JP2017114197A - 車両横転抑制装置 - Google Patents

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後藤 康之
Yasuyuki Goto
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Abstract

【課題】車両の横転回数(回転数)を低減させることで、乗員の安全ないし保護の信頼性を大幅かつ飛躍的に向上させることが可能な車両横転抑制装置を提供するする。【解決手段】車両横転抑制装置は、ロールオーバに際し、その一部(横転抑制部材14)が車両1のボディ2から車外に向けて張り出されることで、車両の横転回数を低減させる車両横転抑制機構13を備え、車両横転抑制機構は、車両の走行に際し、その全体が車両のボディに格納された状態に維持される。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、ロールオーバに際し、車両の横転(回転)を抑制する車両横転抑制装置に関する。
従来、例えば、ロールオーバに際し、車両に対する荷重の入力状態を検出し、その検出結果に基づいて、エアバッグを作動させる装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2006−142953号公報
近年では、乗員の安全ないし保護をより十分に確保すべく、例えば、ロールオーバに際し、車両の横転回数(回転数)を低減させる技術、換言すると、車両の横転自体を抑制する技術が求められているが、かかる技術は現在知られていない。
本発明の目的は、車両の横転回数(回転数)を低減させることで、乗員の安全ないし保護の信頼性を大幅かつ飛躍的に向上させることが可能な車両横転抑制装置を提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明の車両横転抑制装置は、ロールオーバに際し、その一部が車両のボディから車外に向けて張り出されることで、車両の横転回数を低減させる車両横転抑制機構を備え、前記車両横転抑制機構は、車両の走行に際し、その全体が車両のボディに格納された状態に維持される。
本発明において、前記車両横転抑制機構は、車両のボディから張り出し可能に搭載された少なくとも1つの横転抑制部材と、前記横転抑制部材を制御する制御ユニットと、を有し、ロールオーバに際し、前記制御ユニットが前記横転抑制部材を制御することで、前記横転抑制部材は、車両のボディから外方に向けて張り出され、かつ、車両の横転を抑制する姿勢に維持される。
本発明において、前記横転抑制部材は、車両の横転方向に対して交差する方向に沿って張り出される。
本発明において、前記交差する方向は、車両が横転する際の回転中心となる仮想回転軸を横切る方向に沿って規定される。
本発明において、前記横転抑制部材は、車両の車幅方向の両側にそれぞれ少なくとも1つずつ配置され、車両が横転する際に、車両の一方側が地面から離間しつつ、かつ、車両の他方側が地面に接近しつつある状態において、両側の前記横転抑制部材のうち、少なくとも一方側の前記横転抑制部材を車両のボディから外方に向けて張り出させることで、車両の回転角速度(単位時間当りに車両が回転する角度)を低減させる。
本発明において、両側の前記横転抑制部材のうち、他方側の前記横転抑制部材を車両のボディから外方に向けて張り出させることで、車両の転がり抵抗(回転フリクション)を増加させる。
本発明において、車両が横転する際に、一方側の前記横転抑制部材を車両のボディから外方に向けて張り出させた後、他方側の前記横転抑制部材を車両のボディから外方に向けて張り出させる。
本発明において、前記制御ユニットは、前記横転抑制部材を張り出し可能に支持する張り出し機構と、前記張り出し機構を動作させるアクチュエータと、を備え、前記横転抑制部材、及び、前記張り出し機構、並びに、前記アクチュエータは、車両のアンダーボディに沿って配置されていると共に、前記横転抑制部材は、前記張り出し機構を介して前記アンダーボディに支持されている。
本発明において、前記張り出し機構、及び、前記アクチュエータは、前記アンダーボディの中で比較的剛性の高いメンバに取り付けられている。
本発明において、前記車両横転抑制機構は、前記車両が、地面に沿って平行移動しつつ回転した際に、その一部を車両のボディから車外に向けて張り出すことで、車両の回転数を低減させることが可能である。
本発明によれば、車両の横転回数(回転数)を低減させることで、乗員の安全ないし保護の信頼性を大幅かつ飛躍的に向上させることが可能な車両横転抑制装置を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る車両横転抑制装置を搭載した車両の側面図。 モノコックボディ形式の車両に搭載された車両横転抑制装置を、アンダーボディ側から見た平面図。 フレーム形式の車両に搭載された車両横転抑制装置を、アンダーボディ側から見た平面図。 張り出し機構(リンク部材)の初期状態(横転抑制部材の格納状態)を示す平面図。 図4の張り出し機構(リンク部材)の作動状態(横転抑制部材の張り出し途中の状態)を示す平面図。 図4の張り出し機構(リンク部材)の作動完了状態(横転抑制部材の張り出し完了状態)を示す平面図。 (a)は、アクチュエータの初期状態(横転抑制部材の格納状態)を示す断面図、(b)は、同図(a)のアクチュエータの作動状態(横転抑制部材の張り出し途中の状態)を示す断面図、(c)は、同図(a)のアクチュエータの作動完了状態(横転抑制部材の張り出し完了状態)を示す断面図。 ロールオーバに際し、外側の横転抑制部材の制御状態を示す正面図。 ロールオーバに際し、内側の横転抑制部材の制御状態を示す正面図。 車両横転抑制装置に適用されたエアバッグ作動システムの構成を示すブロック図。 横転抑制部材の張り出しタイミングを示すフローチャート。 本発明の第1変形例において、モノコックボディ形式の車両に搭載された車両横転抑制装置を、アンダーボディ側から見た平面図。 本発明の第2変形例において、フレーム形式の車両に搭載された車両横転抑制装置を、アンダーボディ側から見た平面図。 本発明の第3変形例に係る車両横転抑制装置の構成を示す図。 本発明の第4変形例に係る車両横転抑制装置の構成を示す図。 (a)は、第4変形例の車両横転抑制装置に適用されたアクチュエータの初期状態(横転抑制部材の格納状態)を示す断面図、(b)は、同図(a)のアクチュエータの作動状態(横転抑制部材の張り出し途中の状態)を示す断面図、(c)は、同図(a)のアクチュエータの作動完了状態(横転抑制部材の張り出し完了状態)を示す断面図。 本発明の第5変形例に係る車両横転抑制装置の構成を示す図。 第5変形例に適用されたアクチュエータの初期状態(横転抑制部材の格納状態)を示す断面図。 図18のアクチュエータの作動完了状態(横転抑制部材の張り出し完了状態)を示す断面図。 本発明の第6変形例に適用されたアクチュエータの初期状態(横転抑制部材の格納状態)を示す断面図。 図20のアクチュエータの作動完了状態(横転抑制部材の張り出し完了状態)を示す断面図。
