JP2017115667A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Masahiko Watanabe
聖彦 渡辺
慶則 中山
Yoshinori Nakayama
慶則 中山
克彦 青山
Katsuhiko Aoyama
克彦 青山
悠一郎 金田
Yuichiro Kaneda
悠一郎 金田
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Abstract

【課題】燃料供給系のベーパロックやエンジン1の出力低下などの不具合を招くことなく、例えば三元触媒71(排気浄化装置)において燃料の添加物に起因するデポジットの生成を抑制し、その詰まりを防止する。【解決手段】エンジン1の状態に応じてインジェクタ6による吸気通路(吸気ポート31)への燃料の噴射時期を制御する。三元触媒71の温度に関する情報を取得し(ステップST104:温度情報取得手段)、その温度Texが判定値Texth以上か否か判定して(ステップST105:温度判定手段)、温度Texが判定値Texth以上と判定すれば、シリンダ2aの吸気弁33が開いている期間における燃料の噴射を禁止する(ステップST107:燃料噴射時期制限手段)。【選択図】図4

Description

本発明は、吸気通路に燃料噴射弁を備える一方、排気通路には排気浄化装置を備えた内燃機関(以下、エンジンともいう)の制御装置に関し、特に、燃料噴射弁による燃料の噴射時期の制御に係る。
従来より、車両などに搭載されたガソリンエンジンにおいては一般的に、吸気通路に設けたインジェクタ(燃料噴射弁)によって燃料を噴射し、吸気と混合させながら気筒内に吸入させるようにしている。その燃料の噴射時期は通常、気筒の排気行程に設定されるが、高負荷域などにおいては気筒の吸気行程で燃料を噴射し、その蒸発による潜熱によって吸気を冷却して、気筒への充填効率を高めるようにしている。
また、ガソリンエンジンの排気通路には一般的に三元触媒が配設されており、排気中の有害成分であるHC、CO、NOxを効果的に浄化できるようになっている。この三元触媒などの排気浄化装置は通常、ハニカム状の担体を備えており、排気の流通する多数の貫通孔を有しているが、その入口側の端面に流入する排気中の未燃分などがデポジットとして堆積することによって、詰まりを生じるという問題があった。
この点について特許文献1には、炭化水素系の燃料に添加される有機マンガン化合物がデポジットの生成に関与していることに着目し、燃料の組成を変更して、90%蒸留温度(T90)を低下させることにより、デポジットの生成を抑制することが開示されている。また、同文献には、燃焼温度を低下させることにより、触媒に流入する排気の温度を所定温度以下とすれば、デポジットの生成を抑制できることも開示されている。
特表平10−500710号公報
しかしながら、前記のように性状を変更すると燃料が蒸発しやすくなることから、燃料供給系においてベーパロックが発生しやすくなるという問題がある。一方、燃焼温度を低下させて触媒に流入する排気の温度を下げようとすれば、エンジンの出力の低下やエミッションの悪化を招くおそれがある。
そこで、そのような不具合を招くことなく、触媒におけるデポジットの生成を抑えるために実験および研究を重ねた結果、本発明の発明者は、吸気弁の開いているときにインジェクタから噴射された燃料噴霧が気筒内に流入することによって、添加物である有機マンガン化合物が比較的大きな粒子(マンガンの酸化物と考えられる)を生成し、この粒子が触媒の入口側端面に付着してデポジットの生成、堆積を助長する、という知見を得た。
かかる新規な知見に基づいて本発明の目的は、ベーパロックやエンジンの出力低下などの不具合を招くことなく、排気浄化装置において燃料の添加物に起因するデポジットの生成を抑制し、その詰まりを防止することにある。
前記のように吸気弁の開いているときに噴射された燃料がデポジットの生成を助長することに着目して、本発明は、排気浄化装置の温度が高いときには、吸気弁の開弁中における燃料の噴射を禁止するようにした。すなわち、本発明は、吸気通路に燃料噴射弁が配設される一方、排気通路には排気浄化装置が配設された内燃機関の状態に応じて、前記燃料噴射弁による吸気通路への燃料の噴射時期を制御するようにした内燃機関の制御装置である。
