JP2017116274A - 車両の操舵角加速度検出装置 - Google Patents

車両の操舵角加速度検出装置 Download PDF

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雪秀 木村
洋司 国弘
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洋司 国弘
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Abstract

【課題】操舵角を2回微分する必要の無い操舵角角速度検出装置を提供する。【解決手段】回転軸線28と直交する仮想の直線34上にてステアリングホイール12に設けられ、回転軸線に垂直な仮想の平面内にて仮想の直線34に垂直な方向の加速度を検出する一対の加速度センサ14L及び14Rに基づいて、ステアリングホイール12の回転角加速度が操舵角加速度として演算される。また、車両の運動状態量として、ヨーレート及びロールレートの少なくとも一方を検出する運動状態量検出センサ18、20とを有し、検出された一対の加速度から、運動状態量に起因する加速度の誤差成分が減算されることにより、一対の補正後の加速度が演算され、一対の補正後の加速度に基づいてステアリングホイール12の回転角加速度が操舵角加速度として演算される。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車などの車両の操舵角加速度検出装置に係る。
自動車などの車両において、操舵角センサ以外のセンサの検出値を使用して操舵操作量を検出する装置が既に知られている。例えば、下記の特許文献1には、ステアリングホイールに取り付けられた第一の加速度センサと、車体に取り付けられた第二の加速度センサとを有し、第一及び第二の加速度センサにより検出された加速度に基づいて操舵角を演算する演算装置とを有する操舵角演算装置が記載されている。
第一の加速度センサは、ステアリングホイールの回転軸線の方向及びこれに直交する方向の加速度を検出し、第二の加速度センサは、第一の加速度センサと同一の少なくとも二つ方向の加速度を検出する。第一及び第二の加速度センサにより検出される二つの加速度の間には、ステアリングホイールの回転角度、即ち操舵角により決定される相互関係があるので、演算装置はこの相互関係を利用して操舵角を演算する。
特許文献1に記載された操舵角演算装置によれば、操舵角センサを要することなく、操舵操作量としての操舵角を検出することができる。また、車両に作用する重力加速度及び車両の走行運動により生じる加速度は、第一及び第二の加速度センサの両者により検出され、上記相互関係には影響しないので、重力加速度などの影響を受けることなく操舵角を検出することができる。
特開2014−70939号公報
〔発明が解決しようとする課題〕
ステアリングホイールの操作状態を正確に判定するためには、操舵操作量として操舵角加速度及び操舵角加速度を求める必要があることが解っている。しかるに、上記特許文献1に記載された操舵角演算装置は、操舵角センサと同様に、操舵角しか検出できないため、操舵角加速度及び操舵角加速度を求めるためには、操舵角をそれぞれ微分及び2回微分しなければならない。特に、操舵角加速度は操舵角が2回微分されることにより演算されるので、検出された操舵角に含まれる誤差が2回微分により増幅されることが避けられず、正確な操舵角加速度を求めることができない。なお、この問題は、操舵角が操舵角センサにより検出される場合にも同様に生じる。
また、特許文献1に記載された操舵角演算装置においては、第一の加速度センサは、ステアリングホイールの回転軸線の方向及びこれに直交する方向の加速度を検出可能な2軸式の加速度センサでなければならない。また、第二の加速度センサは、第一の加速度センサと同一の二つ方向の加速度を検出可能な高価な2軸式の加速度センサ又は3軸式の加速度センサでなければならない。そのため、操舵角演算装置が高コストになることが避けられない。
本発明の主要な課題は、従来の操舵角センサ又は上記操舵角演算装置により検出される操舵角が2回微分される場合に比して、操舵操作量としての操舵角加速度を正確に検出することができる低廉な装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
本発明によれば、回転軸線の周りに回転するステアリングホイールを有する車両の操舵角加速度検出装置であって、前記回転軸線と直交する仮想の直線上にて前記回転軸線から等距離隔置されて前記ステアリングホイールに設けられ、前記回転軸線に垂直な仮想の平面内にて前記仮想の直線に垂直な方向の加速度を検出する一対の加速度センサと、前記一対の加速度センサにより検出された一対の加速度及び前記等距離に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算することにより操舵角加速度を演算する演算装置と、を有する車両の操舵角加速度検出装が提供される。
上記の構成によれば、ステアリングホイールの回転軸線と直交する仮想の直線上にて回転軸線から等距離隔置されてステアリングホイールに設けられた一対の加速度センサにより、回転軸線に垂直な仮想の平面内にて仮想の直線に垂直な方向の加速度が検出される。演算装置により、一対の加速度センサにより検出された一対の加速度及び上記等距離に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度が演算されることにより操舵角加速度が演算される。
一対の加速度はステアリングホイールの接線方向の加速度であるので、一対の加速度に基づいてステアリングホイールの正確な回転角加速度を演算することができる。よって、検出された値又は演算された値を微分することも2回微分することは不要であるので、微分又は2回微分によって誤差が増幅されることもない。従って、正確な操舵角加速度を演算することができる。
