JP2017109431A - 粘着テープ用基材の製造方法及び粘着テープの製造方法 - Google Patents

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啓之 中島
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秀晃 武井
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剛 岩崎
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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、例えば穴や凹み等といった表面欠陥が少なく、表面平滑な粘着テープ用基材の製造方法、それを用いて得られた粘着テープを提供することである。【解決手段】23℃における粘度が6000mPa・s〜20000mPa・sの範囲である樹脂組成物を剥離ライナーの表面に塗工し乾燥する工程を有することを特徴とする粘着テープ用基材の製造方法、及び、それを用いて得られた粘着テープによって、上記した課題を解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば携帯電子機器等の電子機器の製造、ならびに、自動車及び建築物の内外装部材の固定をはじめとする様々な分野で使用可能な粘着テープ及びその基材の製造方法に関する。
粘着テープは、例えば電子機器を製造する場面で広く使用されている。具体的には、前記粘着テープは、携帯電子端末、カメラ、パソコンなどの小型電子機器を構成する画像表示部の保護パネルときょう体との固定、前記小型電子機器への外装部品や電池等の剛体部品の固定に使用されている。
前記粘着テープとしては、例えば、柔軟な発泡体基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープが知られている(例えば特許文献1参照。)。
しかし、携帯電子端末等の薄型化に伴い前記粘着テープのさらなる薄型化が求められるなかで、従来の発泡体基材を用いた粘着テープは、前記発泡体基材の厚さに起因してどうしても厚膜となる傾向にあるため、薄型化という市場要求に十分対応できない場合があった。
実質非発泡で薄型の粘着テープ用基材を製造する方法としては、例えば比較的粘度が低く薄膜化しやすい樹脂組成物を離型ライナー等の表面に塗工し乾燥等させることによって製造する方法が挙げられる。
しかし、前記低粘度の樹脂組成物を剥離ライナーの表面に薄膜塗工すると、前記樹脂組成物が剥離ライナーの表面ではじかれてしまい、その結果、前記はじき位置に対応した位置に小さな穴や凹み等が形成された基材が製造されてしまう場合があった。また、前記したような基材を用い粘着テープを製造しても、外観不良や、耐衝撃性や耐絶縁性をはじめとするテープ性能の低下を引き起こす場合があった。
特開2013−53177号公報
本発明が解決しようとする課題は、例えば穴や凹み等といった表面欠陥が少なく、表面が平滑な粘着テープ用基材の製造方法を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、薄型であっても、前記表面欠陥に起因した外観不良やテープ性能の低下を引き起こしにくい粘着テープの製造方法を提供することである。
本発明者は、23℃における粘度が6000mPa・s〜20000mPa・sの範囲である樹脂組成物を剥離ライナーの表面に塗工し乾燥する工程を有することを特徴とする粘着テープ用基材の製造方法によって、前記課題を解決した。
本発明の粘着テープ用基材は、例えば穴や凹み等といった表面欠陥が少なく、比較的均一な厚さで表面が平滑なものである。前記粘着テープ用基材を用いて得られた粘着テープは、薄型であっても、かつ、例えば耐衝撃性や耐絶縁性に優れ、良好な外観を備えることから、例えば携帯電子機器等の電子機器の製造、自動車部品の固定、建築内外装の固定等をはじめとする様々な場面で使用することができる。特に、前記粘着テープは、耐衝撃性や耐絶縁性の求められる携帯電子機器等の電子機器を構成する2以上のきょう体の固定、きょう体とレンズ部材との固定、きょう体と充電池等との固定等に好適に使用することができる。
本発明の粘着テープ用基材の製造方法は、23℃における粘度が6000mPa・s〜20000mPa・sの範囲である樹脂組成物を剥離ライナーの表面に塗工し乾燥する工程を有することを特徴とする。
はじめに、本発明の粘着テープ用基材の製造方法は、23℃における粘度が6000mPa・s〜20000mPa・sの範囲である樹脂組成物を製造する工程を有する。
前記樹脂組成物は、例えば樹脂と必要に応じて溶媒や添加剤等とを混合することによって製造することができる。前記混合の際には、必要に応じて攪拌器等を用いることができる。
前記混合の際、常温で粘度が高い樹脂を使用する場合、前記樹脂と前記溶媒や添加剤等との混合が困難な場合がある。このような場合には、予め前記樹脂を加熱することで、前記樹脂の粘度を一時的に下げ、それに前記溶媒や添加剤等を混合することが、比較的均一な樹脂組成物を製造するうえで好ましい。
前記樹脂組成物としては、23℃における粘度が20000mPa・s以下であるものを使用する。これにより、前記樹脂と必要に応じて溶媒や添加剤等を混合し樹脂組成物を製造する際に含まれる気泡が、常温下や減圧環境下において効果的に除去されるため好ましい。
また、前記樹脂組成物としては、23℃における粘度が6000mPa・s以上であるものを使用する。これにより、前記樹脂組成物を剥離ライナーの表面に塗工した際にはじきに起因して粘着テープ用基材の表面に穴や凹みが生じることを効果的に防止することができる。
前記樹脂組成物の23℃における粘度は、もっぱら溶媒によって調整することができる。前記樹脂組成物としては、前記範囲の粘度を有し、かつ、その不揮発分が40質量%〜70質量%の範囲であるものを使用することが、穴や凹み等といった表面欠陥が少なく、表面が平滑な粘着テープ用基材を得るうえで好ましい。
本発明の粘着テープ用基材の製造方法は、前記範囲の粘度に調整された樹脂組成物を離型ライナーの表面へ塗工する前に、減圧環境下に一定期間放置される工程(減圧工程)を有することが、前記樹脂組成物を製造した際に巻き込まれた気泡を、短時間で放出させることができ、その結果、粘着テープ用基材の表面に穴や凹みが形成されることを防止し、表面平滑な基材を得ることができるため好ましい。特に、23℃における粘度が10000〜20000mPa・sの範囲にある樹脂組成物を用いる場合、気泡を完全に放出させるのに要する時間を、前記減圧工程によって大きく短縮することができるため、より好ましい。
前記減圧工程は、前記樹脂組成物の量や粘度、前記樹脂組成物を入れる容器の大きさ等に応じ、適切な減圧条件に設定し行うことができる。
前記減圧条件は、一定である必要はなく、樹脂組成物の状態に応じ、適宜調整することが、気泡の除去を効果的に行ううえで好ましい。例えば、減圧工程の初期においては、高めの減圧条件を設定し、中期以降においては低めの減圧条件を設定してもよい。
前記減圧条件は、例えば樹脂組成物として後述する2液硬化型ポリウレタン組成物を用い、粘着テープ用基材としてウレタン系基材を製造する場合であれば、例えばゲージ圧で−0.06MPa〜−0.1MPaの減圧条件で行うことができる。
