JP2017111259A - 位相差フィルム、位相差層転写シート、反射防止フィルム、及び有機発光表示装置 - Google Patents

位相差フィルム、位相差層転写シート、反射防止フィルム、及び有機発光表示装置 Download PDF

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裕之 雨宮
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Abstract

【課題】リタデーションの変化が抑制された位相差フィルムを提供すること。【解決手段】透明基材の一面側に、位相差層を有する位相差フィルムであって、前記位相差層が、オキシムエステル系光開始剤、ヒドロキシアセトフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤より選択される1種以上と、重合性液晶化合物とを含有する、位相差層用組成物の硬化物であることを特徴とする、位相差フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、位相差フィルム、位相差層転写シート、反射防止フィルム、及び有機発光表示装置に関する。
電界発光表示素子(以下、EL素子と略す場合がある。)は、自己発光のため視域が広く、またプラズマ発光素子等に比べて低消費電力であることから、近年、画像表示装置への適用が実用化されつつある。特に、発光材料として有機化合物を用いる有機EL素子は、無機化合物を用いる無機EL素子よりも印加電圧を大幅に低減できることから、表示装置としての利用が種々検討されている。
EL素子は、一般的に、透明基板上に第一電極、発光層、および第二電極を順次積層した構造のもの知られており、第一電極として透明電極を使用し、第二電極として金属電極を使用し、発光層からの発光を透明基板側から取り出すボトムエミッション型のものと、第一電極として金属電極を使用し、第二電極をとして透明電極を使用し、発光層からの発光を第二電極側から取り出すトップエミッション型のものがある(例えば特許文献1、2等)。
いずれの型においても発光層の光を効率よく利用するため、金属電極は反射性に優れたものが用いられることが多い。一方、このような金属電極を用いたEL素子は、外光反射が大きく、コントラストが低下する場合があった。
表示装置における外光反射を抑制する手法は、種々検討されている。このような手法の一つとして、偏光板と位相差板とが積層した光学フィルムを用いることが知られている(例えば特許文献3、4等)。
特許文献3及び4に記載されているとおり、偏光板と位相差板とは、粘着層や接着層を介して貼り合わせて用いられることがあった。
特開2007−294421号公報 特開2007−80604号公報 特開2014−206684号公報 特開2015−57666号公報
本発明者は、偏光板と位相差フィルムとを、粘着層を介して貼り合わせて加熱する際に、位相差フィルムのリタデーションが変化する場合があるとの知見を得た。位相差フィルムのリタデーションが設計値から変化すると、十分な外光反射抑制効果を発揮できないという問題があった。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであり、リタデーションの変化が抑制された位相差フィルム、当該位相差フィルムを好適に形成可能な位相差層転写シート、当該位相差フィルムを用いた反射防止フィルム、及び有機発光表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る位相差フィルムは、透明基材の一面側に位相差層を有する位相差フィルムであって、
前記位相差層が、オキシムエステル系光開始剤、ヒドロキシアセトフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤より選択される1種以上と、重合性液晶化合物とを含有する、位相差層用組成物の硬化物であることを特徴とする。
本発明に係る位相差層転写シートは、離型性支持体の一面側に転写用位相差層を有する位相差層転写シートであって、
前記転写用位相差層が、オキシムエステル系光開始剤、ヒドロキシアセトフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤より選択される1種以上と、重合性液晶化合物とを含有する、位相差層用組成物の硬化物であることを特徴とする。
本発明の位相差フィルム、及び本発明の位相差層転写シートにおいては、前記位相差層用組成物が、更に、重合性基を有するフッ素系界面活性剤及び重合性基を有するシリコン系界面活性剤より選択される1種以上を含有することが、よりリタデーションの変化が抑制される点から好ましい。
本発明に係る反射防止フィルムは、前記本発明に係る位相差フィルムの位相差層側に、偏光板を有することを特徴とする。
また、本発明に係る有機発光表示装置は、前記本発明に係る位相差フィルムの位相差層側に、偏光板を有し、前記位相差フィルムの位相差層とは反対側に、透明電極層と、発光層と、電極層とをこの順に有することを特徴とする。
本発明によれば、リタデーションの変化が抑制された位相差フィルム、当該位相差フィルムを好適に形成可能な位相差層転写シート、当該位相差フィルムを用いた反射防止フィルム、及び有機発光表示装置を提供することができる。
