JP2017111390A - エレクトロクロミック素子用バインダーおよびそれを含有するエレクトロクロミック素子 - Google Patents

エレクトロクロミック素子用バインダーおよびそれを含有するエレクトロクロミック素子 Download PDF

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松尾 孝
Takashi Matsuo
孝 松尾
植田 秀昭
Hideaki Ueda
秀昭 植田
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Abstract

【課題】 エレクトロクロミック素子としての基本性能を備え、応答速度が速く、機械的特性に優れ、安全性、信頼性に優れたエレクトロクロミック素子用バインダーおよびそれを含有するエレクトロクロミック素子を提供することを課題とする。
【解決手段】 (A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
を含む重合体からなるエレクトロクロミック素子用バインダーを含有することにより、課題を解決できることを見出した。
【選択図】なし

Description

本発明は、表示装置や調光ガラス等に用いられるエレクトロクロミック素子用バインダーに関する。本発明は、低電圧で駆動でき、素子強度、信頼性、安全性に優れる表示装置や光シャッター、アクティブフィルター等に用いられるエレクトロクロミック素子用のバインダーに関するものである。
エレクトロクロミック素子は、電圧が印加されると可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化するエレクトロクロミック現象を利用した表示素子である。エレクトロクロミック素子は、反射型の表示素子であること、メモリー性があること、低電圧で駆動できることから近年、活発に研究開発が進められている。
しかし、エレクトロクロミック現象は酸化還元反応を利用して発消色を行う原理のため、発消色の応答速度が遅いという欠点がある。これに対して特許文献1では、エレクトロクロミック化合物を電極近傍に固定させることによって従来数十秒かかっていた発消色の時間が1秒程度まで改善することが提案されている。
また、特許文献2ではエレクトロクロミック化合物として安価な有機色素を用い、発色時の発色性やコントラストを改善するために対向電極の表面に多孔質白色散乱層を設けることが提案されている。
これに対して、エレクトロクロミック層におけるエレクトロクロミック粒子の凝集防止や発色性の改善のため、イオン導電性のバインダーを用いることが特許文献3で提案されている。また、特許文献4ではイオン導電層にポリフッ化ビニリデン系のバインダーを用いることが提案されている。しかしながら、従来のエレクトロクロミック層や導電層、多孔質白色散乱層に用いられるバインダーでは、各層の接着性や膜強度、製造安定性、イオン電導性の点でさらに改善する余地があった。
特表2001−510590号公報 再表2006−129424号公報 特開平6−95166号公報 特開2003−43526号公報
以上のような事情を鑑み、本発明の課題は、エレクトロクロミック素子としての基本性能を備え、応答速度が速く、機械的特性に優れ、安全性、信頼性に優れたエレクトロクロミック素子用バインダーおよびそれを含有するエレクトロクロミック素子を提供することである。さらに、エレクトロクロミック素子の製造時に、作業性、製造安定性に優れたエレクトロクロミック素子用バインダーおよびそれを含有するエレクトロクロミック素子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、エレクトロクロミック層や導電層、多孔性白色散乱層のバインダーとして特定のアクリル系エマルジョンを用いることで、最適な層膜の形成が可能となり、応答性に優れ、製造安定性、安全性に優れたエレクトロクロミック素子が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は以下に関する。
項1.
(A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
を含む重合体からなるエレクトロクロミック素子用バインダーである。
項2.
重合体の(A)成分である(メタ)アクリレートモノマーが水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー、および(メタ)アクリレートモノマーである項1に記載のエレクトロクロミック素子用バインダーである。
項3.
重合体の水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーの分子量が100〜1000のアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノマーである項2に記載のエレクトロクロミック素子用バインダーである。
項4.
重合体の(B)成分であるカルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーがアクリル酸またはメタクリル酸である項1〜3記載のエレクトロクロミック素子用バインダーである。
項5.
重合体の(C)成分である5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーが3官能の(メタ)アクリレートモノマーであることを特徴とする項1〜4記載のエレクトロクロミック素子用バインダーである。
項6.
重合体の(A)成分である(メタ)アクリレートモノマーが水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー、および(メタ)アクリレートモノマーであり、(A−1)水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位、(A−2)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位、(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位の比率が、(A−1)1〜45重量%、(A−2)15〜98重量%、(B)0.5〜15重量%、(C)0.5〜25重量%であることを特徴とする項1〜5に記載のエレクトロクロミック素子用バインダーである。
項7.
表示基板、表示電極と、対向基板、対向電極と、前記表示電極に設けられたエレクトロクロミック層と、前記表示電極と前記対向電極とに挟まれて設けられた電解質層とを有するエレクトロクロミック素子において、バインダーとして、
(A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
を含む重合体を含有する層を有することを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
項8.
表示基板、表示電極と、対向基板、対向電極と、前記表示電極に設けられたエレクトロクロミック層と、前記表示電極と前記対向電極とに挟まれて設けられた電解質層とを有するエレクトロクロミック素子において、前記エレクトロクロミック層が、
(A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
を含む重合体を含有することを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
項9.
表示基板、表示電極と、対向基板、対向電極と、前記表示電極に設けられたエレクトロクロミック層と、前記対向電極に設けられた導電層と、前記表示電極と前記対向電極とに挟まれて設けられた電解質層とを有するエレクトロクロミック素子において、前記導電層が、
(A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
を含む重合体を含有することを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
項10.
表示基板、表示電極と、対向基板、対向電極と、前記表示電極に設けられたエレクトロクロミック層と、前記対向電極に設けられた多孔質白色散乱層と、前記表示電極と前記対向電極とに挟まれて設けられた電解質層とを有するエレクトロクロミック素子において、前記多孔質白色散乱層が、
(A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
を含む重合体を含有することを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
項11.