また、上記の構成によれば、一対の加速度センサは回転軸線に垂直な仮想の平面内にて仮想の直線に垂直な方向の加速度を検出することができればよいので、1軸式の加速度センサであればよい。よって、高価な2軸式又は3軸式の加速度センサが必須である上記特許文献1に記載された操舵角演算装置に比して、操舵角加速度検出装置のコストを節減することができる。
〔発明の態様〕
本発明の一つの態様においては、前記一対の加速度センサは、互いに同一の方向の加速度を検出し、前記演算装置は、前記一対の加速度の差を前記等距離にて除算した値に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算する。
上記態様によれば、一対の加速度センサは、同一の方向の加速度を検出するので、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度は、一対の加速度センサにより検出される一対の加速度に互いに同一誤差成分として含まれる。よって、補正後の一対の加速度の差に基づいてステアリングホイールの回転角加速度を演算する際に、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度の誤差成分を相殺することができる。
本発明の他の一つの態様においては、一対の加速度センサは、互いに逆方向の加速度を検出し、前記演算装置は、前記一及び第二の加速度の和を前記等距離にて除算した値に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算する。
上記態様によれば、一対の加速度センサは、互いに逆方向の加速度を検出するので、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度は、一対の加速度センサにより検出される一対の加速度に互いに大きさが同一で方向が逆の誤差成分として含まれる。よって、一対の加速度の和に基づいてステアリングホイールの回転角加速度を演算する際に、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度の誤差成分を相殺することができる。
本発明の他の一つの態様においては、操舵角加速度検出装置は、前記ステアリングホイールが搭載された車両の運動状態量として、ヨーレート及びロールレートの少なくとも一方を検出する運動状態量検出センサを有し、演算装置は、前記一対の加速度センサにより検出された一対の加速度から、前記運動状態量に起因する加速度の誤差成分を減算することにより、補正後の一対の加速度を演算し、前記補正後の一対の加速度及び前記等距離に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算することにより操舵角加速度を演算する。
上記態様によれば、一対の補正後の加速度は、一対の加速度センサにより検出された一対の加速度から、車両の運動状態量に起因する加速度の誤差成分を減算することにより演算される。よって、補正後の一対の加速度は、車両の運動状態量に起因する加速度の誤差成分を含まないので、ステアリングホイールの正確な接線方向の一対の補加速度に基づいてステアリングホイールの正確な回転角加速度を演算することができる。
本発明の他の一つの態様においては、一対の加速度センサは、互いに同一の方向の加速度を検出し、前記演算装置は、前記補正後の一対の加速度の差を前記等距離にて除算した値に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算する。
上記態様によれば、一対の加速度センサは、同一の方向の加速度を検出するので、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度は、補正後の一対の加速度に互いに同一誤差成分として含まれる。よって、補正後の一対の加速度の差に基づいてステアリングホイールの回転角加速度を演算する際に、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度の誤差成分を相殺することができる。
本発明の他の一つの態様においては、一対の加速度センサは、互いに逆方向の加速度を検出し、前記演算装置は、前記補正後の一対の加速度の和を前記等距離にて除算した値に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算する。
上記態様によれば、一対の加速度センサは、互いに逆方向の加速度を検出するので、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度は、補正後の一対の加速度に互いに大きさが同一で方向が逆の誤差成分として含まれる。よって、補正後の加速度の和に基づいてステアリングホイールの回転角加速度を演算する際に、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度の誤差成分を相殺することができる。
本発明による車両の操舵角加速度検出装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。 ステアリングホイールを示す側面図である。 車両が重心Pgの周りにヨー加速度運動する際における二つの加速度センサの検出点Pr及びPlの運動方向(二点鎖線の矢印)及び加速度検出方向(実線の矢印)などを示す平面図である。 車両の重心Pg及びステアリングホイールを示す側面図である。 車両が重心Pgの周りにヨー加速度運動する状況における点Prの求心加速度及び種々の点の位置関係を示す平面図である。 操舵角θと角度θyとの関係を示す斜視図である。 車両が重心Pgの周りにヨー加速度運動する状況における点Prの接線方向の加速度及び種々の点の位置関係を示す平面図である。 車両が重心Pgの周りにロール加速度運動する際における二つの加速度センサの検出点Pr及びPlの運動方向(二点鎖線の矢印)及び加速度検出方向(実線の矢印)などを示す背面図である。 第一の実施形態における操舵角加速度dωの演算ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による車両の操舵角加速度検出装置の第二の実施形態を示す概略構成図である。 第二の実施形態における操舵角加速度dωの演算ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による車両の操舵角加速度検出装置の第三の実施形態を示す概略構成図である。 本発明による車両の操舵角加速度検出装置の第四の実施形態を示す概略構成図である。 本発明による車両の操舵角加速度検出装置の第三の実施形態を示す概略構成図である。 本発明による車両の操舵角加速度検出装置の第四の実施形態を示す概略構成図である。