本発明に係る位相差フィルムの一例を示す模式断面図である。 本発明に係る位相差フィルムの別の一例を示す模式断面図である。 本発明に係る位相差層転写シートの一例を示す模式断面図である。 本発明に係る反射防止フィルムの一例を示す模式断面図である。 本発明に係る有機発光表示装置の一例を示す模式断面図である。
以下、本発明の位相差フィルム、位相差層転写シート、反射防止フィルム、及び有機発光表示装置ついて、順に詳細に説明する。
なお、本発明において光軸とは、遅相軸を意味する。
本発明において配向規制力とは、位相差層中の液晶化合物を特定方向に配列させる相互作用を意味する。
また、本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表す。
また、本明細書において「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではなく、「フィルム面(板面、シート面)」とは、対象となるフィルム状(板状、シート状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるフィルム状部材(板状部材、シート状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
[位相差フィルム]
本発明に係る位相差フィルムは、透明基材の一面側に位相差層を有する位相差フィルムであって、
前記位相差層が、オキシムエステル系光開始剤、ヒドロキシアセトフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤より選択される1種以上と、重合性液晶化合物とを含有する、位相差層用組成物の硬化物であることを特徴とする。
本発明の位相差フィルムについて、図を参照して説明する。図1は、本発明に係る位相差フィルムの一例を示す模式断面図である。また、図2は、本発明に係る位相差フィルムの別の一例を示す模式断面図である。
図1の位相差フィルム10の例では、透明基材1の一面側に直接位相差層2が形成されている。また、図2の位相差フィルム10の例では、透明基材1の一面側に、配向層3を介して位相差層2が形成されている。
図1の位相差フィルム10は、透明基材1の位相差層2側表面に、配向規制力を発現する微細凹凸形状を形成し、当該表面に、後述する位相差層用組成物の塗膜を形成し、硬化することにより位相差層2を形成して製造されたものであってもよく、また、透明基材1上に後述する位相差層転写シートの転写用位相差層を転写することによって製造されたものであってもよい。
本発明の位相差フィルムは、当該位相差フィルムの表面に粘着層を付して加熱した場合であってもリタデーションの変化が抑制される。
上記本発明の位相差フィルムがこのような効果を奏する作用については未解明な部分もあるが下記のように推察される。
位相差フィルムは一般に、透明基材の一面側に、配向層と、位相差層とがこの順に積層している。位相差層は一般に液晶化合物を含有しており、前記配向層との分子間相互作用により、位相差層内の液晶化合物が予め設計された特定の方向に配列する。その結果、位相差層は、設計されたリタデーションを発現する。
本発明者は、このような位相差フィルムの位相差層側表面に、粘着剤層を設けて加熱すると、位相差層のリタデーションが変化するとの知見を得た。これは、位相差層内の液晶化合物が配向層とのみならず、粘着層とも分子間相互作用することが原因と推察された。
本発明の位相差フィルムは、光開始剤として、オキシムエステル系光開始剤、ヒドロキシアセトフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤より選択される1種以上を選択して用い、重合性液晶化合物とを組み合わせて位相差層用組成物として用いることにより、当該位相差層用組成物の重合性液晶化合物同士の架橋反応がより促進しやすいものと推定される。そのため、位相差層上に粘着剤層を設けた場合であっても、位相差層中の液晶化合物との間の相互作用は小さくなり、リタデーションの低減が抑制されるものと推定される。
本発明の位相差フィルムは、少なくとも透明基材と、位相差層とを有するものであり、必要に応じて他の構成を有していてもよいものである。
以下、本発明の位相差フィルムの各構成について順に説明する。
<透明基材>
本発明に用いられる透明基材は、位相差層を支持する機能を有するものである。
上記透明基材は、位相差フィルムに用いられる公知の透明基材を適宜選択して用いることができ、通常、所定の透明性を有透明樹脂基材が用いられる。透明樹脂基材としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を用いて形成されたものを挙げることができる。
上記透明樹脂基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、ロールトゥロール方式で位相差層を形成する場合には、透明基材は、ロール状に巻き取ることができる可撓性を有するフレキシブル材であることが好ましい。