該エレクトロクロミック層に酸化チタンを含有することを特徴とする項7〜10に記載のエレクトロクロミック素子である。
本発明によれば、少なくとも表示基板、表示電極と、対向基板、対向電極と、前記表示電極に設けられたエレクトロクロミック層と、前記表示電極と前記対向電極とに挟まれて設けられた電解質層とを有するエレクトロクロミック素子において、バインダーとして(A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、を含む重合体を含む層を設けたエレクトロクロミック素子とすることで、応答性に優れ、安全性、信頼性に優れたエレクトロクロミック素子を得ることができる。さらに、製造安定性に優れたエレクトロクロミック素子を得ることができる。
本発明のエレクトロクロミック素子は、バインダーが電解液や有機溶剤に溶解せず、室温以上のある程度のガラス転移温度を有し、室温で形状を保ったまま結着性を有する粒子であり、バインダーが酸化チタンや酸化亜鉛を被覆する面積が小さくなり、点接触的な働きを行うため空隙が多くなり、電解液の浸透量が多くなって内部抵抗が下がるという効果を有する。また、バインダーを水系のエマルジョンとして生産するため、環境にやさしく安全性が高い。
以下、本発明の構成につき詳細に説明する。
ここで、本発明のエレクトロクロミック素子用バインダーは、エレクトロミック層のバインダーや導電層、多孔質白色反射層のバインダーとして好適に用いられる。
本発明は、エレクトロクロミック素子用のバインダーとして、
(A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
を含む共重合体であることを特徴とするエレクトロクロミック素子用バインダーである。
以下に、本発明のバインダーであるアクリル系重合体の水系エマルジョンについて説明する。
本発明で使用されるアクリル系重合体の水系エマルジョンは、以下の構成のものが好適に用いられる。
(A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
を含む重合体の水系エマルジョン。
以下に、本発明で用いられる重合体の構成単位について詳細に説明する。
(A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位としては、(A−1)水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位、(A−2)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位であることが好ましい。
ここで、(A−1)水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位に用いられる水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、
一般式(1)
( 式中、Rは水素又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、RおよびRはそれぞれ水素、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、nは2〜30の整数である。)
で表される水酸基を有するモノマーが好適に用いられる。
一般式(1)で表される水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子量が100〜1000のアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。具体例としてはジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、およびポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、およびポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上併用できる。これらの中でも、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。これらは1種又は2種以上併用できる。
(A−2)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位に用いられる(メタ)アクリレートモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、および(メタ)アクリル酸ラウリル((メタ)アクリル酸ドデシル)、(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上併用できる。
(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位に用いられるカルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、メタアクリル酸、アクリル酸等の単官能モノマー、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、エキソ−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ハイミック酸等の2官能モノマーが挙げられ、更に、上記2官能のカルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーは、不飽和カルボン酸の無水物、例えば無水マレイン等も使用でき、また、これら無水物を鹸化したものを使用してもよい(以上、遊離酸、無水物及びそれらの塩又は鹸化物をまとめて以下、2官能のカルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーという。)。カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーは、好ましくはメタアクリル酸、アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸である。更に好ましくは、メタアクリル酸、アクリル酸、イタコン酸である。これらは1種又は2種以上併用できる。
(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位以外にも、カルボン酸基以外の少なくとも1種の官能性基を有するエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位を含有してもよい。少なくとも1つの官能基を有するエチレン性不飽和モノマーの官能性基の具体例としては、ニトリル基、ケトン基、ビニルアルコール基、有機酸ビニルエステル基等が挙げられる。
ニトリル基を含むエチレン性不飽和モノマーは、ニトリル基を含有するものであれば特に限定されないが、好ましくはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、α−エチルアクリロニトリル、α−シアノアクリレート、シアン化ビニリデン、フマロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリルモノマーが用いられる。更に好ましくはアクリロニトリル、メタクリロニトリルである。これらは1種又は2種以上併用できる。
ケトン基を含むエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、イソプロピルビニルケトン、イソブチルビニルケトン、t-ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン等のビニルケトン類が挙げられる。これらは1種又は2種以上併用できる。
有機酸ビニルエステル基を含むエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、トリメチル酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上併用できる。これらの中でも、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルが好ましい。
ビニルアルコールの構成単位を有する重合体は、有機酸ビニルエステルモノマーの構成単位を有する重合体をアルカリでケン化することによって得られる。
(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位に用いられる5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーは、架橋剤として働く。多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては2官能〜5官能(メタ)アクリレートが挙げられる。2官能〜5官能の架橋剤では、乳化重合での分散が良好であり、バインダーとしての物性(屈曲性、結着性)が優れている。多官能(メタ)アクリレートモノマーは、好ましくは3官能または4官能(メタ)アクリレートであり、より好ましくは3官能(メタ)アクリレートである。
2官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としてはトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェートなどが挙げられる。
