JP2017111170A - 波長変換素子、光源装置およびプロジェクター - Google Patents
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Abstract
【課題】蛍光の光射出領域の拡大を低減した波長変換素子を提供する。また、上述のような波長変換素子を有する光源装置およびプロジェクターを提供する。【解決手段】蛍光材料と、複数の気孔と、蛍光光が射出される光射出面と、を有する蛍光体層を備え、蛍光体層は、光射出面の面法線方向から見たとき互いに隣接した、第1の領域と第2の領域とを有し、第1の領域は、少なくとも蛍光材料を含み、第2の領域における気孔密度は、第1の領域における気孔密度よりも高い波長変換素子。【選択図】図2
Description
本発明は、波長変換素子、光源装置およびプロジェクターに関するものである。
近年、レーザー光源を用いたプロジェクターが提案されている。レーザー光源は、放電発光管等を用いたランプ光源に比べて色再現性に優れること、瞬時点灯が容易であること、長寿命であること等の長所を有している。
このようなレーザー光源を用いた光源装置として、レーザー光を蛍光体に照射して得られる蛍光を照明光として利用する光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような光源装置によれば、励起光と蛍光とを時間積分することにより混色することで、白色光を得ることが可能である。
上記特許文献1における蛍光体は、シリコーン樹脂等の樹脂材料をバインダーとして用い、バインダー中に蛍光体粒子が分散したものが用いられている。
しかし、樹脂材料の耐熱性は、無機材料と比べると低い。そのため、励起光として高強度のレーザー光が照射されると、バインダーは、熱によって劣化する。
そこで、無機蛍光体を有する回転蛍光体(波長変換素子)や、このような回転蛍光体を有する光源装置が検討されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の回転蛍光体では、基板の形成材料として金属や、セラミックス表面に金属膜が設けられたものが挙げられ、蛍光体として低融点ガラス中に蛍光体粉末が分散したものが挙げられている。このような回転蛍光体では、光反射性の基板に凹部を設け、当該凹部に蛍光体を埋設することで、蛍光体で生成された光を凹部の底面および側壁で反射させ、光射出面から射出する構成となっている。
一般に、プロジェクターにおいては、光源から射出された光を効率よく後段の光学系に入射させるためには、光が射出される領域、つまり光射出領域の面積が小さいことが望まれる。しかし、蛍光体で生成された蛍光は蛍光体の内部を等方的に進行するため、光射出領域は励起光が入射した入射領域よりも大きくなってしまう。
そのため、蛍光体を有する波長変換素子において、励起光の入射領域よりも光射出領域が拡大することが低減された波長変換素子が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、蛍光の光射出領域の拡大が低減された波長変換素子を提供することを目的とする。また、本発明は、上述のような波長変換素子を有する光源装置およびプロジェクターを提供することをあわせて目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、蛍光材料と、複数の気孔と、蛍光光が射出される光射出面と、を有する蛍光体層を備え、前記蛍光体層は、前記光射出面の面法線方向から見たとき互いに隣接した、第1の領域と第2の領域とを有し、前記第1の領域は、少なくとも前記蛍光材料を含み、前記第2の領域における気孔密度は、前記第1の領域における気孔密度よりも高い波長変換素子を提供する。
この構成によれば、第1の領域で生成された蛍光は、第1の領域よりも第2の領域において強く散乱される。そのため、第2の領域の設けられた側において光射出領域の拡大が低減されている。
この構成によれば、第1の領域で生成された蛍光は、第1の領域よりも第2の領域において強く散乱される。そのため、第2の領域の設けられた側において光射出領域の拡大が低減されている。
本発明の一態様によれば、前記蛍光体層は、セラミックス材料の焼結体からなり、前記蛍光体層の前記第1の領域における線膨張係数と前記蛍光体層の前記第2の領域における線膨張係数との差は、1.0×10−6/k以下である構成としてもよい。
この構成によれば、蛍光体層の温度が過度に上昇したとしても、線膨張係数の違いによる熱応力で蛍光体層が破損してしまうことを低減できる。
この構成によれば、蛍光体層の温度が過度に上昇したとしても、線膨張係数の違いによる熱応力で蛍光体層が破損してしまうことを低減できる。
本発明の一態様によれば、前記第1の領域の母材は前記第2の領域の母材と同じである構成としてもよい。
この構成によれば、第1の領域における線膨張係数と第2の領域における線膨張係数との差を極めて小さくすることができるため、蛍光体層の温度が過度に上昇したとしても熱応力で蛍光体層が破損してしまうことを好適に低減できる。
この構成によれば、第1の領域における線膨張係数と第2の領域における線膨張係数との差を極めて小さくすることができるため、蛍光体層の温度が過度に上昇したとしても熱応力で蛍光体層が破損してしまうことを好適に低減できる。
