JP2022041435A - 波長変換素子、光源装置、および画像投射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱性と光利用効率を安定して高めることが可能な波長変換素子を提供する。【解決手段】焼結体からなる波長変換素子(1)であって、蛍光部材(101)と、蛍光部材(101)よりも熱伝導率が高い透光部材(102)と、透光部材(102)よりも屈折率が高い散乱部材(103)とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、波長変換素子、光源装置、および画像投射装置に関する。
従来、光源からの励起光を蛍光体等の波長変換素子に照射し、波長変換素子から射出した変換光を用いて生成された照明光を、液晶素子やデジタルマイクロミラーデバイス等の光変調素子に導いて画像を投射する画像投射装置(プロジェクタ)が知られている。
特許文献1には、Y3Al5O12:Ce(YAG:Ce)と、YAG:Ceとは屈折率が異なるセラミックス材料とを含む焼結蛍光体を用いたプロジェクタが開示されている。この焼結蛍光体は、内部の結晶粒界が気孔を有することにより良好な光散乱特性を得ることができるため、プロジェクタの光利用効率を高めることが可能である。特許文献2には、蛍光体の放熱性を向上させるため、熱伝導に優れたAl2O3とYAG:Ceとを混合した焼結蛍光体が開示されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された構成では、焼結蛍光体の放熱性と光利用効率を安定して高めることは困難である。すなわち、焼結蛍光体内部の結晶粒界が有する気孔の形状と体積比率は焼結プロセスや焼結炉内の温度分布に大きく依存するため、気孔の形状と体積比率を安定させることは難しい。気孔の形状と体積比率が安定しないと、焼結蛍光体の放熱性と光利用効率が安定しない。
そこで本発明は、放熱性と光利用効率を安定して高めることが可能な波長変換素子、光源装置、および画像投射装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての波長変換素子は、焼結体からなる波長変換素子であって、蛍光部材と、前記蛍光部材よりも熱伝導率が高い透光部材と、前記透光部材よりも屈折率が高い散乱部材とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、放熱性と光利用効率を安定して高めることが可能な波長変換素子、光源装置、および画像投射装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施例1における蛍光体(波長変換素子)1の構成について説明する。図1は、本実施例における蛍光体1の断面図である。蛍光体1は、セラミックス材料の焼結体からなる。101は蛍光部材(蛍光相)、102は透光部材(透光相)、103は散乱部材(散乱粒子)である。
本実施例において、蛍光部材101はYAG:Ce(Y3Al5O12:Ce)、透光部材102はAl2O3、散乱部材103はTiO2である。YAG:Ceは、励起光を照射することにより黄色の蛍光光を発する黄色蛍光体である。蛍光体1の厚さは50μm以上400μm以下であることが好ましく、本実施例の蛍光体1の厚さは200μmである。蛍光部材101および散乱部材103の形状は、それぞれ粒状であることが好ましい。このような構成によれば、蛍光体1を容易に製造することができる。本実施例における平均結晶平均粒子半径は、YAG:Ceが0.5μm、TiO2が0.4μmである。
上述した各材料の可視光波長域における屈折率は、YAG:Ceが1.83、Al2O3が1.768、TiO2が2.72である。TiO2の結晶構造としてアナタース型とルチル型があるが、ルチル型の方が高い屈折率を持つため、より高い散乱機能を有する。本実施例のTiO2の結晶構造はルチル型である。このように、TiO2である散乱部材103の屈折率が透光部材102であるAl2O3と屈折率との差が大きいため、散乱部材103が好適に散乱源として機能する。このため、後述する蛍光光の滲み量を低減することができる。
次に、図2を参照して、蛍光体1から射出される蛍光光の滲み量について説明する。図2は、蛍光体1から射出される蛍光光の滲み量の説明図(蛍光光の発光プロファイル)である。図2の発光プロファイルは、蛍光体1の光射出面の中心における発光プロファイルである。図2において、縦軸は光強度、横軸は発光中心からの距離をそれぞれ示している。発光プロファイルにおいて、励起光照射領域(励起光照射サイズの端)から、光強度が最大値の5%となる位置までの距離を滲み量と定義する。滲み量が大きいと、蛍光体1から射出される蛍光光のエテンデュが大きくなるため、蛍光光をレンズ等の光学系で取り込む際の光の利用効率が低下する。従って、蛍光光の滲み量は小さいことが好ましい。