3官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO付加トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2,2,2-トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルコハク酸、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンEO付加トリ(メタ)アクリレート、グリセリンPO付加トリ(メタ)アクリレートおよびトリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェートなどが挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
4官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールEO付加テトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
5官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーは1種であってよく又は2種以上を併用できる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーの構成単位(C)の量は、(メタ)アクリレートモノマーの構成単位(A)100重量部に対して、0.5〜70重量部、例えば1〜60重量部、特に2〜50重量部であってよい。
重合体において、(A−1)水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーの構成単位、(A−2)(メタ)アクリレートモノマーの構成単位、(B)カルボン酸基を有するエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位、(C)多官能(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構造単位の比が、(A−1)1〜45重量%、(A−2)15〜98重量%、(B)0.5〜15重量%、(C)0.5〜25重量%であり、好ましくは(A−1)1〜40重量%、(A−2)10〜75重量%、(B)1〜10重量%、(C)1〜25重量であり、更に好ましくは(A−1)2〜30重量%、(A−2)30〜70重量%、(B)2〜10重量%、(C)2〜20重量%である。
本発明の重合体において、水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーの構成単位(A−1)よりも(メタ)アクリレートモノマーの構成単位(A−2)の方が多いことが望ましい。これは、(メタ)アクリレートモノマーの構成単位(A−2)の量を多くして、数種類用いることにより重合体の強度と結着性を調整することができるためである。
本発明で用いられるバインダーはアクリル系重合体が水に分散しているエマルジョン組成物である。本発明で用いられるバインダーにおける上記重合体の含有量(固形分濃度)は0.2〜80重量%、好ましくは0.5〜70重量%、より好ましくは0.5〜60重量%である。
本発明で用いられる水系エマルジョンを得る方法としては、一般的な乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、シード重合法、シード粒子にモノマー等を膨潤させた後に重合する方法等を使用することができる。具体的には、攪拌機および加熱装置付きの密閉容器に室温でモノマー、乳化剤、重合開始剤、水、必要に応じて分散剤、連鎖移動剤、pH調整剤等を含んだ組成物を不活性ガス雰囲気下で攪拌することでモノマー等を水に乳化させる。乳化の方法は撹拌、剪断、超音波等による方法等が適用でき、撹拌翼、ホモジナイザー等を使用することができる。次いで、攪拌しながら温度を上昇させて重合を開始させることで、重合体が水に分散した球形の重合体のラテックスを得ることができる。重合時のモノマーの添加方法は、一括仕込みの他に、モノマー滴下やプレエマルジョン滴下等でもよく、これらの方法を2種以上併用してもよい。
また本発明のバインダー中での重合体の粒子構造は特に限定されない。例えば、シード重合によって作製された、コア−シェル構造の複合重合体粒子を含む重合体のラテックスを用いることができる。シード重合法は、例えば、「分散・乳化系の化学」(発行元:工学図書(株))に記載された方法を用いることができる。具体的には、上記の方法で作製したシード粒子を分散した系にモノマー、重合開始剤、乳化剤を添加し、核粒子を成長させる方法であり、上記方法を1回以上繰り返してもよい。
シード重合のシードには本発明で用いられる重合体または公知のポリマーを用いた粒子を採用しても良い。公知のポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレートおよびポリエーテルなどが例示できるが、限定されるものではなく、他の公知のポリマーを用いることができる。また、1種のホモポリマーまたは2種以上の共重合体またはブレンド体を用いても良い。
本発明で用いられるバインダー中での重合体の粒子形状としては球形以外に、板状、中空構造、複合構造、局在構造、だるま状構造、いいだこ状構造、ラズベリー状構造等があげられ、本発明を逸脱しない範囲で2種類以上の構造および組成の粒子を用いることができる。
本発明で用いられる乳化剤は特に限定されず、乳化重合法おいて一般的に用いられるノニオン性乳化剤およびアニオン性乳化剤等を使用することができる。ノニオン乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等があげられ、アニオン性乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸塩等があげられ、これらを1種または2種以上用いてもよい。アニオン性乳化剤の代表例としてはドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
本発明で用いられる乳化剤の使用量は乳化重合法おいて一般的に用いられる量であればよい。具体的には、仕込みのモノマー量に対して、0.01〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.05〜5重量%、更に好ましくは0.05〜3重量%である。モノマー成分として、反応性界面活性剤を用いる場合は、乳化剤の添加は必ずしも必要でない。
本発明で用いられる重合開始剤は特に限定されず、乳化重合法おいて一般的に用いられる重合開始剤を使用することができる。その具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムおよび過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩に代表される水溶性の重合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドに代表される油溶性の重合開始剤、ハイドロパーオキサイド、4−4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2−2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン、2−2’−アゾビス(プロパン−2−カルボアミジン)2−2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロパンアミド、2−2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}、2−2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)および2−2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロパンアミド}などのアゾ系開始剤、レドックス開始剤等が挙げられる。これら重合開始剤は1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる重合開始剤の使用量は乳化重合法おいて一般的に用いられる量であればよい。具体的には、仕込みのモノマー量に対して、0.01〜5重量%の範囲であり、好ましくは0.05〜3重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%である。
本発明で用いられるバインダー以外に、必要に応じて分散剤を用いることができ、種類および使用量は特に限定されず、一般的に用いられる分散剤を任意の量で自由に使用することができる。具体例としてはヘキサメタリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダおよびポリアクリル酸ソーダ等が挙げられる。
連鎖移動剤は、必要に応じて用いることができる。連鎖移動剤の具体例としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレン、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上用いてもよい。これらの連鎖移動剤の量は特に限定されないが、通常、仕込モノマー量100重量部に対して0〜5重量部にて使用される。
