JP2017116017A - 真空断熱材 - Google Patents

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良 岩室
Makoto Iwamuro
良 岩室
誠 小田原
Makoto Odawara
誠 小田原
永山 健一
Kenichi Nagayama
健一 永山
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Abstract

【課題】有機繊維を用いて断熱性を向上させた真空断熱材を実現できるようにする。【解決手段】真空断熱材は、固有熱伝導率が0.2W/mK以下の樹脂からなる繊維の集合体である不織布により構成された芯材111と、芯材111を内包し、内部が減圧された外装材112とを備えている。芯材111は、減圧状態において、Z/φ≦0.035という条件を満たす。但し、Zは、繊維の伝熱方向の配向率であり、φは繊維の直径(μm)である。【選択図】図1

Description

本開示は真空断熱材に関し、特に有機繊維からなる芯材を有する真空断熱材に関する。
近年、省エネルギーを推進する動きが活発化し、家電製品や設備機器において使用する真空断熱材の断熱効果の向上が求められている。真空断熱材とは、微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外装材で覆い、外装材の内部を減圧密封したものである。真空断熱材の芯材としては、シリカ等の粉末、ウレタン等の発泡体、ガラス繊維等からなる不織布などが用いられる。現在は、断熱性能に優れるガラス繊維からなる不織布が芯材の主流である。しかし、ガラス繊維は硬くて脆いため、真空断熱材の製造時に粉塵が飛び散りやすく、作業者の健康に悪影響を及ぼすおそれがある。また、減圧密封した後の変形性が悪く、曲面を有する対象と十分に密着させることができないという問題もある。さらに、真空断熱材はサーマルリサイクルされることが一般的であるが、ガラス繊維からなる芯材は、燃焼効率を落とす原因となると共に、残渣となるためリサイクル性に劣るという問題もある。
これらの問題を解決することを目的として、有機繊維からなる芯材が検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。有機繊維は、ガラス繊維と比べて柔らかいため、減圧密封した際に繊維がたわみやすい。このため、伝熱方向と一致する方向に繊維が配向してしまうおそれがある。伝熱方向と一致する方向に配向した繊維が増えると、伝熱方向の熱抵抗が小さくなり真空断熱材の断熱性が低下する。また、繊維がたわむと積層された繊維同士が接触し、伝熱経路が短絡することによる熱抵抗の低下も生じる。このため、真空断熱材の断熱性を向上させるために、減圧密封した後の繊維のたわみについての考慮が求められる。例えば、長繊維を用いると共に、一枚の芯材の厚さを薄くすることにより、伝熱方向への繊維の配向を抑え、断熱性を向上させることが検討されている(例えば、特許文献2を参照。)。また、繊維径及び繊維長が異なる複数種類の繊維を組み合わせることにより、断熱性を向上させることが検討されている(例えば、特許文献3を参照。)。
特開2006−153199号公報 国際公開第2010/073762号パンフレット 特開2010−7683号公報
しかしながら、従来の真空断熱材においては、繊維長と芯材の厚さとが断熱性に及ぼす影響について検討しているだけである。繊維の配向及び繊維の径と、熱伝導性との関係について定量的な議論はなされていない。本願発明者らは、繊維の径と配向率とが熱伝導性に影響し、これらを最適化することにより、真空断熱材の熱伝導性を向上できることを見出した。
本開示の課題は、本願発明者らが見出した知見に基づき、断熱性を向上させた真空断熱材を実現できるようにすることである。
本開示の真空断熱材の一態様は、固有熱伝導率が0.2W/mK以下の樹脂からなる繊維の集合体である不織布により構成された芯材と、芯材を内包し、内部が減圧された外装材とを備え、芯材は、減圧状態においてZ/φ≦0.035の条件を満たす。但し、Zは、繊維の伝熱方向の配向率であり、φは繊維の直径(μm)である。
真空断熱材の一態様において、繊維は、ポリエチレンテレフタレートとすることができる。
真空断熱材の一態様において、減圧していない状態において、芯材を構成する不織布の厚さは、20μm以上、100μm以下とすることができる。
真空断熱材の一態様において、減圧していない状態において、芯材を構成する不織布の目付は、5g/m2以上、20g/m2以下とすることができる。
真空断熱材の一態様において、芯材を構成する不織布の引張強度は、0.05N/15mm以上とすることができる。
真空断熱材の一態様において、芯材は、異径断面を有する繊維を含むようにすることができる。
真空断熱材の一態様は、外装材内に封入されたガス吸着材をさらに備えているようにすることができる。
本開示の真空断熱材によれば、有機繊維を用いて断熱性を大きく向上させることができる。
一実施形態に係る真空断熱材を示す断面図である。 不織布中の繊維のモデルを示す断面図である。 Z/φと熱伝導率との関係を示すグラフである。
図1に示すように、本実施形態の真空断熱材は、固有熱伝導率が0.2W/mK以下の樹脂からなる繊維の集合体である不織布により構成された芯材111と、芯材111を両面から挟むように内包し、内部が減圧された外装材112とを備えている。芯材111は、減圧状態において以下の式1の条件を満たす。
Z/φ≦0.035 ・・・(1)
但し、Zは、繊維の伝熱方向の配向率であり、φは繊維の直径(μm)である。