次に、本実施例における蛍光体1の製造方法を説明する。蛍光部材101を構成するYAG:Ce、透光部材102を構成するAl2O3、散乱部材103を構成するTiO2の各粉末を秤量し、エタノールと共にボールミル中に投入し、粉砕混合を行う。得られたスラリーを乾燥・造粒し、得られた造粒粉をプレス成形する。その後、得られた成形体を大気雰囲気中で約1500℃以上1800℃以下の温度で焼成する。ここで、TiO2の融点が1850℃と焼成温度よりも高いため、焼結体に含まれるTiO2の形状と体積比率(蛍光体1の体積に対する散乱部材103の体積の比率)は焼成前の状態を概ね維持することができる。
このように、気孔を散乱粒子とする従来技術と比べ、本実施例の波長変換素子である蛍光体1に含まれる散乱部材103としてのTiO2の形状と体積比率を安定させることができる。また、TiO2の熱伝導率は10.7W/m・Kであり、気孔の0.024W/m・Kよりも高いため、蛍光体1の熱伝導率を向上させることができる。
次に、図3を参照して、本発明の実施例2における画像投射装置(プロジェクタ)200について説明する。図3は、画像投射装置200の構成図である。画像投射装置200は、光源装置2を有する。
201は第1の青色光源、202は第1の青色光、203は第1のコリメートレンズ、204は第1のレンズ、205は第2のレンズである。206は第1のダイクロイック膜、207は第1の平板、208は第3のレンズ、209は第1の蛍光体(波長変換素子)、210は第1の蛍光体支持部材、211は照明光(W)である。212は第1の反射ミラー、213は第1の光変調素子、214は第4のレンズ、215は第5のレンズ、216は第1の投射光である。
第1の青色光源201は、第1の青色光(以下、単に青色光ということがある)202を発する半導体レーザであり、波長変換素子としての第1の蛍光体209を励起する励起光源である。本実施例の画像投射装置200は、第1の青色光源201を4つ有するが、第1の青色光源201の数は4つに限定されるものではない。第1の青色光源201が発する青色光のピーク波長は455nmである。
第1の青色光源201から発せられた発散光としての第1の青色光202は、第1のコリメートレンズ203により略平行光に変換されてビーム整形レンズとしての第1のレンズ204に入射する。第2のレンズ205は、第1のコリメートレンズ203からの第1の青色光202の断面形状を調整する。第1のレンズ204から出射した励起光としての第1の青色光202は、第1の平板207上の一部に設けられた第1のダイクロイック膜206で反射し、第3のレンズ208を介して第1の蛍光体209に照射される。第1の平板307はガラスである。第1のダイクロイック膜206は、青色光を透過して黄色光を反射する特性を有する。
第1の蛍光体209の材料は、例えばYAG:Ceである。第1の蛍光体209のサイズは縦5mm×横5mm×厚み0.2mmである。第1の蛍光体209上には、第1の青色光202が縦1mm×横1mmで略均一に照射される。第1の蛍光体209は、第1の蛍光体支持部材210によって支持されている。第1の蛍光体支持部材210の材料は、典型的には銅などの金属板である。ただし、金属板と同様な機能を有するものであれば、金属板に限定されるものではない。また、第1の蛍光体209からの放熱を効率的に行うため、モータなどを用いて第1の蛍光体209および第1の蛍光体支持部材210が回転してもよい。第1の蛍光体209は、第1の青色光202の一部を波長変換して黄色の蛍光光とし、波長変換されなかった青色の励起光と合成されて白色照明光(照明光211)となる。
照明光211は、第1の反射ミラー212で反射して第1の光変調素子213に入射する。第1の光変調素子213はデジタルマイクロミラーデバイスにより構成され、画像投射装置200に入力された映像信号(画像情報)に基づいて、入射した白色照明光(照明光211)を変調して画像光を形成する。光変調素子213により変調されて画像光となった白色投射光216は、第4のレンズ214および第5のレンズ215を介して、不図示のスクリーン等の被投射面に拡大投射する。これにより、白色投射画像が表示される。