重合時間および重合温度は特に限定されない。使用する重合開始剤の種類等から適宜選択できるが、一般的に、重合温度は20〜100℃であり、重合時間は0.5〜100時間である。
さらに上記の方法によって得られた重合体は、必要に応じてpH調整剤として塩基を用いることでpHを調整することができる。塩基の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、無機アンモニウム化合物、有機アミン化合物等が挙げられる。pHの範囲はpH2〜11、好ましくはpH3〜10、更に好ましくはpH4〜9の範囲である。
本発明のエレクトロクロミック素子用バインダーにおける上記重合体の粒子径は、動的光散乱法、透過型電子顕微鏡法や光学顕微鏡法などによって計測できる。動的光散乱法を用いて得た散乱強度により算出した平均粒径は、1nm〜1mm、好ましくは1nm〜0.5mmである。具体的な測定装置としてはスペクトリス製のゼータサイザーナノ、堀場製作所製LB−500、シンパテック製NANOPHOX/R等が例示できる。
エレクトロクロミック素子の作製
本発明のエレクトロクロミック素子は、表示基板/表示電極/エレクトロクロミック層/電解質層/対向電極/対向基板から構成されている。また、電解質層と対向電極の間に導電層や多孔質白色反射層を設けてもよい。
(エレクトロクロミック素子の製造方法)
本発明のエレクトロクロミック素子の表示基板および対向基板は、ガラス、プラスチック等を用いることができる。このうち少なくとも表示基板は透明である必要がある。特に表示基板と対向基板としてプラスチックフィルムを用いる場合、フレキシブルなエレクトロクロミック素子を作製することが可能となる。
表示基板の上には、透明導電性の表示電極が形成される。透明導電性の電極に用いられる材料としては、InやSnO、In:Sn(ITO)、SnO:Sb(ATO)、SnO:F(FTO)、ZnO:Al、ZnO:F、CdSnOなどの導電性金属酸化物が用いられる。このうち、ITO、ATO,FTOが特に好ましい。これらの材料はスパッタ法により容易に成膜することができる。
また、対向基板に対向電極が形成される。対向電極に、表示電極と同様の透明導電膜を用いてもよいが亜鉛、白金等の導電性金属膜を用いてもよい。対向電極として亜鉛等の金属板を用いる場合、対向電極が対向基板を兼ねることになる。
(エレクトロクロミック層)
本発明のエレクトロクロミック層に用いられる材料としては、酸化還元反応により色が変化する材料を用いることが出来る。このような材料としては、金属酸化物系、ポリマー系、色素系、金属錯体等の公知のエレクトロクロミック化合物を用いることができる。
金属酸化物系の材料としては、例えば酸化タングステン、酸化タンタル、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化ニッケル、酸化イリジウム、またはこれらの酸化物に水素またはリチウム、ナトリウムもしくはカリウムがドープされたものを用いることができる。これらに中でも酸化タングステン、あるいは水素またはリチウム、ナトリウムもしくはカリウムをドープした酸化タングステンが好ましく、酸化タングステンが最も好ましい。
ポリマー系、色素系、金属錯体系の材料としては、例えばアゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、フェニレンジアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、メロシアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系、フェナントロリン系、等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン等の導電性高分子化合物を用いることができる。中でもビオロゲン系、フタロシアニン系、フェナントロリン系の有機エレクトロクロミック化合物が好適に用いられる。
本発明において、エレクトロクロミック層に色素系、金属錯体系の低分子有機化合物を用いる場合には、酸化チタンや酸化亜鉛、ゼオライト等の担持体微粒子に低分子有機化合物を吸着させて用いることが好ましい。そうすることにより、有機化合物の劣化を防止し、発色性を上げることができる。
本発明において、エレクトロクロミック層が酸化タングステンや酸化チタン等の微粒子を用いる場合、そのバインダーとして本発明のバインダーを用いることが好ましい。使用するバインダーの量としては無機微粒子に対して1〜100重量%であり、好ましくは1〜30重量%である。バインダーの量が多すぎると内部抵抗となってしまい応答速度が悪くなる。しかし、少なすぎると結着性が低く電極から外れてしまう。
スラリー状のエレクトロクロミック層組成物の調整方法
本発明のスラリー状のエレクトロクロミック層組成物の調整方法としては特に限定されず、エレクトロクロミック粉体または吸着用の担持体粉末、バインダー、溶剤等を通常の攪拌機、分散機、混練機、遊星型ボールミル、ホモジナイザーなど用いて分散させればよい。分散の効率を上げるために材料に影響を与えない範囲で加温してもよい。
本発明のスラリー状のエレクトロクロミック層組成物を作製する際には、エレクトロクロミック粉体または吸着用の担持体粉末、バインダーとして本発明のアクリル系重合体の水系エマルジョン、溶剤として主に水が用いられる。用いる水は特に限定されず、一般的に用いられる水を使用することができる。その具体例としては水道水、蒸留水、イオン交換水および超純水などが挙げられる。その中でも、好ましくは蒸留水、イオン交換水および超純水である。また、スラリーの分散性や乾燥性を調整する目的で、アルコール等の水溶性有機溶剤を混合して用いてもよい。使用できる水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
スラリー状のエレクトロクロミック層組成物の塗布性を改善するために、必要に応じて分散剤を水系エマルジョンに予め添加あるいはスラリー状のエレクトロクロミック層組成物に添加することもできる。分散剤であれば、種類および使用量は特に限定されず、一般的に用いられる分散剤を任意の量で自由に使用することができる。
本発明で用いられるスラリー状のエレクトロクロミック層組成物の固形分濃度は、10〜90重量%、好ましくは20〜85重量%、より好ましくは30〜80重量%である。
本発明で用いられるスラリー状のエレクトロクロミック層組成物の固形分中の重合体量の割合は、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%である。
(電解質層)
本発明のエレクトロクロミック素子の電解質層は、電解質塩を酸の水溶液や非プロトン性の有機溶媒に溶解させた電解質溶液からなる。電解質溶液(電解液)にモノマーやポリマーを溶解させてゲル化させ、ゲル電解質として用いてもよい。
(電解質塩)
本発明において用いられる電解質としては、以下に挙げる電解質塩が用いられる。即ち、金属陽イオン、アンモニウムイオン、アミジニウムイオン、及びグアニジウムイオンから選ばれた陽イオンと、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、硝酸イオン、AsF 、PF 、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7,7,8,8−テトラシアノ−p−キノジメタンイオン、XSO 、[(XSO)(XSO)N]、[(XSO)(XSO)(XSO)C]、及び[(XSO)(XSO)YC]から選ばれた陰イオンとからなる化合物が挙げられる。但し、X、X、X、およびYは電子吸引基である。好ましくはX、X、及びXは各々独立して炭素数が1〜6のパーフルオロアルキル基又は炭素数が6〜18のパーフルオロアリール基であり、Yはニトロ基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基又はシアノ基である。X、X及びXは各々同一であっても、異なっていてもよい。
金属陽イオンとしては遷移金属の陽イオンを用いる事ができる。好ましくはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn及びAg金属から選ばれた金属の陽イオンが用いられる。又、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca及びBa金属から選ばれた金属の陽イオンを用いても好ましい結果が得られる。電解質塩として前述の化合物を2種類以上併用することが可能である。特に、エレクトロクロミック層のエレクトロクロミック材料が酸化タングステン系化合物において、電解質塩としてはLi塩化合物が好適に用いられる。
Li塩化合物としては、たとえば、LiBF、LiPF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN[CFSC(CSO]などを挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いても、2種類以上を混合して用いても良い。
(常温溶融塩)
本発明の電解質溶液は、非プロトン性有機溶媒や常温溶融塩(イオン液体)に電解質塩を溶解させて得られる。常温溶融塩を用いた場合には、電解質塩と非プロトン性有機溶媒の役割を持たせることができ、ポリマーを常温溶融塩に溶解させれば、それ自体でゲル電解質溶液を調製することができる。