前記減圧工程は、15℃〜35℃の範囲で行うことが、前記樹脂組成物に含まれる気泡をより効果的に除去でき、かつ、前記樹脂組成物に含まれる揮発成分が、減圧工程で過度に揮発することを抑制するうえで好ましい。
前記減圧時間は、樹脂組成物に含まれる気泡の量などに応じて適宜調整すればよいが、粘着テープ用基材の生産効率を向上させるうえで、好ましくは1分〜60分、より好ましくは1分〜30分、さらに好ましくは1分〜15分、特に好ましくは5分〜15分である。
前記方法で得られた所定の粘度を有する樹脂組成物は、必要に応じて上記減圧環境下に一定期間放置された後、前記樹脂組成物を剥離ライナーの表面に塗工し乾燥される。
前記樹脂組成物を離型ライナーに塗工する方法としては、例えばコンマコーター、グラビアコーター、ロールコーター等を用いて塗工する方法が挙げられる。
前記塗工後、前記塗工物を乾燥させる方法としては、温度70℃〜150℃環境下で乾燥させる方法が、前記塗工物の表面のみが乾燥して固まる現象であって、一般に皮張りといわれる現象が発生することを抑制でき、前記樹脂組成物に含まれる溶媒や添加物が揮発することによって生じうるガスが前記塗工物中に残存し気泡を形成することを効果的に防止できるため好ましい。
前記塗工物の乾燥は、一定の温度で行うよりも、時間ごとに乾燥温度を変化させて行うほうが、前記皮張りの発生を抑制でき、前記樹脂組成物に含まれる溶媒や添加物が揮発することによって生じうるガスが前記塗工物中に残存し気泡を形成することを効果的に防止できるため好ましい。
例えば、乾燥工程の初期においては比較的低温で乾燥させ、中期以降では比較的高温で乾燥させる方法が挙げられる。また、前記樹脂組成物として後述する2液硬化型ポリウレタン組成物を用い、粘着テープ用基材としてウレタン系基材を製造する場合、前記乾燥温度は、70〜140℃であることが好ましい。
また、前記粘着テープ用基材を製造する方法としては、乾燥工程の後に、必要に応じてエージング工程を行う方法が挙げられる。前記エージング工程は、例えば好ましくは25℃〜50℃程度の温度環境下に、前記乾燥工程を経たものを一定期間放置する工程である。前記エージング工程は、相対湿度40〜60%及び温度30〜50℃で、及び24〜72時間程度行うことが好ましい。前記樹脂組成物として後述する2液硬化型ポリウレタン組成物を用い、粘着テープ用基材としてウレタン系基材を製造する場合であれば、前記エージングは相対湿度50%及び温度40℃で、48時間程度行うことが好ましい。
前記粘着テープ用基材を製造する際に使用する樹脂組成物としては、例えば粘着テープ用基材としてポリウレタン基材を製造する場合であれば、ポリウレタンを含有する樹脂組成物を使用することができる。
前記ポリウレタンを含有する樹脂組成物としては、例えば水酸基を有するポリウレタンと、ポリイソシアネートと、必要に応じて溶媒を含有する、いわゆる2液硬化型ポリウレタン組成物を使用することが、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、被着体に対する追従性に優れ、かつ、絶縁性に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記2液硬化型ポリウレタン組成物としては、前記ポリウレタン等と有機溶剤とを含有する組成物、前記ポリウレタンと水性媒体とを含有する組成物、実質的に前記溶媒を含有しない無溶剤型の組成物等を使用することができる。
2液硬化型ポリウレタン組成物に使用可能な前記水酸基を有するポリウレタンとしては、例えばポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるものを使用することができる。
前記水酸基を有するポリウレタンの製造に使用可能なポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環族ポリイソシアネート、カルボジイミド基を有するポリイソシアネート、アロファネート基を有するポリイソシアネート、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート等を使用することができる。
なかでも、前記ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましく、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを使用することが、後述する好適な引張破断伸度及び引張破断強度を備え、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、被着体に対する追従性に優れ、かつ、絶縁性に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記水酸基を有するポリウレタンの製造に使用可能なポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオールを、単独または2種以上組み合わせ使用することができ、ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
また、前記ポリエステルポリオールとしては、ポリカルボン酸とポリオールとを反応させて得られるものを使用することができる。
前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸、o−フタル酸等の芳香族ポリカルボン酸等を使用することができる。
また、前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能なポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等を使用することができる。
また、前記ポリエステルポリオールとしては、γ−ブチロラクトンやε−カプロラクトン等の開環重合物、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール等を使用することもできる。
前記ポリエステルポリオールとしては、脂肪族ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前記ポリオールやポリアミン等を開始剤とし、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合して得られるものを使用することができる。
前記ポリエステルエーテルポリオールとしては、例えば前記したポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールの共重合物等を使用することができる。
