JP6056142B2 - 車両姿勢判定装置 - Google Patents

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本発明は、前輪および後輪を有する車両の姿勢を判定する車両姿勢判定装置に関する。
湾曲した道路を車両が走行するとき、車両はヨー軸を中心に回転する。回転中心となるヨー軸の位置(以下、「ヨー回転中心位置」)は、車両の前後方向に延びる左右中心軸において、横すべり角が「0」となる位置に相当する。一般に、車両姿勢制御装置は、ヨー回転中心位置に応じた車両の姿勢を判定するとともに、その姿勢に適した姿勢制御を実行する。
また、車体の所定位置における横すべり角は、ヨー回転中心位置に関連している。一般に、車両姿勢制御装置は、横すべり角を推定するすべり角推定装置を有し、すべり角推定装置による横すべり角の推定結果に基づいて、車両の姿勢を制御する。すべり角推定装置は、例えば、縦方向および横方向の速度、または舵角と車速とヨーレートと横加速度に基づいて横すべり角を推定する。すべり角推定装置は、光学式の対地速度センサを用いて縦方向および横方向の速度を検出する。また、すべり角推定装置は、舵角センサを用いて舵角を検出し、車速センサを用いて車速を検出し、ヨーレートセンサを用いてヨーレートを検出し、加速度センサを用いて横加速度を検出する。
特許文献1は、車両の回転中心を求める装置を開示している。この装置は、すべり角推定装置に相当し得る横すべり角センサとヨーレートセンサとが接続されたプロセッサを有する。プロセッサは、ヨーレートと横すべり角とに基づいて回転中心を求める。
特表2007−509793号公報
しかし、光学式の対地速度センサにより横すべり角が推定される場合、光が乱反射する道路を車両が走行するときには、縦方向および横方向の速度を正確に検出できないおそれがある。また、ヨーレートセンサや加速度センサ等により横すべり角が推定される場合、非平坦な道路であるカント路を車両が走行するときには、ヨーレートおよび加速度を正確に検出できないおそれがある。よって、従来のすべり角推定装置を用いて車両の姿勢を判定する場合には、路面の状況に起因して車両の姿勢を正確に判定することができないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するため、すべり角推定装置を用いることなく車両の姿勢を判定することができる車両姿勢判定装置を提供することを目的とする。
(1)第1の手段は、請求項1に記載の発明すなわち、前輪および後輪を有する車両の姿勢を判定する車両姿勢判定装置において、前記前輪の車輪速および前記後輪の車輪速を検出する車輪速検出部と、前記車輪速検出部による前記前輪の車輪速および前記後輪の車輪速の検出結果と、前記前輪のスリップ率および前記後輪のスリップ率とに基づいて、走行中の前記車両の姿勢が、ヘッドアウト姿勢およびヘッドイン姿勢のいずれであるかをすべり角推定装置を用いずに判定する姿勢判定部とを備えることを要旨とする。
車両が旋回するとき、車両の姿勢は、車両の前方が旋回外側を向くヘッドアウト姿勢、または、車両の前方が旋回内側を向くヘッドイン姿勢となる。ヘッドアウト姿勢とヘッドイン姿勢とでは、後輪の旋回軌跡の半径と、前輪の旋回軌跡の半径との大小関係が異なる。前輪の旋回軌跡の半径および後輪の旋回軌跡の半径は、前輪の車輪速および後輪の車輪速から把握することができる。
上記発明は、姿勢判定部が、車輪速検出部による前輪の車輪速および後輪の車輪速の検出結果に基づいて、走行中の車両の姿勢が、ヘッドアウト姿勢およびヘッドイン姿勢のいずれであるかを判定する。このため、車輪速を検出することにより車両の姿勢がヘッドアウト姿勢またはヘッドイン姿勢であることを判定することができるため、すべり角推定装置を用いることなく車両の姿勢を判定することができる。
また、上記発明によれば、姿勢判定部は、前輪の車輪速および後輪の車輪速だけでなく、前輪のスリップ率および後輪のスリップ率も加味して車両の姿勢を判定するため、車両の姿勢がヘッドアウト姿勢およびヘッドイン姿勢のいずれであるかを正確に判定することができる。