このようなフレキシブル材としては、セルロース誘導体、ノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類などを例示することができる。なかでも本発明においてはセルロース誘導体を用いることが好ましい。セルロース誘導体は特に光学的等方性に優れるため、光学的特性に優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記セルロース誘導体のなかでも、セルロースエステルを用いることが好ましく、さらに、セルロースエステル類のなかでも、セルロースアシレート類を用いることが好ましい。セルロースアシレート類は工業的に広く用いられていることから、入手容易性の点において有利だからである。
上記セルロースアシレート類としては、炭素数2〜4の低級脂肪酸エステルが好ましい。低級脂肪酸エステルとしては、例えばセルロースアセテートのように、単一の低級脂肪酸エステルのみを含むものでもよく、また、例えばセルロースアセテートブチレートやセルロースアセテートプロピオネートのような複数の脂肪酸エステルを含むものであってもよい。
本発明においては、上記低級脂肪酸エステルのなかでもセルロースアセテートを特に好適に用いることができる。セルロースアセテートとしては、平均酢化度が57.5%〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のトリアセチルセルロースを用いることが最も好ましい。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算により求めることができる。なお、トリアセチルセルロースフィルムを構成するトリアセチルセルロースの酢化度は、フィルム中に含まれる可塑剤等の不純物を除去した後、上記の方法により求めることができる。
本発明に用いられる透明基材の厚みは、得られる位相差フィルムの用途等に応じて、必要な自己支持性を付与できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、25μm〜125μmの範囲内が好ましく、なかでも40μm〜100μmの範囲内が好ましく、特に60μm〜80μmの範囲内であることが好ましい。透明基材の厚みが上記の範囲よりも薄いと、十分な自己支持性を付与できない場合があるからである。また、厚みが上記の範囲よりも厚いと、例えば、長尺状の位相差フィルムを形成した後、裁断加工し、枚葉の位相差フィルムとする際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまう場合があるからである。
本発明に用いられる透明基材の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
例えば、本発明の配向層は紫外性硬化性樹脂を含有するものである場合、透明基材と当該紫外線硬化性樹脂の接着性を向上させるためのプライマー層を透明基材上に形成してもよい。このプライマー層は、透明基材および紫外線硬化性樹脂との双方に接着性を有し、可視光学的に透明であり、紫外線を通過させるものであればよく、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系、ウレタン系のもの等を適宜選択して使用することができる。
<位相差層>
本発明における位相差層は、オキシムエステル系光開始剤、ヒドロキシアセトフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤より選択される1種以上と、重合性液晶化合物とを含有する位相差層用組成物の硬化物であることを特徴とする。オキシムエステル系光開始剤、ヒドロキシアセトフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤は、紫外線照射時における硬化性に優れているため、これらの光開始剤より選択される1種以上の光開始剤を選択して用いることにより、重合性液晶化合物同士の架橋が促進されて、リタデーションの変化が抑制された位相差フィルムを得ることができる。
本発明において上記位相差層用組成物は、少なくとも、光開始剤と、重合性液晶化合物を含有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を含有してもよいものである。以下、位相差層用組成物の各成分について説明する。
1.光開始剤
本発明においては、光開始剤として、オキシムエステル系光開始剤、ヒドロキシアセトフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤より選択される1種以上を用いる。上記特定の光開始剤を用いることにより、その後の加工においてもリタデーションの変化が抑制された位相差フィルムを得ることができる。
オキシムエステル系光開始剤の具体例としては、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられ、IRGACURE OXE01、IRGACURE OXE02(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
ヒドロキシアセトフェノン系光開始剤の具体例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられ、IRGACURE127、IRGACURE2959、IRGACURE184(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
