JP2017114714A - セメント系硬化体用塗布剤 - Google Patents

セメント系硬化体用塗布剤 Download PDF

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Abstract

【課題】セメント系硬化体の表面に塗布することにより、セメント系硬化体の補強性向上、乾燥収縮防止、中性化防止、および塩害防止に優れた効果を発揮する、セメント系硬化体用塗布剤を提供する。【解決手段】セルロースナノファイバー、(酸化セルロースナノファイバー(TEMPO酸化、オゾン酸化)、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー、カチオン化セルロースナノファイバー、エーテル化セルロースナノファイバー、エステル化セルロースナノファイバー)を含有するセメント系硬化体用塗装剤。【選択図】なし

Description

本発明は、セメント系硬化体用塗布剤に関する。詳しくは、セメント系硬化体の補強性向上、乾燥収縮防止、中性化防止、および塩害防止に優れた効果を発揮する、セメント系硬化体用塗布剤に関する。
セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント系硬化体は、土木構造物、建築構造物およびコンクリート製品等に広く使用されている。セメント系硬化体の製造に用いる水は、作業性を確保するために水和反応等に供される理論必要量を超える量の水を使用する。この過剰な水の蒸発がセメント系硬化体の乾燥収縮を進行させ、ひび割れを発生させる。一方で、コンクリート構造物は、耐久性、美観等の点から、長期間に渡り、ひび割れが発生しないことが求められている。
こうした乾燥に伴うセメント系硬化体のひび割れを防止するために、セメント系硬化体用塗布剤(収縮低減剤、塗膜養生剤など)が使用されている。一般に、収縮低減剤はセメント系硬化体の製造時に混和する方法で使用され、塗膜養生剤は表面仕上げ時、あるいはセメント系硬化体の表面に対し、塗布や散布等の手法で表面を被覆するように使用する。
このうち、市販されている収縮低減剤は何れも混和使用に適するよう調整されたものである。しかし、モルタルやコンクリート等の製造時での収縮低減剤の混和は、連行空気が安定しないため品質管理が難しい。また、混和使用以外の使用方法で収縮低減を行う方法として、セメント系硬化体の打設後から硬化するまでの間に塗布する方法も知られている(特許文献1)。
一方、塗膜養生剤はコンクリート等の養生用としてその表面に膜を形成し、該膜によって表面からの水の蒸発を抑止するためのものであり、有効成分として2液硬化型のエポキシ系、パラフィン系、水性エマルジョン系等の樹脂系塗膜養生剤が知られている(特許文献2)。
特開2006−143481号公報 特開平11−21184号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、硬化後に表面が脆弱になり、また低温度環境下では硬化不良が生じるなど、コンクリートの強度や耐久性を低下させるという問題が発生する。また、特許文献2に開示されている塗膜養生剤は、可使時間、硬化時間が施工時の気温の影響を受け、また、施工面の含水率が高い場合には施工できない、粘度が高いため取扱い難く施工に手間を要する、十分な収縮低減効果が得られないといった問題がある。さらに、セメント系硬化体においては、中性化や塩害の問題も存在する。中性化とは、大気中の二酸化炭素が硬化体中に侵入し、炭酸化反応を引き起こすことにより、本来アルカリ性である細孔溶液のpHを下げる現象である。中性化は硬化体表面より進行し、鉄筋などの鋼材位置に達すると、不動態被膜を破壊する。これにより鋼材を腐食させ、腐食生成物の堆積膨張により、硬化体のひび割れを引き起こす。また塩害とは、硬化体中の鋼材の腐食が塩化物イオンの存在により促進され、腐食生成物の体積膨張が硬化体ひび割れやはく離、鋼材の断面減少などを引き起こす現象である。
そこで、本発明は、セメント系硬化体の表面に塗布することにより、セメント系硬化体の補強性向上、乾燥収縮防止、中性化防止、および塩害防止に優れた効果を発揮する、セメント系硬化体用塗布剤を提供することにある。
本発明は以下の(1)〜(5)を提供する。
(1) セルロースナノファイバーを含有するセメント系硬化体用塗布剤。
(2) 前記セルロースナノファイバーが、酸化セルロースナノファイバー、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー、カチオン化セルロースナノファイバー、エーテル化セルロースナノファイバー、エステル化セルロースナノファイバーの少なくともいずれか1種を含むことを特徴とする(1)に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
(3)前記酸化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるC6位のヒドロキシル基の一部がカルボキシル基に酸化されており、且つセルロースナノファイバーに対するカルボキシル基の量が0.5mmol/g〜3.0mmol/gである、(2)に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
(4)前記カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるヒドロキシル基の水素原子の一部がカルボキシメチル基に置換されており、且つグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50である、(2)に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
(5) 前記カチオン化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるヒドロキシル基の水素原子の一部がカチオン性基に置換されており、且つグルコース単位当たりのカチオン置換度が0.01〜0.40である、(2)に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
本発明は、セメント系硬化体の表面に塗布することにより、セメント系硬化体の補強性向上、乾燥収縮防止、中性化防止、および塩害防止に優れた効果を発揮する、セメント系硬化体用塗布剤を提供することができる。
本発明のセメント系硬化体用塗布剤(以下、「塗布剤」と略すことがある。)、およびそれを用いたセメント系硬化体の製造方法について、以下に詳細に説明する。
本発明がセメント系硬化体の補強性向上、乾燥収縮防止、中性化防止、および塩害防止に優れた効果を発現する理由は定かではないが、1)補強性の向上:セルロースナノファイバーが微細な繊維状の構造をしていること、2)乾燥収縮防止:セルロースナノファイバーが高い保水性を持つために、セメント系硬化体の硬化初期段階における急激な乾燥収縮を抑制していること、3)中性化および塩害防止:セルロースファイバーの結晶化度が高いため、緻密な構造の膜を形成し、高いバリア性を発現していることが起因していると推測される。
