JP2017114932A - ポリチオール化合物、硬化性組成物、及び硬化物 - Google Patents

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喜彦 前田
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Tomokazu Sugawara
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Abstract

【課題】硬化性組成物の原料となりえ、粘着性を発現する柔軟な骨格を硬化物に導入することができるポリチオール化合物を提供する。
【解決手段】ポリチオール化合物は、複数のヒドロキシ基を有するポリオレフィンであるポリオレフィンポリオール又は2つのヒドロキシ基を有するダイマーであるダイマージオールからなるポリオール化合物(A)のヒドロキシ基と、下記化学式(I)で表されるメルカプト基含有カルボン酸(B)のカルボキシ基とのエステル化合物であり、分子中に複数のメルカプト基を有する。ただし、下記化学式(I)中のRは炭素数2以上10以下のアルキレン基を示す。
【化1】
Figure 2017114932

【選択図】なし

Description

本発明は、ポリチオール化合物、硬化性組成物、及び硬化物に関する。
従来から、粘着テープ、粘接着テープなどの粘着性物品に、スチレン系ブロック共重合体を含有する粘着剤組成物が用いられている。この粘着剤組成物には、被着体に対する粘着力、保持力、タックなどを所望の範囲とし、取り扱い性も向上させるために、可塑剤、粘着付与剤などが配合されることが通常である。この可塑剤は、粘着剤組成物に主として柔軟性、加工性などを付与するために配合されるものであるが、スチレン系ブロック共重合体を含有する粘着剤組成物に一般的に配合されるプロセスオイル、流動パラフィンなどの鉱物油を添加すると、柔軟性、加工性などは向上するものの、粘着力が低下する場合があること、ブリードアウトが起きてしまうことなどの問題点があった。
これらの問題を解消するために、可塑剤として液状ジエン系ゴムを配合した粘着剤が提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2)。この液状ジエン系ゴムを配合した粘着剤は、ブリードアウトは少ないものの粘着力については改善の余地があり、且つ、濁りなどの外観不良が発生する場合があった。
特許文献3には、粘着剤用の光硬化性樹脂組成物として、複数の光硬化性官能基を有する水添ブタジエン系重合体、単一の光硬化性官能基を有するモノマー、及び光重合開始剤を含有する組成物が開示されている。ここで示される光硬化性官能基は不飽和炭化水素基であり、水添ブタジエン共重合体ポリオールを合成した後にイソシアナト基を介して不飽和炭化水素基を導入して、水添ブタジエン系重合体を得る。しかしながら、水添ブタジエン系重合体は高分子量であるために光感度が低く、硬化性が十分ではなかった。また、水添ブタジエン系重合体はウレタン結合を有するため、単官能アクリレートなどで粘度を下げる必要があり、結果として粘着力に寄与するブタジエンの効果を充分に発揮できないという問題点があった。
特開2002−069405号公報 特開2008−237711号公報 特開2012−62447号公報
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、優れた粘着性を有する硬化物を生成することができ、且つ、優れた硬化性を有する硬化性組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、優れた粘着性を有する硬化物を提供することを併せて課題とする。さらに、本発明は、前記硬化性組成物の原料となりえ、粘着性を発現する柔軟な骨格を硬化物に導入することができるポリチオール化合物を提供することを併せて課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様は以下の[1]〜[8]の通りである。
[1] 複数のヒドロキシ基を有するポリオレフィンであるポリオレフィンポリオール又は2つのヒドロキシ基を有するダイマーであるダイマージオールからなるポリオール化合物(A)の前記ヒドロキシ基と、下記化学式(I)で表されるメルカプト基含有カルボン酸(B)のカルボキシ基とのエステル化合物であり、分子中に複数のメルカプト基を有するポリチオール化合物。
ただし、下記化学式(I)中のRは炭素数2以上10以下のアルキレン基を示す。
Figure 2017114932
[2] 前記メルカプト基含有カルボン酸(B)が、下記化学式(II)で表される化合物及び下記化学式(III)で表される化合物の少なくとも一方である[1]に記載のポリチオール化合物。
Figure 2017114932
Figure 2017114932
[3] 前記ポリオール化合物(A)は25℃において液状であり、重量平均分子量が400以上5000以下である[1]又は[2]に記載のポリチオール化合物。
[4] 前記ポリオレフィンポリオールが、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれる少なくとも1つである[1]〜[3]のいずれか一項に記載のポリチオール化合物。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載のポリチオール化合物と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する硬化性組成物。
[6] 前記光重合性化合物がアリル化合物である[5]に記載の硬化性組成物。
[7] 前記光重合性化合物がイソシアヌル酸トリアリルである[5]に記載の硬化性組成物。
[8] [5]〜[7]のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
本発明の硬化性組成物は、優れた粘着性を有する硬化物を生成することができ、且つ、優れた硬化性を有する。
また、本発明の硬化物は、優れた粘着性を有する。
さらに、本発明のポリチオール化合物は、前記硬化性組成物の原料となりえ、粘着性を発現する柔軟な骨格を硬化物に導入することができる。
実施例1のポリチオール化合物のH−NMRチャートである。 実施例2のポリチオール化合物のH−NMRチャートである。 実施例3のポリチオール化合物のH−NMRチャートである。 実施例4のポリチオール化合物のH−NMRチャートである。 実施例5のポリチオール化合物のH−NMRチャートである。 実施例1のポリチオール化合物のFT−IRチャートである。 実施例2のポリチオール化合物のFT−IRチャートである。 実施例3のポリチオール化合物のFT−IRチャートである。 実施例4のポリチオール化合物のFT−IRチャートである。 実施例5のポリチオール化合物のFT−IRチャートである。