また、アシルフォスフィンオキサイド系光開始剤の具体例としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられ、LUCIRIN TPO、IRGACURE819(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
本発明において光開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のおいて、光開始剤の含有量は、位相差層用組成物中の固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、2〜15質量部であることがより好ましい。なお、本発明において固形分とは、溶媒以外の全ての成分をいい、例えば、常温で液状のモノマー等も固形分として取り扱うものとする。
2.重合性液晶化合物
本発明において重合性液晶化合物は、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。例えば、重合性基を有する、ネマチック液晶性化合物、コレステリック液晶性化合物、カイラルネマチック液晶性化合物、スメクチック液晶性化合物、ディスコチック液晶性化合物を挙げることができる。重合性液晶化合物が有する重合性基としては、活性エネルギー線の照射により硬化性を示すエチレン性二重結合であることが好ましく、具体的には、ビニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基等が挙げられる。本発明においては重合性液晶化合物を用いるため位相差フィルムの安定性が向上する。
本発明においては、位相差ムラや光軸ずれのない位相差層を形成しやすい点から、相転移温度が40〜115℃の液晶性化合物を用いることが好ましく、60〜100℃の液晶性化合物を用いることがより好ましい。なお本発明において液晶性化合物の相転移温度とは、液晶化合物が光学的異方性有するいわゆる液晶相から光学的異方性を有しない等方相へ変化する温度をいう。
本発明に用いられる液晶性化合物の具体例としては、下記式(1)〜(17)で表される化合物を例示することができる。
なお、本発明において上記液晶性化合物は、1種単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
位相差層用組成物中の重合性液晶化合物の含有割合は、位相差層用組成物中の固形分100質量部に対して、60〜99.9質量部であることが好ましく、65〜98質量部であることがより好ましい。
本発明において位相差層用組成物は、更に、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を用いることにより、よりリタデーションの変化を抑制することができる。本発明においては、界面活性剤の中でも、重合性基を有するフッ素系界面活性剤及び重合性基を有するシリコン系界面活性剤より選択される1種以上を選択して用いることが好ましい。当該重合性基を有する界面活性剤を含有する位相差層用組成物を用いると、当該位相差層用組成物の塗膜中で、空気界面側に前記界面活性剤が移動し、当該界面付近に配列されているものと推定される。そのため、当該塗膜を硬化させると、位相差層の空気界面側に重合した界面活性剤が配置されるものと推定される。その結果、位相差層上に粘着剤層を設けた場合であっても、粘着剤層と位相差層中の液晶化合物との間の相互作用は小さくなり、リタデーションの低減がより抑制されるからである。
本発明において重合性基を有するフッ素系界面活性剤としては、従来公知のものの中から適宜選択することができる。
重合性基としては、活性エネルギー線の照射により硬化性を示すエチレン性二重結合であることが好ましく、具体的には、ビニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基等が挙げられる。
また、本発明において前記重合性基を有するフッ素系界面活性剤は、下記部分構造式(1)〜(3)より選択される1種以上を含む化合物であることが好ましい。フッ素系界面活性剤が末端に下記部分構造式(1)〜(3)より選択される1種以上を含むことにより、空気界面側に当該末端が整列し、粘着層と液晶化合物との接触を抑制し、リタデーションの変化が抑制された位相差フィルムを得ることができる。
本発明において重合性基を有するフッ素系界面活性剤は、中でも、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
−O−X−Y−(AO)−C(=O)−C(R)=CH (4)
(一般式(4)中、Xは単結合、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価のアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価のアリーレン基を示し、Yは単結合、エステル結合、アミド結合、スルホン酸エステル結合、スルホンアミド結合、エーテル結合を示し、RはH又はCHを示し、AOは炭素数2〜4の2価のアルキレンオキサイドを示し、−(AO)−で表される基は、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの1種又は2種以上の重合体を示し、nは2〜20を示し、Rは前記部分構造式(1)〜(3)で表される基である。)
