JP2017113223A - フェイシャルティシュ製品入りカートン及びその製造方法 - Google Patents

フェイシャルティシュ製品入りカートン及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カートンの高さが低くてもフェイシャルティシュ製品の組数を多くすることができ、かつフェイシャルティシュ製品の強度、柔らかさ、滑らかさを両立させたフェイシャルティシュ製品を提供する。【解決手段】2プライのフェイシャルティシュ製品の積層体を収容した紙製のカートンにおいて、積層体の組数が150〜210組、カートンの高さが38〜65mmであり、フェイシャルティシュ製品の1プライ当りの坪量が8〜13g/m2、紙厚が0.33〜0.59mm/10枚、(組数×2×紙厚/10/カートンの高さ)で表される比が0.28〜0.53、かつ、ティシューソフトネス測定装置TSAにより測定したTS750が4〜15dBV2rms、TS7が7〜20dBV2rmsであり、フェイシャルティシュ製品のDGMTが1.6〜3.1N/25mmであり、クレープの本数が13〜32本/6mm、高さが10〜30μmである。【選択図】図8

Description

本発明は、パルプを主成分とするフェイシャルティシュ製品入りカートン及びその製造方法に関する。
フェイシャルティシュ製品は、顔の化粧料の拭き取り等に用いられ、肌に直接接するため、強度の他、柔らかさ、触感の滑らかさが要求される(特許文献1)。又、一般にフェイシャルティシュ製品は積層された組の状態で紙製のカートンに収容され、販売及び使用される(特許文献2)。
ところで、カートンに入っているフェイシャルティシュ製品の組数が多くなるほど、カートンの交換頻度が少なくなって便利であるが、組数を増やすとカートンの高さが高くなる。ところが、カートンの高さを高くすると、倉庫等での保管時や店頭での販売時に潰れ易くなるため、カートンの強度を高める必要があり、コストアップとなる。また、カートンサイズが大きくなるので、コストだけでなく、輸送コスト、保管コストも上昇する。
そのため、カートンの高さを高くせずに組数を増やすことが要求される。同じ組数で高さを抑えるには、シートの坪量を低くして紙厚を低くすればよいが、シートの坪量を低くすると、強度が低下して抄紙機で断紙しやすくなるため、叩解を強くして強度を向上させる必要がある。
特開2014−73419号公報 特開2004−26280号公報
しかしながら、叩解を強くし、シートの坪量を低くしつつ強度を高くすると、得られたフェイシャルティシュ製品の柔らかさが低下するという問題がある。又、フェイシャルティシュ製品は顔に触れるため、触感が極めて重要であるが、シートの坪量を低くして紙厚が薄くなると表面がパリパリした触感になり、触感が低下する。一方、紙厚を厚くすると触感は向上するが、カートンの高さを高くせずに、組数を増やすことが難しくなる。
従って本発明は、カートンの高さが低くてもフェイシャルティシュ製品の組数を多くすることができ、かつフェイシャルティシュ製品の強度、柔らかさ、滑らかさを両立させたフェイシャルティシュ製品及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、シートの坪量と強度を最適化し、フェイシャルティシュ製品の柔らかさを確保すると共に、シートの坪量を低くすることで触感が低下するのを防止するため、クレープの高さと本数に着目した。
上記課題を解決するため、本発明のフェイシャルティシュ製品入りカートンは、2プライのフェイシャルティシュ製品の積層体を収容した紙製のカートンにおいて、前記積層体の組数が150〜210組、前記フェイシャルティシュ製品の積層方向に沿った前記カートンの高さが38〜65mmであり、前記フェイシャルティシュ製品の1プライ当りの坪量が8〜13g/m、紙厚が0.33〜0.59mm/10枚、(前記組数×2×前記紙厚/10/前記カートンの高さ)で表される比が0.28〜0.53、かつ、ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記フェイシャルティシュ製品の2プライのままのサンプルに対し、ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサで測定したとき、前記TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が4〜15dBVrmsであり、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が7〜20dBVrmsであり、前記フェイシャルティシュ製品の、JIS−P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さをDMDTとし、乾燥時の横方向の引張強さをDCDTとし、DMDTとDCDTとの積の平方根である(DMDT×DCDT)1/2をDGMTとしたとき、DGMTが1.6〜3.1N/25mmであり、前記フェイシャルティシュ製品のクレープの本数が13〜32本/6mm、高さが10〜30μmである。
前記フェイシャルティシュ製品の比容積が3.0〜6.1cm/gであることが好ましい。
ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記フェイシャルティシュ製品の2プライのままのサンプルに対し、ブレード付きロータを回転させずに100mNと600mNの押し込み圧力でそれぞれ上から押し込んだとき、それぞれ押し込み圧力100mNと600mNの間での前記サンプルの上下方向の変形変位量で表される、剛性(D)の測定値が1.5〜3.5であることが好ましい。
前記フェイシャルティシュ製品が柔軟剤を0.03〜0.30質量%含有することが好ましい。
前記柔軟剤が、脂肪酸化合物であることが好ましい。