また、前記ポリオールとしては、分子量が60〜140の低分子量のポリオールを使用することもできる。前記低分子量のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、メチルグリコシド等を使用することができ、1,4−ブタンジオールを使用することが、後述する好適な引張破断伸度及び引張破断強度を備え、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、被着体に対する追従性に優れ、かつ、絶縁性に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記2液硬化型ポリウレタン組成物において前記水酸基を有するポリウレタンと組み合わせ使用可能なポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環族ポリイソシアネート、カルボジイミド基を有するポリイソシアネート、アロファネート基を有するポリイソシアネート、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート、及び、それらのアダクト体等を使用することができる。
なかでも、前記ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましく、トリレンジイソシアネートや、そのトリメチロールプロパンアダクト
を使用することが、後述する好適な引張破断伸度及び引張破断強度を備え、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、被着体に対する追従性に優れ、かつ、絶縁性に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記樹脂組成物としては、前記ポリウレタンやイソシアネート等のほかに、必要に応じて添加剤や溶媒を含有するものを使用することができる。
前記溶媒としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、メチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系有機溶剤などを使用することができる。
前記アミド系有機溶剤や芳香族炭化水素系溶剤は、前記樹脂組成物を離型ライナーに塗工し乾燥する工程において、十分に揮発せず、粘着テープ用基材中に少量残存する場合がある。残存した前記溶媒は、エージング工程において徐々に揮発し、それが気泡を形成させる場合がある。
このような課題を解決する方法としては、前記溶媒として、アミド系有機溶剤及び芳香族炭化水素系溶剤の含有量が少ない溶媒を使用することが好ましく、前記樹脂組成物に含まれる溶媒の全量に対してアミド系有機溶剤及び芳香族炭化水素系溶剤の少なくとも1種の含有量が合計0質量%〜50質量%であることがより好ましく、0質量%〜20質量%の範囲であることがさらに好ましい。
また、前記樹脂組成物としては、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、酸化亜鉛などの発泡助剤、気泡核調整剤、熱安定剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤、帯電防止剤、ガラス製やプラスチック製の中空バルーン・ビーズ、金属粉末、金属化合物等の充填材、ニッケル粉末などの導電性フィラー、アルミナや窒化アルミなどの熱伝導性フィラー等の添加剤を含有するものを使用することができる。
上記方法等によって得られた粘着テープ用基材としては、実質的に非発泡であるフィルム状のものを使用することができ、引張速度300mm/分で引っ張ることによって測定された
引張破断伸度は、450%以上であることが好ましく、600%以上であることが、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、被着体に対する追従性に優れ、かつ、絶縁性に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。前記引張破断伸度の上限は、1000%であることが好ましい。
前記粘着テープ用基材としては、厚さ200μm以下のものを使用することが好ましく、1μm〜200μmであるものを使用することがより好ましく、3μm〜150μmであるものを使用することがさらに好ましく、10μm〜150μmであるものを使用することが特に好ましい。なお、前記粘着テープ用基材の厚さは、前記粘着テープ用基材のうち無作為に選択した5か所の厚さを測定して得た値の平均値である。前記範囲の厚さの前記粘着テープ用基材を使用することによって、薄型であっても任意の細幅形状に加工しやすく、被着体に対する追従性に優れ、かつ、絶縁性に優れた粘着テープを得ることができる。
前記粘着テープ用基材は、粘着剤層や他の層との密着性を向上させるため、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線処理、易接着処理剤の塗布等の表面処理がなされていてもよい。表面処理は、ぬれ試薬によるぬれ指数が36mN/m以上、好ましくは40mN/m、さらに好ましくは48mN/mとすることで、粘着剤との良好な密着性が得られる。
前記粘着テープ用基材は、本発明の粘着テープに、意匠性、遮光性、隠蔽性、光反射性、耐光性等を付与することを目的として、着色されていてもよい。
前記粘着テープに遮光性、隠蔽性、耐光性を付与する場合、粘着テープ用基材としては、黒色に着色されたものを使用することが好ましく、その製造には黒色着色剤を含有する樹脂組成物を使用することが好ましい。
黒色の着色剤としては、例えばカーボンブラック、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素等を使用することができる。なかでも、黒色の着色剤としては、コスト、入手性、絶縁性、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や発泡工程における温度に耐える耐熱性を備えたカーボンブラックを使用することが好ましい。
一方、本発明の粘着テープに意匠性や光反射性などを付与する場合、粘着テープ用基材としては、白色に着色されたものを使用することが好ましく、その製造には白色着色剤を含有する樹脂組成物を使用することが好ましい。
前記白色の着色剤としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、リン酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、などの無機系白色着色剤やシリコーン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子などの有機系白色着色剤等を使用することができる。
白色の着色剤としては、コスト、入手性、絶縁性、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や発泡工程における温度に耐える耐熱性を備えた酸化アルミニウムや酸化亜鉛を使用することが好ましい。
本発明の粘着テープとしては、前記粘着テープ用基材の片面側または両面側に、直接または他の層を介して粘着剤層が積層された片面または両面粘着テープが挙げられる。
前記粘着剤層としては、1μm〜150μmの厚さを有するものを使用することが好ましく、5μm〜100μmの厚さを有するものを使用することがより好ましく、10μm〜80μmの厚さを有するものを使用することがさらに好ましい。
前記粘着剤層は、各種粘着剤を用い形成することができる。なかでも、前記粘着剤層としては、例えば、アクリル重合体(b1)、粘着付与樹脂(b2)及び架橋剤(b3)を含有する粘着剤を用いて形成される粘着剤層であることが、特定の引張強さを備えた粘着剤層を形成するうえで好ましい。