Xにおいて、「置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価のアルキレン基」のアルキレン基としては、直鎖、分岐鎖又は環状いずれであってもよい。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基等が挙げられる。該アルキレン基の炭素数は1〜4が好ましい。また、これらのアルキレン基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができ、具体的には、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等が挙げられる。
Xにおいて、「置換基を有していてもよい2価のアリーレン基」のアリーレン基としては、フェニレン基等が挙げられる。また、該アリーレン基は置換基を有していてもよく、置換基としては、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができ、具体的には、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等が挙げられる。
また、一般式(4)において、Yは単結合、エステル結合(−C(=O)O−又は−OC(=O)−)、アミド結合(−C(=O)NH−又は−NHC(=O)−)、スルホン酸エステル結合、スルホンアミド結合、スルフィド結合、エーテル結合を示す。ただし、Xが単結合の場合は、YはXと一緒になって単結合となる。即ち、Xが単結合の場合は、−X−Y−は単結合となる。特に好ましいYは単結合又はエステル結合である。
一般式(4)において、AOは炭素数2〜4の2価のアルキレンオキサイドを示す。式:−(AO)n−で表される基は炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの1種又は2種以上の重合体を示す。nは平均付加モル数を示し、n=2〜20を示す。n=4〜15が好ましい。−(AO)n−が炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの2種以上の重合体の場合は、ブロック状に重合していてもランダム状に重合していてもよい。
また、本発明において、重合性基を有するシリコーン系界面活性剤として、従来公知のものの中から適宜選択することができる。重合性基としては、活性エネルギー線の照射により硬化性を示すエチレン性二重結合であることが好ましく、具体的には、ビニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基等が挙げられる。重合性基を有するシリコン系界面活性剤としては、メタクリル変性のシリコン系界面活性剤、アクリル変性のシリコン系界面活性剤が挙げられる。
本発明において、位相差層用組成物中の重合性基を有するフッ素系界面活性剤及び重合性基を有するシリコン系界面活性剤より選択される1種以上の含有割合は、固形分100質量部中、0.1質量部〜1.0質量部が好ましく、0.2質量部〜0.6質量部であることがより好ましい。
また、位相差層形成用組成物は、通常、溶媒を含有する。位相差層形成用組成物に用いられる溶媒は、位相差層形成組成物に用いられる各成分とは反応せず、当該各成分を溶解乃至分散できる溶媒の中から適宜選択して用いることができる。具体的には、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶媒等が挙げられるが、これらに限られるものではない。なお溶媒は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上の溶媒の混合溶媒としてもよい。
<配向層>
本発明の位相差フィルムは、必要に応じて、透明基材と位相差層との間に配向層を有していてもよい。配向層は、位相差層に含まれる液晶性化合物一定方向に配列させるための層である。
配向層の形成方法は特に限定されないが、例えば、前記透明基材上に、後述する配向層形成用組成物を塗布し、配向規制力を付与することにより配向層とすることができる。
配向層に配向規制力を付与する手段は、従来公知のものとすることができ、例えば、ラビング法、光配向法、賦形法などが挙げられる。
配向層形成用組成物は、従来公知のものから適宜選択して用いることができる。当該配向層形成用インキの組成は、特に限定されず、配向規制力を付与する手段との組み合わせにより適宜選択される。
配向層を光配向法により形成する場合、配向層形成用組成物として、偏光を照射することにより配向規制力を発現する光配向性材料を含有する光配向性組成物が用いられる。当該光配向性材料としては、光二量化型材料であっても、光異性化型材料であってもよい。具体的には、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、または、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等が挙げられ、中でも、シンナメート及びクマリンのうち少なくとも一方を有するポリマー、並びにこれらの誘導体が好ましく用いられる。このような光二量化型材料の具体例として、例えば、特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報、および、WO2010/150748号公報に記載された化合物を挙げることができる。