「一実施形態」
図1に示すように、本実施形態の車両横転抑制装置は、ロールオーバに際し、車両1の横転を抑制可能に構成されている。車両1としては、例えば、小型、中型及び大型の各種乗用自動車ないし貨物自動車(トラック)などを想定することができる。かかる車両1には、例えば、乗員の居住空間やエンジンルームなどを覆うためのボディ2が設けられている。車両1のボディ2は、アンダーボディ3と、アッパーボディ4と、を備えて構成されている。
アンダーボディ3は、主に車両1の足回りを構成している。アンダーボディ3は、例えば、車両1の耐久性、操縦安定性、走行安定性、乗り心地などの基本性能を構成する部分である。アンダーボディ3は、例えば、前輪5a及び後輪5bを取り付ける部分、及び、エンジンその他の駆動機構6(図2〜図3参照)を取り付ける部分、並びに、乗員の居住空間のフロア部分、トランクルームのフロア部分などを含めた総称を指している。
アッパーボディ4は、アンダーボディ3上に搭載される部分を構成している。アッパーボディ4は、例えば、乗員の居住空間に対する水や埃の侵入防止、衝突に対する乗員の保護、空力特性などの基本性能を構成する部分である。アッパーボディ4は、例えば、エンジンルームを覆う部分(ボンネット7)、乗員の居住空間を覆う部分(フロントドア8a、リアドア8b、ルーフ9)、トランクルームを覆う部分(トランクフード10)などを含めた総称を指している。
上記したようなボディ構造を有する車両形式としては、モノコックボディ形式、及び、フレーム形式などがある。本実施形態の車両横転抑制装置は、いずれの形式の車両1にも適用可能に構成されている。なお、モノコックボディ形式の車両1は、例えば、アンダーボディ3(フレーム)とアッパーボディ4とを一体化させて構成されている。フレーム形式の車両1は、例えば、アンダーボディ3(フレーム)とアッパーボディ4とを別体化させて構成されている。
車両1のボディ2は、フロントサイド2a、リアサイド2b、ライトサイド2c、レフトサイド2dなどに区画されている。フロントサイド2a及びリアサイド2bは、車両1の走行方向11に沿って前後に整列した位置関係を有している。フロントサイド2aは、車両1の走行方向11の下流側(前側)に位置している。リアサイド2bは、車両1の走行方向11の上流側(後側)に位置している。なお、車両1の「走行方向11」は、車両1のボディ2のフロントサイド2aからリアサイド2bに亘る車両1の「長手方向」として規定することも可能である。
また、ライトサイド2c及びレフトサイド2dは、車両1の走行方向(長手方向)11を横断する方向(即ち、車両1の車幅方向)に沿って対向した位置関係を有している。ライトサイド2cは、車両1の走行方向11の上流側(後側)から見て右手側に位置している。レフトサイド2dは、車両1の走行方向11の上流側(後側)から見て左手側に位置している。
更に、車両1のボディ2は、例えば、空力抵抗を低減させるべく、ドアミラー以外に突起物の無い滑らかな輪郭形状を有している。換言すると、車両1のボディ2は、ロールオーバに際し、地面12(図8〜図9参照)に沿って転動(回転)し易い輪郭形状を有している。かかる構成によれば、ロールオーバに際し、車両1の転動数(回転数)が上昇する状態が想定される。そうなると、転動数(回転数)の上昇の程度によっては、例えば、居住空間において、乗員の保護を十分に図ることが困難になってしまう虞がある。
「車両横転抑制装置の概要」
図1〜図3に示すように、本実施形態の車両横転抑制装置は、ロールオーバに際し、車両1の横転回数を低減させる車両横転抑制機構13を備えている。図1には、レフトサイド2dに係る車両1のボディ構成が示されている。図2には、モノコックボディ形式に係る車両1のアンダーボディ側の構成が示されている。図3には、フレーム形式に係る車両1のアンダーボディ側の構成が示されている。
いずれの形式においても、車両横転抑制機構13は、車両1の走行に際し、その全体が車両1のボディ2に格納された状態に維持可能に構成されている。車両横転抑制機構13をボディ2に格納することで、車両1の走行に際し、空力抵抗が上昇するといった不具合の発生を防止すること、換言すると、空力抵抗を一定に維持することができる。
車両横転抑制機構13の配置として、車両横転抑制機構13を、車両1の車幅方向の両側(ライトサイド2c、レフトサイド2d)に、それぞれ1つずつ配置させてもよいし、或いは、車両1の車幅方向の両側に、それぞれ複数の車両横転抑制機構13を配置させてもよい。図面では一例として、車両横転抑制機構13は、車両1の車幅方向の両側に、それぞれ1つずつ配置されている。
この場合、双方の車両横転抑制機構13は、車両1の車幅方向の両側に左右対称な位置関係を有しつつ、同一形状及び同一寸法で、かつ同一重量に構成することが好ましい。かかる配置構成によれば、車両1の走行に際し、例えば、操縦安定性、走行安定性、乗り心地などの性能を、劣化させること無く、常に一定(良好)に維持することができる。
なお、車両横転抑制機構13は、必ずしも車両1の両側に設ける必要はない。いずれか一方側にのみ車両横転抑制機構13を配置させてもよい。
更に、車両横転抑制機構13は、ロールオーバに際し、その一部が車両1のボディ2から車外に向けて張り出し可能に構成されている。ここで、「張り出し」とは、外側に出っ張らせる仕様(動作、状態)を指す。出っ張らせる仕様としては、外側に突出させる仕様、外側に伸ばす仕様、外側に旋回させる仕様、外側に展開させる仕様などを想定することができる。