また、前記粘着剤層としては、歪み量500%における応力−歪み曲線に基づく引張強さが12N/cm以上のものを使用することが好ましく、13N/cm以上のものを使用することがより好ましく、15N/cm以上のものを使用することがさらに好ましく、17N/cm以上のものを使用することがさらに好ましく、19N/cm以上のものを使用することが特に好ましい。また、上記引張強さの上限は、70N/cm以下であることが好ましく、65N/cm以下のものを使用することがより好ましい。上記範囲の歪み量500%における応力−歪み曲線に基づく引張強さを有する粘着剤層を使用することが粘着シートの性能をバランスよく発現させるうえでより好ましい。
前記粘着剤に含まれていてもよい前記アクリル重合体(b1)としては、粘着剤層の引張強さを特定範囲に設定し、その結果、より一層優れたピール接着力と優れたプッシュ強度と優れた静荷重保持力と良好な耐衝撃性とを備えた粘着剤層を形成するうえで、1〜50の範囲の酸価を有するものを使用することが好ましく、10〜50の範囲の酸価を有するものを使用することがより好ましく、25〜40の範囲の酸価を有するものを使用することがさらに好ましい。また、前記酸価は、もっぱらカルボキシル基に由来した酸価であることが好ましい。なお、前記酸価は、前記アクリル重合体(b1)溶液中に存在する酸基を中和するのに要した水酸化カリウムのmgを指す。
また、前記アクリル重合体(b1)としては、より一層優れたピール接着力と優れたプッシュ強度と優れた静荷重保持力とを備えた粘着剤層を形成するうえで、脂肪族環式構造を有するものを使用することが好ましい。
前記脂肪族環式構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、プロピルシクロヘキシル基、トリシクロ〔5,2,1,0,2,6〕デシル基、ビシクロ〔4,3,0〕−ノニル基、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデシル基、プロピルトリシクロ〔5,3,1,1〕ドデシル基、ノルボルネン基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基等が挙げられるが、なかでもシクロヘキシル基、ノルボルネン基、イソボルニル基、アダマンチル基であることが、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力とを有する粘着テープを得るうえで好ましい。
また、前記アクリル重合体(b1)としては、80万以上の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、100万以上の重量平均分子量を有するものを使用することが、より一層優れたピール接着力と優れたプッシュ強度と優れた静荷重保持力とを備えた粘着テープを得るうえでより好ましく、100万〜300万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがさらに好ましく、100万〜220万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが、粘着剤層の引張強さを特定範囲に設定でき、その結果、優れたピール接着力と優れたプッシュ強度と静荷重保持力とを両立した粘着テープを得るうえでさらに好ましい。なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量である。
前記GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8320GPC)を用いて測定し、ポリスチレン換算した値である。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:THF
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
前記アクリル重合体(b1)としては、−15℃以下のガラス転移温度を有するものを使用することが好ましく、−55℃〜−20℃のガラス転移温度を有するものを使用することが、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度と優れた静荷重保持力とを備えた粘着テープを得るうえでより好ましい。なお、前記ガラス転移温度は、FOXの式によって算出される計算値を指す。
前記アクリル重合体(b1)は、前記粘着剤層の全体に対して、50質量%〜95質量%含まれることが好ましく、60質量%〜90質量%含まれることが、良好な塗工作業性を維持するうえでより好ましい。
前記アクリル重合体(b1)としては、後述するビニル単量体成分が重合反応することによって形成される各単量体に由来する構造単位を有するものを使用することが好ましい。前記構造単位としては、例えば下記一般式(1)が挙げられる。
前記式(1)中のX及びRは、後述するビニル単量体に対応した官能基を指し、Xは水素原子またはメチル基、Rは水素原子、アルキル基、アルカノール基等が挙げられる。たとえばn−ブチルアクリレートであれば、Xは水素原子及びRはn−ブチル基であり、4−ヒドロキシブチルアクリレートであれば、Xは水素原子及びRは−CHCHCHCHOH基であり、アクリル酸であれば、X及びRは水素原子である。
Figure 2017109431
前記ビニル単量体成分としては、所定の引張強さを備えた粘着剤層を形成するうえで、N−ビニル−2−ピロリドン等の窒素原子を有するビニル単量体や酢酸ビニルやスチレン等の(メタ)アクリル単量体以外のビニル単量体の含有量が、前記ビニル単量体成分の全量に対して、合計5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下であるビニル単量体混合物を使用することができる。
また、前記ビニル単量体成分としては、所定の引張強さを備えた粘着剤層を形成するうえで、前記ビニル単量体成分の全量に対する、ホモポリマーのガラス転移温度が100℃以上のアルキル(メタ)アクリレートの含有割合が合計1質量%以下であるものを使用することが好ましく、0.5質量%以下であるものを使用することがより好ましく、0.1質量%以下であるものを使用することが特に好ましい。前記ガラス転移温度が100℃以上のアルキル(メタ)アクリレートの具体例としてはメチルメタクリレートが挙げられる。
前記ビニル単量体としては、例えば水酸基を有するビニル単量体、酸基を有するビニル単量体、アルキル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
前記アクリル重合体(b1)を製造する際に使用できる水酸基を有するビニル単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリル、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体を使用することができる。