図2に示すような、交差積層された繊維の集合体である不織布のモデルを考えると、減圧密封後、繊維のたわみ量δが大きくなると、伝熱方向の配向率Zも大きくなり、積層された繊維同士の接触が生じる。これにより、伝熱経路に短絡が生じ、熱抵抗が低下する。
繊維のたわみ量δは、δ=WL3/48EIにより表すことができる。ここでWは荷重、Lは支点間距離、Eはヤング率、Iは断面二次モーメントである。このため、同じ素材からなる繊維で、支点間距離が等しい場合、たわみ量δは断面二次モーメントIが大きいほど小さくなる。断面が円形の繊維の場合、断面二次モーメントは繊維の直径φの4乗に比例する。従って、直径φが大きい程たわみ量δ及び伝熱方向の配向率Zが小さくなり、熱抵抗を大きくできると考えられる。また、直径φが大きいほど積層された繊維間の間隔が大きくなるため、繊維同士の接触が生じにくくなり、熱抵抗を大きくできると考えられる。
このため、固体伝導及び気体伝導の両方を生じにくくする観点から、伝熱方向の配向率Z/繊維の直径φが0.035以下、好ましくは0.033以下、より好ましくは0.030以下、さらに好ましくは0.025以下、さらにより好ましくは0.020以下とする。Z/φの理論的な下限値は0であるが、不織布の製造の観点からは0.005以上が好ましく、0.010以上がより好ましい。なお、伝熱方向の配向率Z及び繊維の直径φは、実施例において示すような方法により測定することができる。
繊維の直径φは、Z/φが所定の範囲となれば特に限定されないが、繊維の入手のし易さの観点から3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、8μm以上がさらに好ましい。また、繊維間の空間距離の増加による気体伝導の増大を抑える観点から20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、12μm以下がさらに好ましい。
繊維の長さは、特に限定されないが、抄造法により不織布を作成できる短繊維が好ましい。具体的には平均繊維長が3mm〜10mm程度であることが好ましい。短繊維を使用した抄造法による不織布を用いることにより、スパンボンド法等により形成した不織布を用いる場合よりも、真空パックした後の真空断熱材の表面性が良好となる。また、折り曲げ性も良好となる。
繊維の断面形状は、特に限定されず、例えば円形状とすることができる。また、Y字状、三角形状、十字形状、中空形状等の異形状とすることもできる。異形断面を有する繊維は、断面が円形状の繊維よりも断面二次モーメントを大きくし易いため好ましい。断面形状が異なる複数種類の繊維を混合して用いることもできる。なお、異形状断面を有する繊維の場合、直径φは断面積が同等の円形換算とする。
繊維は、固有熱伝導率が0.2W/mK以下の樹脂からなるものであれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル及びポリプロピレン等を用いることができる。なお、固有熱伝導率とは、空間を含まず、かつ単独で構成される材料の熱伝導率である。
不織布からなる芯材の製造方法は特に限定されないが、長さが数mmの短繊維を用いる場合には抄造法を用いることができる。繊維同士の機械的な絡み合いのみからなる不織布とすることができるが、熱接着するバインダ繊維を混合して繊維間を結合させることもできる。ポリエステル繊維からなる不織布の場合にはバインダ繊維もポリエステル繊維とすることが好ましい。不織布の製造方法は、湿式の抄造法に変えて乾式で製造することもできる。
芯材を構成する不織布の厚さは、特に限定されないが、取り扱い性等の観点から、真空状態とする前の厚さを20μm以上とすることが好ましく、22μm以上とすることがより好ましい。また、100μm以下とすることが好ましく、51μm以下とすることがより好ましい。
芯材を構成する不織布の目付は、特に限定されないが、Z/φを小さくする観点から、20g/m2以下が好ましく、16g/m2以下がより好ましい。また、生産性の観点から、5g/m2以上が好ましく、8g/m2以上がより好ましい。
芯材を構成する不織布の引張強度は、特に限定されず、高い方が好ましく、製造時の巻き取り工程を考慮すると、0.05N/15mm以上が好ましく、0.1N/15mm以上がより好ましい。
外装材は、熱可塑性樹脂や金属箔やプラスチックフィルム等をラミネート加工することでバリア性を付与したものであり、芯材を空気や水分から隔離する役割を果たす。ガスバリア性を有し、気体侵入を抑止可能な種々の材料及び複合材料を外装材として利用できる。例えば、熱融着層と、ガスバリア層と、表面保護層とがドライラミネート等により貼り合わされて積層されたフィルムを用いることができる。
熱融着層には、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリロニトリル等の熱可塑性樹脂等の、ヒートシール可能なフィルムを用いることができる。
ガスバリア層には、例えば、アルミニウム箔又は銅箔等の金属箔や、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はエチレン−ビニルアルコール共重合体にアルミニウム若しくは銅等の金属原子又はアルミナ若しくはシリカ等の金属酸化物を蒸着したフィルム等を用いることができる。
表面保護層には、例えば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリスチレン(PS)などのポリオレフィン、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、又はポリアクリルニトリル樹脂(PAN)等を用いることができる。