(2)第2の手段は、請求項2に記載の発明すなわち、請求項1に記載の車両姿勢判定装置において、前記車輪速検出部として、前記前輪の車輪速を検出する前輪用車輪速センサと、前記後輪の車輪速を検出する後輪用車輪速センサとを備えることを要旨とする。
(3)第3の手段は、請求項3に記載の発明すなわち、請求項2に記載の車両姿勢判定装置において、前記前輪用車輪速センサは、前記前輪の車輪速として、左前輪の車輪速および右前輪の車輪速を検出し、前記後輪用車輪速センサは、前記後輪の車輪速として、左後輪の車輪速および右後輪の車輪速を検出し、前記姿勢判定部は、前記前輪用車輪速センサによる前記左前輪の車輪速および前記右前輪の車輪速の検出結果と、前記後輪用車輪速センサによる前記左後輪の車輪速および前記右後輪の車輪速の検出結果とに基づいて、走行中の前記車両の姿勢が、前記ヘッドアウト姿勢および前記ヘッドイン姿勢のいずれであるかを判定することを要旨とする。
上記発明によれば、左前輪、右前輪、左後輪、および右後輪を有する車両の姿勢が、ヘッドアウト姿勢またはヘッドイン姿勢であることの判定について、判定の信頼性を向上することができる。
本発明は、すべり角推定装置を用いることなく車両の姿勢を判定することができる車両姿勢判定装置を提供する。
本発明の一実施形態の車両姿勢判定装置について、同車両姿勢判定装置を備える車両の全体構成を模式的に示す構成図。 同実施形態の車両姿勢判定装置が行う車両姿勢判定処理について、その手順を示すフローチャート。 同実施形態の車両姿勢判定装置について、ニュートラル姿勢と判定される車両姿勢を示す模式図。 同実施形態の車両姿勢判定装置について、ヘッドアウト姿勢と判定される車両姿勢を示す模式図。 同実施形態の車両姿勢判定装置について、ヘッドイン姿勢と判定される車両姿勢を示す模式図。
図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、図中の矢印Xは、車両1の前方および後方を含む前後方向を示す。また、図中の矢印Yは、車両1の左方および右方を含む左右方向を示す。前後方向と左右方向は互いに直交する直線方向である。前後方向および左右方向に直交する直線方向を、上方および下方を含む上下方向とする。前後方向、左右方向、および上下方向は、車両1に固定された座標系の方向を示している。
図1に、車体2と車輪3と車両姿勢制御装置4とを有する車両1の全体構成を示す。なお、車両姿勢制御装置4は「車両姿勢判定装置」に相当する。車両姿勢制御装置4は、車両1の姿勢を判定して、その判定結果に基づいて車両1の姿勢を制御する。
前側の車輪3である前輪31,32は、前側の車軸Aである前軸AFを回転中心軸として回転する。左前輪31は、車体2の左前側部位に位置する。右前輪32は、車体2の右前側部位に位置する。
後側の車輪3である後輪33,34は、後側の車軸Aである後軸ARを回転中心軸として回転する。左後輪33は、車体2の左後側部位に位置する。右後輪34は、車体2の右後側部位に位置する。
ステアリング装置12は、前輪31,32と、前輪31,32の舵角を制御するための操舵ハンドル11とを接続する。前輪31,32の舵角は、操舵ハンドル11が操作されることによって変化する。
車両姿勢制御装置4は、車輪速センサ41〜44と、加速度センサ45と、ヨーレートセンサ46と、舵角センサ47と、メモリ48と、演算装置49と、前輪制御装置6と、後輪制御装置7とを有する。なお、車輪速センサ41〜44は「車輪速検出部」に相当する。また、演算装置49は「姿勢判定部」に相当する。
車輪速センサ41は、左前輪31の車輪速を検出する。車輪速センサ42は、右前輪32の車輪速を検出する。車輪速センサ43は、左後輪33の車輪速を検出する。車輪速センサ44は、右後輪34の車輪速を検出する。車輪速センサ41,42は「前輪用車輪速センサ」に相当する。また、車輪速センサ43,44は「後輪用車輪速センサ」に相当する。
加速度センサ45は、前後方向および左右方向および上下方向の加速度を検出する。