本発明の一態様によれば、前記第2の領域は、前記光射出面の面法線方向から見たとき前記第1の領域を囲むように設けられている構成としてもよい。
この構成によれば、光射出領域の拡大が低減されている。
この構成によれば、光射出領域の拡大が低減されている。
本発明の一態様によれば、予め設定された回転軸の周りに回転可能であり、前記蛍光体層をさらに備え、前記蛍光体層は、前記第1の領域と隣接する第3の領域をさらに有し、前記第1の領域は、前記基板において前記回転軸の周りに円環状に設けられ、前記第2の領域は、前記第1の領域の内周側に設けられ、前記第3の領域は、前記第1の領域の外周側に設けられている構成としてもよい。
この構成によれば、基板の内周側及び外周側において光射出領域の拡大が低減されている。また、基板を回転させることで、蛍光体層における励起光の照射位置を基板の周方向に移動させることができる。そのため、励起光による蛍光体層の蓄熱を低減し、熱応力による蛍光体層の破損を低減することができる。
この構成によれば、基板の内周側及び外周側において光射出領域の拡大が低減されている。また、基板を回転させることで、蛍光体層における励起光の照射位置を基板の周方向に移動させることができる。そのため、励起光による蛍光体層の蓄熱を低減し、熱応力による蛍光体層の破損を低減することができる。
本発明の一態様は、上記の波長変換素子と、前記蛍光体層に励起光を照射する光源と、を有する光源装置を提供する。
この構成による光源装置は、上述の波長変換素子を備えているため、狭い光射出領域から光を射出可能である。
この構成による光源装置は、上述の波長変換素子を備えているため、狭い光射出領域から光を射出可能である。
本発明の一態様は、上記の光源装置と、画像情報に応じて前記光源装置からの光を変調し画像光を形成する光変調装置と、前記画像光を投写する投写光学系と、を有するプロジェクターを提供する。
この構成によるプロジェクターは、上述の光源装置を備えているため、光源装置から射出された光を効率良く利用できる。
この構成によるプロジェクターは、上述の光源装置を備えているため、光源装置から射出された光を効率良く利用できる。
<波長変換素子、光源装置およびプロジェクター>
以下、図1〜図7を参照しながら、本実施形態に係る波長変換素子、光源装置およびプロジェクターについて説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
以下、図1〜図7を参照しながら、本実施形態に係る波長変換素子、光源装置およびプロジェクターについて説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1000を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態のプロジェクター1000は、光源装置100、色分離導光光学系200、液晶光変調装置400R,液晶光変調装置400G,液晶光変調装置400B、クロスダイクロイックプリズム500及び投写光学系600を備える。
光源装置100は、光源10、集光光学系20、波長変換素子30、モーター50、コリメート光学系60、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130、偏光変換素子140及び重畳レンズ150を備える。
光源10は、励起光としてレーザー光からなる青色光B(発光強度のピーク:約445nm)を射出するレーザー光源からなる。光源10は、1つのレーザー光源からなるものであってもよいし、多数のレーザー光源からなるものであってもよい。また、445nm以外の波長(例えば、460nm)の青色光を射出するレーザー光源を用いることもできる。
集光光学系20は、第1レンズ22及び第2レンズ24を備える。集光光学系20は、光源10から波長変換素子30までの光路中に配置され、青色光Bを略集光した状態で蛍光体層42(後述)に入射させる。第1レンズ22及び第2レンズ24は、凸レンズからなる。
波長変換素子30は、平面視円形の基板40(後述)と、基板40の一面において基板40の周方向に沿って設けられた蛍光体層42と、を有している。波長変換素子30は、基板40の中心に接続されたモーター50により回転可能である。波長変換素子30は、青色光Bが入射する側とは反対の側に向けて赤色光R及び緑色光Gを射出する。波長変換素子30については、後に詳述する。
コリメート光学系60は、第1レンズ62と第2レンズ64とを備え、波長変換素子30からの光を略平行化する。第1レンズ62及び第2レンズ64は、凸レンズからなる。
第1レンズアレイ120は、コリメート光学系60からの光を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ122を有する。複数の第1小レンズ122は、光源光軸100axと直交する面内にマトリクス状に配列されている。
第2レンズアレイ130は、第1レンズアレイ120の複数の第1小レンズ122に対応する複数の第2小レンズ132を有する。第2レンズアレイ130は、重畳レンズ150とともに、第1レンズアレイ120の各第1小レンズ122の像を液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bの画像形成領域の近傍に結像させる。複数の第2小レンズ132は光源光軸100axに直交する面内にマトリクス状に配列されている。