なかでも、前記水酸基を有するビニル単量体としては、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、4−ヒドロキシブチルアクリレートを使用することが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を使用した場合と比較して、所定の引張強さを備えた粘着剤層を形成しやすく、その結果、より一層優れた接着性能を備えた粘着テープを得るうえより好ましい。
前記水酸基を有するビニル単量体は、前記単量体成分の全量に対して0.01質量%〜0.2質量%の範囲で使用することが好ましく、0.01質量%以上0.1質量%未満の範囲で使用することがより好ましく、0.02質量%〜0.08質量%の範囲で使用することが、粘着剤層の引張強さを特定範囲に設定し、より一層優れた接着性能を備えた粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記アクリル重合体(b1)を製造する際に使用できる前記酸基を有するビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル単量体、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基を有する(メタ)アクリル単量体等を使用することができる。なかでも、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体を使用することが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸を使用することが、より一層優れた接着性能を備えた粘着テープを得るうえより好ましい。
前記酸基を有するビニル単量体は、前記アクリル重合体(b1)の酸価が所定の好ましい範囲となる量であれば特に限定されないが、前記単量体成分の全量に対して1質量%〜30質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%〜15質量%の範囲で使用することより好ましく、1質量%〜10質量%の範囲で使用することがより好ましく、2.5質量%〜7質量%の範囲で使用することが、より一層優れた接着性能を備えた粘着テープを得るうえでさらに好ましい。
また、前記アクリル重合体(b1)を製造する際には、脂肪族環式構造をアクリル重合体(b1)に導入するうえで、前記ビニル単量体成分として脂肪族環式構造を有するビニル単量体を使用することが好ましい。
前記脂肪族環式構造を有するビニル単量体としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を使用することが好ましく、シクロヘキシルアクリレートを使用することがより好ましい。
前記脂肪族環式構造を有するビニル単量体は、前記ビニル単量体成分の全量に対して、0.5質量%〜30質量%の範囲で使用することが、所定の引張強さを備えた粘着剤層を形成しやすく、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力とを備えた粘着テープを得るうえで好ましく、4質量%〜25質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記アクリル重合体(b1)の製造に使用可能なビニル単量体成分としては、前記したものの他に、必要に応じてその他の単量体を使用することができる。
前記その他のビニル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートを本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
前記その他のビニル単量体としては、前記したなかでも、アルキル基の炭素原子数が4〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを使用することが、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力とを備えた粘着テープを得るうえで好ましい。
前記その他のビニル単量体として使用可能な前記アルキル(メタ)アクリレートのうち、アルキル基の炭素原子数が4〜12であるアルキル(メタ)アクリレートは、前記アクリル重合体(b1)の製造に使用する単量体成分の全量に対して40質量%〜98質量%の範囲で使用することが好ましく、50質量%〜98質量%の範囲で使用することがより好ましく、53質量%〜96質量%の範囲で使用することが、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力とを備えた粘着テープを得るうえで好ましい。
前記n−ブチルアクリレートは、前記単量体成分の全量に対して40質量%〜98質量%の範囲で使用することが好ましく、50質量%〜98質量%の範囲で使用することがより好ましく、53質量%〜96質量%の範囲で使用することがより好ましく、53質量%〜80質量%の範囲で使用することが、所定の引張強さを備えた粘着剤層を形成しやすく、その結果、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力とを備えた粘着テープを得るうえでさらに好ましい。
前記2−エチルヘキシルアクリレートは、前記単量体成分の全量に対して0質量%〜58質量%の範囲で使用することが好ましく、3質量%〜45質量%の範囲で使用することがより好ましく、5質量%〜40質量%の範囲で使用することがより好ましく、10質量%〜40質量%の範囲で使用することが、所定の引張強さを備えた粘着剤層を形成しやすいだけでなく、被着体への初期密着性が優れるため、その結果、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力とより一層優れた絶縁性を備えた粘着テープを得るうえでさらに好ましい。
また、前記アクリル重合体(b1)の製造に使用可能なその他のビニル単量体としては、例えばアミド基を有するアクリル単量体、アミノ基を有する(メタ)アクリル単量体、イミド基を有する(メタ)アクリル単量体等の窒素原子を有する(メタ)アクリル単量体を、本発明の効果を損なわない範囲で使用してもよい。
前記アミド基を有する(メタ)アクリル単量体としては、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン等を使用することができる。
前記アミノ基を有する(メタ)アクリル単量体としては、例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
前記イミド基を有する(メタ)アクリル単量体としては、例えばシクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド等を使用することができる。
前記その他のビニル単量体としては、前記した以外に、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有単量体、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有アクリル単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用してもよい。
