JP2017114714A - セメント系硬化体用塗布剤 - Google Patents
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Abstract
Description
(1) セルロースナノファイバーを含有するセメント系硬化体用塗布剤。
(2) 前記セルロースナノファイバーが、酸化セルロースナノファイバー、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー、カチオン化セルロースナノファイバー、エーテル化セルロースナノファイバー、エステル化セルロースナノファイバーの少なくともいずれか1種を含むことを特徴とする(1)に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
(3)前記酸化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるC6位のヒドロキシル基の一部がカルボキシル基に酸化されており、且つセルロースナノファイバーに対するカルボキシル基の量が0.5mmol/g〜3.0mmol/gである、(2)に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
(4)前記カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるヒドロキシル基の水素原子の一部がカルボキシメチル基に置換されており、且つグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50である、(2)に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
(5) 前記カチオン化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるヒドロキシル基の水素原子の一部がカチオン性基に置換されており、且つグルコース単位当たりのカチオン置換度が0.01〜0.40である、(2)に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
本発明におけるセメント系硬化体とは、セメント類に水を混合したセメントペースト、さらに骨材として細骨材を混合したモルタル、更に粗骨材を配合したコンクリートのいずれかのセメント組成物を、必要に応じ各種添加剤を添加した上で、型枠内に充填(打設)し、低温、乾燥、急激な温度変化、振動、衝撃、荷重による有害な影響を受けないよう一定期間保護(養生)しながら硬化し、最終的に型枠から外す(脱型)ことによって製造される硬化体である。セメント組成物の製造方法、運搬方法、打設方法、養生方法、管理方法などについて特に制限はなく、通常の方法を採用することができる。以下では、セメント系硬化体における材料であるセメント、骨材、添加剤、水について詳細に説明する。
本発明においては、セメントとしていずれの種類を用いてもよく、また2種類以上の材料を混合して用いてもよい。セメントの種類としては例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩およびそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等が挙げられる。セメントには、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体、石膏などが添加されていてもよい。
骨材としては例えば、砂、砂利、砕石;水砕スラグ;再生骨材等;珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が挙げられる。
本発明においては、セメント用添加剤として従来公知のものを必要に応じ1種類以上用いることができる。具体的には、AE(空気連行)剤,減水剤,高性能減水剤,AE減水剤,高性能AE減水剤,流動化剤、硬化促進剤、防錆剤、付着モルタル安定剤、凝結遅延剤、収縮低減剤、分離低減剤、気泡剤(発泡剤)、防凍剤(耐寒促進剤)等を挙げることができる。これら添加剤のセメント組成物への添加方法は、特に限定されず、例えばレディミクストコンクリート製造中、若しくは製造後のフレッシュコンクリート中に添加する方法を挙げることができる。
セメント組成物に使用できる水は特に限定されず、JIS A 5308付属書9に示
される上水道水、上水道水以外の水(河川水、湖沼水、井戸水など)、回収水等が例示さ
れる。セメント組成物中の水含有量は、通常4〜50重量%である。一般にセメント組成
物中の水含有量に対しセメント組成物用収縮低減剤が、1〜49重量%であると水中油滴
エマルション、可溶化を形成する。
本発明のセメント系硬化体用塗布剤は、セルロースナノファイバーを含有していることを特徴としており、本発明のセルロースナノファイバーを含有するセメント系硬化体用塗布剤を表面に塗布する期間は打設後から硬化完了までの間、好ましくはセメント系硬化体の凝結反応の終結後から材齢7日までの期間、より好ましくは凝結反応の終結後から材齢3日までの期間であり、この期間に塗布することにより優れた効果を発現する。
凝結反応の終結よりも早い場合、表面強度の低下や硬化不良を引き起こす可能性がある。また材齢7日よりも遅い場合、ここまでの期間に乾燥収縮の進行が早いことから、収縮低減効果が小さくなる。