光配向性組成物は、必要に応じて光配向性材料以外の化合物を含むものであっても良い。このような化合物としては、配向層の配向規制力を大きく損なわないものであればよく、例えば、重合性基を有するモノマー又はオリゴマー(以下単に、重合性モノマー、重合性オリゴマーという場合がある。)が好適に用いられる。
本発明に用いられる上記重合性モノマー又は重合性オリゴマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート基を1つ有する単官能モノマー(例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン)及び(メタ)アクリレート基を2つ以上有する多官能モノマー(例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリエチレン(ポリプロピレン)グリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ポリ(メタ)アクリレート(例えば、イソシアヌル酸EOジアクリレート等))や、ビスフェノールフルオレン誘導体(例えば、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジエポキシ(メタ)アクリレート)等が挙げられ、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、配向層を特開2012−242512号公報等に記載の賦型法により形成する場合、配向層形成用組成物は、所望の微細凹凸形状を賦型可能なものの中から適宜選択して用いればよく、例えば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等を含有する賦型用組成物を用いることができる。中でも、配向層の形成が容易である点から紫外線硬化性樹脂が用いられることが好ましい。紫外線硬化性樹脂の具体例としては、例えば、上記重合性モノマー、重合性オリゴマーの他、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアクリレート等が挙げられ、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
配向層の厚さは、位相差層における液晶性化合物を一定方向に配列できればよく、適宜設定すればよい。配向層の厚さは、通常、1nm〜1000nmの範囲内であり、60nm〜300nmの範囲内が好ましい。
<位相差フィルムの製造方法>
本発明の位相差フィルムを製造する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、透明基材上に、配向層と位相差層とを順次積層することにより位相差フィルムを製造することができる。
また、後述する位相差層転写シートを用い、透明基材上に、当該位相差層転写シートが有する転写用位相差層を転写することにより位相差フィルムとすることもできる。
透明基材上に、配向層と位相差層とを順次積層する場合、上記透明フィルム基材上に配向層を形成する方法としては、例えば、透明フィルム基材上に上述した構成材料を含有する配向層用組成物を塗布し、乾燥することによって配向層用組成物からなる塗膜を形成し、賦型工程を経て、当該塗膜の表面に微細凹凸形状を形成する方法等を挙げることができる。
配向層用組成物を塗布方法は、所望の厚みの配向層を精度良く塗布できる方法であればよく、適宜選択すればよい。例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法などが挙げられる。
上記賦型工程は、所望の微細凹凸形状が形成された金型上に、配向層用組成物からなる塗膜を接触させた後、加圧し、当該塗膜に金型表面の微細凹凸形状を賦型する工程である。
賦型する方法としては、上記配向層用組成物に上記金型の表面形状を精度よく賦型できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、(1)金型上に上記配向層用硬化性樹脂組成物を塗工し、上記配向層用組成物を形成する充填処理と、上記配向層形成用層上に透明基材を配置する配置処理と、を行った後に、加圧し、紫外線を照射して硬化する方法、(2)透明基材上に上記配向層用組成物を塗工し塗膜を形成した後、当該塗膜を、前記金型上に接触させる接触処理とを行った後に加圧し、紫外線を照射して硬化する方法、(3)前記金型上に上記配向層用組成物を塗工し塗膜を形成した後、加圧し、紫外線を照射して硬化することにより、配向層を形成した後、透明基材に貼り合せる方法などが挙げられる。これらの方法であれば、上記配向層を精度よく安定的に形成することができる。
次いで、上記の方法により得られた配向層上に、位相差層用組成物を塗工し、硬化処理を行って位相差層を形成する。
位相差層形成用組成物の塗布方法は、所望の厚みの位相差層を精度良く塗布できる方法であればよく、前記配向層用硬化性組成物の塗布方法と同様のものとすることができる。