以下に添付の図を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる車両の操舵角速度検出装置10を示す概略構成図、図2は、ステアリングホイールを示す側面図である。
操舵角速度検出装置10は、ステアリングホイール12の操作状態量として操舵角加速度dωを推定する。図1に示されているように、操舵角速度検出装置10は、一対の加速度センサ14L及び14Rと、操舵角センサ16と、ヨーレートセンサ18及びロールレートセンサ20と、操舵角加速度dωを演算する演算装置としての電子制御装置22とを有している。操舵角速度検出装置10は、左側通行の車両24に搭載されている。なお、操舵角加速度dωは、左旋回方向へ操舵角速度が変化する場合に正の値になる。
ステアリングホイール12は、運転者の手により把持される円環状又は楕円環状のリム部12Aと、中央支持部12Bと、リム部12Aと中央支持部12Bとを接続する複数のスポーク部12Cとを有している。中央支持部12Bは、ステアリングシャフト26の上端に連結され、これによりステアリングホイール12はステアリングシャフト26と共に回転軸線28の周りに回転する。なお、図1において、30及び32はそれぞれ図1には示されていないオーディオ機器及びエアコンなどを操作するスイッチであり、これらはステアリングホイール12に設けられていなくてもよい。
操舵角センサ16は、ステアリングシャフト26に設けられており、回転軸線28の周りのステアリングホイール12及びステアリングシャフト26の回転角度を操舵角θとして検出する。操舵角θは、車両24の直進に対応する回転角度である場合に0であり、左旋回方向及び右旋回方向の回転角度である場合にそれぞれ正の値及び負の値になる。
加速度センサ14L及び14Rは、回転軸線28と直交する仮想の直線34上にてステアリングホイール12のリム部12Aに設けられており、回転軸線28から等距離Rs隔置されている。図1において、回転軸線28と仮想の直線34との交点Oを中心とし加速度センサ14L及び14Rの中心を通る円が符号14にて示され、仮想の直線34と円14との交点がPl及びPrにて示されている。仮想の直線34は、ステアリングホイール12が中立位置(車両24が直進する位置)にあるときに車両24の横方向に延在することが好ましいが、横方向に対し任意の角度にて傾斜していてもよい。
図1及び図2には示されていないが、加速度センサ14L及び14Rは、それぞればねにより所定の位置に付勢された慣性錘を含み、加速度に比例する慣性力によって慣性錘がばねのばね力に抗して変位することを利用して加速度を検出する。第一の実施形態においては、加速度センサ14L及び14Rは、交点Oを通り回転軸線28に垂直な仮想の平面36内にて仮想の直線34に垂直で互いに同一の方向の加速度Gsl及びGsrを検出する。なお、加速度センサ14L及び14Rが図1に示された位置にある場合について見て、加速度Gsl及びGsrは車両の前方及び上方が正である。
ヨーレートセンサ18及びロールレートセンサ20は、運動状態量検出センサとして機能し、それぞれ車両24のヨーレートYR及びロールレートRRを検出する。なお、ヨーレートYRは、車両24のヨー角の変化が0であり車両が直進状態にあるときに0になり、車両24のヨー角が左旋回方向及び右旋回方向へ変化する場合にそれぞれ正の値及び負の値になる。ロールレートRRは、車両24のロール角の変化が0であるときに0になり、車両の前進方向に見て車両24のロール角が車両24の重心Pgの周りに時計回り方向及び反時計回り方向へ変化する場合にそれぞれ正の値及び負の値になる。
図2に示されているように、仮想の平面36は、該平面と回転軸線28との交点Oを通る仮想の水平面38に対し角度α傾斜しており、交点Oを通る車両横方向の仮想の鉛直面40に対し角度β傾斜している。ヨーレートYRは、車両24の重心Pgを通り仮想の水平面38に平行な平面に沿う車両のヨーレートであり、ロールレートRRは、車両24の重心Pgを通り仮想の鉛直面40に平行な平面に沿う車両のロールレートである。
重心Pgは、車両24の車幅の中央に位置し、ステアリングホイール12は重心Pgに対し右側にて、重心Pgに対し前方且つ上方に位置している。しかし、ステアリングホイール12は重心Pgと同一の車両前後方向位置又は重心Pgに対し後方に位置していてもよい。
<電子制御装置22による操舵角加速度dωの演算の概要>
電子制御装置22は、後に図9に示されたフローチャートを参照して詳細に説明するように、操舵角θ、加速度Gsl及びGsr、ヨーレートYR及びロールレートRRに基づいて、以下の手順にてステアリングホイール12の回転加速度として操舵角加速度dωを演算する。
まず、電子制御装置22は、車両24が重心Pgの周りにヨー加速度運動することにより、ステアリングホイール12が重心Pgの周りにヨー加速度運動する際に点Pr及びPlに生じる加速度に起因する誤差成分を演算する。ステアリングホイール12は車両24の一部であるので、車両24が重心Pgの周りにヨー加速度運動するときには、点Pr及びPlは重心Pgを通る鉛直軸(図示せず)の周りに回転加速度運動する。よって、点Pr及びPlには重心Pgに向かう求心加速度が発生し、それらの求心加速度はそれぞれ重心Pgから点Pr及びPlまでの距離に比例する。
