JP2017110108A - 活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物、粘着シートおよび表面保護フィルム - Google Patents

活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物、粘着シートおよび表面保護フィルム Download PDF

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一博 佐々木
伊藤 大悟
Daigo Ito
大悟 伊藤
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Yuta Takeuchi
雄太 竹内
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Abstract

【課題】本発明は、透明性に優れ、良好な高速剥離性を有し、さらには被着体に対する汚染性も低減されている、粘着シートを形成できる活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、重量平均分子量が30〜100万である(メタ)アクリル樹脂(A)60〜95質量%と、3〜20個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物(B)5〜40質量%と、光重合開始剤(C)とを含有する活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物、粘着シートおよび表面保護フィルムに関する。
近年、液晶ディスプレイ等には、種々の光学フィルムが使用されており、その輸送工程、製造工程、検査工程等での光学フィルムの表面の傷つき防止の目的で光学フィルムの表面を保護する表面保護フィルムが貼合されることが一般的となっている。この表面保護フィルムは、最終的に複合フィルム製造時や組み立て工程で剥離される。
表面保護フィルムとしては、検査工程で使用出来ることが必要とされることから透明性、さらに製造工程上、被着体への貼合後の粘着力増加や被着体への糊残りがないこと等が必要とされている。また、最近では、液晶ディスプレイ等の大画面化に従って表面保護フィルムも大面積化してきており、表面保護フィルムの剥離工程が高速度化されるようになってきている。そのため、表面保護フィルムの粘着シート層として、剥離速度を速くしてもジッピングが生じたり剥離強度が大きく上昇しないような優れた高速剥離性を有することが要求されるようになってきている。
この様な要求に対して、例えば、特許文献1には、高速剥離時における粘着力の小さい粘着シートに用いる粘着剤組成物として、アクリル系重合体100質量%に対して、多官能単量体を1〜50質量%、水素引き抜き型光重合開始剤、メルカプタン化合物を含む電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物が開示されている。しかしながら、開示された粘着シートでは、速度依存性が未だ4倍以上となり、高速剥離性として十分満足いくものではなかった。
また、表面保護フィルムの粘着シート層としては、透明性、高速剥離性に優れることに加え、粘着シートを被着体から剥離しても被着体に粘着剤が残らない(糊残りしない)汚染性の低いものも要求されている。しかしながら、従来の表面保護フィルムの粘着シート層は、上記の全ての項目について十分な性能が得られるものではなかった。
特許第5406456号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、透明性に優れ、良好な高速剥離性を有し、さらには被着体に対する汚染性も低減されている、粘着シートを形成できる活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物、及びこれを硬化してなる粘着シート層を有する表面保護フィルムを提供することを課題とする。
すなわち、本発明は以下の事項に関する。
[1] 重量平均分子量が30〜100万である(メタ)アクリル樹脂(A)と、3〜20個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物であって、前記活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物に対する前記(メタ)アクリル(A)の含有量が60〜95質量%であり、前記活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物に対する前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の含有量が5〜40質量%であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物。
[2] 前記(メタ)アクリル樹脂(A)のガラス転移温度が−80〜−30℃である[1]記載の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物。
[3] [1]または[2]に記載の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物を硬化してからなる粘着シート。
[4] ゲル分率が50〜100%である[3]に記載の粘着シート。
[5] 被着体に貼り付け、0.3m/分で180°剥離した際の粘着力(a)と30m/分で180°剥離した際の粘着力(b)が
1.0≦(b)/(a)<4.0
の関係にある[3]又は[4]に記載の粘着シート。
[6] 透明基材上の片面に、[3]〜[5]の何れか1項に記載の粘着シート層を有する表面保護フィルム。
本発明の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物によれば、これを硬化させることにより、透明性に優れ、良好な高速剥離性を有し、さらには被着体に対する汚染性も低減されている粘着シートを実現できる。
