JP2017112954A - 植物栽培施設 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物栽培において、植物の生産性向上につながる環境を提供可能な植物栽培施設を提供する。【解決手段】建物ユニットS1の内部に、栽培トレイ23を載置可能な栽培棚2と、栽培トレイ23で栽培されている植物に対し光エネルギーを供給する照明装置22と、空調装置1と、を備えた植物栽培施設Sに関する。建物ユニットS1には、換気装置S12aが備えられており、この換気装置S12aには、水分吸着材で構成されたプレート33が配置されている。照明装置22、空調装置1の室外機12、の少なくとも一つからは、照明装置22に配置された光源22Bからの熱エネルギー、空調装置1の廃熱による熱エネルギー、の少なくとも一つの熱エネルギーを取り出して伝導する熱伝導手段32,34が備えられており、この熱伝導手段32,34は、熱エネルギーをプレート33に伝達可能に構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、植物栽培施設に係り、特に、植物の生育環境を配慮して植物を栽培するために用いられる湿度調整機構を備えた植物栽培施設に関する。
従来、安全な食材の周年供給を目的として、植物工場において植物栽培が行われている。
このような植物工場では、内部環境をコントロールした閉鎖的又は半閉鎖的な空間内で植物を栽培できるため、植物を安全かつ計画的に生産することができる。
また、このような植物工場では、一般に溶液栽培を利用し、人工光又は自然光を光源として植物を生育させており、空間内の温度、湿度、及び二酸化炭素濃度等を制御することで野菜や果物の生産性を向上させている。
これら各パラメータを適正に制御することは従来からの課題であり、これらの中でも、葉からの蒸散量を適正化するためには、湿度を制御することが必要である。
一般的には、植物工場においては、空調装置を使用して栽培環境を制御しているが、このような空調装置での制御では、温度・湿度共に適切に制御できていない場合がある。
つまり、植物工場の内部環境では比較的高温になり易く、そうすると植物の気孔からの水分蒸散が盛んになって、植物が乾燥状態となり水ストレスを引き起こしてしまう。その結果、植物内の水分を逃さないように気孔が閉じてしまい、二酸化炭素の吸収効率の低下、光合成量の低下へとつながり、野菜の生産性が阻害されてしまう。そのため、植物工場では、常に空調装置を利用して室内の温度を一定に保っている。
しかしながら、空調装置が稼働すると、今度は湿度が低下してしまい(つまり、除湿されてしまい)、この湿度の低下に伴って植物の光合成が阻害される問題が発生し、生産量低下につながっていた。
このように、空調装置での制御では、温度・湿度共に適切に制御できていない場合があり、このような状況下、温度とともに湿度を適正に制御するためのシステムの構築が必要である。
例えば、特許文献1には、温室(植物工場)用の空気調和装置が開示されている。
特許文献1の温室(植物工場)では、外気調整室に備えられた除湿ロータとその下流に備えられた熱交換器及び加湿器により、温湿度が制御できるように構成されている。
除湿ロータには、吸湿剤(高分子吸着材により構成される)が内包されており、温室(植物工場)から外気調整室に戻ってきた空気は、除湿ローラと加湿器により所定の湿度に調整されるとともに、熱交換器により所定の温度に調整された後、温室(植物工場)へと供給される。
このように、特許文献1の技術によれば、外気調整室により温湿度調整された空気が、温室(植物工場)へと連続的に供給されることとなる。
特許第5325076号公報
ところで、湿度調整(特に、除湿)を行う方法としては、大別して「冷却式除湿方法」と「デシカント式除湿方法」とが存在する。
「冷却式除湿方法」とは、空気を冷却することにより水分を凝出させて取り除く方法であり、高湿度の空気を露点以下まで過冷却して結露させることにより除湿を行い、低湿度空気を所定温度に再加熱して供給する方法となる。
また、「デシカント式除湿方法」とは、水分を吸着するデシカント(乾燥剤)素子で水分を取り除く方法である。
しかし、「冷却式除湿方法」では、過冷却と再加熱を行うためのエネルギーロスが大きいという問題があった。つまり、植物工場のような設備に使用するには、エネルギーロスが大きく、コストが増大するという問題がある。
この点、特許文献1の技術では、「デシカント式除湿方法」が採用されており、エネルギーロスを少なくしてエネルギー効率を向上させる工夫がなされている。
しかしながら、特許文献1の技術では、デシカント素子である高分子吸着体に水分を吸着した低湿度空気に対して、加湿器により加湿して所定湿度の空気を温室(植物工場)へと送ることになる。
このため、確かに、「冷却式除湿方法」を採用した場合より、エネルギー効率は良好ではあるが、更なるエネルギー効率の改善が望まれていた。
また、特許文献1の技術では、デシカント素子である高分子吸収体で除湿した空気に対し、加湿器による加湿を行うことにより、適正な湿度に調整することとなるため、加湿器を運転するためのエネルギーが必要であり、コストが増大するという問題がある。