より具体的には本発明の制御装置は、前記排気浄化装置の温度に関する情報を取得する温度情報取得手段と、その情報に基づいて排気浄化装置の温度が所定値以上か否か判定する温度判定手段と、この温度判定手段によって排気浄化装置の温度が所定値以上と判定されたときには、気筒の吸気弁が開いている期間(緩衝期間は含めない)における前記燃料噴射弁による燃料の噴射を禁止する燃料噴射時期制限手段と、を備えている。
なお、排気浄化装置の温度に関する情報としては、排気通路に配設した温度センサからの信号に基づいて、排気浄化装置の温度を算出するようにしてもよいし、排気浄化装置の担体の入口側端面付近に温度センサを配設し、その信号に基づいて排気浄化装置の温度を算出するようにしてもよい。
前記の構成により、内燃機関(以下、エンジン)の運転中に排気浄化装置の温度が所定値以上であれば、燃料噴射時期制限手段によって吸気弁の開いている期間における燃料の噴射が禁止され、それ以外の例えば膨張行程、排気行程或いは圧縮行程において燃料が噴射されるようになる。これにより、燃料が噴霧の状態で気筒内へ流入し難くなって、デポジットの生成、堆積を助長する有機マンガン酸化物の粒子の生成が抑制される。
一方、前記排気浄化装置の温度が所定値よりも低ければ、燃料の噴射時期は特に制限されず、例えばエンジンの低中負荷域であれば、気筒の膨張行程から排気行程にかけて燃料の噴射が行われ、吸気との混合や蒸発の時間が十分に長くなる。また、エンジンの高負荷域であれば、気筒の吸気行程で燃料の噴射が行われ、その蒸発による潜熱によって吸気が冷却されることにより、気筒への充填効率が高くなって高負荷に対応する高い出力を得やすくなる。
このように本発明によれば、燃料の蒸留温度を低下させることなく、また、燃焼温度を低下させることもなく、つまり、ベーパロックやエンジンの出力低下などの不具合を招くことなく、排気浄化装置において燃料の添加物に起因するデポジットの生成、堆積を抑制することができ、その詰まりを防止できる。
なお、前記のような燃料噴射時期の制限は、排気浄化装置において実際に詰まりが生じているとき、または詰まりが生じかかっているときに行うようにしてもよい。すなわち、例えば排気浄化装置の上流側および下流側(排気の流れの上流側および下流側)にそれぞれ圧力センサを配設して、検出される圧力の差が所定以上に大きくなったときに、気筒の吸気弁が開いている期間における燃料の噴射を禁止するようにしてもよい。
本発明によれば、内燃機関の排気通路に配設された排気浄化装置の温度が高いときに、吸気弁の開弁中における燃料の噴射を禁止するようにしたので、燃料性状の変化によってベーパロックを招くことなく、また、燃焼温度の低下によって出力低下などの不具合を招くこともなく、排気浄化装置において燃料の添加物に起因するデポジットの生成を抑制し、その詰まりを防止することができる。
本発明の実施形態に係るエンジンの概略構成を示す図であり、排気中の金属酸化物の粒子を模式的に示す。 インジェクタによる燃料の噴射時期を示す模式図である。 燃料の噴射時期と排気中の金属酸化物の粒子の量との相関を調べた実験結果のグラフ図である。 燃料噴射時期の制御の手順を示すフローチャートである。 三元触媒の上流および下流の圧力差が大きいときに、燃料噴射時期を変更するようにした他の実施形態に係る図1相当図である。 同他の実施形態に係る図4相当図である。
以下、一例としてガソリンエンジン1(内燃機関であって以下、エンジン1と称する)に本発明を適用した実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図1には1つのシリンダ2a(気筒)のみを示しているが、本実施の形態のエンジン1は、例えば4つのシリンダ2aが図の手前から奥に向かって並んだ直列4気筒エンジンである。
−エンジンの概略構成−
図1には1つのシリンダ2a周りの要部のみを示すように、このエンジン1は、シリンダブロック2の上部にシリンダヘッド3を組み付けて、シリンダ2aの内部に嵌挿したピストン4との間に燃焼室5を形成している。ピストン4は、図示はしないが、コンロッドを介してクランクシャフトに連結されており、このクランクシャフトの回転角度を検出するクランク角センサ101が配設されている。