(1)セメント系硬化体
本発明におけるセメント系硬化体とは、セメント類に水を混合したセメントペースト、さらに骨材として細骨材を混合したモルタル、更に粗骨材を配合したコンクリートのいずれかのセメント組成物を、必要に応じ各種添加剤を添加した上で、型枠内に充填(打設)し、低温、乾燥、急激な温度変化、振動、衝撃、荷重による有害な影響を受けないよう一定期間保護(養生)しながら硬化し、最終的に型枠から外す(脱型)ことによって製造される硬化体である。セメント組成物の製造方法、運搬方法、打設方法、養生方法、管理方法などについて特に制限はなく、通常の方法を採用することができる。以下では、セメント系硬化体における材料であるセメント、骨材、添加剤、水について詳細に説明する。
(1−1)セメント
本発明においては、セメントとしていずれの種類を用いてもよく、また2種類以上の材料を混合して用いてもよい。セメントの種類としては例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩およびそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等が挙げられる。セメントには、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体、石膏などが添加されていてもよい。
(1−2)骨材
骨材としては例えば、砂、砂利、砕石;水砕スラグ;再生骨材等;珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が挙げられる。
(1−3)添加剤
本発明においては、セメント用添加剤として従来公知のものを必要に応じ1種類以上用いることができる。具体的には、AE(空気連行)剤,減水剤,高性能減水剤,AE減水剤,高性能AE減水剤,流動化剤、硬化促進剤、防錆剤、付着モルタル安定剤、凝結遅延剤、収縮低減剤、分離低減剤、気泡剤(発泡剤)、防凍剤(耐寒促進剤)等を挙げることができる。これら添加剤のセメント組成物への添加方法は、特に限定されず、例えばレディミクストコンクリート製造中、若しくは製造後のフレッシュコンクリート中に添加する方法を挙げることができる。
(1−4)水
セメント組成物に使用できる水は特に限定されず、JIS A 5308付属書9に示
される上水道水、上水道水以外の水(河川水、湖沼水、井戸水など)、回収水等が例示さ
れる。セメント組成物中の水含有量は、通常4〜50重量%である。一般にセメント組成
物中の水含有量に対しセメント組成物用収縮低減剤が、1〜49重量%であると水中油滴
エマルション、可溶化を形成する。
(2)セメント系硬化体用塗布剤
本発明のセメント系硬化体用塗布剤は、セルロースナノファイバーを含有していることを特徴としており、本発明のセルロースナノファイバーを含有するセメント系硬化体用塗布剤を表面に塗布する期間は打設後から硬化完了までの間、好ましくはセメント系硬化体の凝結反応の終結後から材齢7日までの期間、より好ましくは凝結反応の終結後から材齢3日までの期間であり、この期間に塗布することにより優れた効果を発現する。
凝結反応の終結よりも早い場合、表面強度の低下や硬化不良を引き起こす可能性がある。また材齢7日よりも遅い場合、ここまでの期間に乾燥収縮の進行が早いことから、収縮低減効果が小さくなる。
ここで、セメント系硬化体の凝結反応の終結とは、骨材成分を実質含有しないセメントペーストに対してはJIS R 5201「セメントの物理試験方法」の規定による終結時間、またモルタル又はコンクリートに対してはJIS A 1147「コンクリートの凝結時間試験方法」の規定する終結時間のことをいう。また、本発明での材齢とは、原料を混和・注水してコンクリートを作製後、型枠に打設した時点からの経過期間をいう。
本発明の塗布剤をセメント系硬化体の表面に塗布する量は、50〜300g/m2の範囲であることが好ましく、100〜200g/m2の範囲であることがさらに好ましい。50g/m2未満の場合、表面の被覆量が十分でない場合があり、水分が蒸発しやすくなるとともに収縮低減効果が発揮しづらくなるため好ましくない。また、300g/m2を超える場合、施工後に硬化体内部に全てが十分に含浸するのに時間がかかるため好ましくない。塗布剤の乾燥は、5〜35℃の範囲で行われる。
本発明の塗布剤の塗布方法は、セメント系硬化体の表面に塗布できる方法であれば特に限定されず、ローラ、刷毛又はブラシ等による塗布のほか、散布、吹付け、噴霧等で行うことが可能である。中でも、ローラ、刷毛又はブラシ等による塗布、噴霧器等による噴霧等のように、セメント系硬化体の表面に均一に施工できるものが好ましい。塗布は1度に行ってもよく、また1回目の塗布が乾燥した後に、2回目、3回目と重ねて塗布を行ってもよい。重ねて塗布することにより、さらに高い効果が得られる。1回あたりの塗布する量は上記の範囲内であることが好ましい。
本発明の塗布剤に含有されているセルロースナノファイバーの固形分濃度は、0.01〜10重量%の範囲であることが好ましい。セルロースナノファイバーの固形分濃度が0.01重量%未満得あると、十分な効果が得られない。一方、10重量%より大きいと、塗布剤の粘性が高くなりすぎ、塗布の作業性に劣る。
本発明の塗布剤は、セルロースナノファイバー以外に、従来公知のセメント系硬化体用の塗布剤に含まれる成分を1種類以上含んでもよい。例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシドメタノール付加物などのポリオキシアルキレンに低級アルコールを付加したもの、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック重合物、エチレンオキシド・プロピレンオキシドランダム重合物、グリコールのシクロアルキル基付加物、グリコールの両端にメチル基を付加した付加物、グリコールのフェニル基付加物、グリコールにメチルフェニル基を付加したブロック重合物、グリコールの両端にエチレンオキシドメタノールを付加した付加物及びグリコールにジメチルアミンを付加した付加物等を有効成分とする収縮低減剤を挙げることができる。
また、セルロースナノファイバーをセメント系硬化体表面に定着させるために、被膜が耐水性を発現する接着剤や、塗布剤を硬化体内部へ十分に浸透させるために、界面活性剤などを併用してもよい。
(3)セルロースナノファイバー
本発明のセメント系硬化体用塗布剤は、セルロースナノファイバーを含有することを特徴とする。セルロースナノファイバーとは、セルロース原料を、必要に応じ化学変性処理した後で、解繊処理することにより得られる微細繊維である。セルロースナノファイバーの平均繊維径は、通常3〜500nm程度である。平均繊維径及び平均繊維長の測定は、例えば、セルロースナノファイバーの0.001重量%水分散液を調製し、この希釈分散液をマイカ製試料台に薄く延ばし、50℃で加熱乾燥させて観察用試料を作成し、原子間力顕微鏡(AFM)にて観察した形状像の断面高さを計測することにより、数平均繊維径あるいは繊維長として算出することができる。