また、本発明の表面保護フィルムは、透明基材上の片面に、本発明の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物を硬化してなる粘着シートの層が形成されているため、表面保護フィルムとして好適である。
以下、本発明の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物および表面保護フィルムについて詳細に説明する。
<活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物>
本発明の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物(以下、「粘着剤組成物」という場合がある。)は、重量平均分子量が30〜100万である(メタ)アクリル樹脂(A)と、3〜20個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する。本発明の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物に対する(メタ)アクリル樹脂(A)の含有量が60〜95質量%であり、本発明の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物に対する前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の含有量が5〜40質量%である。
本発明において、(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂又はメタクリル樹脂を意味し、(メタ)アクリレートを主成分とする重合体である。なお、主成分とは(メタ)アクリレートの合計が50モル%超であることを意味する。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
「(メタ)アクリル樹脂(A)」
(メタ)アクリル樹脂(A)の重合に使用される(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定はない。
(メタ)アクリレートモノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルナニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等のアミド基含有(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;2−スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基含有(メタ)アクリレート;オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート等のフッ化アルキル(メタ)アクリレート;α−ブチル−ω−(3−(メタ)アクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン等のジメチルシロキサン基含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。好ましくはアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートが挙げられ、より好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル樹脂(A)の重合に使用される(メタ)アクリレートモノマーは、単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本発明における(メタ)アクリル樹脂(A)には、粘着性を損なわない範囲で、共重合成分としてその他の重合性モノマーを使用することができる。そのような重合性モノマーの例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等が挙げられる。(メタ)アクリル樹脂(A)の重合に使用されるその他の重合性モノマーは、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。
(メタ)アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、30〜100万である。重量平均分子量を上記範囲とすることで、被着体から剥離しても糊残りが生じにくく被着体に対する汚染性も低減され、高速剥離性に優れる粘着シート層が得られる粘着剤組成物となる。
(メタ)アクリル樹脂(A)は、重量平均分子量が30〜100万であり、好ましくは40〜90万であり、より好ましくは55〜80万である。重量平均分子量が30万未満である場合には、凝集力が不十分であるため、糊残りの問題、及び高速剥離性が悪くなる。一方、重量平均分子量が100万を超える場合には、粘度が高くなりすぎ、塗工時の取扱いが容易でない。
ここで重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(昭和電工株式会社製、ショウデックス(登録商標)GPC−101)を用いて、下記条件にて測定し、ポリスチレン換算にて算出されるものである。
カラム:昭和電工株式会社製、ショウデックス(登録商標)LF−804
カラム温度:40℃
試料:共重合体の0.2質量%テトラヒドロフラン溶液
流量:1ml/分
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI検出器(示差屈折率検出器)
(メタ)アクリル樹脂(A)は、粘着剤組成物を硬化してなる粘着シートの被着体に対する粘着性に寄与する。(メタ)アクリル樹脂(A)の配合量は、粘着剤組成物中、60〜95質量%であり、好ましくは70〜90質量%である。配合量が60質量%未満である場合には、(メタ)アクリル樹脂(A)を含む粘着剤組成物を硬化してなる粘着シートが、硬くなりすぎて高速剥離性が悪くなる可能性があり好ましくない。一方、配合量が95質量%を超える場合には、粘着剤組成物を硬化してなる粘着シートが、糊残りを起こしたり被着体に対する汚染性が増加され、高速剥離性に劣るものとなるため、好ましくない。