本発明のフェイシャルティシュ製品の製造方法は、前記フェイシャルティシュ製品入りカートンの製造方法であって、前記フェイシャルティシュ製品を抄紙する際、パルパーからインレットの間で紙料に対して柔軟剤を添加し、柔軟剤を添加する場所における柔軟剤添加前の前記紙料の濾液のカチオン要求量を10〜180μeq/Lとする。
前記インレットから前記紙料をワイヤーに噴出する時のファーストパスリテンションが30〜90%であることが好ましい。但し、ファーストパスリテンション={1−(前記ワイヤーで脱水された白水中の前記紙料の濃度(質量%))/(前記インレット中の前記紙料の濃度(質量%))}×100
前記インレットから前記紙料をワイヤーに噴出する時の該ワイヤーの抄速を1400〜2200m/minとすることが好ましい。
この発明によれば、カートンの高さが低くてもフェイシャルティシュ製品の組数を多くすることができ、かつフェイシャルティシュ製品の強度、柔らかさ、滑らかさを両立させることができる。
本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュ製品入りカートンの斜視図である。 ティシューソフトネス測定装置TSAの測定原理を示す図である。 TSAによる紙試料サンプルの振動周波数の解析結果の一例を示す図である。 TSAによる紙試料サンプルの剛性Dの測定方法を示す図である。 クレープの本数と高さの測定方法を示す図である。 図5に続く図である。 クレープの本数と高さの測定方法を示す別の図である。 図7に続く図である。 図8の部分拡大図である。
以下に本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュ製品入りカートン(以下、適宜「カートン」とも称する)は、2プライのフェイシャルティシュ製品の積層体を収容した紙製のカートンである。
図1は、本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュ製品入りカートン20の斜視図である。フェイシャルティシュ製品入りカートン20は、シート状のフェイシャルティシュ製品の積層体25と、積層体25を収容した紙製の矩形箱体の本体部22とを備え、フェイシャルティシュ製品入りカートン20の高さHは、内部の積層体25の積層方向に沿った高さである。積層体25としては、個々のシート状のフェイシャルティシュ製品を、例えばポップアップ式にZ折りやV折り等して積層してもよく、ポップアップしないように重ねられてもよい。又、カートンの本体部22は板紙等から形成することができる。
積層体25の組数が150〜210組、カートンの高さH(外寸)が38〜65mmである。
積層体25の組数が150組未満であると、カートン20の交換頻度が多くなって不便となる。積層体25の組数が210組を超えると、カートンの高さHが65mmを超えて高くなり過ぎ、潰れ易くなったり、潰れを防止するためにカートンの強度を高めることでコストアップとなる。
積層体25の組数が160〜210組であることが好ましく、180〜210組であることがより好ましく、200〜210組であることが更に好ましい。
カートンの高さHが40〜57mmであることが好ましく、42〜47mmであることがより好ましい。
なお、カートンの紙厚は例えば、好ましくは0.26〜0.48mm/1枚、より好ましくは0.29〜0.42mm/1枚、さらに好ましくは0.32〜0.36mm/1枚とすることができる。
フェイシャルティシュ製品の1プライ当りの坪量が8〜13g/m、紙厚が0.33〜0.59mm/10枚、(組数×2×紙厚/10/カートンの高さH)で表される比が0.28〜0.53である。なお、紙厚は、フェイシャルティシュ製品の個々のシートを10枚重ねた厚み、つまり、2プライのフェイシャルティシュ製品を5組重ねた厚みである。
上記したように、カートンの高さHを高くせずに組数を増やすには、シートの坪量を低くして紙厚を低くする必要がある。そこで、坪量、紙厚及び上記比を規定した。
フェイシャルティシュ製品の1プライ当りの坪量が8g/m未満である場合、使用感が劣る。また、紙厚も0.33mm/10枚未満となり、強度を確保するために叩解を強くする必要があり、その結果、フェイシャルティシュ製品の柔らかさが低下する。
フェイシャルティシュ製品の1プライ当りの坪量が13g/mを超えると、紙厚も0.59mm/10枚を超え、カートンの高さHが65mmを超えて高くなり過ぎ、カートンの強度が低下して潰れ易くなると共に、フェイシャルティシュ製品の柔らかさが低下する。
上記坪量が9〜12g/mであることが好ましく、10〜11g/mであることがより好ましい。
上記紙厚が0.37〜0.54mm/10枚であることが好ましく、0.41〜0.49mm/10枚であることがより好ましい。
上記比は、カートンの高さHに対し、どの位の紙厚のフェイシャルティシュ製品が何枚(組数)入っているかの指標であり、この比が高いほど、同じカートンの高さHでもより多くのフェイシャルティシュ製品が入っており、カートンの交換頻度が少なくなって便利となる。但し、この比が0.53を超えると、カートン20の高さ方向にフェイシャルティシュ製品が充填され過ぎ、カートン20からフェイシャルティシュ製品を取り出し難くなる。
一方、この比が0.28未満であると、カートン20内のフェイシャルティシュ製品が少な過ぎ、カートン20の内部でティシューが折れ曲がり、カートン20からフェイシャルティシュ製品を取り出し難くなる。
上記比が0.33〜0.48であることが好ましく、0.37〜0.43であることがより好ましい。
なお、カートンの坪量は、好ましくは230〜390g/m、より好ましくは250〜350g/m、さらに好ましくは270〜310g/mとすることができる。上記比が0.28〜0.53の範囲において、カートンの坪量が230g/m未満であると、カートンの強度が弱くなる場合がある。また、カートンの坪量が380g/mを超えると、カートンのコストが高くなる場合がある。