ステアリングホイール12の交点Oは重心Pgから離れているので、重心Pgに向かう求心加速度をそれぞれ交点Oに向かう求心加速度と点Pr及びPlにおける円14の接線方向の加速度とに分解することができる。よって、加速度センサ14L及び14Rにより検出される加速度Gsl及びGsrに含まれる車両24のヨー加速度運動に起因する誤差成分は、交点Oに向かう求心加速度に起因する誤差成分Gycr及びGycl、及び点Pr及びPlにおける円14の接線方向の加速度に起因する誤差成分Gytr及びGytlである。
同様に、電子制御装置22は、車両24のロール加速度運動に起因して点Pr及びPlに発生する交点Oに向かう求心加速度に起因する誤差成分Grcr及びGrcl、及び点Pr及びPlにおける円14の接線方向の加速度に起因する誤差成分Grtr及びGrtlを演算する。以下に、車両24がヨー加速度運動及びロール加速度運動を行う際の交点Oに向かう求心加速度に起因する誤差成分及び点Pr及びPlにおける円14の接線方向の加速度に起因する誤差成分について詳細に説明するが、図の煩雑化を避けるため、これらの誤差成分は図には示されていない。
電子制御装置22は、下記の式(1)に従って、加速度センサ14Rにより検出された加速度Gsrから、求心加速度に起因する誤差成分Gycr、Grcr及び接線方向の加速度に起因する誤差成分Gytr、Grtrを減算することにより、補正後の加速度Gsraを演算する。同様に、電子制御装置22は、下記の式(2)に従って、加速度センサ14Lにより検出された加速度Gslから、求心加速度に起因する誤差成分Gycl、Grcl及び接線方向の加速度に起因する誤差成分Gytl、Grtlを減算することにより、補正後の加速度Gslaを演算する。
Gsra=Gsr−Gycr−Grcr−Gytr−Grtr …(1)
Gsla=Gsl−Gycl−Grcl−Gytl−Grtl …(2)
更に、電子制御装置22は、補正後の加速度Gsra及びGsla及び距離Rsに基づいて、下記の式(3)に従ってステアリングホイール12の回転角加速度を演算することにより操舵角加速度dωを演算する。距離Rsは既知の一定の値である。
dω=(Gsra−Gsla)/(2Rs) …(3)
なお、図1には詳細に示されていないが、電子制御装置22は、マイクロコンピュータを含んでいる。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成を有している。
<ヨー加速度運動>
<線分PrPg及びPlPgの長さLyrg及びLylgの演算>
図3は、車両24が重心Pgの周りにヨー加速度運動する際における二つの加速度センサの検出点Pr及びPlの運動方向(二点鎖線の矢印)及び加速度検出方向(実線の矢印)などを示す平面図である。図3において、42は重心Pgを通る車両前後方向の直線、即ち車両24の前後方向の中心線を示し、44は交点Oを通り直線42と平行な直線を示している。交点O、点Pr及びPlから直線42に下した垂線の足をそれぞれ点Po、Pyr及びPylとする。図3で見て、線分OPgの長さをLygとし、線分OPoの長さをLyoとし、線分PoPgの長さをLygとする。これらの長さは既知の一定の値である。なお、図3においては、操舵角θがθyにて示されている。
線分PrPyrと直線44との交点をPorとすると、図3で見て、交点Porと点Prとの間の距離はRs*cosθy=Rs*cosθであるので、交点Porと点Prとの間の車両横方向の距離は、Rs*cosθである。よって、線分PrPyrの長さは、Lyo+Rs*cosθである。図4で見て、交点Oと交点Porとの間の車両前後方向の距離、即ち点Pyrと交点Poとの間の車両前後方向の距離は、Rs*sinθ*cosαである。従って、線分PyrPgの長さは、Lyg+Rs*sinθ*cosαであるので、線分PrPgの長さLyrgは、下記の式(4)により表される。なお、図4において、符号46は重心Pgを通る仮想の水平面(ヨー運動平面)を示している。
Lyrg={(Lyo+Rs*cosθ)+(Lyg+Rs*sinθ*cosα)1/2 …(4)
図3に示されているように、点Plは交点Oに対し重心Pgの側で車両後方に位置している。よって、線分PlPgの長さLylgは、下記の式(5)により表される。
Lylg={(Lyo−Rs*cosθ)+(Lyg−Rs*sinθ*cosα)1/2 …(5)
なお、線分PrPgの長さLyrg及び線分PlPgの長さLylgは、それぞれ車両24が重心Pgの周りにヨー加速度運動する際における点Pr及びPlの円運動を平面図で見た場合の回転半径である。
<求心加速度に起因する誤差成分Gycr及びGyclの演算>
図5に示されているように、点Prが重心Pgの周りにヨー加速度運動する際の点Prの求心加速度Gycrhは下記の式(6)により表される。
Gycrh=Lyrg*YR …(6)
図5に示されているように、線分PrPgが車両の横方向に対しなす角度をφrとすると、線分PrPgが線分PrPyrに対しなす角度もφrである。よって、線分PrPyrが線分OPrに対しなす角度はφr−θyである。点Prにおける円14の接線を48とすると、求心加速度Gycrhの接線48の方向の成分Gycr′は、下記の式(7)により表される。よって、求心加速度に起因する誤差成分Gycrは、下記の式(8)により表される。
Gycr′=Gycrh*sin(φr−θy)
=Lyrg*YR*sin(φr−θy) …(7)
Gycr={Lyrg*YR*sin(φr−θy)}*cosα …(8)
図6は、操舵角θと角度θyとの関係を示す斜視図である。図5で見て、点Prを通り線44に平行な直線45と線分OPoの延長線50との交点をOyとする。交点Oyを通る車両前後方向の水平線を52とし、点Prから水平線52に下した垂線の足をPr′とする。線分PrOyの長さはRs*sinθであるので、線分OyPr′の長さはRs*sinθ*cosαである。線分OOyの長さはRs*cosθである。