次に、図4を参照して、光源装置2から射出される光のスペクトルを説明する。図4は、光源装置2から射出される光のスペクトルの説明図である。図4において、縦軸は光量(a.u.)、横軸は波長(nm)をそれぞれ示す。図4に示されるように、光源装置2から射出される光は、第1の蛍光体209が射出する蛍光光と、変換されなかった励起光が混在している。このため、好適な白色光を得るには、光源装置2から射出される光のうち、蛍光光の波長域の光量Y(波長変換素子の波長域の光量)に対する励起光の光量B(第1の青色光源201の波長域の光量)の比率(以下B/Y)を所定の範囲に設定することが好ましい。本実施形態において、好適な白色光を得るためのB/Yの所定の範囲は0.28以上0.56以下である。
図5は、第1の蛍光体209に含まれる散乱粒子の屈折率、平均粒子半径、体積密度を振ったときのB/Yと滲み量との関係を示す図である。図5において、縦軸は滲み量(mm)、横軸はB/Yをそれぞれ示す。
図5の破線は、前述の白色を得るための適正なB/Yの下限値(=0.28)および上限値(=0.56)を示している。この点は、図6~図8に関しても同様である。散乱粒子の屈折率は1~2.72、散乱粒子の平均粒子半径は50~500nm、散乱粒子の体積比率は0.1~10%の範囲で計算されている。なお、屈折率が1の条件は、散乱粒子が気孔である従来例との比較するために計算している。図5から分かるように、適正なB/Yを得るには、各パラメータを適切に組み合わせる必要があり、また、同じB/Yであっても、各パラメータをより適切に組み合わせることにより、滲み量を低減することができる。
図6は、散乱粒子の屈折率とB/Yとの関係を示す図である。図6において、縦軸はB/Y、横軸は散乱粒子の屈折率をそれぞれ示す。図7は、散乱粒子の平均粒子半径とB/Yとの関係を示す図である。図7において、縦軸はB/Y、横軸は散乱粒子の平均粒子半径(nm)をそれぞれ示す。図8は、散乱粒子の体積比率(波長変換素子の体積に対する散乱粒子の体積の比率)とB/Yとの関係を示す図である。図8において、縦軸はB/Y、横軸は散乱粒子の体積比率(%)をそれぞれ示す。適正なB/Yを得るには、図6より、散乱粒子の屈折率が2.2以上であることが好ましい。図7より、散乱部材の平均粒子半径は、75nm以上200nm以下であることが好ましい。図8より、散乱粒子の体積比率が2%以上であることが好ましい。
図9は、散乱粒子の屈折率と滲み量との関係を示す図である。図9において、縦軸は滲み量(mm)、横軸は散乱粒子の屈折率をそれぞれ示す。図10は、散乱粒子の平均粒子半径と滲み量との関係を示す図である。図10において、縦軸は滲み量(mm)、横軸は散乱粒子の平均粒子半径(nm)をそれぞれ示す。図11は、散乱粒子の体積比率と滲み量との関係を示す図である。図11において、縦軸は滲み量(mm)、横軸は散乱粒子の体積比率(%)をそれぞれ示す。図9乃至図11は、図5に示される白色光を得るための適正なB/Yの範囲内に入った条件のみを示している。白色光を得るための適正なB/Yの範囲内に入った条件で滲み量を低減するには、図10より、散乱粒子の平均粒子半径を75nm以上200nm以下にすることが好ましい。また、図11より、散乱粒子の体積比率を5%以上にすることが好ましい。
このように、蛍光体に含まれる散乱粒子の屈折率、平均粒子半径、体積比率を適切に選択することにより、気孔を散乱粒子とする従来技術と比べ、蛍光体から射出される蛍光光の光利用効率と蛍光体の熱伝導率を安定して改善することができる。その結果、安定して、光源装置を高効率化かつ小型化することができる。なお本実施例では、散乱粒子としてTiO2を用いているが、これに限定されるものではない。散乱粒子は、屈折率が透光部材よりも高く、かつ透光部材との屈折率差が大きいことが好ましい。
次に、図12を参照して、本発明の実施例3における画像投射装置(プロジェクタ)300について説明する。図12は、画像投射装置300の構成図である。画像投射装置300は、光源装置3を有する。なお、以下の説明において、W、R、G、Bはそれぞれ、白、赤、緑、青の意味である。
301は第2の青色光源、302は第2の青色光、303は第2のコリメートレンズ、304は第6のレンズ、305は第7のレンズである。306は第2の光反射部、307は平板、308は第8のレンズ、309は第2の蛍光体(波長変換素子)、310は第2の蛍光体支持部材、311は照明光である。312は第9のレンズ、313は第10のレンズ、314は第1のフライアイレンズ、315は第2のフライアイレンズ、316は偏光変換素子、317は重畳レンズである。318は第1のダイクロイックミラー、319は第2の反射ミラー、320は第2のダイクロイックミラー、321は第1のリレーレンズ、322は第3の反射ミラー、323は第2のリレーレンズ、324は第4の反射ミラーである。325R、325B、325Gはフィールドレンズ、326R、326B、326Gは光変調素子(LCD)、327はクロスダイクロイックプリズム、328は投射レンズ(投射光学系)、329は第2の投射光である。
