JP2017114771A - 粉末組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間にわたってマット感又はマット効果を付与するとともに、長持ちし且つ向上した又は高いUV遮蔽効果を付与する粉末組成物を提供すること。【解決手段】本発明は、少なくとも1種の親水性非晶質シリカ粒子と組み合わせた少なくとも1種の固体有機UVフィルターを含む粉末組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、粉末組成物及び粉末組成物の調製方法に関し、更に、該組成物を用いた非治療的美容方法にも関する。
皮膚の加齢は、暦年齢のみの結果ではない。皮膚は、様々な環境ストレス、例えば紫外線に曝されており、これらにより皮膚でフリーラジカルが生じる。フリーラジカルには、例えば、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、スーパーオキシドアニオン、一酸化窒素及び水素ラジカルが含まれる。最終的な帰結は、皮膚の弾性喪失であり、皮膚の早期老化に結びつく皺の出現である。このプロセスは、一般に光老化と呼ばれる。
一般的には、紫外線を防護するために、UV遮蔽活性成分が利用される。皮膚の光防護、特に、UV-A及び/又はUV-Bに対する日焼け止めを目的とした多数の化粧用組成物が、これまでに提案されてきた。
マット感を維持(光沢調節)しながら、光防護を長持ちさせること及び光防護効率を向上させることは、アジアにおける化粧料、特にメイクアップ製品において最も重要な機能である。マット感を維持しながら長持ちさせるために、粉末状化粧料(例えば、プレストパウダー及びルースパウダー)は、アジアの消費者によって通常選択及び使用されるが、これは粉末状化粧料が液体、クリーム及び油性ファンデーション等のその他の化粧料よりもマット感付与効果を多く与えることができるためである。
一方、有機UVフィルターは、通常、化粧料、特にメイクアップ製品に光防護を付与するために使用される。有機UVフィルターは、液体又は固体(粒子)であり、且つ通常は油溶剤に溶解させることで活性化する。しかしながら、従来の粉末状化粧料、特に粉末状メイクアップ製品は、このような油溶剤を全く含有しない又は極少量含有する。したがって、従来の粉末状化粧料が十分な量の有機UVフィルターを含有することは困難である。
したがって、長持ちし(マット感を維持しながら)、且つ向上したUV防護効率の両方を提供できるUV防護化粧料、特に日焼け止め製品が求められている。
USP 5240975 EP-669,323 米国特許第2,463,264号 米国特許第5,237,071号 米国特許第5,166,355号 GB-2,303,549 DE-197,26,184 EP-893,119 WO 93/04665 DE-19855649 JP-A-H05-70325
Van de Hulst, H.C.、「Light Scattering by Small Particles」、第9章及び第10章、Wiley、ニューヨーク、1957年 The Journal of the American Chemical Society、第60巻、309頁、1938年2月 国際規格ISO 5794/1(付録D) 標準NF T 30-022 C.M. Hansenによる論文:「The three dimensional solubility parameters」、J. Paint Technol.39巻、105頁(1967年)
本発明の目的の一つは、長時間にわたってマット感を付与するとともに、長持ちし且つ向上したUV遮蔽効果を付与できるUV遮蔽用粉末組成物を提供することである。
本発明の上記の目的は、
(a)少なくとも1種の親水性非晶質シリカ粒子と、
(b)少なくとも1種の固体有機UVフィルターと
を含む粉末組成物によって達成することができ、
前記組成物は、ジカルボン酸エステルを含まないか、又は、少なくとも1種のジカルボン酸エステルを、組成物の総質量に対して3質量%未満の量で含み、
前記組成物は、芳香族化合物から選択される不揮発性油を含まないか、又は、芳香族化合物から選択される少なくとも1種の不揮発性油を、組成物の総質量に対して3質量%未満の量で含む。
(a)親水性非晶質シリカ粒子の吸油能は、1000ml/100g以下、好ましくは800ml/100g以下、より好ましくは500ml/100g以下でもよい。
(a)親水性非晶質シリカ粒子の一次粒子は、非球形状でもよい。
(a)親水性非晶質シリカ粒子のサイズは、20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは4.5μm以下でもよい。
(a)親水性非晶質シリカ粒子の嵩密度は、0.5g/cm3以下、好ましくは0.15g/cm3以下、より好ましくは0.1g/cm3以下でもよい。
(a)親水性非晶質シリカ粒子の比表面積は、700m2/g未満、好ましくは600m2/g以下、より好ましくは500m2/g以下でもよい。
本発明による組成物における(a)親水性非晶質シリカ粒子の量は、組成物の総質量に対して、1〜99質量%、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜70質量%でもよい。
(b)固体有機UVフィルターは、親油性、より好ましくは粉末形態でもよい。
(b)固体有機UVフィルターは、ジベンゾイルメタン化合物、サリチル酸化合物、カンファー化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、ビス-ベンゾアゾリル化合物、p-アミノ安息香酸(PABA)化合物、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、ベンゾオキサゾール化合物、遮蔽性ポリマー及び遮蔽性シリコーン、α-アルキルスチレン由来二量体、4,4-ジアリールブタジエン化合物、並びにこれらの混合物からなる群より選択されてよい。
本発明による組成物における(b)固体有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、1〜60質量%、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは4〜40質量%でもよい。
本発明による組成物は、(a)親水性非晶質シリカ粒子及び(b)固体有機UVフィルターを含む、少なくとも1種の複合粒子を含んでもよい。