三角形OOyPr′について下記の式(9)が成立するので、角度θyは下記の式(10)により表される。
tanθy=線分OyPr′の長さ/線分OOyの長さ
=Rs*sinθ*cosα/(Rs*cosθ)
=cosα*tanθ …(9)
θy=arctan(cosα*tanθ) …(10)
また、図5において、重心Pgを通り直線50に平行な直線54と水平線52との交点をPgrとする。線分PgPgrの長さは、線分OPoの長さLyoと線分OOyの長さRs*cosθとの和に等しいので、Lyo+Rs*cosθである。線分PrPgrの長さは、線分PgrOyの長さ(=線分PgPoの長さLyg)と線分OyPr′の長さRs*sinθ*cosαとの和に等しいので、Lyg+Rs*sinθ*cosαである。
三角形PgPrPgrについて下記の式(11)が成立するので、角度φrは下記の式(12)により表される。
tanφr=線分PrPgrの長さ/線分PgPgrの長さ
=(Lyg+Rs*sinθ*cosα)/(Lyo+Rs*cosθ) …(11)
φr=arctan{(Lyg+Rs*sinθ*cosα)/(Lyo+Rs*cosθ)} …(12)
同様に、点Plが重心Pgの周りにヨー加速度運動する際の点Plの求心加速度Gyclhは、下記の式(13)により表される。図5には示されていないが、線分PrPgが車両の横方向に対しなす角度をφlとすると、求心加速度に起因する誤差成分Gyclは、下記の式(14)により表され、角度φlは下記の式(15)により表される。
Gyclh=Lylg*YR …(13)
Gycl={Lylg*YR*sin(φl−θy)}*cosα …(14)
φl=arctan{(Lyg−Rs*sinθ*cosα)/(Lyo−Rs*cosθ)} …(15)
<接線方向の加速度に起因する誤差成分Gytr及びGytlの演算>
車両24のヨー加速度、即ちヨーレートYRの時間微分値をdYRとすると、点Prが重心Pgの周りにヨー加速度運動する際における線分PrPgに垂直な方向の点Prの加速度Gyprは、下記の式(16)により表される。図7に示されているように、接線48が直線52に対しなす角度はθyである。
Gypr=Lyrg*dYR …(16)
図7に示されているように、線分PrPgが線分PrPyrに対しなす角度をφrとする。加速度Gyprが接線48に対しなす角度はφr−θyであるので、加速度Gyprの接線方向の成分Gyprtは下記の式(17)により表される。
Gyprt=Lyrg*dYR*cos(φr−θy) …(17)
図2に示されているように、円14は仮想の水平面38に対し角度α傾斜しているので、接線方向の加速度に起因する誤差成分Gytrは下記の式(18)により表される。
Gytr=Gyprt*cosα
=Lyrg*dYR*cos(φr−θy)*cosα …(18)
同様に、点Plが重心Pgの周りにヨー加速度運動する際における線分PlPgに垂直な方向の点Plの加速度Gyplは、下記の式(19)により表される。
Gypl=Lylg*dYR …(19)
図3に示されているように、線分PlPgが線分PlPylに対しなす角度をφlとする。加速度Gyplが点Plにおける円14の接線に対しなす角度はφl−θyであるので、加速度Gyplの接線方向の成分Gypltは下記の式(20)により表される。
Gyplt=Lylg*dYR*cos(φl−θy) …(20)
よって、接線方向の加速度に起因する誤差成分Gytlは、下記の式(21)により表される。なお、角度φlは上記式(15)により表される値である。
Gytl=Gyplt*cosα
=Lylg*dYR*cos(φl−θy)*cosα …(21)
<ロール加速度運動>
図8は、車両が重心Pgの周りにロール加速度運動する際における二つの加速度センサの検出点Pr及びPlの運動方向(二点鎖線の矢印)及び加速度検出方向(実線の矢印)などを示す背面図である。図8と図3との比較から解るように、点Pr及びPlが重心Pgの周りにヨー加速度運動する際の上述の種々の値の「y」及び「α」をそれぞれ「r」及び「β」に変えて、点Pr及びPlが重心Pgの周りにロール加速度運動する際の種々の値を表現することができる。なお、以下の説明においては、角度φr及びφlに対応する角度として、δr及びδlが使用される。
<線分PrPg及びPlPgの長さLrrg及びLrlgの演算>
線分PrPgの長さLrrgは、上記式(4)に対応する下記の式(22)により表され、線分PlPgの長さLrlgは、上記式(5)に対応する下記の式(23)により表される。
Lrrg={(Lro+Rs*cosθ)+(Lrg+Rs*sinθ*cosβ)1/2 …(22)
Lrlg={(Lro−Rs*cosθ)+(Lrg−Rs*sinθ*cosβ)1/2 …(23)
なお、線分PrPgの長さLrrg及び線分PlPgの長さLrlgは、それぞれ車両24が重心Pgの周りにロール加速度運動する際における点Pr及びPlの円運動を背面図で見た場合の回転半径である。
<求心加速度に起因する誤差成分Grcr及びGrclの演算>
点Prが重心Pgの周りにロール加速度運動する際における求心加速度に起因する誤差成分Grcrは、上記式(8)に対応する下記の式(24)により表される。
Grcr={Lrrg*RR*sin(δr−θr)}*cosβ …(24)
なお、角度θr及びδrは、それぞれ上記式(10)及び(12)に対応する下記の式(25)及び(26)により表される。
θr=arctan(cosβ/tanθ) …(25)
δr=arctan{(Lrg+Rs*sinθ*cosβ)/(Lro+Rs*cosθ)} …(26)
点Plが重心Pgの周りにロール加速度運動する際における求心加速度に起因する誤差成分Grclは、上記式(14)に対応する下記の式(27)により表される。なお、角度δrは、上記式(15)に対応する下記の式(28)により表される。