セルロースナノファイバーの平均アスペクト比は、通常50以上である。上限は特に限定されないが、通常は1000以下である。平均アスペクト比は、下記の式により算出することができる。 アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径
(3−1)セルロース原料
セルロースナノファイバーの原料であるセルロース原料の由来は、特に限定されないが、例えば、植物(例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙等)、動物(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば酢酸菌(アセトバクター))、微生物産生物等が挙げられる。本発明で用いるセルロース原料は、これらのいずれかであってもよいし2種類以上の組み合わせであってもよいが、好ましくは植物又は微生物由来のセルロース原料(例えば、セルロース繊維)であり、より好ましくは植物由来のセルロース原料(例えば、セルロース繊維)である。
セルロース原料の数平均繊維径は特に制限されないが、一般的なパルプである針葉樹クラフトパルプの場合は30〜60μm程度、広葉樹クラフトパルプの場合は10〜30μm程度である。その他のパルプの場合、一般的な精製を経たものは50μm程度である。例えばチップ等の数cm大のものを精製したものである場合、リファイナー、ビーター等の離解機で機械的処理を行い、50μm程度に調整することが好ましい。
(3−2)変性
セルロース原料は、グルコース単位あたり3つのヒドロキシル基を有しており、各種の化学変性処理を行うことが可能である。本発明では、これらに対して変性を行ってもよく、また行わなくてもよいが、化学変性処理を行った方が、ゴム組成物に含有させた際に十分な補強性を発揮し得るため好ましい。その理由は、セルロース原料の変性により繊維の微細化が十分に進み、均一な繊維長及び繊維径が得られるためである。また、補強性を発揮するのに有効な繊維長及び繊維径を持つ繊維数が十分に確保できるためである。
セルロース原料を変性するための変性方法は特に制限されないが、例えば、酸化、エーテル化、リン酸化、エステル化、シランカップリング、フッ素化、カチオン化などの化学変性が挙げられる。中でも、酸化(カルボキシル化)、エーテル化、カチオン化、エステル化が好ましい。以下、これらについて詳細に説明する。
(3−2−1) 酸化
酸化によりセルロース原料を変性する場合、得られる酸化セルロース又はセルロースナノファイバーの絶乾重量に対するカルボキシル基の量は、好ましくは0.5mmol/g以上、より好ましくは0.8mmol/g以上、更に好ましくは1.0mmol/g以上である。上限は、好ましくは3.0mmol/g以下、より好ましくは2.5mmol/g以下、更に好ましくは2.0mmol/g以下である。従って、0.5mmol/g〜3.0mmol/gが好ましく、0.8mmol/g〜2.5mmol/gがより好ましく、1.0mmol/g〜2.0mmol/gが更に好ましい。
酸化の方法は特に限定されないが、1つの例としては、N−オキシル化合物、及び、臭化物、ヨウ化物若しくはこれらの混合物からなる群より選択される物質の存在下で酸化剤を用いて水中でセルロース原料を酸化する方法が挙げられる。この方法によれば、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、アルデヒド基、カルボキシル基、及びカルボキシレート基からなる群より選ばれる基が生じる。反応時のセルロース原料の濃度は特に限定されないが、5重量%以下が好ましい。
N−オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物をいう。ニトロキシルラジカルとしては例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)が挙げられる。N−オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であれば、いずれの化合物も使用できる。
N−オキシル化合物の使用量は、原料となるセルロースを酸化できる触媒量であれば特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.01mmol以上が好ましく、0.02mmol以上がより好ましい。上限は、10mmol以下が好ましく、1mmol以下がより好ましく、0.5mmol以下が更に好ましい。従って、N−オキシル化合物の使用量は絶乾1gのセルロースに対して、0.01〜10mmolが好ましく、0.01〜1mmolがより好ましく、0.02〜0.5mmolがさらに好ましい。
臭化物とは臭素を含む化合物であり、例えば、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属、例えば臭化ナトリウム等が挙げられる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、例えば、ヨウ化アルカリ金属が挙げられる。臭化物又はヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択すればよい。臭化物及びヨウ化物の合計量は絶乾1gのセルロースに対して、0.1mmol以上が好ましく、0.5mmol以上がより好ましい。上限は、100mmol以下が好ましく、10mmol以下がより好ましく、5mmol以下が更に好ましい。従って、臭化物及びヨウ化物の合計量は絶乾1gのセルロースに対して、0.1〜100mmolが好ましく、0.1〜10mmolがより好ましく、0.5〜5mmolがさらに好ましい。
酸化剤は、特に限定されないが例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸、それらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物などが挙げられる。中でも、安価で環境負荷が少ないことから、次亜ハロゲン酸又はその塩が好ましく、次亜塩素酸又はその塩がより好ましく、次亜塩素酸ナトリウムが更に好ましい。酸化剤の使用量は、絶乾1gのセルロースに対して、0.5mmol以上が好ましく、1mmol以上がより好ましく、3mmol以上が更に好ましい。上限は、500mmol以下が好ましく、50mmol以下がより好ましく、25mmol以下が更に好ましい。従って、酸化剤の使用量は絶乾1gのセルロースに対して、0.5〜500mmolが好ましく、0.5〜50mmolがより好ましく、1〜25mmolがさらに好ましく、3〜10mmolが最も好ましい。N−オキシル化合物を用いる場合、酸化剤の使用量はN−オキシル化合物1molに対して1mol以上が好ましい。上限は、40molが好ましい。従って、酸化剤の使用量はN−オキシル化合物1molに対して1〜40molが好ましい。