常温溶融塩とは、常温において少なくとも一部が液状を呈する塩をいい、常温とは電源が通常作動すると想定される温度範囲をいう。電源が通常作動すると想定される温度範囲とは、上限が120℃程度、場合によっては60℃程度であり、下限は−40℃程度、場合によっては−20℃程度である。
常温溶融塩はイオン液体とも呼ばれており、ピリジン系、脂肪族アミン系、脂環族アミン系の4級アンモニウム有機物カチオンが知られている。4級アンモニウム有機物カチオンとしては、ジアルキルイミダゾリウム、トリアルキルイミダゾリウム、などのイミダゾリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオンなどが挙げられる。特に、イミダゾリウムカチオンが好ましい。
イミダゾリウムカチオンとしては、ジアルキルイミダゾリウムイオン、トリアルキルイミダゾリウムイオンが例示される。ジアルキルイミダゾリウムイオンとしては、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオンなどが挙げられ、トリアルキルイミダゾリウムイオンとしては、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1−アリル−3−ブチルイミダゾリウムイオン、1,3−ジアリルイミダゾリウムイオンなどの1−アリルイミダゾリウムイオンも使用することができる。
テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、トリメチルエチルアンモニウムイオン、ジメチルジエチルアンモニウムイオン、トリメチルプロピルアンモニウムイオン、トリメチルヘキシルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2メトキシエチル)アンモニウムイオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキルピリジウムイオンとしては、N−メチルピリジウムイオン、N−エチルピリジニウムイオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムイオン、1−エチル−2メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−2,4ジメチルピリジニウムイオン、N−メチル−N−プロピルピぺリジニウムイオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ピロリジニウムイオンとしては、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムイオン、N−エチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−エチル−N−プロピルピロリジニウムイオン、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムイオン、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムイオン、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、これらのカチオンを有する常温溶融塩は、単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いても良い。
アニオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、硝酸イオン、AsF 、PF などの無機酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7,7,8,8−テトラシアノ−p−キノジメタンイオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドイオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドイオン、4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3,2−ジチアゾリジン−1,1,3,3−テトラオキシドイオン、トリフルオロ(ペンタフルオロエチル)ホウ素酸イオン、トリフルオロ−トリ(ペンタフルオロエチル)リン酸イオン、などの有機酸イオンなどが例示される。
(非プロトン性有機溶媒) 非プロトン性有機溶媒としては、非プロトン性のニトリル類、エーテル類及びエステル類が好ましい。具体的には、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ブチレンカーボネート、ビニルカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルモノグライム、メチルジグライム、メチルトリグライム、メチルテトラグライム、エチルモノグライム、エチルジグライム、エチルトリグライム、エチルメチルモノグライム、ブチルジグライム、3−メチル−2−オキサゾリドン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4,4−メチル−1,3−ジオキソラン、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等が挙げられ、中でも、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ブチレンカーボネート、ビニルカーボネート、エチレンカーボネート、メチルトリグライム、メチルテトラグライム、エチルトリグライム、エチルメチルモノグライムが好ましい。これらの2種以上の混合物を用いても良い。
本発明において、例えばエレクトロクロミック層が酸化タングステンの場合は、電解質塩化合物としてLi塩化合物と常温溶融塩が好適に用いられる。また、エレクトロクロミック層が低分子有機化合物を吸着させた酸化チタンや酸化亜鉛の場合は、電解質塩化合物は常温溶融塩や常温溶融塩と非プロトン性有機溶媒との混合液が好適に用いられる。
(導電層)
本発明において、エレクトロクロミック素子の発色性を上げるために導電層を設けることができる。導電層は、対向電極上に設けられる。適用可能な導電層は、電解質溶液に実質的に溶解しない水系高分子と導電性金属酸化物との水混和物を塗布乾燥して形成することができる。ここで、水系高分子として本発明の水系アクリルエマルジョンが好適に用いられる。導電層に本発明のバインダーを用いる場合の含有量は、導電性金属酸化物100重量部に対して本発明のバインダーを0.5〜30重量部添加すればよい。少ないと接着性が十分でなく、多すぎると層自体の抵抗が高くなってしまう。
本発明で適用可能な導電性材料としては、酸化スズや酸化アンチモンを表面に被覆した酸化チタンや酸化インジウム・スズで表面被覆した酸化チタン、酸化スズや酸化アンチモンを表面に被覆した酸化亜鉛等白色の導電性粉末が好適に用いられる。
(多孔質白色散乱層)
本発明において、エレクトロクロミック素子の発色性を上げるために多孔質白色散乱層を設けることができる。多孔質白色散乱層は、対向電極上に設けられる。適用可能な多孔質白色散乱層は、電解質溶液に実質的に溶解しない水系高分子と白色顔料との水混和物を塗布乾燥して形成することができる。ここで、水系高分子として本発明の水系アクリルエマルジョンが好適に用いられる。多孔質白色散乱層に本発明のバインダーを用いる場合の含有量は、白色顔料100重量部に対して本発明のバインダーを0.5〜40重量部添加すればよい。少ないと接着性が十分でなく、多すぎると層自体の抵抗が高くなってしまう。
本発明で適用可能な白色顔料としては、例えば、二酸化チタン(アナターゼ型あるいはルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラス、有機化合物としてポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂などが単体または複合混合で、または粒子中に屈折率を変化させるボイドを有する状態で使用されてもよい。
本発明では、上記白色粒子の中でも、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛が好ましく用いられる。また、無機酸化物(Al23、AlO(OH)、SiO2等)で表面処理した二酸化チタン、これらの表面処理に加えて、トリメチロールエタン、トリエタノールアミン酢酸塩、トリメチルシクロシラン等の有機物処理を施した二酸化チタンを用いることができる。
これらの白色粒子のうち、高温時の着色防止、屈折率に起因する素子の反射率の観点から、酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
スラリー状の導電層組成物または多孔質白色散乱層組成物の調整方法
本発明のスラリー状の導電層組成物または多孔質白色散乱層組成物の調整方法としては特に限定されず、導電性物質または多孔質白色粉体、バインダー、溶剤等を通常の攪拌機、分散機、混練機、遊星型ボールミル、ホモジナイザーなど用いて分散させればよい。分散の効率を上げるために材料に影響を与えない範囲で加温してもよい。
本発明で用いられるスラリー状の導電層組成物または多孔質白色散乱層組成物の固形分濃度は、10〜90重量%、好ましくは20〜85重量%、より好ましくは30〜80重量%である。
本発明で用いられるスラリー状の導電層組成物または多孔質白色散乱層組成物の固形分中の重合体量の割合は、0.1〜60重量%、好ましくは0.2〜50重量%、より好ましくは0.5〜40重量%である。