この場合、車両横転抑制機構13の一部を、少なくともドアミラー(図示しない)を越えるように、車両1のボディ2の両側(ライトサイド2c、レフトサイド2d)から車外に向けて張り出させることが好ましい。そうすると、車両1のボディ輪郭を、ドアミラー以外の突起物を有する凹凸形状にすることができる。このとき、車両1のボディ2は、地面12(図8〜図9参照)に沿って転動(回転)し難い輪郭形状となる。これにより、ロールオーバに際し、車両1の横転回数(転動数、回転数)を短時間のうちに低減させることができる。この結果、乗員の安全ないし保護の信頼性を大幅かつ飛躍的に向上させることができる。
「車両横転抑制機構13の構成」
図1〜図6、図7(a)〜(c)に示すように、車両横転抑制機構13は、横転抑制部材14と、制御ユニットと、を有している。
横転抑制部材14は、上記「車両横転抑制機構13の一部」に相当する部品である。横転抑制部材14は、車両1のボディ2から張り出し可能に搭載されている。横転抑制部材14は、1つの車両横転抑制機構13に対して1つ設けられている。複数の車両横転抑制機構13を配置させる仕様では、同数の横転抑制部材14が設けられる。
横転抑制部材14としては、新たな部品として車両1に後付けしてもよいし、或いは、車両1に設けられた付属部品をそのまま流用してもよい。図面では一例として、車両1のサイドステップ(付属部品)を横転抑制部材14としてそのまま流用している。サイドステップ14は、乗降者が足を掛けられるように、車両1の車幅方向の両側、即ち、車両1のボディ2の両側(ライトサイド2c、レフトサイド2d)に設けられている。サイドステップ14の形状や大きさ(長さ)は、車両1の種類や大きさなどに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。
制御ユニットは、横転抑制部材(サイドステップ)14を制御可能に構成されている。この場合、1つの制御ユニットによって、1つの横転抑制部材14を制御してもよいし(図2〜図3参照)、或いは、1つの制御ユニットによって、複数の横転抑制部材14を一括制御してもよい(図14参照)。
制御ユニットは、張り出し機構15と、支持機構16と、アクチュエータ17と、制御回路と、を備えている。
「張り出し機構15、支持機構16」
張り出し機構15は、横転抑制部材14を張り出し可能に支持している。張り出し機構15は、横転抑制部材14の一端側を支持可能に構成されている。横転抑制部材14の他端は、支持機構16によって支持されている。これにより、乗降者は、横転抑制部材14(即ち、サイドステップ)に安定して足を掛けることができる。
ここで、支持機構16は、例えば、後述する制御回路からの電気信号に基づいて、横転抑制部材14に対する支持状態を解除可能に構成されている。支持機構16の一例として、特に図示しないが、可動自在に構成された鉄芯と、鉄芯の周囲に巻回されたコイルと、を用意する。鉄芯の先端にホルダを設ける。ホルダは、横転抑制部材14の他端を一時的に支持可能に構成されている。
この構成において、制御回路から電気信号を出力することで、コイルに電流を流す。このとき、コイルに生じた磁気力により、鉄芯がコイル内に向けて引っ張られる。これにより、鉄芯先端のホルダが横転抑制部材14の他端から離間する。この結果、ホルダと、横転抑制部材14の他端との間の支持状態が解除される。例えば、ロールオーバに際し、制御回路から支持機構16に制御信号を出力する。かくして、横転抑制部材14は、張り出し機構15によって張り出し可能な状態となる。
更に、張り出し機構15は、両端を有する一連のリンク部材18を備えている。リンク部材18の一端は、横転抑制部材14の一端側に連結されている。リンク部材18の他端は、後述するアクチュエータ17の突出しロッド25の先端に連結されている。リンク部材18の他端と、突出しロッド25の先端とは、連結ピン19を介して、互いに回転可能に連結されている。
また、リンク部材18には、1つの回転軸20が連結されている。回転軸20は、リンク部材18の中央部分に連結されている。これにより、リンク部材18は、回転軸20を中心に回転可能に構成されている。また、リンク部材18には、他端から一端に向かう途中(回転軸20の手前)まで、一連のガイド21(図4〜図6参照)が形成されている。ガイド21は、リンク部材18を貫通させて構成されている。上記した連結ピン19は、ガイド21に沿って移動可能に構成されている。
「アクチュエータ17」
アクチュエータ17は、張り出し機構15(リンク部材18)を動作可能に構成されている。アクチュエータ17は、ガスタンク22と、シリンダ23と、ピストン24と、突出しロッド25と、を備えている(図7(a)〜(c)参照)。シリンダ23には、シリンダ23内の圧力を検査するための第1バルブ26と、空気抜き用の第2バルブ27とが接続されている。第2バルブ27は、シリンダ23の先端に配置されている。
ピストン24は、シリンダ23内を移動可能に構成されている。ピストン24には、突出しロッド25の基端が固定されている。突出しロッド25の先端側は、シリンダ23の基端から外部に突出されている。シリンダ23の基端には、連通路28が設けられている。連通路28の一端は、シリンダ23内に接続されている。連通路28の他端は、ガスタンク22に接続されている。ガスタンク22には、高圧ガスが貯蔵されている。高圧ガスは、連通路28を通ってシリンダ23内に導入可能に構成されている。
この構成において、ガスタンク22から連通路28を通って高圧ガスをシリンダ23に導入する(図7(a)参照)。このとき、ピストン24がシリンダ23の基端から先端に向けて移動する(図7(b)参照)。これにより、突出しロッド25の基端が、ピストン24に追従して、シリンダ23の先端に向けて移動する。この結果、突出しロッド25は、シリンダ23内に引き込まれ、その状態に維持される(図7(c)参照)。
突出しロッド25がシリンダ23内に引き込まれる過程において(図4〜図6参照)、上記した連結ピン19は、ガイド21に沿って移動しつつ、リンク部材18の一端及び他端を回転軸20を中心に旋回させる。このとき、リンク部材18の他端は、アクチュエータ17に接近する方向に旋回する。リンク部材18の一端は、アクチュエータ17から離間する方向に旋回する。