酸化反応時のpH、温度等の条件は特に限定されず、一般に、比較的温和な条件であっても酸化反応は効率よく進行する。反応温度は4℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましい。上限は40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましい。従って、温度は4〜40℃が好ましく、15〜30℃程度、すなわち室温であってもよい。反応液のpHは、8以上が好ましく、10以上がより好ましい。上限は、12以下が好ましく、11以下がより好ましい。従って、反応液のpHは、好ましくは8〜12、より好ましくは10〜11程度である。通常、酸化反応の進行に伴ってセルロース中にカルボキシル基が生成するため、反応液のpHは低下する傾向にある。そのため、酸化反応を効率よく進行させるためには、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を添加して、反応液のpHを上記の範囲に維持することが好ましい。酸化の際の反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じにくいこと等の理由から、水が好ましい。
酸化における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常は0.5時間以上である。上限は通常は6時間以下、好ましくは4時間以下である。従って、酸化における反応時間は通常0.5〜6時間、例えば0.5〜4時間程度である。
酸化は、2段階以上の反応に分けて実施してもよい。例えば、1段目の反応終了後に濾別して得られた酸化セルロースを、再度、同一又は異なる反応条件で酸化させることにより、1段目の反応で副生する食塩による反応阻害を受けることなく、効率よく酸化させることができる。
カルボキシル化(酸化)方法の別の例として、オゾン処理により酸化する方法が挙げられる。この酸化反応により、セルロースを構成するグルコピラノース環の少なくとも2位及び6位の水酸基が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。オゾン処理は通常、オゾンを含む気体とセルロース原料とを接触させることにより行われる。気体中のオゾン濃度は、50g/m3以上であることが好ましい。上限は、250g/m3以下であることが好ましく、220g/m3以下であることがより好ましい。従って、気体中のオゾン濃度は、50〜250g/m3であることが好ましく、50〜220g/m3であることがより好ましい。オゾン添加量は、セルロース原料の固形分100重量%に対し、0.1量部以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。上限は、通常30重量%以下である。従って、オゾン添加量は、セルロース原料の固形分100重量%に対し、0.1〜30重量%であることが好ましく、5〜30重量%であることがより好ましい。オゾン処理温度は、通常0℃以上であり、好ましくは20℃以上である。上限は通常50℃以下である。従って、オゾン処理温度は、0〜50℃であることが好ましく、20〜50℃であることがより好ましい。オゾン処理時間は、通常は1分以上であり、好ましくは30分以上である。上限は通常360分以下である。従って、オゾン処理時間は、通常は1〜360分程度であり、30〜360分程度が好ましい。オゾン処理の条件が上述の範囲内であると、セルロースが過度に酸化及び分解されることを防ぐことができ、酸化セルロースの収率が良好となる。
オゾン処理後に得られる結果物に対しさらに、酸化剤を用いて追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理に用いる酸化剤は、特に限定されないが例えば、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物;酸素、過酸化水素、過硫酸、過酢酸などが挙げられる。対酸化処理の方法としては例えば、これらの酸化剤を水又はアルコール等の極性有機溶媒中に溶解して酸化剤溶液を作成し、酸化剤溶液中にセルロース原料を浸漬させる方法が挙げられる。
酸化セルロースナノファイバーに含まれるカルボキシル基、カルボキシレート基、アルデヒド基の量は、酸化剤の添加量、反応時間等の酸化条件をコントロールすることで調整することができる。
カルボキシル基量の測定方法の一例を以下に説明する。酸化セルロースの0.5重量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定する。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出することができる:
カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース又はセルロースナノファイバー〕=a〔ml〕×0.05/酸化セルロース重量〔g〕。
(3−2−2) エーテル化
エーテル化としては、カルボキシメチル(エーテル)化、メチル(エーテル)化、エチル(エーテル)化、シアノエチル(エーテル)化、ヒドロキシエチル(エーテル)化、ヒドロキシプロピル(エーテル)化、エチルヒドロキシエチル(エーテル)化、ヒドロキシプロピルメチル(エーテル)化などが挙げられる。この中から一例としてカルボキシメチル化の方法を以下に説明する。
カルボキシメチル化によりセルロース原料を変性する場合、得られるカルボキシメチル化セルロース又はセルロースナノファイバー中の無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.10以上であることがさらに好ましい。上限は、0.50以下が好ましく、0.40以下がより好ましく、0.35以下が更に好ましい。従って、カルボキシメチル基置換度は、0.01〜0.50が好ましく、0.05〜0.40がより好ましく、0.10〜0.30が更に好ましい。
カルボキシメチル化の方法は特に限定されないが例えば、発底原料としてのセルロース原料をマーセル化し、その後エーテル化する方法が挙げられる。カルボキシメチル化反応の際は通用溶媒を用いる。溶媒としては例えば、水、アルコール(例えば低級アルコール)及びこれらの混合溶媒が挙げられる。低級アルコールとしては例えば、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノールが挙げられる。混合溶媒における低級アルコールの混合割合は、通常は60重量%以上又は95重量%以下であり、60〜95重量%であることが好ましい。溶媒の量は、セルロース原料に対し通常は3重量倍である。上限は特に限定されないが20重量倍である。従って、溶媒の量は3〜20重量倍であることが好ましい。