本発明による組成物は、(c)少なくとも1種のフィラーを更に含んでもよい。
本発明による組成物は、極性油を含まなくてもよく、又は、少なくとも1種の極性油を、組成物の総質量に対して、質量%に換算して、(b)固体有機UVフィルターの量の5倍未満の量で含んでもよい。
本発明は、本発明による組成物をケラチン物質上に適用する工程を含む、ケラチン物質をケア及び/又はメイクアップする非治療的美容方法にも関する。
本発明は、更に、粉末組成物の調製方法にも関し、
(a)少なくとも1種の親水性非晶質シリカ粒子と、
(b)少なくとも1種の固体有機UVフィルターと
を乾式混合する工程、及び
前記乾式混合工程により得られた混合物を微粉砕する工程を含み、
好ましくは少なくとも1種のフィラーと更に混合する工程を含む。
実施例4並びに比較例10、13及び16による組成物の280〜480nmの領域におけるUV透過率を示す図である。 実施例5並びに比較例11、14及び17による組成物の280〜480nmの領域におけるUV透過率を示す図である。 実施例6並びに比較例12、15及び18による組成物の280〜480nmの領域におけるUV透過率を示す図である。
鋭意検討の結果、本発明者らは、固体有機UVフィルターを親水性非晶質シリカ粒子と組み合わせて使用することにより、長時間にわたってマット感を付与するとともに、長持ちし且つ向上したUV遮蔽効果を付与できるUV遮蔽のための粉末組成物を提供することが可能であることを発見した。
したがって、本発明は、
(a)少なくとも1種の親水性非晶質シリカ粒子と、
(b)少なくとも1種の固体有機UVフィルターと
を含む粉末組成物、及び、当該組成物の調製方法に関する。
前記粉末組成物は、ジカルボン酸エステルを含まないか、又は、少なくとも1種のジカルボン酸エステルを、組成物の総質量に対して3質量%未満の量で含む。
前記組成物は、芳香族化合物から選択される不揮発性油を含まないか、又は、芳香族化合物から選択される少なくとも1種の不揮発性油を、組成物の総質量に対して3質量%未満の量で含む。
本発明による粉末組成物、好ましくは粉末化粧用組成物は、長時間にわたってマット感又はマット効果を付与するとともに、長持ちし且つ向上した又は高いUV遮蔽効果を付与することができる。
したがって、本発明は、長持ちし(マット感を維持しながら)、且つ向上したUV防護効率の両方を提供できるUV防護化粧料、特に日焼け止め製品への要求を実現することができる。
以下、本発明による組成物を、より詳細に説明する。
[粉末組成物]
本発明による粉末組成物は、
(a)少なくとも1種の親水性非晶質シリカ粒子と、
(b)少なくとも1種の固体有機UVフィルターと
を含む。
{親水性非晶質シリカ粒子}
本発明による粉末組成物は、(a)少なくとも1種の親水性非晶質シリカ粒子を含む。2種以上の親水性非晶質シリカ粒子を使用する場合、それらは同じ又は異なってもよく、同じであることが好ましい。
一実施形態では、(a)親水性非晶質シリカ粒子のサイズは、20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは4.5μm以下である。一実施形態では、(a)親水性非晶質シリカ粒子のサイズは、1.0μm以上、好ましくは2.0μm以上、より好ましくは3.0μm以上である。上記粒径は、平均粒径の数字を意味し、市販の粒径アナライザーであるMalvern社製のMasterSizer 2000型を用いて、静的光散乱により測定することができる。データは、ミー散乱理論に基づいて処理される。この理論は、等方性粒子について厳密であり、非球形粒子の事例において「有効な」粒子直径を求めることを可能にする。この理論は、詳細には、Van de Hulst, H.C.、「Light Scattering by Small Particles」、第9章及び第10章、Wiley、ニューヨーク、1957年の刊行物に記載されている。上記の粒径は、Shimadzu社のレーザー法であるSALD 2000によって測定することもできる。
一実施形態では、(a)親水性非晶質シリカ粒子の嵩密度は、0.5g/cm3以下、好ましくは0.15g/cm3以下、より好ましくは0.1g/cm3以下である。一実施形態では、(a)親水性非晶質シリカ粒子の嵩密度は、0.01g/cm3以上、好ましくは0.03g/cm3以上、より好ましくは0.05g/cm3以上である。上記の嵩密度は、単位容積当たりの質量を意味し、従来法で測定することができる。嵩密度を測定するために使用される方法は、限定されない。嵩密度は、例えば、粒子3gを目盛付試験管中に入れ、粒子の容積を測定して、3gを測定した容積で割ることによって測定してもよい。
一実施形態では、(a)親水性非晶質シリカ粒子の比表面積は、700m2/g未満、好ましくは600m2/g以下、より好ましくは500m2/g以下である。一実施形態では、(a)親水性非晶質シリカ粒子の比表面積は、100m2/g以上、好ましくは200m2/g以上、より好ましくは280m2/g以上である。上記の比表面積は、BET(Brunauer-Emmett-Teller)法として知られる窒素吸収法によって決定でき、The Journal of the American Chemical Society、第60巻、309頁、1938年2月に記載されており、国際規格ISO 5794/1(付録D)に対応している。BET比表面積は、検討中の粒子の総比表面積に相当する(したがって微細孔を含む)。
一実施形態では、(a)親水性非晶質シリカ粒子の吸油能は、1000ml/100g以下、好ましくは800ml/100g以下、より好ましくは500ml/100g以下である。一実施形態では、(a)親水性非晶質シリカ粒子の吸油能は、100ml/100g以上、好ましくは200ml/100g以上、より好ましくは300ml/100g以上である。上記の吸油能は、以下に記載される方法に従って、湿潤点を測定することにより特性を決定することができる。湿潤点で測定される吸油能は、Wpと記され、均質なペーストを得るために粒子100gに加える必要のある油の量に相当する。
吸収した油(油取込み)の量は、標準NF T 30-022に記載の粒子の油取込み量を決定する方法に従って測定することができる。これは、湿潤点の測定による、粒子の空いている表面上に吸収/吸着される油の量に相当する。
約0.5gから5gの間の量「m」(グラム単位)の粒子(この量は粒子の密度に依存するが、通常は2g)をガラス板上に置き、次に、亜麻仁油を滴下添加する。