(メタ)アクリル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、−80〜−30℃であることが好ましく、より好ましくは−70〜−40℃である。Tgが−80〜−30℃の範囲であると、被着体への濡れ性が良く、高速剥離時にジッピングを起こさない。(メタ)アクリル樹脂(A)のTgは、(メタ)アクリル樹脂(A)の重合に使用される(メタ)アクリレートモノマーの種類および/または組成比を適宜変更することにより調整できる。
ここで、Tgは、以下の方法を用いて求められたものを指す。
(メタ)アクリル樹脂(A)から10mgの試料を採取して、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の昇温速度で−80℃から150℃まで温度を変化させて示差走査熱量測定を行い、ガラス転移による吸熱開始温度をTgとする。なお、Tgが2つ観察された場合には、2つのTgの単純平均値をとることとする。
(メタ)アクリル樹脂(A)の重合方法は特に制限されるものではなく、例えば、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できる。また、ラジカル重合、イオン重合のいずれであっても良い。これらの中でも、溶液重合が特に好適である。
また、得られる共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体など何れでもよい。
(メタ)アクリル樹脂(A)のラジカル重合に際して用いられる重合開始剤は、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択して使用できる。例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン等の過酸化物系重合開始剤などの油溶性重合開始剤が好ましく例示される。
これらの重合開始剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、モノマー100質量部に対して0.01〜5質量部とすることができ、0.02〜4質量部の範囲であることが好ましく、0.03〜3質量部であることがより好ましい。
(メタ)アクリル樹脂(A)を溶液重合により重合する場合、各種の一般的な溶剤を用いることができる。例えば、溶剤として、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
「多官能(メタ)アクリレート化合物(B)」
本発明に使用される多官能(メタ)アクリレート化合物(B)としては、一分子中に3〜20個の(メタ)アクリロイル基を有していれば特に限定はない。(メタ)アクリロイル基の数はより好ましくは3〜5個である。多官能(メタ)アクリレート化合物(B)が多官能(メタ)アクリレートモノマー(B1)と多官能アクリルオリゴマー類(B2)とを含む。
多官能(メタ)アクリレートモノマー(B1)の例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2ーヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート等の3官能基(メタ)アクリレートモノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能基(メタ)アクリレートモノマー;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の5官能基(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。
また、多官能アクリルオリゴマー類(B2)の例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等で3〜20個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリルオリゴマー類が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート化合物(B)は、粘着剤組成物を硬化してなる粘着シートの高速剥離性に寄与する。多官能(メタ)アクリレート化合物(B)は、粘着剤組成物中、5〜40質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。配合量が5質量%未満である場合には、多官能(メタ)アクリレート化合物(B)を含む粘着剤組成物を硬化してなる粘着シートが、被着体を汚染するため好ましくない。一方、配合量が40質量%を超える場合には、粘着剤組成物を硬化してなる粘着シートが、高速剥離性に劣るものとなる可能性があり、好ましくない。
「光重合開始剤(C)」
本発明の光活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物は、光重合開始剤(C)を含み、活性エネルギー線により多官能(メタ)アクリレート化合物(B)を光反応させることで粘着シートを形成する。
光重合開始剤(C)としては、特に限定されず、公知のものが用いられる。光重合開始剤(C)としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられる。これらの光重合開始剤(C)の中でも、透明性の点から、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイドおよび1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの少なくとも一方を用いることが好ましい。