本発明の塗布剤をセメント系硬化体の表面に塗布する量は、50〜300g/m2の範囲であることが好ましく、100〜200g/m2の範囲であることがさらに好ましい。50g/m2未満の場合、表面の被覆量が十分でない場合があり、水分が蒸発しやすくなるとともに収縮低減効果が発揮しづらくなるため好ましくない。また、300g/m2を超える場合、施工後に硬化体内部に全てが十分に含浸するのに時間がかかるため好ましくない。塗布剤の乾燥は、5〜35℃の範囲で行われる。
また、セルロースナノファイバーをセメント系硬化体表面に定着させるために、被膜が耐水性を発現する接着剤や、塗布剤を硬化体内部へ十分に浸透させるために、界面活性剤などを併用してもよい。
本発明のセメント系硬化体用塗布剤は、セルロースナノファイバーを含有することを特徴とする。セルロースナノファイバーとは、セルロース原料を、必要に応じ化学変性処理した後で、解繊処理することにより得られる微細繊維である。セルロースナノファイバーの平均繊維径は、通常3〜500nm程度である。平均繊維径及び平均繊維長の測定は、例えば、セルロースナノファイバーの0.001重量%水分散液を調製し、この希釈分散液をマイカ製試料台に薄く延ばし、50℃で加熱乾燥させて観察用試料を作成し、原子間力顕微鏡(AFM)にて観察した形状像の断面高さを計測することにより、数平均繊維径あるいは繊維長として算出することができる。
セルロースナノファイバーの原料であるセルロース原料の由来は、特に限定されないが、例えば、植物(例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙等)、動物(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば酢酸菌(アセトバクター))、微生物産生物等が挙げられる。本発明で用いるセルロース原料は、これらのいずれかであってもよいし2種類以上の組み合わせであってもよいが、好ましくは植物又は微生物由来のセルロース原料(例えば、セルロース繊維)であり、より好ましくは植物由来のセルロース原料(例えば、セルロース繊維)である。
セルロース原料は、グルコース単位あたり3つのヒドロキシル基を有しており、各種の化学変性処理を行うことが可能である。本発明では、これらに対して変性を行ってもよく、また行わなくてもよいが、化学変性処理を行った方が、ゴム組成物に含有させた際に十分な補強性を発揮し得るため好ましい。その理由は、セルロース原料の変性により繊維の微細化が十分に進み、均一な繊維長及び繊維径が得られるためである。また、補強性を発揮するのに有効な繊維長及び繊維径を持つ繊維数が十分に確保できるためである。
酸化によりセルロース原料を変性する場合、得られる酸化セルロース又はセルロースナノファイバーの絶乾重量に対するカルボキシル基の量は、好ましくは0.5mmol/g以上、より好ましくは0.8mmol/g以上、更に好ましくは1.0mmol/g以上である。上限は、好ましくは3.0mmol/g以下、より好ましくは2.5mmol/g以下、更に好ましくは2.0mmol/g以下である。従って、0.5mmol/g〜3.0mmol/gが好ましく、0.8mmol/g〜2.5mmol/gがより好ましく、1.0mmol/g〜2.0mmol/gが更に好ましい。
カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース又はセルロースナノファイバー〕=a〔ml〕×0.05/酸化セルロース重量〔g〕。
エーテル化としては、カルボキシメチル(エーテル)化、メチル(エーテル)化、エチル(エーテル)化、シアノエチル(エーテル)化、ヒドロキシエチル(エーテル)化、ヒドロキシプロピル(エーテル)化、エチルヒドロキシエチル(エーテル)化、ヒドロキシプロピルメチル(エーテル)化などが挙げられる。この中から一例としてカルボキシメチル化の方法を以下に説明する。
A=[(100×F’−(0.1NのH2SO4)(mL)×F)×0.1]/(水素型カルボキシメチル化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:水素型カルボキシメチル化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのH2SO4のファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
カチオン化によりセルロース原料を変性する場合、得られるカチオン化セルロースナノファイバーは、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム等のカチオン、又は該カチオンを有する基を分子中に含んでいればよい。カチオン化セルロースナノファイバーは、アンモニウムを有する基を含むことが好ましく、四級アンモニウムを有する基を含むことがより好ましい。
N:窒素含有量
本発明において、化学変性セルロースとして、エステル化したセルロースを用いる場合、セルロース系原料に対し、以下に挙げる化合物Aの粉末や水溶液を混合する方法、セルロース系原料のスラリーに化合物Aの水溶液を添加する方法等が挙げられる。
セルロース原料の解繊は、セルロース原料に変性処理を施す前に行ってもよいし、後に行ってもよい。また、解繊は、一度に行ってもよいし、複数回行ってもよい。複数回の場合それぞれの解繊の時期はいつでもよい。
[酸化セルロースナノファイバーの製造]