ヨーレートセンサ46は、上下方向に平行な軸回り、すなわちヨー軸回りの車両1の回転の角速度であるヨーレートを検出する。
舵角センサ47は、前輪31,32の舵角を検出する。舵角センサ47により検出される舵角は、前輪31,32の実舵角であって、操舵ハンドル11の操舵角とは異なる。
メモリ48は、演算装置49が実行するプログラムと、同プログラムに用いる情報を記憶する。
演算装置49は、ECU(Electronic Control Unit)により構成される集積回路である。演算装置49は、メモリ48に記憶されているプログラムに基づいて車両姿勢判定処理および車両姿勢制御処理を実行する。
車両姿勢判定処理において、演算装置49は、加速度センサ45の出力から、前輪31,32のスリップ率および後輪33,34のスリップ率を算出する。また、演算装置49は、算出した前輪31,32のスリップ率および後輪33,34のスリップ率と、車輪速センサ41〜44による前輪31,32の車輪速の検出結果および後輪33,34の車輪速の検出結果とに基づいて、車両1の姿勢がヘッドアウト姿勢およびヘッドイン姿勢のいずれであるかを判定する。ヘッドアウト姿勢は、旋回中の車両1の前方が旋回外側を向く姿勢であって、車両1のヨー回転中心位置が所定の基準位置よりも後方に位置する姿勢である。また、ヘッドイン姿勢は、旋回中の車両1の前方が旋回内側を向く姿勢であって、車両1のヨー回転中心位置が所定の基準位置よりも前方に位置する姿勢である。
また、車両姿勢制御処理において、演算装置49は、車両1の姿勢の判定結果に基づいて、前輪31,32または後輪33,34を制御する制御量を算出して、この制御量に基づいて前輪制御装置6および後輪制御装置7を制御する。例えば、車両1の姿勢がヘッドアウト姿勢であると判定したとき、演算装置49は、ヘッドアウト姿勢を解消するために後輪33,34を制御する制御量を算出して、後輪制御装置7を制御する。また、例えば、車両1の姿勢がヘッドイン姿勢であると判定したとき、演算装置49は、ヘッドイン姿勢を解消するために前輪31,32を制御する制御量を算出して、前輪制御装置6を制御する。
前輪制御装置6は、操舵ハンドル11の舵角と連動せずに前輪31,32の舵角を制御することが可能なアクティブステアリング装置である。前輪制御装置6は、前輪31,32を制御して車両1の姿勢を制御する。ヘッドイン姿勢はヘッドアウト姿勢に比べてヨー回転中心位置が車両1の前方に位置するため、前輪31,32の横すべり角は、後輪33,34の横すべり角よりも小さく、前輪31,32は後輪33,34に比べて路面をグリップしている。よって、前輪制御装置6は、ヘッドイン姿勢を解消するときに、すなわち車両1の姿勢をヘッドイン姿勢からニュートラル姿勢またはヘッドアウト姿勢に変化させるときに、車両1の姿勢を効果的に制御する。
後輪制御装置7は、駆動輪である後輪33,34について、左後輪33の駆動力と右後輪34の駆動力の配分比率を調整することが可能な左右駆動力配分装置である。後輪制御装置7は、後輪33,34を制御して車両1の姿勢を制御する。ヘッドアウト姿勢はヘッドイン姿勢に比べてヨー回転中心位置が車両1の後方に位置するため、後輪33,34の横すべり角は、前輪31,32の横すべり角よりも小さく、後輪33,34は前輪31,32に比べて路面をグリップしている。よって、後輪制御装置7は、ヘッドアウト姿勢を解消するときときに、すなわち車両1の姿勢をヘッドアウト姿勢からニュートラル姿勢またはヘッドイン姿勢に変化させるときに、車両1の姿勢を効果的に制御する。
図2を参照して、車両姿勢判定処理について説明する。図2に示す一連の処理は、演算装置49が行う。
ステップS1では、ヨーレートセンサ46を用いて旋回しながら走行している車両1のヨーレートを検出する。
ステップS2では、ステップS1で検出したヨーレートに基づいて、旋回中の車両1の外輪および内輪を判定する。すなわち、演算装置49は、ヨーレートセンサ46によるヨーレートの検出結果に基づいて、車両1の旋回方向を検出する。そして、演算装置49は、車両1が左方に旋回していることを検出したときには、左前輪31および左後輪33を内輪として判定するとともに、右前輪32および右後輪34を輪として判定する。また、演算装置49は、車両1が右方に旋回していることを検出したときには、右前輪32および右後輪34を内輪として判断するとともに、左前輪31および左後輪33を外輪として判定する。