フェイシャルティシュ製品をティシューソフトネス測定装置TSA(Tissue Softness Analyzer)により測定したとき、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が4〜15dBVrmsであり、好ましくは5〜13dBVrms、より好ましくは6〜11dBVrmsである。TS750が15dBVrmsより高いと滑らかさに劣り、4dBVrmsより低いと滑らか過ぎて表面がパリパリした触感になり、フェイシャルティシュとしての触感が得られなくなる。
又、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が7〜20dBVrmsであり、好ましくは9〜18dBVrms、より好ましくは11〜16dBVrmsである。TS7が20dBVrmsより高いと十分な柔らかさが得られず、7dBVrmsより低いと柔らかなものの、表面の強度が弱くなり、フェイシャルティシュ使用時に紙粉が多く発生する場合がある。
又、ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置したフェイシャルティシュ製品のサンプルに対し、ブレード付きロータを回転させずに100mNと600mNの押し込み圧力でそれぞれ上から押し込んだとき、それぞれ押し込み圧力100mNと600mNの間での前記サンプルの上下方向の変形変位量で表される、剛性(D)の測定値が好ましくは1.5〜3.5mm/Nであり、より好ましくは1.7〜3.3mm/N、さらに好ましくは2.0〜3.0mm/Nである。D測定値が1.5mm/Nより低いとしなやかさに劣り、3.5mm/Nより高いと、しなやかさが際立ちすぎ、クッション性に劣る場合がある。
なお、しなやかさは、フェイシャルティシュを触ったときのたわみ易さを表す。
ここで、図2に示すように、ティシューソフトネス測定装置TSA210は、紙試料(サンプル)206の上から、回転したブレード付きロータ204を押付けたときの各種センサで検知した振動データを、振動解析してパラメータ化(TS値)することにより、紙のソフトネス(手触り感)を定量評価するものであり、ドイツのエムテック(Emtec Electronic GmbH、日本代理店は日本ルフト株式会社)社製の商品名である。
TSAを用いた具体的な測定は、(i)円形の試料台205を外側から覆うようサンプル206(emtec社のサンプルパンチを使用して直径が約112.8mmの円形に加工したサンプル)を設置し、サンプル206の外周をサンプル固定リング208で保持し、(ii)ブレード付きロータ204を100mNの押し込み圧力でサンプル206の上から押し込んだ後、ロータ204を回転数2.0(/sec)で回転させ、(iii) 試料台205の振動を、試料台205内部に設置した振動センサ203で測定し、振動周波数を解析する。(iv)次に、押し込み圧力100mNと600mNで、ロータ204を回転させずにそれぞれサンプル206を変形させたときの上下方向の変形変位量(mm/N、剛性D)を計測する。 (i)〜(iv)の手順により、フェイシャルティシュ製品の総合的なハンドフィール値の要素(滑らかさ、しなやかさ、ボリューム感)が各々数値化できる。測定は1サンプルについて表裏5回ずつ繰り返し、平均化する。なお、表裏とは、2プライのままのフェイシャルティシュ製品のうち、製品の外側に向く両面(つまり、シートの重ね合わせ面と反対面)を意味する。
なお、試料台205はベースプレート201上に設置され、試料台205とベースプレート201の間には、力センサ202が配置されている。そして、力センサ202の検出値により、ブレード付きロータ204の押し込み圧力を制御する。又、ブレード付きロータ204はモータ209によって回転する。
又、振動解析してパラメータ化(TS値)するソフトウェアは、emtec measurement systemを用いる。本ソフトウェアには、各種アルゴリズム(例えば、Base Tissue、Facial、TP等)が備えられ、TS7、TS750、Dをソフトウェア上で自動的に取得し、これらTS7、TS750、Dおよび、坪量、厚さ、Ply数等から各種アルゴリズムの種類によって、HF(ハンドフィール)値が計算される。本発明では、HF値ではなく、TS7、TS750、Dのみを規定しており、上記測定条件を満たせば、アルゴリズムは何を使用しても良く、TS7、TS750、Dの値はアルゴリズムの種類によって変わることはない。
図3は、TSAによる紙試料サンプルの振動周波数の解析結果の一例を示す。低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークAの強度をTS750とし、6500Hzを含む(6500Hzの前後の)スペクトルの極大ピークBの強度をTS7とする。極大ピークBは、通常、約6500Hzに位置する。
図4は、TSAによる紙試料サンプルの剛性Dの測定方法を示す。
紙試料サンプルの振動周波数は、紙の構造及びロータ4の回転数に依存し、振幅(スペクトルの強度)は、クレープの高さ等の紙の構造の高さに依存する。そして、スペクトルの最初のピーク(図3のA)であるTS750は滑らかさ、粗さを表す。一方、TS7が現れる周波数(5000〜8000Hzの範囲、通常は6500Hz近傍)は、ロータ4の共振周波数であり、水平振動となって紙表面を進むときに紙繊維による瞬間的な遮断とロータ4の振動に起因する。剛性Dは、紙の剛性(引張強度)に相関する。
TS7の値が低いほど、ふんわり感(表面ソフトネスおよびバルクソフトネス)に優れ、TS750の値が低いほど、滑らかさに優れる。又、Dの値が大きいほど、しなやかさに優れる。
さらに、TS7、TS750、及びDの関数に基づき、総合的なハンドフィール値(HF値)を算出することができる。