本発明のエレクトロクロミック素子の製造方法の一例としては、電極層を有する表示基板上にスラリー状のエレクトロクロミック層組成物を塗布、乾燥後、対向基板上の対向電極で挟み込み、端部をシール材で封止したのち、電解質溶液を挿入することで作製することができる。また、エレクトロクロミック層上、または対向電極上にゲル電解質組成物を塗布、乾燥させてもう一方の電極側と貼り合わせることによっても製造することができる。さらに、対向電極上に導電層や多孔質白色散乱層を含む製造方法が例示される。
エレクトロクロミック層の作製方法
本発明のエレクトロクロミック素子のエレクトロクロミック層の作製方法は、特に限定されず一般的な方法が用いられる。スラリー状のエレクトロクロミック層組成物(塗工液)をドクターブレード法やアプリケーター法、シルクスクリーン法などにより透明電極付基板表面上に適切な厚さに均一に塗布することより行われる。
例えばドクターブレード法では、スラリー状の電極材料組成物を金属電極基板に塗布した後、所定のスリット幅を有するブレードにより適切な厚さに均一化する。透明電極基板はエレクトロクロミック層塗布後、余分な有機溶剤および水を除去するため、例えば、100℃の熱風や80℃真空状態で乾燥する。乾燥後のエレクトロクロミック層はプレス装置によってプレス成型してもよい。プレス後に再度熱処理を施して水、溶剤、乳化剤等を除去してもよい。
導電層または多孔質白色散乱層の作製方法
本発明の導電層や多孔質白色散乱層を設ける場合は、上述のスラリー状の導電層組成物または多孔質白色散乱層組成物を対向電極基板の上に塗布、乾燥して形成すればよい。作製方法はエレクトロクロミック層の作製方法と同様の方法で作製することができる。
本発明を実施するための具体的な形態を以下に実施例を挙げて説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、本発明のバインダーを用いて表示基板、表示電極とエレクトロクロミック層、電解質層と、対向電極、対向基板とからなるエレクトロクロミック素子において、エレクトロクロミック素子の発色性、機械的特性を比較するために以下の実験を行った。
バインダーの合成例
[バインダーの実施合成例1]
500mlの攪拌機付き反応容器に、ポリエチレングリコールモノアクリレート(日油製:ブレンマーAE−400)30重量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル55重量部、アクリル酸2重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A−TMPT)13重量部、乳化剤としてラウリル硫酸トリエタノールアミン水溶液(花王製:エマールTD)の固形分として1重量部、イオン交換水150重量部および重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1重量部を入れ、ホモジナイザーを用いて十分乳化させた後、窒素雰囲気下で60℃に加温し5時間重合し、その後冷却した。冷却後、28%アンモニア水溶液を用いて、重合液のpHを8.2に調整し、本発明の重合体のエマルジョンであるバインダーA(重合転化率99%以上)(固形分濃度39wt%)を得た。得られた重合体の平均粒子径は0.109μmであった。
[バインダーの実施合成例2]
500mlの攪拌機付き反応容器に、メタアクリル酸メチル47重量部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日油製:ブレンマーAP−400)33重量部、アクリル酸1重量部、メタアクリル酸4重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A−TMPT)15重量部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(花王製:エマール10G)5重量部、イオン交換水150重量部および重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1重量部を入れ、ホモジナイザーを用いて十分乳化させた後、窒素雰囲気下で60℃に加温し5時間重合し、その後冷却した。冷却後、28%アンモニア水溶液を用いて、重合液をpH8.1に調整し、本発明の重合体のエマルジョンであるバインダーB(重合転化率99%以上)(固形分濃度39wt%)を得た。得られた重合体の平均粒子径は0.093μmであった。
[バインダーの実施合成例3]
500mlの攪拌機付き反応容器に、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日油製:ブレンマーAP−400)19重量部、メタアクリル酸メチル58.5重量部、メタアクリル酸4重量部、アクリル酸1.5重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A−TMPT)17重量部、反応性乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケニルエーテル溶液(花王製:PD−420)として8重量部、イオン交換水150重量部および重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1重量部を入れ、ホモジナイザーを用いて十分乳化させた後、窒素雰囲気下で60℃に加温し5時間重合し、その後冷却した。冷却後、28%アンモニア水溶液を用いて、重合液のpHを8.2に調整し、本発明の重合体のエマルジョンであるバインダーC(重合転化率99%以上)(固形分濃度40wt%)を得た。得られた重合体の平均粒子径は0.085μmであった。
[バインダーの実施合成例4]
500mlの攪拌機付き反応容器に、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日油製:ブレンマーPE−90)4.5重量部、メタアクリル酸メチル45重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル26重量部、メタアクリル酸5重量部、アクリル酸1.5重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A−TMPT)18重量部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(花王製:エマール10G)1重量部、イオン交換水150重量部および重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1重量部を入れ、ホモジナイザーを用いて十分乳化させた後、窒素雰囲気下で60℃に加温し5時間重合し、その後冷却した。冷却後、28%アンモニア水溶液を用いて、重合液のpHを8.2に調整し、本発明の重合体のエマルジョンであるバインダーD(重合転化率99%以上)(固形分濃度39wt%)を得た。得られた重合体の平均粒子径は0.108μmであった。
[バインダーの実施合成例5]
500mlの攪拌機付き反応容器に、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日油製:ブレンマーAE−200)20重量部、アクリル酸ブチル57重量部、メタアクリル酸4.5重量部、アクリル酸1.5重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A−TMPT)17重量部、反応性乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケニルエーテル溶液(花王製:PD−420)として3重量部、イオン交換水150重量部および重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1重量部を入れ、ホモジナイザーを用いて十分乳化させた後、窒素雰囲気下で60℃に加温し5時間重合し、その後冷却した。冷却後、28%アンモニア水溶液を用いて、重合液のpHを8.2に調整し、本発明の重合体のエマルジョンであるバインダーE(重合転化率99%以上)(固形分濃度40wt%)を得た。得られた重合体の平均粒子径は0.206μmであった。
[実施例1]表示基板/表示電極/エレクトロクロミック層1/電解質層1/対向電極/対向基板で構成されたエレクトロクロミック素子1の作製
<エレクトロクロミック層1の作製>
無色透明の厚さ2mmで10×10cm角のガラス基板上に、スパッタリング法によりシート抵抗値10Ω/sqのITOを成膜し、表示電極を形成した。次にITO膜上に、平均粒径30nmの酸化チタン20重量%、合成例1で得られたバインダーA、2重量%を水に分散させた分散液を、ブレードコーターにより塗布、乾燥させ膜厚10μmの酸化チタン多孔質層を得た。その基板を1,1’−ジベンジル−4,4’−ビピリジニウム ジクロライド0.02M溶液に24時間浸漬し、アルコール洗浄、乾燥させてエレクトロクロミック層1を形成した。
<エレクトロクロミック素子1の作製>