4〜5滴の亜麻仁油を添加後、スパチュラを用いて亜麻仁油を粒子に練り込み、亜麻仁油と粒子の集合体が形成されるまで亜麻仁油の添加を続ける。この時点で、亜麻仁油を1滴ずつ添加し、次に、混合物をスパチュラで磨りつぶす。堅く滑らかなペーストが得られたら、亜麻仁油の添加を中止する。このペーストは、ひび割れることなく又は塊を形成することなく、ガラス板上に広げることができなければならない。次に、使用した亜麻仁油の体積「Vs」(mlで表す)を記す。
油取込み量は、比Vs/mに相当する。Wpは、(Vs/m)×100に相当する。
(a)親水性非晶質シリカ粒子は、粒子が油を吸収できるように多孔質であることが好ましい。
(a)親水性非晶質シリカ粒子は、いかなる形態であってもよい。
アスペクト比が少なくとも5、好ましくは10より大きい、より好ましくは20より大きい、更により好ましくは50より大きい、板の形態の(a)親水性非晶質シリカ粒子を使用することが可能である。アスペクト比は、アスペクト比=長さ/厚さの式に従って、平均厚さ及び平均長さから求めることができる。
板状の粒子を本発明に使用する場合、板状粒子は、100nm以上、好ましくは200nm以上、より好ましくは300nm以上、及び/又は30μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下の(最長の)長さを有することが好ましい。
好ましい実施形態では、(a)親水性非晶質シリカ粒子の一次粒子及び二次粒子の両方は、非球形状、例えば板の形状である。
一実施形態では、(a)親水性非晶質シリカ粒子は、中空でもよい。
(a)親水性非晶質シリカ粒子は、親水性非晶質シリカからできた少なくとも1種のコーティング、及び任意の材料からできた中心部を有する可能性がある。(a)親水性非晶質シリカ粒子の全体は、親水性非晶質シリカからできていることが好ましい。
(a)親水性非晶質シリカは、水溶性でないことが好ましい。(a)親水性非晶質シリカの水性懸濁液のpHは、6〜8、好ましくは6.5〜8、より好ましくは7〜8でもよい。
(a)親水性非晶質シリカ粒子は、市場から入手可能である。(a)親水性非晶質シリカ粒子の一例として、富士シリシア化学社より販売されているサイリシアシリーズ、特にサイリシア350を挙げることができる。
好ましくは湿式法、特にゲル法によって作製された合成(a)親水性非晶質シリカ粒子を使用することが好ましい。湿式-ゲル法によって作製された合成非晶質シリカ粒子は、シリカゲルと呼ばれている。
本発明による粉末組成物における(a)親水性非晶質シリカ粒子の量は、組成物の総質量に対して、1〜99質量%、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜70質量%でもよい。
{固体有機UVフィルター}
本発明による粉末組成物は、(b)少なくとも1種の固体有機UVフィルターを含む。2種以上の固体有機UVフィルターを使用する場合、それらは同じ又は異なってもよく、同じであることが好ましい。
本発明に使用される(b)固体有機UVフィルターは、UV-A及び/又はUV-B領域において活性でもよい。(b)固体有機UVフィルターは、親水性及び/又は親油性でもよく、親油性であることが好ましい。
用語「固体」は、25℃、1気圧下での固体を意味する。(b)固体有機UVフィルターは、粉末形態であることがより好ましい。
固体有機UVフィルターは、ジベンゾイルメタン化合物、サリチル酸化合物、カンファー化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、ビス-ベンゾアゾリル化合物、p-アミノ安息香酸(PABA)化合物、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、ベンゾオキサゾール化合物、遮蔽性ポリマー及び遮蔽性シリコーン、α-アルキルスチレン由来二量体、4,4-ジアリールブタジエン化合物、並びにこれらの混合物からなる群より選択できる。
(b)固体有機UVフィルターの例としては、INCI名で以下に示すもの、及びそれらの混合物が挙げられる。
- ジベンゾイルメタン化合物:具体的には、Hoffmann-La Roche社より商標「Parsol 1789」で販売されているブチルメトキシジベンゾイルメタン、及びイソプロピルジベンゾイルメタン。
- サリチル酸化合物:サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル。
- カンファー化合物、特にベンジリデンカンファー誘導体:Chimex社より商標「Mexoryl SD」で製造されている3-ベンジリデンカンファー、Merck社より商標「Eusolex 6300」で販売されている4-メチルベンジリデンカンファー、Chimex社より商標「Mexoryl SL」で製造されているベンジリデンカンファースルホン酸、Chimex社より商標「Mexoryl SO」で製造されているメト硫酸カンファーベンザルコニウム、Chimex社より商標「Mexoryl SX」で製造されているテレフタリリデンジカンファースルホン酸、及びChimex社より商標「Mexoryl SW」で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
- ベンゾフェノン化合物:BASF社より商標「Uvinul 400」で販売されているベンゾフェノン-1(2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン)、BASF社より商標「Uvinul D50」で販売されているベンゾフェノン-2(テトラヒドロキシベンゾフェノン)、BASF社より商標「Uvinul M40」で販売されているベンゾフェノン-3(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)又はオキシベンゾン、BASF社より商標「Uvinul MS40」で販売されているベンゾフェノン-4(ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸)、ベンゾフェノン-5(ナトリウムヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホネート)、Norquay社より商標「Helisorb 11」で販売されているベンゾフェノン-6(ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン)、American Cyanamid社より商標「Spectra-Sorb UV-24」で販売されているベンゾフェノン-8、BASF社より商標「Uvinul DS-49」で販売されているベンゾフェノン-9(二ナトリウムジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホネート)、ベンゾフェノン-12、及びn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート(BASF社によるUVINUL A+)。