偏光変換素子140は、第1レンズアレイ120により分割された各部分光束を、直線偏光に変換する。
偏光変換素子140は、波長変換素子30からの光に含まれる偏光成分のうち一方の直線偏光成分をそのまま透過させるとともに、他方の直線偏光成分を光源光軸100axに垂直な方向に反射する偏光分離層と、偏光分離層で反射された他方の直線偏光成分を光源光軸100axに平行な方向に反射する反射層と、反射層で反射された他方の直線偏光成分を一方の直線偏光成分に変換する位相差板とを有している。
重畳レンズ150は、偏光変換素子140からの各部分光束を集光して液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bの画像形成領域の近傍に重畳させる。第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130及び重畳レンズ150は、波長変換素子30からの光の面内光強度分布を均一にするインテグレーター光学系を構成する。
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210、ダイクロイックミラー220、反射ミラー230、反射ミラー240、反射ミラー250及びリレーレンズ260、リレーレンズ270を備える。色分離導光光学系200は、光源装置100からの光を赤色光R、緑色光G及び青色光Bに分離し、赤色光R、緑色光G及び青色光Bをそれぞれが対応する液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bに導光する。
色分離導光光学系200と、液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bとの間にはそれぞれ、集光レンズ300R、集光レンズ300G、集光レンズ300Bが配置されている。
色分離導光光学系200と、液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bとの間にはそれぞれ、集光レンズ300R、集光レンズ300G、集光レンズ300Bが配置されている。
ダイクロイックミラー210は、赤色光Rを通過させ、緑色光G及び青色光Bを反射するダイクロイックミラーである。
ダイクロイックミラー220は、緑色光Gを反射して、青色光Bを通過させるダイクロイックミラーである。
ダイクロイックミラー210を通過した赤色光Rは、反射ミラー230で反射され、集光レンズ300Rを通過して赤色光R用の液晶光変調装置400Rの画像形成領域に入射する。
ダイクロイックミラー210で反射された緑色光Gは、ダイクロイックミラー220でさらに反射され、集光レンズ300Gを通過して緑色光G用の液晶光変調装置400Gの画像形成領域に入射する。
ダイクロイックミラー220を通過した青色光Bは、リレーレンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ270、射出側の反射ミラー250、集光レンズ300Bを経て青色光B用の液晶光変調装置400Bの画像形成領域に入射する。
液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bは、入射された色光を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものである。なお、図示を省略したが、集光レンズ300R、集光レンズ300G、集光レンズ300Bと液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bとの間には、それぞれ入射側偏光板が配置され、液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bとクロスダイクロイックプリズム500との間には、それぞれ射出側偏光板が配置される。
クロスダイクロイックプリズム500は、液晶光変調装置400R、液晶光変調装置400G、液晶光変調装置400Bから射出された各画像光を合成してカラー画像を形成する。このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で画像を形成する。
図2は、本実施形態に係る波長変換素子30を示す模式図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)の線分IIb−IIbにおける矢視断面図である。
図2(a)に示すように、波長変換素子30は、平面視円形の基板40と、基板の一面において基板40の周方向に沿って設けられた波長変換部41Aと、を有している。波長変換部41Aは、蛍光体層42と、蛍光体層42の第1の面42aに設けられたダイクロイック膜44と、蛍光体層42の第2の面42bに設けられた反射防止膜46と、を有している。蛍光体層42において、第1の面42aは、励起光が入射する光入射面であり、第2の面42bは、蛍光が射出される光射出面である。
基板40は、青色光を透過する材料からなる。基板40の材料としては、例えば、石英ガラス、水晶、サファイア、光学ガラス、透明樹脂等を用いることができる。