例えば、(HF値)=A×(TS7)+B×(TS750)+C×(D)+αという関数を設定することで、総合的なハンドフィール値を客観的(定量的)に数値化できる。ここで、A,B,C及びαは係数であり、これら係数を適宜設定することで、ハンドフィール値を構成するファクター(つまり、TS7、TS750、及びDにそれぞれ対応する、柔らかさ、滑らかさ、剛性)の重み付けを調整し、実際の柔らかさの官能評価に合致させることができる。
なお、A及びBを負の値とし、Cを正の値とした場合、ハンドフィール値の値が大きくなるほど、総合的な柔らかさに優れることを意味する。
2プライのままのフェイシャルティシュ製品の、JIS−P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さをDMDTとし、乾燥時の横方向の引張強さをDCDTとし、DMDTとDCDTとの積の平方根である(DMDT×DCDT)1/2をDGMTとしたとき、DGMTが1.6〜3.1N/25mmである。
フェイシャルティシュ製品のDGMTが1.6N/25mm未満であると、やぶれ易くて実用に適さない。DGMTが3.1N/25mmを超えると硬くなり、柔らかさが損なわれる。上記DGMTは、好ましくは1.7〜2.7N/25mm、更に好ましくは1.8〜2.5N/25mmである。
なお、DGMTは、JIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDT(Dry Machine Direction Tensile strength)と、乾燥時の横方向の引張強さDCDT(Dry Cross Direction Tensile strength)との積の平方根であり、(DMDT×DCDT)1/2(DGMT:Geometric Tensile Strength)で表される。
また、DGMT(N/25mm)/坪量(g/m)で表される比(第2の比)を0.15〜0.30にすることが好ましい。例えば、同じ強度のティシューであっても、坪量が低ければ柔らかさが劣るように感じ、坪量が高ければ柔らかさが優れるように感じられる。従って、坪量に対するDGMTの比を上記範囲に管理することで、坪量や強度が変化しても、柔らかさを維持でき、また、柔らかすぎて紙粉の量が多くなることを抑制できる。
DGMT(N/25mm)/坪量(g/m)は、好ましくは0.17〜0.27、より好ましくは0.18〜0.24である。
フェイシャルティシュ製品の比容積が3.0〜6.1cm/gであると好ましい。比容積が3.0cm/g未満であると、滑らかすぎて触感が劣る場合がある。一方、比容積が6.1cm/gを超えると、滑らかさが劣ると共にカートンの高さHが65mmを超えて高くなる場合がある。比容積は、より好ましくは3.3〜5.3cm/g、さらに好ましくは3.6〜4.8cm/gである。
TS7、TS750、D値及びDGMTを上記範囲に管理する方法の一例としては、坪量を上記範囲とし、叩解を強く(例えば、後述するカナダ標準ろ水度)して強度を確保しつつ、クレープの本数と高さを管理し、滑らかさを向上させることが挙げられる。
フェイシャルティシュ製品のクレープの本数が13〜32本/6mm、高さが10〜30μmである。クレープは微細なシワ、ひだであり、このクレープが伸縮することで滑らかさが確保されると共に、比容積(紙厚)に影響する。紙厚が高いとボリューム感があり、紙厚が低いとボリューム感が劣る。
上記クレープの本数が13本/6mm未満であると、クレープ高さが高くなって凹凸が大きくなり、滑らかさが低下すると共に、比容積が大きくなってカートンの高さHが65mmを超える。クレープの本数が32本/6mmを超えるとクレープ高さが低くなって凹凸が小さくなり、滑らか過ぎて表面がパリパリした触感になり、触感が劣る。
上記クレープの本数は、好ましくは15〜29本/6mm、より好ましくは18〜26本/6mmである。上記クレープの高さは、好ましくは13〜27μm、より好ましくは15〜23μmである。
なお、クレープの本数と高さは本来は別個独立に制御されるが、フェイシャルティシュ製品での一般的なクレープ率の範囲(10〜40%程度)においては、クレープの本数を多くするとクレープ高さは低くなり、クレープの本数を少なくするとクレープ高さは高くなる傾向にある。
クレープの本数と高さは、例えば、公知の方法であるヤンキードライヤを用い、クレープドクター角の調整およびクレープ率の調整により、適宜調整できる。
フェイシャルティシュ製品は、パルプを主成分(50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上)とする。なお、フェイシャルティシュ製品から後述するソックスレー抽出法または熱分解GCにより、柔軟剤の含有割合を定量できるので、フェイシャルティシュ製品から柔軟剤の質量割合を除いた値をパルプの質量割合とみなす。なお、フェイシャルティシュ製品には柔軟剤以外の各種薬品も含まれるが、これら薬品の合計はせいぜい3質量%以下(一般には2質量%以下)とみなせるので、薬品の質量を含めた値をパルプの質量とみなす。
パルプとしては木材パルプ、古紙パルプ、非木材パルプがあるが、パルプが木材パルプ100%から成っていてもよく、木材パルプに加えて古紙パルプ、非木材パルプを含んでも良い。パルプ以外の成分としては、填料、合成繊維、天然繊維等を挙げることができる。目標とする品質を得るためには、パルプ全体に対してNBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が、好ましくは0〜35質量%、より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは10〜25質量%である。また、パルプ全体に対してLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が好ましくは15〜55質量%、より好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは25〜45質量%である。また、パルプ全体に対してミルクカートン(牛乳パック)由来の古紙パルプの含有率が好ましくは20〜65質量%、より好ましくは25〜60質量%、さらに好ましくは30〜55質量%である。