図示の例ではシリンダヘッド3の下面に、燃焼室5の天井面となる浅い窪みが形成されていて、この天井面の吸気側(図1の左側)に開口し、そこから斜め上方に向かって延びるように吸気ポート31が形成されている。同様に、燃焼室5の天井面の排気側(図1の右側)には排気ポート32が開口し、そこから斜め上方に向かって延びている。そして、それら吸気ポート31および排気ポート32の燃焼室5に臨む開口は、それぞれ吸気弁33および排気弁34によって開閉されるようになっている。
すなわち、一例としてエンジン1の動弁系は、吸気側および排気側にそれぞれカムシャフト35,36を備えている。これら2本のカムシャフト35,36がそれぞれ、図示しないクランクシャフトの回転に同期して回転することにより、吸気弁33および排気弁34がシリンダ2a毎に好適なタイミングで動作され、吸気ポート31および排気ポート32の燃焼室5に臨む開口を開閉する。
一方、前記吸気ポート31の上端の開口には、図示しない吸気マニホルドが取り付けられて、その上流側(吸気の流れの上流側)のエアクリーナを通過した空気(吸気)を吸気ポート31へ流通させるようになっている。また、エアクリーナと吸気マニホルドとの間の吸気通路には、吸気の流れを絞る電動のスロットルバルブ37が配設されるとともに、吸気の流量を計測するエアフローメータ102や吸気温度センサ103なども配設されている。
さらに、吸気ポート31にはインジェクタ6(燃料噴射弁)が配設され、その先端部から吸気弁33の傘部の裏側に向かって燃料を噴射するようになっている。一方、インジェクタ6の基端部(図の上端部)は、図示しない燃料供給系のデリバリパイプ61に接続されていて、ここから燃料の供給を受けるようになっている。デリバリパイプ61は、複数のシリンダ2aの並ぶ方向(図1の紙面に直交する方向)に延びていて、燃料を各シリンダ2a毎のインジェクタ6に分配する。
そして、図1に表れているようにシリンダ2aの吸気行程では、吸気側のカムシャフト35の回転に伴い吸気弁33が開動作され、吸気ポート31の下端の開口が開かれると、ピストン4の下降に伴い吸気が吸気ポート31を流通して、シリンダ2a内に吸い込まれるようになる。また、以下に説明するように所定の時期にインジェクタ6から燃料が噴射され、この燃料が吸気ポート31および燃焼室5において吸気と混じり合って混合気を形成する。
このようにして形成された混合気は、図示しないが、シリンダ2aの圧縮行程におけるピストン4の上昇によって圧縮された後に、点火プラグ8によって点火されて燃焼する。すなわち、図1に表れているようにシリンダヘッド3には、シリンダ2a毎に点火プラグ8が配設されており、イグナイタ8aから電力の供給を受けて点火プラグ8の電極間に火花放電することにより、燃焼室5内に形成された混合気に点火するようになっている。
こうして点火されて混合気が燃焼した後に、図示しないが、シリンダ2aの排気行程において排気側のカムシャフト36の回転に伴い排気弁34が開動作され、排気ポート32の下端の開口が開かれると、既燃ガスがシリンダ2aから排気ポート32へ排出される。この排気ポート32には排気マニホルド70が接続されており、前記のように各シリンダ2aから排出される既燃ガス(以下、排気)の流れを合流させる。
その排気マニホルド70の下流側(排気の流れの下流側)には一体的に三元触媒71が配設されており、排気中のHC、CO、Noxを浄化して、図示しない排気管へと送り出すようになっている。三元触媒71は、ハニカム状の担体72に設けられた多数の貫通孔の壁面に、貴金属の担持された触媒層が形成されたものであり、その上流側の排気通路(図の例では排気マニホルド70)には、排気の空燃比を検出するための空燃比センサ104と、排気の温度を検出するための排気温度センサ105とが配設されている。
前記のインジェクタ6、イグナイタ8a、スロットルバルブ37などの制御は、エンジン1の制御装置100(以下、ECU100と表記する)によって行われる。ECU100は公知のデジタルコンピュータからなり、前記のクランク角センサ101、エアフローメータ102、吸気温度センサ103、空燃比センサ104、排気温度センサ105などからの信号を入力する。そして、ECU100は、各種の制御ルーチンを実行することによりエンジン1の吸気量や燃料噴射量、点火時期などを制御する。