ステップS3では、車輪速センサ41〜44を用いて、左前輪31、右前輪32、左後輪33、および右後輪34のそれぞれの車輪速を検出する。
ステップS4では、加速度センサ45を用いて、走行中の車両1の加速度を検出する。
ステップS5では、ステップS3で検出した車輪速と、ステップS4で検出した加速度とに基づいて、左前輪31、右前輪32、左後輪33、および右後輪34のそれぞれのスリップ率を算出する。スリップ率((V−Vr)/V)は、車両1の走行速度である車速(V)に対する車速と車輪速(Vr)の差(V−Vr)の割合を示す。
ステップS6では、ステップS4で検出した車輪速と、ステップS5で算出したスリップ率とに基づいて、車両1の姿勢がヘッドアウト姿勢またはヘッドイン姿勢であることを判定する。具体的には、下記数式(1)が成立するとき、車両1の姿勢がヘッドアウト姿勢であると判定する。一方、下記数式(2)が成立するとき、車両1の姿勢がヘッドイン姿勢であると判定する。また、下記数式(1)および(2)が成立せずに、下記数式(3)が成立するとき、車両1の姿勢がニュートラル姿勢であると判定する。なお、以下の数式において、前輪31,32のうち内輪の車輪速を「Vfi」とし、前輪31,32のうち外輪の車輪速を「Vfo」とし、後輪33,34のうち内輪の車輪速を「Vri」とし、後輪33,34のうち外輪の車輪速を「Vro」としている。さらに、前輪31,32のうち内輪のスリップ率を「αfi」とし、前輪31,32のうち外輪のスリップ率を「αfo」とし、後輪33,34のうち内輪のスリップ率を「αri」とし、後輪33,34のうち外輪のスリップ率を「αro」としている。
上記数式(1)〜(3)の成立は、「{(1−αfi)・Vfi+(1−αfo)・Vfo}」と「(1−αri)・Vri+(1−αro)・Vro}」との大小関係、すなわち、「{(1−αfi)・Vfi+(1−αfo)・Vfo}」の大きさと「(1−αri)・Vri+(1−αro)・Vro}」の大きさの差に依存している。
図3を参照して、上記数式(3)が成立するときの車両1のニュートラル姿勢について説明する。図3は、車両1の姿勢の左前輪31および左後輪33を内輪とし、右前輪32および右後輪34を外輪として、かつ、図中の点Pを中心として定常円旋回を行っているときの車両1の姿勢を示している。
図3中の点Sは、車両1の重心と一致しているヨー回転中心位置を示している。また、図3中の二点鎖線は、車両1の左右中心軸Cと前軸AFとの交点の軌跡、および、車両1の左右中心軸Cと後軸ARとの交点の軌跡を示している。すなわち、ニュートラル姿勢においては、左前輪31の旋回軌跡の半径と左後輪33の旋回軌跡の半径とが同じであって、かつ右前輪32の旋回軌跡の半径と右後輪34の旋回軌跡の半径とが同じである。
ニュートラル姿勢に対して、車両1の前方が旋回外側を向く姿勢が図4のヘッドアウト姿勢である。また、ニュートラル姿勢に対して、車両1の前方が旋回内側を向く姿勢が図5のヘッドイン姿勢である。
図4および図5を参照して、上記数式(1)および(2)の導出について説明する。図4および図5は、車両1の姿勢の左前輪31および左後輪33を内輪とし、右前輪32および右後輪34を外輪として、かつ、図中の点Pを中心として定常円旋回を行っているときの車両1の姿勢を示している。
図4中の点Soは、図3のヨー回転中心位置に比べて、車両1の後方に位置するヨー回転中心位置を示している。また、図5中の点Siは、図3のヨー回転中心位置に比べて、車両1の前方に位置するヨー回転中心位置を示している。また、図4中および図5中の二点鎖線Cfは、車両1の左右中心軸Cと前軸AFとの交点の軌跡を示し、図4中および図5中の二点鎖線Crは、車両1の左右中心軸Cと後軸ARとの交点の軌跡を示している。