無色透明の厚さ2mmで10×10cm角のガラス基板上に、スパッタリング法によりシート抵抗値10Ω/sqのITOを成膜し、対向電極を形成した。表示電極と対向電極を、互いの電極面が向かい合うように40μmのスペーサーを介してエポキシ樹脂シール材で周端部を貼り合わせ、セルを作製した。次に、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドにリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを1mol/Lの濃度に溶解させた溶液90重量部およびγブチルラクトン10重量部に溶解させて調整した電解質溶液を真空注入し、電解質層1を形成した。各電極からリード線を取り出し、セルの注入口をエポキシ系紫外線硬化型樹脂によりシールすることでエレクトロクロミック素子1を作製した。
[実施例2]表示基板/表示電極/エレクトロクロミック層兼電解質層2/多孔質白色散乱層2/対向電極/対向基板で構成されたエレクトロクロミック素子2の作製
<エレクトロクロミック溶液2の作製>
過塩素酸リチウム5重量部を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド100ml、アセトニトリル100mlに溶解させ、1,1’−ジベンジル−4,4’−ジピリジニウムジクロライド2重量部を加え、エレクトロクロミック溶液2を作製した。
<多孔質白色散乱層2の作製>
無色透明の厚さ2mmで10×10cm角のガラス基板上に、スパッタリング法によりシート抵抗値25Ω/sqのアンチモンドープの酸化スズを成膜し、対向電極を形成した。次に、合成例2で得られたバインダーBを1重量部、SiO2で被覆された酸化チタン(平均一次粒径300nm)10重量部を蒸留水12重量部に分散させた溶液を、ブレードコーターを用いて塗布、乾燥させ対向電極上に多孔質白色散乱層2を形成した。
<エレクトロクロミック素子2の作製>
表示基板として、無色透明の厚さ2mmで10×10cm角のガラス基板上に、スパッタリング法によりシート抵抗値25Ω/sqのアンチモンドープの酸化スズを成膜し、表示電極を形成した。表示電極と対向電極を互いの電極面が向かい合うように40μmのスペーサーを介してエポキシ樹脂封止材で周端部を貼り合わせ、セルを作製した。次に、電解質が入ったエレクトロクロミック溶液2を真空注入し、エレクトロクロミック層兼電解質層2を形成した。各電極からリード線を取り出し、セルの注入口をエポキシ系紫外線硬化型樹脂によりシールすることでエレクトロクロミック素子2を作製した。
[実施例3]表示基板/表示電極/エレクトロクロミック層3/電解質層3/多孔質白色散乱層3/導電層3/対向電極/対向基板で構成されたエレクトロクロミック素子3の作製
<エレクトロクロミック層3の作製>
無色透明の厚さ2mmで10×10cm角のガラス基板上に、スパッタリング法によりシート抵抗値10Ω/sqのITOを成膜し、表示電極を形成した。次にITO膜上に、スパッタリング法により酸化タングステン層(0.8μm厚)を成膜しエレクトロクロミック層3を形成した。
<導電層3の作製>
厚さ2mmで10×10cm角の対向基板上に、スパッタリング法によりシート抵抗値10Ω/sqのITOを成膜し、対向電極を形成した。次に、酸化スズ微粒子4重量部に対して蒸留水10重量部、合成例3で得られたバインダーC、0.5重量部を加えて分散し、スピンコートを用いて対向電極上に0.5μm厚に塗布、乾燥させて導電層3を形成した。
<多孔質白色散乱層3の作製>
SiO2で被覆された酸化チタン(平均一次粒径400nm)10重量%と合成例3で得られたバインダーC、1.5重量%を水とエタノールの混合液に分散させて多孔質白色散乱層組成物の溶液を調製した。この分散液を導電層3の上に、ブレード塗布法で乾燥膜厚が10μmとなるように塗布、乾燥させて多孔質白色散乱層を形成した。
<エレクトロクロミック素子3の作製>
表示電極と対向電極を、互いの電極面が向かい合うように40μmのスペーサーを介してエポキシ樹脂シール材で周端部を貼り合わせ、セルを作製した。次に、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドにリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを1mol/Lの濃度に溶解させた溶液、90重量部およびγブチルラクトン10重量部に溶解させて調整した電解質溶液を真空注入し、電解質層3を形成した。各電極からリード線を取り出し、セルの注入口をエポキシ系紫外線硬化型樹脂によりシールすることでエレクトロクロミック素子3を作製した。
[実施例4]表示基板/表示電極/エレクトロクロミック層4/電解質層4/多孔質白色散乱層4/対向電極/対向基板で構成されたエレクトロクロミック素子4の作製
<エレクトロクロミック層4の作製>
無色透明の厚さ2mmで10×10cm角のガラス基板上に、平均粒径30nmのITO粒子を1−ブタノールに濃度が10wt%となるように添加し、超音波分散機を用いで分散させた塗布液を、乾燥膜厚が1μmになるようにディッピング法により塗布し表示電極を形成した。次にITO膜上に、平均粒径20nmの酸化チタン20重量%と合成例4で得られたバインダーD、1.5重量%を水/イソプロパノールの混合溶液に分散させた分散液を、スピンコートにより塗布し、乾燥させて膜厚10μmの酸化チタン多孔質層を得た。その基板を1,1’−ジドデシル−4,4’−ビピリジニウムジブロマイド0.02M溶液に24時間浸漬し、アルコール洗浄・乾燥させエレクトロクロミック層4を形成した。
<多孔質白色散乱層4の作製>
厚さ0.5mmで10×10cm角の亜鉛基板を対向電極とし、その上にSiO2で被覆された酸化チタン(平均粒径200nm)30重量%と合成例4で得られたバインダーD、3重量%と水とイソプロパノールの混合液をブレード塗布法で乾燥膜厚が15μmとなるように多孔質白色散乱層4を形成した。
<エレクトロクロミック素子4の作製>
表示電極と対向電極を、互いの電極面が向かい合うように40μmのスペーサーを介してエポキシ樹脂シール材で周端部を貼り合わせ、セルを作製した。次に、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドにリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを1mol/Lの濃度に溶解させた溶液、50重量部およびγブチルラクトン50重量部に溶解させて調整した電解質溶液を真空注入し、電解質層4を形成した。各電極からリード線を取り出し、セルの注入口をエポキシ系紫外線硬化型樹脂によりシールすることでエレクトロクロミック素子4を作製した。
[実施例5]表示基板/表示電極/エレクトロクロミック層5/電解質層5/多孔質白色散乱層5/対向電極/対向基板で構成されたエレクトロクロミック素子5の作製
<エレクトロクロミック層5の作製>
無色透明の厚さ2mmで10×10cm角のガラス基板上に、スパッタリング法によりシート抵抗値10Ω/sqのITOを成膜し、表示電極を形成した。次にITO膜上に、スピンコーターにポリアニリン分散液(ポリアニリンスルホン酸5質量%、純水95質量%の分散液:Aqua−PASS三菱レーヨン社製)を滴下し、その後、80℃の環境下に30分間置いて乾燥させた。乾燥後の膜厚は、200nmであった。このようにしてエレクトロクロミック層5を形成した。
<多孔質白色散乱層5の作製>
無色透明の厚さ2mmで10×10cm角のガラス基板上に、スパッタリング法によりシート抵抗値10Ω/sqのITOを成膜し、対向電極を形成した。次に、合成例5で得られたバインダーEを2重量%、SiO2で被覆された酸化チタン(平均一次粒径300nm)20重量%を蒸留水とエタノールの混合溶媒に分散させた溶液を、ブレードコーターを用いて塗布、乾燥させ対向電極上に膜厚15μmの多孔質白色散乱層5を形成した。
<電解質層5の作製>
次に、エチレンオキサイドとグリシジルメタクリレートの共重合体(重量平均分子量45万)を10重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1重量部、シリカ平均粒径10μm(ハイプレシカ:宇部日東化成(株)社製)3重量部、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.2重量部を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドにリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを1mol/Lの濃度に溶解させた溶液、90重量部およびプロピレングリコール10重量部に溶解させて調整した電解質溶液を前記多孔質白色散乱層上にドクターブレードで塗布し、厚さ40μmの電解質層を形成した。その後、乾燥させたのち、電解質表面をラミネートフィルムでカバーした状態で、(株)GSユアサ製の高圧水銀灯(30mW/cm)を30秒間照射することで架橋し、多孔質白色散乱層上にゲル電解質層5を形成した。
<エレクトロクロミック素子5の作製>
ラミネートフィルムを剥がし、表示電極と対向電極を各成膜面が対向するように配置し、これらの基板を軽く圧着させた。表示基板と対向基板のITO電極からリード線を取り出し、セルの周囲をエポキシ系紫外線硬化型樹脂によりシールすることによりエレクトロクロミック素子5を作製した。
[比較例1]表示基板/表示電極/エレクトロクロミック層6/電解質層6/対向電極/対向基板で構成されたエレクトロクロミック素子6の作製
<エレクトロクロミック層6の作製>