Grcl={Lrlg*RR*sin(δl−θr)}*cosβ …(27)
δl=arctan{(Lrg−Rs*sinθ*cosβ)/(Lro−Rs*cosθ)} …(28)
<接線方向の加速度に起因する誤差成分Grtr及びGrtlの演算>
車両24のロール加速度、即ちロールレートRRの時間微分値をdRRとすると、点Prが重心Pgの周りにロール加速度運動する際における接線方向の加速度に起因する誤差成分Grtrは、上記式(18)に対応する下記の式(29)により表される。
Grtr=Lrrg*dRR*cos(δr−θr)*cosβ …(29)
同様に、点Plが重心Pgの周りにロール加速度運動する際における接線方向の加速度に起因する誤差成分Grtlは、上記式(21)に対応する下記の式(30)により表される。
Grtl=Lrlg*dRR*cos(δl−θr)*cosβ …(30)
<操舵角加速度dωの演算ルーチン>
次に、図9に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態における操舵角加速度dωの演算ルーチンについて説明する。図9に示されたフローチャートによる制御は、図1には示されていないイグニッションスイッチがオンであるときに、所定の時間毎に繰返し電子制御装置22によって実行される。このことは、後述の他の実施形態における制御についても同様である。
まず、ステップ10においては、加速度センサ14L及び14Rにより検出された加速度Gsl及びGsrを示す信号などの読み込みが行われる。
ステップ20においては、上記式(4)及び(5)に従って、それぞれ線分PrPg及びPlPgの長さLyrg及びLylgが演算される。
ステップ30においては、上記式(10)に従って角度θyが演算され、上記式(12)及び(15)に従って、それぞれ角度φr及びφlが演算される。
ステップ40においては、上記式(8)及び(14)に従って、それぞれ車両24のヨー加速度運動により点Pr及びPlに発生する求心加速度に起因する誤差成分Gycr及びGyclが演算される。
ステップ50においては、上記式(18)及び(21)に従って、それぞれ車両24のヨー加速度運動により点Pr及びPlに発生する接線方向の加速度に起因する誤差成分Gytr及びGytlが演算される。
ステップ20に対応するステップ120においては、上記式(22)及び(23)に従って、それぞれ線分PrPg及びPlPgの長さLrrg及びLrlgが演算される。
ステップ30に対応するステップ130においては、上記式(25)に従って角度θrが演算され、上記式(26)及び(28)に従って、それぞれ角度δr及びδlが演算される。
ステップ40に対応するステップ140においては、上記式(24)及び(27)に従って、それぞれ車両24のロール加速度運動により点Pr及びPlに発生する求心加速度に起因する誤差成分Grcr及びGrclが演算される。
ステップ50に対応するステップ150においては、上記式(29)及び(30)に従って、それぞれ車両24のロール加速度運動により点Pr及びPlに発生する接線方向の加速度に起因する誤差成分Grtr及びGrtlが演算される。
ステップ160においては、上記式(1)に従って、加速度センサ14Rにより検出された加速度Gsrから誤差成分Gycr、Grcr、Gytr及びGrtrが減算された値として、補正後の加速度Gsraが演算される。また、上記式(2)に従って、加速度センサ14Lにより検出された加速度Gslから誤差成分Gycl、Grcl、Gytl、及びGrtlが減算された値として、補正後の加速度Gslaが演算される。
ステップ170においては、補正後の加速度Gsra及びGsla及び距離Rsに基づいて、上記式(3)に従ってステアリングホイール12の回転加速度として操舵角加速度dωが演算される。
以上の説明から解るように、ステップ20〜50において、車両24がヨー加速度運動することにより点Pr及びPlに発生する求心加速度に起因する誤差成分Gycr及びGycl及び接線方向の加速度に起因する誤差成分Gytr及びGytlが演算される。同様に、ステップ120〜150において、車両24がロール加速度運動することにより点Pr及びPlに発生する求心加速度に起因する誤差成分Grcr及びGrcl及び接線方向の加速度に起因する誤差成分Grtr及びGrtlが演算される。
ステップ160において、加速度センサ14Rにより検出された加速度Gsrから誤差成分Gycr、Grcr、Gytr及びGrtrが減算された値として、補正後の加速度Gsraが演算される。また、加速度センサ14Lにより検出された加速度Gslから誤差成分Gycl、Grcl、Gytl、及びGrtlが減算された値として、補正後の加速度Gslaが演算される。更に、ステップ170において、補正後の加速度Gsra及びGslaの差(Gsra−Gsla)を距離Rsにて除算した値に基づいて、ステアリングホイール12の回転加速度として操舵角加速度dωが演算される。
[第二の実施形態]
図10は、本発明の第一の実施形態にかかる車両の操舵角速度検出装置10を示す概略構成図である。なお、図10において、図1に示された部材と同一の部材には図1において付された符号と同一の符号が付されている。このことは、後述の図12及び図13についても同様である。
図10と図1との比較から解るように、第二の実施形態においては、加速度センサ14Lは、第一の実施形態の場合とは逆の方向の加速度Gslを検出する。よって、加速度センサ14L及び14Rは、交点Oを通り回転軸線28に垂直な仮想の平面36内にて仮想の直線34に垂直で互いに逆方向の加速度Gsl及びGsrを検出する。また、第二の実施形態においては、電子制御装置22は、補正後の加速度Gsra及びGslaに基づいて、上記式(3)に対応する下記の式(31)に従ってステアリングホイール12の回転角加速度を演算することにより操舵角加速度dωを演算する。
dω=(Gsra+Gsla)/(2Rs) …(31)