リンク部材18の一端は、横転抑制部材14(サイドステップ)14の一端側に連結されている。これにより、横転抑制部材(サイドステップ)14は、リンク部材18に追従して、回転軸20を中心にアクチュエータ17から離間する方向に旋回する。そして、上記したように突出しロッド25がシリンダ23内に引き込まれた状態に維持される(図7(c)参照)。この結果、横転抑制部材(サイドステップ)14は、車両1のボディ2の両側(ライトサイド2c、レフトサイド2d)から外方に向けて張り出され、かつ、車両1の横転を抑制する姿勢に維持される(図2〜図3参照)。
かかる姿勢において、横転抑制部材(サイドステップ)14は、車両1の横転方向(図8〜図9参照)に対して交差する方向に沿って張り出される。交差する方向は、車両1が横転する際の回転中心となる仮想回転軸29(図8〜図9参照)を横切る方向に沿って規定される。なお、本実施形態において、横転抑制部材(サイドステップ)14の張り出し形態を「前開き旋回方式」と称する。
「制御回路」
制御回路は、アクチュエータ17を制御可能に構成されている。即ち、制御回路は、ガスタンク22からシリンダ23内に高圧ガスを導入するタイミング、換言すると、横転抑制部材(サイドステップ)14の張り出しタイミングを制御する。かかるタイミングは、ロールオーバの発生に同期させることが好ましい。例えば、横転抑制部材(サイドステップ)14の張り出しタイミングを、エアバッグの作動タイミングに同期させる。
ここで、制御回路は、新たに車両1に搭載させてもよいし、或いは、予め車両1に搭載されている既存の電気回路を流用させてもよい。本実施形態では、予め車両1に搭載されているエアバッグ作動システム30(図10参照)の一部を、制御回路として流用している。図10には、エアバッグ作動システム30の一例が示されている。
図10に示すように、エアバッグ作動システム30において、車両1が衝突すると、例えば、加速度センサ31、及び、フロントインパクトセンサ32やサイドインパクトセンサ33などが反応する。このとき、各センサ31,32,33から各種情報信号がエアバッグECU(電子制御ユニット)34に送信される。加えて、車速センサ35から衝突直前の車速情報がエアバッグECU34に送信される。同時に、車載カメラ36からの映像情報もエアバッグECU34に送信される。更に、ロールオーバをセンシングするためのロールレートセンサ65や上下加速度センサ66からの各種情報もエアバッグECU34に送信される。
エアバッグECU34に送信された各種情報は、ROM37に記憶された処理プログラムに基づいて、RAM38を作業領域としてCPU39によって演算される。このとき、演算結果が予め設定された基準値を超えるような場合、エアバッグECU34は、他のECU40に指令などを出すことで、インフレータ(inflator)にて火薬を爆発させて、エアバッグ41を膨らませる。同時に、エアバッグECU34は、例えば、各種のメータ機器42の制御を行ってアラーム43を発生させることで、事故の所在を報知する。
このとき、当該車両1の傾斜角度が、予め設定された最大安定傾斜角度を越えるような場合、エアバッグECU34は、当該衝突により車両1がロールオーバ形態にあると判定する。エアバッグECU34は、その旨の判定結果信号を車両横転抑制機構44に出力する。判定結果信号は、上記した制御ユニットの制御回路に送信される。これにより、制御回路は、判定結果信号に基づいて、ガスタンク22からシリンダ23内に高圧ガスを導入するタイミング、換言すると、横転抑制部材(サイドステップ)14の張り出しタイミングを制御する。この結果、ロールオーバに際し、横転抑制部材(サイドステップ)14を、車両1のボディ2から車外に向けて張り出し可能となる(図2〜図3参照)。
「車両横転抑制機構13の配置」
図1〜図3に示すように、車両横転抑制機構13は、車両1のボディ2に搭載させることができる。例えば、車両横転抑制機構13は、アンダーボディ3、或いは、アッパーボディ4のいずれかに配置させることができる。この場合、車両1の走行時において、空力特性が一定に維持されるように、換言すると、空力抵抗が上昇しないように、車両横転抑制機構13を車両1のボディ2に搭載させることが好ましい。
本実施形態において、車両横転抑制機構13(横転抑制部材14、制御ユニット)は、アンダーボディ3に搭載されている。具体的には、横転抑制部材(サイドステップ)14、及び、制御ユニット(張り出し機構15、支持機構16、アクチュエータ17)は、車両1の両側(ライトサイド2c、レフトサイド2d)において、アンダーボディ3に沿って配置されている。
ここで、アンダーボディ3に沿って配置させる仕様としては、例えば、アンダーボディ3の内部に沿って車両横転抑制機構13を配置させるバリエーション、及び、アンダーボディ3の外部に沿って車両横転抑制機構13を配置させるバリエーションなどが想定される。図面では一例として、車両横転抑制機構13(横転抑制部材14、制御ユニット)は、アンダーボディ3の外部に沿って配置されている。アンダーボディ3の外部とは、アンダーボディ3のうち、地面12(図8〜図9参照)に対向した部分を指す。
この場合、制御ユニット(張り出し機構15、支持機構16、アクチュエータ17)は、アンダーボディ3の中で比較的剛性の高いメンバ(member)に取り付けることが好ましい。メンバとしては、車両の走行方向(長手方向)11に沿ったサイドメンバ、及び、車両の走行方向(長手方向)11を横断する方向(車両の幅方向)に沿ったクロスメンバなどが想定される。
例えば、モノコックボディ形式の車両1のアンダーボディ3(図2参照)において、回転軸20をクロスメンバ45に固定する。これにより、張り出し機構15を、回転軸20を介して、比較的剛性の高いクロスメンバ45に回転可能に固定することができる。更に、支持機構16をサイドメンバ46に固定する。アクチュエータ17をクロスメンバ47に固定する。