図4は、ヨー回転中心位置が車両1の重心よりも車両1の後方に位置するヘッドアウト姿勢であるときの車両1の姿勢を示している。車両1の姿勢がヘッドアウト姿勢のとき、左前輪31の旋回軌跡の半径は左後輪33の旋回軌跡の半径よりも大きく、右前輪32の旋回軌跡の半径は右後輪34の旋回軌跡の半径よりも大きい。したがって、車両1の左右中心軸Cと前軸AFとの交点の旋回半径Rfは、車両1の左右中心軸Cと後軸ARとの交点の旋回半径Rrに比べて大きい。
旋回半径Rfを「Rf」とし、左前輪31の旋回半径を「R1」とし、右前輪32の旋回半径を「R2」としたとき、「Rf=R1+(R2−R1)/2=(R1+R2)/2」の数式が成立する。また、旋回半径Rrを「Rr」とし、左前輪31の旋回半径を「R3」とし、右前輪32の旋回半径を「R4」としたとき、「Rr=R3+(R4−R3)/2=(R3+R4)/2」の数式が成立する。したがって、旋回半径Rfが旋回半径Rrに比べて大きいときは、「{(R1+R2)/2}−{(R3+R4)/2}>0」の数式が成立する。
下記数式(a)は、左前輪31が路面を捉えて進む単位時間当たりの距離(D1)を表している。また、下記数式(b)は、右前輪32が路面を捉えて進む単位時間当たりの距離(D2)を示している。また、下記数式(c)は、左後輪33が路面を捉えて進む単位時間当たりの距離(D3)を表している。また、下記数式(d)は、右後輪34が路面を捉えて進む単位時間当たりの距離(D4)を示している。以下の数式において、左前輪31の車輪速を「V1」とし、右前輪32の車輪速を「V2」とし、左後輪33の車輪速を「V3」とし、右後輪34の車輪速を「V4」としている。また、左前輪31のスリップ率を「α1」とし、右前輪32のスリップ率を「α2」とし、左後輪33のスリップ率を「α3」とし、右後輪34のスリップ率を「α4」としている。
(a)D1=V1・(1−α1
(b)D2=V2・(1−α2
(c)D3=V3・(1−α3
(d)D4=V4・(1−α4
前輪31,32および後輪33,34が単位時間当たりに進む距離D1〜D4は、点P回りを回転する前輪31,32および後輪33,34の速度に相当する。また、定常円旋回を行う車両1において、点P回りを回転する前輪31,32および後輪33,34の角速度は同じである。
点P回りを回転する前輪31,32および後輪33,34の角速度を「ω」としたとき、下記数式(A)〜(D)が成立する。
(A)D1=R1・ω
(B)D2=R2・ω
(C)D3=R3・ω
(D)D4=R4・ω
「{(R1+R2)/2}−{(R3+R4)/2}>0」に上記数式(A)〜(D)および(a)〜()を代入することにより、上記数式(1)が得られる。したがって、上記数式(1)が成立するとき、車両1の姿勢は図4に示すヘッドアウト姿勢である。
一方、図5は、ヨー回転中心位置が車両1の重心よりも車両1の前方に位置するヘッドイン姿勢であるときの車両1の姿勢を示している。車両1の姿勢がヘッドイン姿勢のとき、左前輪31の旋回軌跡の半径は左後輪33の旋回軌跡の半径よりも小さく、右前輪32の旋回軌跡の半径は右後輪34の旋回軌跡の半径よりも小さい。したがって、車両1の左右中心軸Cと後軸ARとの交点の旋回半径Rrは、車両1の左右中心軸Cと前軸AFとの交点の旋回半径Rfに比べて大きい。
左前輪31の旋回半径を「R1」とし、右前輪32の旋回半径を「R2」とし、左前輪31の旋回半径を「R3」とし、右前輪32の旋回半径を「R4」としたとき、旋回半径Rrが旋回半径Rfに比べて大きいときは、「{(R1+R2)/2}−{(R3+R4)/2}<0」の数式が成立する。
「{(R1+R2)/2}−{(R3+R4)/2}<0」に上記数式(A)〜(D)および(a)〜()を代入することにより、上記数式(2)が得られる。したがって、上記数式(2)が成立するとき、車両1の姿勢は図5に示すヘッドイン姿勢である。
車両姿勢制御装置4の動作について説明する。
車両姿勢制御装置4は、前輪31,32および後輪33,34の車輪速に基づいて車両1の姿勢を判定する。そして、車両姿勢制御装置4は、車両1の姿勢の判定結果に基づいて、前輪制御装置6および後輪制御装置7の少なくとも一方を用いて、車両1の姿勢を制御する。