これらの光重合開始剤(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の粘着剤組成物における光重合開始剤(C)の含有量は、光反応性の点から、(メタ)アクリル樹脂(A)と多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の総量100質量部に対して、0.05質量部〜5質量部であることが好ましく、0.08質量部〜4質量部であることがより好ましく、0.1質量部〜3質量部であることがさらに好ましい。
光重合開始剤(C)の含有量が0.05質量部以上であれば、多官能(メタ)アクリレートモノマーが十分に反応できるため粘着シートの凝集力が十分となる。一方、光重合開始剤(C)の含有量が5質量部以下であれば、得られる粘着シートは十分な耐熱黄変性を発現できる。
本発明の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物を活性エネルギー線で硬化させる場合、光源としてはブラックライト、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が挙げられる。
照射強度としては、粘着剤組成物を充分に硬化させることができればよく、例えば、50〜3000mW/cm2が好ましい。照射強度が弱すぎると硬化に時間がかかりすぎ好ましくない。
本発明の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物を硬化して得られる粘着シートのゲル分率は50〜100%であることが好ましい。
粘着シートは、トルエン中に室温下で24時間浸漬した際の下記の式(1)で求められるゲル分率が、50〜100%であることが好ましく、60〜100%であることがより好ましい。粘着シートのゲル分率が上記範囲であることにより、被着体への糊残りを起こすことなく被着体に対する汚染性が低い粘着シートが得られる。
[数1]
ゲル分率(%)=[(粘着シートのトルエン浸漬後でトルエン乾燥後の質量)/
(粘着シートのトルエン浸漬前の質量)]×100 (1)
本発明の活性エネルギー線硬化性表面保護フィルム用粘着剤組成物を硬化してなる粘着シートを有する保護フィルムを、被着体に貼り付け、剥離速度0.3m/分で180°剥離した際の粘着力(a)と剥離速度30m/分で180°剥離した際の粘着力(b)が
1.0≦(b)/(a)<4.0
の関係にあることが好ましい。より好ましくは1.0≦(b)/(a)<3.0、さらに好ましくは1.0≦(b)/(a)<2.5である。(a)と(b)の関係が1.0≦(b)/(a)<4.0にあれば、保護フィルムの高速時の剥離作業性に優れる。
本発明の粘着剤組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、上記の(メタ)アクリル樹脂(A)と、多官能(メタ)アクリレート化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、必要に応じて添加される添加剤および有機溶媒とを、公知の方法を用いて混合することにより製造できる。
本発明の粘着剤組成物は、上記の組成を有しているので、これを光硬化させることにより、被着体に対する汚染性及び良好な高速剥離性を有する粘着シートを形成できる。
(メタ)アクリル樹脂(A)が、水酸基、カルボキシ基、またはエポキシ基を有する場合には、本発明の粘着剤組成物には、必要に応じて凝集力を高める目的で架橋剤を添加しても良い。架橋剤は、水酸基、カルボキシル基又はエポキシ基に対して反応性を有する官能基を2つ以上有する化合物であれば特に限定されず、その他の官能基と反応することを制限するものではない。例えば、2, 4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート等のイソシアネート系化合物;ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等のアジリジン系化合物;ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン等のメラミン系化合物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、イソシアネート系化合物が、アクリルポリマーとの反応性が良好な点で好ましい。
架橋剤を用いる場合、その使用量としては、(メタ)アクリル樹脂(A)と多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の合計量100質量部に対して、0.1〜2質量部とすることが好ましく、更には0.1〜1質量部が好ましい。架橋剤の使用量が0.1〜2質量部の範囲であれば、粘着シートの高速剥離性に優れるため好ましい。
また、本発明の粘着剤組成物には、透明性を損なわない範囲で、公知の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
添加剤としては、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、ベンゾトリアゾール系等の光安定剤、リン酸エステル系及びその他の難燃剤、界面活性剤のような帯電防止剤等が挙げられる。
また、本発明の粘着剤組成物は、塗工時の粘度調整を目的として有機溶媒を用いて希釈してもよい。有機溶媒は、塗工後に乾燥して除去され、その後光反応を行う。
有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n−へキサン、トルエン、キシレン、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸n−プロピル等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
「表面保護フィルム」
本発明の表面保護フィルムは、透明基材上の片面に、上記粘着剤組成物を硬化してなる粘着シートの層が形成されているものである。粘着シート層の厚みは、通常、3〜100μmであり、好ましくは5〜50μmである。
透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、セルロース等を挙げることができる。透明基材の厚みは、通常、5〜200μmであり、好ましくは10〜100μm程度である。