マーセル化は通常、発底原料とマーセル化剤を混合して行う。マーセル化剤としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属が挙げられる。マーセル化剤の使用量は、発底原料の無水グルコース残基当たり0.5倍モル以上が好ましく、1.0モル以上がより好ましく、1.5倍モル以上であることがさらに好ましい。上限は、通常20倍モル以下であり、10倍モル以下が好ましく、5倍モル以下がより好ましい、従って、0.5〜20倍モルが好ましく、1.0〜10倍モルがより好ましく、1.5〜5倍モルがさらに好ましい。
マーセル化の反応温度は、通常0℃以上であり、好ましくは10℃以上である。上限は通常70℃以下、好ましくは60℃以下である。従って、反応温度は、通常0〜70℃、好ましくは10〜60℃である。反応時間は、通常15分以上、好ましくは30分以上である。上限は、通常8時間以下、好ましくは7時間以下である。従って、通常は15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間である。
エーテル化反応は通常、カルボキシメチル化剤をマーセル化後に反応系に追加して行う。カルボキシメチル化剤としては例えば、モノクロロ酢酸ナトリウムが挙げられる。カルボキシメチル化剤の添加量は、セルロース原料のグルコース残基当たり通常は0.05倍モル以上が好ましく、0.5倍モル以上がより好ましく、0.8倍モル以上であることがさらに好ましい。上限は、通常10.0倍モル以下であり、5モル以下が好ましく、3倍モル以下がより好ましい、従って、好ましくは0.05〜10.0倍モルであり、より好ましくは0.5〜5であり、更に好ましくは0.8〜3倍モルである。反応温度は通常30℃以上、好ましくは40℃以上であり、上限は通常90℃以下、好ましくは80℃以下である。従って反応温度は通常30〜90℃、好ましくは40〜80℃である。反応時間は、通常30分以上であり、好ましくは1時間以上である。上限は、通常は10時間以下、好ましくは4時間以下である。従って反応時間は、通常は30分〜10時間であり、好ましくは1時間〜4時間である。カルボキシメチル化反応の間必要に応じて、反応液を撹拌してもよい。
カルボキシメチル化セルロースナノファイバーのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度の測定は例えば、次の方法によって行えばよい。すなわち、1)カルボキシメチル化セルロース(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。2)硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(カルボキシメチル化セルロース)を水素型カルボキシメチル化セルロースにする。3)水素型カルボキシメチル化セルロース(絶乾)を1.5〜2.0g精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。4)80%メタノール15mLで水素型カルボキシメチル化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。5)指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのH2SO4で過剰のNaOHを逆滴定する。6)カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算出する:
A=[(100×F’−(0.1NのH2SO4)(mL)×F)×0.1]/(水素型カルボキシメチル化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:水素型カルボキシメチル化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのH2SO4のファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
(3−2−3) カチオン化
カチオン化によりセルロース原料を変性する場合、得られるカチオン化セルロースナノファイバーは、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム等のカチオン、又は該カチオンを有する基を分子中に含んでいればよい。カチオン化セルロースナノファイバーは、アンモニウムを有する基を含むことが好ましく、四級アンモニウムを有する基を含むことがより好ましい。
カチオン化の方法は特に限定されないが例えば、セルロース原料にカチオン化剤と触媒を水及び/又はアルコールの存在下で反応させる方法が挙げられる。カチオン化剤としては例えば、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムハイドライト(例:3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムハイドライト)又はこれらのハロヒドリン型などが挙げられ、これらのいずれかを用いることで、四級アンモニウムを含む基を有するカチオン化セルロースを得ることができる。触媒としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属が挙げられる。アルコールとしては例えば、炭素数1〜4のアルコールが挙げられる。カチオン化剤の量は、好ましくはセルロース原料100重量%に対して5重量%以上であり、より好ましくは10重量%以上である。上限は通常800重量%以下であり、好ましくは500重量%以下である。触媒の量は、好ましくはセルロース繊維100重量%に対して0.5重量%以上であり、より好ましくは1重量%以上である。上限は通常7重量%以下であり、好ましくは3重量%以下である。アルコールの量は、好ましくはセルロース繊維100重量%に対して50重量%以上であり、より好ましくは100重量%以上である。上限は通常50000重量%以下であり、好ましくは500重量%以下である。
カチオン化の際の反応温度は通常10℃以上、好ましくは30℃以上であり、上限は通常90℃以下、好ましくは80℃以下である。反応時間は、通常10分以上であり、好ましくは30分以上である。上限は、通常は10時間以下、好ましくは5時間以下である。カチオン化反応の間必要に応じて、反応液を撹拌してもよい。
カチオン化セルロースのグルコース単位当たりのカチオン置換度は、カチオン化剤の添加量、水及び/又はアルコールの組成比率のコントロールによって調整することができる。カチオン置換度とは、セルロースを構成する単位構造(グルコピラノース環)あたりの導入された置換基の個数を示す。言い換えると、カチオン置換度は、「導入された置換基のモル数をグルコピラノース環の水酸基の総モル数で割った値」として定義される。純粋セルロースは単位構造(グルコピラノース環)あたり3個の置換可能な水酸基を有しているため、カチオン置換度の理論最大値は3(最小値は0)である。