第2の青色光源301は、第2の青色光302を発する半導体レーザであり、波長変換素子としての第2の蛍光体309を励起する励起光源である。本実施例の画像投射装置300は、第2の青色光源301を4つ有するが、第2の青色光源301の数は4つに限定されるものではない。第2の青色光源301が発する青色光のピーク波長は455nmである。
第2の青色光源301から発せられた発散光としての青色光302は、第2のコリメートレンズ303により平行光に変換されてビーム整形レンズとしての第6のレンズ304に入射する。第6のレンズ304は、第2のコリメートレンズ303からの第2の青色光302の断面形状を調整する。第6のレンズ304から出射した励起光としての第2の青色光302は、第2の平板307上の一部に設けられた第2のダイクロイック膜306で反射し、第8のレンズ308を介して第2の蛍光体309に照射される。第2の平板307はガラスである。第2のダイクロイック膜306は、青色光を透過して黄色光を反射する特性を有する。
第2の蛍光体309は、実施例2の第1の蛍光体209と同様に、YAG:Ce、Al2O3、TiO2からなる焼結体である。第2の蛍光体309は、第2の蛍光体支持部材310によって支持されている。第2の蛍光体支持部材310の材料としては、典型的には銅などの金属板である。ただし、金属板と同様な機能を有するものであれば、金属板に限定されるものではない。また、第2の蛍光体309からの放熱を効率的に行うため、モータなどを用いて第2の蛍光体309および第2の蛍光体支持部材310が回転してもよい。第2の蛍光体309は、第2の青色光302の一部を波長変換して黄色の蛍光光とし、波長変換されなかった青色の励起光と合成されて照明光311となる。
第9のレンズ312と第10のレンズ313は、第2の蛍光体309から射出した発散光としての白色照明光(照明光311)を略平行光に変換する。照明光311は、第1のフライアイレンズ314に入射する。第1のフライアイレンズ314は、照明光311を複数の光束に分割するための複数の小レンズを有する。複数の小レンズは、光軸に垂直な面内にマトリクス状に配列されている。第2のフライアイレンズ315は、第1のフライアイレンズ314の複数の小レンズに対応して光軸に垂直な面内にマトリクス状に配列された複数の小レンズを有する。第2のフライアイレンズ315は、重畳レンズ317とともに、第1のフライアイレンズ314の各小レンズの像を光変調素子326R、326G、326Bの近傍に形成する。第2のフライアイレンズ315から出射した複数の光束としての照明光311は偏光変換素子316に入射する。
偏光変換素子316は、第2のフライアイレンズ315からの無偏光光としての照明光311を直線偏光に変換する。具体的には、偏光変換素子316は、照明光311のうち光軸に垂直かつ紙面に平行な方向(x方向)の直線偏光成分をそのまま透過させ、光軸に垂直かつ紙面に垂直な方向(y方向)の直線偏光成分を位相差板によってx方向の直線偏光成分に変換する。偏光変換素子316から出射した直線偏光としての照明光311は、重畳レンズ317に入射する。
重畳レンズ317は、偏光変換素子316からの複数の光束を集光して光変調素子326R、326G、326B上にて重畳させる。第1のフライアイレンズ314、第2のフライアイレンズ315および重畳レンズ317は、各光変調素子上における照明光10Wの光強度分布を均一にする機能を有する。重畳レンズ16から出射した照明光311は、第1のダイクロイックミラー318に入射する。第1のダイクロイックミラー318は、赤色光を透過させて緑青色光を反射する特性を有する。照明光311のうち第1のダイクロイックミラー318を透過した赤色光311Rは、第2の反射ミラー319で反射され、フィールドレンズ325Rを透過して光変調素子326Rに入射する。
第1のダイクロイックミラー318で反射された緑青色光は、第2のダイクロイックミラー320に導かれる。第2のダイクロイックミラー320は、緑色光を反射して青色光を透過させる特性を有する。第2のダイクロイックミラー320で反射された緑色光311Gは、フィールドレンズ325Gを透過して光変調素子326Gに入射する。