透明基材上の粘着シート層を形成する側の面には、必要に応じて、酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理等の易接着処理をしてもよい。
また、透明基材としては、帯電防止処理されているものが好ましく用いられる。透明基材に施される帯電防止処理は、特に限定されないが、透明基材の少なくとも片面に帯電防止層を設ける方法、透明基材に帯電防止剤を練り込む方法などを用いることができる。
透明基材上に粘着シート層を形成する方法としては、透明基材上に表面保護フィルム用粘着剤組成物を塗布して硬化させる方法を用いる。透明基材上に表面保護フィルム用粘着剤組成物を塗布する方法としては、公知のコーティング法(塗工法)を用いることが可能である。例えば、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ダイレクトコーター等の慣用のコーターを用いてコーティングすることができる。
本発明の表面保護フィルムには、必要に応じて粘着シート層を保護する目的で、粘着シート層の表面にセパレータを貼り合わせることが可能である。セパレータを構成する基材としては、紙、プラスチックフィルムなどを用いることができる。セパレータとしては、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適である。セパレータとして用いるプラスチックフィルムは、上記した粘着シート層を保護し得るものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン等からなるプラスチックフィルムが挙げられる。
表面保護フィルムのヘイズ値は、2.0%以下のものであることが好ましい。ヘイズ値が、2.0%以下であると透明性に優れた表面保護フィルムとなる。より透明性に優れた表面保護フィルムとするために、ヘイズ値は1.0%以下であることがより好ましい。
本発明の表面保護フィルムが、2.0%以下である場合、光学部品として用いられるプラスチックフィルムの表面を保護する目的で好適に用いることができる。特に、液晶ディスプレイなどに用いられる偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルムなどの光学部品の表面を保護する目的で用いられる表面保護フィルムとして、好適である。
表面保護フィルムの要求される粘着力としては、被着体の種類、表面の状態により様々であるが、表面保護フィルムとしては1〜500g/25mmの剥離強度である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例によって何ら限定されるものではない。
<(メタ)アクリル樹脂(A−1)の合成>
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に、有機溶媒である酢酸エチルを500質量部と、n−ブチルアクリレートを379.1質量部(0.81モル比)、メチルメタクリレートを48.0質量部(0.13モル比)、2−ヒドロキシエチルアクリレートを22.5質量部(0.05モル比)、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を0.1質量部(0.61ミリモル比)入れ、窒素気流中で80℃にて8時間重合を行い、ガラス転移温度−40℃、重量平均分子量60万の(メタ)アクリル樹脂(A−1)のポリマー溶液を得た。
<(メタ)アクリル樹脂(A−2)の合成>
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に、有機溶媒である酢酸エチルを500質量部と、n−ブチルアクリレートを337.2質量部(0.71モル比)、メチルメタクリレートを89.9質量部(0.24モル比)、2−ヒドロキシエチルアクリレートを22.5質量部(0.05モル比)、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を0.1質量部(0.61ミリモル比)入れ、窒素ガス気流中で95℃にて8時間重合を行い、ガラス転移温度−30℃、重量平均分子量54万の(メタ)アクリル樹脂(A−2)のポリマー溶液を得た。
<(メタ)アクリル樹脂(A−3)の合成>
重合開始剤として使用した2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)の含有量を0.15質量部(0.91ミリモル比)に変更したこと以外は、(メタ)アクリル樹脂(A−1)と同様にして合成し、ガラス転移温度−40℃、重量平均分子量32万の(メタ)アクリル樹脂(A−3)のポリマー溶液を得た。
<(メタ)アクリル樹脂(A−4)の合成>
重合開始剤として使用した2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)の含有量を0.35質量部(2.13ミリモル比)に変更したこと以外は、(メタ)アクリル樹脂(A−1)と同様にして合成し、ガラス転移温度−40℃、重量量平均分子量21万の(メタ)アクリル樹脂(A−4)のポリマー溶液を得た。
(メタ)アクリル樹脂(A−1)〜(A−4)のガラス転移温度及び重量平均分子量の測定は、先に述べた方法により行った。
表1に(メタ)アクリル樹脂(A−1)〜(A−4)について、重合に使用した材料(モノマー)および含有量(モル比)と、ガラス転移温度と、重量平均分子量とを示す。
Figure 2017110108
<実施例1〜7及び比較例1〜3>
表2に示す組成で(メタ)アクリル樹脂(A)、多官能(メタ)アクリレート化合物(B)、光重合開始剤(C)を配合し、更に、有機溶媒である酢酸エチルを加え固形分濃度を50質量%に調節し、室温下でディスパーを用いて混合することで表面保護フィルム用粘着剤組成物溶液を得た。