カチオン化セルロースナノファイバーのグルコース単位当たりのカチオン置換度は、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上が更に好ましい。上限は、0.40以下が好ましく、0.30以下がより好ましく、0.20以下が更に好ましい。従って、0.01〜0.40であることが好ましく、0.02〜0.30がより好ましく、0.03〜0.20が更に好ましい。セルロースにカチオン置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、カチオン置換基を導入したセルロースは容易にナノ解繊することができる。グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.01以上であることにより、十分にナノ解繊することができる。一方、グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.40以下であることにより、膨潤又は溶解を抑制することができ、これにより繊維形態を維持することができ、ナノファイバーとして得られない事態を防止することができる。
グルコース単位当たりのカチオン置換度の測定方法の一例を以下に説明する。試料(カチオン化セルロース)を乾燥させた後に、全窒素分析計TN−10(三菱化学)で窒素含有量を測定し、次式によりカチオン化度を算出する。ここでいうカチオン置換度とは、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数の平均値である。
カチオン置換度=(162×N)/(1−151.6×N)
N:窒素含有量
(3−2−4) エステル化
本発明において、化学変性セルロースとして、エステル化したセルロースを用いる場合、セルロース系原料に対し、以下に挙げる化合物Aの粉末や水溶液を混合する方法、セルロース系原料のスラリーに化合物Aの水溶液を添加する方法等が挙げられる。
化合物Aはリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸あるいはこれらのエステルが挙げられる。これらは塩の形を取っても構わない。上記の中でも、低コストであり、扱いやすく、またパルプ繊維のセルロースにリン酸基を導入して、解繊効率の向上が図れるなどの理由からリン酸基を有する化合物が好ましい。リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウム等が挙げられる。これらは1種、あるいは2種以上を併用してリン酸基を導入することができる。これらのうち、リン酸基導入の効率が高く、下記解繊工程で解繊しやすく、かつ工業的に適用しやすい観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩が好ましい。特にリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。また、反応の均一性が高まり、且つリン酸基導入の効率が高くなることから前記リン酸系化合物は水溶液として用いることが望ましい。リン酸系化合物の水溶液のpHは、リン酸基導入の効率が高くなることから7以下であることが好ましいが、パルプ繊維の加水分解を抑える観点からpH3〜7が好ましい。
リン酸エステル化セルロースの製造方法の一例を挙げるとするならば、以下の方法を挙げることができる。固形分濃度0.1〜10重量%のセルロース系原料の懸濁液に、化合物Aを撹拌しながら添加してセルロースにリン酸基を導入する。セルロース系原料を100重量部とした際に、化合物Aの添加量はリン元素量として、0.2〜500重量部であることが好ましく、1〜400重量部であることがより好ましい。化合物Aの割合が前記下限値以上であれば、微細繊維状セルロースの収率をより向上させることができる。しかし、前記上限値を超えても、収率向上の効果は頭打ちとなり、無駄に化合物Aを使用するだけである。
この際、セルロース原料、化合物Aの他に、化合物Bの粉末や水溶液を混合してもよく、化合物Bは特に限定されないが、塩基性を示す窒素含有化合物が好ましい。前記「塩基性」の定義は、フェノールフタレイン指示薬の存在下で水溶液が桃〜赤色を呈する場合、または/および水溶液のpHが7より大きい場合である。本発明で用いる塩基性を示す窒素含有化合物は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、アミノ基を有する化合物が好ましい。例えば、尿素、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられるが、特に限定されない。この中でも低コストで扱いやすい尿素が好ましい。化合物Bの添加量は2〜1000重量部が好ましく、100〜700重量部がより好ましい。反応温度は0〜95℃が好ましく、30〜90℃がより好ましい。反応時間は特に限定されないが、1〜600分程度であり、30〜480分がより好ましい。エステル化反応の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度にエステル化されて溶解しやすくなることを防ぐことができ、リン酸エステル化セルロースの収率が良好となる。得られたリン酸エステル化セルロース懸濁液を脱水した後、セルロースの加水分解を抑える観点から、100〜170℃で加熱処理することが好ましい。さらに、加熱処理の際に水が含まれている間は130℃以下、好ましくは110℃以下で加熱し、水を除いた後、100〜170℃で加熱処理することが好ましい。
リン酸エステル化されたセルロースのグルコース単位当たりのリン酸基置換度は0.001〜0.40であることが好ましい。セルロースにリン酸基置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、リン酸基を導入したセルロースは容易にナノ解繊することができる。なお、グルコース単位当たりのリン酸基置換度が0.001より小さいと、十分にナノ解繊することができない。一方、グルコース単位当たりのリン酸基置換度が0.40より大きいと、膨潤あるいは溶解するため、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。解繊を効率よく行なうために、上記で得たリン酸エステル化されたセルロース系原料は煮沸した後、冷水で洗浄することで洗浄されることが好ましい。
(3−3)解繊
セルロース原料の解繊は、セルロース原料に変性処理を施す前に行ってもよいし、後に行ってもよい。また、解繊は、一度に行ってもよいし、複数回行ってもよい。複数回の場合それぞれの解繊の時期はいつでもよい。