外装材の厚さは、特に制限されないが、1μm〜100μm程度とすることができる。このような厚さとすることにより、ガスバリア性及び加工性に優れた外装材とすることができる。また、ヒートブリッジをより有効に抑制・防止することもできる。
2枚の外装材の周囲の3方をヒートシール等により封止して、袋状にし、この内部に芯材を収容した後、内部を減圧して開口部を封止することにより真空断熱材とすることができる。外装材が、ラミネートフィルムである例を示したが、例えば、金属容器やガラス容器、樹脂と金属の積層されたガスバリア容器等とすることもできる。
外装材の内部には、芯材と共にガス吸着材を収容することが好ましい。ガス吸着材は、例えば酸化カルシウム又はゼオライト等の水分の吸着材とすることができる。また、窒素、酸素又は水素等の吸着材を併用することもできる。ガス吸着材は、粉末状とすることも、圧縮成形されたペレット状等とすることもできる。粉末状の場合、不織布からなる袋等に収容して用いることもできる。
以下に、実施例を用いて本開示の真空断熱材をさらに詳しく説明する。以下の実施例は、例示のためのものであり、本発明を何ら限定しない。
−繊維配向率の測定−
繊維の伝熱方向の配向率Zは、真空状態における芯材の断面を観察することにより測定することができる。大気圧で圧縮された状態の芯材の断面を撮影した画像を3次元再構成し、star length distribution法により処理して繊維配向を定量化した。画像の処理は、ソフトウエア(例えば、MATH2MARKET社製のGeoDict等)により行うことができる。繊維配向は、配向テンソルに基づき定量化した。繊維の整列主方向の固有ベクトル(3行1列の行列)とその方向に整列している繊維の統計的な比率である固有値(3行3列の対角行列)を合成したものが配向テンソルであり、その対角成分(11成分=X軸,22成分=Y軸,33成分=Z軸)が繊維の主な配向方向を示す。繊維の配向率Zとは、配向テンソルの繊維の主な配向方向のうち、伝熱方向(厚み方向、33成分=Z軸)に注目したものであり、圧縮による繊維のたわみを表す指標とすることができる。なお、定量化の際、外装材の表面をXY平面のベースラインとした。
−繊維径の測定−
繊維の直径φは、不織布を製造する前の原料の短繊維を光学顕微鏡により観察して求めた。繊維20本を観察し、その直径の平均値を平均繊維径として用いた。
−繊維長の測定−
繊維長は、不織布を製造する前の原料の短繊維を光学顕微鏡により観察して求めた。繊維20本を観察し、その繊維長の平均値を用いた。
−熱伝導率の測定−
真空断熱材の熱伝導率は、ヒートフローメータ(HFM436、ネッチ社製)により測定した。
−表面性及び加工性の評価−
表面性及び加工性は、以下の方法により評価した。
・表面性
真空断熱材の厚さをランダムに10か所測定し、最大と最小の厚みの差が1mm以内のものを表面性良好とした。
・加工性
真空断熱材の厚みが8mmで、人手で容易に曲げ加工が可能な真空断熱材の曲げ強度が1.2N/mであったため、曲げ強度がそれ以下であるものを加工性良好とした。
−外装材−
厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムと、厚さ7μmのアルミニウム箔と、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと、厚さ25μmのポリアミドフィルムとを積層してドライラミネートにより貼り合わせた積層フィルムとした。
−ガス吸着材−
ガス吸着材は、SAES Getters社のCOMBO3を用いた。
−真空断熱材の製造−
所定の厚さとなるように芯材となる不織布を積層し、ガス吸着材と共に3方を封止した2枚の外装材の間に入れ、1.0Pa以下となるまで減圧した後、封止した。真空断熱材の最終的なサイズは、幅が290mm、長さが410mm、厚さが8mmとした。
(実施例1)
直径φが8.4μm、平均繊維長が5mmで、断面形状が円形状のポリエチレンテレフタレート(PET、固有熱伝導率は0.15W/mK)からなる繊維を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は8g/m2で、厚さは32μmで、巻き取り方向の引張強度は4.5N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.21であり、Z/φは0.025であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、2.71mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(実施例2)
直径φが11.5μm、平均繊維長が4mmで、断面形状がY字状のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる繊維を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は12g/m2で、厚さは39μmで、巻き取り方向の引張強度は1.6N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.16であり、Z/φは0.014であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、2.66mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(実施例3)