ミルクカートン(牛乳パック)由来の古紙パルプは、針葉樹パルプが主体であり、フェイシャルティシュの強度を確保しやすい一方、品質のバラツキが大きく、含有割合が高すぎると製品の品質に影響するので、上記範囲の含有率にすることが好ましい。また、ミルクカートン(牛乳パック)由来の古紙パルプの含有割合が高すぎると後述するカチオン要求量が高くなるため、上記範囲の含有率にすることが好ましい。
上記LBKPの材種としてユーカリ属グランディス、及びユーカリグロビュラスに代表される、フトモモ科ユーカリ属から製造されるパルプが好ましい。
なお、フェイシャルティシュ製品に適切な強度を確保するために、通常の手段で原料配合し、パルプ繊維の叩解処理にて強度調整を行うことができる。目標の品質を得るための叩解としては、叩解前後のパルプにおいて、JIS−P8121で測定されるカナダ標準ろ水度で0〜200ml、より好ましくは20〜180ml、更に好ましくは50〜150ml濾水度を低減させる。又、乾燥紙力増強剤や湿潤紙力増強剤は適宜使用してもよく、湿潤紙力増強剤は使用することが好ましい。
クレープの本数と高さは、マイクロスコープを用いて測定して求める。
マイクロスコープとしては、KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D測定マクロスコープ VR−3100」を使用することができる。マイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR−H1A」を使用することができる。又、測定条件は、倍率38倍、視野面積8mm×6mm(シートのMD方向が6mmの辺に平行の条件で測定する。なお、測定倍率と視野面積は、求めるクレープの大きさによって、適宜変更しても良い。なお、3次元測定機や輪郭形状測定機は、点や線で測定されるが、ワンショット3D測定の場合、面全体を測定するため、全体の形状やうねりがわかりやすい。
図5〜図8にクレープの本数と高さの具体的な測定方法を示す。図5、図6は、マイクロスコープによるX−Y平面の画像を示し、図5がメイン画像、図6がメイン画像の高さプロファイル(マッピング)である。図5、図6の上下方向がシートのMD方向、左右方向がシートのCD方向となる。
なお、図6のX−Y平面画像のCD方向に任意の位置で、MD方向に平行な線分S1−S2を画像の上下全体に引くと、図7に示すようにクレープの高さ(測定断面曲線)プロファイルが得られる。なお、個々のクレープはCD方向に沿って(図6の左右方向に)延びており、線分S1−S2はこれら複数のクレープを横断するので、図6のX−Y平面画像のCD方向のどの位置で線分S1−S2を引いても、クレープの高さプロファイルはほとんど変わらない。
ここで、図7の高さプロファイルは、実際のフェイシャルティシュの試料表面の凹凸を表す(測定)断面曲線Sであるが、ノイズ(フェイシャルティシュの表面に繊維塊があったり、繊維がヒゲ状に伸びていたり、繊維のない部分に起因した急峻なピーク)をも含んでおり、クレープの高さや本数の算出に当たっては、このようなノイズピークを除去する必要がある。
そこで、所定のフィルタ条件(λs:150μm(150μmより細かいノイズをカットする)、λc:2.5mm(2.5mmより大きい波(うねり、サンプル自体の傾き)をカットする)にて断面曲線Sを処理し、粗さ曲線W(図8)を算出する(上記ソフトウェア上で自動で求められる)。
但し、λsはJIS-B0601「3.1.1.1」に記載の「粗さ成分とそれより短い波長成分との境界を定義するフィルタ」、λcは同規格に記載の「粗さ成分とうねり成分との境界を定義するフィルタ」である。
得られた粗さ曲線Wについて、上記ソフトウェア上で自動で算出されたRc(山谷(凹凸)の平均高さ)をクレープ高さとする。
但し、RcはJIS-B0601(2013)「4.1.4」に記載の「粗さ曲線要素の平均高さ」である。
次に、図8の粗さ曲線Wから、山の数を計測してクレープの本数を求める。計測は目視でもよく、ソフトウェア(例えば、表計算ソフトウェアなど)で算出できればその値でもよい。
ここで、図8の部分拡大図9を参照し、山の数の計測方法を説明する。1つの山は、隣接する上に凸の変曲点P2と、下に凸の変曲点P3で規定する。変曲点は、粗さ曲線W上で曲率の符号(プラス、マイナス)が変化する点(この点で0)である。点P1は、粗さ曲線W上で曲率の符号が変化しない(プラスのまま)なので、計測に含めない。さらに、変曲点P4、P5のようにP4−P5間の高さが3μm未満の場合は計測に含めない。
又、図6の1画像につき線分S1−S2を3本設定し、図8の粗さ曲線Wを3つ得る。そして、これら3つの粗さ曲線Wそれぞれにつき、山の数とRcを求める。試料の画像を3枚用意し、合計9個のデータ(山の数とRc)を平均して求めた、クレープ高さと本数を採用する。
フェイシャルティシュ製品が柔軟剤を0.03〜0.30質量%含有することが好ましい。
柔軟剤の含有量が0.03質量%未満であると柔らかさが低下する場合があり、0.30質量%を超えると、コストアップとなったり、柔らかさが著しく向上するものの強度が低下する場合がある。柔軟剤の含有率は、好ましくは0.03〜0.20質量%、より好ましくは0.03〜0.10質量%である。
上記柔軟剤は特に限定されないが、脂肪酸系ノニオン界面活性剤、脂肪酸系両性界面活性剤、脂肪酸系アニオン界面活性剤、脂肪酸系カチオン界面活性剤等の脂肪酸化合物が例示され、特に脂肪酸系両性界面活性剤でカチオンリッチなものが好ましい。
なお、フェイシャルティシュ製品中の脂肪酸化合物の含有量は、ソックスレー抽出法により成分を抽出して、高速液体クロマトグラフィーにより定量できる。