解繊に用いる装置は特に限定されないが、例えば、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などのタイプの装置が挙げられ、高圧又は超高圧ホモジナイザーが好ましく、湿式の高圧又は超高圧ホモジナイザーがより好ましい。装置は、セルロース原料又は変性セルロース(通常は分散液)に強力なせん断力を印加できることが好ましい。装置が印加できる圧力は、50MPa以上が好ましく、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。装置は、セルロース原料又は変性セルロース(通常は分散液)に上記圧力を印加することができかつ強力なせん断力を印加できる、湿式の高圧又は超高圧ホモジナイザーが好ましい。これにより、解繊を効率的に行うことができる。
解繊をセルロース原料の分散体に対して行う場合、分散体中のセルロース原料の固形分濃度は、通常は0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上である。これにより、セルロース繊維原料の量に対する液量が適量となり効率的である。上限は通常10重量%以下、好ましくは6重量%以下である。これにより流動性を保持することができる。
解繊(好ましくは高圧ホモジナイザーでの解繊)、又は必要に応じて解繊前に行う分散処理に先立ち、必要に応じて予備処理を行ってもよい。予備処理は、高速せん断ミキサーなどの混合、攪拌、乳化、分散装置を用いて行えばよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
[酸化セルロースナノファイバーの製造]
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)5.00g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)39mg(絶乾1gのセルロースに対し0.05mmol)と臭化ナトリウム514mg(絶乾1gのセルロースに対し1.0mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を次亜塩素酸ナトリウムが5.5mmol/gになるように添加し、室温にて酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターで濾過してパルプ分離し、パルプを十分に水洗することで酸化されたパルプ(カルボキシル化セルロース)を得た。この時のパルプ収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシル基量は1.6mmol/gであった。これを水で1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150Mpa)で3回処理して、酸化セルロースナノファイバー分散液を得た。平均繊維径は3nm、アスペクト比は250であった。
[セメント系硬化体用塗布剤の製造]
上記の酸化セルロースナノファイバーの0.5重量%水分散液をコンクリート用塗布剤とした。
[セメント組成物(生コンクリート)の製造]
表1に示した水セメント比(W/C)、細骨材率(s/a)、および単位量のコンクリート調合条件で、普通ポルトランドセメント3種等量混合(密度=3.16g/m3、比表面積=3330cm2/g)、細骨材(略称:S、掛川産山砂、密度=2.58g/m3)及び粗骨材(略称:G、青梅産硬質砂岩砕石、密度=2.67g/m3)を使用して環境温度20℃の室内でコンクリートを混練した。全区分で、(株)フローリック社製のAE減水剤標準形フローリックSを、セメント重量に対して1重量%添加した。目標スランプを19±1cmとし、空気量に関しては目標空気量を4.5±1.5%に設定し、目標空気量となるよう(株)フローリック社製のAE150(主成分ポリオキシエチレン型界面活性剤)を使用し調整した。収縮低減剤はコンクリート製造後、ミキサー内のコンクリートに、セメント重量に対して2重量%の収縮低減剤を混入しミキサーで攪拌することにより、セメント組成物(生コンクリート)を得た。
Figure 2017114714
[コンクリート硬化体の製造および評価]
上記塗布剤を塗布した場合の、コンクリート硬化体の補強性、乾燥収縮防止、中性化防止、塩害の程度を評価するために、それぞれ以下に示す方法により、上記コンクリートを用いてコンクリート硬化体を製造し、圧縮強度、長さ変化率、中性化深さ、塩化物イオンの見掛けの拡散係数を測定した。
[圧縮強度]
JIS A1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠して測定した。すなわち、コンクリートの打設後、直ちに直径100mm、高さ200mmの円柱状の供試体を作製し、24時間後に脱型を行い、上記の塗布剤を塗布量が100g/m2になるよう側面に塗布し、室温にて乾燥した。これをさらに、周辺の温度を20±2 ℃,湿度を60±5%に保った状態4週間保存後、圧縮強度試験機(株式会社マルイ製、全自動圧縮試験機「ハイアクティス−1000」)を用いて、圧縮応力度の増加が毎秒0.6±0.4N/mm2となる速度で荷重を加え、供試体が破壊するまでに試験機が示す最大荷重から圧縮強度を測定した。測定結果を、塗布剤を塗布しなかった基準品と比較して、高かった場合を○、同等であったものを△、低かった場合を×とした。
[長さ変化率]
JIS A 1129「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法」に準拠して測定した。すなわち、コンクリートの打設後、直ちに100×100×400mmの直方体状の供試体を作製し、24時間後に脱型を行い、側面に刻線を引き、上記塗布剤を塗布量が100g/m2になるように全面に塗布し、室温にて乾燥した。この供試体を20±2℃の水中に浸せきし,材齢が7日になるまで養生した。次に、周辺の温度を 20±2 ℃,湿度を60±5%に保った状態で乾燥し、乾燥直後、および乾燥開始13週後にそれぞれ刻線の長さを測定した。乾燥直後の刻線の長さと乾燥開始13週後の刻線の長さの変化量を、乾燥直後の刻線の長さに対する比率として計算し、長さ変化率とした。測定結果を、塗布剤を塗布しなかった基準品と比較して、小さかった場合を○、同等であったものを△、大きかった場合を×とした。
[中性化深さ]
JIS A 1153「コンクリートの促進中性化試験方法」に準拠して測定した。すなわち、断面が正方形でその一辺の長さが100 mm、長さが400 mmの供試体を作製し、上記塗布剤を、塗布量が100g/m2になるように全面に塗布し、室温にて乾燥した。この供試体を、材齢4週まで温度20±2℃の湿潤状態で養生を行い、その後、相対湿度60±5%,温度20±2 ℃の恒温恒湿室に材齢8週まで静置した。材齢 7〜8 週の間に,供試体の打込み面,底面及び両端面を、二酸化炭素を遮断するのに十分なものでピンホールがないようにシールした。材齢8週後、温度20±2℃,相対湿度(60±5)%,二酸化炭素濃度(5±0.2)%の中性化促進条件にて13週間静置した。その後、供試体の長さ方向と直角に供試体を、端部から約 60 mm の位置で割裂し、測定面にフェノールフタレイン溶液を噴霧器で液が滴らない程度に噴霧し、呈色した部分が安定した後に、コンクリート表面から赤紫色に呈色した部分までの距離を測定した。測定結果を、塗布剤を塗布しなかった基準品と比較して、短かった場合を○、同等であった場合を△、長かった場合を×とした。