一例としてECU100は、エンジン1への要求トルク(負荷)に応じてスロットルバルブ37の開度を制御し、シリンダ2aへの吸気の充填量を調整する。また、ECU100は、そうしてシリンダ2aへ充填される吸気の量に対応して、理論空燃比になるようにインジェクタ6による燃料の噴射量を制御し、さらに空燃比センサ104からの信号に応じてフィードバック補正を行う。
−燃料噴射時期の制御−
本実施の形態においてECU100は、エンジン1の状態に応じてインジェクタ6による燃料の噴射時期を変更する制御を行う。例えば、エンジン1の負荷率が比較的低い低中負荷域においてインジェクタ6は、図2に符号IT1を付して示すように膨張行程から排気行程にかけて燃料を噴射する。このときには比較的吸気の流量が少ないが、燃料噴霧が蒸発しながら吸気と混ざり合う時間が長くなるので、良好な混合気形成が可能となる。そして、排気行程の終盤に吸気弁33が開くと、混合気は吸気の流れに乗ってシリンダ2a内に吸い込まれてゆく。
一方、エンジン1の負荷率が比較的高い高負荷域においてインジェクタ6は、図2に符号IT2を付して示すように、主に吸気行程で燃料を噴射するように制御される。すなわち、吸気弁33が開いて、吸気ポート31をシリンダ2aに向かう高速の気流が生成されているときに、インジェクタ6から燃料が噴射され、この燃料の噴霧が吸気と混ざり合いながら蒸発し、その潜熱によって吸気を冷却するようになる。これにより、シリンダ2aへの吸気の充填効率が高くなって、高負荷に対応した高いトルクが得られる。
しかしながら、そうして高負荷域においてシリンダ2aの吸気行程で燃料を噴射すると、排気通路に設けられた三元触媒71の入口側の端面におけるデポジットの生成、堆積が助長されることが分かった。すなわち、図1には模式的に表されているように、吸気弁33の開いているときにインジェクタ6から噴射された燃料噴霧の一部は、蒸発せず液滴のままシリンダ2a内に流入し、その燃料に含まれている金属化合物(例えば有機マンガン化合物)が比較的大きな金属酸化物の粒子Pを生成することになる。
こうして生成した粒子Pは、その後、シリンダ2aの排気行程において排気マニホルド70に流出し、その一部が三元触媒71の入口側の端面に付着すると、その温度が所定温度(例えば850℃)以上である場合にデポジット化して、堆積するようになる。これにより、三元触媒71の担体72に詰まりが生じて、排気の流通抵抗が増大するとともに、三元触媒71の浄化性能が低下するおそれがある。
そこで、本発明の発明者は、所定の運転状態においてインジェクタ6による燃料の噴射時期を変更しながら、前記のようにデポジットの生成、堆積を引き起こす排気中の金属酸化物の粒子量の変化を調べる実験を行った。この結果、一例を図3に示すように排気中の粒子量は燃料の噴射時期によって大きく変化し、吸気行程で吸気弁33の開いているときに燃料が噴射されると、粒子量が1.5倍ほどに増大することが分かった。
この結果に基づいて本実施の形態のエンジン1では、基本的にはシリンダ2aの吸気行程において燃料を噴射する高負荷域においても、三元触媒71の温度が前記の所定温度(850℃)以上であれば、より進角側の排気行程或いは膨張行程、さらに必要であれば圧縮行程においても燃料を噴射する(言い換えると吸気弁33の開弁中における燃料の噴射を禁止する)ようにした。
−燃料噴射時期の制限−
以下に、本実施形態における燃料噴射時期の制御の処理を、主に噴射時期の制限について図4のフローチャートに沿って具体的に説明する。なお、このルーチンは、エンジン1の運転中にECU100において各シリンダ2a毎の所定のタイミング(各シリンダ2a毎の燃料噴射に間に合うようなタイミング)で繰り返し実行される。
まず、スタート後のステップST101では、例えばエンジン1の状態を表す各種データ、例えば負荷率や回転数などを読み込む。このデータは、エンジン1の運転制御のために算出されてECU100のRAMに記憶更新されているものを読み込んでもよいし、クランク角センサ101、エアフローメータ102、吸気温度センサ103、空燃比センサ104などの信号から算出してもよい。