蛍光体層42は、光源10から射出され、基板40側から蛍光体層42に入射する波長が約445nmの青色光によって励起される。蛍光体層42は、光源10からの励起光(青色光)の一部を吸収して、青色光とは異なる波長の光に変換し、かつ、青色光の残りの一部を変換せずに通過させる。本実施形態においては、蛍光体層42は、励起光を黄色光を含む光に変換する。
蛍光体層42は、構成するセラミックス材料の複数の結晶子が焼結した焼結体である。焼結体の結晶粒界を有し、結晶粒界には、気孔425が形成されている。
蛍光体層42は、第2の面42bの面法線方向から見たとき互いに隣接した、第1の領域421と第2の領域422とを有する。さらに、第1の領域421と隣接する第3の領域423を有する。第1の領域421は、基板40において円環状に設けられている。第2の領域422は第1の領域421の内周側に設けられている。第3の領域423は第1の領域421の外周側に設けられている。
第1の領域421は、少なくとも蛍光材料を含む。本実施形態の蛍光体層42においては、蛍光材料として、Ce:Y3Al5O12(以下、Ce:YAG)からなるセラミックス材料を用いた。Ce:YAGは、励起光によって励起され黄色の蛍光を発する黄色蛍光体である。
第1の領域421は蛍光材料とは異なる屈折率を有するセラミックス材料をさらに含んでいてもよい。このようなセラミックス材料としては、例えば、YAlO3(以下、YAP)またはAl2O3からなるものを用いることができる。Al2O3は、Ce:YAGを合成する際に用いる出発物質である。また、YAPは、Ce:YAGを合成する際に生じる副生成物である。
第2の領域422および第3の領域423は、少なくとも気孔425を含む。第2の領域422および第3の領域423の形成材料としては、例えば第1の領域421と同様の形成材料を用いることができる。その際、第2の領域422における線膨張係数と第1の領域421における線膨張係数との差が、1.0×10−6/k以下となるように選択するとよい。さらには、第1の領域421の母材と第2の領域422の母材とが同じセラミックス材料であると好ましい。
なお、本明細書において、ある領域における線膨張係数αを次のように定義する。
当該領域が、第1のセラミックス材料(蛍光材料)からなる第1の結晶子と、第2のセラミックス材料からなる第2の結晶子と、気孔と、からなるとする。また、第1の結晶子と第2の結晶子と気孔の割合を、それぞれX体積%、Y体積%、(100−X−Y)体積%とする。さらに、第1の結晶子と第2の結晶子の線膨張係数をそれぞれαa,αbとする。このとき、線膨張係数αは、下記式(1)で与えられる。
α=(αa×X+αb×Y)/(X+Y) …(1)
当該領域が、第1のセラミックス材料(蛍光材料)からなる第1の結晶子と、第2のセラミックス材料からなる第2の結晶子と、気孔と、からなるとする。また、第1の結晶子と第2の結晶子と気孔の割合を、それぞれX体積%、Y体積%、(100−X−Y)体積%とする。さらに、第1の結晶子と第2の結晶子の線膨張係数をそれぞれαa,αbとする。このとき、線膨張係数αは、下記式(1)で与えられる。
α=(αa×X+αb×Y)/(X+Y) …(1)
また、本明細書において「母材」とは、第1の領域421、第2の領域422それぞれの主要材料のことを指す。例えば、第1の領域421が蛍光材料のみで構成されている場合には、当該蛍光材料が母材に該当する。また、第1の領域421が蛍光材料を含む2種以上のセラミックス材料で構成されている場合には、体積比で最も多い材料が母材に該当する。
また、第3の領域423を構成する形成材料も同様に、第3の領域423における線膨張係数と第1の領域421における線膨張係数との差が、1.0×10−6/k以下となるように選択するとよい。さらには、第1の領域421の母材と第3の領域423の母材とが同じセラミックス材料であると好ましい。
蛍光体層42の形成材料としてこのような形成材料を選択することにより、蛍光体層42の温度が過度に上昇したとしても、線膨張係数の違いによる熱応力で蛍光体層42が破損してしまうことを低減できる。
焼結体の作成時には、結晶粒界に気孔425を形成することができる。本実施形態の波長変換素子が有する蛍光体層42では、第2の領域422における気孔密度は、第1の領域421における気孔密度よりも高い。同様に、第3の領域423における気孔密度は、第1の領域421における気孔密度よりも高い。
なお、本明細書において、蛍光体層のある領域における気孔密度ρとは、蛍光体層の当該領域の体積に対する、当該領域に含まれる複数の気孔の総体積の割合を意味する。当該領域の気孔密度ρは下記のようにして求めることができる。
蛍光体層の当該領域の体積をV0とし、当該領域に含まれる複数の気孔の総体積をV2とする。当該領域の気孔密度ρは式(2)で与えられる。
ρ=V2/V0 …(2)
蛍光体層の当該領域の体積をV0とし、当該領域に含まれる複数の気孔の総体積をV2とする。当該領域の気孔密度ρは式(2)で与えられる。
ρ=V2/V0 …(2)
また、蛍光体層の当該領域の質量をWとすれば、蛍光体層の当該領域の密度ρ1は式(3)によって与えられる。
ρ1=W/V0 …(3)
なお、体積V0と質量Wとは測定可能である。
ρ1=W/V0 …(3)
なお、体積V0と質量Wとは測定可能である。