(実施形態の効果)
本実施形態の車両姿勢制御装置4は、以下の効果を奏する。
(1)車両姿勢制御装置4は、前輪31,32の車輪速および後輪33,34の車輪速を検出する車輪速センサ41〜44と、車輪速センサ41〜44による前輪31,32および後輪33,34の車輪速の検出結果に基づいて、走行中の車両1の姿勢が、ヘッドアウト姿勢およびヘッドイン姿勢のいずれであるかを判定する演算装置49とを備える。前輪31,32の車輪速および後輪33,34の車輪速から、前輪31,32の旋回軌跡の半径および後輪33,34の旋回軌跡の半径の大小関係を推定することができる。このため、車輪速を検出することにより車両1の姿勢がヘッドアウト姿勢またはヘッドイン姿勢であることを判定することができるため、従来のすべり角推定装置を用いることなく車両1の姿勢を判定することができる。
(2)演算装置49は、車輪速センサ41,42による左前輪31の車輪速および右前輪32の車輪速の検出結果と、車輪速センサ43,44による左後輪33の車輪速および右後輪34の車輪速の検出結果とに基づいて、走行中の車両1の姿勢が、ヘッドアウト姿勢およびヘッドイン姿勢のいずれであるかを判定する。このため、左前輪31、右前輪32、左後輪33、および右後輪34を有する車両1の姿勢が、ヘッドアウト姿勢またはヘッドイン姿勢であることの判定について、判定の信頼性を向上することができる。
(3)演算装置49は、車輪速センサ41〜44による前輪31,32の車輪速および後輪33,34の車輪速の検出結果と、前輪31,32のスリップ率および後輪33,34のスリップ率とに基づいて、走行中の車両1の姿勢が、ヘッドアウト姿勢およびヘッドイン姿勢のいずれであるかを判定する。このため、車両1の姿勢がヘッドアウト姿勢およびヘッドイン姿勢のいずれであるかを正確に判定することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施態様以外の実施形態を含む。以下、本発明のその他の実施形態としての上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
・上記実施形態(図1)の演算装置49は、ステップS5で、車輪速センサ41〜44の出力と車両1に設けられた加速度センサ45の出力から、前輪31,32のスリップ率および後輪33,34のスリップ率を算出する。一方、変形例においては、演算装置49が、GPS(Global Positioning System)を用いて、前輪31,32のスリップ率および後輪33,34のスリップ率を算出する。この場合、演算装置49は、車輪速センサ41〜44の出力と、GPSを用いて取得する車両1の速度とに基づいて、前輪31,32のスリップ率および後輪33,34のスリップ率を算出する。このように、演算装置49は、加速度センサ45を用いずに、前輪31,32のスリップ率および後輪33,34のスリップ率を算出することもできる。
・上記実施形態(図1)の演算装置49は、ステップS4で加速度を検出し、ステップS5でスリップ率を算出し、ステップS6でスリップ率に基づいて車両1の姿勢を判定している。一方、変形例においては、演算装置49は、スリップ率を算出せずに、下記数式(4)が成立するとき、車両1の姿勢がヘッドアウト姿勢であると判定し、下記数式(5)が成立するとき、車両1の姿勢がヘッドイン姿勢であると判定する。また、下記数式(6)が成立するとき、車両1の姿勢がニュートラル姿勢であると判定する。
前輪31,32および後輪33,34の全てが路面を十分にグリップしているときには、演算装置49は、上記数式(4)〜(6)の成立に基づいて、前輪31,32のスリップ率および後輪33,34のスリップ率に基づかないで車両1の姿勢を適切に判定することもできる。