本発明者らは、前述の従来技術が有する問題点を解決するために鋭意検討した結果、ポリオレフィン骨格又はダイマー骨格を有するポリチオール化合物を用いることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のポリチオール化合物は、複数のヒドロキシ基を有するポリオレフィンであるポリオレフィンポリオール又は2つのヒドロキシ基を有するダイマーであるダイマージオールからなるポリオール化合物(A)のヒドロキシ基と、下記化学式(I)で表されるメルカプト基含有カルボン酸(B)のカルボキシ基とのエステル化合物であり、分子中に複数のメルカプト基を有する。
ただし、下記化学式(I)中のRは炭素数2以上10以下のアルキレン基を示す。
Figure 2017114932
このポリチオール化合物は、硬化性組成物の原料となりえ、粘着性を発現する柔軟な骨格であるポリオレフィン骨格又はダイマー骨格を硬化物に導入することができる。このポリチオール化合物は低臭気であるので、このポリチオール化合物を含有する硬化性組成物及びその硬化物は低臭気となり得る。また、このポリチオール化合物はポリオレフィン骨格又はダイマー骨格を有しているため、このポリチオール化合物を含有する硬化性組成物の硬化物は、優れた粘着性を有する。
さらに、このポリチオール化合物を含有する硬化性組成物は、優れた硬化性を有するため、成形、コーティング等の加工工程中に硬化を行うことができ、硬化物からブリードアウトする成分が無いために周辺を汚染しにくい。よって、硬化性組成物及び硬化物は、各種電子部品、自動車部品、住宅部材、家具部材などの、密閉部材、粘着部材などに適用可能である。
以下に、本発明の一実施形態に係るポリチオール化合物、硬化性組成物、及び硬化物について詳細に説明する。
1.ポリチオール化合物について
<(1−1)ポリオール化合物(A)について>
ポリオール化合物(A)は、複数のヒドロキシ基を有するポリオレフィンであるポリオレフィンポリオール又は2つのヒドロキシ基を有するダイマーであるダイマージオール(例えば、両末端にそれぞれ1つのヒドロキシ基を有するポリオレフィンやダイマー)からなり、分子中に複数のヒドロキシ基を有する。ポリオール化合物(A)(ポリオレフィンポリオール及びダイマージオール)は、硬化物の架橋点になることが本発明の課題の解決において重要であるため、分子内に複数のヒドロキシ基を有することが必要である。
ここで、ポリオレフィンとは、オレフィン等の重合体の構造を有する化合物であり、アルケン等のエチレン性二重結合を有する化合物の重合体やブタジエン等の共役二重結合を有する化合物の重合体を含み、さらには非水添ポリオレフィン及び水添ポリオレフィンを含む。
ポリオール化合物(A)は25℃において液状であり、重量平均分子量が400以上5000以下であってもよい。
ポリオール化合物(A)の種類は特に限定されるものではないが、分子の両末端にそれぞれ1つのヒドロキシ基を有するポリオレフィンやダイマー、すなわちポリオレフィンジオールやダイマージオールが代表例としてあげられる。
また、ポリオレフィンポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれる少なくとも1つを用いることができる。
ポリブタジエンポリオールとは、分子の両末端にそれぞれ1つのヒドロキシ基を有し且つポリブタジエン構造単位を有する、常温において液状の重合物である。ポリブタジエンポリオールの具体例としては、日本曹達株式会社製のNISSO−PB G−1000、NISSO−PB G−2000、NISSO−PB G−3000や、出光興産株式会社製のPoly bd等を挙げることができる。
水添ポリブタジエンポリオールとは、ポリブタジエンポリオール又はポリブタジエンポリカルボン酸を還元水素化して得られる構造を有するポリオールである。水添ポリブタジエンポリオールの具体例としては、日本曹達株式会社製のNISSO−PB GI−1000、NISSO−PB GI−2000、NISSO−PB GI−3000等を挙げることができる。
ポリイソプレンポリオールとは、分子の両末端にそれぞれ1つのヒドロキシ基を有し且つイソプレン構造単位を有する、常温において液状の重合物である。ポリイソプレンポリオールの具体例としては、出光興産株式会社製のPoly ip等を挙げることができる。
水添ポリイソプレンポリオールとは、ポリイソプレンポリオール又はポリイソプレンポリカルボン酸を還元水素化して得られる構造を有するポリオールである。水添ポリイソプレンポリオールの具体例としては、出光興産株式会社のエポール等を挙げることができる。
ダイマージオールは、炭素数が22以上44以下、好ましくは主に36の環式及び非環式ダイマー酸とメタノールとの反応生成物を還元して得ることができ、天然高級脂肪酸の2量体の構造を呈している。また、ダイマージオールは非水添ダイマージオールと水添ダイマージオールを含み、水添ダイマージオールは、ダイマー酸、水添ダイマー酸及びその低級アルコールエステルの少なくとも1種を触媒存在下で還元して、ダイマー酸のカルボン酸又はカルボキシレート部分をヒドロキシ基とし、原料に炭素−炭素二重結合を有する場合にはその二重結合を水素化したジオールである。水添ダイマージオールの具体例としては、クローダ社製PRIPOL(登録商標)2033、BASF社製Sovermol(登録商標)908等を挙げることができる。
ポリオール化合物(A)の重量平均分子量は、400以上5000以下としてもよく、より好ましくは500以上3000以下である。重量平均分子量が400以上であれば、沸点が高くなるので、メルカプト基含有カルボン酸(B)とのエステル化反応時にポリオール化合物(A)が揮発しにくく、反応制御が容易となる。また、ポリオール化合物(A)から合成したポリチオール化合物のチオール当量が200以上になるため、ポリチオール化合物を含有する硬化性組成物が、充分に長く適正な可使時間を有することとなる。さらに、ポリオール化合物(A)から合成したポリチオール化合物を含有する硬化性組成物を硬化物とした際に、架橋点間距離が長くなるため、硬化物に柔軟性が付与され優れた粘着性が得られる。
一方、重量平均分子量が5000以下であれば、ポリオール化合物(A)が室温でワックス状になりにくいので、取扱い性に優れコスト面で有利になる。また、ポリオール化合物(A)から合成したポリチオール化合物を含有する硬化性組成物が、硬化不良を起こしにくい。ここで重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
なお、ポリオール化合物(A)として、1種のポリオレフィンポリオール又はダイマージオールを単独で用いてもよいし、複数種のポリオレフィンポリオール又はダイマージオールを併用してもよい。
<(1−2)メルカプト基含有カルボン酸(B)について>
メルカプト基含有カルボン酸(B)は、上記化学式(I)に示すように、分子中にメルカプト基とカルボキシ基を有する化合物であるが、化学式(I)中のRは、炭素数2以上10以下のアルキレン基である。このアルキレン基は直鎖状でもよいし、分岐鎖状でもよい。