得られた溶液を、透明基材上に、乾燥後の厚さが20μmとなるようにアプリケーターで塗布し、110℃で3分間、加熱乾燥、さらに、得られた粘着剤組成物層の表面に、セパレータとして厚さ25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを貼り合せた。次に、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製、UV照射装置3kw、高圧水銀ランプ)を用い、照射距離25cm、ランプ移動速度1.0m/分、照射量約1000mJ/cmの条件で紫外線を照射して粘着剤組成物層を光硬化させることで透明基材上に粘着シートを形成し、表面保護フィルムを作製した。透明基材としては、厚さ38μmのPETフィルム(東洋紡エステルフィルム E5100:東洋紡社製、厚み:38μm)を用いた。
Figure 2017110108
<ゲル分率>
得られた溶液を、厚さ38μmセパレータのPETフィルム上に、乾燥後の厚さが20μmとなるようにアプリケーターで塗布し、110℃で3分間、加熱乾燥、さらに、得られた粘着剤組成物層の表面に、厚さ25μmセパレータのPETフィルムを貼り合せた。次に、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製、UV照射装置3kw、高圧水銀ランプ)を用い、照射距離25cm、ランプ移動速度1.0m/分、照射量約1000mJ/cmの条件で紫外線を照射して粘着剤組成物層を光硬化させることで基材無しの粘着シートを形成した。
得られた粘着シートを200mm×200mmの大きさに切り取り、両面のセパレータのPETフィルムを剥がして、測定用サンプルとした。その後、測定用サンプルを50mlのトルエンに浸漬し、室温下で24時間静置した。トルエン浸漬前後の粘着シートの質量を測定し、下記の式(1)に当てはめて、ゲル分率を算出した。n数は2で行い、その平均値を求めた。
ゲル分率(%)=[(粘着シートのトルエン浸漬後でトルエン乾燥後の質量)/
(粘着シートのトルエン浸漬前の質量)]×100 (1)
<透明性>
得られた表面保護フィルムを50mm×50mmの大きさに切り取り、表面保護フィルムからセパレータのPETフィルムを剥がして、表面保護フィルムの粘着面をガラス板に貼り合わせ、測定用サンプルとした。測定用サンプルについて、ヘイズメーター「NM−150(株式会社村上色彩技術研究所製)」を用いてヘイズ値の測定を行った。ヘイズ値(%)は拡散透過率を全光線透過率で除し、100を乗じて算出した。なお、n数は3回とし、その平均値を採用した。結果を表2に示す。なお、ヘイズ値は値が小さいほど透明性が高いことを意味する。
<粘着力>
得られた表面保護フィルムを25mm×150mmの大きさに切り取り、表面保護フィルムからセパレータのPETフィルムを剥がした。その後、露出した粘着シート層(測定面)を、ガラス製の試験板に貼付して、2kgのゴムローラー(幅:約50mm)を1往復させて、測定用サンプルを作製した。
得られた測定用サンプルを、温度23℃及び相対湿度50%の環境下に1時間放置した。その後、JIS K 6854−2に準じて、剥離速度0.3m/分、及び30m/分で180°方向の引張試験を行って、粘着シート層のガラス板に対する粘着力(g/25mm)を測定した。得られた測定値を粘着力とした。結果を表2に示す。
<高速剥離性>
0.3m/分で180°剥離した際の粘着力(a)と30m/分で180°剥離した際の粘着力(b)の関係を (b)/(a) として計算して表2に示す。
<被着体への汚染性>
得られた表面保護フィルムを50mm×50mmの大きさに切り取り、表面保護フィルムからセパレータのPETフィルムを剥がし、露出した粘着シート層をガラス板に張り合わせてサンプルとし、85℃85%RHで3日間放置した。その後、サンプルから表面保護フィルムを剥がし、ガラス板の表面への汚染性を目視で確認し、下記基準で評価した。結果を表2に示す。
○:ガラス板の表面は貼り合せ前と比較して変化なし。
×:ガラス板の表面に糊残りが確認される。

Claims (7)

  1. 重量平均分子量が30〜100万である(メタ)アクリル樹脂(A)と、
    3〜20個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物(B)と、
    光重合開始剤(C)と
    を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物であって、
    前記活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物に対する前記(メタ)アクリル樹脂(A)の含有量が60〜95質量%であり、
    前記活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物に対する前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の含有量が5〜40質量%であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル樹脂(A)のガラス転移温度が−80〜−30℃である請求項1記載の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物を硬化してなる粘着シート。
  4. ゲル分率が50〜100%である請求項3に記載の粘着シート。
  5. 透明基材上の片面に、請求項3または4に記載の粘着シートの層を有する表面保護フィルム。
  6. 被着体に貼り付け、0.3m/分で180°剥離した際の粘着力(a)と30m/分で180°剥離した際の粘着力(b)が
    1.0≦(b)/(a)<4.0
    の関係にある請求項5に記載の表面保護フィルム。
  7. 前記透明基材がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルまたはセルロースである請求項5または6に記載の表面保護フィルム。
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