無色透明の厚さ2mmで10×10cm角のガラス基板上に、スパッタリング法によりシート抵抗値10Ω/sqのITOを成膜し、表示電極を形成した。次にITO膜上に、平均粒径6nmの酸化チタン20重量%、ポリフッ化ビニリデン2重量%をN−メチルピロリドンに分散させた分散液を、ブレードコーターにより塗布、乾燥させ膜厚10μmの酸化チタン多孔質層を得た。その基板を1,1’−ジベンジル−4,4’−ビピリジニウム ジクロライド0.02M溶液に24時間浸漬し、アルコール洗浄、乾燥させてエレクトロクロミック層6を形成した。
<エレクトロクロミック素子6の作製>
無色透明の厚さ2mmで10×10cm角のガラス基板上に、スパッタリング法によりシート抵抗値10Ω/sqのITOを成膜し、対向電極を形成した。表示電極と対向電極を、互いの電極面が向かい合うように40μmのスペーサーを介してエポキシ樹脂シール材で周端部を貼り合わせ、セルを作製した。次に、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドにリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを1mol/Lの濃度に溶解させた溶液、90重量部およびγブチルラクトン10重量部に溶解させて調整した電解質溶液を真空注入し、電解質層6を形成した。各電極からリード線を取り出し、セルの注入口をエポキシ系紫外線硬化型樹脂によりシールすることでエレクトロクロミック素子6を作製した。
<エレクトロクロミック素子の特性評価>
上記のエレクトロクロミック素子について、電気化学的評価を行った。
評価方法は以下の通りである。
評価方法
サイクリックボルタンメトリー測定装置(HSV−110:北斗電工社製)を用い、一定電圧を印加して発色を確認し、応答速度を測定した。
印加電圧
エレクトロクロミック素子に印加する電圧を徐々に上げていき、一秒以内で発色するための印加電圧を求めた。
応答速度
発色するための印加電圧で電流値が一定レベルに収束するまでに要した時間を応答速度とした。
層の剥がれ
エレクトロクロミック素子を1週間放置した後、各層の剥がれや電解質溶液の汚染がないか確認した。
評価基準は、以下の内容で評価を行った。
○:層の剥がれや電解質溶液に汚染がない。
△:層の剥がれはないが、電解質溶液に汚染が見られる。
×:層に剥がれが発生し、電解質溶液が汚染されている。
評価結果を表1に示した。
なお、測定はいずれも25℃で行った。
表1において、実施例1〜5においては、印加電圧も低く、応答速度も速くなっている。また、これは、本発明のバインダーによって電解質溶液が各層の内部までうまく浸み込んでいて内部抵抗が低く、電気的な障害になりにくいためと考えられる。
本発明のバインダーを含有するエレクトロクロミック素子は、発色性、応答性に優れ、また物理的な安全性、品質の信頼性に優れているため、電子新聞や電子書籍等の読書用の電子ペーパー等の表示素子や調光ガラス、透過率調整ガラス及び熱線カットガラス等の光線調整用素子として使用できる。

Claims (11)

  1. (A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
    (B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
    (C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
    を含む重合体からなることを特徴とするエレクトロクロミック素子用バインダー。
  2. 重合体の(A)成分である(メタ)アクリレートモノマーが水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー、および(メタ)アクリレートモノマーであることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子用バインダー。
  3. 重合体の水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーの分子量が100〜1000のアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノマーであることを特徴とする請求項2に記載のエレクトロクロミック素子用バインダー。
  4. 重合体の(B)成分であるカルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーがアクリル酸またはメタクリル酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子用バインダー。
  5. 重合体の(C)成分である5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーが3官能の(メタ)アクリレートモノマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子用バインダー。
  6. 重合体の(A)成分である(メタ)アクリレートモノマーが水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー、および(メタ)アクリレートモノマーであり、(A−1)水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位、(A−2)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位、(B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、(C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位の比率が、(A−1)1〜45重量%、(A−2)15〜98重量%、(B)0.5〜15重量%、(C)0.5〜25重量%であることを特徴とする請求項1〜5に記載のエレクトロクロミック素子用バインダー。
  7. 表示基板、表示電極と、対向基板、対向電極と、前記表示電極に設けられたエレクトロクロミック層と、前記表示電極と前記対向電極とに挟まれて設けられた電解質層とを有するエレクトロクロミック素子において、バインダーとして、
    (A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
    (B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
    (C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
    を含む重合体を含有する層を有することを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  8. 表示基板、表示電極と、対向基板、対向電極と、前記表示電極に設けられたエレクトロクロミック層と、前記表示電極と前記対向電極とに挟まれて設けられた電解質層とを有するエレクトロクロミック素子において、前記エレクトロクロミック層が、
    (A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
    (B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
    (C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
    を含む重合体を含有することを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  9. 表示基板、表示電極と、対向基板、対向電極と、前記表示電極に設けられたエレクトロクロミック層と、前記対向電極に設けられた導電層と、前記表示電極と前記対向電極とに挟まれて設けられた電解質層とを有するエレクトロクロミック素子において、前記導電層が、
    (A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
    (B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
    (C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
    を含む重合体を含有することを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  10. 表示基板、表示電極と、対向基板、対向電極と、前記表示電極に設けられたエレクトロクロミック層と、前記対向電極に設けられた多孔質白色散乱層と、前記表示電極と前記対向電極とに挟まれて設けられた電解質層とを有するエレクトロクロミック素子において、前記多孔質白色散乱層が、
    (A)(メタ)アクリレートモノマーから誘導される構成単位と、
    (B)カルボン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位と、
    (C)5官能以下の多官能(メタ)アクリレートモノマーとから誘導される構成単位と、
    を含む重合体を含有することを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  11. エレクトロクロミック層に酸化チタンを含有することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
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