従って、可動体10を保持する固定体20側の構造体によって測定光が遮られるおそれが少ない。また、接触式の変位検出装置では遠心力を発生させるような高速回転での可動体変位を測定することはできないのに対して、光学式の変位検出装置を用いて検出するので、適切なウェイト11の重量を容易に且つ正確に決定できる。
本形態では、ウェイト11を取り付けていない状態における可動体10の重心Wは、ジンバル機構30の揺動軸線(第1軸線R1、第2軸線R2)に対して鉛直方向(Z軸方向)の下方に位置する。このようにすると、重心Wの調整は可動体10にウェイト11を載せることで行われ、ウェイト11を除去する必要がない。従って、ウェイト11の追加と除去の両方を行う場合と比較して重心調整が容易である。
本形態では、可動体10の重心調整を行う際、可動体10にウェイト11を取り付けていない状態で固定体20を回転軸線L1周りに回転させて遠心力を発生させる。このようにすると、遠心力による変位が大きい状態で可動体10の変位量を測定できる。従って、変位量の測定精度を向上させることができ、その結果、適切なウェイト11の重量を精度良く求めることができる。
本形態では、ウェイト11として環状の金属板12を用いているので、周方向に均等に重量を配置することができる。従って、周方向の荷重のばらつきによって可動体10が傾くことを回避できる。
(変形例)
(1)上記形態は、ウェイト11として環状の金属板12を用いる構成であったが、ウェイト11は他の形状であってもよく、金属以外の素材からなるものであってもよい。また、固形物のウェイトを用いる代わりに、半固形物や流動物のウェイトを用いることもできる。このようなウェイトを用いればウェイトの重量を細かく調整することができる。半固形物や流動物のウェイトを用いる場合、銀やタングステンなどの金属粒子を含むものを用いることができる。例えば、エポキシ樹脂に銀やタングステンなどの金属粒子を混入したいわゆる導電ペーストをウェイトとして用いることができる。
(1)上記形態は、ウェイト11として環状の金属板12を用いる構成であったが、ウェイト11は他の形状であってもよく、金属以外の素材からなるものであってもよい。また、固形物のウェイトを用いる代わりに、半固形物や流動物のウェイトを用いることもできる。このようなウェイトを用いればウェイトの重量を細かく調整することができる。半固形物や流動物のウェイトを用いる場合、銀やタングステンなどの金属粒子を含むものを用いることができる。例えば、エポキシ樹脂に銀やタングステンなどの金属粒子を混入したいわゆる導電ペーストをウェイトとして用いることができる。
(2)上記形態は、ステップS1〜3でウェイト11を取り付けていない状態の可動体10の変位量を測定して、測定した変位量に基づいて追加するウェイト11の重量を決定するものであったが、ステップS1〜3で予めウェイト11を所定量取り付けた状態の可動体10の変位量を測定し、測定した変位量に基づいてウェイト11の重量を追加もしくは減少させることもできる。
(3)上記形態は、可動体10に作用する遠心量を発生させるための回転台101の回転軸線L1をジンバル機構30の揺動軸線(第1軸線R1、第2軸線R2)に対して直交させるものであったが、回転軸線L1とジンバル機構30の揺動軸線とは直交していなくてもよい。回転軸線L1と揺動軸線とが直交していなくても、遠心力に起因する変位量を求めることは可能である。従って、上記形態と同様に、求めた変位量に基づいて、可動体10の重心ずれを解消するためのウェイト11の重量を決定することができる。
1…振れ補正機能付きユニット、2…光学モジュール、2A…上部モジュール、4…レンズホルダ、5…環状面、10…可動体、11…ウェイト、12…金属板、13…円形開口、20…固定体、30…ジンバル機構、31…第1接点バネ保持部、32…第2接点バネ保持部、33…第1接点バネ、34…第2接点バネ、36…第1揺動支持部、37…第2揺動支持部、38…球体、39…可動枠、40…ホルダ、41…枠部、42…保持孔、44…壁部、45…コイル保持部、46…切り欠き部、47…段部、48…固定用凸部、49…ストッパー、50…振れ補正用駆動機構、51…磁気駆動機構、51X…第1磁気駆動機構、51Y…第2磁気駆動機構、52…磁石、53…コイル、70…板状バネ、72…可動体側連結部、73…アーム部、75…凹部、80…フレキシブル配線基板、81…矩形枠部分、82…引き回し部、83…平板状部分、100…遠心力発生部、101…回転台、102…回転軸、103…駆動部、110…測定部、111…レーザ変位計、120…制御部、121…変位量算出部、122…記憶部、123…ウェイト量決定部、124…対応テーブル、125…回転台駆動部、210…第1ケース、211…胴部、212…端板部、214…窓、216…側板部、250…第2ケース、251…第1部材、252…第2部材、253…開口部、254、255…側壁部、391…支点部、392…連結部、393…蛇行部、L…中心軸線、L1…回転軸線、R1…第1軸線、R2…第2軸線、W…重心
Claims (8)
- 固定体に対して、ジンバル機構によって揺動可能に支持される可動体の重心調整方法であって、
前記固定体を前記ジンバル機構の揺動軸線と交差する回転軸線周りに所定の回転速度で回転させた場合の遠心力による前記可動体の変位と、前記変位を補正するウェイトの重量との対応関係を定める対応テーブルを作成し、
前記固定体を前記回転軸線周りに前記所定の回転速度で回転させた場合の前記可動体の変位を測定する変位測定工程と、
前記変位測定工程で測定した前記変位に対応づけられた前記ウェイトの重量を前記対応テーブルに基づいて決定するウェイト決定工程と、を行うことを特徴とする可動体の重心調整方法。 - 前記回転軸線は、前記ジンバル機構の揺動軸線と直交することを特徴とする請求項1に記載の可動体の重心調整方法。
- 前記変位測定工程において、前記可動体に対して前記回転軸線の方向に測定光を照射して前記可動体の変位を測定することを特徴とする請求項1または2に記載の可動体の重心調整方法。
- 前記ウェイトを取り付けていない状態における前記可動体の重心は、前記ジンバル機構の揺動軸線に対して鉛直方向の下方側に位置することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の可動体の重心調整方法。
- 前記変位測定工程では、前記可動体に前記ウェイトを取り付けていない状態で前記固定体を前記回転軸線周りに回転させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の可動体の重心調整方法。
- 前記ウェイトは環状であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の可動体の重心調整方法。
- 前記ウェイトは金属粒子を含む半固形物もしくは流動物であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の可動体の重心調整方法。
- 前記可動体には光学素子が搭載され、
前記ジンバル機構は、前記可動体を直交する2本の揺動軸線周りに揺動可能に支持することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の可動体の重心調整方法。
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US10840790B2 (en) | 2017-12-25 | 2020-11-17 | Futaba Corporation | Vibration power generator |
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2015
- 2015-12-21 JP JP2015248436A patent/JP2017116577A/ja active Pending
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US10840790B2 (en) | 2017-12-25 | 2020-11-17 | Futaba Corporation | Vibration power generator |
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