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)5.00g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)39mg(絶乾1gのセルロースに対し0.05mmol)と臭化ナトリウム514mg(絶乾1gのセルロースに対し1.0mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を次亜塩素酸ナトリウムが5.5mmol/gになるように添加し、室温にて酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターで濾過してパルプ分離し、パルプを十分に水洗することで酸化されたパルプ(カルボキシル化セルロース)を得た。この時のパルプ収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシル基量は1.6mmol/gであった。これを水で1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150Mpa)で3回処理して、酸化セルロースナノファイバー分散液を得た。平均繊維径は3nm、アスペクト比は250であった。
上記の酸化セルロースナノファイバーの0.5重量%水分散液をコンクリート用塗布剤とした。
[セメント組成物(生コンクリート)の製造]
表1に示した水セメント比(W/C)、細骨材率(s/a)、および単位量のコンクリート調合条件で、普通ポルトランドセメント3種等量混合(密度=3.16g/m3、比表面積=3330cm2/g)、細骨材(略称:S、掛川産山砂、密度=2.58g/m3)及び粗骨材(略称:G、青梅産硬質砂岩砕石、密度=2.67g/m3)を使用して環境温度20℃の室内でコンクリートを混練した。全区分で、(株)フローリック社製のAE減水剤標準形フローリックSを、セメント重量に対して1重量%添加した。目標スランプを19±1cmとし、空気量に関しては目標空気量を4.5±1.5%に設定し、目標空気量となるよう(株)フローリック社製のAE150(主成分ポリオキシエチレン型界面活性剤)を使用し調整した。収縮低減剤はコンクリート製造後、ミキサー内のコンクリートに、セメント重量に対して2重量%の収縮低減剤を混入しミキサーで攪拌することにより、セメント組成物(生コンクリート)を得た。
上記塗布剤を塗布した場合の、コンクリート硬化体の補強性、乾燥収縮防止、中性化防止、塩害の程度を評価するために、それぞれ以下に示す方法により、上記コンクリートを用いてコンクリート硬化体を製造し、圧縮強度、長さ変化率、中性化深さ、塩化物イオンの見掛けの拡散係数を測定した。
JIS A1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠して測定した。すなわち、コンクリートの打設後、直ちに直径100mm、高さ200mmの円柱状の供試体を作製し、24時間後に脱型を行い、上記の塗布剤を塗布量が100g/m2になるよう側面に塗布し、室温にて乾燥した。これをさらに、周辺の温度を20±2 ℃,湿度を60±5%に保った状態4週間保存後、圧縮強度試験機(株式会社マルイ製、全自動圧縮試験機「ハイアクティス−1000」)を用いて、圧縮応力度の増加が毎秒0.6±0.4N/mm2となる速度で荷重を加え、供試体が破壊するまでに試験機が示す最大荷重から圧縮強度を測定した。測定結果を、塗布剤を塗布しなかった基準品と比較して、高かった場合を○、同等であったものを△、低かった場合を×とした。
JIS A 1129「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法」に準拠して測定した。すなわち、コンクリートの打設後、直ちに100×100×400mmの直方体状の供試体を作製し、24時間後に脱型を行い、側面に刻線を引き、上記塗布剤を塗布量が100g/m2になるように全面に塗布し、室温にて乾燥した。この供試体を20±2℃の水中に浸せきし,材齢が7日になるまで養生した。次に、周辺の温度を 20±2 ℃,湿度を60±5%に保った状態で乾燥し、乾燥直後、および乾燥開始13週後にそれぞれ刻線の長さを測定した。乾燥直後の刻線の長さと乾燥開始13週後の刻線の長さの変化量を、乾燥直後の刻線の長さに対する比率として計算し、長さ変化率とした。測定結果を、塗布剤を塗布しなかった基準品と比較して、小さかった場合を○、同等であったものを△、大きかった場合を×とした。
JIS A 1153「コンクリートの促進中性化試験方法」に準拠して測定した。すなわち、断面が正方形でその一辺の長さが100 mm、長さが400 mmの供試体を作製し、上記塗布剤を、塗布量が100g/m2になるように全面に塗布し、室温にて乾燥した。この供試体を、材齢4週まで温度20±2℃の湿潤状態で養生を行い、その後、相対湿度60±5%,温度20±2 ℃の恒温恒湿室に材齢8週まで静置した。材齢 7〜8 週の間に,供試体の打込み面,底面及び両端面を、二酸化炭素を遮断するのに十分なものでピンホールがないようにシールした。材齢8週後、温度20±2℃,相対湿度(60±5)%,二酸化炭素濃度(5±0.2)%の中性化促進条件にて13週間静置した。その後、供試体の長さ方向と直角に供試体を、端部から約 60 mm の位置で割裂し、測定面にフェノールフタレイン溶液を噴霧器で液が滴らない程度に噴霧し、呈色した部分が安定した後に、コンクリート表面から赤紫色に呈色した部分までの距離を測定した。測定結果を、塗布剤を塗布しなかった基準品と比較して、短かった場合を○、同等であった場合を△、長かった場合を×とした。