例えば、化学式(I)中のRを、メルカプト基のα位及び/又はβ位の炭素原子が置換基としてアルキル基を有する炭素数2以上10以下(好ましくは2以上5以下)の分岐鎖状のアルキレン基としてもよい。
また、メルカプト基含有カルボン酸(B)は、下記化学式(II)で表される化合物及び下記化学式(III)で表される化合物の少なくとも一方としてもよい。
Figure 2017114932
Figure 2017114932
化学式(II)、(III)で表される化合物のように、Rが、メルカプト基のα位の炭素原子が置換基としてアルキル基を有する分岐鎖状のアルキレン基であれば、メルカプト基含有カルボン酸(B)とポリオール化合物(A)とから合成されるエステル化合物であるポリチオール化合物が低臭気となる。
メルカプト基含有カルボン酸(B)の具体例としては、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトブタン酸、2−メルカプトイソブタン酸、3−メルカプト−3−フェニルプロピオン酸、2−メルカプト−3−メチル酪酸、3−メルカプト−3−メチル酪酸、3−メルカプト吉草酸、3−メルカプト−4−メチル吉草酸等が挙げられる。
<(1−3)ポリチオール化合物の製造方法について>
本実施形態のポリチオール化合物の製造方法は、ポリオール化合物(A)のヒドロキシ基とメルカプト基含有カルボン酸(B)のカルボキシ基とをエステル化反応させることができる方法であれば、特に限定されるものではない。ポリオール化合物(A)とメルカプト基含有カルボン酸(B)とを常法によって反応させてエステル化合物を生成させることにより、ポリチオール化合物を得ることができる。
エステル化反応の条件については特に制限はないが、エステル化の反応温度は60℃以上160℃以下が好ましく、副生成物を抑制するためには60℃以上135℃以下がより好ましい。
エステル化反応における反応系からの脱水にディーン・スターク装置を用いると、より透明性の高い目的物が得られるので、ガラス等の住宅部材や高い意匠性を要求される用途に適用するのために好適である。
エステル化反応においては、溶媒を用いても用いなくてもよいが、反応速度を向上させる観点から、エステル化反応で生成する水と共沸する溶剤を溶媒として用いることが好ましい。水と共沸する溶剤としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられるが、製造コストと得られる効果とのバランスの観点から、トルエンが好ましい。水と共沸する溶剤の使用量は、溶媒全体の10質量%以上90質量%以下とすることができる。
ポリオール化合物(A)とメルカプト基含有カルボン酸(B)の配合量については、ポリオール化合物(A)のヒドロキシ基の数に対するメルカプト基含有カルボン酸(B)のカルボキシ基の数の比が1.0以上4.0以下になるように配合することが好ましい。前記の数の比が1.0以上であると、未反応のヒドロキシ基の残存を抑制することができ、ポリチオール化合物1分子中のメルカプト基の個数が2個以上になるために、硬化性組成物の硬化性が向上する。また、前記の数の比が4.0以下であると、製造コストを抑制することができる。
エステル化反応の反応圧力は特に限定されるものではないが、反応速度を向上させる観点から13.3kPa(100mmHg)以上101.3kPa(760mmHg)以下とすることが好ましく、さらに脱水効率の観点から40kPa(300mmHg)以上73.3kPa(550mmHg)以下とすることがより好ましい。反応圧力が前記範囲内であれば、反応系内の温度が高くなるためエステル化反応が進行しやすくなる。
ポリオール化合物(A)とメルカプト基含有カルボン酸(B)のエステル化反応には、触媒を用いてもよい。触媒としては、不揮発性の酸触媒が好ましく、具体的には、硫酸、過塩素酸、リン酸等の無機酸や、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、レブリン酸等の固体酸触媒が挙げられるが、反応速度の点から、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等の不揮発性の強酸がより好ましい。
なお、不揮発性の酸触媒とは、25℃における蒸気圧が1kPa以下である酸触媒を意味する。触媒の使用量は、ポリオール化合物(A)のヒドロキシ基1モルに対して0.01モル以上1.0モル以下とすることができる。触媒の使用量が前記下限値以上であれば、十分な反応速度が得られ、前記上限値以下であれば、エステル化反応終了後の触媒の中和処理の際に多くの塩基性物質を必要とせず、産業廃棄物の処理コストを抑制することができる。
エステル化反応の終了後には、残存する酸触媒を中和してもよい。中和するための塩基性物質は特に限定されるものではないが、コストを抑制する観点から、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムが好ましく、pHの調節しやすさの観点から、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
エステル化反応の終了は、ディーン・スターク装置等を用いて反応系内から抜き出される水分量によって判断することができる。反応系内から抜き出される水分量がエステル化反応による脱水量の理論値になるまで反応を行うことが好ましいが、反応に長い時間を要する場合は、理論値の80質量%以上の水分が抜き出された段階で反応を終了することができる。
抜き出された水分量がエステル化反応による脱水量の理論値の80質量%以上であると、未反応のヒドロキシ基が少ないため、本実施形態のポリチオール化合物を硬化性組成物に配合した際に硬化性組成物の硬化性が向上する。
また、エステル化反応の終了後には、目的物を精製する観点から、反応系内からポリチオール化合物の抽出を行ってもよい。抽出を行う場合の抽出溶媒としては、揮発しやすさの観点から、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルが好ましく、さらに抽出溶媒のコストの観点から、トルエン、酢酸エチルがより好ましい。なお、抽出の際に水からの抽出溶媒の分液速度を向上することを目的として、抽出溶媒に対して疎水性溶媒を添加してもよく、分液速度と疎水性溶媒のコストの観点から、ヘキサン、ヘプタンがより好ましい。
エステル化反応に溶媒を用いた場合には、ポリチオール化合物と溶媒との混合物が得られるため、エステル化反応の終了後にこの混合物から溶媒を除去してもよい。溶媒の除去は、例えば加熱減圧条件下で溶媒を留去することにより行うことができるが、その留去温度は減圧度によらず80℃以上150℃以下が好ましい。80℃以上であれば、溶媒を完全に留去することが可能であり、150℃以下であれば、合成されたポリチオール化合物同士の重合を防ぐことができる。