第2のダイクロイックミラー320を透過した青色光311Bは、第1のリレーレンズ321、第2の反射ミラー319、第2のリレーレンズ323および第3の反射ミラー322を介してフィールドレンズ325Bに入射する。そして青色光311Bは、フィールドレンズ325Bを透過して光変調素子326Bに入射する。
光変調素子326R、326G、326Bはそれぞれ、液晶素子やデジタルマイクロミラーデバイス等により構成される。光変調素子326R、326G、326Bはそれぞれ、画像投射装置300に入力された映像信号(画像情報)に基づいて、入射した赤色光311R、緑色光311Gおよび青色光311Bを変調して画像光を形成する。光変調素子326R、326G、326Bにより変調されて画像光となった赤色光311R、緑色光311Gおよび青色光311Bは、クロスダイクロイックプリズム327により合成されて投射レンズ328に入射する。ここでクロスダイクロイックプリズム327は、緑色光を透過して赤色光と青色光を反射する特性を有する。投射レンズ328は、合成された画像光(投射光)329を不図示のスクリーン等の被投射面に拡大投射する。これにより、フルカラー投射画像が表示される。
このように、蛍光体に含まれる散乱粒子の屈折率、体積比率、平均粒子半径を適切に選択することにより、気孔を散乱粒子とする従来技術と比べ、蛍光体から射出される蛍光光の光利用効率と蛍光体の熱伝導率を安定して改善することができる。この結果、画像投射装置の歩留まりを向上させることができる。
このように、蛍光体に含まれる散乱粒子の屈折率、体積比率、平均粒子半径を適切に選択することにより、気孔を散乱粒子とする従来技術と比べ、蛍光体から射出される蛍光光の光利用効率と蛍光体の熱伝導率を安定して改善することができる。この結果、画像投射装置の歩留まりを向上させることができる。
各実施例によれば、放熱性と光利用効率を安定して高めることが可能な波長変換素子、光源装置、および画像投射装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1 蛍光体(波長変換素子)
101 蛍光部材
102 透光部材
103 散乱部材
101 蛍光部材
102 透光部材
103 散乱部材
Claims (11)
- 焼結体からなる波長変換素子であって、
蛍光部材と、
前記蛍光部材よりも熱伝導率が高い透光部材と、
前記透光部材よりも屈折率が高い散乱部材と、を有することを特徴とする波長変換素子。 - 前記蛍光部材は、Y3Al5O12:Ceであることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
- 前記透光部材は、Al2O3であることを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換素子。
- 前記散乱部材の屈折率は、2.2以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の波長変換素子。
- 前記波長変換素子の体積に対する前記散乱部材の体積の比率は、2%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の波長変換素子。
- 前記散乱部材の平均粒子半径は、75nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の波長変換素子。
- 前記散乱部材は、TiO2であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の波長変換素子。
- 前記散乱部材の結晶構造は、ルチル型であることを特徴とする請求項7に記載の波長変換素子。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の波長変換素子と、
前記波長変換素子を励起する光源と、を有することを特徴とする光源装置。 - 前記光源装置から射出される光のうち、前記波長変換素子の波長域の光量に対する前記光源の波長域の光量の比率は、0.28以上0.56以下であることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
- 請求項9または10に記載の光源装置と、
画像情報に基づいて前記光源装置からの光を変調して画像光を形成する光変調素子と、を有することを特徴とする画像投射装置。
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