または、熱分解GC(必要に応じて、GC−MS)により、成分を抽出せず、定量することも可能である。必要に応じて、メチル化試薬(例えば、25% Tetramethylammonium hydroxide(TMAH)メタノール溶液(Aldrich社製))を使用し、定量することができる。
本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュ製品のシートを構成するウェブは、一般的な抄紙方法によって製造できる。
具体的には、パルパー(槽)内で、製紙原料(パルプ)を所定濃度で水に離解し、さらに適宜その他の製紙薬品を配合して紙料とする。この紙料をインレット(ヘッドボックス)からワイヤーに噴出し、脱水して湿紙ウェブとする。この湿紙ウェブをフェルト等でドライヤパートに搬送する。
ドライヤパートは、クレープ付けドクターを備えたヤンキードライヤーを用いることができ、ドクターにより公知の方法でウェブにクレープを付ける。又、他のタイプの乾燥部(たとえばエアースルードライヤー、金属製の乾燥ベルト)を適用することができる。
ここで、パルパーからインレットの間で紙料に対して柔軟剤を添加し、柔軟剤を添加する場所における柔軟剤添加前の紙料の濾液のカチオン要求量を10〜180μeq/Lとする。なお、柔軟剤はパルパーから種箱の間で紙料に対して添加することが好ましい。柔軟剤を紙料の上流側に添加することで、滞留時間が長くなり、繊維への定着性が向上しやすくなる。
紙料の濾液のカチオン要求量は以下のように測定する。まず、柔軟剤添加前の紙料を100g採取し、ワットマン無灰定量ろ紙(グレード41)を用いて吸引濾過し、濾液を採取する。次に、粒子荷電測定装置(Muteck PCD−02)を用いて濾液10mlの電荷を中和するまでに必要とした1/1000規定のポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液の量に基づいて、カチオン要求量を測定する。本測定を5回行い、値を平均する。
ここで、紙料の濾液のカチオン要求量は、濾液中のアニオン成分量を表す。アニオン量が多い(カチオン要求量の値が大きい)と、柔軟剤(両性でカチオンリッチ)が紙の繊維に定着する前に濾液中のアニオン成分に定着(消費)してしまう。そのため、柔軟剤が紙の繊維に十分に定着できず、柔軟剤の効果が十分に生じない。
カチオン要求量が10μeq/L未満であると、紙料への他の薬品(乾燥紙力剤、湿潤紙力剤等)の添加により系内が陽転してしまい、柔軟剤の定着性が劣る場合がある。また、カチオン要求量が180μeq/Lを超えても柔軟剤の定着性が劣る場合がある。カチオン要求量は、好ましくは30〜150μeq/L、より好ましくは50〜120μeq/Lである。なお、カチオン要求量は、抄紙機の系内(調成工程、抄紙工程)で使用する清水の量、ミルクカートン(牛乳パック)由来の古紙パルプの含有率にて調整できる。また、公知の凝結剤、定着剤、硫酸バンド等の抄紙薬品を添加することによっても調整できる。
インレットから紙料をワイヤーに噴出する時のファーストパスリテンションが30〜90%であるとよい。但し、ファーストパスリテンション={1−(ワイヤーで脱水された白水中の紙料の濃度(質量%))/(インレット中の紙料の濃度(質量%))}×100、で表される。
ファーストパスリテンション(FPR:一次歩留率)は、ワイヤー上に紙料中の原料が溜まる割合である。例えば、インレットの紙料濃度(紙料中の製紙原料(パルプ)とその他固形の製紙薬品の合計濃度が0.8質量%、ワイヤーで脱水された白水中の紙料濃度が0.3質量%の場合、FPR=(0.8%−0.3%)/0.8%×100={1−(0.3%/0.8%)}×100=63%となる。
すなわち、原料のうち、63%が紙になり、37%は紙にならずに原料に戻ることになる。FPRが低いと、系内を循環している原料が多くなり、ひいては柔軟剤が紙に抄き込まれずに系内に蓄積してしまい、異物の発生につながり操業性が悪化する。FPRが90%を超えると、紙の地合が悪化して、品質が劣る場合がある。FPRは、好ましくは40〜80%、より好ましくは45〜60%である。
特に、インレットから紙料をワイヤーに噴出する時のワイヤーの抄速を1400〜2200m/minとすることが好ましい。
ワイヤーの抄速が1400m/min未満であると生産性が低下し、2200m/minを超えると、FPRが低くなり、異物の発生が顕著になり、操業性が悪化する場合がある。ワイヤーの抄速は、好ましくは1600〜2150m/min、より好ましくは1800〜2100m/minである。
クレープ付は、紙を縦方向(マシン走行方向)に機械的に圧縮し、クレープと称される波状の皺を形成する公知の方法であり、紙に嵩(バルク感)、柔らかさ、吸水性、表面の滑らかさ、美観(クレープの形状)などを付与する。このクレープ付けは、ドライクレープと言われる。クレープには、ウェットクレープ(紙が乾燥する前、湿紙の状態で行う)もあるが、ドライクレープは柔らかさが出やすく、嵩高になりやすいため、ドライクレープが好ましい。
また、クレープ率は次式により定義される。
クレープ率(%)=100×(ヤンキードライヤー速度(m/分)−リール速度(m/分))÷リール速度(m/分)
クレープ率は好ましくは10〜40%、より好ましくは15〜35%、最も好ましくは20〜30%である。
なお、フェイシャルティシュ製品加工において、カレンダー処理、エンボス加工の有無、印刷の実施有無は、適宜選択できる。
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
パルプ組成の含有率(質量%)がパルプ全体に対してNBKP:20%、LBKP:35%、ミルクカートン由来の古紙パルプが45%となるようにし、表1、表2に示す特性を有するシートの2枚重ねのフェイシャルティシュ製品のウェブとして、抄紙機を用いてウェブを製造し、プライマシンで2枚重ねしてフェイシャルティシュ製品に加工し、以下の評価を行った。なお、柔軟剤の含有量が0.04%となるよう、紙料に対して柔軟剤を添加した。