- トリアジン化合物:Sigma 3V社より商標「Uvasorb HEB」で販売されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、Ciba Geigy社より商標「TINOSORB S」で販売されているビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びBASF社より商標「UVINUL T150」で販売されているエチルヘキシルトリアゾン。
- ベンゾトリアゾール化合物、特にフェニルベンゾトリアゾール誘導体:分枝状及び直鎖状の2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノール、及びUSP 5240975に記載のもの。
- ベンゾイミダゾール化合物、特にフェニルベンゾイミダゾール誘導体:具体的には、Merck社より商標「Eusolex 232」で販売されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、及びHaarmann and Reimer社より商標「Neo Heliopan AP」で販売されているフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
- イミダゾリン化合物:エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
- ビス-ベンゾアゾリル化合物:EP-669,323及び米国特許第2,463,264号に記載の誘導体。
- パラ-アミノ安息香酸化合物:PABA(p-アミノ安息香酸)、エチルPABA、
- メチレンビス-(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、例えば、Fairmount Chemical社より商標「Mixxim BB/200」で固体形態にて販売されている2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-フェノール]、BASF社より商標「Tinosorb M」で又はFairmount Chemical社より商標「Mixxim BB/100」で水性分散液中微粉化形態にて販売されている2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、及び米国特許第5,237,071号、米国特許第5,166,355号、GB-2,303,549、DE-197,26,184、及びEP-893,119に記載の誘導体、並びにRhodia Chimie社より商標「Silatrizole」で又はL'Oreal社より商標「Mexoryl XL」で販売されている下記に表すドロメトリゾールトリシロキサン。
Figure 2017114771
- ベンゾオキサゾール化合物:Sigma 3V社より商標Uvasorb K2Aで販売されている2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン。
- 遮蔽性ポリマー及び遮蔽性シリコーン:WO 93/04665に記載のシリコーン。
- α-アルキルスチレン由来二量体:DE-19855649に記載の二量体。
- 4,4-ジアリールブタジエン化合物:1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
(b)固体有機UVフィルターは、以下からなる群より選択されることが好ましい:
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、1,1'-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]-メタノン、4-メチルベンジリデンカンファー、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、エチルヘキシルトリアゾン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4-ビス-(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ]-ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、2,4,6-トリス-(ジ-フェニル)-トリアジン、2,4,6-トリス-(テル-フェニル)-トリアジン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ドロメトリゾールトリシロキサン、1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、カンファーベンジルコニウムメトスルフェート、及びこれらの混合物。
本発明による組成物における(b)固体有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、1〜60質量%、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは4〜40質量%でもよい。
{調製方法}
本発明による粉末組成物の調製は限定されない。例えば、本発明による粉末組成物は、
(a)少なくとも1種の親水性非晶質シリカ粒子と、
(b)少なくとも1種の固体有機UVフィルターと
を乾式混合する工程、及び
前記乾式混合工程により得られた混合物を微粉砕する工程を含む方法により調製できる。
ここで用語「乾式」は、混合工程において液体が使用されないこと又は極少量の液体が使用されることを意味する。本明細書で使用する場合、用語「極少量」は、例えば、混合される固体成分の総質量に対して、液体2質量%以下、好ましくは液体1質量%以下、より好ましくは液体1%以下、更により好ましくは液体0.1質量%以下を意味する。
乾式混合工程において、ヘンシェルミキサー等のいかなる従来のミキサーでも使用することができる。