[塩化物イオンの見掛けの拡散係数]
コンクリート標準示方書基準編(土木学会)「浸せきによるコンクリート中の塩化物イオンの見掛けの拡散係数試験方法(JSCE-G-572-2013)」に準拠して、塩化物イオンの見掛けの拡散係数を測定した。すなわち、直径100mm、高さ200mmの円柱状の供試体を作製し、上記塗布剤を、塗布量が100g/m2になるように全面に塗布し、室温にて乾燥した。この供試体を4週間養生し、養生中に、供試体の上下25mmをカットして、高さ150mmに成形した。養生後、供試体の円形の一面のみを残し、他の面をエポキシ樹脂塗料で被覆し、温度 20±2 ℃,相対湿度(60±5)%の室内で4日間放置し、その後、温度 20±2 ℃の水中で24時間保存した。この供試体を、温度20±2 ℃,濃度10%の塩化ナトリウム溶液に91日間浸漬した後、供試体の開放面に付着している塩化物イオンを取り除き、開放面から深さの異なる5箇所の場所で、コンクリートカッターを用いて試験片を切り出し、全塩化物イオンを測定し、その分布を回帰分析して、見掛けの拡散係数を算出した。測定結果を、塗布剤を塗布しなかった基準品と比較して、小さかった場合を○、同等であった場合を△、大きかった場合を×とした。
<実施例2>
実施例1において、塗布剤の塗布量を150g/mに変更した以外は、実施例1と同様の方法でコンクリート硬化体を製造した。
<実施例3>
実施例1において、酸化セルロースナノファイバーを以下の方法で製造したカルボキシメチル化セルロースナノファイバーに変更した以外は、実施例1と同様の方法でコンクリート硬化体を製造した。
[カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造]
パルプを混ぜることができる撹拌機に、パルプ(NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、日本製紙製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で111g(発底原料の無水グルコース残基当たり2.25倍モル)加え、パルプ固形分が20%(w/v)になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後にモノクロロ酢酸ナトリウムを216g(有効成分換算、パルプのグルコース残基当たり1.5倍モル)添加した。30分撹拌した後に、70℃まで昇温し1時間撹拌した。その後、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.25のカルボキシメチル化したパルプを得た。これを水で固形分1%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、150MPaの圧力で5回処理することにより解繊しカルボキシメチル化セルロースナノファイバーを得た。平均繊維径は15nm、アスペクト比は50であった。
<実施例4>
実施例1において、酸化セルロースナノファイバーを以下の方法で製造したカチオン化セルロースナノファイバーに変更した以外は、実施例1と同様の方法でコンクリート硬化体を製造した。
[カチオン化セルロースナノファイバーの製造]
パルプを攪拌することができるパルパーに、パルプ(NBKP、日本製紙(株)製)を乾燥重量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥重量で24g加え、パルプ固形濃度が15%になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後に70℃まで昇温し、カチオン化剤として3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを200g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカチオン置換度0.05のカチオン変性されたパルプを得た。これを固形濃度1%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、140MPaの圧力で2回処理した。平均繊維径は25nm、アスペクト比は50であった。
<比較例1>
実施例1において、塗布剤を塗布しない以外は、実施例1と同様の方法でコンクリート硬化体を製造した。
Figure 2017114714
表1の結果から明らかなように、セルロースナノファイバーを含有する塗布剤を塗布した実施例1〜4では、塗布剤を塗布しない比較例1に対し、圧縮強度が高く、長さ変化率、中性化深さ、および塩化物イオンの見掛けの拡散係数のいずれも共に小さいことから、補強性の向上、乾燥収縮防止、中性化防止、塩害防止のそれぞれの効果が発現することが分かる。

Claims (5)

  1. セルロースナノファイバーを含有するセメント系硬化体用塗布剤。
  2. 前記セルロースナノファイバーが、酸化セルロースナノファイバー、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー、カチオン化セルロースナノファイバー、エーテル化セルロースナノファイバー、エステル化セルロースナノファイバーの少なくともいずれか1種を含むことを特徴とする請求項1に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
  3. 前記酸化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるC6位のヒドロキシル基の一部がカルボキシル基に酸化されており、且つセルロースナノファイバーに対するカルボキシル基の量が0.5mmol/g〜3.0mmol/gである、請求項2に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
  4. 前記カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるヒドロキシル基の水素原子の一部がカルボキシメチル基に置換されており、且つグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50である、請求項2に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
  5. 前記カチオン化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるヒドロキシル基の水素原子の一部がカチオン性基に置換されており、且つグルコース単位当たりのカチオン置換度が0.01〜0.40である、請求項2に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
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