例えば、フレーム形式の車両のアンダーボディ(図3参照)において、回転軸20をサイドメンバ(サイドフレーム)48に固定する。これにより、張り出し機構15を、回転軸20を介して、比較的剛性の高いサイドメンバ(サイドフレーム)48に回転可能に固定することができる。更に、支持機構16をサイドメンバ(図示しない)に固定する。アクチュエータ17をクロスメンバ(クロスフレーム)49に固定する。
かかる構成(図2〜図3参照)において、横転抑制部材(サイドステップ)14は、張り出し機構15、及び、支持機構16を介して、アンダーボディ3に堅牢に支持される。換言すると、横転抑制部材(サイドステップ)14を、アンダーボディ3の外部に沿って一定の姿勢(向き)に維持することができる。この結果、乗降者は、横転抑制部材(サイドステップ)14に安定して足を掛けることができる。
「車両横転抑制機構13の動作」
図11に示すように、上記したエアバッグ作動システム30において、エアバッグECU34は、ロールオーバの初期条件が成立したか否かを判定する(ステップS1)。
ロールオーバの初期条件としては、例えば、車両1の衝突に際し、当該車両1の傾斜角度が予め設定された最大安定傾斜角度を越えた場合を想定することができる。この場合、エアバッグECU34は、車両1がロールオーバ形態にあると判定、即ち、ロールオーバの初期条件が成立したと判定する。
このとき、エアバッグECU34は、例えば、各種のメータ機器42の制御を行う(ステップS2)。更に、エアバッグECU34は、例えば、アラーム43を制御して事故の所在を報知する(ステップS3)。同時に、エアバッグECU34は、上記した判定についての判定結果信号を、車両横転抑制機構13の制御ユニット(制御回路)に送信する。
ここで、ロールオーバにおいて車両1が横転する際に、車両1の一方側(ライトサイド2c)が地面12から離間しつつ、かつ、車両の他方側(レフトサイド2d)が地面12に接近しつつある状態を想定する(図8〜図9参照)。
この状態で、制御回路は、車両1の一方側(ライトサイド2c)において、支持機構16を制御して、横転抑制部材(サイドステップ)14の支持状態を解除させると共に、アクチュエータ17を制御して、ガスタンク22からシリンダ23内に高圧ガスを導入させる。
これにより、図8に示すように、一方側(ライトサイド2c)の横転抑制部材(サイドステップ)14が、車両1のボディ2から外方に向けて張り出される(ステップS4)。即ち、車両1の横転を抑制する姿勢に維持される。この結果、横転抑制部材(サイドステップ)14が張り出された分だけ、車両1の横転における慣性モーメントが大きくなる。かくして、車両1の横転における回転角速度が低減する。
続いて、エアバッグECU34は、ロールオーバの確定条件が成立したか否かを判定する(ステップS5)。
ロールオーバの確定条件としては、例えば、上記した最大安定傾斜角度を越えた状態が予め設定された時間を経過しても継続している場合を想定することができる。この場合、エアバッグECU34は、ロールオーバの確定条件が成立したと判定する。
このとき、エアバッグECU34は、かかる判定についての判定結果信号を、車両横転抑制機構13の制御ユニット(制御回路)に送信する。制御回路は、車両1の他方側(レフトサイド2d)において、支持機構16を制御して、横転抑制部材(サイドステップ)14の支持状態を解除させると共に、アクチュエータ17を制御して、ガスタンク22からシリンダ23内に高圧ガスを導入させる。
これにより、図9に示すように、他方側(レフトサイド2d)の横転抑制部材(サイドステップ)14が、車両1のボディ2から外方に向けて張り出される(ステップS6)。即ち、車両1の横転を抑制する姿勢に維持される。この結果、張り出された横転抑制部材(サイドステップ)14が、例えば、地面12に突き刺さる。かくして、車両1の横転における転がり抵抗が増加する。
このように、ロールオーバ(車両1の横転)に際し、回転角速度を低減させると共に、転がり抵抗を増加させる。これにより、車両1の横転回数(転動数、回転数)が短時間のうちに低減される。
「一実施形態の効果」
本実施形態によれば、ロールオーバに際し、車両横転抑制機構13の一部(即ち、横転抑制部材)を、車両1のボディ2から車外に向けて張り出させる。そうすると、車両1のボディ2は、地面12に沿って転動(回転)し難い輪郭形状となる。これにより、ロールオーバに際し、車両1の横転回数(転動数、回転数)を短時間のうちに低減させることができる。この結果、乗員の安全ないし保護の信頼性を大幅かつ飛躍的に向上させることができる。
本実施形態によれば、ロールオーバにおいて車両1が横転する際に、車両1の一方側が地面から離間しつつ、かつ、車両1の他方側が地面に接近しつつある状態において、一方側の横転抑制部材14を、車両1のボディ2から外方に向けて張り出させる。そうすると、横転抑制部材14が張り出された分だけ、車両1の横転における慣性モーメントを大きくすることができる。これにより、車両1の横転における回転角速度を低減させることができる。かくして、ロールオーバに際し、車両1の横転回数(転動数、回転数)を短時間のうちに低減させることができる。
本実施形態によれば、ロールオーバにおいて車両1が横転する際に、車両1の一方側が地面から離間しつつ、かつ、車両1の他方側が地面に接近しつつある状態において、他方側の横転抑制部材14を、車両1のボディ2から外方に向けて張り出させる。そうすると、張り出された横転抑制部材14を、例えば、地面12に突き刺さすことができる。これにより、車両1の横転における転がり抵抗を増加させることができる。かくして、ロールオーバに際し、車両1の横転回数(転動数、回転数)を短時間のうちに低減させることができる。
本実施形態によれば、ロールオーバにおいて車両1が横転する際に、一方側の横転抑制部材14を車両1のボディ2から外方に向けて張り出させた後、他方側の横転抑制部材14を車両1のボディ2から外方に向けて張り出させる。これにより、車両1の横転に際し、回転角速度を低減させると共に、転がり抵抗を増加させることができる。この結果、ロールオーバに際し、車両1の横転回数(転動数、回転数)を、より短時間のうちに効率的に低減させることができる。
「第1変形例:図12」
上記した実施形態に係るモノコックボディ形式の車両1(図2参照)では、横転抑制部材14(例えば、サイドステップ)を「前開き旋回方式」により張り出させたが、これとは逆に、「後開き旋回方式」により横転抑制部材14を張り出させるようにしてもよい。