得られたポリチオール化合物の粘度が高い場合は、ポリチオール化合物に溶剤を混合して粘度を所望の値に調整してもよい。使用可能な溶剤の種類は特に限定されるものではないが、溶剤の揮発のしやすさとポリチオール化合物の溶解性から、トルエン、アセトン、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルが好ましい。
このようにして得られるポリチオール化合物が有するメルカプト基の個数は、特に限定されるものではないが、2個が代表的である。すなわち、ポリチオール化合物の代表例としては、メルカプト基を2個有するジチオール化合物があげられる。
また、ポリチオール化合物の重量平均分子量は特に限定されるものではないが、400以上5000以下としてもよく、より好ましくは500以上3000以下である。重量平均分子量が400以上であれば、架橋点間の距離が長くなるので、充分な粘着性が付与できる。一方、重量平均分子量が5000以下であれば、熱硬化型の硬化性組成物への配合でも光硬化型の硬化性組成物への配合でも充分な硬化性が得られやすい。
2.硬化性組成物について
本実施形態のポリチオール化合物は、例えばエポキシ樹脂の硬化剤としても適用可能であり、熱硬化、光硬化などの安全な硬化作業により成形、コーティング等の加工を行うことができる。特に、ポリチオール化合物と光重合性化合物と光重合開始剤とを含有する硬化性組成物の場合は、活性エネルギー線(紫外光など)を照射した時にのみ硬化するため、ポットライフが長く取扱い性が容易であるほか、短時間で硬化できる、ブリードアウトがない硬化物が得られるなどの長所がある。
以下に、ポリチオール化合物と光重合性化合物と光重合開始剤とを含有する硬化性組成物について説明する。
本実施形態のポリチオール化合物は、メルカプト基を有しているため、光硬化促進剤と光硬化性架橋剤の両方の役割を担うことができる。本実施形態のポリチオール化合物と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を混合すれば、光重合性を有する硬化性組成物を得ることができる。ポリチオール化合物は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、光重合性化合物及び光重合開始剤についても同様に、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに、この光重合性を有する硬化性組成物には、所望により各種添加剤を添加してもよい。
光重合性化合物の種類は特に限定されるものではないが、エチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物を用いることができる。エチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物は、ラジカル重合(又は架橋)反応によって硬化可能で、一般にモノマー、オリゴマーと呼ばれるものである。
具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート)、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジペンタエリストールヘキサアクリレート、メラミンアクリレート、エポキシアクリレートプレポリマー、フタル酸ジアリル等が挙げられる。なお、本明細書においては、「(メタ)アクリル」はメタクリル及び/又はアクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」はメタクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
ただし、光重合性化合物としてはアリル化合物が好適であり、1分子中に2個以上のアリル性不飽和基を有するモノマー及び/又はオリゴマーが特に好ましい。このようなアリル化合物の具体例としては、アリルエステル類、アリルエーテル類、トリアリル(イソ)シアヌレート類、ビスアリルカーボネート類が挙げられる。
アリルエステル類は、代表的にはアリルアルコールと飽和又は不飽和の多塩基酸とのエステル化により得られるが、その他にもアリルアルコールと飽和又は不飽和の多塩基酸エステルとのエステル交換によっても得られ、この際に多価アルコールを併用してオリゴマー化することも可能である。アリルエステル類の代表例としては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタレート、トリアリルトリメリテート、分子末端がアリルエステル基であるポリエステル、ジアリルフタレートプレポリマーなどが挙げられる。
アリルエーテル類は、多価アルコールのアリルエーテルが代表的であるが、この多価アルコールのアリルエーテルは、そのままで用いてもよいが、アリルエーテル基とヒドロキシ基とを共有する不飽和アルコールを多価イソシアナートと反応させ、アリルエーテル・ウレタンの形にした化合物でもよい。アリルエーテル類の代表例としては、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリットトリアリルエーテル、アリルセロソルブなどが挙げられ、アリルグリシジルエーテルのエポキシ基を多価カルボン酸又はその酸無水物と反応した化合物も挙げられる。
トリアリル(イソ)シアヌレート類の代表例としては、エーテル型としてイソシアヌル酸トリアリル(トリアリルイソシアヌレート)が挙げられる。
ビスアリルカーボネート類の代表例としては、文献上には幾多の化合物が挙げられるが、実際に販売されているものとして、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートが挙げられる。
さらに好ましい光重合性化合物は、1分子中に3個以上のアリル性不飽和基を有するモノマーであり、具体例としてはトリアリルイソシアヌレートが挙げられる。このような光重合性化合物を用いた場合には、硬化性組成物中のポリチオール化合物の含有量を高くすることができるため、柔軟な骨格であるポリオレフィン骨格やダイマー骨格を硬化物に多く導入することができ、より高い粘着性を硬化物に付与することができる。
光重合開始剤の種類は特に限定されるものではないが、例えば、α−ヒドロキシアセトフェノン類、α−アミノアセトフェノン類、ビイミダゾール類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタール、α−ハロゲノアセトフェノン類、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、アンスラキノン、フェナンスレンキノン、カンファキノンイソフタロフェノン、アシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
硬化性組成物中のポリチオール化合物の含有量は、光重合性化合物のエチレン性不飽和炭化水素基の数に対するポリチオール化合物のメルカプト基の数の比が0.5以上2以下となるような量であることが好ましい。前記の数の比がこの範囲内であれば、未反応のポリチオール化合物又は光重合性化合物が残存しにくく、硬化性組成物の硬化物からのブリードアウトが生じにくい。