微粉砕工程において、微粉砕機/ミル(例えば、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル)等のいかなる従来の手段でも使用することができる。
本発明による粉末組成物の調製方法は、更に、(a)親水性非晶質シリカ粒子及び(b)固体有機UVフィルターに加えて、後述するフィラー及び油等の任意成分を更に混合する工程を含んでもよい。更なる混合工程は、ヘンシェルミキサー等の従来のミキサーを使用してもよい。
本発明による粉末組成物は、(b)固体有機UVフィルターを含むため、本発明による組成物は、光防護、好ましくは日よけ防護、より好ましくは抗UV防護を提供することができる。
本発明による組成物は、(a)親水性非晶質シリカ粒子及び(b)固体有機UVフィルターを含んだ少なくとも1種の複合粒子を含むことが好ましい。
本発明による組成物は、(a)親水性非晶質シリカ粒子及び(b)固体有機UVフィルターの複合粒子を、組成物の総質量に対して、1〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%、更により好ましくは15〜50質量%の量で含んでもよい。
一実施形態では、本発明による組成物は、無水組成物でもよい。本明細書で使用する場合、用語「無水組成物」は、例えば、水2質量%以下、好ましくは水1質量%以下、より好ましくは水0.1質量%以下を含む組成物、及び特に水を含まない組成物を意味し、ここで、水は組成物の調製中に添加されないが、混合成分によってもたらされる残留水に相当する。
本発明による粉末組成物は、ケア製品及び/又はメイクアップ製品として使用することができる。
本発明による粉末組成物は、皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉毛及び頭皮等のケラチン物質の美容トリートメント、特にケア製品及び/又はメイクアップ製品のための化粧用組成物でもよい。
本発明による粉末組成物は、パウダーファンデーション、プレストパウダー、ルースパウダー及びデオドラントパウダーの形態でもよい。本明細書で使用する場合、用語「プレストパウダー」は、手動又は機械プレスを使用して加圧された粉末を意味する。当業者にとって、いわゆる乾式法及び湿式法等の周知の方法を使用することによってプレストパウダーを調製することは困難ではない。
乾式法において、粉末状化粧用組成物の成分は、受皿等の容器に充填される。充填した後、それらは、成分を圧縮することで圧粉を調製するために、電気モーター、水圧ラム又は空気圧シリンダ等によってもたらされる機械力によって加圧される。超音波は、必要に応じて、JP-A-H05-70325に記載された成分に適用してもよい。
一方で、湿式法において、粉末状化粧用組成物の成分は、多量の溶媒中に一度分散されることでスラリーを作製する。次いで、スラリーは容器に充填される。充填した後、スラリーは機械力によって加圧される一方、溶媒は、スラリーを固化するために同時及び/又は順次に除去される。
[任意成分]
{フィラー}
本発明による粉末組成物は、(c)少なくとも1種のフィラーを更に含んでもよい。2種以上のフィラーを組み合わせて使用してもよい。したがって、単一の種類のフィラー又は異なる種類のフィラーの組合せを使用してもよい。
用語「フィラー」は、組成物が製造される温度がいかなる温度であっても、本発明による組成物中に存在しうる液体成分に不溶性である無色若しくは白色の、無機又は合成の粒子を意味すると理解されるべきである。
(c)フィラーは、無機でも有機でもよく、結晶形態がいかなるもの(例えば、薄板、立方晶系、六方晶系、斜方晶系等)であっても、球状又は長円形の形状であってもよい。非限定的に、タルク、マイカ、シリカ(成分(a)を除く)、シリカシリレート、カオリン、セリサイト、焼成タルク、焼成マイカ、焼成セリサイト、合成マイカ、オキシ塩化ビスマス、硫酸バリウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、及びヒドロキシアパタイト、ポリアミド[Nylon(登録商標)]、ポリ-β-アラニン及びポリエチレンで形成される粉末、ポリウレタンで形成される粉末、テトラフルオロエチレンポリマー[Teflon(登録商標)]で形成される粉末、ラウリルリシン、デンプン、ポリマー中空マイクロスフィア、例えばポリ(塩化ビニリデン)/アクリロニトリルの中空マイクロスフィア、例えばExpancel(登録商標)(Nobel Industrie社)、若しくはアクリル酸コポリマーの中空マイクロスフィア、シリコーン樹脂マイクロビーズ[例えば、Toshiba社のTospearls(登録商標)]、ポリオルガノシロキサンエラストマーで形成される粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、中空シリカマイクロスフィア、ガラス若しくはセラミックマイクロカプセル、又は8〜22個の炭素原子、例えば12〜18個の炭素原子を有する有機カルボン酸に由来する金属石けん、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛若しくはミリスチン酸マグネシウムを挙げることができる。
本発明による組成物は、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、セリサイト、焼成タルク、焼成マイカ、焼成セリサイト、合成マイカ、オキシ塩化ビスマス、硫酸バリウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、及びヒドロキシアパタイトからなる群より選択される無機フィラーを含むことが好ましい。
本発明に適するフィラーは、例えば、平均粒径が100μm未満、特に1から50μmの間、例えば4から20μmの間のフィラーでもよい。
本発明の組成物中の(c)フィラーの量は、組成物の総質量に対して、1〜90質量%、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは15〜70質量%、更により好ましくは20〜60質量%の範囲でもよい。
{ジカルボン酸エステル}
上記粉末組成物は、ジカルボン酸エステルを含まないか、又は、少なくとも1種のジカルボン酸エステルを、組成物の総質量に対して、3質量%未満、好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、特に0.5質量%未満の量で含む。