更に、特許文献1のような方法では、デシカント素子である高分子吸着体を再生するためにヒータ等の熱源が必要であり、コストが増大するという問題も生じている。
更に、エコロジーの観点からも、植物工場で発生するエネルギーを有効利用することが求められており、このような要請を現実化する必要が生じている。
以上のような状況から、エネルギー効率を向上させて運転コストを低減させるとともに、環境に優しいシステムを構築し、植物の生産性向上につながる環境を提供することができる植物栽培施設が望まれていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、植物栽培において、野菜等の食材の生産性向上につながる環境を提供可能な植物栽培施設を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、植物工場のような所定空間の内部環境において空気調和の最適化を図るべく、特にエネルギー効率の良い湿度制御を実現することが可能な植物栽培施設を提供することにある。
前記課題は、本発明の植物栽培施設によれば、筐体状の建物ユニットの内部に、植物を栽培するために用いられる栽培トレイと、該栽培トレイを載置可能な栽培棚と、前記栽培トレイの植物に対し光エネルギーを供給する照明装置と、温度を調整するための空調装置と、を備えた植物栽培施設であって、前記建物ユニットには、換気装置が備えられており、該換気装置には、水分吸着材で構成されたプレートが配置されており、前記照明装置、前記空調装置の室外機、の少なくとも一つからは、前記照明装置に配置された光源からの熱エネルギー、前記空調装置の廃熱による熱エネルギー、の少なくとも一つの熱エネルギーを取り出して伝導する熱伝導手段が備えられており、該熱伝導手段は、前記熱エネルギーを前記プレートに伝達可能に構成されていることにより解決される。
このように、本発明によれば、水分吸着材(所謂、デシカント素子)により形成されたプレートを、建物ユニットの換気装置に備えるとともに、このプレートを加温可能に構成した。
水分吸着材により構成されたプレートは、低湿度時に温度を上昇させることによって水分を放出する(つまり、再生する)。その逆に、高湿度時には、水分を吸着できるため、建物ユニット内を除湿することができる。
よって、熱伝達手段により、プレートに熱の伝達及び非伝達を調整すれば、建物ユニット内の湿度をコントロールすることができる。
また、本発明では、このプレートの再生のための熱エネルギーを、照明装置に配置された熱エネルギー、空調装置の廃熱による熱エネルギーの少なくとも一方から取得することとした(双方から取得するとより好適である)。
これにより、植物工場で発生するエネルギーを有効利用することができ、運転コストを低減させることが可能となるとともに、環境にも優しい仕様とすることができる。
その結果、植物栽培において、野菜等の食材の生産性向上につながる湿度環境を、低コストで効率的に提供可能となる。
このとき、具体的には、前記光源からの熱エネルギー及び前記室外機からの熱エネルギーは、蓄熱槽を介して、前記プレートに伝達されると好適である。
このように構成されていると、熱エネルギーが放出されているときに、蓄熱槽に効率良くエネルギーを貯留することができ、必要なときにこの蓄熱槽に貯留された熱エネルギーを取り出すことができるため好適である。
また、このとき、前記光源からの熱エネルギー及び前記室外機からの熱エネルギーは、前記空調装置の稼働を契機として、前記プレートに伝達されるものであると好適である。
つまり、空調装置が稼働している際は、除湿機能が働くため、建物ユニット内は低湿度状態となる。よって、この低湿度状態となる環境において、熱エネルギーによってプレートを再生し、水分を建物ユニット内に放出することで加湿され、適正な湿度環境を創出することが可能となる。
更にこのとき、前記蓄熱槽には、内部に蓄熱媒体が通過する通路となるとともに、該蓄熱槽から引き出され、前記蓄熱槽に戻る循環ラインである湿度調整ラインが形成されており、前記プレートは、前記湿度調整ライン上に配置されて、前記蓄熱媒体より熱エネルギーを伝達されると好適である。
このように構成されていることにより、蓄熱槽から効率良く蓄熱媒体をプレートへと導くとともに循環させることができる。
また、このとき、前記蓄熱槽には、内部に蓄熱媒体が通過する通路となるとともに、該蓄熱槽から引き出され、前記蓄熱槽に戻る循環ラインである栽培トレイ調温ラインが形成されており、前記栽培トレイは、前記栽培トレイ調温ライン上に配置されて、前記蓄熱媒体より熱エネルギーを伝達されると好適である。
このように構成されていることにより、必要な時期に栽培トレイを加温することが可能となる。
なお、「栽培トレイを加温」とは、栽培トレイ自体を加温してもよいし、この栽培トレイを構成する植物支持用プレート等を加温してもよい。また、植物を成長させるための栄養源となる培地を加温するよう構成されていてもよい。