また、硬化性組成物中の光重合開始剤の含有量は、ポリチオール化合物と光重合性化合物の総量を100質量部とした場合に、0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1質量部以上であれば、硬化反応の反応性が十分となり、5質量部以下であれば、架橋に関与しない成分が少ないため硬化性組成物の硬化物が脆弱になりにくい。
通常、ラジカル重合による光硬化は、空気との界面では、空気中の酸素による重合阻害のために、完全な硬化は困難となる。そこで、一般的には、表面に酸素が触れないようにカバーフィルム等の酸素遮断膜を設けたり、アルゴンガスや窒素等の不活性ガス雰囲気下で光硬化を行う。しかしながら、本実施形態の硬化性組成物は、酸素の有無にかかわらず十分な硬化性を有するため、酸素遮断膜を設けることができない用途や酸素遮断膜を設けないことが望ましい用途であっても、好ましく用いることができる。
光重合に使用する活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線等が挙げられるが、光源となる装置が安価であることから紫外線が好ましい。
紫外線により硬化性組成物を硬化させる際の光源は、特に限定されるものではないが、具体例としては、ブラックライト、UV−LEDランプ、高圧水銀ランプ、加圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプが挙げられる。これら光源のうちブラックライト、LEDランプ(UV−LEDランプ)が、安全且つ経済的であることから好ましい。
ここでブラックライトとは、可視光線と波長300nm以下の紫外線との放射をカットした特殊外管ガラスに近紫外発光蛍光体を被着して、波長300nm以上430nm以下(波長のピークは350nm付近)の近紫外線のみを放射するようにしたランプのことである。また、UV−LEDランプとは、紫外線を発する発光ダイオードを使用したランプのことである。
活性エネルギー線の照射量は、硬化性組成物の硬化に十分な量であればよく、硬化性組成物の組成、量、厚さ、形成する硬化物の形状等に応じて選択すればよい。例えば、硬化性組成物の薄膜(例えば、塗布法により形成した塗布膜)に対して紫外線を照射して硬化させる場合は、200mJ/cm以上5000mJ/cm以下の露光量とすることができ、より好ましくは1000mJ/cm以上3000mJ/cm以下の露光量である。
本実施形態の硬化性組成物には、用途に応じた粘度、操作性、硬化物特性等を付与するために、様々な添加剤を添加してもよい。例えば、硬化性組成物の塗布時の操作性、硬化性組成物と各種基材との密着性等の向上を目的として、揮発性の溶剤を加えてもよい。
揮発性の溶剤としては、アルコール類、ケトン類、エステル類等があげられる。揮発性の溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、トルエン、シクロヘキサン、イソホロン、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ただし、環境負荷の面からは、硬化性組成物は無溶剤であることが好ましく、本実施形態のポリチオール化合物の使用により無溶剤化が可能である。
さらに、本実施形態の硬化性組成物には、目的に応じて、重合禁止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、防かび剤、帯電防止剤、磁性体、導電材料、抗菌・殺菌材料、多孔質吸着体、香料、顔料、染料等を添加してもよい。
3.硬化性組成物の調製方法について
本実施形態の硬化性組成物の調製方法は特に限定されるものではなく、本実施形態のポリチオール化合物、光重合性化合物、光重合開始剤をはじめとする硬化性組成物の各原料を混合、分散できる方法であれば特に限定されない。混合、分散する方法の例としては、以下の各方法が挙げられる。
(イ)各原料をガラスビーカー、缶、プラスチックカップ、アルミカップ等の容器に装入し、撹拌棒、へら等により混練する。
(ロ)各原料をダブルヘリカルリボン翼、ゲート翼等により混練する。
(ハ)各原料をプラネタリーミキサーにより混練する。
(ニ)各原料をビーズミルにより混練する。
(ホ)各原料を3本ロールにより混練する。
(ヘ)各原料をエクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
(ト)各原料を自転・公転ミキサーにより混練する。
4.硬化性組成物の加工方法について
本実施形態の硬化性組成物を例えば基材上に塗布して塗布膜を形成する場合の塗布(塗工)方法は、特に限定されるものではない。例えば、スプレー法やディップ法の他、ナチュラルコーター、カーテンフローコーター、コンマコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、キスロール、スクイーズロール、リバースロール、エアブレード、ナイフベルトコーター、フローティングナイフ、ナイフオーバーロール、ナイフオンブランケット等を用いた方法が挙げられる。
本実施形態の硬化性組成物をシート状に加工して硬化させることで、硬化物からなるシート材が得られる。このシート材は、必要に応じて、本実施形態の硬化性組成物以外の他の成分を含んでいてもよい。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をより詳細に説明する。
(1)ポリチオール化合物の合成
[実施例1]:ポリチオール化合物(S−1)の合成
ポリオレフィンポリオールである重量平均分子量1500の水添ポリブタジエンポリオール(日本曹達株式会社製の商品名GI−1000)100g(67mmol)と、メルカプト基含有カルボン酸(B)である3−メルカプトブタン酸(昭和電工株式会社製)18g(150mmol)と、触媒であるp−トルエンスルホン酸1水和物(東京化成工業株式会社製)2.4g(12.6mmol)と、溶媒であるトルエン(純正化学株式会社製)120gとを、ディーン・スターク装置及び冷却管を装着した容量500mLのフラスコに仕込んだ。そして、反応系内の圧力を73.3kPa(550mmHg)まで減圧した後に、120℃のオイルバスを用いて加熱しながらフラスコの内容物の撹拌を開始した。
反応により生成した水をディーン・スターク装置で反応系内から除去しながら加熱撹拌を4時間行った後に室温まで放冷し、得られた反応液を濃度5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和した。さらに、有機層をイオン交換水にて3回洗浄した後に、真空ポンプを用いて減圧することにより有機層から溶媒(トルエン)を留去して、淡黄色透明液体を得た。
得られた淡黄色透明液体は、チオール当量861、重量平均分子量1804のポリチオール化合物であり、収量は116g、収率は78%であった。