ジカルボン酸エステルは、(b)固体有機UVフィルターを溶解することができる。
ジカルボン酸エステルとして、C4〜C22のジカルボン酸とC1〜C22のアルコールとのエステルが挙げられる。
特に、ジエチルセバケート、ジイソプロピルセバケート、ビス(2-エチルヘキシル)セバケート、ジブチルアジパート、ジカプリリルアジパート、ジカプリルアジパート、ジイソプロピルアジパート、ジ-n-プロピルアジパート、ジオクチルアジパート、ビス(2-エチルヘキシル)アジパート、ジイソステアリルアジパート、及びビス(2-エチルヘキシル)マレアートが挙げられる。
本発明による組成物が、ジカルボン酸エステルを含まないか、又は、極少量含み、且つ(b)固体有機UVフィルターが溶解しない場合でも、当該組成物はUV遮蔽効果を有することができる。
{芳香族化合物から選択される不揮発性油}
上記組成物は、芳香族化合物から選択される不揮発性油を含まないか、又は、芳香族化合物から選択される少なくとも1種の不揮発性油を、組成物の総質量に対して、3質量%未満、好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、特に0.5質量%未満の量で含む。
芳香族化合物から選択される不揮発性油は、(b)固体有機UVフィルターを溶解することができる。
用語「油」は、室温(25℃)、大気圧(760mmHg)下で液体又はペースト(非固体)の形態である脂肪族化合物又は脂肪性物質を意味する。
用語「不揮発性油」は、室温及び大気圧で、皮膚上又はケラチン繊維上に少なくとも数時間は残り、特に蒸気圧が10〜3mmHg(0.13Pa)未満である油を意味する。
用語「芳香族化合物から選択される油」は、少なくとも1個のベンゼン環を有する化合物である油を意味する。
本発明による組成物が、芳香族の不揮発性油を含まないか、又は、極少量含み、且つ(b)固体有機UVフィルターが溶解しない場合でも、当該組成物はUV遮蔽効果を有することができる。
{極性油}
上記粉末組成物は、極性油を含まないか、又は、少なくとも1種の極性油を組成物の総質量に対して、質量%に換算して、固体有機UVフィルターの量の5倍未満の量で含む。
一実施形態では、粉末組成物は、極性油を含まないか、又は、少なくとも1種の極性油を、組成物の総質量に対して、3質量%未満、より好ましくは2質量%未満、更により好ましくは1質量%未満、特に0.5質量%未満の量で含む。
本発明による組成物が、極性油を含まないか、又は、極少量含み、且つ固体有機UVフィルターが極性油中に溶解されない場合でも、当該組成物はUV遮蔽効果を有することができる。
用語「極性油」は、25℃で、分散相互作用の特徴を示す溶解度パラメーターδdが16を超え、極性相互作用の特徴を示す溶解度パラメーターδpが厳密に0を超える任意の親油性化合物を意味する。溶解度パラメーターδd及びδpは、ハンセン(Hansen)分類に従って定義される。例えば、これらの極性油は、エステル、トリグリセリド及びエーテルから選択してもよい。
ハンセン3次元溶解度空間における溶解度パラメーターの定義及び計算については、C.M. Hansenによる論文:「The three dimensional solubility parameters」、J. Paint Technol.39巻、105頁(1967年)に記載されている。
このハンセン空間によれば、
δdは、分子の衝突中に誘起される双極子の形成から生じるロンドン分散力を特徴とし、
δpは、永久双極子間のデバイ相互作用力、更に誘起双極子と永久双極子との間のケーソム相互作用力を特徴とし、
δhは、特定の相互作用力(例えば、水素結合、酸/塩基、ドナー/アクセプター等)を特徴とし、
δaは、δa=(δp 2h 1)1/2の等式によって決定される。
パラメーターδp、δh、δd及びδaは、(J/cm3)1/2で表される。
これらの極性油は、植物、鉱物又は合成起源でもよい。
極性油は、不揮発性極性炭化水素系油から選択してもよい。
用語「炭化水素系の極性油」は、炭素原子及び水素原子、並びに任意選択で酸素原子及び窒素原子から本質的に形成されるか、又はこれらによって構成され、ケイ素原子又はフッ素原子を一切含有しない極性油を意味する。これには、アルコール基、エステル基、エーテル基、カルボン酸基、アミン基及び/又はアミド基が含有されてよい。
一実施形態では、上記粉末組成物は、固体有機UVフィルターを溶解可能な油溶剤を含まないか、又は、固体有機UVフィルターを溶解可能な少なくとも1種の油溶剤を、組成物の総質量に対して、質量%に換算して、固体有機UVフィルターの5倍未満の量で含む。
一実施形態では、上記粉末組成物は、固体有機UVフィルターを溶解可能な油溶剤を含まないか、又は、固体有機UVフィルターを溶解可能な少なくとも1種の油溶剤を、組成物の総質量に対して3質量%未満、好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、特に0.5質量%未満の量で含む。
固体有機UVフィルターを溶解可能な油溶剤は、以下の油溶剤から選択してもよい:
BASF社によるCegesoft(登録商標) C24等のエチルヘキシルパルミテート
BASF社によるCetiol(登録商標) 868等のエチルヘキシルステアレート
BASF社によるCetiol(登録商標) A等のヘキシルラウレート
BASF社によるCetiol(登録商標) AB等のC12〜15のアルキルベンゾエート
BASF社によるCetiol(登録商標) B等のジブチルアジパート
BASF社によるCetiol(登録商標) C 5C及びCetiol(登録商標) LC等のココ-カプリレート/カプレート
BASF社によるCetiol(登録商標) CC等の炭酸ジカプリリル
BASF社によるCetiol(登録商標) HE等のPEG-7グリセリルココエート
BASF社によるCetiol(登録商標) HE810等のPEG-7(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルBASF社によるCetiol(登録商標) J600等のオレイルエルカート
BASF社によるCetiol(登録商標) OE Deo等のジカプリリルエーテル
BASF社によるCetiol(登録商標) PEEH4等のペンタエリスリチルテトラエチルヘキサノエート
BASF社によるCetiol(登録商標) RLF Deo等のカプリリルカプリレート/カプレート
BASF社によるCetiol(登録商標) SB45 Deo等のシアバター