更に、栽培トレイの周辺空気を加温することにより、植物を温暖空気中に配置できるように構成してもよい。
また、このように、循環するにあたっては、適宜、バルブ(電磁弁等)やポンプを介在させ、循環を効率的に行うと好適であり、これらは、空調装置のオンオフや、各種センサ等の信号を受けて、制御装置が駆動制御するように構成すると更に好適である。
また、具体的な構成として、前記照明装置と、前記蓄熱槽とは、ヒートパイプにより連結されており、前記照明装置側には、前記ヒートパイプの蒸発部が配置されるとともに、前記蓄熱槽には、前記ヒートパイプの凝縮部が挿入されており、前記蓄熱槽に貯留される蓄熱媒体は、前記凝縮部から熱を伝達されるよう構成されていると好適である。
このように構成されていると、照明装置の光源からの熱エネルギーを蓄熱槽に効率良く貯留することができるため好適である。
更に、このとき、前記蒸発部は、略正弦曲線状に湾曲して形成され、前記照明装置の前記光源に接触若しくは近接して配置されていると好適である。
このように構成されていると、照明装置の光源からの熱エネルギーを吸収するための吸収面積が増大するため、より効率良く熱エネルギーを回収することができる。
また、前記プレートは、メソポーラスシリカにより構成されていると好適である。
水分吸着材としては、ゼオライト、珪藻土、シリカゲル等が一般的に使用されている。
勿論、本発明においては、これらを排除するものではないが、メソポーラスシリカが最も好適に使用されるものである。
これには、メソポーラスシリカが、その特異性により低温時においても除湿能力(水分吸着能力)が高いことと、再生するにあたり、必要とされる温度が低温であることが理由として挙げられる。
つまり、メソポーラスシリカを使用することにより、植物栽培施設のような温度が高くない施設においても、高い除湿力を確保することができるとともに、再生する(加湿する)にあたり、大きな熱エネルギーを必要としない。
よって、植物栽培施設で放出される照明装置の光源からの熱エネルギーや、空調装置の廃熱からの熱エネルギーでも容易に再生することができる。
また、メソポーラスシリカは、特異性を有する吸着湿度域を設計することができるため、調整したい相対湿度に建物ユニット内を制御することが容易である。
このように、プレートをメソポーラスシリカで形成することによって、本発明をより効果的に実施することができる。
本発明に係る植物栽培施設によれば、水分吸着材で形成されたプレートを換気装置に配置し、このプレートを加温可能に構成した。
これにより、高湿度状態時には、プレートにより水分を吸着して除湿を行うことが可能となるとともに、空調装置が稼働して低湿度状態時には、プレートを加温することにより再生を行い、プレートに吸収されていた水分を放出して加湿することが可能となる。
また、このプレートを加温するための熱エネルギーは、照明装置の光源や空調装置の廃熱から得られる熱エネルギーを使用している。
よって、エネルギー効率を向上させて運転コストを低減させるとともに、環境に優しいシステムを構築し、植物の生産性向上につながる環境を提供することができる。
以上のように、本発明の植物栽培施設によれば、植物栽培において、野菜等の食材の生産性向上につながる環境を提供することができる。
また、植物工場のような所定空間の内部環境において空気調和の最適化を図るべく、特にエネルギー効率の良い湿度制御を実現することができる。
本実施形態に係る植物栽培施設を説明する概略説明図である。 デシカント素子を示す説明図である。 湿度調整システムを構成する各機器の接続状態を示す説明図である。 蓄熱媒体の循環経路を示す説明図である。 デシカント素子の習性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
本実施形態は、空調装置と照明装置とが設置された閉鎖空間からなる植物栽培施設であって、植物を保持するプレート材と、培地と、植物に光エネルギーを与えるための照明装置等を収容する栽培トレイが、箱型の建物ユニット内に複数備えられた植物栽培施設について説明するものである。
この植物栽培施設は、上記建物ユニットによって外部と遮断されており、空調装置により内部の温度環境が調整されるよう構成されている。
また、本実施形態においては、湿度調整システムが備えられており、低コストで効率良く湿度調整が行われるようになっている。
なお、植物栽培施設において利用者が当該施設の側壁面に設けられたドアから入出する方向を前後方向とし、また当該施設において前後方向と直交する幅方向を左右方向とする。
また、地表面に対して鉛直な方向を上下方向とし、上方向及び下方向は、通常生活において認識される側を各々指す。
本実施形態の植物栽培施設Sは、図1に示すように、内部環境をコントロールした閉鎖的な空間内で植物を生産するためのものであり、筐体状の建物ユニットS1により外部と遮断されている。
なお、図1は、内部が図示できるよう、一部切欠き図となっている。