図12には、第1変形例に係る「後開き旋回方式」の車両横転抑制機構13の構成が示されている。第1変形例の車両横転抑制機構13は、図2の車両横転抑制機構13を、車両1の走行方向(長手方向)11に沿って前後に反転させて構成されている。なお、これ以外の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
「第2変形例:図13」
上記した実施形態に係るフレーム形式の車両1(図3参照)では、横転抑制部材14(例えば、サイドステップ)を「前開き旋回方式」により張り出させたが、これとは逆に、「後開き旋回方式」により横転抑制部材14を張り出させるようにしてもよい。
図13には、第2変形例に係る「後開き旋回方式」の車両横転抑制機構13の構成が示されている。第2変形例の車両横転抑制機構13は、図3の車両横転抑制機構13を、車両の走行方向(長手方向)11に沿って前後に反転させて構成されている。なお、これ以外の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
「第3変形例:図14」
上記した実施形態では、1つの横転抑制部材14(例えば、サイドステップ)を、1つの制御ユニットで制御するバリエーションについて説明したが、これに代えて、複数の横転抑制部材14を、1つの制御ユニットで一括制御するようにしてもよい。図14には、第3変形例に係る車両横転抑制機構13の構成が示されている。
図14に示すように、第3変形例の車両横転抑制機構13において、上記した実施形態と同様に、車両1の車幅方向の両側に、横転抑制部材14、及び、支持機構16がそれぞれ1つずつ設けられている。更に、第3変形例の車両横転抑制機構13は、1つのアクチュエータ17と、2つの張り出し機構と15、を備えている。この場合、車両1の車幅方向の両側において、横転抑制部材14は、その一端側が張り出し機構15によって支持されていると共に、その他端が支持機構16によって支持されている。
各々の張り出し機構15は、両端を有する一連の2つのリンク部材(第1リンク部材18a、第2リンク部材18b)を備えている。第1リンク部材18aの一端は、横転抑制部材14の一端側に連結されている。第1リンク部材18aの他端は、第2リンク部材18bの一端に連結されている。第1リンク部材18aの他端と、第2リンク部材18bの一端とは、第1連結ピン19aを介して、互いに回転可能に連結されている。
第2リンク部材18bの他端は、アクチュエータ17の突出しロッド25の先端に連結されている。第2リンク部材18bの他端と、突出しロッド25の先端とは、第2連結ピン19bを介して、互いに回転可能に連結されている。更に、上記した第1リンク部材18aには、1つの回転軸20が連結されている。回転軸20は、第1リンク部材18aの中央部分に連結されている。これにより、第1リンク部材18aは、回転軸20を中心に回転可能に構成されている。なお、アクチュエータ17、及び、回転軸20は、上記した実施形態と同様に、アンダーボディ3の中で比較的剛性の高いメンバに取り付けられる。
かかる構成によれば、上記した実施形態と同様に、制御回路によってアクチュエータ17を制御する。このとき、突出しロッド25がシリンダ23内に引き込まれる(図7(a)〜(c)参照)。これに追従して、第2リンク部材18bが引っ張られる。そうすると、第1リンク部材18aが回転軸20を中心に旋回する。これにより、横転抑制部材14は、当該第1リンク部材18aに追従して、回転軸20を中心に旋回する。かくして、双方の横転抑制部材14は、車両1のボディ2の両側(ライトサイド2c、レフトサイド2d)から外方に向けて張り出され、かつ、車両1の横転を抑制する姿勢に維持される。
第1変形例によれば、車両横転抑制機構13の部品点数を削減できるため、当該車両横転抑制機構13の軽量化及びコンパクト化を実現することができる。第1変形例は、双方の横転抑制部材14を同時に旋回させる仕様に特化している。なお、これ以外の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
「第4変形例:図15〜図16」
上記した実施形態では、横転抑制部材14(例えば、サイドステップ)を、回転軸20を中心に旋回させるバリエーションについて説明したが、これに代えて、横転抑制部材14を平行にスライドさせることで、当該横転抑制部材14を車両1のボディ2から外方に向けて張り出させるようにしてもよい。
図15に示すように、第4変形例の車両横転抑制機構13において、上記した実施形態と同様に、車両1の車幅方向の両側に、横転抑制部材14がそれぞれ1つずつ設けられている。各々の横転抑制部材14は、複数のアクチュエータ17によってスライド自在に支持されている。複数のアクチュエータ17は、横転抑制部材14に沿って、等間隔に配置することが好ましい。これにより、横転抑制部材14を偏ることなく均等にスライドさせることができる。
図面には一例として、横転抑制部材14は、2つのアクチュエータ17によって支持されている。双方のアクチュエータ17は、車両1の走行方向(長手方向)11に沿って互いに平行に配置されている。横転抑制部材14は、双方のアクチュエータ17の突出しロッド25の先端に取り付けられている。この場合、各々のアクチュエータ17を、上記した実施形態と同様に、アンダーボディ3(図1参照)の中で比較的剛性の高いメンバに取り付ける。これにより、横転抑制部材14は、アクチュエータ17を介して、堅牢かつ安定して車両1(アンダーボディ3)に支持される。従って、本変形例において、上記した支持機構16(図1参照)は不要となる。
図16(a)〜(c)に示すように、アクチュエータ17は、横転抑制部材14をスライド可能に構成されている。アクチュエータ17は、ガスタンク22と、シリンダ23と、ピストン24と、突出しロッド25と、コイルばね50と、を備えている。シリンダ23には、シリンダ23内の圧力を検査するための第1バルブ26と、空気抜き用の第2バルブ27とが接続されている。