BASF社によるCetiol(登録商標) Sensoft等のプロピルヘプチルカプリレート
BASF社によるCetiol(登録商標) SN-1等のセチルエチルヘキサノエート
BASF社によるCetiol(登録商標) SN等のセテアリルイソノナノエート
BASF社によるCetiol(登録商標) Ultimate等のウンデカントリデカン
BASF社によるCetiol(登録商標) V等のデシルオレエート
BASF社によるEutanol(登録商標) G-JP等のオクチルドデカノール
BASF社によるEutanol(登録商標) G16N等のヘキシルデカノール
BASF社によるEutanol(登録商標) G16S等のイソセチルステアレート
BASF社によるEutanol(登録商標) GM等のオクチルドデシルミリステート
BASF社によるIPM等のイソプロピルミリステート
BASF社によるIPP等のイソプロピルパルミテート
BASF社によるLuvitol(登録商標) Lite等の水添ポリイソブテン
BASF社によるMyritol(登録商標) 318等のカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
BASF社によるMyritol(登録商標) GTEH等のトリエチルヘキサノイン
BASF社によるMyritol(登録商標) PGDC等のプロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート。
{その他の任意成分}
本発明による粉末組成物は、例えば、油、ワックス、親水性有機溶媒、イオン性若しくは非イオン性の、親水性若しくは親油性の増粘剤、柔軟剤、湿潤剤、乳白剤、安定剤、皮膚軟化剤、シリコーン、消泡剤、香料、保存剤、陽イオン性、陰イオン性、両性若しくは非イオン性の界面活性剤、活性化剤、フィラー、着色剤、ポリマー、噴射剤、酸性化剤若しくは塩基性化剤、又は化粧品で及び/若しくは皮膚科学で通常使用される任意のその他の成分から選択される1種又は複数の標準的な化粧品用アジュバントも含んでもよい。
親水性有機溶媒としては、一価アルコール及び多価アルコールが挙げられる。一価アルコールは、例えば、エタノール及びプロパノールでもよい。多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール及びジエチレングリコール等のグリコール、並びにグリセリンから選択することができる。
活性化剤としては、以下が挙げられる:
- ビタミン(A、C、E、K、PP等)及びそれらの誘導体又は前駆体、単体で又は混合物として、
- 酸化防止剤、
- 遊離基捕捉剤、
- 抗糖化剤、
- 鎮静剤、
- NO合成酵素阻害剤、
- 真皮若しくは表皮巨大分子の合成を刺激し、且つ/又はそれらの分解を防止する薬剤、
- 線維芽細胞増殖を刺激する薬剤、
- ケラチノサイト増殖を刺激する薬剤、
- 筋弛緩剤、
- 張力剤、
- マット感付与剤、
- 角質溶解剤、
- 角層剥離剤、
- 保湿剤、例えばグリセロール、ブチレングリコール又はプロピレングリコール等のポリオール類、
- 抗炎症剤、
- 細胞のエネルギー代謝に作用する薬剤、
- 防虫剤、
- サブスタンスP拮抗剤又はCGRP拮抗剤、
- 脱毛抑制剤及び/又は育毛剤、
- 抗皺剤、
- 追加の無機及び有機UV遮蔽剤、例えば上述したもの。
言うまでもなく、当業者は、本発明による組成物に本質的に関連する有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けない又は実質的に受けないように、本発明による組成物に添加される任意のアジュバントを注意深く選択することになる。
[美容方法]
本発明による粉末組成物は、多くのトリートメント、特に、皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉毛及び頭皮等のケラチン物質の美容トリートメントに適用される。本発明による組成物は、皮膚、好ましくは顔、首及び体の皮膚、より好ましくは顔の皮膚の美容トリートメントに使用されることが好ましい。
本発明による組成物は、例えば、ケア製品及び/又はメイクアップ製品として使用することができる。
本発明による組成物は、例えば、日よけ防護、特にUV-A及び/又はUV-Bからの防護をもたらすために使用してもよい。本発明による組成物は、日焼け止め組成物として使用することができる。
更に本発明は、美容方法、特に、皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉毛及び頭皮等のケラチン物質をケア及び/又はメイクアップするための非治療的美容方法にも関する。非治療的美容方法は、本発明による組成物及び/又は化粧用組成物をケラチン物質、特に、顔、首及び体の皮膚、より好ましくは顔の皮膚上に適用する工程を含む。
本発明による美容方法は、本発明による化粧用組成物中に更に含有される組成物中の(b)固体有機UVフィルターが付与するUVフィルタリング効果によって、顔の皮膚等のケラチン物質に美容効果を提供することができる。UVフィルタリング効果は、皮膚のケア及び/又はメイクアップの基礎でありうる。美容効果としては、皮膚黒化の抑制、肌艶の色及び均一化の改善、並びに/又は皮膚の老化の処置が挙げられる。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
(実施例1〜3及び比較例1〜9)
[調製]
表1に示す実施例1〜3及び比較例1〜9による微粒子形態の以下の組成物を、下記の工程により調製した:
(1)シリカと固体有機UVフィルターとを混合し、シリカと固体有機UVフィルターの混合物を調製する工程、及び
(2)工程(1)で得られた混合物を微粉砕する工程。
表1に示す成分の量の数値は、全て活性原料として「質量%」に基づいている。
Figure 2017114771
サイリシア350、VM-2270及びサンスフェアH51の性質は、以下の通りである。
Figure 2017114771
(実施例4〜6及び比較例10〜18)
[調製]
表3に示す実施例4〜6及び比較例10〜18による以下の粉末状化粧用組成物を、下記の工程により調製した:
(3)実施例1〜3及び比較例1〜9による微粒子形態の各組成物をタルクと混合する工程。
表3に示す成分の量の数値は、全て活性原料として「質量%」に基づいている。
Figure 2017114771
[評価]
(UV透過率)