この建物ユニットS1は、長方形状の床S11、側壁S12,S12、前壁S13、後壁S14、天井S15、で構成された筐体状の中空箱体である。簡単に説明すると、床S11の左右の辺から側壁S12,S12が起立するとともに、前方辺からは前壁S13、後方辺からは後壁S14が起立しており、上方の開口を天井S15が閉塞するように配置された中空箱体である。なお、前壁S13には、作業員が建物ユニットS1内と外部を行き来するためのドアS13aが配置されている。
また、側壁S12の上部には、換気装置S12aが配置されている。なお、この建物ユニットS1自体の素材や窓設置等の細部構成は、公知のものが使用されていれば足りるため、詳細な説明は省略する。
この建物ユニットS1の内部には、天井S15の内壁面に設置される空調装置1と、複数設置される栽培棚2と、建物ユニットS1内部の湿度を調整するための湿度調整システム3と、が備えられている。
空調装置1は、図1に示すように、植物栽培施設S内の空調設備として、主として温度を調整するためのエア・コンディショナーであって、本実施形態においては、冷房機能によって施設内の温度を一定に保持するとともに、後述する湿度調整システム3の運転切替を行うためのトリガーとしても利用される。
空調装置1は、室内機11と、室外機12と、を有して構成されており、室外機12は、建物ユニットS1の外側に設置される。
栽培棚2は、棚状に組まれた支持枠体21と、この支持枠体21の天面部分に配置される照明装置22と、この照明装置22の下方において支持枠体21の棚部分に支持される栽培トレイ23と、を有して構成されている。
なお、図においては、栽培トレイ23は一段分が図示されているが、勿論、これに限られることはなく、支持枠体21を多段構成として、上下方向に複数段形成された段に対して各々栽培トレイ23を配置する構成としてもよい。この場合、直上段の下方面にもまた照明装置22を配置することにより、下方段においても植物に照射される光量を確保することができる。
支持枠体21は、上記の通り、棚状に組まれた矩形のラックである。
図においては、図面を簡略化するために、一段の構成しか図示していないが、上記の通し、多段構成とすることもできる。また、通常は、左右方向に複数個並列配置されており、多くの植物が栽培可能となっている。
照明装置22は、後述する栽培トレイ23内の植物に光を照射するための光源であって、本実施形態においては、支持枠体21の天面部分の下面側に設置されている。
本実施形態においては、照明装置22は、照明支持体22A,22Aと、複数の光源22B(図示せず)と、を有して構成されている。本実施形態においては、光源22Bとして、蛍光灯が使用されている。
照明支持体22Aは、角柱棒状の部材であり、複数個の光源保持孔H1(図示せず)が形成されている。
この照明支持体22A,22Aは、支持枠体21の天面部分の長手方向両端部(図1においては、前後方向両端部)に、光源保持孔H1,H1が対向するように(照明支持体22Aの長手方向が図1の左右方向に沿うように)配置されており、光源22Bは、前後方向において対向する光源保持孔H1,H1にその両端を支持されることにより固定されている。本実施形態においては、光源保持孔H1は4個形成されており、よって、光源22Bは4本の蛍光灯である。
なお、照明支持体22A,22A間には、ヒートパイプ32の一部が支持されている。
このヒートパイプ32は、蒸発部32Aが略正弦波形状に屈曲形成されており、当該部分が照明支持体22A,22A間に配置されているが、当該構成は、本実施形態の主要構成の一部であるため、構成等は後に詳述する。
なお、光源22Bとしては、蛍光灯のほか、公知の照明器具が使用されていてもよいが、本実施形態においては、後述する湿度調整システム3との関係上、点灯時に熱エネルギーを放出するタイプのものが好適に使用される。
栽培トレイ23は、上方に開口した矩形有底筐体状の培地ケース23Aと、長方形状板体として構成される栽培プレート23Bと、を有して構成されており、上記照明装置22の直下に配置されている。
栽培プレート23Bは、培地ケース23Aの上方開口部を閉塞するように配置される。
なお、図示は省略するが、この栽培プレート23Bには、複数の植物保持孔H2が形成されており、この植物保持孔H2に植物が保持されている。つまり、この植物保持孔H2の上方に向かって植物が成長するとともに、下方に植物の根部分が突出して、培地ケース23A内に充填された培地に接触可能となるよう構成されている。
このように構成されているため、栽培プレート23Bに保持された植物は、培地からの養分及び水分を根部分から吸収するとともに、照明装置22からの光エネルギーを直上より受けて光合成を行い生育することとなる。
<湿度調整システム>
次いで、湿度調整システム3について説明する。
この湿度調整システム3は、空調装置1のオンオフを受けて運転切替され、建物ユニットS1内の湿度を調整するためのシステムである。
本実施形態に係る湿度調整システム3は、蓄熱槽31と、ヒートパイプ32と、デシカントプレート33と、配管34と、により構成されている。なお、配管34には、適宜ポンプPやバルブ7等が配置されている。