坪量:JIS P8124に基づいて測定し、シート1枚当たりに換算した。
厚さ:シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定条件は、測定荷重250gf、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm 以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。なお、1回の測定は試料(2プライのフェイシャルティシュ製品)を5枚(シート相当で10枚)重ねて行い、測定を10回繰り返して測定結果を平均した。
比容積:シート1枚当たりの厚さをシート1枚当たりの坪量で割り、単位gあたりの容積cm3で表した。
DGMT(Dry Geometric Tensile Strength):JIS P8113に基づいて測定した乾燥時の縦方向引張り強さDMDTと乾燥時の横方向引張り強さDCDTの積の平方根を算出した。
なお、坪量、DGMT、厚さの測定は、JIS-P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
TS7、TS750、Dの測定は、上記ティシューソフトネス測定装置TSAを用いて行った。測定条件も上記のとおりである。また、クレープの測定は、上記ワンショット3D測定マクロスコープ VR−3100を用いて行った。測定条件も上記のとおりである。また、TS7、TS750、D、クレープの測定は、試料をJIS-P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
下記の官能評価を、モニター20人によって行った。
使用感:フェイシャルティシュ製品で顔を拭いたときと、鼻をかんだときの使用感を評価した。
ボリューム感:フェイシャルティシュ製品を手で持ったときの感触を評価した。
柔らかさ:フェイシャルティシュ製品を手で持ったときの感触を評価した。
紙粉の量:フェイシャルティシュ製品をカートンから100組分取り出したとき、カートン上面に堆積した紙粉の量を評価した。
滑らかさ:フェイシャルティシュ製品を手で持ったときの感触を評価した。
パリパリした触感の有無:フェイシャルティシュ製品を手で持ったときのパリパリした感触を評価した。
破れにくさ:フェイシャルティシュ製品を手で破ったときの抵抗を評価した。
しなやかさ:フェイシャルティシュ製品を手で持ったときのたわみ易さを評価した。
クッション性:フェイシャルティシュ製品を手で持ったときの反発を評価した。
カートンの交換頻度:フェイシャルティシュ製品の組数が多いほどカートンの交換頻度が少ないことから、5点:200組以上、4点:200組未満180組以上、3点:180組未満150組以上、1点:150組未満で評価した。
取り出し性:カートンからのフェイシャルティシュ製品の取出し易さを評価した。
カートンの耐久性(強さ):カートンの高さHが低いほどカートンの強度が高いことから、5点:高さHが47mm以下、4点:高さHが47mmを超え57mm以下、3点:高さHが57mmを超え65mm以下、2点:高さHが65mmを超え70mm未満、1点:高さHが70mm以上、で評価した。
カートンの見栄え:カートンの高さHが高いほどカートンの見栄えが良いことから、5点:高さHが42mm以上、4点:高さHが42mm未満40mm以上、3点:高さHが40mm未満38mm以上、2点:高さHが38mm未満、で評価した。
評価基準は5点満点で行った。5点:大変良好である、4点:良好である、3点:実用上問題ない、2点:劣る、1点:顕著に劣る。
得られた結果を表1〜表2に示す。
表1〜表2から明らかなように、フェイシャルティシュ製品の坪量、紙厚、強度(DGMT)、クレープの本数及び高さ、ソフトネス(手触り感、TS7、TS750)を所定の範囲とした各実施例の場合、カートンの高さが低くてもフェイシャルティシュ製品の組数を多くすることができ、かつフェイシャルティシュ製品の強度、柔らかさ、滑らかさを両立させることができた。なお、実施例16〜19は、坪量を変えずに叩解の度合を変えて強度を変化させたものである。また、実施例20は、実施例18において柔軟剤を添加しなかったものである。
一方、フェイシャルティシュ製品の組数が210組を超えた比較例1の場合、上記比が0.53を超え、カートンの高さ方向にフェイシャルティシュ製品が充填され過ぎ、カートンからフェイシャルティシュ製品を取り出し難くなった。
カートンの高さHが65mmを超えた比較例2の場合、カートンの強度が劣った。
フェイシャルティシュ製品の1プライ当りの坪量が8g/m未満、紙厚が0.33mm/10枚未満である比較例3の場合、フェイシャルティシュ製品の強度が低下し、使用感、ボリューム感、破れにくさが劣った。又、上記比が0.28未満となり、取り出し性が劣った。
フェイシャルティシュ製品の1プライ当りの坪量が8g/m未満、紙厚が0.33mm/10枚未満である比較例4の場合、叩解を強くし、シートの坪量を低くしつつ強度を高くしたが、使用感、ボリューム感、柔らかさが劣った。なお、比較例4の場合、剛性(D)が1.5mm/N未満となってしなやかさに劣り、上記第2の比が0.15〜0.30の範囲外となった。
フェイシャルティシュ製品の1プライ当りの坪量が13g/mを超え、紙厚も0.59mm/10枚を超えた比較例5の場合、強度(DGMT)が3.1N/25mmを超えて高くなり過ぎ、ハンドフィール(柔らかさ)が劣った。又、カートンの高さHが65mmを超えて高くなり過ぎ、カートンの強度が低下して潰れ易くなった。