ここで、X線結晶回折を用いて、当該領域における主相の組成、副相の組成、主相と副相との体積比を求める。X線結晶回折によって得られた結果と、主相の理論密度と副相の理論密度とを用いて、ある領域における蛍光体層自身の理論密度ρ2を求める。
理論密度ρ2は、V0,V2,Wを用いて式(4)で表すことができる。また、式(4)から、体積V2は式(5)のように表される。
ρ2=W/(V0−V2) …(4)
V2=V0−W/ρ2 …(5)
理論密度ρ2は、V0,V2,Wを用いて式(4)で表すことができる。また、式(4)から、体積V2は式(5)のように表される。
ρ2=W/(V0−V2) …(4)
V2=V0−W/ρ2 …(5)
上記式(2)、(3)、(5)から、当該領域の気孔密度ρは、式(6)で表すことができる。すなわち、実測密度ρ1および理論密度ρ2を用いて式(6)に基づいて当該領域の気孔密度ρを求めることができる。
ρ=1−ρ1/ρ2 …(6)
ρ=1−ρ1/ρ2 …(6)
気孔425は、鱗片状であることが好ましい。ここで、本実施形態において「鱗片状」とは、SEM写真における気孔425の形状を矩形で近似した場合、長辺に対する短辺の比が0.3より小さいものを指す。しかし、気孔425は、長辺に対する短辺の比が0.3以上であってもよい。
後述するように、気孔425は蛍光体層42の内部を進行する光を反射や屈折させることにより散乱させる機能を有している。そのため、気孔425が鱗片状であると、球状の気孔と比べて、体積が同じであっても表面積が大きいため、蛍光体層42の内部を進行する光が気孔425に当たりやすく、より散乱しやすくなる。なお、「蛍光体層42の内部を進行する光」には、蛍光体層42に入射した励起光と、蛍光体層42が発した蛍光との両方を含む。
蛍光体層42が気孔425を含むと、蛍光体層42に気孔425を含まない場合と比べて熱伝導率が低い。一方で、気孔425には、蛍光体層42の内部を進行する光を散乱させる機能がある。そのため、気孔425の量は、蛍光体層42に要求される物性、すなわち熱伝導率と光散乱特性とに応じて設定するとよい。
蛍光体層42の蓄熱による影響を低減するためには、熱伝導率は25℃において9W/m・k以上であることが好ましい。このような熱伝導率を実現するためには、蛍光体層42の気孔425は、0.01%以上5%未満であることが好ましい。
この蛍光体層42は、次のようにして製造することができる。
まず、Y2O3粉末、Al2O3粉末、CeO2粉末からなる原料粉末をエタノールと混合する。ボールミルで原料粉末を粉砕しながら、得られた混合溶液を撹拌する。
まず、Y2O3粉末、Al2O3粉末、CeO2粉末からなる原料粉末をエタノールと混合する。ボールミルで原料粉末を粉砕しながら、得られた混合溶液を撹拌する。
この際、Si原子を含む焼結助剤を原料粉末に添加してもよい。焼結助剤としては、SiO2,CaO,MgOを例示することができる。また、焼成時にSiO2,CaOまたはMgOと等価に扱うことができる物質、例えばTEOS(Tetraethyl orthosilicate)を焼結助剤として添加してもよい。焼結助剤は、例えば、原料粉末の質量に対して焼結後に100ppm残存するように添加する。また、TEOSのように焼結時にSiO2,CaOまたはMgOと等価に扱うことができる物質を焼結助剤として添加する場合には、焼結助剤を焼結後の等価物質に換算したとき、等価物質が、例えば原料粉末の質量に対して焼結後に100ppm残存するように添加する。
次いで、得られたスラリーからエタノールを除去して原料粉末を乾燥させる。乾燥された原料粉末を篩にかけることによって、粗粒を取り除く。これにより、粒子径が数十nmから数百nmのY2O3とAl2O3とCeO2の1次粒子を含有する粒子径が数μm〜数百μmの2次粒子からなる原料粉末が得られる。
その後、粗粒が取り除かれた原料粉末の混合物を所望の形状に押し固めて成形する。図3は、蛍光体層42を製造する様子を示す模式図である。
まず、図3(a)に示すように、冷間等方圧加工法(Cold Isostatic Pressing、CIP)を用いて、金属製の芯材429の周囲に第2の領域422の原料粉末である第2混合物422aを押し固める。
次いで、図3(b)に示すように、第2混合物422aの周囲に、第1の領域421の原料粉末である第1混合物421aをCIP法を用いて押し固める。
次いで、図3(c)に示すように、第1混合物421aの周囲に、第3の領域423の原料粉末である第3混合物423aをCIP法を用いて押し固める。
次いで、芯材429を抜き取って、筒状に成形された混合物を得る。
次いで、図3(b)に示すように、第2混合物422aの周囲に、第1の領域421の原料粉末である第1混合物421aをCIP法を用いて押し固める。
次いで、図3(c)に示すように、第1混合物421aの周囲に、第3の領域423の原料粉末である第3混合物423aをCIP法を用いて押し固める。
次いで、芯材429を抜き取って、筒状に成形された混合物を得る。
このようにして筒状に成形された混合物を焼成して、筒状の焼結体428を得る。得られた焼結体428を、中心軸と直交する断面で切断し、断面を研磨することにより、蛍光体層42が得られる。
この際、第1混合物421a〜第3混合物423aを押し固める際に加える圧力の違いにより、第1の領域421と第2の領域422と第3の領域423それぞれにおける気孔密度を調整することができる。