実施例4〜6及び比較例10〜18による各組成物をジメチコン(12,500センチストークス)中に分散させ、懸濁液を形成した。得られた懸濁液を2つの石英ガラスプレート(GL Science社、カタログ番号6620-71031、30mm×30mm×1mm)の間に置き、光路長をリードスペーサー(GL Science社、カタログ番号6220-20105、DC-You-Space、長さ0.05mm)により50μmに調節し、サンプルを調製した。サンプルの280〜480nmの領域でのUV透過率は、積分球(JASCO社、ISV-469)に取り付けられたUV/Vis分光光度計(JASCO社、UV-550)によって測定した。上記の手順を3回繰り返し、平均UV透過率を得た。
結果を図1〜図3に示す。
図1に示すように、280〜480nmの領域、特にUV-B領域に相当する280〜315nmの領域において、実施例4による組成物は、比較例10、13及び16による組成物よりも低いUV透過率を有する。したがって、実施例4による組成物は、優れたUVフィルタリング効果を有する。
図2に示すように、280〜480nmの領域、特にUV-B領域に相当する280〜315nmの領域において、実施例5による組成物は、比較例11、14及び17による組成物よりも低いUV透過率を有する。したがって、実施例5による組成物は、優れたUVフィルタリング効果を有する。
図3に示すように、280〜480nmの領域、特にUV-A領域に相当する315〜400nmの領域において、実施例6による組成物は、比較例12、15及び18による組成物よりも低いUV透過率を有する。したがって、実施例6による組成物は、優れたUVフィルタリング効果を有する。
したがって、実施例1〜3による微粒子形態の組成物は、比較例1〜9による組成物と比較して、向上したUVフィルタリング効果を提供することができると理解されうる。

Claims (15)

  1. (a)少なくとも1種の親水性非晶質シリカ粒子と、
    (b)少なくとも1種の固体有機UVフィルターと
    を含む粉末組成物であって、
    ジカルボン酸エステルを含まないか、又は、少なくとも1種のジカルボン酸エステルを、組成物の総質量に対して3質量%未満の量で含み、且つ
    芳香族化合物から選択される不揮発性油を含まないか、又は、芳香族化合物から選択される少なくとも1種の不揮発性油を、組成物の総質量に対して3質量%未満の量で含む、粉末組成物。
  2. (a)親水性非晶質シリカ粒子の吸油能が、1000ml/100g以下、好ましくは800ml/100g以下、より好ましくは500ml/100g以下である、請求項1に記載の組成物。
  3. (a)親水性非晶質シリカ粒子の一次粒子が非球形状である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. (a)親水性非晶質シリカ粒子のサイズが、20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは4.5μm以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. (a)親水性非晶質シリカ粒子の嵩密度が、0.5g/cm3以下、好ましくは0.15g/cm3以下、より好ましくは0.1g/cm3以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. (a)親水性非晶質シリカ粒子の比表面積が、700m2/g未満、好ましくは600m2/g以下、より好ましくは500m2/g以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 組成物中の(a)親水性非晶質シリカ粒子の量が、組成物の総質量に対して、1〜99質量%、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜70質量%である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. (b)固体有機UVフィルターが親油性であり、より好ましくは粉末形態である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. (b)固体有機UVフィルターが、ジベンゾイルメタン化合物、サリチル酸化合物、カンファー化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、ビス-ベンゾアゾリル化合物、p-アミノ安息香酸(PABA)化合物、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、ベンゾオキサゾール化合物、遮蔽性ポリマー及び遮蔽性シリコーン、α-アルキルスチレン由来二量体、4,4-ジアリールブタジエン化合物、並びにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 組成物中の(b)固体有機UVフィルターの量が、組成物の総質量に対して、1〜60質量%、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは4〜40質量%である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. (a)親水性非晶質シリカ粒子及び(b)固体有機UVフィルターを含んだ少なくとも1種の複合粒子を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. (c)少なくとも1種のフィラーを更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 極性油を含まないか、又は、少なくとも1種の極性油を、組成物の総質量に対して、質量%に換算して、(b)固体有機UVフィルターの量の5倍未満の量で含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物を適用する工程を含む、ケラチン物質をケア及び/又はメイクアップする非治療的美容方法。
  15. 粉末組成物の調製方法であって、
    (a)少なくとも1種の親水性非晶質シリカ粒子と、
    (b)少なくとも1種の固体有機UVフィルターと
    を乾式混合する工程、及び
    前記乾式混合工程により得られた混合物を微粉砕する工程を含み、
    好ましくは少なくとも1種のフィラーと更に混合する工程を含む、調製方法。
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