直径φが11.5μm、平均繊維長が5mmで、断面形状がY字状のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる繊維を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は12g/m2で、厚さは43μmで、巻き取り方向の引張強度は1.4N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.14であり、Z/φは0.012であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、2.71mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(実施例4)
直径φが12.4μm、平均繊維長が5mmで、断面形状が円形状のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる繊維を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は11g/m2で、厚さは37μmで、巻き取り方向の引張強度は0.2N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.13であり、Z/φは0.010であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、2.70mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(実施例5)
直径φが11.8μm、平均繊維長が5mmで、断面形状が三角形状のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる繊維を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は16g/m2で、厚さは53μmで、巻き取り方向の引張強度は0.3N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.12であり、Z/φは0.010であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、2.72mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(実施例6)
直径φが7.9μm、平均繊維長が5mmで、断面形状が円形状のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる繊維を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は8g/m2で、厚さは28μmで、巻き取り方向の引張強度は0.1N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.16であり、Z/φは0.020であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、2.68mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(実施例7)
直径φが5.1μm、平均繊維長が4mmで、断面形状が円形状のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる繊維を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は8g/m2で、厚さは30μmで、巻き取り方向の引張強度は0.8N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.17であり、Z/φは0.033であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、2.74mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(比較例1)
直径φが4.3μm、平均繊維長が3mmで、断面形状が円形状のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる繊維を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は11g/m2で、厚さは27μmで、巻き取り方向の引張強度は3.1N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.21であり、Z/φは0.049であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、2.87mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(比較例2)
直径φが3.4μm、平均繊維長が4mmで、断面形状が円形状のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる繊維を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は8g/m2で、厚さは25μmで、巻き取り方向の引張強度は2.0N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.28であり、Z/φは0.082であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、2.94mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(比較例3)