そして、ステップST102において図示しない噴射時期マップを参照して、基本的な燃料噴射時期を設定する。この噴射時期マップは、例えばエンジン1の負荷率および回転数に対応する好適な燃料噴射時期を予め実験などによって適合したものであり、ECU100のROMに記憶されている。続くステップST103では、エンジン1が、シリンダ2aの吸気行程で燃料を噴射する高負荷の所定運転領域にあるか否か判定する(例えば前記の噴射時期マップを参照して判定する)。
この判定が否定判定(NO)であれば後述するステップST106に進む一方、所定運転領域であると肯定判定すれば(YES)、ステップST104に進んで排気温度センサ105の信号から三元触媒71の温度(触媒温度Tex)を算出し、続くステップST105において前記の算出した触媒温度Texを予め設定した判定値Texthと比較する。この判定値Texthは前記の所定温度(850℃)とすればよいが、デポジットの生成、堆積が進行し始めるような温度を予め実験などによって設定してもよい。
そして、触媒温度Texが判定値Texthよりも低ければ、否定判定(NO)してステップST106に進み、前記ステップST102で設定した基本的な燃料噴射時期に決定して、ルーチンを終了する(エンド)。一方、触媒温度Texが判定値Texth以上であれば、肯定判定(YES)してステップST107に進み、前記の基本的な燃料噴射時期を変更して、ルーチンを終了する(エンド)。例えば噴射時期は膨張行程から排気行程にかけて設定すればよく、それで足りなければ圧縮行程でも噴射するようにしてもよい。
こうして、三元触媒71の温度(触媒温度Tex)が高くて、デポジットの生成、堆積が進むおそれのあるときには、シリンダ2aの吸気行程、即ち吸気弁33の開いているときの燃料の噴射を禁止することにより、図3を参照して上述したように燃料の添加物に起因する金属酸化物の粒子Pの増大を抑制できる。これにより、その粒子Pによって引き起こされる三元触媒71におけるデポジットの生成、堆積を防止できる。
このような燃料噴射時期の制御ルーチン(図4)におけるステップST104の処理を実行することによって、ECU100は、三元触媒71の温度に関する情報を取得する温度情報取得手段を構成する。同様にステップST105の処理を実行することによってECU100は、前記の情報に基づいて触媒温度Tが判定値Texth(所定値)以上か否か判定する温度判定手段を構成する。
さらに、図4のステップST107の処理を実行することによってECU100は、前記の温度判定手段(ステップST105)によって触媒温度Tが判定値Texth以上と判定されたときには、吸気弁33が開いている期間におけるインジェクタ6による燃料の噴射を禁止する燃料噴射時期制限手段を構成する。
以上、説明したように本実施形態のエンジン1の制御装置によると、本来は吸気行程で燃料を噴射するエンジン1の高負荷域においても、三元触媒71(排気浄化装置)の温度(触媒温度Tex)が所定以上に高いときには、吸気行程以外で燃料を噴射することによって、燃料の添加物に起因する排気中の金属酸化物粒子Pの増大を抑制する。これにより、燃料の性状を変化させることなく、また、燃焼温度の低下によって出力低下などの不具合を招くこともなく、三元触媒71における金属酸化物粒子Pに起因するデポジットの生成、堆積を抑制し、その詰まりを防止することができる。
一方、三元触媒71の温度(触媒温度Tex)があまり高くなければ、排気中の金属酸化物粒子Pが増大しても、これが三元触媒71の入口側の端面においてデポジットの生成、堆積を助長する心配はない。そこで、このときにはシリンダ2aの吸気行程で吸気弁33が開いているときに燃料を噴射し、その蒸発による潜熱によって吸気を冷却して充填効率を高めることにより、高負荷に見合う高いトルクを得ることができる。
−他の実施形態−
上述した実施の形態の記載はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定することを意図しない。一例として前記実施の形態では、図4のフローを参照して上述したように、排気温度センサ105からの信号によって触媒温度Texを算出し、これが判定値Texth以上か否か判定するようにしているが、これには限定されず、例えばエンジン1の運転状態から触媒温度Texを推定することも可能である。