前記アクリル重合体(b1)は、例えば有機溶剤の存在下に、前記単量体成分を供給しそれらをラジカル重合させることによって製造することができる。具体的には、前記アクリル重合体(b1)は、前記単量体成分と重合開始剤と、有機溶剤とを、好ましくは40℃〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合させることによって製造することができる。前記単量体成分は、一括して供給してもよく、分割して供給してもよい。
前記重合開始剤としては、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロキシパーオキサイド等の過酸化物や、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾ化合物等を使用することができる。前記重合開始剤の使用量は、前記単量体成分の全量に対して0.01質量%〜5質量%の範囲であることが好ましい。
本発明で使用することのできる粘着剤としては、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力を備えた粘着テープを得るうえで、粘着付与樹脂(b2)を含有するものを使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂(b2)としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系粘着付与樹脂等を使用することができる。
なかでも、前記粘着付与樹脂(b2)としては、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、石油系粘着付与樹脂及びテルペンフェノール系粘着付与樹脂からなる群より選ばれる2種以上を組み合わせ使用することが、前記アクリル重合体(b1)との相溶性に優れ、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力を備えた粘着テープを得るうえで好ましく、3種以上がより好ましい。
前記粘着付与樹脂(b2)の軟化点は100℃以上が好ましく、120℃〜170℃の範囲のものを使用することが、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力を備えた粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記粘着付与樹脂(b2)は、前記アクリル重合体(b1)100質量部に対して、5質量部〜60質量部の範囲で使用することが好ましく、10質量部〜50質量部の範囲で使用することが、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力を備えた粘着テープを得るうえでより好ましい。
また、前記粘着剤としては、より一層優れた凝集力を備えた粘着剤層を形成するうえで、架橋剤(b3)を含有するものを使用することが好ましい。
前記架橋剤(b3)としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用することができる。なかでも、前記架橋剤としては、予め製造した前記アクリル重合体(b1)またはその溶液と、混合して使用しやすく、かつ、速やかに架橋反応を進行させることのできる架橋剤を使用することが好ましく、具体的には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤を使用することがより好ましい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネート等を使用することができる。なかでも、前記イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネート等を使用することが好ましい。
前記架橋剤(b3)を含有する粘着剤を用いて形成された粘着剤層の架橋度合いの指標としては、粘着剤層をトルエンに24時間浸漬した後の不溶分を測定するゲル分率の値が挙げられる。前記ゲル分率としては、20質量%〜70質量%の範囲であることが好ましく、30質量%〜70質量%の範囲であることがより好ましく、35質量%〜65質量%の範囲であることさらに好ましく、45質量%〜65質量%の範囲であることがさらに好ましく、50質量%〜65質量%の範囲であることが、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力を備えた粘着テープを得るうえで特に好ましい。
なお、前記ゲル分率は、下記に示す方法で測定した値を指す。
任意の剥離ライナーの片面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工し、100℃で3分間乾燥し、40℃で2日エージングすることによって粘着剤層を形成する。それを50mm角に切り取ったものを試料とする。
次に、上記試料の質量(G1)を測定した後、前記試料をトルエン溶液中に23℃で24時間浸漬する。前記浸漬後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率が求める。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
前記粘着剤としては、前記したものの他に、必要に応じてその他の成分を含有するものを使用することができる。
前記その他の成分としては、例えば可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維やバルーンやビーズ、金属、金属酸化物、金属窒化物等の充填剤、顔料や染料等の着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の添加剤を使用することができる。
また、前記粘着剤としては、良好な塗工作業性を付与するうえで、前記アクリル重合体(b1)の他に、必要に応じて溶媒を含有するものを使用することが好ましい。前記溶媒としては、例えば有機溶剤、水等の水性媒体等が挙げられる。
前記有機溶剤としては、例えばトルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等を使用することができる。
本発明の粘着テープは、例えば前記粘着テープ用基材の片面側または両面側に、ナイフコーターやロールコーターやダイコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって製造することができる(直接法)。また、前記粘着テープは、予め離型ライナーの表面にナイフコーターやロールコーターやダイコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって粘着剤層を形成し、次いで、前記粘着剤層を粘着テープ用基材の片面側または両面側に貼り合せる転写法によって製造することができる。
本発明の粘着テープは、例えば貼付部位や形状等の制約によって、粘着テープの最狭部分の幅が5mm以下、好ましくは0.1mm〜3mm、より好ましくは0.5mm〜2.5mmに制限される部材の固定等に使用することができる。
前記狭幅の部材は、例えば携帯電話機等の携帯電子機器、自動車、建材、OB、家電業界などの工業用途における部材として使用されることが多い。