次に、図11に示されたフローチャートを参照して第二の実施形態における操舵角加速度dωの演算ルーチンについて説明する。なお、図11において、図9に示されたステップと同一のステップには、図9において付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
図11と図9との比較から解るように、ステップ10〜160は第一の実施形態の場合と同様に実行され、これにより補正後の加速度Gsra及びGslaが演算される。ステップ160が完了すると、ステップ180において、上記(31)に従って操舵角加速度dωが演算される。
第一及び第二の実施形態の何れにおいても、補正後の加速度Gsra及びGslaは、車両24のヨー加速度運動及びロール加速度運動に起因する加速度の誤差成分を含まない加速度である。よって、一対の補正後の加速度はステアリングホイール12の円14における正確な接線方向の加速度であるので、一対の補正後の加速度に基づいてステアリングホイールの正確な回転角加速度、即ち操舵角加速度dωを演算することができる。
[第三の実施形態]
図12は、本発明の第三の実施形態にかかる車両の操舵角速度検出装置10を示す概略構成図である。
図12と図1との比較から解るように、第三の実施形態においては、操舵角速度検出装置10は、ヨーレートセンサ18及びロールレートセンサ20を有していない。よって、電子制御装置22には、車両24のヨーレートYR及びロールレートRRを示す信号は入力されない。
電子制御装置22は、図14に示されたフローチャートに従って操舵角加速度dωを演算する。第三の実施形態においては、第一及び第二の実施形態におけるステップ20〜160は実行されない。また、ステップ10においては、加速度センサ14L及び14Rにより検出された加速度Gsl及びGsrを示す信号及び操舵角センサ16により検出された操舵角θを示す信号の読み込みが行われ、ステップ10が完了すると、ステップ190が実行される。
ステップ190においては、加速度Gsr及びGsl及び距離Rsに基づいて、下記の式(32)に従ってステアリングホイール12の回転加速度として操舵角加速度dωが演算される。
dω=(Gsr−Gsl)/(2Rs) …(32)
[第四の実施形態]
図13は、本発明の第四の実施形態にかかる車両の操舵角速度検出装置10を示す概略構成図である。
図13と図10との比較から解るように、第四の実施形態においても、操舵角速度検出装置10は、ヨーレートセンサ18及びロールレートセンサ20を有していない。よって、電子制御装置22には、車両24のヨーレートYR及びロールレートRRを示す信号は入力されない。
電子制御装置22は、図15に示されたフローチャートに従って操舵角加速度dωを演算する。第四の実施形態においても、第一及び第二の実施形態におけるステップ20〜160は実行されない。また、ステップ10は、第三の実施形態におけるステップ10と同様に実行され、ステップ10が完了すると、ステップ200が実行される。
ステップ200においては、加速度Gsr及びGsl及び距離Rsに基づいて、下記の式(33)に従ってステアリングホイール12の回転加速度として操舵角加速度dωが演算される。
dω=(Gsr+Gsl)/(2Rs) …(33)
以上の説明から解るように、第一乃至第四の実施形態によれば、操舵角又は演算された値を微分することも2回微分することも不要であり、微分又は2回微分によって誤差が増幅されることはない。よって、微分又は2回微分による悪影響を受けることなく、操舵角加速度を正確に演算することができる。
また、第一乃至第四の実施形態によれば、加速度センサ14L及び14Rは、回転軸線28に垂直な仮想の平面36内にて仮想の直線34に垂直な方向の加速度を検出することができればよいので、1軸式の加速度センサであればよい。よって、高価な2軸式又は3軸式の加速度センサが必須である上記特許文献1に記載された操舵角演算装置に比して、操舵角加速度検出装置10のコストを節減することができる。
特に、第一及び第三の実施形態によれば、加速度センサ14L及び14Rは、ステアリングホイール12の回転軸線28から等距離の位置に設けられ、互いに同一の方向の加速度Gsl及びGsrを検出する。よって、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度は、加速度Gsl及びGsrにそれぞれ互いに同一の誤差成分として含まれる。従って、上記式(3)又は(32)に従って補正後の加速度の差Gsra−Gsla又は加速度の差Gsr−Gslに基づいて操舵角加速度dωを演算する際に、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度の誤差成分を相殺することができる。
同様に、第二及び第四の実施形態によれば、加速度センサ14L及び14Rは、ステアリングホイール12の回転軸線28から等距離の位置に設けられ、互いに逆方向の加速度Gsl及びGsrを検出する。よって、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度は、加速度Gsl及びGsrにそれぞれ互いに大きさが同一で符号が逆の誤差成分として含まれる。従って、上記式(31)又は(33)に従って補正後の加速度の和Gsra+Gsla又は加速度の和Gsr+Gslに基づいて操舵角加速度dωを演算する際に、車両のピッチング、横移動、上下運動に起因する加速度の誤差成分を相殺することができる。
更に、第三及び第四の実施形態によれば、ヨーレートセンサ18及びロールレートセンサ20は不要である。よって、第一及び第二の実施形態の場合に比して、操舵角速度検出装置10の構造を簡略化し、コストを低減し、電子制御装置22の演算負荷を低減することができる。なお、第三及び第四の実施形態においては、操舵角θは操舵角加速度dωの演算に使用されないので、操舵角センサ16は省略されてもよい。