[実施例2]:ポリチオール化合物(S−2)の合成
ポリオレフィンポリオールである重量平均分子量2500の水添ポリイソプレンポリオール(出光興産株式会社製の商品名エポール)180g(72mmol)と、メルカプト基含有カルボン酸(B)である3−メルカプトブタン酸(昭和電工株式会社製)23g(195mmol)と、触媒であるp−トルエンスルホン酸1水和物(東京化成工業株式会社製)7.1g(37.3mmol)と、溶媒であるトルエン(純正化学株式会社製)182gとを、ディーン・スターク装置及び冷却管を装着した容量1Lのフラスコに仕込んだ。そして、反応系内の圧力を68.0kPa(510mmHg)まで減圧した後に、120℃のオイルバスを用いて加熱しながらフラスコの内容物の撹拌を開始した。
反応により生成した水をディーン・スターク装置で反応系内から除去しながら加熱撹拌を5時間行った後に室温まで放冷し、得られた反応液を濃度5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和した。さらに、有機層をイオン交換水にて3回洗浄した後に、真空ポンプを用いて減圧することにより有機層から溶媒(トルエン)を留去して、淡黄色透明液体を得た。
得られた淡黄色透明液体は、チオール当量1366、重量平均分子量2900のポリチオール化合物であり、収量は176g、収率は90%であった。
[実施例3]:ポリチオール化合物(S−3)の合成
ポリオレフィンポリオールである重量平均分子量2100の水添ポリブタジエンポリオール(日本曹達株式会社製の商品名GI−2000)180g(86mmol)と、メルカプト基含有カルボン酸(B)である3−メルカプトブタン酸(昭和電工株式会社製)25g(208mmol)と、触媒であるp−トルエンスルホン酸1水和物(東京化成工業株式会社製)6.5g(34.2mmol)と、溶媒であるトルエン(純正化学株式会社製)182gとを、ディーン・スターク装置及び冷却管を装着した容量1Lのフラスコに仕込んだ。そして、反応系内の圧力を68.0kPa(510mmHg)まで減圧した後に、120℃のオイルバスを用いて加熱しながらフラスコの内容物の撹拌を開始した。
反応により生成した水をディーン・スターク装置で反応系内から除去しながら加熱撹拌を3時間行った後に室温まで放冷し、得られた反応液を濃度5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和した。さらに、有機層をイオン交換水にて3回洗浄した後に、真空ポンプを用いて減圧することにより有機層から溶媒(トルエン)を留去して、淡黄色透明液体を得た。
得られた淡黄色透明液体は、チオール当量1164、重量平均分子量2390のポリチオール化合物であり、収量は168g、収率は85%であった。
[実施例4]:ポリチオール化合物(S−4)の合成
重量平均分子量540のダイマージオール(クローダ社製の商品名PRIPOL2033)180g(333mmol)と、メルカプト基含有カルボン酸(B)である3−メルカプトブタン酸(昭和電工株式会社製)96g(799mmol)と、触媒であるp−トルエンスルホン酸1水和物(東京化成工業株式会社製)10g(53mmol)と、溶媒であるトルエン(純正化学株式会社製)251gとを、ディーン・スターク装置及び冷却管を装着した容量1Lのフラスコに仕込んだ。そして、反応系内の圧力を72.0kPa(540mmHg)まで減圧した後に、120℃のオイルバスを用いて加熱しながらフラスコの内容物の撹拌を開始した。
反応により生成した水をディーン・スターク装置で反応系内から除去しながら加熱撹拌を3時間行った後に室温まで放冷し、得られた反応液を濃度5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和した。さらに、有機層をイオン交換水にて3回洗浄した後に、真空ポンプを用いて減圧することにより有機層から溶媒(トルエン)を留去して、淡黄色透明液体を得た。
得られた淡黄色透明液体は、チオール当量377、重量平均分子量750のポリチオール化合物であり、収量は232g、収率は93%であった。
[実施例5]:ポリチオール化合物(S−5)の合成
ポリオレフィンポリオールである重量平均分子量1500の水添ポリブタジエンポリオール(日本曹達株式会社製の商品名GI−1000)180g(120mmol)と、メルカプト基含有カルボン酸(B)である3−メルカプトプロピオン酸(アルドリッチ社製)30.6g(288mmol)と、触媒であるp−トルエンスルホン酸1水和物(東京化成工業株式会社製)6.8g(36mmol)と、溶媒であるトルエン(純正化学株式会社製)220gとを、ディーン・スターク装置及び冷却管を装着した容量1Lのフラスコに仕込んだ。そして、反応系内の圧力を73.3kPa(550mmHg)まで減圧した後に、120℃のオイルバスを用いて加熱しながらフラスコの内容物の撹拌を開始した。
反応により生成した水をディーン・スターク装置で反応系内から除去しながら加熱撹拌を4時間行った後に室温まで放冷し、得られた反応液を濃度5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和した。さらに、有機層をイオン交換水にて3回洗浄した後に、真空ポンプを用いて減圧することにより有機層から溶媒(トルエン)を留去して、淡黄色透明液体を得た。
得られた淡黄色透明液体は、チオール当量838、重量平均分子量1802のポリチオール化合物であり、収量は122g、収率は61%であった。
[比較合成例1]:ポリチオール化合物(S−6)の合成
ポリオレフィン骨格とダイマー骨格のいずれも有さない重量平均分子量1000のポリエステルポリオール(株式会社クラレ製の商品名P−1010)200g(200mmol)と、メルカプト基含有カルボン酸(B)である3−メルカプトブタン酸(昭和電工株式会社製)58g(482mmol)と、触媒であるp−トルエンスルホン酸1水和物(東京化成工業株式会社製)7.6g(40.0mmol)と、溶媒であるトルエン(純正化学株式会社製)207gとを、ディーン・スターク装置及び冷却管を装着した容量1Lのフラスコに仕込んだ。そして、反応系内の圧力を73.3kPa(550mmHg)まで減圧した後に、120℃のオイルバスを用いて加熱しながらフラスコの内容物の撹拌を開始した。
反応により生成した水をディーン・スターク装置で反応系内から除去しながら加熱撹拌を6時間行った後に室温まで放冷し、得られた反応液を濃度5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和した。さらに、有機層をイオン交換水にて3回洗浄した後に、真空ポンプを用いて減圧することにより有機層から溶媒(トルエン)を留去して、淡黄色透明液体を得た。
得られた淡黄色透明液体は、チオール当量609、重量平均分子量1310のポリチオール化合物であり、収量は226g、収率は94%であった。
[比較合成例2]:ポリチオール化合物(S−7)の合成