前記部材としては、具体的には電子端末を構成する2以上のきょう体、レンズ部材等が挙げられる。
本発明の粘着テープを用いて2以上のきょう体やレンズ部材が固定された電子機器等の物品は、落下等の衝撃によって容易に脱落等することなく、また、優れた防水性を備える。
以下、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明する。
[調製例1]アクリル重合体(B−1)の製造方法
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート80.94質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、シクロヘキシルアクリレート10質量部、アクリル酸4質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.06質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温させた。
次に、前記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前記混合物を200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量160万のアクリル重合体(B−1)溶液(不揮発分33質量%)を得た。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量であり、以下の方法で測定した。
GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8320GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値である。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
前記反応容器に、前記アクリル重合体(B−1)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D−125(荒川化学工業株式会社製)15質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂A125(荒川化学工業株式会社製)10質量部とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分31質量%の粘着剤溶液を得た。
次に、前記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)1.4質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤(p−1)を得た。
[実施例1]
1,6−ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコールとアジピン酸とを反応させて得られた数平均分子量1500のポリエステルポリオール42.0質量部、及び1,4−ブタンジオールとアジピン酸とを反応させて得られた数平均分子量600のポリブチレンアジペートポリオール18.0質量部、トリメチロールプロパン0.5質量部を、酢酸エチルで1.7倍に希釈した。
次に、前記希釈物にトリレンジイソシアネート10.0質量部を混合し、80℃で3時間反応させ、酢酸エチルで希釈することによって、水酸基を有するポリウレタン溶液(t−1)〔不揮発分55質量%〕を得た。
前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−1)と、バーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)8.25質量部とを混合したものを、大気圧下に10分静置することで2液硬化型組成物(T−1)〔不揮発分54質量%〕を得た。
離型ライナーの剥離処理面に、前記2液硬化型組成物(T−1)を、硬化後の厚さが100μmとなるように塗工し、温度100℃の環境下で10分間乾燥し、40℃で2日エージングすることによって粘着テープ用基材(A−1)を作製した。
調製例1で得た粘着剤(p−1)を、離型ライナーの表面に、粘着剤層の厚さが50μmとなるように塗工し、温度100℃の条件で3分間乾燥させることによって、粘着剤層を得た。
前記粘着テープ用基材(A−1)の片側面に、前記粘着剤層を転写し、ラミネータを用いて圧着させることによって、総厚さ200μmの粘着テープを得た。
[実施例2]
前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−1)と、バーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)8.25質量部とを混合したものを、大気圧下に10分静置する代わりに、ゲージ圧−0.09MPaの減圧下に10分静置すること以外は、実施例1と同様の方法で、2液硬化型組成物(T−2)〔不揮発分54質量%〕を得た。
前記2液硬化型組成物(T−1)の代わりに前記2液硬化型組成物(T−2)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープ用基材(A−2)及び粘着テープを得た。
[実施例3]
前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−1)〔不揮発分55質量%〕の代わりに、不揮発分を63質量%に変更した水酸基を有するポリウレタン溶液(t−2)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、2液硬化型組成物(T−3)〔不揮発分61質量%〕を得た。
前記2液硬化型組成物(T−1)の代わりに前記2液硬化型組成物(T−3)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープ用基材(A−3)及び粘着テープを得た。
[実施例4]
前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−1)〔不揮発分55質量%〕の代わりに、不揮発分を63質量%に変更した水酸基を有するポリウレタン溶液(t−2)を使用すること、及び、前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−2)と、バーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)8.25質量部とを混合したものを、大気圧下に10分静置する代わりに、ゲージ圧−0.09MPaの減圧下に10分静置すること以外は、実施例1と同様の方法で、2液硬化型組成物(T−4)〔不揮発分61質量%〕を得た。
前記2液硬化型組成物(T−1)の代わりに前記2液硬化型組成物(T−4)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープ用基材(A−4)及び粘着テープを得た。
[比較例1]