ピストン24は、シリンダ23内を移動可能に構成されている。ピストン24には、突出しロッド25の基端が固定されている。突出しロッド25の先端側は、シリンダ23の先端から外部に突出可能に構成されている。シリンダ23の基端には、連通路28が設けられている。連通路28の一端は、シリンダ23内に接続されている。連通路28の他端は、ガスタンク22に接続されている。ガスタンク22には、高圧ガスが貯蔵されている。高圧ガスは、連通路28を通ってシリンダ23内に導入可能に構成されている。
更に、コイルばね50は、シリンダ23に収容されている。コイルばね50の一端は、シリンダ23の先端に当て付けられている。コイルばね50の他端は、ピストン24に当て付けられている。これにより、ピストン24は、常時、シリンダ23の基端に押し付けられた状態に維持されている。
この構成において、ガスタンク22から連通路28を通って高圧ガスをシリンダ23に導入する(図16(a)参照)。このとき、ピストン24がシリンダ23の基端から先端に向けて移動する(図16(b)参照)。これにより、突出しロッド25の先端が、ピストン24に追従して、シリンダ23の先端から外部に突き出される(図16(c)参照)。
このとき、コイルばね50の押圧力がピストン24に作用するが、第2バルブ27は逆止弁であるため、外部の空気がシリンダ23内に逆流することはない。この結果、ピストン24は、シリンダ23の先端に移動した状態(即ち、突出しロッド25が外部に突き出た状態)に維持される。
かかる構成によれば、上記した実施形態と同様に、制御回路によって双方のアクチュエータ17を同時に制御する。このとき、突出しロッド25が突き出される(図16(a)〜(c)参照)。これにより、横転抑制部材14は、車両1のボディ2の両側(ライトサイド2c、レフトサイド2d)から外方に向けて平行に張り出され、かつ、車両1の横転を抑制する姿勢に維持される。なお、これ以外の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
「第5変形例:図17〜図19」
上記した実施形態では、高圧ガスを利用したアクチュエータ17を想定したが、これに代えて、バネ力を利用したアクチュエータ17を適用してもよい。図17〜図19には、第5変形例に係る車両横転抑制機構13の構成が示されている。この構成において、上記した実施形態と同様に、車両1の車幅方向の両側に、横転抑制部材14(例えば、サイドステップ)、及び、支持機構16がそれぞれ1つずつ設けられている。
図17〜図19に示すように、第5変形例のアクチュエータ17は、両端を有する一連のガイドシャフト51と、ガイドシャフト51に沿って移動可能なスライダ52と、スライダ52に取り付けられた可動ステー53と、ガイドシャフト51の一端に固定された固定ステー54と、ガイドシャフト51に取り付けられた弾き台55と、横転抑制部材14をバネ力により張り出させるための支持アーム56と、を備えている。
横転抑制部材14は、その一端がガイドシャフト51の一端に連結されている。横転抑制部材14の一端は、回転軸57を介して、車両1の一部(例えば、ガイドシャフト51の一端の近傍部分)に回転可能に支持されている。横転抑制部材14の他端は、支持機構16に支持されている。可動ステー53と固定ステー54とは、コイルばね58を介して互いに連結されている。
支持アーム56の一端は、横転抑制部材14の中央部分に連結され、支持アーム56の他端は、スライダ52に連結されている。横転抑制部材14の中央部分には、ジョイント59が設けられ、支持アーム56の一端と、ジョイント59とは、互いに回転可能に連結されている。支持アーム56の他端と、スライダ52とは、連結ピン60を介して、互いに回転可能に連結されている。
ここで、車両横転抑制機構13が車両1のボディ2に格納した状態において、横転抑制部材14の他端は、支持機構16によって支持されている。このとき、横転抑制部材14は、ガイドシャフト51に沿った角度に維持される。そうすると、スライダ52は、支持アーム56によって、ガイドシャフト51の他端に向けて押圧された状態に維持される。換言すると、可動ステー53は、固定ステー54から最も遠ざかった位置に保持される。これにより、コイルばね58は、延ばされた状態となる。この結果、当該コイルばね58の復元力(弾性力)により、可動ステー53は、常に、固定ステー54に向けて引っ張られた状態に維持される(図18参照)。
かかる構成によれば、上記した実施形態と同様に、制御回路によってアクチュエータ17を制御する。そうすると、支持機構16による横転抑制部材14に対する支持状態が解除される。コイルばね58の復元力(弾性力)により、可動ステー53が、固定ステー54に向けて引っ張られる。このとき、可動ステー53に追従して、スライダ52がガイドシャフト51に沿って移動する。スライダ52の運動は、支持アーム56を介して、ジョイント59に伝達され、当該ジョイント59を移動させる。
移動を開始したジョイント59は、弾き台55によって弾かれる。これにより、支持アーム56がガイドシャフト51から立ち上がる。この結果、横転抑制部材14が回転軸57を中心に旋回する。かくして、横転抑制部材14は、車両1のボディ2の両側(ライトサイド2c、レフトサイド2d)から外方に向けて張り出され、かつ、車両1の横転を抑制する姿勢に維持される(図17、図19参照)。なお、これ以外の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
「第6変形例:図17、図20〜図21」
第6変形例は、上記した第5変形例の改良に係るアクチュエータ17を想定している。本変形例のアクチュエータ17は、第5変形例のバネ力に代えて、モータ駆動力を利用している。図17、図20〜図21には、第6変形例に係る車両横転抑制機構13の構成が示されている。この構成において、上記した実施形態と同様に、車両1の車幅方向の両側に、横転抑制部材14(例えば、サイドステップ)、及び、支持機構16がそれぞれ1つずつ設けられている。
図17、図20〜図21に示すように、第6変形例のアクチュエータ17は、両端を有する一連のボールねじ61と、ボールねじ61に沿って移動可能なナット62と、横転抑制部材14を張り出させるための支持アーム56と、ボールねじ61を回転させるモータ63と、を備えている。