また、吸気行程での燃料噴射を禁止するのは、排気浄化装置(三元触媒71)において実際に詰まりが生じているとき、または詰まりが生じかかっているときに行うようにしてもよい。すなわち、例えば図5に示すように三元触媒71の上流側および下流側(排気の流れの上流側および下流側)にそれぞれ排気圧力センサ106,107を配設して、検出される圧力差が所定以上に大きくなったときに、燃料噴射時期を変更するようにする。
より具体的には例えば図6に示すように、まず、ステップST201、ST202では、図4のステップST101,ST102と同じ処理を実行し、続いてステップST203では、エンジン1が所定運転領域にあるか否か判定する。この所定運転領域は、前記実施の形態と同じく吸気行程で燃料を噴射する運転領域であるだけでなく、三元触媒71の温度が所定温度(例えば850℃)以上となるような高負荷の運転領域である。
そして、ステップST204では、前記排気圧力センサ106,107の信号から三元触媒71の上流側および下流側の圧力差ΔPを検出し、続くステップST205では、その圧力差ΔPから圧力差の初期値ΔPinitを減算して、圧力差の増分Xpを算出する。なお、圧力差の初期値ΔPinitは例えば車両の出荷時に算出されて、ECU100のROMに記憶されている。
続いてステップST206では、前記圧力差の増分Xpを予め設定した判定値Xpthと比較する。この判定値Xpthは、三元触媒71においてデポジットの堆積により担体72の詰まりが生じている、或いは生じかけているような圧力差の増分として、予め実験などによって設定されてECU100のROMに記憶されている。そして、Xp<Xpthであれば否定判定(NO)して、ステップST207に進む一方、Xp≧Xpthであれば肯定判定(YES)して、ステップST208に進む。
前記のステップST207では、図4のフローのステップST106と同じく、ステップST202で設定した基本的な燃料噴射時期に決定して、ルーチンを終了する(エンド)。一方、前記ステップST208では、図4のフローのステップST107と同じく基本的な燃料噴射時期を変更して、例えば膨張行程から排気行程にかけて燃料を噴射するようにし、それで足りなければ圧縮行程でも燃料を噴射するようにして、ルーチンを終了する(エンド)。
なお、図6のルーチンにおけるステップST203の処理を実行することによってECU100は、温度情報取得手段および温度判定手段を構成し、ステップST208の処理を実行することによってECU100は、燃料噴射時期制限手段を構成する。
さらに、前記の実施形態では、本発明を多気筒ガソリンエンジン1に適用した例について説明したが、これにも限定されず、本発明は、アルコール含有燃料を使用するエンジンにも適用することができる。そして、そのいずれの場合においても、駆動源として電動機も備えたハイブリッドシステムに備わるエンジンにも適用可能である。
本発明は、エンジンの出力低下などの不具合を招くことなく、排気浄化装置におけるデポジットの生成を抑制し、その詰まりを防止することができるので、例えば乗用車に搭載するガソリンエンジンに適用して優れた効果を奏する。
1 エンジン(内燃機関)
2a シリンダ
6 インジェクタ(燃料噴射弁)
31 吸気ポート(吸気通路)
33 吸気弁
70 排気マニホルド(排気通路)
71 三元触媒(排気浄化装置)
100 ECU(温度情報取得手段、温度判定手段、燃料噴射時期制限手段)
105 排気温度センサ(温度情報取得手段)

Claims (1)

  1. 吸気通路に燃料噴射弁が配設される一方、排気通路には排気浄化装置が配設された内燃機関の状態に応じて、前記燃料噴射弁による吸気通路への燃料の噴射時期を制御するようにした内燃機関の制御装置であって、
    前記排気浄化装置の温度に関する情報を取得する温度情報取得手段と、
    前記情報に基づいて排気浄化装置の温度が所定値以上か否か判定する温度判定手段と、 前記温度判定手段によって排気浄化装置の温度が所定値以上と判定されたときには、気筒の吸気弁が開いている期間における前記燃料噴射弁による燃料の噴射を禁止する燃料噴射時期制限手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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