1,6−ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコールとアジピン酸とを反応させて得られた数平均分子量1500のポリエステルポリオール42.0質量部、及び1,4−ブタンジオールとアジピン酸とを反応させて得られた数平均分子量600のポリブチレンアジペートポリオール18.0質量部、トリメチロールプロパン0.5質量部を、酢酸エチルで1.7倍に希釈した。
次に、前記希釈物にトリレンジイソシアネート10.0質量部を混合し、80℃で3時間反応させ、酢酸エチルで希釈することによって、水酸基を有するポリウレタン溶液(t−2)〔不揮発分50質量%〕を得た。
前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−3)と、バーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)8.25質量部とを混合したものを、大気圧下に10分静置することで2液硬化型組成物(T’−1)〔不揮発分49質量%〕を得た。
前記2液硬化型組成物(T−1)の代わりに前記2液硬化型組成物(T’−1)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープ用基材(A’−1)及び粘着テープを得た。
[比較例2]
前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−3)〔不揮発分50質量%〕の代わりに、不揮発分を65質量%に変更した水酸基を有するポリウレタン溶液(t−4)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、2液硬化型組成物(T’−2)〔不揮発分63質量%〕を得た。
前記2液硬化型組成物(T−1)の代わりに前記2液硬化型組成物(T’−2)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープ用基材(A’−2)及び粘着テープを得た。
[比較例3]
前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−3)〔不揮発分50質量%〕の代わりに、不揮発分を65質量%に変更した水酸基を有するポリウレタン溶液(t−4)を使用すること、及び、前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−4)と、バーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)8.25質量部とを混合したものを、大気圧下に10分静置する代わりに、ゲージ圧−0.09MPaの減圧下に10分静置すること以外は、比較例1と同様の方法で、2液硬化型組成物(T’−3)〔不揮発分63質量%〕を得た。
前記2液硬化型組成物(T’−1)の代わりに前記2液硬化型組成物(T’−3)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープ用基材(A’−3)及び粘着テープを得た。
[比較例4]
前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−3)〔不揮発分50質量%〕の代わりに、不揮発分を70質量%に変更した水酸基を有するポリウレタン溶液(t−5)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、2液硬化型組成物(T’−4)〔不揮発分68質量%〕を得た。
前記2液硬化型組成物(T−1)の代わりに前記2液硬化型組成物(T’−4)を使用すること以外は、比較例1と同様の方法で粘着テープ用基材(A’−4)及び粘着テープを得た。
[比較例5]
前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−3)〔不揮発分50質量%〕の代わりに、不揮発分を70質量%に変更した水酸基を有するポリウレタン溶液(t−5)を使用すること、及び、前記水酸基を有するポリウレタン溶液(t−5)と、バーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)8.25質量部とを混合したものを、大気圧下に10分静置する代わりに、ゲージ圧−0.09MPaの減圧下に10分静置すること以外は、比較例1と同様の方法で、2液硬化型組成物(T’−5)〔不揮発分68質量%〕を得た。
前記2液硬化型組成物(T−1)の代わりに前記2液硬化型組成物(T’−5)を使用すること以外は、比較例1と同様の方法で粘着テープ用基材(A’−5)及び粘着テープを得た。
[樹脂組成物の粘度の測定方法]
2液硬化型組成物をガラス瓶に100g入れた。前記2液硬化型組成物の粘度を、温度23℃及び50%の測定環境下で、B型粘度計(東機産業株式会社製)を用いNo.4のローターで測定した。
[粘着テープ用基材のはじきの有無の評価方法]
前記粘着テープ用基材を10cm×10cmの正方形に裁断して得た試験片を3枚用意した。前記試験片を目視で観察し、2液硬化型組成物のはじきによってできた穴の個数を数えて、その平均個数を算出した。
〇:いずれの試験片にも、はじきによる穴が形成されていなかった。
×:いずれかの試験片に、はじきによる穴が1個以上あった。
[粘着テープ用基材の気泡の評価方法]
前記粘着テープ用基材を1.0cm×1.0cmの正方形に裁断して得た試験片を3枚用意した。前記試験片を目視で観察し、気泡の個数を数え、その平均個数を算出した。
◎:いずれの試験片にも、気泡が存在しなかった。
〇:いずれかの試験片に、1個以上50個未満の気泡が確認できた。
×:いずれかの試験片に、50個以上の気泡が確認できた。
Figure 2017109431
Figure 2017109431

Claims (7)

  1. 23℃における粘度が6000mPa・s〜20000mPa・sの範囲である樹脂組成物を剥離ライナーの表面に塗工し乾燥する工程を有することを特徴とする粘着テープ用基材の製造方法。
  2. 23℃における粘度が6000mPa・s〜20000mPa・sの範囲である樹脂組成物を減圧環境下に放置する工程を有する請求項1に記載の粘着テープ用基材の製造方法。
  3. 前記樹脂組成物がポリウレタンを含有するものである請求項1または2に記載の粘着テープ用基材の製造方法。
  4. 前記樹脂組成物が2液硬化型ポリウレタン組成物である請求項1または2に記載の粘着テープ用基材の製造方法。
  5. 前記樹脂組成物が溶媒を含有するものであり、前記溶媒の全量に対するアミド系有機溶剤及び芳香族炭化水素系溶剤の少なくとも1種の含有量が合計0質量%〜50質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着テープ用基材の製造方法。
  6. 粘着テープ用基材の厚さが10μm〜100μmの範囲である請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着テープ用基材の製造方法。
  7. 23℃における粘度が6000mPa・s〜20000mPa・sの範囲である樹脂組成物を剥離ライナーの表面に塗工し乾燥する工程を経ることによって粘着テープ用基材を製造した後、前記粘着テープ用基材の片面または両面に粘着剤層を設けることを特徴とする粘着テープの製造方法。
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