蓄熱槽31は、直方体形状の中空容器であり、内部に蓄熱媒体K(図示せず)が貯留されるよう構成されている。蓄熱媒体Kとしては、流動性があるものであれば、どのようなものであっても好適に使用することができるが、本実施形態においては、簡易かつ低コストで導入可能な水が使用されている。
この蓄熱槽31は、長手方向が前後方向に沿うように向けられ、支持枠体21の下方に床置きされている。
ヒートパイプ32は、上記のように、略正弦波形状に屈曲形成された蒸発部32Aと、適宜屈曲形成された凝縮部32Bと、を備えた熱エネルギー輸送部材である。
蒸発部32Aは、照明支持体22A,22A間にわたされるように配置されている。
つまり、蒸発部32Aは、光源22Bに近接するように配置されるものであり、光源22Bから吸収した熱により、内部に蓄積された作動液(図示せず)が蒸発するよう構成されている。
そして、凝縮部32Bの端部(蒸発部32Aとの連続部分と反対側の端部)は、蓄熱槽31に挿入されている。
つまり、蒸発部32Aで蒸発した作動液蒸気は、凝縮部32Bへ移動して凝集して液体に戻る。このとき、蓄熱槽31に充填された蓄熱媒体Kに潜熱を伝達することによって、蓄熱媒体Kは、加熱されて熱を蓄積することができるようになる(以下、このラインを「蓄熱ラインL1」と記す)。
このように、本実施形態においては、光源22B点灯時に放出される熱エネルギーを吸収して蓄熱槽31に貯蓄することができるように構成されている。
デシカントプレート33は、水分をトラップすることができるデシカント素子(乾燥剤、吸着材)で構成されたプレートであり、略矩形状に形成されて、換気装置S12aの室内側に配置される。
このデシカントプレート33を構成するデシカント素子としては、ゼオライト、珪藻土、シリカゲル等、公知の素材が使用されていてもよいが、より好適には、メソポーラスシリカが使用されるとよい。
図2に示すように、メソポーラスシリカとは、二酸化ケイ素(シリカ)を材質として、均一で規則的な細孔(メソ孔)を持つ物質のことである。メソポーラスシリカと同様に二酸化ケイ素を主な骨格とするゼオライトの細孔径は直径0.5〜2nmであるのに対し、メソポーラスシリカはそれよりも大きい主に2〜10nm程度の細孔径を持つ。
そのミクロ構造は、図2に示すように断面六角形状の細孔が集合した蜂の巣形状をなしており、このため、細孔容積を大きく確保することができる。また、この断面六角形状の細孔径を調整することにより、水分の脱離温度を調整することができる。
上記のように構成された蓄熱槽31と、デシカントプレート33とは、配管34により連結され、湿度調整ラインL2が形成されている。
これらの連結の一例を図3に示した。
本実施形態においては、配管34は、蓄熱槽31から引き出されて、蓄熱槽31に戻るループ配管であり、湿度調整用配管34aと、栽培トレイ用配管34bと、の2系統のループを構成している。
湿度調整用配管34aは、デシカントプレート33と接触するように、若しくは、近接するように配置されており、この湿度調整用配管34a内を通過する蓄熱媒体Kとデシカントプレート33との間で熱交換ができるように構成されている。
なお、この湿度調整用配管34aには、適宜バルブ7とポンプPが配置され、蓄熱媒体Kの循環制御を行っている。
本実施形態においては、一例として、蓄熱槽31の引出し側と、デシカントプレート33の一次側との間には、第1電磁弁71が配置されており、これを開閉することにより、湿度調整用配管34a内を蓄熱媒体Kが通過することを許可又は禁止する。
更に、デシカントプレート33の二次側と、蓄熱槽31への戻入側との間には、第1ポンプP1が配置されている。
また、湿度調整システム3は、制御装置4により自動制御されるよう構成されており、第1電磁弁71の切り替えや第1ポンプP1の運転は、制御装置4からの指令により自動的に行われるよう構成されている。
具体的には、制御装置4は、空調装置1の運転信号及び停止信号を受信して、その信号に応じて、第1電磁弁71、第1ポンプP1を制御する。
更に、本実施形態においては、蓄熱槽31からは、栽培トレイ23に向けても蓄熱媒体Kが供給可能となっている(このラインを「栽培トレイ調温ラインL3」と記す)。
つまり、蓄熱槽31から引き出されて、最終的に蓄熱槽31に戻る栽培トレイ用配管34bが備えられており、この栽培トレイ用配管34bの途中には、栽培トレイ23が配置されている。
具体的には、栽培プレート23B若しくは培地ケース23Aに接触若しくは近接するように栽培トレイ用配管34bを配置して、蓄熱媒体Kと栽培トレイ23との間で熱交換が行われるように構成されるとよいし、栽培トレイ用配管34bからの放熱により、栽培トレイ23周辺の空気を温めることにより温度調整を行ってもよい。
なお、培地ケース23A内部に栽培トレイ用配管34bを配置し、培地と蓄熱媒体Kとの熱交換を行わせるように構成されていてもよい。
また、栽培トレイ用配管34bにおいて、蓄熱槽31からの引出口側には、第2電磁弁72が備えられるとともに、蓄熱槽31への戻入口側には、第2ポンプP2が配置されている。