[位相差層転写シート]
本発明に係る位相差層転写シートは、離型性支持体上に、転写用位相差層を有する、位相差層転写シートであって、
前記転写用位相差層が、オキシムエステル系光開始剤、ヒドロキシアセトフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤より選択される1種以上と、重合性液晶化合物とを含有する、位相差層用組成物の硬化物であることを特徴とする。
本発明の位相層転写シートを、図を参照して説明する。図3は、本発明に係る位相差層転写シートの一例を示す模式断面図である。
図3の位相層転写シート20は、離型性支持体5の一面側に、転写用位相差層6が形成されている。図5の位相層転写シート20は、離型性支持体5の転写用位相差層6側表面に、配向規制力を発現する微細凹凸形状を形成し、当該表面に、後述する位相差層用組成物の塗膜を形成し、硬化することにより転写用位相差層6を形成して製造されたものであってもよく、また、図示はしないが、離型性支持体5と転写用位相差層6との間に、配向層を有していてもよい。
本発明の位相差層転写シートは、上記転写用位相差層を、上記離型性支持体から他の任意の基材上に転写することによって、上記任意の基材上に位相差層を形成するために用いられるものであり、当該本発明の位相差層転写シートによれば、リタデーションの変化が抑制された位相差フィルムを転写により容易に製造することができる。
本発明の位相差層転写シートは、少なくとも、離型性支持体と、転写用位相差層を有するものであり、通常、転写用位相差層中の重合性液晶化合物を特定方向に配向するための配向層を有するものである。また、本発明の位相差層転写シートは、本発明の効果を損なわない範囲で更に他の層を有していてもよい。以下、このような位相差層用転写シートについて説明するが、配向層としては前記位相差フィルムの配向層と同様のものとすることができ、また、転写用位相差層は、前記位相差フィルムにおける位相差層と同様のものとすることができるため、ここでの説明は省略する。
(離型性支持体)
本発明に用いられる離型性支持体としては、上記転写用位相差層を支持することが可能な程度の自己支持性を備え、かつ、表面が上記転写用位相差層に対して剥離可能な程度の接着力を有するものであれば特に限定されるものではなく、通常の転写シートの分野で用いられている任意の支持体を用いることができる。本発明に用いられる離型性支持体の構成としては、例えば、以下に例示するような材料から成るシートが用いられる。これらは、使用する転写用位相差層との間で適当な接着力(剥離力)を持つものを選択する。なお、シート自体では転写用位相差層との接着性が強過ぎて剥離不能の場合は、該シートの表面に公知の各種離型性処理を施してもよい。また、シート自体では転写用位相差層との接着性が弱過ぎて転写用位相差層の形成が困難であったり、或いは転写前に剥離して不都合の場合は、該シートの表面にコロナ放電処理、プラズマ処理等の公知の易接着処理を施しても良い。
剥離性支持体の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ナイロン等のポリアミド等からなるシートが挙げられ、透明であっても不透明であってもよい。
本発明に用いられる離型性支持体の厚みは、充分な自己支持強度と、本発明の位相差層転写シートの製造および転写工程に適応出来るだけの可撓性との兼合いから、通常、上記材料のシートの場合、20μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の位相差層転写シートは、例えば、前記位相差フィルムの製造方法における、透明基材上に、配向層と位相差層とを順次積層する方法と同様の方法により製造することができる。
[反射防止フィルム]
本発明の反射防止フィルムは、前記本発明の位相差フィルムの位相差層側に、偏光板を有することを特徴とする。前記本発明の位相差フィルムを用いることにより、偏光板を貼り合わせた場合であっても、リタデーションの変化が抑制され、高品質の反射防止フィルムを得ることができる。
本発明の位相層転写シートを、図を参照して説明する。図4は、本発明に係る反射防止フィルムの一例を示す模式断面図である。
図4の反射防止フィルム30の例では、前記本発明に係る位相差フィルム10の位相差層2側表面に、粘着層(接着層)7を介して偏光板8が配置されている。本発明の反射防止フィルムは、前記本発明の位相差フィルムを用いているため、位相差層側表面に粘着層を形成し、更に、加熱をした場合であっても、当該位相差層のリタデーション変化が抑制される。
本発明において偏光板は、特定方向に振動する光のみを通過させる板状隊ものであり、従来公知の偏光板の中から適宜選択して用いることができる。例えば、沃素又は染料により染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を用いることができる。
また、本発明において粘着層(接着層)用の粘着剤又は接着剤としては、従来公知のものの中から適宜選択すればよく、感圧接着剤(粘着剤)、2液硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱溶融型接着剤等、いずれの接着形態のもの好適に用いることができる。