フェイシャルティシュ製品の1プライ当りの坪量が13g/mを超え、紙厚も0.59mm/10枚を超えた比較例6の場合、叩解を弱くし、強度が高くなり過ぎないようにしたため、柔らかさは良好であるが、カートンの高さHが65mmを超え、カートンの強度が低下した。また、TS7が7dBVrms未満のために紙粉の量が多くなり、剛性(D)が3.5mm/Nを超えたためにクッション性も劣った。
フェイシャルティシュ製品のクレープの本数が32本/6mmを超え、高さが10μm未満である比較例7の場合、パリパリした触感になり、触感が劣った。又、紙厚が0.33mm/10枚未満となってボリューム感が劣った。又、比較例7の場合、上記比が0.28未満となり、取り出し性が劣った。
フェイシャルティシュ製品の紙厚が0.33mm/10枚以上であるものの、クレープの本数が32本/6mmを超え、高さが10μm未満である比較例8の場合、パリパリした触感になり、触感が劣った。
なお、比較例7,8は比容積が3.0cm/g未満であった。
フェイシャルティシュ製品の紙厚が0.59mm/10枚を超え、クレープの本数が13本/6mm未満、高さが30μmを超えた比較例9の場合、滑らかさが低下した。又、上記比が0.53を超え、取り出し性が劣った。
フェイシャルティシュ製品の紙厚が0.59mm/10枚以下であるものの、クレープの本数が13本/6mm未満、高さが30μmを超えた比較例10の場合、滑らかさが低下すると共に、強度(DGMT)が1.6N/25mm未満となって強度が劣った。
比較例10に比べて叩解を強くして強度を高め、クレープの本数が13本/6mm未満、高さが30μmを超えた比較例11の場合、滑らかさが低下した。
フェイシャルティシュ製品の組数が130組未満の比較例12の場合、カートンの交換頻度が高くなった。又、上記比が0.28未満となり、取り出し性が劣った。
カートンの高さHが38mm未満の比較例13の場合、見栄えが劣った。
カートンの高さHが65mmを超えた比較例14の場合、カートンの強度が低下して潰れ易くなった。又、上記比が0.28未満となり、取り出し性が劣った。

Claims (8)

  1. 2プライのフェイシャルティシュ製品の積層体を収容した紙製のカートンにおいて、
    前記積層体の組数が150〜210組、前記フェイシャルティシュ製品の積層方向に沿った前記カートンの高さが38〜65mmであり、
    前記フェイシャルティシュ製品の1プライ当りの坪量が8〜13g/m、紙厚が0.33〜0.59mm/10枚、(前記組数×2×前記紙厚/10/前記カートンの高さ)で表される比が0.28〜0.53、
    かつ、ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記フェイシャルティシュ製品の2プライのままのサンプルに対し、ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサで測定したとき、
    前記TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が4〜15dBVrmsであり、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が7〜20dBVrmsであり、
    前記フェイシャルティシュ製品の、JIS−P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さをDMDTとし、乾燥時の横方向の引張強さをDCDTとし、DMDTとDCDTとの積の平方根である(DMDT×DCDT)1/2をDGMTとしたとき、DGMTが1.6〜3.1N/25mmであり、
    前記フェイシャルティシュ製品のクレープの本数が13〜32本/6mm、高さが10〜30μmである、フェイシャルティシュ製品入りカートン。
  2. 前記フェイシャルティシュ製品の比容積が3.0〜6.1cm/gである請求項1に記載のフェイシャルティシュ製品入りカートン。
  3. ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記フェイシャルティシュ製品の2プライのままのサンプルに対し、ブレード付きロータを回転させずに100mNと600mNの押し込み圧力でそれぞれ上から押し込んだとき、
    それぞれ押し込み圧力100mNと600mNの間での前記サンプルの上下方向の変形変位量で表される、剛性(D)の測定値が1.5〜3.5である請求項1又は2に記載のフェイシャルティシュ製品入りカートン。
  4. 前記フェイシャルティシュ製品が柔軟剤を0.03〜0.30質量%含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のフェイシャルティシュ製品入りカートン。
  5. 前記柔軟剤が、脂肪酸化合物である請求項4に記載のフェイシャルティシュ製品入りカートン。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のフェイシャルティシュ製品入りカートンの製造方法であって、
    前記フェイシャルティシュ製品を抄紙する際、パルパーからインレットの間で紙料に対して柔軟剤を添加し、柔軟剤を添加する場所における柔軟剤添加前の前記紙料の濾液のカチオン要求量を10〜180μeq/Lとするフェイシャルティシュ製品の製造方法。
  7. 前記インレットから前記紙料をワイヤーに噴出する時のファーストパスリテンションが30〜90%である請求項6に記載のフェイシャルティシュ製品の製造方法。
    但し、ファーストパスリテンション={1−(前記ワイヤーで脱水された白水中の前記紙料の濃度(質量%))/(前記インレット中の前記紙料の濃度(質量%))}×100
  8. 前記インレットから前記紙料をワイヤーに噴出する時の該ワイヤーの抄速を1400〜2200m/minとする請求項6又は7に記載のフェイシャルティシュ製品の製造方法。
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