例えば、第1混合物421aおよび第3混合物423aとして同じ混合物を用いたとしても、第3混合物423aを押し固める際の圧力よりも第1混合物421aを押し固める際の圧力を高く設定すると、固められた第1混合物421aにおける気孔密度を、固められた第3混合物423aにおける気孔密度よりも低くすることができる。このようにして、焼結前の気孔密度の違いに基づいて、焼結体における気孔密度に差を設けることができる。
また、第1混合物421a〜第3混合物423aの平均粒子径の違いにより、第1の領域421と第2の領域422と第3の領域423それぞれにおける気孔密度を調整することができる。
例えば、第1混合物421aおよび第3混合物423aとして同じ形成材料を用いたとしても、第1混合物421aを構成する粉体の平均粒子径を、第3混合物423aを構成する粉体の平均粒子径よりも小さく設定すると、固められた第1混合物421aにおける気孔密度を、固められた第3混合物423aにおける気孔密度よりも低くすることができる。このようにして、焼結前の気孔密度の違いに基づいて、焼結体における気孔密度に差を設けることができる。
さらに、これら第1混合物421a〜第3混合物423aの成形圧力や、第1混合物421a〜第3混合物423aの平均粒子径を、それぞれ組み合わせて設定してもよい。
例えば、同じ混合物を用い成形圧力のみ制御して第2の領域422と第1の領域421とを作り分けようとする場合、第2混合物422aを押し固める際の圧力よりも第1混合物421aを押し固める際の圧力を高く設定することが考えられる。しかしこの場合、第1混合物421aを押し固める際の圧力により、先に押し固めた第2混合物422aがさらに加圧されることとなり、結果として、第1混合物421aにおける気孔密度と、第2混合物422aにおける気孔密度との違いがなくなってしまう。
このようなとき、第2混合物422aの平均粒子径を第1混合物421aの平均粒子径よりも大きく設定しておくことで、第1混合物421aを押し固める際の圧力が第2混合物422aに加わったとしても、第2の領域422における気孔密度所望の値とすることができる。
ダイクロイック膜44は、蛍光体層42と基板40との間に設けられた誘電体多層膜である。ダイクロイック膜44は、青色光を透過し赤色光及び緑色光を反射する。ダイクロイック膜44は、焼結体を加工して蛍光体層42を得た後、蛍光体層42の第1の面42aに気相法で形成する。
反射防止膜46は、蛍光体層42の第2の面42bに設けられた誘電体多層膜である。反射防止膜46は、焼結体を加工して蛍光体層42を得た後、蛍光体層42の第2の面42bに気相法で形成する。
図4を用いて本発明の効果を説明する。図4(a)は比較例として、第2の領域422、第3の領域423を含まない蛍光体層42Xを有する波長変換素子30Xにおける光の進み方を示す模式図であり、図4(b)は、本願発明の波長変換素子30における光の進み方を示す模式図である。なお、煩雑さを避けるため、気孔によって反射または屈折した光のみ模式的に示した。
図4(a)に示した入射領域に青色レーザ光である励起光Bを照射したとする。励起光Bは、ダイクロイック膜44を透過し、蛍光体層42Xに入射する。蛍光体層42Xのうち、励起光Bが照射された領域ERにおいて蛍光Yが生成される。図示していないが、蛍光Yは蛍光体層42Xの発光点から等方的に射出する。蛍光Yは、蛍光体層42Xの内部に存在する複数の気孔425によって屈折し、または反射され、進行方向を変えながら(散乱しながら)進行し、蛍光体層42Xの外部に射出される。
また、図を簡潔にするため図示は省略するが、励起光Bのうち、第1の領域421に含まれる蛍光材料に吸収されなかった残部は、蛍光体層42Xを透過する。その際、蛍光Yと同様に複数の気孔425により屈折や反射されることによって、散乱しながら蛍光体層42Xを透過する。これにより、蛍光体層42Xからは、励起光B、赤色光Rと緑色光Gとを含む蛍光Yとからなる白色光が射出される。
このとき、第1の領域421で生成された蛍光Yのうち一部の成分は、蛍光体層42Xの内部を面内方向(図4(a)における横方向)に伝播する。このため、蛍光Yは励起光Bの入射領域から面内方向で遠く離れた位置からも蛍光体層42Xの外部に射出される。その結果として、光射出領域は、励起光Bが入射した入射領域よりも大きくなってしまう。
対して、図4(b)に示すように、本実施形態の波長変換素子30では、蛍光体層42が、第1の領域421の他に、第1の領域421に接する第2の領域422、第3の領域423を有している。励起光Bの入射領域の大きさは、図4(a)に示した比較例と同じであり、入射領域は第1の領域421の内部に収まっているとする。第2の領域422における気孔密度および第3の領域423における気孔密度は、第1の領域421における気孔密度よりも高いため、気孔425によって蛍光が屈折したりや反射されたりする確率が高い。
そのため、第1の領域421で生じた蛍光Yは、第2の領域422、第3の領域423では、面内方向に伝播し難い。その結果、波長変換素子30では、図4(a)に示す比較例よりも光射出領域が小さくなる。
以上のような構成の波長変換素子では、励起光の入射領域よりも光射出領域が拡大することが低減されている。
また、以上のような構成の光源装置は、上述のような波長変換素子を有するため、狭い光射出領域から光を射出可能である。