・上記実施形態(図1)の演算装置49は、車輪速センサ41,42による左前輪31の車輪速および右前輪32の車輪速の検出結果と、車輪速センサ43,44による左後輪33の車輪速および右後輪34の車輪速の検出結果とに基づいて、車両1の姿勢を判定する。一方、変形例においては、演算装置49は、左前輪31および左後輪33の車輪速の検出結果、または右前輪32と右後輪34の車輪速の検出結果に基づいて、車両1の姿勢を判定する。すなわち、演算装置49は、4つの車輪速センサ41〜44を用いずに車両1の姿勢を判定することもでき、本発明は4つの車輪3を有する車両以外の他の車両にも適用可能である。
・上記実施形態(図1)の演算装置49は、ステップS2で、ヨーレートセンサ46によるヨーレートの検出結果に基づいて、旋回中の車両1の外輪および内輪を判定する。一方、変形例においては、演算装置49が、舵角センサ47による舵角の検出結果に基づいて、車両1の旋回方向を検出し、旋回中の車両1の外輪および内輪を判定する。このようにヨーレートセンサ46を用いずに、車両1の外輪および内輪を判定することもできる。
・上記実施形態(図1)の前輪制御装置6は、アクティブステアリング装置である。一方、変形例において、前輪制御装置6は、独立駆動装置または左右駆動力配分装置である。すなわち、前輪制御装置6は、前輪31,32の舵角を制御する差動機構装置またはステアバイワイヤ装置等のアクティブステアリング装置に限定されない。
・上記実施形態(図1)の後輪制御装置7は、左右駆動力配分装置である。一方、変形例において、後輪制御装置7は、独立駆動装置、または後輪33,34の舵角を制御することが可能な後輪ステアリング装置である。すなわち、後輪制御装置7は、後輪33,34の駆動力の比率を制御する駆動力配分装置に限定されない。
・上記実施形態(図1)の車両姿勢制御装置4は、車両姿勢判定装置に相当する。一方、変形例において、車両姿勢判定装置は、車両姿勢制御装置4と異なる演算装置により抗される。すなわち、車両姿勢判定装置は、車両1の姿勢を制御する装置に限定されない。
1…車両、2…車体、3…車輪、4…車両姿勢制御装置(車両姿勢判定装置)、6…前輪制御装置、7…後輪制御装置、11…操舵ハンドル、12…ステアリング装置、31…左前輪(前輪)、32…右前輪(前輪)、33…左後輪(後輪)、34…右後輪(後輪)、41,42…車輪速センサ(車輪速検出部、前輪用車輪速センサ)、43,44…車輪速センサ(車輪速検出部、後輪用車輪速センサ)、45…加速度センサ、46…ヨーレートセンサ、47…舵角センサ、48…メモリ、49…演算装置(姿勢判定部)、A…車軸、AF…前軸、AR…後軸。

Claims (3)

  1. 前輪および後輪を有する車両の姿勢を判定する車両姿勢判定装置において、
    前記前輪の車輪速および前記後輪の車輪速を検出する車輪速検出部と、
    前記車輪速検出部による前記前輪の車輪速および前記後輪の車輪速の検出結果と、前記前輪のスリップ率および前記後輪のスリップ率とに基づいて、走行中の前記車両の姿勢が、ヘッドアウト姿勢およびヘッドイン姿勢のいずれであるかをすべり角推定装置を用いずに判定する姿勢判定部とを備える
    ことを特徴とする車両姿勢判定装置。
  2. 請求項1に記載の車両姿勢判定装置において、
    前記車輪速検出部として、前記前輪の車輪速を検出する前輪用車輪速センサと、前記後輪の車輪速を検出する後輪用車輪速センサとを備える
    ことを特徴とする車両姿勢判定装置。
  3. 請求項2に記載の車両姿勢判定装置において、
    前記前輪用車輪速センサは、前記前輪の車輪速として、左前輪の車輪速および右前輪の車輪速を検出し、
    前記後輪用車輪速センサは、前記後輪の車輪速として、左後輪の車輪速および右後輪の車輪速を検出し、
    前記姿勢判定部は、前記前輪用車輪速センサによる前記左前輪の車輪速および前記右前輪の車輪速の検出結果と、前記後輪用車輪速センサによる前記左後輪の車輪速および前記右後輪の車輪速の検出結果とに基づいて、走行中の前記車両の姿勢が、前記ヘッドアウト姿勢および前記ヘッドイン姿勢のいずれであるかを判定する
    ことを特徴とする車両姿勢判定装置。
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