また、穏やかなレーンチェンジが行われる場合のように、運転者の操舵操作が穏やかで、操舵角速度の大きさ及び操舵角加速度の大きさが大きくないときには、車両24のヨーレートYR及びロールレートRRは大きい値にならず、補正後の加速度Gsra及びGslaは加速度Gsl及びGsrと実質的に同一である。従って、運転者の操舵操作が穏やかであるときには、第一及び第二の実施形態の場合と同様に、操舵角加速度dωを正確に演算することができる。
以上においては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上述の第一及び第二の実施形態においては、検出された加速度Gsr及びGslから、車両24がヨー加速度運動することによる誤差成分及び車両24がロール加速度運動することによる誤差成分が減算された値として、補正後の加速度Gsra及びGslaが演算される。しかし、車両24がヨー加速度運動することによる誤差成分及び車両24がロール加速度運動することによる誤差成分の何れか一方の減算が省略されてもよい。
特に、車両24がヨー加速度運動することによる誤差成分の減算が省略される場合には、補正後の加速度Gsra及びGslaは、それぞれ下記の式(34)及び(35)に従って演算される。
Gsra=Gsr−Grcr−Grtr …(34)
Gsla=Gsl−Grcl−Grtl …(35)
同様に、車両24がロール加速度運動することによる誤差成分の減算が省略される場合には、補正後の加速度Gsra及びGslaは、それぞれ下記の式(36)及び(37)に従って演算される。
Gsra=Gsr−Gycr−Gytr …(36)
Gsla=Gsl−Gycl−Gytl …(37)
また、上述の各実施形態においては、操舵操作量としてステアリングホイール12の回転加速度として操舵角加速度dωが演算される。しかし、操舵角加速度dωが積分されることにより、操舵角加速度dω及び操舵角加速度ωが演算されるよう修正されてもよい。
また、上述の各実施形態においては、操舵角加速度検出装置10は左側通行の車両24に適用されている。しかし、本発明の操舵角加速度検出装置は右側通行の車両24に適用されてもよい。なお、その場合には、車両の重心Pgに対するステアリングホイール12及び種々の点の位置関係が仮想の鉛直面40に対し図示の関係とは対称の関係になる。
また、上述の各実施形態においては、加速度センサ14L及び14Rは、交点Oに対し互いに180°隔置された位置に設けられている。しかし、一対の加速度センサは交点Oに対し180°以外の角度にて隔置された位置に設けられてもよい。その場合には、一対の加速度センサの加速度検出方向がなす角度に基づいて一対の加速度センサにより検出された加速度から接線方向の加速度成分が抽出され、抽出された加速度成分に基づいて操舵角加速度ωが演算される。
10…操舵角加速度検出装置、12…ステアリングホイール、14L,14R…加速度センサ、16…操舵角センサ、18…ヨーレートセンサ、20…ロールレートセンサ、22…電子制御装置、24…車両、28…回転軸線

Claims (6)

  1. 回転軸線の周りに回転するステアリングホイールを有する車両の操舵角加速度検出装置において、
    前記回転軸線と直交する仮想の直線上にて前記回転軸線から等距離隔置されて前記ステアリングホイールに設けられ、前記回転軸線に垂直な仮想の平面内にて前記仮想の直線に垂直な方向の加速度を検出する一対の加速度センサと、
    前記一対の加速度センサにより検出された一対の加速度及び前記等距離に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算することにより操舵角加速度を演算する演算装置と、
    を有する車両の操舵角加速度検出装置。
  2. 請求項1に記載の車両の操舵角加速度検出装置において、前記一対の加速度センサは、互いに同一の方向の加速度を検出し、前記演算装置は、前記一対の加速度の差を前記等距離にて除算した値に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算する車両の操舵角加速度検出装置。
  3. 請求項1に記載の車両の操舵角加速度検出装置において、前記一対の加速度センサは、互いに逆方向の加速度を検出し、前記演算装置は、前記一対の加速度の和を前記等距離にて除算した値に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算する車両の操舵角加速度検出装置。
  4. 請求項1に記載の車両の操舵角加速度検出装置において、
    前記操舵角加速度検出装置は、前記ステアリングホイールが搭載された車両の運動状態量として、ヨーレート及びロールレートの少なくとも一方を検出する運動状態量検出センサを有し、
    演算装置は、前記一対の加速度センサにより検出された一対の加速度から、前記運動状態量に起因する加速度の誤差成分を減算することにより、補正後の一対の加速度を演算し、前記補正後の一対の加速度及び前記等距離に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算することにより操舵角加速度を演算する車両の操舵角加速度検出装置。
  5. 請求項4に記載の車両の操舵角加速度検出装置において、前記一対の加速度センサは、互いに同一の方向の加速度を検出し、前記演算装置は、前記補正後の一対の加速度の差を前記等距離にて除算した値に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算する車両の操舵角加速度検出装置。
  6. 請求項5に記載の車両の操舵角加速度検出装置において、前記一対の加速度センサは、互いに逆方向の加速度を検出し、前記演算装置は、前記補正後の一対の加速度の和を前記等距離にて除算した値に基づいて前記ステアリングホイールの回転角加速度を演算する車両の操舵角加速度検出装置。

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