ポリオレフィン骨格とダイマー骨格のいずれも有さない重量平均分子量2000のポリエステルポリオール(株式会社クラレ製の商品名P−2010)200g(100mmol)と、メルカプト基含有カルボン酸(B)である3−メルカプトブタン酸(昭和電工株式会社製)29g(241mmol)と、触媒であるp−トルエンスルホン酸1水和物(東京化成工業株式会社製)7.6g(40.0mmol)と、溶媒であるトルエン(純正化学株式会社製)207gとを、ディーン・スターク装置及び冷却管を装着した容量1Lのフラスコに仕込んだ。そして、反応系内の圧力を73.3kPa(550mmHg)まで減圧した後に、120℃のオイルバスを用いて加熱しながらフラスコの内容物の撹拌を開始した。
反応により生成した水をディーン・スターク装置で反応系内から除去しながら加熱撹拌を6時間行った後に室温まで放冷し、得られた反応液を濃度5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和した。さらに、有機層をイオン交換水にて3回洗浄した後に、真空ポンプを用いて減圧することにより有機層から溶媒(トルエン)を留去して、淡黄色透明液体を得た。
得られた淡黄色透明液体は、チオール当量909、重量平均分子量2290のポリチオール化合物であり、収量は203g、収率は96%であった。
[比較合成例3]:水添ポリブタジエンウレタンアクリレート(S−8)の合成
コンデンサー、滴下ロート、温度計、及び撹拌機を装着した容量500mLのセパラブルフラスコに、水添ブタジエンポリオール(日本曹達株式会社製の商品名GI−1000)200g(133mmol)及びジオクチル錫ジラウレート20mgを入れ、オイルバスを用いて内温を60℃に昇温した。その後、2−イソシアナトエチルアクリレート(昭和電工株式会社製の商品名カレンズAOI)35.8g(253mmol)を滴下ロートから30分かけて滴下した。滴下している間は、内温が65℃を超えないようにした。滴下終了後、65℃±3℃に内温を管理して、撹拌を継続した。赤外吸収スペクトルでイソシアネート基のC=O伸縮振動の吸収が見られなくなったので、撹拌を止めて反応を終了し、重量平均分子量1800である水添ポリブタジエンウレタンアクリレートを得た。
なお、合成して得られたポリチオール化合物(S−1)〜(S−7)及び水添ポリブタジエンウレタンアクリレート(S−8)の重量平均分子量及びチオール当量の測定方法は、以下の通りである。
[重量平均分子量の測定方法]
実施例1〜5及び比較合成例1、2のポリチオール化合物(S−1)〜(S−7)並びに比較合成例3の水添ポリブタジエンウレタンアクリレート(S−8)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。その測定条件を以下に示す。
カラム:昭和電工株式会社製 Shodex LF−804×3本
溶離液組成:テトラヒドロフラン
溶離液流速:1mL/分
温度:40℃
検出器:東ソー株式会社製 HLC−8320GPC
[チオール当量の測定方法]
チオール当量とは、メルカプト基の単位数量当たりの分子量を表すものであり、以下のようにして測定することができる。
測定試料1.0gを精秤し、これにクロロホルム20mLを加えて試料溶液とする。可溶性デンプン0.275gを純水30gに溶解させたものをデンプン指示薬として用意し、純水20mL、イソプロピルアルコール10mL、及びデンプン指示薬1mLを試料溶液に加え、スターラーで撹拌する。そこにヨウ素溶液(和光純薬工業株式会社製、濃度0.05mol/L、ファクター1.003(20℃))を滴下し、クロロホルム層が緑色を呈した点を終点とする。このとき、下記式にて与えられる値を、測定試料のチオール当量とする。
チオール当量=測定試料の質量(g)×10000/(ヨウ素溶液の滴定量(mL)×ヨウ素溶液のファクター)
ヨウ素によりメルカプト基は酸化されジスルフィドとなる。代表的な反応を下記式に示す。
2R−SH + I → R−S−S−R +2HI
上記式中のRは任意の有機基である。全てのメルカプト基が消費されると、ヨウ素とデンプンの間でヨウ素デンプン反応が起こり発色するため、これを終点とすることができる。なお、ここでいうファクターとは補正係数であり、体積による定量分析を行う際に、濃度や密度によって変化する体積の不確かさを相殺するために、滴定試薬ごとに決められた値である。
さらに、実施例1〜5のポリチオール化合物(S−1)〜(S−5)の構造をプロトン核磁気共鳴分光分析(H−NMR)及びフーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)により解析した。その分析条件を以下に示す。
[核磁気共鳴分光分析]
実施例1〜5のポリチオール化合物(S−1)〜(S−5)をそれぞれ重クロロホルムに溶解し、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL400を使用して、核磁気共鳴分光分析を行った。H−NMRチャートを図1〜5に示す。そして、主要なケミカルシフトのピークについて帰属を行った。
下記化学式(IV)は、ポリチオール化合物の末端に位置するメルカプト基含有カルボン酸(B)に相当する部分を示すものであるが(化学式(IV)中のRはポリオレフィンポリオールに相当する部分である)、図1〜5のチャートの2.4〜2.8ppmのピークは、化学式(IV)中のb印を付したメチレン基の水素に帰属される。また、図1〜4のチャートの1.4ppmのピークは、化学式(IV)中のd印を付したメチル基の水素に帰属される。
メルカプト基のα位の炭素原子が置換基としてメチル基を有するポリチオール化合物のチャートである図1〜4の場合は、1.8〜1.9ppmのピークが、化学式(IV)中のe印を付したメルカプト基の水素に帰属される。一方、メルカプト基のα位の炭素原子が置換基としてアルキル基を有さないポリチオール化合物のチャートである図5の場合は、メルカプト基の水素由来のピークは、ケミカルシフトがずれるため、図1、図3にも見られるブタジエン骨格由来の1.6ppm付近のピークと重なる。
Figure 2017114932
[フーリエ変換赤外分光分析]
Thermo Scientific社製のFT−IR分光装置Nicolet iS10を使用して、実施例1〜5のポリチオール化合物(S−1)〜(S−5)のフーリエ変換赤外分光分析を行い、ヒドロキシ基に特有の3400cm−1のピークとメルカプト基に特有の2550cm−1のピークの確認を行った。FT−IRチャートを図6〜10に示す。
(2)硬化性組成物の調製及びその硬化物の製造
[実施例6]:硬化性組成物(P−1)の調製及びその硬化物の製造
実施例1で得られたポリチオール化合物(S−1)100質量部と、1分子中に複数のエチレン性不飽和炭化水素基を有する光重合性化合物としてトリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社)製の商品名「TAIC」)10質量部と、光重合開始剤1.1質量部と、を混合して、硬化性組成物(P−1)を得た。