これら、第2電磁弁72及び第2ポンプP2もまた、制御装置4により制御されている。
これらの制御は、例えば、センサ群5からの信号により行われるように構成されているとよい。このセンサ群5は、例えば、培地や栽培トレイ23に設置された(若しくは、これらに近接する位置に配置された)熱電対等が含まれるとよい。
また、センサ群5には、照明装置22の近傍に設置された照度センサも含まれており、この照度センサによって、照明のオンオフも検知することができる。
また、図示は省略するが、空調装置1の室外機12から蓄熱槽31へとラインを形成し、室外機12の廃熱もまた、蓄熱に寄与するよう構成してもよい。
このように構成すると、室外へと放散される室外機12からの廃熱もまた、有効利用することが可能となるため、省エネルギー化に貢献するとともに、環境にもより優しい仕様となる。
<湿度調整システムの使用例について>
次いで、図4により、本実施形態に係る湿度調整システム3の使用例について説明する。
この湿度調整システム3は、上記のように、蓄熱ラインL1と、湿度調整ラインL2と、を有して構成されているが、これらのラインを図4により説明する。
図4(a)で示す太線のラインが蓄熱ラインL1である。
この蓄熱ラインL1は、照明装置22と蓄熱槽31との間を連結するラインである。
蒸発部32Aでは、光源22B熱を吸収し、作動液(図示せず)の蒸発が起こるよう構成されており、凝縮部32Bまで作動液蒸気が図4(a)矢印方向へと輸送される。
この作動液蒸気は、凝縮部32Bへ移動して凝集して液体に戻り、蓄熱槽31に充填された蓄熱媒体Kに潜熱を伝達するように構成されている。
なお、凝縮した作動液は、例えば、内壁に配置されたウイックに吸収されて伝達され、蒸発部32Aに戻るように構成されている。
このように、蓄熱ラインL1では、光源22B点灯時に放出される熱エネルギーを吸収して、蓄熱槽31に充填された蓄熱媒体Kを温め、温度の高い蓄熱媒体Kが貯留されることとなる。
この蓄熱ラインL1は、照明装置22の光源22Bが点灯している状態のときに稼働することとなるが、例えば、蓄熱ラインL1に配置された温度センサ等(センサ群5を構成する)において温度を監視し、一定温度以上に低下した場合には、他の加温機構によって加温できるように構成されていてもよい。
この他の加温機構とは、例えば、空調装置1の室外機12からの排熱等が利用されるとよい。
また、図4(b)の太線で示すラインが湿度調整ラインL2である。
この湿度調整ラインL2は、第1電磁弁71を開ける(黒塗りの部分が導通方向である)とともに、第1ポンプP1を稼働することにより形成されるラインであり、蓄熱槽31→第1電磁弁71→デシカントプレート33→第1ポンプP1→蓄熱槽31、というように循環するラインである。
この状態においては、蓄熱ラインL1稼働によって、蓄熱槽31には、温度の高い蓄熱媒体Kが貯留されていることから、この湿度調整ラインL2を稼働することにより、蓄熱媒体Kは、デシカントプレート33に蓄熱媒体Kからの熱エネルギーを渡すことができる。
この湿度調整ラインL2は、空調装置1が稼働しているときに駆動される。
つまり、湿度調整ラインL2は、空調装置1の稼働信号の受信を条件として稼働されるものである。
具体的には、制御装置4は、空調装置1の稼働信号を受けると、第1電磁弁71を開けて、この第1電磁弁71の開放信号(リミットスイッチ等による信号でありセンサ群5を構成する)を受けると、第1ポンプP1を駆動する。
このようにして、空調装置1が稼働すると、デシカントプレート33は、加温されることとなる。
このように構成された湿度調整システム3の使用状態をまとめると以下のようになる。
空調装置1が稼働しているときには、空調装置1の除湿機能により、植物栽培施設S内の湿度が低下し、低湿度状態となる。
よって、空調装置1の稼働信号を受信すると、制御装置4は、湿度調整ラインL2を稼働する。
具体的には、制御装置4は、第1電磁弁71を開けて、この第1電磁弁71の開放信号を受けると、第1ポンプP1を駆動し、温度の高い蓄熱媒体Kをデシカントプレート33へと届ける。
そして、加温されたデシカントプレート33は、水分を効率良く放出し、よって、植物栽培施設S内の湿度を適正値に上げることができる。
反対に、空調装置1の稼働が停止されたら、制御装置4は、停止信号を受け、第1ポンプP1を停止し、この第1ポンプP1の停止信号を受け付けると、第1電磁弁71を閉鎖する。これにより、温度の高い蓄熱媒体Kがデシカントプレート33側へと供給されることが停止される。
また、空調装置1が稼働していないときには、植物からの水分蒸散や、空調装置1の除湿機能の停止により、植物栽培施設S内の湿度は上がり、高湿度状態となる。
このように高湿度状態となると、吸湿材料であるデシカントプレート33は、水分を吸着し、よって、植物栽培施設内の湿度を適正値に下げることができる。
また、図4(c)には、栽培トレイ調温ラインL3を稼働した例を示した。
稼働に対しては、例えば、センサ群5を構成する熱電対等からの信号を受けて、制御装置4からの指令により、第2電磁弁72を開放するとともに、第2ポンプP2を駆動させればよい。