また、以上のような構成のプロジェクターは上述のような光源装置を有するため、光源装置から射出された光の利用効率が高い。
(変形例1)
上記実施形態においては、プロジェクター1000について説明したが、プロジェクターの構成はこれに限らない。
上記実施形態においては、プロジェクター1000について説明したが、プロジェクターの構成はこれに限らない。
図5は、変形例のプロジェクター1006について説明する模式図である。以下の説明においては、プロジェクター1000と共通する部材には同じ符号を付し、説明を省略する。プロジェクター1006は、プロジェクター1000における光源装置100の代わりに光源装置106と第2光源装置702とを備える。光源装置106は、光源10と、コリメート光学系70、ダイクロイックミラー80及びコリメート集光光学系90を備える。
光源10は、光軸が光源光軸106axと直交するように配置されている。
コリメート光学系70は、第1レンズ72と第2レンズ74とを備え、光源10からの光を略平行化する。第1レンズ72及び第2レンズ74は、凸レンズからなる。
コリメート光学系70は、第1レンズ72と第2レンズ74とを備え、光源10からの光を略平行化する。第1レンズ72及び第2レンズ74は、凸レンズからなる。
ダイクロイックミラー80は、コリメート光学系70からコリメート集光光学系90までの光路中に、光源10の光軸及び光源光軸106axのそれぞれに対して45°の角度で交わるように配置されている。ダイクロイックミラー80は、青色光(励起光B)を反射し、赤色光及び緑色光を通過させる。
コリメート集光光学系90は、ダイクロイックミラー80からの青色光を略集光した状態で蛍光体層42に入射させる機能と、蛍光体層42から射出される蛍光を略平行化する機能とを有する。コリメート集光光学系90は、第1レンズ92及び第2レンズ94を備える。第1レンズ92及び第2レンズ94は、凸レンズからなる。
光源装置106においては、光源10からの青色光は、基板40とは反対側から蛍光体層42に入射する。
図6は、変形例に係るプロジェクター1006が有する波長変換素子34を示す模式図であり、図6(a)が平面図、図6(b)が図6(a)に示す線分VIb−VIbにおける矢視断面図である。
図6(b)に示すように、波長変換素子34は、平面視円形の基板40と、基板の一面において基板40の周方向に沿って設けられた波長変換部41Bと、を有している。また、蛍光体層42と基板40との間には可視光を反射する反射膜45が設けられている。そのため、青色光が入射する側に向けて蛍光が射出される。
なお、基板40として、励起光を透過する材料からなる円板を用いる必要はなく、金属のように不透明な材料からなる円板を用いてもよい。
第2光源装置702は、第2光源710、集光光学系760、散乱板732及びコリメート光学系770と、を備える。
集光光学系760は、第1レンズ762及び第2レンズ764を備える。集光光学系760は、第2光源710からの青色光を散乱板732付近に集光する。第1レンズ762及び第2レンズ764は、凸レンズからなる。
散乱板732は、第2光源710からの青色光を散乱し、波長変換素子34から射出された蛍光に似た配光分布を有する青色光とする。散乱板732としては、例えば、マイクロレンズアレイを用いることができる。
コリメート光学系770は、第1レンズ772と第2レンズ774とを備え、散乱板732からの光を略平行化する。第1レンズ772及び第2レンズ774は、凸レンズからなる。
ダイクロイックミラー80は、第2光源装置702からの青色光を波長変換素子34からの黄色光と合成して白色光を生成する。
以上のような波長変換素子34においても、励起光の入射領域よりも光射出領域が拡大することが低減されている。また、高品質な、光源装置およびプロジェクターを提供することができる。
(変形例2)
上記実施形態および変形例1においては、平面視円形の基板40が回転軸の周りに回転可能であったが、これに限らない。
上記実施形態および変形例1においては、平面視円形の基板40が回転軸の周りに回転可能であったが、これに限らない。
図7は、変形例2に係る波長変換素子36を示す模式図である。図7(a)が概略斜視図、図7(b)が図7(a)に示す線分VIIb−VIIbにおける矢視断面図である。
図7(b)に示すように、波長変換素子36においては、図示しない支持体に固定された基板48の表面に波長変換部41Cが設けられている。波長変換部41Cは、蛍光体層43と、蛍光体層43の第1の面43aに設けられたダイクロイック膜44と、蛍光体層43の第2の面43bに設けられた反射防止膜46と、を有している。蛍光体層43において、第1の面43aは、励起光が入射する光入射面であり、第2の面43bは、蛍光が射出される光射出面である。蛍光体層43は、第2の面43bの面法線方向から見たとき互いに隣接した、矩形の第1の領域421と、第2の領域422とを有する。第2の面43bの面法線方向から見たとき、第2の領域422は第1の領域421を囲むように設けられている。
以上のような波長変換素子36においても、励起光の入射領域よりも光射出領域が拡大することが低減されている。また、高品質な、光源装置およびプロジェクターを提供することができる。
(変形例3)