トリアリルイソシアヌレートの使用量は、ポリチオール化合物(S−1)が有するメルカプト基の数とエチレン性不飽和炭化水素基の数とが同じとなる量である。また、光重合開始剤としては、BASF社製のイルガキュア(登録商標)184とイルガキュア(登録商標)907を使用し、その使用量は、ポリチオール化合物(S−1)と光重合性化合物の総量に対して各々1質量%に相当する量である。
この混合は、ポリチオール化合物(S−1)と光重合性化合物と光重合開始剤とを容量150mLの密閉ポリ容器に入れ、株式会社シンキー製の自転公転型撹拌機 あわとり練太郎ARE250を用いて、撹拌モード、回転速度2000rpmで3分間撹拌することにより行った。
混合が終了したら、密閉ポリ容器の蓋を開け、蓋を開けた時に感じる臭いを評価した。そして、下記のような評価基準に基づいて、硬化性組成物(P−1)の臭いを評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:臭気が小さい
B:臭気はあるが不快ではない
C:不快臭がある
次に、上記のようにして得られた硬化性組成物(P−1)の硬化性を、以下のようにして評価した。硬化性組成物(P−1)をポリエチレンテレフタレート製フィルムに膜厚100μmになるように塗布した後に、積算露光量が2J/cmになるように光照射して硬化させ、硬化性組成物(P−1)の硬化物を得た。光照射は、アイグラフィックス株式会社製のコンベア式高圧水銀照射装置ECS−4001GXを用いて行った。
そして、硬化物をガラス板に貼りつけた後にガラス板から引き剥がして、硬化物がガラス板に転写するか否かを確認し、下記のような評価基準に基づいて硬化性組成物(P−1)の硬化性を評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:完全に硬化し、ガラス板への転写が見られなかった。
B:ガラス板への転写が見られたが、引き剥がした硬化物に外観上の変化はなかった。
C:ガラス板への転写があり、引き剥がした硬化物の外観が変化した
次に、上記のようにして得られた硬化性組成物(P−1)の粘着性を、以下のようにして評価した。前述の硬化性組成物(P−1)を塗布し硬化したポリエチレンテレフタレート製フィルムを幅2cm、長さ10cmの短冊状に裁断し、硬化物をガラス板に密着させて、そこに質量2kgの錘を載せた。錘を載せてから1分間経過したら、錘を取り除いて90度剥離試験に供し、粘着力(単位は「N」である)を測定した。そして、測定により得られた粘着力が0.3Nよりも高い場合は、粘着性が高いと判定した。粘着力の測定値を表1に示す。なお、前述の硬化性の評価においてB又はCと評価され、硬化性が劣るとされたものについては、粘着性は「測定不可」とした。
Figure 2017114932
[実施例7〜10、比較例1〜5]硬化性組成物(P−2)〜(P−10)の調製及びそれらの硬化物の製造
各原料の種類及び使用量を表1に示すように変更した点以外は、実施例6と同様の操作を行って、硬化性組成物(P−2)〜(P−10)及びそれらの硬化物を得た。そして、実施例6と同様にして、硬化性組成物(P−2)〜(P−10)及びそれらの硬化物を評価した。結果を表1に示す。
なお、表1に記載の「Capcure(登録商標)3−800」は、東レ株式会社製のポリチオール化合物であり、エーテル基及び1級アルキレン基を有し、メルカプト基の数は3個であり、ポリオレフィン骨格とダイマー骨格のいずれも有さない。
また、表1に記載の「カレンズMT(登録商標)PE1」は、昭和電工株式会社製のポリチオール化合物であり、エステル基及び2級アルキレン基を有し、メルカプト基の数は4個であり、ポリオレフィン骨格とダイマー骨格のいずれも有さない。
さらに、表1に記載の「アロニックスM−309」は、東亜合成株式会社製のトリメチロールプロパントリアクリレート(光重合性化合物)である。
表1に示す結果から分かるように、ポリオレフィンポリオール又はダイマージオールから誘導したポリチオール化合物を用いた実施例6〜10は、硬化性及び粘着性が優れていた。実施例10は不快臭があったが、実施例6〜9は低臭気であった。
これに対して、ポリオレフィン骨格、ダイマー骨格を有していないポリチオール化合物を用いた比較例1及び比較例4は、低臭気で硬化性は優れているが、粘着性は不十分であった。また、ポリオレフィン骨格、ダイマー骨格を有しておらず、且つ、比較例1よりも分子量の高いポリチオール化合物を用いた比較例2は、硬化性が劣り粘着性の評価ができなかった。
また、ポリエーテル骨格を有するポリチオール化合物を用いた比較例3は、硬化性は優れているものの不快臭があり、粘着性も不十分であった。さらに、ポリオレフィン骨格を有するポリアクリレートをポリチオール化合物の代わりに用いた比較例5は、硬化性が著しく劣るため粘着性の評価ができなかった。

Claims (8)

  1. 複数のヒドロキシ基を有するポリオレフィンであるポリオレフィンポリオール又は2つのヒドロキシ基を有するダイマーであるダイマージオールからなるポリオール化合物(A)の前記ヒドロキシ基と、下記化学式(I)で表されるメルカプト基含有カルボン酸(B)のカルボキシ基とのエステル化合物であり、分子中に複数のメルカプト基を有するポリチオール化合物。
    ただし、下記化学式(I)中のRは炭素数2以上10以下のアルキレン基を示す。
    Figure 2017114932
  2. 前記メルカプト基含有カルボン酸(B)が、下記化学式(II)で表される化合物及び下記化学式(III)で表される化合物の少なくとも一方である請求項1に記載のポリチオール化合物。
    Figure 2017114932
    Figure 2017114932
  3. 前記ポリオール化合物(A)は25℃において液状であり、重量平均分子量が400以上5000以下である請求項1又は請求項2に記載のポリチオール化合物。
  4. 前記ポリオレフィンポリオールが、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれる少なくとも1つである請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリチオール化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリチオール化合物と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する硬化性組成物。
  6. 前記光重合性化合物がアリル化合物である請求項5に記載の硬化性組成物。
  7. 前記光重合性化合物がイソシアヌル酸トリアリルである請求項5に記載の硬化性組成物。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
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