これにより、栽培トレイ23付近の温度を上昇させることができる。
<デシカントプレートの物性について>
ここで、デシカントプレート33として使用したメソポーラスシリカの物性について説明し、本実施形態において、メソポーラスシリカがデシカントプレート33として好適に使用される理由を説明する。
まず、メソポーラスシリカの長所としては、低温時においても除湿能力(水分吸着能力)が高いことが挙げられる。
また、更に、再生するにあたり、必要とされる温度が低温であることが挙げられる。つまり、照明装置22から吸収した熱や、空調装置1の廃熱程度で蓄熱される熱エネルギーであっても再生が容易である。
図6に、所定温度における相対湿度(横軸)に対する水分吸着量(縦軸)を示すグラフを模式的に示した。対照として、ゼオライトとシリカゲルも併せて図示してある。
図6に示すように、ゼオライト及びシリカゲルと比較して、メソポーラスシリカは、特異的な吸着湿度域が存在する(網掛け部分として示した)。
メソポーラスシリカは、このように吸着湿度域が特異的であり、この吸着湿度域よりも相対湿度が低い場合には、吸着湿度域となるまで吸着している水分を放出し、吸着湿度域よりも相対湿度が高い場合には、吸着湿度域となるまで空気中の水分を吸着する。
この吸着湿度域は、メソポーラスシリカの孔径等を調整することにより設計することができるため、植物栽培施設Sの目標とする相対湿度をこの吸着湿度域と合わせるように設計することで、湿度調整の効率を高くすることができる。
また、メソポーラスシリカは、比較的低い温度にて再生することが可能であるため、照明装置22や空調装置1の廃熱程度で蓄熱される熱エネルギーで吸着している水分を放出する。
このため、低湿度状態においては、吸着湿度域へと向かう作用と、加温による再生効果により、高い効率良で水分を放出して植物栽培施設S内の湿度を最適湿度に加湿することが可能となるとともに、高湿度状態においては、吸着湿度域へと向かう作用で、効率的に水分を吸着して、植物栽培施設S内の除湿を行うことができる。
<デシカントプレートの設計について>
次いで、デシカントプレート33の容量設計について簡単に説明する。
まず、除湿において説明する。
例えば、一日において明暗期(半期12時間)を設定し、除湿は空調装置1等が停止する暗期に起こるものとして試算する。
例えば、植物栽培施設S内の目標環境を、温度23℃、相対湿度75%とする。
また、植物栽培施設S内の容積をx(m3)とし、同温度でのデシカントプレート33の想定水分吸着量をy(g/m3)とする。
また、温度23度での相対湿度100%のときの水蒸気量をv1(g/m3)とし、相対湿度75%のときの水蒸気量をv2(g/m3)とする。
そうすると、相対湿度100%の状態から相対湿度75%に除湿するために必要な除去水分量(α1)は以下となる。
α1=x・v1−x・v2(g)
また、例えば、一日において明暗期を設定し、暗期(12時間)における植物栽培施設S内で栽培されている植物から発散される水分量をα2(g)とすると、除湿に必要な吸着容量(α)は以下となる。
α=α1+α2(g)
よって、デシカントプレート33の除湿時水分吸着必要容量V1は、以下の式で示される。
V1(m3)=α/y
このように、除湿に関しては、除湿時水分吸着必要容量V1(m3)の水分吸着量を有するように、デシカントプレート33のサイズ等を設計すればよい。
逆に、加湿に関しては、以下のようになる。
加湿は空調装置1等が稼働する明期に起こるものとして試算する。
明期においては、相対湿度60%から相対湿度75%に加湿するものとし、空調装置1の出口風量(m3/h)を仮定し、出口温度を想定する。
この出口温度は、仮定された出口風量(m3/h)において、明期において植物から発生する水蒸気量(g/m3)を処理することのできる温度が想定される。
そして想定された出口温度での出口風量を、23℃での出口風量β1(m3/h)に換算して、デシカントプレート33の容量を試算する。
温度23度での相対湿度60%のときの水蒸気量をv3(g/m3)とし、相対湿度75%のときの水蒸気量をv2(g/m3)とすると、12時間分の必要な水分の吸着容量(β)は、以下となる。
β=(v2−v1)・β1・12(h)
よって、デシカントプレート33の加湿時水分吸着必要容量V2は、以下の式で示される。
V2(m3)=β/y
このように、加湿に関しては、加湿時水分吸着必要容量V2(m3)の水分吸着量を有するように、デシカントプレート33のサイズ等を設計すればよい。
なお、このように試算されるのであるが、除湿及び加湿の双方において、不足なく水分吸着容量を確保するために、除湿時水分吸着必要容量V1と加湿時水分吸着必要容量V2とを比較して、大きい方の容量を吸着容量として、デシカントプレート33を設定するとよい。
このように、本実施形態によれば、湿度調整システム3を導入したことにより、植物栽培施設S内の湿度を最適湿度に簡易かつ省エネルギーで維持することができる。