[有機発光表装置]
本発明に係る有機発光表示装置は、前記本発明の位相差フィルムの位相差層側に、偏光板を有し、前記位相差フィルムの位相差層とは反対側に、透明電極層と、発光層と、電極層とをこの順に有することを特徴とする。本発明の有機発光表示装置は、このような層構成とすることにより、外光反射が抑制された有機発光表示装置となる。
本発明の有機発光表示装置を、図を参照して説明する。図5は、本発明に係る有機発光表示装置の一例を示す模式断面図である。
図5の有機発光表示装置100の例では、前記本発明に係る位相差フィルム10の位相差層2側表面に、粘着層(接着層)7を介して偏光板8が配置され、反対側の面には、透明電極層31と、発光層32と、電極層33とをこの順に有している。
発光層32としては、例えば、透明電極層31側から順に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層の順に積層する構成等が挙げられる。本発明において、透明電極層、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、電極層、及びその他の構成は、公知のものを適宜用いることができる。このようにして作製された有機発光表示装置は、例えば、パッシブ駆動方式の有機ELディスプレイにもアクティブ駆動方式の有機ELディスプレイにも適用可能である。
なお、本発明の有機発光表示装置は、上記構成に限定されるものではなく公知の構成とすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1:位相差層転写シートの製造]
ポリシンナメート系化合物を含有する配向膜形成用組成物(固形分4%、プロピレングリコールモノメチルエーテル希釈)を、PETフィルム(東洋紡製100μm厚み:離型性支持体)に塗布して、塗膜を形成した。得られた塗膜を120℃で1分間乾燥して、偏光露光20mJ/cm(310nm)照射を行い、膜厚が200nmの配向膜形成用層を形成した。
次いで、シクロヘキサノンに固形分20%で溶解した下記化学式で表される液晶性材料溶液に光重合開始剤(BASF株式会社製イルガキュア184)5質量%と、前記一般式(4)で表される化合物0.4質量%を加えた溶液を、上記配向層上にダイコーターで乾燥硬化時の膜厚が2μmになるように塗布して塗布膜を得た。
次いで、当該塗布膜に、紫外線を照射して塗布膜を硬化し、位相差層転写シート1を得た。
[実施例2:位相差フィルムの製造方法]
実施例1において、PETフィルムの代わりに、TACフィルム(富士フイルム社製、FujiTAC、膜厚60μm:透明基材)を用いた以外は、実施例1と同様にして位相差フィルム2を得た。
[評価]
実施例1の位相差層転写シートについては、15μm厚の粘着材でガラス板(1.1mm厚)に位相差層を転写して位相差フィルムとした。当該実施例1の位相差フィルムと、実施例2の位相差フィルムをそれぞれ85℃で40時間加熱し、リタデーションの変化を調べた結果、実施例1及び2の位相差フィルムは、リタデーション変化が4.7nmであり、従来の位相差フィルムよりもリタデーション変化が抑制されることが明らかとなった。
1 透明基材
2 位相差層
3 配向層
5 離型性支持体
6 転写用位相差層
7 粘着層
8 偏光板
10 位相差フィルム
20 位相差層転写シート
30 反射防止フィルム
31 透明電極層
32 発光層
33 電極層
100 有機発光表示装置

Claims (6)

  1. 透明基材の一面側に位相差層を有する位相差フィルムであって、
    前記位相差層が、オキシムエステル系光開始剤、ヒドロキシアセトフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤より選択される1種以上と、重合性液晶化合物とを含有する、位相差層用組成物の硬化物であることを特徴とする、位相差フィルム。
  2. 前記位相差層用組成物が、更に、重合性基を有するフッ素系界面活性剤及び重合性基を有するシリコン系界面活性剤より選択される1種以上を含有する、請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 離型性支持体の一面側に転写用位相差層を有する位相差層転写シートであって、
    前記転写用位相差層が、オキシムエステル系光開始剤、ヒドロキシアセトフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤より選択される1種以上と、重合性液晶化合物とを含有する、位相差層用組成物の硬化物であることを特徴とする、位相差層転写シート。
  4. 前記位相差層用組成物が、更に、重合性基を有するフッ素系界面活性剤及び重合性基を有するシリコン系界面活性剤より選択される1種以上を含有する、請求項3に記載の位相差層転写シート。
  5. 請求項1又は2に記載の位相差フィルムの位相差層側に、偏光板を有する、反射防止フィルム。
  6. 請求項1又は2に記載の位相差フィルムの位相差層側に、偏光板を有し、前記位相差フィルムの位相差層とは反対側に、透明電極層と、発光層と、電極層とをこの順に有する、有機発光表示装置。
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