直径φが3.4μm、平均繊維長が3mmで、断面形状が円形状のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる繊維を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は8g/m2で、厚さは24μmで、巻き取り方向の引張強度は1.2N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.28であり、Z/φは0.082であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、2.92mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(比較例4)
直径φが9.8μm、平均繊維長が5mmで、断面形状が円形状のポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの芯鞘構造繊維(PET/PE、固有熱伝導率は0.28W/mK)を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は8g/m2で、厚さは33μmで、巻き取り方向の引張強度は2.3N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.15であり、Z/φは0.015であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、4.96mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(比較例5)
直径φが6.0μm、平均繊維長が7mmで、断面形状が円形状のポリアミド(PA、固有熱伝導率は0.24W/mK)からなる繊維を抄造法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は15g/m2で、厚さは40μmで、巻き取り方向の引張強度は1.3N/15mmであった。減圧した後の芯材の繊維の伝熱方向の配向率Zは、0.18であり、Z/φは0.030であった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、5.72mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも良好であった。
(比較例6)
直径φが12μm、断面形状が円形状のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる長繊維をスパンボンド法により不織布としたものを芯材とした。芯材となる不織布の目付は15g/m2で、厚さは122μmで、巻き取り方向の引張強度は1.5N/15mmであった。真空断熱材の製造直後の熱伝導率は、3.48mW/mKであった。また、表面性及び加工性はいずれも劣っていた。
表1及び表2に、実施例及び比較例の結果をまとめて示す。また、図3には固有熱伝導率が0.2W/mK以下の材料からなる繊維を用いた場合におけるZ/φと、真空断熱材の熱伝導率との関係を示す。固有熱伝導率が0.2W/mK以下の材料からなる繊維を用いた場合には、Z/φ≦0.035を満たすことにより、優れた断熱性を示す真空断熱材を実現できた。
Figure 2017116017
Figure 2017116017
本開示の真空断熱材は、配向を制御した有機繊維を用いて断熱性を大きく向上させることができ、リサイクル性及び加工性に優れた真空断熱材として有用である。
111 芯材
112 外装材

Claims (7)

  1. 固有熱伝導率が0.2W/mK以下の樹脂からなる繊維の集合体である不織布により構成された芯材と、
    前記芯材を内包し、内部が減圧された外装材とを備え、
    前記芯材は、減圧状態において以下の式1の条件を満たす、真空断熱材。
    Z/φ≦0.035 ・・・(1)
    但し、Zは、前記繊維の伝熱方向の配向率であり、φは前記繊維の直径(μm)である。
  2. 前記繊維は、ポリエチレンテレフタレートからなる、請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 減圧していない状態において、前記芯材を構成する不織布の厚さは、20μm以上、100μm以下である、請求項1〜2のいずれか1項に記載の真空断熱材。
  4. 減圧していない状態において、前記芯材を構成する不織布の目付は、5g/m2以上、20g/m2以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空断熱材。
  5. 前記芯材を構成する不織布の引張強度は、0.05N/15mm以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空断熱材。
  6. 前記芯材は、異径断面を有する繊維を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の真空断熱材。
  7. 前記外装材内に封入されたガス吸着材をさらに備えている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の真空断熱材。
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