つまり、植物栽培施設S内に、水分を吸着することのできるデシカントプレート33を設置することにより、空調装置1が稼働している低湿度時には、デシカントプレート33から水分を放出させて加湿するとともに、空調装置1が停止している高湿度時には、デシカントプレート33に水分を吸着させて除湿する。
また、加湿時においては、デシカントプレート33を加温するための機構を備えているために、デシカントプレート33からの水分放出が効率良く行われる。
よって、空調装置1によって低湿度となることなく、植物栽培施設S内を最適湿度に保つことができる。
また、デシカントプレート33を加熱するための熱源は、照明装置2や、空調装置1の室外機12からの廃熱であるため、デシカントプレート33加熱のための専用熱源を新たに用意する必要がなく、エネルギー的にも有利であり、地球環境にも優しいものである。
また、デシカントプレート33としてメソポーラスシリカを利用することにより、より効率的に上記の機能を実現することが可能となる。
S 植物栽培施設
S1 建物ユニット
S11 床
S12 側壁
S12a 換気装置
S13 前壁
S13a ドア
S14 後壁
S15 天井
1 空調装置
11 室内機
12 室外機
2 栽培棚
21 支持枠体
22 照明装置
22A 照明支持体
H1 光源保持孔
22B 光源
23 栽培トレイ
23A 培地ケース
23B 栽培プレート
H2 植物保持孔
3 湿度調整システム
31 蓄熱槽
32 ヒートパイプ(熱伝達手段)
32A 蒸発部
32B 凝縮部
33 デシカントプレート(プレート)
34 配管(熱伝達手段)
34a 湿度調整用配管
34b 栽培トレイ用配管
7 バルブ
71 第1電磁弁
72 第2電磁弁
P ポンプ
P1 第1ポンプ
P2 第2ポンプ
4 制御装置
5 センサ群
L1 蓄熱ライン
L2 湿度調整ライン
L3 栽培トレイ調温ライン
K 蓄熱媒体

Claims (8)

  1. 筐体状の建物ユニットの内部に、植物を栽培するために用いられる栽培トレイと、該栽培トレイを載置可能な栽培棚と、前記栽培トレイの植物に対し光エネルギーを供給する照明装置と、温度を調整するための空調装置と、を備えた植物栽培施設であって、
    前記建物ユニットには、換気装置が備えられており、
    該換気装置には、水分吸着材で構成されたプレートが配置されており、
    前記照明装置、前記空調装置の室外機、の少なくとも一つからは、前記照明装置に配置された光源からの熱エネルギー、前記空調装置の廃熱による熱エネルギー、の少なくとも一つの熱エネルギーを取り出して伝導する熱伝導手段が備えられており、該熱伝導手段は、前記熱エネルギーを前記プレートに伝達可能に構成されていることを特徴とする植物栽培施設。
  2. 前記光源からの熱エネルギー及び前記室外機からの熱エネルギーは、蓄熱槽を介して、前記プレートに伝達されることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培施設。
  3. 前記光源からの熱エネルギー及び前記室外機からの熱エネルギーは、前記空調装置の稼働を契機として、前記プレートに伝達されるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の植物栽培施設。
  4. 前記蓄熱槽には、内部に蓄熱媒体が通過する通路となるとともに、該蓄熱槽から引き出され、前記蓄熱槽に戻る循環ラインである湿度調整ラインが形成されており、
    前記プレートは、前記湿度調整ライン上に配置されて、前記蓄熱媒体より熱エネルギーを伝達されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の植物栽培施設。
  5. 前記蓄熱槽には、内部に蓄熱媒体が通過する通路となるとともに、該蓄熱槽から引き出され、前記蓄熱槽に戻る循環ラインである栽培トレイ調温ラインが形成されており、
    前記栽培トレイは、前記栽培トレイ調温ライン上に配置されて、前記蓄熱媒体より熱エネルギーを伝達されることを特徴とする請求項2乃至請求項4いずれか一項に記載の植物栽培施設。
  6. 前記照明装置と、前記蓄熱槽とは、ヒートパイプにより連結されており、
    前記照明装置側には、前記ヒートパイプの蒸発部が配置されるとともに、前記蓄熱槽には、前記ヒートパイプの凝縮部が挿入されており、
    前記蓄熱槽に貯留される蓄熱媒体は、前記凝縮部から熱を伝達されるよう構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4いずれか一項に記載の植物栽培施設。
  7. 前記蒸発部は、略正弦曲線状に湾曲して形成され、前記照明装置の前記光源に接触若しくは近接して配置されていることを特徴とする請求項6に記載の植物栽培施設。
  8. 前記プレートは、メソポーラスシリカにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれか一項に記載の植物栽培施設。
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