コンクリート標準示方書基準編(土木学会)「浸せきによるコンクリート中の塩化物イオンの見掛けの拡散係数試験方法(JSCE-G-572-2013)」に準拠して、塩化物イオンの見掛けの拡散係数を測定した。すなわち、直径100mm、高さ200mmの円柱状の供試体を作製し、上記塗布剤を、塗布量が100g/m2になるように全面に塗布し、室温にて乾燥した。この供試体を4週間養生し、養生中に、供試体の上下25mmをカットして、高さ150mmに成形した。養生後、供試体の円形の一面のみを残し、他の面をエポキシ樹脂塗料で被覆し、温度 20±2 ℃,相対湿度(60±5)%の室内で4日間放置し、その後、温度 20±2 ℃の水中で24時間保存した。この供試体を、温度20±2 ℃,濃度10%の塩化ナトリウム溶液に91日間浸漬した後、供試体の開放面に付着している塩化物イオンを取り除き、開放面から深さの異なる5箇所の場所で、コンクリートカッターを用いて試験片を切り出し、全塩化物イオンを測定し、その分布を回帰分析して、見掛けの拡散係数を算出した。測定結果を、塗布剤を塗布しなかった基準品と比較して、小さかった場合を○、同等であった場合を△、大きかった場合を×とした。
実施例1において、塗布剤の塗布量を150g/m2に変更した以外は、実施例1と同様の方法でコンクリート硬化体を製造した。
実施例1において、酸化セルロースナノファイバーを以下の方法で製造したカルボキシメチル化セルロースナノファイバーに変更した以外は、実施例1と同様の方法でコンクリート硬化体を製造した。
パルプを混ぜることができる撹拌機に、パルプ(NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、日本製紙製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で111g(発底原料の無水グルコース残基当たり2.25倍モル)加え、パルプ固形分が20%(w/v)になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後にモノクロロ酢酸ナトリウムを216g(有効成分換算、パルプのグルコース残基当たり1.5倍モル)添加した。30分撹拌した後に、70℃まで昇温し1時間撹拌した。その後、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.25のカルボキシメチル化したパルプを得た。これを水で固形分1%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、150MPaの圧力で5回処理することにより解繊しカルボキシメチル化セルロースナノファイバーを得た。平均繊維径は15nm、アスペクト比は50であった。
実施例1において、酸化セルロースナノファイバーを以下の方法で製造したカチオン化セルロースナノファイバーに変更した以外は、実施例1と同様の方法でコンクリート硬化体を製造した。
パルプを攪拌することができるパルパーに、パルプ(NBKP、日本製紙(株)製)を乾燥重量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥重量で24g加え、パルプ固形濃度が15%になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後に70℃まで昇温し、カチオン化剤として3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを200g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカチオン置換度0.05のカチオン変性されたパルプを得た。これを固形濃度1%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、140MPaの圧力で2回処理した。平均繊維径は25nm、アスペクト比は50であった。
実施例1において、塗布剤を塗布しない以外は、実施例1と同様の方法でコンクリート硬化体を製造した。
Claims (5)
- セルロースナノファイバーを含有するセメント系硬化体用塗布剤。
- 前記セルロースナノファイバーが、酸化セルロースナノファイバー、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー、カチオン化セルロースナノファイバー、エーテル化セルロースナノファイバー、エステル化セルロースナノファイバーの少なくともいずれか1種を含むことを特徴とする請求項1に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
- 前記酸化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるC6位のヒドロキシル基の一部がカルボキシル基に酸化されており、且つセルロースナノファイバーに対するカルボキシル基の量が0.5mmol/g〜3.0mmol/gである、請求項2に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
- 前記カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるヒドロキシル基の水素原子の一部がカルボキシメチル基に置換されており、且つグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50である、請求項2に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
- 前記カチオン化セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成するセルロースのグルコース単位中におけるヒドロキシル基の水素原子の一部がカチオン性基に置換されており、且つグルコース単位当たりのカチオン置換度が0.01〜0.40である、請求項2に記載のセメント系硬化体用塗布剤。
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