ボールねじ61は、その両端が軸受64によって回転可能に支持されている。横転抑制部材14は、その一端がボールねじ61の一端に連結されている。横転抑制部材14の一端は、回転軸57を介して、車両1の一部(例えば、ボールねじ61の一端の近傍部分)に回転可能に支持されている。横転抑制部材14の他端は、支持機構16に支持されている。
支持アーム56の一端は、横転抑制部材14の中央部分に連結され、支持アーム56の他端は、ナット62に連結されている。横転抑制部材14の中央部分には、ジョイント59が設けられ、支持アーム56の一端と、ジョイント59とは、互いに回転可能に連結されている。支持アーム56の他端と、ナット62とは、連結ピン60を介して、互いに回転可能に連結されている。
ここで、車両横転抑制機構13を車両1のボディ2に格納する場合、例えば、モータ63を逆回転させてボールねじ61を逆転させる。ナット62を、ボールねじ61の一端から他端に移動させる。そして、横転抑制部材14の他端が、支持機構16に支持されたとき、モータ63を停止させる。
かかる構成によれば、上記した実施形態と同様に、制御回路によってアクチュエータ17を制御する。そうすると、支持機構16による横転抑制部材14に対する支持状態が解除される。このとき、モータ63を正回転させてボールねじ61を正転させる。ナット62がボールねじ61に沿って他端から一端に移動する。ナット62の運動は、支持アーム56を介して、ジョイント59に伝達され、当該ジョイント59を移動させる。
そして、更に、ナット62を移動させることで、支持アーム56がガイドシャフトから立ち上がる。この結果、横転抑制部材14が回転軸57を中心に旋回する。かくして、横転抑制部材14は、車両1のボディ2の両側(ライトサイド2c、レフトサイド2d)から外方に向けて張り出され、かつ、車両1の横転を抑制する姿勢に維持される(図17、図21参照)。なお、これ以外の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
「その他の変形例」
上記した実施形態では、ロールオーバに際し、車両の横転(回転)を抑制する場合について説明したが、本発明は、これに限定されることはなく、例えば、走行中に、車両の片側の衝突(Small over lap crash 形態)により、当該車両が、地面に沿って平行移動(スライド)しつつ回転(旋回)した場合にも、車両の回転数を低減させることができる。
この場合、車両の片側の衝突(Small over lap crash 形態)に際し、上記した実施形態と同様に、制御回路によってアクチュエータ17を制御する。そして、上記した横転抑制部材14(例えば、サイドステップ)を、車両1のボディ2の両側(ライトサイド2c、レフトサイド2d)から外方に向けて張り出す。これにより、車両の回転数(旋回数)を短時間のうちに抑制(低減)することができる。この結果、乗員の安全ないし保護の信頼性を大幅かつ飛躍的に向上させることができる。
1…車両、2…ボディ、2a…フロントサイド、2b…リアサイド、
2c…ライトサイド、2d…レフトサイド、11…走行方向(長手方向)、
13…車両横転抑制機構、14…横転抑制部材(サイドステップ)、15…張り出し機構、
16…支持機構、17…アクチュエータ、18…リンク部材。

Claims (10)

  1. ロールオーバに際し、その一部が車両のボディから車外に向けて張り出されることで、車両の横転回数を低減させる車両横転抑制機構を備え、
    前記車両横転抑制機構は、車両の走行に際し、その全体が車両のボディに格納された状態に維持される車両横転抑制装置。
  2. 前記車両横転抑制機構は、
    車両のボディから張り出し可能に搭載された少なくとも1つの横転抑制部材と、
    前記横転抑制部材を制御する制御ユニットと、を有し、
    ロールオーバに際し、前記制御ユニットが前記横転抑制部材を制御することで、前記横転抑制部材は、車両のボディから外方に向けて張り出され、かつ、車両の横転を抑制する姿勢に維持される請求項1に記載の車両横転抑制装置。
  3. 前記横転抑制部材は、車両の横転方向に対して交差する方向に沿って張り出される請求項2に記載の車両横転抑制装置。
  4. 前記交差する方向は、車両が横転する際の回転中心となる仮想回転軸を横切る方向に沿って規定される請求項3に記載の車両横転抑制装置。
  5. 前記横転抑制部材は、車両の車幅方向の両側にそれぞれ少なくとも1つずつ配置され、
    車両が横転する際に、車両の一方側が地面から離間しつつ、かつ、車両の他方側が地面に接近しつつある状態において、
    両側の前記横転抑制部材のうち、少なくとも一方側の前記横転抑制部材を車両のボディから外方に向けて張り出させることで、車両の回転角速度を低減させる請求項2に記載の車両横転抑制装置。
  6. 両側の前記横転抑制部材のうち、他方側の前記横転抑制部材を車両のボディから外方に向けて張り出させることで、車両の転がり抵抗を増加させる請求項5に記載の車両横転抑制装置。
  7. 車両が横転する際に、一方側の前記横転抑制部材を車両のボディから外方に向けて張り出させた後、他方側の前記横転抑制部材を車両のボディから外方に向けて張り出させる請求項6に記載の車両横転抑制装置。
  8. 前記制御ユニットは、
    前記横転抑制部材を張り出し可能に支持する張り出し機構と、
    前記張り出し機構を動作させるアクチュエータと、を備え、
    前記横転抑制部材、及び、前記張り出し機構、並びに、前記アクチュエータは、車両のアンダーボディに沿って配置されていると共に、
    前記横転抑制部材は、前記張り出し機構を介して前記アンダーボディに支持されている請求項2に記載の車両横転抑制装置。
  9. 前記張り出し機構、及び、前記アクチュエータは、前記アンダーボディの中で比較的剛性の高いメンバに取り付けられている請求項8に記載の車両横転抑制装置。
  10. 前記車両横転抑制機構は、前記車両が、地面に沿って平行移動しつつ回転した際に、その一部を車両のボディから車外に向けて張り出すことで、車両の回転数を低減させることが可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両横転抑制装置。
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