上記実施形態及び変形例1では、第1の領域421が第2の領域422と第3の領域423とによって挟まれていたが、第2の領域422と第3の領域423のうちいずれか一方のみを備えていても良い。たとえば、第1の領域421と第2の領域422とを備えている場合、第1の領域で生成された蛍光は基板40の内周方向に進みにくいため、光射出領域が基板40の内周方向に拡大することが低減される。
上記実施形態及び変形例1では、第1の領域421が第2の領域422と第3の領域423とによって挟まれていたが、第2の領域422と第3の領域423のうちいずれか一方のみを備えていても良い。たとえば、第1の領域421と第2の領域422とを備えている場合、第1の領域で生成された蛍光は基板40の内周方向に進みにくいため、光射出領域が基板40の内周方向に拡大することが低減される。
(変形例4)
変形例2では、第1の領域421が第2の領域422に囲まれていたが、必ずしも囲まれていなくてもよい。第1の領域421で生成された蛍光は、第2の領域422が設けられた方向に進みにくいため、光射出領域が第2の領域422の設けられた側において拡大することが低減される。
変形例2では、第1の領域421が第2の領域422に囲まれていたが、必ずしも囲まれていなくてもよい。第1の領域421で生成された蛍光は、第2の領域422が設けられた方向に進みにくいため、光射出領域が第2の領域422の設けられた側において拡大することが低減される。
また、上記実施形態および変形例1〜4における第1の領域421は、必ずしも気孔425を備えていなくてもよい。しかし、第1の領域421における気孔密度が高い場合、入射した励起光の多くの成分が後方に散乱され、蛍光に変換されないおそれがある。したがって、第1の領域421における気孔密度は低い方が好ましい。
また、第2の領域422および第3の領域423は、必ずしも蛍光材料を含まなくてもよい。
また、上記各実施形態においては、励起光原としてレーザー光源を用いることとしたが、発光ダイオードを用いることとしてもよい。
上記各実施形態においては、光変調装置として液晶光変調装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。光変調装置としてデジタルマイクロミラーデバイスを用いてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では本発明による波長変換素子をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による波長変換素子は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
10…光源、30,30X,34,36…波長変換素子、40,48…基板、42,42X…蛍光体層、42a…第1の面、42b…第2の面(光射出面)、100,106…光源装置、421…第1の領域、422…第2の領域、423…第3の領域、424…気孔、428…焼結体、600…投写光学系、1000,1006…プロジェクター、B…励起光、Y…蛍光
Claims (7)
- 蛍光材料と、複数の気孔と、蛍光光が射出される光射出面と、を有する蛍光体層を備え、
前記蛍光体層は、前記光射出面の面法線方向から見たとき互いに隣接した、第1の領域と第2の領域とを有し、
前記第1の領域は、少なくとも前記蛍光材料を含み、
前記第2の領域における気孔密度は、前記第1の領域における気孔密度よりも高い波長変換素子。 - 前記蛍光体層は、セラミックス材料の焼結体からなり、
前記蛍光体層の前記第1の領域における線膨張係数と、前記蛍光体層の前記第2の領域における線膨張係数との差は、1.0×10−6/k以下である請求項1に記載の波長変換素子。 - 前記第1の領域の母材は前記第2の領域の母材と同じである請求項1または2に記載の波長変換素子。
- 前記第2の領域は、前記光射出面の面法線方向から見たとき前記第1の領域を囲むように設けられている請求項1から3のいずれか1項に記載の波長変換素子。
- 予め設定された回転軸の周りに回転可能であり、前記蛍光体層を支持する基板をさらに備え、
前記蛍光体層は、前記第1の領域と隣接する第3の領域をさらに有し、
前記第1の領域は、前記基板において前記回転軸の周りに円環状に設けられ、
前記第2の領域は、前記第1の領域の内周側に設けられ、
前記第3の領域は、前記第1の領域の外周側に設けられている請求項1から3のいずれか1項に記載の波長変換素子。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の波長変換素子と、
前記蛍光体層に励起光を照射する光源と、を有する光源装置。 - 請求項6に記載の光源装置と、
画像情報に応じて前記光源装置からの光を変調し画像光を形成する光変調装置と、
前記画像光を投写する投写光学系と、を有するプロジェクター。
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-
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- 2015-12-14 JP JP2015242927A patent/JP2017111170A/ja active Pending
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